三木道博さん(稲美町)

「はりま元気ポールウォーキングの活動展開」

元気プランニング 代表 MCプロ 三 木 道 博(みき・みちひろ)

ポールウォーキングの普及、展開により、住民の健康づくりを継続的にできる場作りの活動を始めて10年目に入りました。振り返ると、社会の変化とともに1年1年違った風が吹きます。その風に背を押され工夫しながら事業を進め、現在の活動になりました。

参加者を一律に指導する集団指導では、体力差、年齢差等のある参加者の皆さんそれぞれに運動の必要性を伝えることが困難です。クラス別の事業を展開することにし、予算等の問題から自ら指導を担当しました。初級クラス、中級クラス、上級クラスとし、参加者自身がクラスを選択する方式です。クラス別に事業を展開する中で、安全で効果的なポールウォーキングを参加者に紹介したのが、私のポールウォーキング活動の始まりです。行政と民間の協働なくして継続した成果を出すことはできないとも感じ、ポールウォーキングのコーチ資格(MC)とメディカルトレーナー資格を、指導依頼を受けながら1年をかけて取得しました。

更に、ポールウォーキングを普及し継続的に活動することのできる場づくりと、歩くための体づくりとその普及活動を進める為に、当時の協会本部と相談し、兵庫県支部を立ち上げました。2011年2月に支部を立ち上げ、同年4月に兵庫県レクリエーション協会に加盟し、続いて2012年4月には兵庫県生涯スポーツ連合にも加盟しました。各団体共、年1回普及活動を継続していますが、課題は多く工夫した取り組みが必要と感じています。

私が目標にする運動指導は、バランスの取れたよい姿勢の維持、特に運動器のチェックと適切なアドバイスによる機能改善の為の体操を日常行っていただく事です。常に継続の大切さを繰り返し伝えます。ネガティブな言葉を避けアドバイスをする事、参加者の姿勢を観察し起こりうると考えられる症状が出てないかを問いかける事などで、本人に気づいていただき改善の為の対策をアドバイスします。この声かけは、各リーダーにも求めています。

また、この事業を確立する為には、自治体との連携が不可欠なので、協議を重ねました。特に重要な点は、参加費無料の行政事業から有料の民間事業への移行でした。行政に受益者負担を持ちかけました。参加費の負担といったハードルを少しはクリアーする事ができると考えたからです。住民の健康を願うことは同じ思いです。予算を必要としない協力(PR)を依頼し、委託事業の後にチラシを配る事や、健康や福祉等の会議での紹介を通じて、多くの方に運動を継続できる場、何らかの運動を始める場があることを知らせる事が出来ました。最初は、行政の協力のもと委託事業の教室修了者を募ってモデルサークルを実施し、参加者の意見を聞きました。コーチの存在は必要か、会費はどれ位なら参加されるか等を確認し、1回の参加費を200円~300円、月1,000円の会費でコーチがアドバイスを行う事にし、サークル活動をスタートしました。運動を生活化する為、週1回毎週の活動としています。祝日と年末年始及びお盆の3日のみ休みです。更に、参加者の体調の問題やお孫さんの世話等色々な事情があるので、休みやすく再開しやすいサークルで在る為に、月の途中からでも参加できるよう1回の参加費も設定しました。

活動を継続する中で、参加者の体力差等により私1人では目が届く範囲を超えてしまうことも分かりました。次の課題として以下のような取り組みをスタートしています。

兵庫県独自のポールウォーキング・リーダーを養成し、各地区に分散させる為、曜日を変えて活動を増やすことにしました。1週間の運動習慣を考え、月曜日と水曜日はサークル活動とし、週末は各自でそれぞれの運動を実施して頂ける様にしました。

もう1つの、問題点は個々の体力差です。参加したいが1回の活動で5000歩~6000歩を歩ける自信がなく断念する住民への対応と、後期高齢者対策です。歩ける体づくりとポールウォーキングのクラスを開き、2000歩クラスのシニアポールウォーキングサークルも受け皿として立ち上げました。このクラスは、参加者の生活圏で実施します。コミュニティーセンターまで出向き、運動器への負担が少ない歩き方の習得と筋トレを中心に活動しています。公共施設は民間への貸し出しについては制限がありネックでしたが、住民の自主グループが講師を依頼するスタイルで利用可能になりました。現在、歩数に制限のないサークルが週に2回、歩数に制限を付け体にやさしいクラスも週2回を実施しています。

また、2018年から、無料体験会を数回実施した上で、兵庫大学エクステンションカレッジの協力を頂き、ポールウォーカーをつなぐ月例会を実施しています。当町では、ポールウォーキングでの健康づくりを推奨し、町民を対象にポールの無料レンタルを実施、この取り組みは、ポールウォーキングの普及に大きな力になっています。

現在、脳トレポールウォークを考案し楽しく活動継続中。

今後についても新しいプログラムの提供ができるように、社会の変化や参加者のニーズを把握し活動の継続、拡充に努めていきたいと考えています。

出典:NPWA会報誌Vol.18(2019年6月25日)

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