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AIと医療 MDS2026(ソウル) mGluR1抗体関連小脳性運動失調症 T細胞がつなぐタウ病理と神経変性 アルツハイマー病 ナルコレプシー治療 マイクロプラスチック レカネマブ治療に伴う「バイオマーカーの乖離」 下畑先生の新著書 学会に行く意義 片頭痛研究の巨匠Jes Olesen教授 第1回日本機能性神経障害(FND)研究会 脳梗塞の幹細胞治療 脳神経内科の新しい教科書、予約開始 自己免疫性脳炎 自己免疫性運動異常症 進行性多巣性白質脳症(PML) 重症筋無力症(MG) 閃輝暗点は脳内を毎分3 mmで進む 隠れた状態にあるミクログリア

2026年10月のニュース

秋の便りが届き始めました。下畑先生の新著発行や脳神経内科の新しい教科書の予約もスタートします。私もプレプリント投稿用の原稿を2つ、AIとの共作で初めて書いてみました。『3.特別企画:「Switching Science」はどのように生まれたか』で紹介しています。

1.2026年10月の活動状況
・スマイルチームさんの投稿
20261001 毎月第一木曜日の午前中は #スマイルチーム #ポールウォーキング 9月はまるまる雨☔、、、でしたねぇ、、😮‍💨 今日から10月スタート。 見事に晴れました☀️ いつものように スマイルチームはコミュニティ重視のポールウォーキング。 『ようやく雨上がったねー』 から始まって あんなこと こんなこと そんなこと を話して聞いて、、、な、ポールウォーキング。 目標地点に着いてからは それぞれそこから自由に あっち行って こっち行って そっち行って なので、ゴール地点は人数も半分ほどに。 久しぶりの晴天下での仲良し楽しウォーキング。 最高でした❣️ #相模原市南区 #相模大野 #丸十パン 20261001記

・田村 芙美子さんの投稿
渋谷介護予防事業ポールウォーキング教室も3学期を迎えました。膝術後の方は整形外科医師にリハビリにPWを勧められたそうです。(素晴らしい対応) 渋谷西武百貨店は先月末で58年の幕をおろしました。今朝全てのショウウィンドウに真っ黒なシャッターが下ろされたその前を通ってじわじわとした思いが込み上げてきました。ISSEY MIYAKEや寛斎にかぶれていた私の青春時代。大学の友人もB館に紳士服店を出していた頃もあります。最近は寄ることもなかったけれど、寂しいなぁ~。 でも午前のPW教室を終えて午後からは鎌倉みらいふると社協主催の元気鎌倉教養講座に駆けつけ、養老孟司さんの講演、そして極めて珍しい女性口笛・オルゴール・ピアノトリオのコンサートの心に沁みるお話と音楽に感銘を受け夕方帰宅しました。道々口を尖らせて音のでない空気笛を吹きながら~~♪

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 10/3〜4さく市/佐久市と佐久商工会議所の主催の商工業サービス業展会場にて本日4日はPW例会でした。 60名越えの参加者で佐久大学看護学部生13名も交えてのPW散歩〜 時折の冷たい秋風の中、会場隣の牧場を中心の歩きでした。 次回は10/25希望者での 〜小布施バス巡り〜です。 秋を🍂堪能して来ます〜ww

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
2026/10/3(六),由秋月教練舉辦的冬山河皮克敏好友見面會 結合運動與遊戲,實在是太有趣了!來到宜蘭冬山河,帶著健走杖、跟著皮克敏一起出發! 雙杖在手,不只是健走,更是一場充滿樂趣的輕旅行!動動雙腳,鍛鍊體力 活用雙杖,增加運動趣味 與皮克敏一起走,沿途探索驚喜 融入自然,享受冬山河的好風景讓運動不再只是「走路」,而是邊玩、邊探索、邊交朋友! 健走杖x皮克敏,一起走出健康,留下滿滿回憶!#台灣健走杖運動推廣協會 #不倒翁健走學校 #紐約生動館 #冬山鄉農會

・とちぎポールウォーキング会さんの投稿
パナソニック松愛会に皆さんの健康ウォークのポールウォーキングでした。会場は上河内せせらぎ公園を中心に御用側堤防ウォーキング、お昼は松愛会の手打ちそばごちそうになりました。

・一般社団法人ソーシャルフィットネス協会さんの投稿
サロン事業(介護予防教室)はファッションショー形式で非日常性を演出 ソーシャルフィットネス協会では、全国の自治体・地域包括支援センターや自治会・町内会から孤立防止・お出掛け促進を目的としたサロン事業の要請をうけ、地域在住コーチが地域で活躍してくれています。 最近の傾向として、「より愉しく」「非日常的なハレの日的」な健康サロン事業提案が増えてきました。 SFAでは、そうした声にこたえるために「ファッションショー形式歩き方教室」の提案してます。ポイントは以下のとおりです。 1)人の歩容を観る、また観られることによる程よい緊張感と新たな発見 2)2班に分け、つながりと休憩を兼ねた無理のない教室進行 3)「心理的安全性」に配慮し、計算された学習プロセスによる進行 特に3つめの学習プロセス【説明→デモ→グループ班別にやってみる(他グループは観察)→交代→皆でやってみる→できた!!】を廻しながら、いかに小さな発見と成功体験を積み上げるかに注力します。 結果は、想定以上のアウトプットが得られことにびっくりします。皆さんも是非次回の教室で試してみてください。特に狭い会場でもグループ分け(必要に応じて3~4班でも可)により、実践可能となる点も一押しです!

・校條 諭さんの投稿
10月の気まポ(気ままにポール歩き)は新宿「六」福神 七福神のうち、神楽坂の毘沙門天を除く6箇所を巡りました。 天気快晴。10月10日は1964年に東京オリンピックの開会式が行われた日で、晴れの特異日と言われていますね。 コースは下記です。 牛込柳町駅近くの経王寺・大黒天~(大江戸線で東新宿まで移動)~稲荷鬼王神社・恵比寿神~永福寺・福禄寿、厳島神社・弁財天、法善寺・寿老人~西向天神社~太宗寺・布袋尊 時間が余ったら新宿御苑に入るつもりが、まったく余らず。休んでばかりでしたが、楽しいポール歩きでした。 なお、御朱印を集めている人は3人でした。 ※写真の大部分は田村和史さんからもらいました。

・Masako Shinchiさんの投稿
久しぶりの・・・ ウォーキングポールを相棒に 仲間とめぐる小さな旅 ぽる旅👬 今日は茨城県石岡市の常陸風土記の丘へ とびっきりの晴天と、2ヶ月ぶりに見るメンバーの元気そうな顔に気持ちが弾みます😊 ここは桜と古代蓮が有名ですが、パンフレットに書かれた「太古の世界へタイムスリップ!」という言葉が、ピッタリな場所。高速道路の工事で発見、発掘された遺跡の一部が復元され、遠い昔の人の暮らしがここにあったことを実感させられます。 有料エリアも一度は見て損はないと思いますよ👌 以前から狙っていた人気の食事処で不定期に登場する人気のカレーも味わうことができ、満腹満足な旅でした😄 来月は紅葉🍁を求めて水戸市偕楽園を旅する予定です

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
「每月11日,雙杖健走日」,光輝十月 10.11 雙杖漫步竹北西區~ 今天匯集上百位參加的民眾,從新崙公園出發,沿著豆子埔溪,散策西區認識在地農田、水圳與聚落, 走訪傳統特色大同米行、采田福地。 大家一起走、一起學,開心歡樂把健康帶回生活裡,感動。 秀玲代表(BC教練)是竹北地區健走杖運動推廣的先行者,她用實際行動力,讓更多社區民眾接觸健走杖運動,走出健康,走出快樂😄 感謝今天一起同行的夥伴與教練、志工朋友們,因為有你們,活動順利圓滿成功! 感謝麗玲教練的籌備規劃、郭醫師的健走杖教學、蘇雍賀教練的率領陣容、Andy、講容、Roger、均萍、美玲、宏仁等教練群💯 #雙杖在手健康跟著走 #不倒翁學校 #大健康產業整合發展協會 #黑皮漾家園 Happy Young Family #歡樂青春智慧健康

・杉浦 伸郎さんの投稿
「心なき身にもあはれは知られけり 鴫立澤の秋の夕暮」            西行法師がこの歌を詠んだ大磯の地。 1か月前、鎌倉から海と自然に恵まれた神奈川県中郡大磯町に移り住み、少しずつ暮らしの基盤を整えています。 秋の深まりとともに、先人たちに想いを馳せ、この土地ならではの風情をしみじみと感じる今日この頃です。 そして昨日、初孫が誕生しました。 新天地での暮らしと、新しい命の誕生。人生の新たな章が始まったように感じています。 荒波だらけの後半戦でしたが、これからは肩の力を抜き、地に足をつけ、よりシンプルに、自分らしく歩んでいきたいと思います。 長らくのご無沙汰をお詫びしつつ、近況のご報告まで。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 “Just a little life update: Last month, I moved from Kamakura to Oiso, and I’ve also become a grandfather for the first time!”

・柳澤 光宏さんの投稿
先日は母がもらってきた松茸をおこぼれでいただきました(^.^)焼くのが一番いい‼️ 今日は夜だけ東京に。お世話になっている経営者が本をだされての出版記念バーティへ。自分は出版しただけで何もしなかったので、とても勉強になるだろうし、経営者の皆さんにお会いできるのが楽しみです(^.^)

・遠藤 恵子さんの投稿
【ローゼルジャム🌺🍎】 去年、初めて育てたローゼル🌺 収穫して冷凍保存していたことを思い出し……🤣 りんご🍎と一緒にコトコト煮込んで、ジャムを作ってみました! 初めてのチャレンジ✨️ ちょい酸っぱで、いい感じに美味しくできました🫶 自分で育てたものを収穫して、保存して、調理する。 こういう楽しみもいいものですね😊 来年はもっと上手に育てて、早めにジャム作りを楽しみたいと思います🌺🍎 #ローゼル #ローゼルジャム #手作りジャム #家庭菜園 #初挑戦

・とちぎポールウォーキング会さんの投稿
豊郷台3丁目ウォーキング教室でした。ポールウォーキングとバランスレクリエーションとスラックラインボールダーツでした。

・校條 諭さんの投稿
こんなに笑ってる集合写真ってある?(^^) そのヒミツは、右端を見てください。顔半分写っているのは私です。セルフタイマーを仕掛けたのに間に合わず、シャッターが降りてしまったのでした。 撮影日は12年前の2014年1月。NPO法人みんなの元気学校としてやっていた杉並ポール歩きの会(杉ポ、2023年休会)を、杉並区の浜田山地区にある柏の宮(かしのみや)公園で開催したときのものです。 たまたま必要があって過去の写真を探していて目に止まりました。

・Masako Shinchiさんの投稿
小布施を歩いてきました🍎 25日に佐久PWのバス散策があり、その下見・・・のつもりでしたが、コースからどんどん外れて、最後はふらりと図書館に。写真撮り忘れましたが、小布施の図書館テラソ、こんな図書館が佐久にも欲しいーーー!←熱望 シャインマスカット300円はお得でした

・田村 芙美子さんの投稿
久々お出かけハイキング 国営ひたち海浜公園のコキア旅 PWが繋ぐ友達の輪 TVで観るより遥かに迫力の広大な見晴らしエリアまでの絶景でした 今年はコキア植栽20周年の記念の年、特別の秋ですって 友人の股関節術後のリハビリもポールウォーキングで坂道も歩きました

・菊田 利秀さんの投稿
10月17日(土)、昨年のGWに秋田のポールウォーキングイベントに参加した際に知り合い、佐久ぴんころウォークでもお世話になったポールウォーキングコーチの佐藤珠美さんが、佐久平ウォーキング倶楽部の皆さんを引き連れて来水されるとのことで、偕楽園界隈を案内し、那珂湊で海鮮を食べて魚市場での買い物を楽しんできました❗️ 千波湖NWのメンバーも3名偕楽園ウォーキングには参加してくれ、交流もできました。 本当はひたち海浜公園のコキアも行きたかったのですが、時間が足りず断念😩 佐久平ウォーキング倶楽部の皆様、茨城にお越し下さりありがとうございました。 また来てくださいね☺

・水間 孝之さんの投稿
全国ポールdeウォーク研究交流集会in上田2日は別所温泉、上田城址、塩田大良の3コースに別れてポールウォーキングを楽しみました。 午後はシナノ社での工場見学を行い、ポールの製造工程をじっくり見ていただきました。 真剣に見学していただきました。 今後の普及活動に生かしていただければありがたいです。 2日間ほんとうにお疲れさまでした‼️ 2年後、鹿児島でお会いしましょう♪♪

・森川 まことさんの投稿
何と!5ヶ月ぶりにやっと外に出られて、歩けるようになりました。 久しぶりなので少し距離は短めで、体操をして帰ってきました。 来月こそ、江戸川土手を歩いて帝釈天行くぞー!!

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
台灣健走杖運動推廣協會攜手三得利 舉辦【城市輕健走】台中場 免費報名倒數中⏰ 🔎精彩內容 ✅專業教練指導0基礎也OK ✅分組體驗教學: 【休閒組】2km,健走約40分鐘 【挑戰組】4km,健走約80分鐘 ✅免費租借健走杖,空手來就好 ✅收操伸展小教室,舒緩不緊繃 ✅物理治療師的專業諮詢服務 🗓️活動時間:2026/11/21(六)14:00~17:00 📌報名時間:即日起至10/25(日) 📌集合地點:坪林森林公園 戶外展演廣場 💰參加費用:免費(報名抽選即視同加入三得利會員) ※本活動為「抽選制」,詳見活動頁→ https://tswe.cc/oM2Xi 空手就能免費體驗再享🎁 ✓ 【躍+美9天份體驗組】 ✓ 多利金1,000點 健康.好禮一次帶走 手刀報名GO🚀 https://tswe.cc/oM2Xi

・遠藤 恵子さんの投稿
【介護予防運動/脳トレ・リズム体操】 これって、チャレンジクラス⁉️🤣 月曜~金曜の午前中は、毎日さまざまな年齢の皆様と介護予防運動! こちらの動画は 🎵『365歩のマーチ』に振り付けた 脳トレ要素たっぷりのリズム体操♪ リズムに合わせて、考えて、動いて、笑って😊 楽しみながら、からだも脳もフル回転! 皆さん、しっかりついてこられました😆💕

・柳澤 光宏さんの投稿
医療福祉技術シンポジウム初参加。ウォーキングポールの開発とポールウォーキング普及について講演させていただきました。 資料を作っていて、気付けばポールウォーキングは開発してから20年が経過してました。父の時から試行錯誤しながら20年、今ではシナノを支える事業に成長していますm(__)m

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 雨の〜小布施PW散策〜でした。 バスツアーで総勢47名満車状態で秋の小布施訪問です。 浄光寺(スラックラインメッカ)で住職の有難いお言葉を(ごすいの法)を頂き 岩松院で鳳凰天井絵のお参りし 小布施街への散歩みち約4km闊歩〜 街に向かったところで雨降りとなり シットリ歩きの小布施散策〜 郊外遊歩道はガラガラでしたが、秋の味覚を求め街中は日本語が行き交っての賑わいで、ランチも行列が連なり状態でした。 〜焼き栗〜旨し〜❗️ これでバスツアー散策は3年続きの雨降りPWとなり次回は・・?の声も〜ww

・長岡智津子さんの投稿
ハッピーハロウィン🎃 ウォーリーを探せ!

 

来月以降の開催
・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
日本健走杖健走-初階教練 培訓報名表(BC)

・遠藤 恵子さんの投稿
【ポールウォーキングで芦屋ツーリズム】開催のお知らせ📣 ⁡ 🌿 ポールウォーキングで芦屋釜の里へ行こう! ⁡ ウォーキング専用ポールを使って、 芦屋町の景色を楽しみながら歩いてみませんか? ⁡ 今回の目的地は「芦屋釜の里」 ⁡ 到着後は、庭園や秋季特別展を見学。 ⁡ そして、お抹茶とお菓子をいただきながら、 ゆったりとした時間を楽しみます🍵 ⁡ 開催中の秋季特別展は、 ⁡ 「博多鋳物師 山鹿家の軌跡 ~芦屋から博多へ~」 ⁡ 健康づくりをしながら、 芦屋町の歴史や文化にも触れてみませんか? ⁡ ポールウォーキング初心者の方も大歓迎です😊 ⁡ ━━━━━━━━━━━━━━ ⁡ 📅 開催日時 ⁡ 2026年11月23日(月・祝) 8:00〜12:00 ⁡ [スケジュール] ⁡ 8:00 堂山駐車場 集合 9:30 芦屋釜の里 到着・見学・呈茶 12:00 堂山駐車場 解散予定 ⁡ ※荒天中止 ⁡ ━━━━━━━━━━━━━━ ⁡ 📍 集合場所 ⁡ 堂山駐車場 (地図をご確認ください) ⁡ ━━━━━━━━━━━━━━ ⁡ 💰 参加費 ⁡ 2,000円 ⁡ (芦屋釜の里入館料・呈茶料・保険料を含む) ⁡ ━━━━━━━━━━━━━━ ⁡ 👟 持ち物・服装 ⁡ ・飲み物 ・タオル ・リュック ・帽子 ・歩きやすいシューズ ・運動しやすい服装 ⁡ ※ポールをお持ちでない方には、こちらでご用意いたします。 ⁡ ━━━━━━━━━━━━━━ ⁡ 📩 お問い合わせ・お申し込み ⁡ [Instagram DM] @genki_polewalking ⁡ ⁡または Facebookメッセンジャーにてお問い合わせ・お申し込みをお願いいたします。 ⁡ ⁡ 🗓 予約締め切り ⁡ 2026年11月20日(金)17:00 ⁡ ━━━━━━━━━━━━━━ ⁡ 主催:NPWA/ケイコMCPRO ⁡ 秋の芦屋町を楽しみながら、 心も身体もリフレッシュしましょう🍁 ⁡ 皆さまのご参加をお待ちしております♡ ⁡

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報(2026年10月)
・アミロイドβは減る.しかし,神経・シナプス病態は?―レカネマブ治療に伴う「バイオマーカーの乖離」
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月2日のFB投稿です***
抗アミロイドβ(Aβ)抗体レカネマブは,早期アルツハイマー病において脳内アミロイドβを除去する効果があります.しかし,治療の目的は当然,Aβを除去することそのものではありません.Aβを除去した結果,その下流にあるタウ病理,シナプス障害,神経変性がどこまで抑えられるのかが重要です.この問題を考えるうえで,非常に興味深い研究が米国ワシントン大学を中心とする研究グループからLancet Neurology誌に報告されました.
対象は,実臨床でレカネマブ治療を受けたAβ陽性の早期症候性アルツハイマー病患者197名です.レカネマブ10 mg/kgを2週ごとに投与し,約6か月ごとに最長2年間,採血と臨床評価を行いました.比較対象として,Aβ陰性で認知機能正常の458名と,未治療の認知機能障害1312名を用いました.Aβ,タウ,炎症,神経変性,シナプス機能などに関連する130種類もの血漿タンパクを測定した点がこの研究の特徴です.その結果,130種類中34種類のタンパクがレカネマブ治療に伴って有意に変化しました.著者らはその変化を,正常値に近づく「normalising」,正常値を越えて変化する「overcorrecting」,むしろ正常値からさらに離れる「opposite」,有意に変化しない「unchanged」の4つに分類しました.具体的には,p-タウ217,p-タウ231,MAPT,GFAPなどはnormalising,Aβ42,Aβ40,Aβ38などはovercorrecting,一方,NPTXR,NRGN,TREM2などはoppositeに分類されました.つまり,レカネマブによる変化は,すべての病態を同じ方向に「正常化」させるものではありませんでした.
この結果を直感的に理解するのに分かりやすいのが,Alberto Espay先生がXやLinkedInで紹介した図上です(リンク先はコメント欄).論文のFigure 1D〜Kの結果から,p-タウ217,Aβ42,NRGN,NPTXRという4つの代表的なバイオマーカーを取り上げています.左から見ると,p-タウ217は治療期間が長くなるほど低下し,正常方向へ近づきます.論文では,治療前にAβ陰性・認知正常者より130~192%高かった各種p-タウが,24か月後にはその差が15~44%まで縮小しました.なかでもp-タウ231の変化が大きく,Aβ除去に伴ってタウ関連指標も改善することが示されました.ただし,24か月後にも完全には正常化していません.
Aβ42は逆に大きく上昇し,Aβ陰性・認知正常者の値を越えました.Aβ38,Aβ40も同様です.これは上述の「overcorrection」になります.著者らは,血中のレカネマブがAβと結合し,Aβの安定性やクリアランスを変化させている可能性を考察しています.したがって,血漿Aβ42の上昇は治療に伴う薬理学的変化を反映している可能性がありますが,それ自体が患者さんにとって有益な変化を意味するわけではありません.重要なのは,その先にある神経変性や認知機能低下がどこまで抑えられるかです.
ところが,右側の2つ,神経・シナプス機能に関連するタンパクであるNRGNとNPTXRは全く異なる動きを示しました.これらは患者ではもともと正常者より低値でしたが,レカネマブ治療によって正常方向へ戻るのではなく,治療期間が長くなるにつれてさらに低下し,Aβ陰性・認知正常群との差が拡大しました.この方向性は,複数回採血された138名の縦断解析でも確認されています.ちなみに,軸索障害の代表的なバイオマーカーであるニューロフィラメント軽鎖(NfL)も,治療前には高値でしたが,レカネマブ治療に伴う有意な低下は認められませんでした.
Espay先生はこの結果を「レカネマブは著明なバイオマーカーの乖離を生じさせる」と表現しています.つまり,Aβやp-タウ関連マーカーが期待される方向へ動く一方で,NRGN(ニューログラニン)やNPTXR(神経ペントラキシン受容体)など一部の神経・シナプス関連マーカーは正常値からさらに離れていくという乖離です.さらにEspay先生は,「アミロイド除去に成功していても,神経・シナプスの病態は進行し続けている,あるいは治療に関連して悪化している可能性さえある」という仮説を提示しています.ただし,この後半の解釈には慎重さが必要です.NRGNやNPTXRの低下が,そのまま「シナプスが失われた」ことを意味するわけではありません.また,治療期間が長くなることは,アルツハイマー病そのものの経過時間が長くなることでもあります.同じ期間,同じ条件で縦断的に追跡された未治療群が存在しないため,これらの低下がレカネマブによるものなのか,治療にもかかわらず病気が進行した結果なのかを,本研究だけで区別することはできません.
もう一つ重要なのが図下(論文のFigure 4A)です.これは,初回採血時の血漿バイオマーカー値と,その後のCDR-SBの悪化速度との関連を示したvolcano plotです.GDF15,FLT1,Aβ42,brain-derived p-タウなどが高い患者では,その後のCDR-SB悪化が速い傾向がありました.一方,NPTXR,CXCL8,SNAP25が高い患者では,CDR-SBの悪化が比較的ゆっくりでした.特にNPTXRは興味深く,初回採血時の値が高い患者ほど,その後の認知機能低下が遅い傾向を認めました.ただし,これは探索的な関連解析であり,「レカネマブがNPTXRを低下させたため認知機能が悪化した」という因果関係を示すものではありません.
もうひとつ重要なのは,アミロイドPET陰性化に関連するバイオマーカーと,その後の認知機能低下に関連するバイオマーカーがほとんど一致しなかったことです.アミロイドPET陰性化との関連ではNPYやVEGFDなどが候補となり,CX3CL1やGFAPなども陰性化の前後で異なる推移を示しました.一方,認知機能の予後にはNPTXR,SNAP25,GDF15,brain-derived p-タウなどが関連しました.著者らも,アミロイド除去に関係するタンパクは主に炎症・グリア反応を反映するのに対し,認知機能低下に関係するタンパクはシナプス機能や神経変性に関連していたと指摘しています.つまり,アミロイドを除去できたからといって,そのまま認知機能を守れるとは限らない可能性があります.
これは抗Aβ療法を評価するうえで重要な視点だと思います.患者さんの治療目標はアミロイドPETを陰性にすることではありません.Aβ除去はあくまで手段であり,本来の目的は,その下流にあるタウ病理,シナプス障害,神経変性を抑え,最終的に認知機能や生活機能を長く維持することです.今回の研究では,レカネマブによってAβ関連バイオマーカーが大きく変化し,p-タウも改善することが確認されました.その一方で,神経・シナプス関連バイオマーカーまで一様に正常化するわけではありませんでした.
もちろん,本研究は単施設の観察研究であり,レカネマブの臨床的有効性そのものを検証した研究ではありません.対象者の大部分が非ヒスパニック系白人であり,アミロイドPETが行われた患者も一部に限られます.また,同様に縦断追跡された未治療対照群がないことも重要な限界です.jそれでも,Espay先生が指摘する「バイオマーカーの乖離」は重要です.「アミロイドを除去できたこと」と「アルツハイマー病の神経変性を十分に抑えられたこと」,さらに「患者さんの認知・生活機能を守れたこと」は同義ではありません.今後の抗Aβ療法では,アミロイド除去だけではなく,その下流の神経・シナプス病態,そして何より認知機能や生活機能がどこまで維持されるのかを長期的に検証する必要があると思います.
Mu R, et al.Dynamic changes in plasma biomarkers of Alzheimer’s disease in patients treated with lecanemab: a longitudinal cohort study.Lancet Neurol.Published online September 24,2026.doi:10.1016/S1474-4422(26)00284-X.PMID: 42785333.

・左右差のある亜急性小脳失調に注意―mGluR1抗体関連小脳性運動失調症の日本人多施設研究【岐阜大学発】
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月4日のFB投稿です***
抗代謝型グルタミン酸受容体1型(metabotropic glutamate receptor type 1:mGluR1)抗体関連小脳性運動失調症は,まれな自己免疫性小脳失調症です.mGluR1は小脳,とくにPurkinje細胞に豊富に発現し,小脳の運動制御やシナプス可塑性に重要な役割を担っています.患者由来のmGluR1抗体はPurkinje細胞の機能を障害し,動物への抗体投与によって運動失調が誘発されることから,病原性を有する自己抗体と考えられています.しかし,これまでの臨床像は主として欧米の症例報告に基づいており,日本人患者の特徴は十分に分かっていませんでした.
今回,当科の吉倉延亮先生を中心とする研究グループは,日本人におけるmGluR1抗体関連小脳性運動失調症の臨床像を明らかにし,Cerebellum誌に報告しました.2018~2025年に,全国257医療機関から岐阜大学に抗体測定が依頼された自己免疫性小脳失調症疑い699例を後方視的に検討した,全国規模の多施設研究です.さらに,日本人症例を2025年3月までに報告された海外40例と比較しました.抗体は,mGluR1を発現させたCOS7細胞を用いたcell-based assay(CBA)でスクリーニングし,陽性例についてラット脳切片を用いたtissue-based assay(TBA)で確認しました.699例中12例がmGluR1抗体陽性で,12例すべてで血清と脳脊髄液の両方から抗体が検出されました.発症年齢中央値は54.5歳で,5~75歳と幅広く,男女は各6例でした.
図上の1,2段目はTBAです.抗体陽性患者の血清および脳脊髄液によって,小脳分子層を中心とするmGluR1の分布に一致した特徴的なneuropil染色が認められています(2段目).さらに3段目のCBAでは,患者血清による細胞表面mGluR1への結合が確認されています.つまりCBAとTBAという異なる方法を組み合わせて抗体陽性を確認しています.
臨床症状では,11例が進行性の体幹失調と歩行障害を主症候として発症しました.経過中には12例全例で体幹失調と四肢失調を認め,構音障害は10例,眼振は8例,titubationは2例に認められました.また,小脳外症候も9例と比較的多く,味覚障害が4例,認知機能障害が3例にみられたほか,myokymiaや両側外転神経麻痺なども認められました.今回もっとも興味深かったのは,四肢失調の左右差です.日本人では12例中9例,75.0%で左右非対称の四肢失調が記載されていました.一方,既報の海外症例では,左右差を評価できた28例中4例,14.3%にとどまり,この差は多重比較補正後も有意でした.亜急性の小脳性運動失調を診察する際に,指鼻試験や踵膝試験などで左右差を丁寧に評価することが重要だと思います.ただし,海外の症例報告では左右差そのものが十分に記載されていなかった可能性がありますので,「日本人に特有の所見」と結論づけることはできません.今後検証すべき仮説と考えるのが適切です.
もうひとつ重要なのが,脳脊髄液所見が意外に軽いことです.細胞数の中央値は4.5/µL,蛋白は36.5 mg/dLで,多くの症例では通常の炎症所見が乏しい結果でした.一方で,oligoclonal bandは7例,58.3%で陽性でした.海外症例と比較すると,日本人では細胞数と蛋白が低い傾向を示しましたが,多重比較補正後には有意ではなく,発症1か月以内に脳脊髄液検査を行った症例に限定すると差は確認できませんでした.したがって,「日本人では脳脊髄液炎症が弱い」とまでは言えませんが,少なくとも細胞数や蛋白がほぼ正常であることを理由に,mGluR1抗体関連疾患を除外してはいけないことは大切です.
頭部MRIにも同様の注意が必要です.初回MRIは12例中9例,75%で正常でした.異常を認めた3例では,右後頭葉FLAIR高信号病変,小脳萎縮,両側小脳皮質FLAIR高信号病変がそれぞれ認められました.図下は代表例を示しています.Aは右後頭葉のFLAIR高信号病変,Bは明瞭な小脳萎縮,Cは小脳虫部から両側小脳半球にかけてのFLAIR高信号病変で,左側優位の左右差がみられます.初期にはMRIが正常でも,経過とともにBのように小脳萎縮が明らかになる症例があります.実際,経過観察MRIが得られた5例中3例に小脳萎縮が認められました.私は運動失調があるにも関わらずMRI正常のとくは「自己免疫性かPSP-Cを検討しよう」と言っています.
治療については,全例で免疫療法が行われました.メチルプレドニゾロンパルス療法が11例,経口プレドニゾロンが9例,IVIgが8例,血漿交換が3例,リツキシマブが2例に使用されました.発症から免疫療法開始までの中央値は2.5か月でした.しかし,治療を行えば必ず良好に回復するわけではありませんでした.6か月以上追跡できた9例では,最終観察時にmRS 2以下,すなわち機能的自立に到達したのは3例,33.3%にとどまり,2例では再発も認められました.また,2例ではCOVID-19感染から1か月以内に神経症状が出現していました.過去にも帯状疱疹やデング熱,インフルエンザ様疾患などの感染後発症例が報告されており,感染による免疫活性化が発症の契機となる可能性は考えられます.ただし当然ですが,感染との因果関係は証明されたわけではありません.
本研究のメッセージは,亜急性に進行する小脳性運動失調,とくに四肢失調に左右差がある患者では,脳脊髄液の細胞数や蛋白の異常が軽度であったり,初期MRIが正常であっても,抗mGluR1抗体関連小脳性運動失調症を鑑別から外すべきではない,という点です.また,免疫療法を行っても機能障害や小脳萎縮が残る症例があり,必ずしも十分な回復が得られるとは限りません.今後,より大規模かつ前向きな検討により,早期診断や治療介入が予後改善につながるかを明らかにする必要があります.最後になりますが,ご協力を賜りました多くの先生がたに厚く御礼申し上げます.
★当科ではmGluR1のほか,GFAP,IgLON5抗体の測定,および『特発性小脳萎縮症(IDCA,以前のCCA)の自己抗体のチェック』を承っております.当科ホームページよりご相談ください.
Yoshikura N, Kimura A, Takekoshi A, Yasui K, Yamashita S, Yoshikawa K, Sakashita K, Koide R, Kobayashi Y, Yamada K, Yaguchi H, Yabe I, Maku T, Nakamura H, Shibata S, Takami H, Mori H, Shimohata T. Clinical Characteristics of Japanese Cases of Anti-Metabotropic Glutamate Receptor Type 1 Antibody-Associated Cerebellar Ataxia. Cerebellum. 2026 Sep 30;25(5):148. doi: 10.1007/s12311-026-02094-z. PMID: 42814184; PMCID: PMC13627236.

・タウだけでは神経細胞は死なない?―T細胞がつなぐタウ病理と神経変性
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月5日のFB投稿です***
アルツハイマー病をはじめとするタウオパチーでは,神経細胞内に異常なタウタンパクが蓄積します.近年,タウが蓄積した脳では,ミクログリアやアストロサイトだけでなく,末梢から侵入したT細胞も増加することが分かってきました.今回,Nature Neuroscience誌とNeuron誌とに相次いで報告された2つのマウス研究は,「T細胞が脳の外で活性化される段階」と「活性化されたT細胞が脳へ入る段階」をそれぞれ明らかにしました.いずれも米国ワシントン大学Holtzman研究室を中心とする研究です.
最初の論文では,遺伝性前頭側頭型認知症の原因となるP301S変異タウマウスとヒトAPOE4マウスを交配したTE4マウスを用いて,脳内に集積するCD8陽性T細胞がどこで活性化されるのかを検討しました.注目したのは,conventional type 1 dendritic cell(cDC1)と呼ばれる樹状細胞です.cDC1は,細胞外から取り込んだ抗原をMHC class Iに載せてCD8陽性T細胞に提示する交差提示(cross-presentation)に優れています.cDC1を欠損させたTE4マウスでは,脳内CD8陽性T細胞の集積とクローン性増殖が減少し,ミクログリアやアストロサイトの活性化,神経変性も軽減しました.一方,リン酸化タウや不溶性タウの蓄積には大きな変化を認めませんでした.
図1では,通常のTE4マウスでみられる海馬や嗅内皮質・梨状皮質の萎縮と側脳室拡大が,cDC1欠損によって明らかに軽減しています.つまり,タウ病理そのものを大きく減らさなくても,免疫反応を抑えることで神経変性を軽減できることが示されました.
さらに,脳内に実験用の抗原を入れてT細胞の反応を追跡したところ,その抗原に反応するCD8陽性T細胞の増殖は,脳内ではなく深頸部リンパ節で起こり,cDC1を欠損させると消失しました.また,脳内のMHC結合ペプチドには,タウ,synapsin,α-synuclein,NfLなどが含まれていました.これらの結果から,脳由来抗原が深頸部リンパ節へ運ばれ,cDC1による交差提示を介してCD8陽性T細胞が活性化される仕組みが考えられました.
では,活性化されたT細胞はどのように脳へ入るのでしょうか.Neuron誌の研究では,T細胞の遊走に関わるケモカイン受容体CXCR3と,そのリガンドCXCL10に注目しました.CXCR3は活性化したTh1型CD4陽性T細胞や細胞傷害性CD8陽性T細胞に発現し,CXCL10はこれらのT細胞を呼び寄せる「誘導信号」として働きます.
マウスの海馬にIFNγを定位脳手術で投与すると,CXCL10が主としてアストロサイトに増加し,多数のT細胞が脳実質へ侵入しました.Cxcl10またはCxcr3を欠損させるとT細胞浸潤は大幅に抑制されました.またTE4マウスでもアストロサイトのCXCL10が増加し,その程度はリン酸化タウ病理と相関しました.つまり,タウ病理が進んだ脳では,末梢のT細胞を呼び込む環境が形成されるようです.
そこで著者らは,6カ月齢のTE4マウスから約3カ月半にわたり抗CXCR3抗体を全身投与しました.その結果,海馬へのCD4,CD8陽性T細胞の浸潤が著明に減少し,歯状回の神経細胞が保たれ,海馬や嗅内皮質・梨状皮質の萎縮も軽減しました.新奇物体認識課題でも認知機能の改善が認められました.一方,ここでもリン酸化タウや可溶性・不溶性タウの量には明瞭な変化を認めませんでした.
この2つの研究を合わせると,興味深いストーリーが見えてきます.タウオパチーによって神経細胞が傷害されると,タウを含む脳由来抗原が髄膜リンパ系などを介して深頸部リンパ節へ運ばれ,cDC1がこれらを交差提示してCD8陽性T細胞を活性化します.一方,タウ病理の進んだ脳ではアストロサイトなどからCXCL10が産生され,CXCR3を持つ活性化T細胞が脳へ誘導されます.侵入したT細胞がミクログリアやアストロサイトと相互作用し,神経炎症を増幅して神経変性を促進する,というモデルです.ただし,この一連の流れ全体が直接証明されたわけではなく,2つの研究結果をつなぎ合わせて考えたモデルです.また,ヒトのアルツハイマー病でどの程度重要なのかは今後の検証が必要です.
それでも,2論文に共通する所見は重要です.タウそのものを大きく減らしていないにもかかわらず,免疫反応を操作することで神経変性が軽減したからです.今回の研究は,「異常タウ」と「神経細胞死」の間にある免疫経路も治療標的になり得ることを示しています.タウオパチーを「脳の中だけで完結する病気」と考えるのではなく,脳と末梢免疫の相互作用を含めて捉える必要があることを示す研究だと思います.
1)Hu H,et al.Priming of CD8+ T cells by peripheral dendritic cells exacerbates tau-mediated neurodegeneration.Nat Neurosci.2026.doi:10.1038/s41593-026-02427-5.PMID: 42693199.
2)Emmerson JT,et al.Peripheral CXCR3 blockade mitigates T cell infiltration and neurodegeneration in a mouse model of tauopathy.Neuron.2026.doi:10.1016/j.neuron.2026.08.030.

・自己免疫性運動異常症の症候学についての教育講演@国際パーキンソン病・運動障害学会(ソウル)
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月6日のFB投稿です***
韓国・ソウルで開催されているInternational Congress of Parkinson’s Disease and Movement Disorders(MDS Congress 2026) に参加しています.昨日はTeaching Course “Autoimmune Movement Disorders” で,症候学についての講演を担当しました.自己免疫性神経疾患では,抗体検査が診断に大きな役割を果たしますが,その入り口はやはり患者さんにみられる症候を丁寧に観察し疑うことです.今回の講演では,
“What do you see?”
“How would you describe it?”
“Could this be autoimmune?”
という3つの問いを軸に,多数の動画を提示しながら自己免疫性運動異常症の特徴を解説しました.
具体的には,LGI1抗体脳炎のfaciobrachial dystonic (crural) seizures(FBDS/FBCDS),抗NMDAR脳炎の複雑な不随意運動,mGluR1・GluK2抗体関連疾患のhead titubationと運動失調,IgLON5病やCASPR2抗体関連疾患のmyorhythmia,GFAPアストロサイトパチーの多彩な運動異常症,さらにocular flutter/opsoclonusやhung-up reflexなどを取り上げました.
とくに伝えたかったのは,亜急性の発症,複数の運動異常の組み合わせ,認知・精神症状やてんかん発作の併存,さらに低Na血症や体重減少などのred flagsが重なったときには,自己免疫性疾患を積極的に疑うということです.Phenomenology(症候学)を正確に捉えることが,適切な抗体検査,早期診断,そして治療可能な患者さんを見逃さないことにつながります.
これまで学んできた既報や,経験してきた症例,研究成果を盛り込みながら,自己免疫性運動異常症の面白さと,「まず症候をよく見る」ことの大切さをお伝えできたのではないかと思います.なおスライドはコメント欄のリンクからご覧いただけます.
無事に講演を終え,ほっとしました.座長のSteven Frucht先生や,自己免疫性脳炎の大家のJerome Honnorat先生に褒めていただき,嬉しかったです.会場も立ち見が出るほどで,日本から参加された先生方もたくさん聴講に来てくださりました.どうもありがとうございました!
あと2日間,世界のmovement disordersの最新情報を勉強したいと思います.

・AIに医療における役割―できること,できないこと,そして医師にしかできないこと
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月7日のFB投稿です***
MDS 2026@ソウルで,「AI in Movement Disorders: Promise, Progress and Pitfalls」というPlenary Sessionを聴講しました.埼玉医大の大山彦光先生らが座長を務め,AIがパーキンソン病などの運動異常症の診断や治療をどのように変えるのか,そしてどのような課題が残されているのかが議論されました.
最初のJames Teong Han Teo先生の講演では,現在の医療AIの全体像が示されました.AIは病名を当てるだけではなく,電子カルテの整理,診療支援,検査の解析,病院業務など,さまざまな場面で利用され始めています.英国では,なんと100万人以上の患者の電子カルテを「自然言語処理」で解析し,疾患,症状,治療などを自動的に構造化する研究も行われています.ちなみに「自然言語処理」とは,コンピューターが人間の書いた文章を読み取り,意味のある情報を取り出す技術です.
さらに将来は,「質問に答えるAI」から「この患者さんに次に何が起こるのかを予測するAI」へ進む可能性があります.Foresightという電子カルテの将来予測モデルは,電子カルテに記録された患者さんの経過を学習し,将来起こり得る疾患や処置などの医療イベントを予測するモデルです.実際にWEBで後悔されていて試すこともできます(図2).また「Agentic AI」も紹介されました.agentic は,もともと agent(主体的に行動するもの,代理人) から来た言葉です.つまり質問に答えるだけでなく,目標に向けて必要な情報を集め,計画を立て,複数の作業を実行する「行動するAI」です.すでにWeb上で実際に使えるものもあり,代表例は ChatGPT Work です.将来の重要な技術の一つになりそうですが,医療で実用化するには安全性や責任の所在など課題があります.医師もよほど勉強し経験を積まないと,AIの答えに反論できなくなると思います.
2人目のJeffrey Hausdorff先生は,「digital biomarker」について講演しました.これは,スマートフォン,腕時計型センサー,動画などから得られる,病気の状態を示す客観的なデジタル指標です.パーキンソン病では,歩行速度,歩幅,手の動き,顔の表情,声などを数値化できます.これらのデータは神経診療に大きな意味を持ちます.医師が患者さんを直接観察できるのは,数週間に一度の外来の短い時間にすぎません.一方,スマートフォンやウェアラブル機器を使えば,診察と診察の間に起きている歩行や動きの変化を継続的に捉えることができます.さらにAIによって,人間の目では気づきにくい微細な変化(subtle motor signs)を見つけられる可能性もあります.ただし,Hausdorff先生が強調していたのがdigital biomarkerの「generalizability」,つまり別の患者さん,別の病院,別の国でも同じように使えるのかという問題です.そのためには,開発した施設とは異なる患者集団で性能を確認する「external validation」が重要になってきます.
さらにAIやデジタル技術は,「測る」だけでなく「治療を調整する」方向にも進んでいます.その代表がadaptive DBSです.DBS(脳深部刺激療法)は,脳内に電極を留置して電気刺激を行う治療ですが,adaptive DBSでは,脳活動や患者さんの状態に応じて刺激を変化させます(図3).2026年のNature Medicineには,神経活動から行動状態を機械学習で判別し,それに応じて刺激条件を変えることで歩行障害を改善する研究が報告されました.このように,「状態を測る→解析する→治療を変える」という循環を作る仕組みを「closed-loop」と呼びます.患者さんの状態に合わせて治療をより動的に調整する発想です.
3人目のMartin McKeown先生は,大規模言語モデル(large language model:LLM)の臨床応用について講演しました.LLMとはChatGPTなどの基盤となるものです.パーキンソン病では診察記録に加え,音声,動画,歩行データなど多様な情報が得られるため,将来的にはLLMと画像・音声なども扱えるmultimodal AIを組み合わせた診療支援が期待されます.LLMは医学知識に関する質問や患者からの質問には,かなり良好な回答を示すことがあります.しかし,医学知識に答えられることと,実際の患者さんを安全に診療できることは同じではありません.2026年の研究では,パーキンソン病の臨床症例に対する病態評価は比較的良好でしたが,具体的な治療計画では性能が低下し,重大な誤りも認められました.つまり,「何が起きているのか」を理解することと,「この患者さんに何をすべきか」を決めることには,まだ大きな隔たりがあるようです.そこで重要になるのが「RAG(retrieval-augmented generation)」です.これはAIに記憶だけで答えさせるのではなく,診療ガイドラインや信頼できる文献を検索し,その情報を根拠に回答させる仕組みです.いわば,AIに教科書やガイドラインを確認してから答えさせる方法です.ただし,日本では学会が作成した診療ガイドラインなどの著作物をRAGに取り込んで利用する場合の著作権上の扱いも重要な議論になっています.AIの精度だけでなく,信頼できる医学情報を誰が,どのような条件でAIに利用させるのかも,今後の大きな課題です.
以上,3つの講演を通してみると,AIの役割は,「微細な徴候を捉える → 診断を支援する → 経過を追う → 将来を予測する → 治療を調整する」という方向へ進んでいるように感じました.ただし,診断から治療選択・調整へと踏み込むほど,AIが間違った場合の影響も大きくなります.そのため,「human in the loop」,つまりAIだけに判断を任せず,重要な判断には必ず人間が関与するという考え方が重要になります.これからは,「AI時代に脳神経内科医が不要になるか?」ではなく,「AI時代に,脳神経内科医にしかできないことは何か?」を考える時代になるのだと思います.

・Video Challenge の17症例の解説@MDS 2026(ソウル)
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月8日のFB投稿です***
本学会のメインイベントですが,今回も非常に刺激的なセッションでした.名司会のAnthony Lang教授とKailash Bhatia教授が進行を務め,世界各国から17例の興味深い症例の動画が提示されました.この学会には若い頃から参加していますが,時代とともに提示される症例に変化があることに気づきます.全エクソーム解析や全ゲノム解析が普及すると珍しい遺伝性疾患が増え,cell-based assayの開発によって細胞表面抗原に対する自己抗体が同定されるようになると,抗IgLON5病をはじめとする自己免疫性神経疾患が増えました.今回はそうした流れが一段落し,一見,運動異常症とは無関係にみえる全身性・代謝性・薬剤性の病態が,特徴的な不随意運動として現れる症例が多かった印象があります.とても勉強になりました.今回はlong presentation 8例,short presentation 9例,計17例でした(時間の関係で1例省略).以下,順番にご紹介します.
症例1.74歳男性(タイ)short presentation
睡眠中に20~30分持続する複雑な異常行動と大声がみられた.糖尿病で治療中であり,早朝の血糖値は約60 mg/dLであった.睡眠中の複雑な異常行動をみた場合,REM睡眠行動障害,parasomnia,夜間てんかんなどがまず鑑別に挙がる.しかし糖尿病患者では低血糖も重要なmimicである.とくにインスリンや血糖降下薬を使用している患者では,夜間の奇妙な行動を「睡眠障害」と決めつけず,発作時ないし早朝の血糖を確認する必要がある.
診断;夜間低血糖による複雑な行動異常(complex behavioral disorder due to nocturnal hypoglycemia)
症例2.65歳男性(インド)
Lewy小体型認知症を思わせる認知・行動症状と運動症状を呈していた.しかし背景には高アンモニア血症が存在した.門脈血が肝臓を迂回して体循環に流入すると,肝機能障害が目立たなくても高アンモニア血症を来し,認知機能障害,精神症状,意識変容,運動異常などを呈し得る.この症例の症候はLBD phenocopyであり,変性疾患のようにみえても,治療可能な代謝性病態が隠れていることを示す勉強になる症例であった.
診断;門脈体循環シャントに伴う高アンモニア血症(hyperammonemia secondary to porto-systemic shunt)によるLBD phenocopy
症例3.38歳女性(米国)
亜急性に出現した左下顔面を中心とする反復性の顔面けいれん(Epilepsia partialis continua;EPC)を呈し,薬剤抵抗性であった.Jerk-lock averagingで皮質スパイクを同定.右側頭葉が経時的に萎縮.FDG-PETも同部位が低代謝.血漿交換で若干の改善.
診断;成人発症Rasmussen脳炎
Rasmussen脳炎は,T細胞を主体とした免疫反応により神経細胞やアストロサイトが障害される慢性炎症性脳疾患.典型的には小児に発症し,薬剤抵抗性の片側性焦点発作,進行性片麻痺,認知機能低下などを来す.約半数ではEPCを認め,MRIでは進行性の一側大脳半球性皮質萎縮が重要な所見となる.成人発症は少数である.
症例4.71歳男性(インド)short presentation
18年のり還暦を持つパーキンソン病患者.STN-DBS施行していた.2ヶ月前から激しい右ジスキネジアが出現,赤沈亢進.左電極周囲にT2高信号病変が出現した.DBS施行後の病変であれば,通常は感染,出血などをまず考えるが,本症例では異なる病態が隠れていた.血清TPHA強陽性.
診断;STN-DBS電極周囲に生じた梅毒性ゴム腫による片側ジスキネジア(syphilitic gumma involving the STN DBS electrode)
症例5.18歳女性(マレーシア)★最優秀賞受賞
亜急性に発症し,発熱が引き金となり左半身の持続するミオクローヌスを呈した若年女性で,痙攣重積状態として治療された.子どもの頃から発熱に伴うけいれんがあり,同胞にも類症が合った,Sabahの先住Dusun系住民であった.AMT遺伝子にホモ接合性にミスセンス変異.
診断;軽症型非ケトーシス型高グリシン血症(attenuated nonketotic hyperglycinemia;glycine encephalopathy)
非ケトーシス型高グリシン血症は,グリシン開裂酵素系の異常により中枢神経系にグリシンが蓄積する先天代謝異常である.関連遺伝子としてGLDC,AMT,GCSHが知られ,GLDCが70~80%を占める.典型例では新生児期から重篤な脳症,てんかん,発達障害を呈する.一方,軽症型では乳児期以降に発達・学習障害として認識され,成人まで生存することもある.発熱や代謝ストレスを契機に脳症,けいれん,運動異常が出現することもある.MRIやEEG所見も一定せず,phenotypeが多様であるため診断が遅れやすい.若年者の原因不明のミオクローヌスでも先天代謝異常を忘れてはならない.
症例6.13歳女性(カナダ)
右膝のケガに対する靭帯再建術のための全身麻酔後に進行性ジストニアに伴う発語困難,歩行障害,上肢ジストニア等を呈し,画像では両側性の基底核(淡蒼球)変性を認めた.STN-DBSは一次有効であったが,再度進行性に悪化した.母系にベネズエラCarabobo州の祖先をもち,ミトコンドリアDNAのMT-ND4 m.11232T>C変異を有していた.
診断;MT-ND4変異を背景としたセボフルラン誘発性基底核変性による進行性ジストニア
この遺伝的背景をもつ一部の患者では,通常臨床で用いられる濃度のセボフルランによって,ミトコンドリアcomplex I依存性酸化的リン酸化が著しく抑制される可能性が示されている.すなわち,無症候であったミトコンドリアの脆弱性が,揮発性麻酔薬曝露によって顕在化するpharmacogenetic disorderと考えられる.ベネズエラ系,とくに母系がCarabobo州に由来する症例が報告されている.重要なのは,単純な麻酔薬の有害事象ではなく,遺伝的素因と薬剤曝露の相互作用として理解することである.
症例7.19歳男性(中国)short presentation
1年前から手のふるえ.半年前から歩行障害(失調性歩行).小脳萎縮も出現した.電子タバコ使用歴があった.
診断;Tiletamine誘発性中毒性脳症(tiletamine-induced toxic encephalopathy)
Tiletamineは獣医学領域で使用される解離性麻酔薬で,NMDA受容体拮抗作用を有する.通常はzolazepamとの配合剤として使用されるが,近年,とくにアジアで電子タバコなどを介した乱用・中毒例が問題となっている.本症例では複数の薬剤による対症療法が行われ,約7週間で完全に回復した.若年者の原因不明のミオクローヌスや神経精神症状では,電子タバコを含めた薬物曝露歴を具体的に聴取する必要がある.
症例8.18歳男性(オーストラリア)short presentation
運動開始を契機として短時間の右手のrandom spasm?dystonic movement?を繰り返し,チックや発作性運動誘発性ジスキネジアを疑わせる臨床像であった.PRRT2遺伝子変異なし.
診断;発作性運動誘発性ジスキネジアで発症したWilson病
セルロプラスミン低値で診断にたどり着いたが,興味深いことに,Kayser-Fleischer ringを認めず,頭部MRIも正常であった.Wilson病では典型的な眼所見やMRI異常を欠くことがある.若年者に発作性ジスキネジアがみられた場合,原発性PKDだけでなく,治療可能なWilson病も鑑別に含める必要がある.
症例9.62歳男性(インド)short presentation
体幹(腹部)に緩徐で反復性の不随意運動,すなわちmyorhythmiaを認め,さらに睡眠関連orthopnea(起坐呼吸)を伴っていた.頸下がりあり.表面筋電図,持続時間の長いburst状.免疫療法が有効であった.
診断;抗IgLON5病
抗IgLON5病では,睡眠障害,呼吸障害,球症状,歩行障害,眼球運動障害,不随意運動など,多彩な症候を呈する.とくに睡眠中の呼吸障害や複雑な睡眠症状は診断上重要である.Myorhythmiaは舌が有名だが,本例では体幹myorhythmiaと睡眠関連呼吸障害の組み合わせが大きな手掛かりとなった.
症例10.76歳女性(インド)
発熱,意識生涯(無菌性髄膜炎)に加えて,頭部,顎,手,腹部の持続する不規則な不随意運動を呈した..腹部はいわゆるbelly-dancer dyskinesiaであった.四肢パーキンソニズムあり.脳脊髄液細胞数増多.脳実質の複数の異常信号と肥厚性硬膜炎.dsDNA抗体陽性.免疫療法にて改善.
診断;CNS lupus encephalitisによるbelly-dancer dyskinesia
中枢神経ループスでは,精神症状,認知機能障害,てんかん,脳血管障害,運動異常など,非常に多彩な神経症候を呈する.一見局所的にみえる腹部の異常運動であっても,背景に全身性自己免疫疾患が存在することがある.
症例11.79歳女性(米国)short presentation
歩行時に出現するtruncal flexion dystonia(episodicにカンプトコルミア様になる).注意深く観察すると,顔面筋,肩甲帯,上腕の筋力低下と,それに伴う代償運動が背景にあった.
診断;顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー1型(FSHD1)
症例12.54歳男性(英国)
上肢と顔面の舞踏運動を呈した.上向き眼振,四肢の運動失調を認めた.小脳や辺縁系の異常信号.中枢神経系以外にも多臓器病変を認めた.両下肢長管骨のFDG-PETの集積.
診断;Erdheim-Chester病
Erdheim-Chester病は稀な組織球性疾患であり,病態にはMAPK pathwayの異常活性化が関与する.BRAF V600E変異が最も頻度の高い遺伝子異常である.中枢神経病変のほか,眼窩病変,長管骨病変,後腹膜・腎周囲浸潤,心血管病変などを呈し,画像では“hairy kidney”や“coated aorta”が特徴的である.
運動異常症は稀であり,発表ではchoreaが非常に珍しいphenotypeであることが強調された.
症例13.小児 時間の関係で,症例提示はスキップ
診断;若年発症DRPLAらしかった.
症例14.50歳男性(アイルランド)
急速進行性parkinsonismに右上肢myoclonusを伴い,非典型的神経変性疾患を思わせる複雑なphenotypeを呈した.パーキンソニズム,歩行障害,構音障害が出現し,半年で介助を要するようになった,
診断;22q11.2欠失症候群
22q11.2欠失症候群は,先天性心疾患,低Ca血症,免疫異常,発達・精神症状などで知られるが,成人では若年発症Parkinson病や複雑な運動異常症の原因にもなる.特徴的なのは,単一の運動異常ではなくmixed phenotypeが多いことである.また,whole-exome sequencingが陰性でも遺伝性疾患を否定できない点が重要である.22q11.2欠失のようなcopy-number variantは,通常の遺伝子panelやWESでは見逃される可能性があり,chromosomal microarrayが重要となる.290例中15例,5.2%にミオクローヌスを認めたデータも紹介された.発症年齢中央値は24歳で,安静時および動作時にみられ,遠位上肢に多かった.
症例15.73歳男性(ポルトガル)short presentation
けいれん,失調性歩行,oscillopsia-nystagmus spell(動揺視と眼振を伴う発作),認知機能低下を呈していた.免疫療法が有効であった.
診断;CASPR2抗体関連脳炎
CASPR2抗体関連疾患では,辺縁系脳炎だけでなく,多彩な症候を呈する.
症例16.61歳男性(オランダ)
持続性の唸り声(moaning)と,体幹を繰り返し前屈させながら,同時に息を止めるという非常に特徴的な行動を呈した.
診断;Sagging brain syndromeに伴うCompulsive Repetitive Flexion with Breath-Holding(CoRFBiS)
この「反復性前屈+息こらえ」は,frontotemporal brain sagging syndrome(FBSS)に特徴的な徴候として紹介された.FBSSはbehavioral variant frontotemporal dementia(bvFTD)に類似した行動・認知症状を呈するが,背景には脊髄髄液漏出またはCSF-venous fistulaによる頭蓋内低髄液圧が存在する.したがって,治療可能なbvFTD mimicであることが重要である.さらに興味深いのは,この反復動作そのものに病態生理的意味がある可能性である.前屈と息こらえによって腹腔内圧・静脈圧が上昇し,CSFと静脈系との圧較差が低下することで,一時的にCSF lossを減少させている可能性が考えられている.一見すると強迫行動や常同行動にみえる動作が,患者自身による代償行動である可能性がある.
「なぜこの動きを繰り返すのか」を考えることが診断につながる,Video Challengeを象徴する症例と思った.
症例17.17歳男性(インド)short presentation
亜急性に全身性舞踏運動(右に強い)を呈した若年男性.背景にはチアノーゼ性先天性心疾患と著明な二次性多血症が存在した.
診断;チアノーゼ性先天性心疾患に伴う二次性多血症による亜急性全身性舞踏運動(subacute generalized chorea due to secondary polycythemia)
慢性的な低酸素血症では代償性に赤血球が増加し,二次性多血症を来す.その結果,血液粘稠度が上昇し,脳の微小循環障害などを介して舞踏運動を来すことがある.
今回の17例からは,運動異常症では,病名を先に考えるのではなく,まず目の前の動きをよく観察し,「なぜこの動きが生じるのか」を考えることが重要だと改めて感じました.低血糖,高アンモニア血症,薬剤,中毒,膠原病,代謝・遺伝性疾患など,一見すると運動異常症とは離れた病態が特徴的な不随意運動として現れます.Video Challengeの醍醐味は,珍しい病名を当てることではなく,「よく見ること」から診断に迫ることにあると思いました..

・本日発売!『医者が教える 一生パフォーマンスする脳』
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月10日のFB投稿です***
本日10月10日,日経BPから新刊『医者が教える 一生パフォーマンスする脳』が発売されました.嬉しいことに,ベストセラー『認知症世界の歩き方』の著者,筧裕介先生が,日経BOOKプラスに素敵な書評を寄せてくださいました.
筧先生は,認知症を高齢になってから考える問題ではなく,40代,50代から自分自身の「脳の未来」を考えることの大切さを紹介してくださっています.とくに嬉しかったのは,「読み終えたあとに残るのは,『自分にも,今できることがある』という感覚だ」と評していただいたことです.まさに,私が本書を通じて伝えたかったメッセージでした.
認知症研究は,いま大きな転換期を迎えています.認知症は,ただ恐れ,発症を待つだけの病気ではなくなりつつあります.最新の研究から,日々の生活習慣や環境を見直すことで,発症リスクを減らしたり,発症を遅らせたりできる可能性が明らかになってきました.大切なのは,こうした科学的な知識をもとに,今できることから始めることだと思います.一方で,認知症の予防を考えることは,認知症になった方の人生や尊厳を大切にすることと対立するものではありません.予防と支援の両方が大切であることも,本書で伝えたかった思いの一つです.
本書では,脳神経内科医として,認知症や脳の老化に関する最新の研究成果を,できるだけわかりやすく紹介しました.何歳になっても,自分らしく,いきいきと脳を使い続けるために,いま何ができるのか. その問いに,科学的な根拠をもとに答えることを目指しました.認知症が気になる方はもちろん,まだ自分には関係ないと思っている若い世代の方にも,ぜひ手に取っていただければ幸いです.最後に,本書の意図を丁寧に読み取ってくださった筧先生に,心より感謝申し上げます.ぜひ書評もお読みください.
◆筧裕介先生による書評(日経BOOKプラス)
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/041100040/092900085/
◆書籍紹介(日経BP)
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/26/09/10/02792/
◆Amazon
https://link.amazon/B08F3VwTD
◆ 楽天ブックス
https://books.rakuten.co.jp/rb/18784425/…
#一生パフォーマンスする脳 #認知症予防 #脳の健康 #日経BP
【目次】
はじめに
「認知症は、防ぎようもない」病気ですか?
プロローグ 認知症は、「予防できない」のか
そもそも、認知症とは何か
第1章 認知症の正体とは
・何が認知症を引き起こすのか
・アミロイドベータは40代からたまりはじめる
・新型コロナウイルスにかかると、アルツハイマー病のリスクは2倍になる
・インフルエンザ、帯状疱疹も脳を傷つける
・帯状疱疹ワクチンは認知症の発症を減らせる可能性がある
・認知症はなぜ女性に多いのか
・コンタクトスポーツでは「頭を守る工夫」をする
第2章 認知症と遺伝は、どこまで関係があるのか
・認知症と遺伝子、最新の知見を知ろう
・遺伝子は変えられない運命ではなく、ひとつのリスク要因にすぎない
・両親から、認知症になりやすい遺伝子をふたつ受け継いだ人は
・抗体薬はどのくらい効くのか
・タウの産生そのものを抑える薬の開発
第3章 脳と認知症治療の最前線を知ろう
・脳の老廃物を排出する機能を高める
・睡眠は、脳内を洗い流す「掃除の時間」でもある可能性がある
・睡眠とアルツハイマー病リスクの関係
・マッサージは良いかもしれない ―― マウスの研究
・超音波で脳内の不要物の排出を促す試み
・認知症の薬は、これから大きく進展する可能性が高い
第4章 あなたがやるべき認知症予防
・認知症リスクを減らす日常生活の工夫をしよう
・認知症の約45%は変えることができるかもしれない
・「教育」は健康な脳のための貯金
・大人になってからの学習も脳の健康を支える
・「悪玉コレステロール」の値が増えるごとに、認知症の発症率も上昇する
・健康診断で指摘された異常は放置しない
・運動の習慣は、認知症のリスクを下げる
・禁煙を始めるのに、遅すぎることはない
・社会的孤立は認知症と関連する

・アルツハイマー病の病態と予防に関する最新知識@第37回日本老年医学会東海地方会特別講演
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月11日のFB投稿です***
昨日,拙著『医者が教える 一生パフォーマンスする脳』(日経BP)が発売されました.この本は,アルツハイマー病(AD)の病態と予防に関する最新の医学的知見を,できるだけわかりやすく,一般の方々にもお伝えしたいという思いで執筆したものです.ちょうど同じ日に,第37回日本老年医学会東海地方会で,大会長の三重大学・新堂晃大教授から大変ありがたい機会を頂戴し,標題の特別講演を行いました.いわば,今回の講演で取り上げた専門的な内容を,一般の方々にも理解していただけるようにまとめたのが本書です.
講演では,いつもご支援・ご指導くださっている内藤寛先生に座長を頂き,まずADの原因とされてきたアミロイドβやタウに,実はウイルス感染から神経細胞を守るという意外な生理的役割がある可能性を紹介しました.そして,ヘルペスウイルスや新型コロナウイルスの感染が,神経炎症などを介してADの発症や進行に関与する可能性について解説しました.特に興味深いのは,脳の免疫細胞であるミクログリアの役割です.最近,加齢とともにがん関連遺伝子に体細胞変異を獲得したミクログリアが,慢性炎症などを背景に選択的に増殖し,ADの進行に関与する可能性が報告されました.これはミクログリアががん化するという意味ではなく,炎症や組織障害をもたらすタイプに変化するということです.その変化をアミロイドβやタウ,感染,ナノプラスチックなどが促進する(選択圧と言います)という新しい視点です.
さらに,ADを「脳血管の病気」として捉える重要性についても紹介しました.血管へのアミロイドβの沈着は,血管の構造や機能を障害し,脳の血流調節や老廃物の排出を妨げる可能性があります.また,睡眠と密接に関係するグリンファティックシステムや,脳から老廃物を排出する髄膜リンパ管の働きも注目されています.脳の健康を守るには,神経細胞だけでなく,免疫,血管,睡眠,老廃物の排出まで考える必要があるということです.
予防については,帯状疱疹ワクチンの接種によって認知症発症リスクが大きく低下する可能性を示した大規模研究や,高血圧,糖尿病,運動不足などへの対策を通じて,脳血管の健康を守ることの重要性を紹介しました.さらに,大気汚染やマイクロ・ナノプラスチックなどの環境要因についても,健康への影響が完全に解明されるのを待つのではなく,予防原則に基づいて対策を考える必要性をお話ししました.治療についても,アミロイドβを標的とする抗体医薬に加え,神経伝達物質受容体,炎症・免疫,血管障害など,多様な標的に対する新しい治療法の開発が広がっている現状をご説明しました.今回,最もお伝えしたかったのは,ADは単なる「異常タンパク質の蓄積病」ではなく,感染,免疫,血管,老廃物の排出障害などが複雑に関わる病気であり,だからこそ治療や予防にもさまざまなアプローチがありうるということです.講演のスライドは以下よりご覧いただけます.
https://www.docswell.com/…/800…/ZL364P-2026-10-11-055525
つまり,正しい知識を持つことで,私たちにできることはたくさんあります.その可能性を多くの方々に知っていただきたいという思いが,今回の本の執筆につながりました.脳の健康には,自分自身の取り組みによって守れる部分があります.そして,何歳からでも,脳の未来のためにできることがあります.本書を通じて,そのことを一人でも多くの方にお伝えできればと思っています.

・自己免疫性脳炎の再発と思ったら進行性多巣性白質脳症(PML)だった!―リツキシマブ治療後の重要な合併症
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月12日のFB投稿です***
自己免疫性脳炎の治療後に神経症状が悪化した場合,まず原疾患の再発を考えます.しかし,免疫療法の合併症であるPMLが原因である可能性もあります.今回,当科専攻医の安藤知秀先生を中心に,福島県立医科大学,国立感染症研究所との共同研究として,GABA_B受容体脳炎に対するリツキシマブ治療後にPMLを発症した,私たちの知る限り初めての症例をClin Exp Neuroimmun誌に報告しました.
患者は82歳女性で,認知機能低下,幻覚,妄想,意識障害を呈し,脳脊髄液のGABA_B受容体抗体陽性から自己免疫性脳炎と診断しました.ステロイドパルス療法と免疫グロブリン静注療法(IVIg)によって部分的に改善しましたが,高度の認知機能障害が残存したため,リツキシマブを追加しました.ところが,約6か月後,意識障害と右上肢筋力低下が進行しました.同時期に肺結節が発見されたため,小細胞肺癌に伴う自己免疫性脳炎の再発が疑われました.しかし,MRIでは従来の脳炎病変とは異なる部位に新たな白質病変が出現していました.具体的には,両側中心前回には皮質下U-fiberに及ぶ病変が,左中小脳脚にはPMLに特徴的な「shrimp sign」が認められました.脳脊髄液JCウイルス(JCV)PCRは3,053 copies/mLと陽性であり,PMLと診断しました.
重要なのは,PMLの診断より約4.5か月前に,すでにMRIで初期病変が出現していた可能性があることです.図には,MRI所見と治療,脳脊髄液JCV PCRの時間的関係をまとめています.リツキシマブ終了1か月後(図の+89日),右前頭葉皮質下に小さな新規FLAIR高信号病変が認められましたが,脳脊髄液JCV PCRは検出限界の20 copies/mL未満でした.その後,病変は拡大し,約6か月後(+235日)にはJCV DNAが3,053 copies/mLとなっていました.つまり,高感度のJCV PCRが陰性であっても,早期PMLは否定できないことが示唆されることになります.
PML発症時,CD19陽性B細胞が検出されず,血清IgGも495 mg/dLまで低下していました.一方,CD4陽性T細胞数は保たれていました.恐らくリツキシマブによるB細胞枯渇に加え,ステロイド治療や潜在的な悪性腫瘍が,JCVに対する免疫監視機構を抑制した可能性が考えられます.もちろん,1例のみですので,リツキシマブとの直接的な因果関係を証明することはできません.
本症例は,自己免疫性脳炎の治療後に神経症候が悪化した際,安易に再発と判断せず,PMLを鑑別に挙げることの重要性を示しています.とくに,既存の脳炎病変とは異なる部位に新たな白質病変が出現した場合には,脳脊髄液JCV PCRが陰性でも,MRIの経時的評価とPCRの再検査を行う必要があります.免疫療法を強化する前に,自己免疫性脳炎の診断そのものを再検討することが大切だと学びました.
Ando T, Yoshikura N, Kimura A, Tanaka K, Nakamichi K, Shimohata T. Progressive Multifocal Leukoencephalopathy Mimicking Relapse of Anti-GABA_B Receptor Encephalitis After Rituximab-Containing Immunotherapy: A Case Report. Clinical and Experimental Neuroimmunology. 2026;17:e70083. コメント欄から全文にアクセスできます.

・重症筋無力症の抗体検査はcell-based assayに変更すべき―見逃しと誤診を減らす新たな検査法
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月13日のFB投稿です***
重症筋無力症(MG)の診断では,AChR抗体やMuSK抗体の測定が重要です.しかし,臨床的にMGが強く疑われても抗体が陰性となる患者がいる一方,抗体陽性でもMGではない患者(偽陽性)が存在します.この問題に対し,Neurology誌に掲載されたADAM研究と,自己免疫性神経疾患研究の第一人者Angela Vincent教授によるEditorialは,cell-based assay(CBA)がMGの抗体検査の新たなスタンダードとなる可能性を示唆しています.
まずADAM研究ですが,イタリアの4施設でMGが疑われた327例(最終診断MG 152例,その他の診断175例)を対象に,生細胞CBA(live CBA:L-CBA),固定細胞CBA(fixed CBA:F-CBA),ELISAの診断精度を前向きに比較しました.その結果,AChR抗体の検出感度はL-CBAで71.7%,F-CBAで69.0%,ELISAで63.8%でした.特に眼筋型MGでは,それぞれ60.3%,54.4%,45.6%と差が大きく,CBAの優位性が明らかになりました.さらに,ELISAで陰性だったMG患者13例で,L-CBAによってAChR抗体が検出されました.つまり,従来の検査でseronegative MGと判定されていた患者の一部で,抗体の存在を確認できたことになります.
さらに注目すべきは特異度です.ELISAではMG以外の175例中54例(30.9%!)が陽性となっていましたが,CBAではわずか4例(2.3%)でした.特異度はELISAの69.1%に対してCBAでは97.7%でした.そしてこのCBAで陽性の4例のなかにはMGを伴わない胸腺腫患者3例が含まれており,必ずしも単純な検査上の偽陽性とはいえません.いずれにせよ,CBAはMGの見逃しを減らすだけでなく,抗体偽陽性による誤診を減らせる可能性があります.
では,なぜCBAは優れているのでしょうか? Vincent先生は,その理由を図で分かりやすく説明しています.従来の放射免疫沈降法(RIPA)では,可溶化されたAChRを抗原として使用しますが,一部の抗体はこの状態のAChRには十分に結合できません(図A).一方,CBAでは細胞表面に本来の立体構造に近い状態で集簇したAChRを発現させます.すると,抗体が隣接するAChRに二価性に結合できるようになり,従来法では検出困難だった低親和性抗体も捉えられます(図B).つまり,CBAの優位性は,抗原をより生体内に近い立体構造と配置で提示できることにあるのです.さらに生細胞を用いることで抗体は細胞外ドメインにのみ結合するため,特異度の向上にもつながります.最後に商用化されたF-CBAでは固定細胞を使用するため,4℃で保存でき,成人型AChR,胎児型AChR,MuSKに対する抗体を同時に評価できます(図C).
今後,CBAに変更するメリットは,次の4点にまとめられます.
1. 従来法で見逃されていたMGを検出できる(seronegative MGを減らすことができる)
2. 特に眼筋型MGで感度が向上する
3. 偽陽性を大幅に減らせる
4. 複数の抗体を同時に測定できる
またVincent教授は,F-CBAは眼筋型MGにおける感度がL-CBAよりやや低いものの,保存性や簡便さ,複数抗原の同時評価という利点から,将来的にはMG抗体診断の新たなゴールドスタンダードになる可能性が高いと論じています.ただし,今回のADAM研究はELISAとの比較であり,従来の標準法であるRIPAとの直接比較は行われていません.したがって,今回の結果をそのままRIPAに対するCBAの優位性と解釈することはできません.また,ELISAの特異度が著しく低かった点についても,使用したキットなどの影響を考慮する必要があります.
それでも,今回の2論文は,MGの抗体検査を見直す重要な根拠となります.特に眼筋型MGや従来法で抗体陰性だった症例ではCBAを積極的に活用すべきであり,今後は実用性の高いF-CBAを日常検査に導入し,必要に応じてL-CBAを追加する体制に改善することが望まれます.
1. Giannoccaro MP, et al. Accuracy of antibody testing in myasthenia gravis: The ADAM study. Neurology. 2026;107. https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000218301
2. Vincent A. Cell-based assays: The new gold standard for diagnosing myasthenia gravis? Neurology. 2026;107. https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000218495

・学会に行く意義はなに?―AI時代だからこそ大切な人との出会い
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月14日のFB投稿です***
近年,若手医師の学会離れをよく耳にします.これにはAIの普及によって現地で知識を得る必要性が低下したことに加え,経済的・時間的負担,キャリア観の変化などが背景にあると考えられます.それでも,時間と費用をかけて学会に参加する意義はどこにあるのでしょうか?
この問いについて考えさせられるエッセイが最新号のNeurology誌に掲載されています.米国Vanderbilt大学のLealani Mae Acosta先生による「米国神経学会年次総会における内向的な私の告白(Confessions of an Introvert at #AANAM)」です.著者が2011年,研修医として初めて米国神経学会年次総会(AANAM)に参加した際,先輩医師から「学会は何よりもネットワーキング(人とのつながりづくり)のためにある」と教えられたそうです.当時,講演から知識を吸収することに集中していた著者には,意外な言葉でした.
内向的で人見知りだった彼女は,著名な研究者に話しかける勇気がありませんでした.しかし,講演後に質問したり,シャトルバスや昼食での何気ない会話をすることで,少しずつ人脈を広げていきました.また,知り合った医師との交流が,数年後に学会での共同企画に発展したりしました.ユニークなのは,自作したアインシュタインの脳を模した帽子を学会でかぶったところ,多くの参加者から自然に声をかけられるようになったというエピソードです.内向的な著者にとって,この帽子は思いがけず人との交流を広げるきっかけになりました.
余談ですが,実は私は以前からこの帽子を知っていました.アインシュタインの脳(図左)を参考に,中心溝などを忠実に再現した手編みの帽子で,2018年のNeurology誌に紹介されています(図右).私は以前,「アインシュタイン脳」に強い関心を持ち,論文や情報を集め,例のごとくブログに書いたりしていました(その縁で,NHK特集「追跡!! アインシュタインの脳」の制作に関わりました).その際に集めた論文のなかに,この帽子の記事もあったため,今回のエッセイを読んですぐに「あの帽子の著者か!」と気づきました.
著者は現在も内向的で,学会の夜にはホテルで一人になる時間が必要だそうです.それでも,人と交流する喜びを知り,現在では直接会いたい講演者がいるセッションや,少人数で議論できる企画を優先して参加するそうです.著名な研究者との5分間の会話が,何通ものメールやオンライン検索以上の成果につながることもあると述べています.
私も彼女と同様に内向的な人間ですが,大学院生の頃,学会を通して,初めて学外の多くの友達や先輩方に知り合いました.ネットワークが広がっていくことはこんなにも楽しいことなんだと思いました.同じ神経学に取り組む仲間がたくさんいることを知る楽しさでした.
またこの話は,海外留学にも当てはまると思います.留学の価値は,日本では学べない研究手法や技術を習得することだけではありません.異なる文化や価値観に触れ,世界の研究者と信頼関係を築き,何より世界中に友人をつくることです.私自身,留学で出会った友達と,長く交流が続いていることを本当にありがたく感じています.先日のソウルの学会でも,20年来の友人夫婦と久しぶりに食事をともにしました.近況を語り合える友人が世界にいることは,かけがえのない財産です.
もちろん,若手の学会離れや留学離れには,経済的負担や臨床業務,家庭の事情など,さまざまな背景があると思います.だからこそ,私たち世代には,若手が挑戦できる環境を整え,自分たちが築いてきた国内外の人脈を次世代につなぐ責任があります.若い先生方も,AIの時代だからこそ,語学力を磨いて,ぜひ世界に飛び出し,多くの人との出会いを大切にしてほしいと思います.
1. Acosta LMY. Confessions of an Introvert at #AANAM. Neurology. 2026;107. doi:10.1212/WNL.0000000000218678.
2. Acosta LMY. The knit wit of Einstein. Neurology. 2018;91:325–326. PMID: 30104226.

・これまでになかった診療・研究・キャリアまで網羅した脳神経内科の新しい教科書,予約が始まりました!
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月15日のFB投稿です***
診断と治療社より刊行される『専門研修マスターノート 脳神経内科』の予約が始まりました.各領域の第一線でご活躍されている6名の先生方(井口保之先生,出雲 剛 先生,角田 亘先生,高橋牧郎先生,松本理器先生,山野嘉久先生)とともに,編集を務めさせていただきました.本書は,長年にわたり親しまれてきたロングセラー『研修ノートシリーズ 神経内科』(責任編集:鈴木則宏先生)のコンセプトを継承しつつ,主な対象読者を研修医から専攻医・専門医に移し,内容を大幅に刷新したものです.最新の医学的知見はもちろん,脳神経内科診療を取り巻く環境の変化も踏まえ,日々の診療に求められる知識と実践力を体系的に学べるこれまでにない一冊を目指しました.本書は以下の全9章から構成されています.
第1章 脳神経内科で身につけるべき診療・研究の基盤
第2章 症候学からのアプローチ
第3章 脳神経内科で学ぶべき検査
第4章 神経緩和ケア
第5章 リハビリテーション医学的アプローチの理解
第6章 脳神経外科的アプローチの理解
第7章 脳神経内科疾患の診療に必要な関連診療科の知識
第8章 脳神経内科疾患の診療
第9章 脳神経内科医としてのキャリアアップ
今回の改訂で特に力を入れたのは,従来の疾患中心の教科書では十分に取り上げられてこなかった領域の充実です.神経緩和ケア,リハビリテーション,関連診療科の知識に加え,協働意思決定,遺伝カウンセリング,神経倫理,妊娠,移行期医療,災害医療,遠隔医療,社会保障制度など,現代の脳神経内科医に求められる幅広いテーマを盛り込みました.さらに,基礎研究やトランスレーショナル・リサーチ,臨床試験,論文の読み方・書き方,留学,バーンアウト対策,リーダーシップなど,脳神経内科医として学び,成長し続けるための知識も充実させました.診断や治療の技術だけでなく,患者さんやご家族と向き合う姿勢,研究への取り組み方,自身のキャリアの築き方までを視野に入れていることが,本書の大きな特徴です.いわば,自分自身が「こんな教科書が欲しかった」と思えるものを形にしたつもりです.
各分野に精通した先生方にご執筆いただき,最新の知見を反映した,図表も豊富で実践的な内容となりました.日々の診療で考え,判断する力を磨き,脳神経内科医として生涯にわたり学び続けるための一冊になればと願っています.若手からベテランまで,多くの脳神経内科医の皆様にご活用いただければ幸いです.ご多忙のなかご尽力くださった執筆者の先生方,編集委員の皆様,そして刊行に携わってくださった出版社の皆様に,心より感謝申し上げます.
書名:『#専門研修マスターノート #脳神経内科』
出版社:#診断と治療社
責任編集:下畑享良
編集:井口保之,出雲 剛,角田 亘,高橋牧郎,松本理器,山野嘉久
刊行予定:2026年11月16日
定価:9,900円(税込)
Amazon:https://link.amazon/B00nnDXi8
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/18826604/…

・閃輝暗点は脳内を毎分3 mmで進む―岩田誠先生のご研究から学ぶ拡延性抑制の新しい理解
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月17日のFB投稿です***
先日,岩田誠先生から興味深いご論文の別刷りを頂戴しました.岩田先生と松井孝嘉先生による「閃輝暗点の自己記録」という論文です.閃輝暗点は,視野の一部にギザギザした光が現れ,数分から数十分かけてゆっくり広がる,片頭痛の前兆として知られる視覚症状です.1941年,神経心理学者Lashleyは自分自身の閃輝暗点を詳細に記録し,その広がり方から,大脳皮質上を毎分2~3 mm程度で伝播する神経活動の変化が存在すると推測しました.
岩田先生らは,頭痛を伴わない閃輝暗点を繰り返す68歳女性に,症状の出現から消失までの経過を自分で記録してもらいました.患者さんは視点を固定したまま,閃輝暗点の広がりを1分ごとに記録し,異なる日に2回の記録を行いました(図1).その結果,2回の記録は驚くほど一致しており,視覚野の解剖学的な位置関係を考慮して計算すると,神経活動の変化は毎分約3 mmで伝播していると推定されました.これはLashleyが約85年前に報告した速度とも一致しています.一人の患者さんの丁寧な観察から,脳内で起きている現象の速度を推定できることに驚くとともに,感銘を受けました.
この現象の背景にあるのが,大脳皮質拡延性抑制(cortical spreading depression:CSD)です.岩田先生のご論文を拝読し,関連文献を調べてみたところ,今年のNature Reviews Neurology誌に,この現象を新たな立場で捉え直す論文が発表されていました.つまりCSDを含む拡延性抑制(spreading depression:SD)が,片頭痛だけでなく,脳梗塞,脳出血,てんかん,脳腫瘍などに共通する病態であることを強調した論文で,マサチューセッツ総合病院のCenk Ayata博士らによるPerspective(展望論文)です.
SDは,神経細胞の大規模な脱分極が灰白質をゆっくり伝播する現象で,著者らは「brain tsunami(脳内の津波)」と表現しています.伝播速度は毎分2~5 mm程度で,実際に片頭痛の視覚前兆を捉えた現代の脳画像研究でも,後頭葉皮質を毎分約3 mmで伝播することが確認されています.これは岩田先生らが患者さんの観察から推定した速度とよく一致します.SDが通過する際には,まず神経細胞が一時的に興奮し,続いて活動が強く抑制されます.そのため,光がちらつく,異常感覚が広がるといった陽性症状に続き,視野欠損,感覚低下,麻痺などの陰性症状が現れます.
SDの発生機序を示したのが図2です.強い神経活動や虚血によって神経細胞が一斉に脱分極すると,通常3~4 mM程度の細胞外K⁺濃度が約12 mM(ピンク)を超え,SDが誘発されます(図2Aa).さらに大量のK⁺放出(K)によって20~60 mM程度まで上昇し(図2Ab;オレンジ),同時に放出されるグルタミン酸(G)とともに周囲の神経細胞を脱分極させます(図2Ac,Ad).興味深いことに,この大きな電気生理学的変化は通常の頭皮脳波ではほとんど検出できません.そのため,SDは日常診療で十分に認識されてこなかった可能性があります.
論文では,片頭痛と診断されていたものの,器質的疾患が背景にあった3症例が紹介されています.最初は56歳男性で,左母指から手,顔面,口腔内へと約15分かけて広がる異常感覚を繰り返し,後に右内頸動脈閉塞と脳梗塞が判明しました.2例目は慢性硬膜下血腫の手術後に,失語と左上肢へ広がる異常感覚を繰り返した40歳男性です.3例目は視覚症状,感覚症状,言語障害を伴う片頭痛様発作を繰り返していた21歳女性ですが,左頭頂後頭葉の脳動静脈奇形が発見され,摘出後に発作が消失しました.典型的な片頭痛前兆に見える症状でも,重大な器質的疾患が隠れている可能性を示しています.
SDの発生は,既報のヒトの電気生理学的研究でも確認されています.例えば,広範な中大脳動脈梗塞に対して減圧開頭術を受けた16例のうち14例で,合計169回のSDが記録されています.また,くも膜下出血では発症6~8日頃にSDが増加し,遅発性脳虚血との関連が示されています.重症頭部外傷や重症脳内出血でも,開頭術後などに頭蓋内電極で調べた患者の約60~70%にSDが確認されています.ただし,これらは主に重症患者を対象とした研究であり,一般の患者における発生頻度を示すものではありません.SDは大量のエネルギーを消費するため,虚血や低酸素状態では脳組織障害を悪化させる可能性があります.
臨床的に重要なのは,一過性脳虚血発作(TIA)との鑑別です.一般にTIAでは症状が突然出現するのに対し,片頭痛の前兆では徐々に広がります.しかし,脳虚血自体がSDを誘発する場合があり,症状がゆっくり広がるからといってTIAを除外することはできません.
SDが片頭痛だけでなく,さまざまな神経疾患で生じることを示したのが図3です.図3aでは,脳梗塞,くも膜下出血,頭部外傷,脳動静脈奇形などを背景にSDが発生し,周囲の大脳皮質へ伝播する様子が示されています.図3bは,ヒトの大脳皮質表面に留置した硬膜下電極による実際の記録で,神経活動の抑制と大きな陰性の緩徐電位変化が,隣接する電極へ順番に伝わることが確認できます.
こうした知見を踏まえ,著者らはSDによる神経症状を呈する疾患を「一次性」と「二次性」に分類することを提案しています.一次性は前兆のある片頭痛など,明らかな器質的病変を認めないもの,二次性は脳梗塞,脳出血,脳腫瘍,血管奇形などによってSDが誘発されるものです.症状がいつも同じ側に出現する,高頻度に繰り返す,40歳以降に初めて発症する,視覚症状以外から始まるといった特徴は,二次性SDを疑う手がかりになります.「見れども見えず」という言葉がありますが,この病態を知らなかったので,私自身もこれまで見逃していた症例があったかもしれません.ただこの分類は著者らの提案段階のものです.いずれにしても この論文の最大のメッセージは,「片頭痛の前兆に似た症状=片頭痛」と考えるべきではないということです.
岩田先生らのご研究と今回のPerspectiveを続けて読むと,一人の患者さんの閃輝暗点の観察が,脳卒中,てんかん,脳腫瘍などを含む広い神経疾患の病態理解につながることが分かります.1941年のLashleyによる自己観察,岩田先生らによる患者さんの記録,そして現代の電気生理学的研究が,いずれも毎分約3 mmという伝播速度で結び付いている点は印象的です.患者さんの症状を丁寧に聴き取り,その時間的・空間的な広がりを把握するという神経症候学の基本が,脳内で起こる現象の理解に直結することを教えてくれる,興味深い2編の論文でした.
1)岩田誠,松井孝嘉.閃輝暗点の自己記録.脳神経内科.2026;105:324–326.
2)Ayata C, et al. Tsunamis hiding in plain sight: spreading depression in clinical neurology. Nat Rev Neurol. 2026;22:251–266. doi: 10.1038/s41582-026-01191-1. PMID: 41814024.

・「研究はとても楽しい」――片頭痛研究の巨匠Jes Olesen教授が若い研究者に伝えたい7つの研究哲学
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月20日のFB投稿です***
今年,85歳を迎えたデンマークの脳神経内科医,Jes Olesen教授の研究人生を振り返り,数々の発見がどのような発想から生まれたのかを紹介したEur J Neurol誌の論文です.著者はロシアのElena R. Lebedeva教授で,2026年5月に行われたインタビューをもとに執筆しています.Olesen教授は,片頭痛発作中の脳血流変化を客観的に示し,NO(一酸化窒素),CGRP,PACAPが片頭痛を誘発することを明らかにしました.これらの発見は抗CGRP抗体やゲパントなどの治療薬の開発につながりました.また,国際頭痛分類(ICHD)の確立にも中心的な役割を果たしました.本論文では,こうした業績を生み出したOlesen教授の研究哲学を,以下の7つの視点から紹介しています(図).
1.研究する価値のある疾患を選ぶ
教授は,研究対象として意識的に患者数の多い片頭痛を選びました.当時の片頭痛は,発作中の異常を客観的に測定することが困難な疾患でした.しかし,教授はそれまで研究してきた脳血流の知識と技術を応用すれば,新しい発見につながると考えました.研究テーマを選ぶ際には,臨床的重要性に加えて,自分の強みを生かせるかどうかが重要です.
2.誰も測定していないものを測定する
教授は,脳内の35か所の局所脳血流を測定できる装置を用い,片頭痛の前兆に伴う脳血流変化を初めて客観的に捉えました.脳血管造影によって偶然誘発された前兆を研究に利用し,脳血流の低下が大脳皮質をゆっくりと広がる現象(spreading oligemia)を明らかにしました.これは,片頭痛の前兆に皮質拡延性抑制(CSD)が関与することを支持する重要な発見でした.新しい発見には,これまで測定できなかった現象を捉える工夫が必要です.
3.常識とされている説明を疑う
当時,認知症に伴う脳血流低下は,神経細胞の機能障害を引き起こす「原因」と考えられていました.教授は,認知症患者で安静時脳血流が低下している一方,二酸化炭素負荷によって脳血流が約2倍に増加することを示しました.これは脳血管の拡張予備能が保たれていることを意味します.安静時の脳血流低下は一次的な血液供給障害ではなく,神経細胞の活動性や代謝需要の低下に伴う二次的な変化であると考えました.つまり,脳血流低下は認知症の原因ではなく「結果」であるという解釈です.この研究は,観察された関連性から因果関係を安易に判断せず,生理学的な介入によって検証することの重要性を示しています.
4.疾患を実験的に再現して原因を検証する
教授の代表的な業績が,human provocation model(ヒト疾患誘発モデル)です.ある物質が疾患の発症に関与するなら,その物質を投与することで症状を再現できるはずだという発想です.ニトログリセリンによる片頭痛誘発に続き,CGRPやPACAP38も発作を誘発することを示しました.こうした研究がCGRP標的治療薬の開発につながりました.「観察」による関連の発見から,「介入」による因果関係の検証へ進むことが重要であることを示しています.
5.研究を進めるための共通基盤をつくる
教授は国際頭痛分類(ICHD)や片頭痛治療薬の臨床試験方法の標準化にも尽力しました.さらに,診断基準自体も検証すべき研究対象だと考えました.実際,前兆のある片頭痛と一過性脳虚血発作(TIA)の鑑別基準を患者データで検証し,ICHD-3の改訂につなげました.診断基準は一度作れば完成するものではなく,科学的根拠に基づいて改善し続ける必要があります.
6.自分にない技術は,他の研究者から学ぶ
教授は,「一つの研究グループですべての技術を持つことは不可能だ」と述べています.自分たちの強みを理解し,不足する技術を持つ研究者と協力することが重要です.設備や研究費が十分でない施設でも,臨床的特徴を詳細に評価した患者集団を集めるなど,独自の貢献ができます.
7.研究を楽しむことが最大の原動力になる
教授は60年以上にわたって研究を続け,約60名の博士課程学生を指導してきました.その原動力は賞や名誉ではなく,それまで分からなかったことを理解し,新しい知識を得る喜びでした.教授は研究人生を次の一言で表しています.
Doing research and difficult things is a lot of fun.
「研究をすること,そして難しいことに挑戦することは,とても楽しい」
この気持ち,私もとても良く分かります.
本論文が若い研究者に伝えているのは,優れた研究には特別なひらめきだけが必要なのではないということです.重要な臨床課題を選び,常識を疑い,新しい方法で仮説を検証し,他分野と協力する.こうした姿勢の積み重ねが大きな発見につながります.そして何より,分からないことを解き明かす知的な喜びこそが,研究を長く続けるための最大の原動力になるのだと思います.とても納得がいきますし,研究を志す若い先生方にもお読みいただきたいと思いました.
Lebedeva ER. Science Is a Lot of Fun: How Professor Jes Olesen Made Discoveries in Migraine. Eur J Neurol. 2026;33:e70775.
肖像画は以下のページより引用  https://schmerzklinik.de/…/international-headache…/

・化学的に安定なはずのプラスチックがなぜ有害なのか?活性酸素の生成という驚きのメカニズム(Nature誌)
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月22日のFB投稿です***
マイクロプラスチックとナノプラスチック(MNPs)は,環境中だけでなく,ヒトの血管や脳組織からも検出されています.2024年のNEJM誌では,頸動脈プラークにMNPsが検出された患者は,検出されなかった患者と比較して,その後の心筋梗塞,脳卒中,全死亡を合わせたリスクが約4.5倍高いことが報告されました.また,2025年のNature Medicine誌では,認知症患者の脳組織から高濃度のMNPsが検出されたことが報告されています.しかし,MNPsがどのような仕組みで生体に悪影響を及ぼすのかは,十分に解明されていません.プラスチックは一般に化学的に安定なため,その毒性は添加剤や表面に吸着した有害物質,粒子そのものによる物理的刺激などで説明されてきました.ところが今回,米国コロンビア大学とカリフォルニア大学バークレー校を中心とする研究グループは,マイクロプラスチックが水と接触するだけで活性酸素を自発的に発生させるという,これまで想像もされていなかった驚きのメカニズムをNature誌に報告しました.
研究者らはまず,ポリスチレン(PS)の微粒子を水に加え,活性酸素によって分解される色素を用いて検討しました.その結果,10日間で色素の約90%が分解されました.一方,エタノールなどの有機溶媒中では同様の分解はほとんど起こりませんでした.さらに,電子スピン共鳴法や蛍光プローブを用いた解析から,強い酸化作用を持つヒドロキシルラジカル(•OH)が,主としてプラスチックと水の界面で持続的に生成している(!)ことが確認されました.この反応は6種類の一般的なプラスチックすべてで認められ,特にポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)など,水をはじく疎水性の強いプラスチックほど活性酸素の生成が多く,疎水性と生成量には強い相関が認められました(r=0.93)(図1).
では,なぜ水に触れるだけで活性酸素が発生するのでしょうか?鍵となるのは,プラスチックの表面に接する水分子の状態です.通常,水中の水酸化物イオン(OH⁻)は周囲の水分子に取り囲まれ,安定しています.ところが,水をはじくプラスチックの表面では,水分子の並び方が乱れ,OH⁻が十分に取り囲まれなくなります.さらに,表面付近には負の電荷が集まり,局所的に電気的な力が働きます.この2つの作用によってOH⁻が電子を失いやすくなり,強い酸化作用を持つ•OHが生成されると考えられます.図2は,このとき水中の酸素などが電子を受け取るという推定機序を示しています.つまり,プラスチックそのものが化学的に安定でも,水と接する表面では思いがけない化学反応が起こりうるということです.
さらに重要なのは,こうした反応が生体分子や細胞に影響することです.図3は本研究の全体像を示しており,疎水性の強いプラスチック表面では,タンパク質やDNAの吸着,タンパク質の凝集,細胞障害が生じやすくなるという概念を表しています.実際,タンパク質やDNAはMNPs表面に集積し,その程度は表面の疎水性や電気的性質によって変化しました.また,モデルタンパクとしてリゾチームを用いた実験では,プラスチック表面で凝集が促進されました.興味深いことに,ラジカル消去作用を持つ高濃度カフェインを添加すると凝集が著明に抑制され,活性酸素の関与が支持されました.さらに,マウス赤血球を用いた実験では,微粒子との接触によって赤血球が変形し,溶血も認められました溶血の程度は,プラスチック表面で活性酸素を生成する能力と相関しており(r=0.75),活性酸素の生成が細胞障害に関与する可能性が示されました.
今回の発見は,冒頭で紹介した心血管疾患や認知症との関連を理解するうえでも重要です.注目したいのは,頸動脈プラークとヒト脳組織の研究で,いずれも「PEが主要なプラスチックとして検出されていた」ことです.今回の研究では,そのPEが水との界面で特に強い活性酸素生成能を示しました.このことから,MNPsが血管壁で持続的な酸化ストレスを引き起こし,血管炎症や動脈硬化の進展に関与する可能性が考えられます.さらに脳内では,神経細胞やグリア細胞への酸化的障害に加え,Aβやタウなどの異常タンパク質の凝集に関与する可能性も考えられます.ただし,これらは今回の発見から導かれる仮説であり,ヒトの血管や脳で同じ反応が起きていることや,心血管疾患,認知症との因果関係が証明されたわけではありません. また,認知症患者の脳内MNPsの定量についても,測定法の妥当性を含めた検証が必要です.
本研究の意義は,これまで含有する有害物質を運ぶ粒子,あるいは物理的な刺激を与える異物と考えられてきたマイクロプラスチックが,水との接触面そのものから活性酸素を生み出し,生体分子を変化させる可能性を示したことにあります.ただし,実験では比較的高濃度のプラスチックが使用されており,実際のヒト体内でどの程度の活性酸素が生成されるのかは分かっていません.今後,生体内での反応や慢性曝露による影響を検証することが必要ですが,いずれにしても今後,さらに真剣にMNPsに向き合う必要性を感じました.
1. Marfella R, et al. Microplastics and nanoplastics in atheromas and cardiovascular events. N Engl J Med. 2024;390:900–910. PMID: 38446676.
2. Nihart AJ, et al. Bioaccumulation of microplastics in decedent human brains. Nat Med. 2025;31:1114–1119. PMID: 39901044.
3. Qian N, et al. Intrinsic physicochemical activity at microplastic–water interfaces. Nature. 2026;658:650–657. DOI: 10.1038/s41586-026-11141-y. PMID: 42875572.

・脳梗塞の幹細胞治療はどこまで進んだのか?神経炎症の制御と脳の修復を目指す研究の最前線
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月23日のFB投稿です***
脳梗塞の治療は,静注血栓溶解療法や機械的血栓回収療法の普及によって大きく進歩しました.しかし,脳主幹動脈が閉塞した患者さんでは,血流を再開できても約半数が機能的自立を達成できません.これは,すでに傷害された神経細胞を回復させることが難しく,血流再開後にも炎症や神経細胞死が進行するためです.こうした限界を克服する方法として,幹細胞治療が注目されています.Stroke姉妹誌に脳梗塞に対する幹細胞治療,とくに動脈内投与の進歩と課題をまとめた総説が報告されています(文献1).
まず重要なのは,幹細胞治療の主な目的が,失われた神経細胞を直接補充することだけではないという点です.近年,幹細胞が分泌するさまざまな物質によって,神経炎症を抑制し,残存する神経細胞を保護し,脳の修復能力を引き出す作用が注目されています.これは「stem cell bystander effect」と呼ばれています.つまり,移植した幹細胞そのものが神経細胞に置き換わらなくても,周囲の環境を改善することで治療効果を発揮する可能性があるのです.
脳梗塞後には,ミクログリアやアストロサイトが活性化し,さらに末梢から白血球などが脳内に浸潤します.これらの細胞が放出する炎症性サイトカインや活性酸素は,血液脳関門の破綻,脳浮腫,神経細胞死を促進します.こうした炎症反応は発症24~72時間に強くなるため,急性期の神経保護にとって重要な標的となります.幹細胞は,IL-1β,IL-6,TNF-αなどの炎症性サイトカインを抑制し,IL-10やTGF-βなどの抗炎症性サイトカインを増加させることが動物実験で示されています.さらに,BDNFやVEGFなどの神経栄養因子を分泌し,神経細胞の生存,血管新生,軸索伸長,シナプス再構築などを促進すると考えられています.
図は,こうした幹細胞治療の作用機序をまとめたものです.左側にはカテーテルを用いて腕の動脈から幹細胞を脳動脈内に投与する方法が示されています.上部には,脳梗塞後に生じるミクログリアの活性化,白血球浸潤,アストロサイトの反応性変化,炎症性サイトカインの増加,血液脳関門の破綻などが描かれています.一方,右下には,幹細胞治療によって期待される炎症やアポトーシスの抑制,神経栄養因子の分泌,細胞の移動や分化の促進が示されています.つまり,幹細胞治療は単なる細胞移植ではなく,脳梗塞後の炎症環境を改善し,神経保護と神経修復を同時に促進する治療と位置づけられています.ただし,これらの作用の多くは動物実験に基づいており,ヒトでの検証はまだ十分ではありません.
今回の総説で取り上げられている幹細胞には,間葉系幹細胞(MSC),神経幹細胞(NSC)など,さまざまな種類があります.また,幹細胞を含む骨髄単核球も細胞療法に利用されています.MSCは骨髄,脂肪組織,臍帯などから採取でき,増殖させやすく,免疫拒絶のリスクも比較的低いことから広く研究されています.一方,NSCは神経細胞やグリア細胞に分化できるため,神経組織の修復という点で有望です.しかし,現時点ではどの細胞が最も適しているかは分かっていません.
私たちも新潟大学の金澤雅人先生らと共同で,脳梗塞に対する新しい細胞療法の開発に取り組んできました.この研究では,幹細胞ではなく,採血によって比較的容易に得られる末梢血単核球(PBMC)を用いています.PBMCに低酸素・低糖刺激(OGD)を加えることで,組織修復を促進する性質を持たせる方法を開発しました.動物実験では,この細胞を脳梗塞発症7日後に動脈内投与すると,血管新生や軸索伸長が促進され,神経機能が改善しました(文献2).さらに,エクソソーム中のmiR-155-5pの減少や,HIF-1αを介したVEGFの増加,ミクログリアとの相互作用などが,その作用機序に関与することを明らかにしました(文献3).2025年には,血流再開後にも低酸素状態が残存する脳組織に,SDF-1/CXCR4経路を介して投与細胞が集積し,局所のVEGF発現を増加させることを示しました(文献4).これらはまだ前臨床段階の研究ですが,血流再開後にも残る組織障害を標的とし,脳の修復を促進する新たな治療につながる可能性があります.
投与方法にも重要な問題があります.静脈内投与は簡便ですが,投与した細胞の多くが肺,肝臓,脾臓などに捕捉されてしまいます.動物実験では,静脈内投与したMSCのうち脳病変に到達するのは約4%と報告されています.一方,別の動物実験では,動脈内投与した細胞の約21%が中大脳動脈領域に分布しました.このため,病変部位に効率的に細胞を届けられる動脈内投与が注目されています.ただし,静脈内投与された細胞も脾臓などの末梢免疫系を介して神経保護作用を発揮する可能性があり,脳への到達率だけで投与経路の優劣を判断することはできません.
とくに期待されているのは,機械的血栓回収療法と幹細胞治療の組み合わせです.血栓回収療法で血流を再開させた後,使用したカテーテルから幹細胞を投与すれば,追加の侵襲を最小限にしながら病変部位に細胞を届けられる可能性があります.ただし,幹細胞は種類によっては毛細血管よりも大きく,高濃度で投与すると微小血管を閉塞させる危険性があります.したがって,細胞の種類だけでなく,投与量,濃度,注入速度などの最適化が不可欠です.
では,実際の患者さんでは効果が得られているのでしょうか.これまでの臨床試験では,幹細胞治療の安全性と実施可能性を支持する結果が蓄積していますが,有効性については明確な結論が得られていません.日本では,北海道大学の寶金清博先生を主任研究者として,全国44施設,206例の急性期脳梗塞患者を対象とした第II/III相TREASURE試験が実施され,2024年にJAMA Neurology誌に報告されました(文献5).この試験では,多能性成人前駆細胞(MultiStem)を発症18~36時間以内に「静脈内投与」しましたが,90日後の主要評価項目で有意な機能予後改善は認められませんでした.ただし,64歳以下の患者や梗塞体積が50 mL以上の患者では,探索的なサブグループ解析で良好な傾向がみられました.治療効果が患者の年齢や梗塞体積によって異なる可能性がありますが,この結果については今後の検証が必要です.
動脈内投与の臨床試験でも,有効性はまだ証明されていません.米国のテキサス大学が中心となって実施したRECOVER-Stroke試験では,48例を対象に自己骨髄由来細胞を内頸動脈から投与しましたが,90日後の機能予後に有意な改善は認められませんでした(文献6).また,治療群の4例ではMRIで無症候性の小さな虚血性病変が認められ,微小塞栓への注意が必要であることも示されました.一方,スペインで行われたIBIS試験では77例をランダム化しました(文献7).発症1~7日以内に自己骨髄単核球を動脈内投与したところ,180日後に良好な機能予後(mRS 0~2)を達成した割合は,対照群39%,低用量群50%,高用量群44%でしたが,統計学的に有意な差は認められませんでした.興味深いことに,高用量群より低用量群で良好な傾向がみられ,細胞は投与量を増やせば効果が高まるとは限らない可能性が示唆されました.
では,なぜ動物実験で良好な結果が得られているにもかかわらず,ヒトでは有効性を証明できないのでしょうか?著者らは,動物実験では若く健康な動物が用いられる一方,実際の脳梗塞患者は高齢で併存疾患を持つことが多く,脳の修復能力が異なる点を指摘しています.また,細胞の種類,投与量,投与時期,対象患者が試験ごとに異なることも問題です.動物実験では発症後24~72時間以内,あるいは最初の1週間以内の投与が有望とされています.ヒトでも,静脈内投与のTREASURE試験では発症18~36時間以内,動脈内投与のIBIS試験では発症1~7日以内,RECOVER-Stroke試験では発症後約2週間に細胞が投与されました.しかし,いずれも主要な有効性評価項目で有意な改善は認められず,最適な投与時期や治療効果が期待できる患者群は,まだ明らかではありません.
今後は,治療に反応しやすい患者を見つけることも重要です.例えば,年齢,梗塞体積,病変部位,側副血行路,残存する神経回路などが治療効果を左右する可能性があります.また,従来のmRSやNIHSSだけでなく,機能的MRIや拡散テンソル画像による神経ネットワークの評価,炎症性サイトカインなどのバイオマーカーを組み合わせ,幹細胞が実際に何を変化させているのかを明らかにする必要があります.さらに,細胞療法と神経リハビリテーションを組み合わせる治療戦略の重要性に言及しています.私自身も,細胞療法によって促進された神経修復を実際の機能回復につなげるためには,適切なリハビリテーションを組み合わせ,神経可塑性をさらに高めることが重要ではないかと考えています.
文献
1.McMillan N, et al. Stroke Vasc Interv Neurol. 2026;6. doi: 10.1161/SVIN.125.001648. PMID: 42708127.
2.Hatakeyama M, et al. Sci Rep. 2019;9:16819. doi: 10.1038/s41598-019-53418-5. PMID: 31728010.
3.Otsu Y, et al. Neurotherapeutics. 2023;20:1369–1387. doi: 10.1007/s13311-023-01398-w. PMID: 37335500.
4.Kanayama T, et al. Exp Neurol. 2025;385:115121. doi: 10.1016/j.expneurol.2024.115121. PMID: 39710242.
5.Houkin K, et al. JAMA Neurol. 2024;81:154–162. doi: 10.1001/jamaneurol.2023.5200. PMID: 38227308.
6.Savitz SI, et al. Circulation. 2019;139:192–205. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.117.030659. PMID: 30586746.
7.Moniche F, et al. Lancet Neurol. 2023;22:137–146. doi: 10.1016/S1474-4422(22)00526-9. PMID: 36681446.

・第1回日本機能性神経障害(FND)研究会が開催されます!
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月24日のFB投稿です***
帝京大学の園生雅弘先生を中心に「日本機能性神経障害(FND)研究会」が設立され,2027年1月16日(土)に第1回研究会が開催されます.
FNDは決して稀な疾患ではありません.しかしその診断や治療に関する理解はまだ十分に浸透しているとはいえません.また,適切な診療には脳神経内科だけでなく,精神科,リハビリテーション科,整形外科,総合診療科など,多くの診療科・職種の連携が欠かせません.本研究会は,こうした診療科の垣根を越えて知識や経験を共有し,FNDの診療と研究を発展させることを目指しています.
第1回研究会では,FNDの新潮流,精神科から見たFND,機能性発作,FNDの病態と治療,リハビリテーションなど,幅広いテーマが取り上げられます.私も「機能性不随意運動」について講演します.さらに,FNDの診断に重要な陽性徴候のライブデモンストレーションや症例検討も予定されており,実践的な内容となっています.詳しいプログラムは添付画像をご覧ください.
【開催概要】
日時:2027年1月16日(土)13:00~17:40
会場:帝京大学大学棟2階 208教室(東京都板橋区加賀2-11-1)
参加費:医師2,000円,メディカルスタッフ1,000円,卒前学生500円
開催形式:現地開催のみ(Web配信なし)
本研究会は医療関係者を対象としています.参加には事前登録が必要ですが,研究会への入会がなくても参加は可能です(しかしぜひ入会もご検討ください).なお,参加登録にはm3.comの無料アカウントが必要です.
FNDの診療に関心をお持ちの医療関係者の皆様にとって,最新の知見を学ぶだけでなく,さまざまな立場の専門家と直接議論できる貴重な機会になると思います.ぜひ多くの皆様にご参加いただければ幸いです.
詳細・参加登録はこちらです.
http://japan-fnd-studygroup.kenkyuukai.jp/event/

・同じアミロイドβの蓄積でも,なぜ認知症の進行は異なるのか?―「隠れた状態にあるミクログリア」という新しい視点
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月25日のFB投稿です***
アルツハイマー病(AD)では,脳内にアミロイドβやタウが蓄積しますが,同程度の病理変化であっても,認知機能の低下が速い人と遅い人がいます.この違いはなぜ生じるのでしょうか?これまで,APOEなどの遺伝的背景,脳血管障害,神経予備能などが関係すると考えられてきました.最近,新たな可能性として注目されているのが,脳内の免疫細胞であるミクログリアが「過去の炎症を記憶している」という現象です.この興味深い考え方を解説した総説が最新号のNature Reviews Neuroscience誌に発表されました.
まずミクログリアについてですが,脳内に常在する免疫細胞で,異常なタンパク質や損傷を受けた細胞を除去し,脳内環境を維持しています.ADでは,アミロイドβの周囲に集まる疾患関連ミクログリア(disease-associated microglia:DAM)が注目されています.DAMでは,TREM2,APOE,LPLなどの脂質代謝や貪食に関わる遺伝子の発現が増加します.これらの細胞はアミロイドβを密にまとめて周囲の神経組織への悪影響を軽減する場合がありますが,一方で炎症性サイトカイン,活性酸素,補体などを介してシナプス障害を促進することもあります.つまり,ミクログリアはその状態によって神経保護的にも神経傷害的にも働きます.
この総説でとくに重要なのが,「隠れた状態にあるミクログリア(hidden microglial states)」という新しい概念です.これは,過去の感染症や全身性炎症によってミクログリアに長期的な変化が生じ,炎症が収束した後もその影響が残っている状態です.興味深いのは,細胞の形態や通常時の遺伝子発現が正常に戻っていても,次の刺激に対する反応が変化していることです.図1では,感染や炎症によって活性化したミクログリアが,炎症の収束後に通常の状態へ戻る一方,一部の細胞にはエピジェネティックな変化や代謝の変化が残る仕組みが示されています.つまり,炎症が消失しても,ミクログリアが完全に元の状態に戻ったとは限らないということです.
この現象は「自然免疫記憶(innate immune memory)」と呼ばれ,2つの方向があります.ひとつは「訓練免疫(trained immunity)」で,過去の刺激によって次の炎症刺激への反応が増強されます.もうひとつは「免疫寛容(immune tolerance)」で,反対に反応が弱くなります.これは,過去の炎症によって,DNAの働きを調節する仕組みや細胞のエネルギー代謝が変化するためと考えられています.つまり,過去の炎症によってミクログリアの性質が変化し,炎症が治まった後もその変化が残るため,次に炎症が起きたときの反応が変わるということです.
図2では,通常のミクログリアと「隠れた状態にあるミクログリア」を比較し,平常時には同じように見えても,再び刺激を受けたときの反応が異なることを示しています.後者では,炎症応答が過剰になる場合もあれば,反対に減弱する場合もあります.では,このような免疫記憶はADにどのような影響を及ぼすのでしょうか?例えば,訓練免疫の状態になったミクログリアは,アミロイドβやタウが蓄積した際に,炎症性サイトカインや活性酸素,補体などを過剰に産生し,シナプス消失や神経回路障害を促進する可能性があります.一方,免疫寛容の状態では,アミロイドβの除去やアミロイド斑の緻密化が不十分となり,毒性のある可溶性オリゴマーが残存する可能性があります.つまり,免疫反応が強すぎても弱すぎても,ADの病態に悪影響を及ぼす可能性があります.
実際,マウスを用いた研究では,末梢の免疫刺激によって自然免疫の訓練や寛容を誘導すると,その後のアミロイドβやタウの病理が変化することが報告されています.これは,全身で起こった炎症が脳内のミクログリアに長期的な影響を残し,神経変性の進行を左右する可能性を示しています.ただし,これらの知見は主に実験モデルに基づくものであり,ヒトADにおいて,過去の感染症や炎症がミクログリアの免疫記憶を介して病気の進行を変えることが証明されたわけではありません.
今後の課題は,この「隠れた状態にあるミクログリア」をヒトで検出することです.通常の遺伝子発現解析では区別が難しいため,刺激後のサイトカイン産生や貪食機能,ヒストン修飾,細胞代謝などを評価する方法が検討されています.将来的には,脳脊髄液中の炎症関連分子やPET画像による評価も期待されます.治療面では,炎症を一律に抑制するのではなく,有益な貪食機能を維持しながら有害な炎症反応を調節することが重要になります.エピゲノムを調節する薬剤やTREM2を標的とした治療,ミクログリアの細胞治療などが提案されていますが,いずれも今後の検証が必要です.
今回の総説を読んで重要だと思ったのは,神経炎症を「現在どの程度炎症が起こっているか」だけで評価するのでは不十分かもしれないという点です.今後は「脳が過去にどのような炎症を経験してきたか」という時間的な視点も重要になる可能性があります.またこの考え方は,新型コロナウイルス感染症などのウイルス感染後に認知機能障害が生じる仕組みを理解するうえでも興味深いものです.実際,COVID-19罹患後には認知症の発症リスクが増加することが疫学研究で報告されています.その機序のひとつとして,ウイルス感染によってミクログリアに長期的な免疫記憶が形成され,その後のアミロイドβやタウに対する反応が変化する可能性が考えられます.とくに,すでにアルツハイマー病理が存在する人では,感染を契機に認知機能低下が加速する可能性もあります.ただし,これらは現時点では仮説であり,ヒトにおける直接的な検証が必要です.
Eggen BJL, Kooistra SM. Microglial states revisited: from homeostasis to disease. Nat Rev Neurosci. 2026;27:676–686. DOI: 10.1038/s41583-026-01066-w. PMID: 42477453.

・自己免疫性脳炎はひとつの病気ではない!―Dalmau先生らが提唱する疾患別診療への転換
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月26日のFB投稿です***
自己免疫性脳炎の研究を牽引してきたJosep Dalmau,Francesc Grausらが,Lancet Neurology誌に重要な論考(Personal View)を発表しました.著者らは,「自己免疫性脳炎」をひとつの疾患群としてまとめて扱う従来の考え方を見直し,抗体ごとに独立した疾患として研究・診療する必要があると提唱しています.個人的には,これはすでに当然の考え方だと思っていましたが,確かに現在も異なる自己免疫性脳炎を一括して解析する研究が少なくないことを考えると,著者らの提言にも納得がいきます.
これまで,抗AQP4抗体陽性視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)と抗MOG抗体関連疾患(MOGAD)は,異なる疾患として分類され,それぞれに適した治療法の開発が進んできました.一方,自己免疫性脳炎では少なくとも17種類の神経細胞表面抗原に対する抗体関連疾患が知られているにもかかわらず,臨床研究では一括して解析されることが少なくありません.著者らは,こうした方法では疾患ごとの重要な違いが見えなくなり,治療効果や予後の評価を誤る可能性があると指摘しています.
著者らはまず臨床像の違いを示しています(図).代表的な自己免疫性脳炎10疾患について,精神症状,認知機能障害,けいれん,運動異常症,睡眠障害,脳幹症状などの頻度をヒートマップで比較しています.抗NMDA受容体脳炎では精神症状や認知機能障害,抗LGI1脳炎では記憶障害とけいれん,抗IgLON5病では睡眠障害や運動異常症が目立ちます.抗GABA-B受容体脳炎ではけいれん,抗グリシン受容体関連疾患では筋強剛やミオクローヌスが特徴的です.同じ自己免疫性脳炎でも,抗体によって症候の組み合わせが大きく異なることが一目でわかります.
さらに,抗体の作用機序も異なります.抗NMDA受容体抗体は主にIgG1で,受容体の内在化を引き起こしますが,この変化は基本的に可逆的です.抗LGI1抗体は主にIgG4で,LGI1の機能を阻害し,Kv1.1カリウムチャネルやAMPA受容体の減少を通じて神経細胞の興奮性を高めます.一方,抗IgLON5抗体も主にIgG4ですが,IgLON5の不可逆的な減少や細胞骨格の変化を引き起こし,タウ蛋白の蓄積にも関与する可能性があります(自己免疫性タウオパチーと呼ばれます).
免疫療法への反応も異なります.抗NMDA受容体脳炎では第一選択治療への反応率は約53%で,約半数がリツキシマブなどの第二選択治療を必要とし,回復には長期間を要することがあります.抗LGI1脳炎では第一選択治療への反応率が50~80%と比較的高く,FBDSなどが数日から数週間で改善することがあります.一方,抗IgLON5病では免疫療法への反応が不十分なことが多いものの,発症後1年以内の治療開始が良好な転帰と関連しています.著者らは,「治療抵抗性」の定義も疾患ごとに検討する必要があると指摘しています.
長期予後にも重要な違いがあります.抗NMDA受容体脳炎の92例の追跡研究では,発症3年以上で91%がmRS 2以下まで回復しましたが,34%に認知機能障害が残存し,30%は復学・復職できませんでした.抗LGI1脳炎でも記憶障害が残りやすく,中央値7年間の追跡では正常な認知機能を維持していた患者は25%にすぎませんでした.海馬のCA2~CA4領域や歯状回の萎縮が関与すると考えられています.抗IgLON5病は一時的に安定しても進行することがあり,嚥下障害や呼吸障害が生命予後を左右します.
特に注目したいのは,抗NMDA受容体脳炎では長期間の意識障害が必ずしも回復不能を意味しないという指摘です.9か月以上植物状態が続いた45例の国際共同研究では,中央値約5年間の追跡で62%が完全または相当程度の回復を示しました.一方,治療抵抗性の判定時期は研究によって2週間から39か月と大きく異なっていました.著者らは,免疫療法の効果が遅れて現れる可能性(!)を考慮し,早期に治療を無効と判断したり,回復の可能性を否定したりすべきではないと述べています.
また,「自己免疫性精神病」や「自己免疫性てんかん」といった包括的な診断概念にも再考を促しています.「自己免疫性精神病」は独立した疾患概念としての根拠が十分ではなく,可能な限り「抗NMDA受容体脳炎に伴う精神症状」のように原因疾患を明示すべきだとしています.また,「自己免疫性てんかん」についても,脳炎急性期に生じる症候性発作と,脳炎後に慢性的な発作再発リスクが残るてんかんを区別する必要があります.こうした症候群名だけでは,疾患ごとの病態や治療方針の違いを十分に反映できないという問題があります.
これまでは新しい自己抗体を発見し,原因不明の疾患を同定することが研究の中心でした.今後は,各疾患の自然歴,治療反応性,長期的な認知・社会機能を明らかにし,疾患特異的な予後予測や新規免疫療法の開発を進める段階にあるような気がします.「自己免疫性脳炎」という診断名は出発点であり,そこから抗体ごとの疾患特異的医療へ進むべきであるというメッセージが,本論文の核心だと思います.いずれにしても自己免疫性脳炎研究の近年の進歩は目覚ましく,2023年に編集させていただいた『自己免疫性脳炎・関連疾患ハンドブック(金芳堂)』についても,最新の知見を踏まえたアップデートの必要性を強く感じています.
Dalmau J, et al. Antibody-mediated encephalitides: distinct diseases with transdisciplinary implications. Lancet Neurol. 2026;25:1039–1052. DOI: 10.1016/S1474-4422(26)00290-5.

・第38回リベラルアーツ研究会――この治療は誰のためのものか?医学生と読む東野圭吾『人魚の眠る家』
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月28日のFB投稿です***
今回の課題図書は,東野圭吾さんの『人魚の眠る家(幻冬舎,2015)』です.プールでの溺水事故で脳死に近い状態となった娘を,母親が最先端の医療技術を使って「生かし続けよう」とする物語で,脳死,臓器移植,ニューロテクノロジーという,脳神経内科医にとっても身近な問題が正面から描かれています.私は2015年の刊行後まもなく読んで強い衝撃を受けましたが,当時は近未来のフィクションとして読んでいました.今回10年ぶりに読み直してみると,現代医療がすでに直面している問題を先取りした作品であることに気づかされました.研究会では,最初に学生の皆さんに感想を述べてもらい,そのあとで私がミニレクチャーを行いました.
学生の感想でまず印象的だったのは,多くの学生が「この治療は誰のために行われているのか?」という点を議論したことです.娘を生かし続ける治療は,本人のためなのか,それとも家族が納得するためなのか.母親の行動は自己満足でしかないという意見がある一方で,子どもの母親の行動としては理解できるものであり,医師はその思いに寄り添うべきだという意見もありました.またある学生は「テセウスの船」のパラドックス(部品をすべて入れ替えた船は元の船と同じと言えるのか,という哲学の問い)を持ち出し,脳死前の娘と現在の娘のあいだに構造的な連続性と,娘としての役割という機能的な連続性があるのかを問い,本人は脳死前と別の状態になることを望んでいなかったのではないかと述べました.「本人にとって意義のある医療」について医学生が気づいた点が印象的でした.
もう一つ多くの学生が取り上げたのは,医師の立ち位置です.医師はフラット(中立)であるべきで,家族を支える役割に徹するべきだという意見が複数ありました.死生観は人それぞれで,延命治療について医師が自分の考えを押しつけてはいけない,という意見です.反対に,医師に求められるのは事実を伝えることだけではなく,むしろ自分自身の意見を持って家族に向き合うべきであるという意見もありました.また家族の感情に寄り添いながらも,伝えるべきことを伝える難しさを指摘した学生もいました.家族から「もし先生の家族だったらどういう選択をしますか?」と問われたとき,医師としての答えと自分個人としての答えは必ずしもイコールではないのではないか,という鋭い指摘もありました.
最後に私が行ったミニレクチャーでは,視点を変え,本書が私たちに突きつける5つの倫理的論点を整理しました(図2).いずれも,脳死と臓器移植をめぐる現代医療の重要な課題です.こうして整理してみると,東野圭吾さんがこれらの問題を深く学び,真摯に向き合ったうえで本作を書かれたことがうかがわれます.それぞれの論点については,『BRAIN and NERVE』誌12月号(クリスマス号)に掲載予定の小論文で詳しく論じていますので,刊行の際に改めてご紹介したいと思います.
まとめると,学生の皆さんは,「治療は誰のためにあるのか」「医師はどこに立つべきなのか」という,人と人との関係の側からこの作品を読んでいました.私から伝えたのは,大切なのは,病気の重さだけで治療の可能性を閉ざすことでも,医学的に「できるから」という理由だけで治療を行うことでもなく,その治療が本人の望む生き方や生活をどのように支えるのかを個々のケースで考えることが大切だということです.治療によって何を守りたいのか,どのような利益が期待でき,どのような負担を伴うのかを,患者さんや家族とともに考え続けなければなりません.簡単に答えの出る問いではありませんが,だからこそ,その問いから目をそらさず,本人の意思に向き合い続けることが,これから医療者になる皆さんに求められているのだと思います.このような大切な問いを私たちに残してくださった東野圭吾さんに,心より感謝するとともに,ご冥福をお祈りいたします.
次回第39回は私の大好きな本,超おすすめ仲野徹先生の「生命科学者たちのむこうみずな日常と華麗なる研究」です.学生たちが夢中になってよくことは間違いないと思います.本のAmazonへのリンクはコメント欄に記載しました.

・ナルコレプシー治療は『眠気を抑える』から『失われた信号を補う』へ
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月29日のFB投稿です***
ナルコレプシー1型は,日中の強い眠気や,笑う,驚くといった感情の変化によって筋力が抜ける情動脱力発作,睡眠麻痺,入眠時幻覚などを呈する疾患です.中心的な病態は,視床下部のオレキシン産生ニューロンが失われることです.オレキシンが欠乏すると,ヒスタミン,ドパミン,ノルアドレナリンなどの覚醒関連神経系の活動が不安定になり,日中の過度の眠気が生じます(図1).
従来の治療は,これらの覚醒関連神経系を刺激して眠気を軽減する対症療法が中心でした.これに対して,新たに開発されたオベポレクストン(oveporexton)は,オレキシン2受容体(OX2R)を直接刺激する経口薬です.失われたニューロンを再生するのではなく,欠乏したオレキシンの信号を受容体レベルで補う,病態に基づいた治療です.今回,その有効性と安全性を検証した2つの第III相試験がNEJM誌に報告されました.
研究にはフランスのモンペリエ大学病院,米国のスタンフォード大学などが参加し,武田薬品の支援で2つの国際共同,二重盲検,無作為化比較試験が実施されました.First Light試験168例では1 mgまたは2 mgの1日2回投与,Radiant Light試験105例では2 mgの1日2回投与を,それぞれ偽薬と12週間比較しました.既存のナルコレプシー治療薬は休薬しており,従来治療への上乗せ試験ではありません.
結果ですが,主要評価項目である覚醒維持検査(MWT)の改善がみられました.これは,薄暗く刺激の少ない環境で,どれだけ眠らずにいられるかを測定する検査です.図2では,治療前に平均4~6分ほどだった睡眠潜時が,12週後には約19~25分まで延長しています.偽薬群ではほとんど改善せず,偽薬との差は13.8~20.1分でした.図中の水平破線は正常の目安とされた20分を示し,2 mg群では両試験とも平均値がこの線を超えています.
自覚的な眠気を評価するEpworth Sleepiness Scale(ESS)が正常範囲の10点以下になった割合は,1 mg群で67%,2 mg群で83~84%でした.偽薬群では12~17%でした.情動脱力発作も,治療群では患者ごとの減少率の中央値が79~89%に達しました.幻覚や睡眠麻痺を含む症状の重症度,生活の質も改善しており,眠気だけでなく,複数の症状を同時に改善できたことがポイントかと思います.
一方,副作用についても興味深い点があります.まず不眠は53~58%に認められましたが,多くは1週間以内に改善しました.不眠はOX2R刺激による覚醒促進作用が夜間にも及ぶことで生じると考えられます.しかし,短期間で改善する理由は明らかではありません.睡眠覚醒回路の適応などが考えられますが,現時点では仮説にとどまります.興味深いことに,日中の覚醒改善効果は12週間維持されており,不眠の軽減を単純な薬効の減弱で説明することもできません.なぜ日中の覚醒促進効果を維持しながら,夜間の不眠だけが改善するのかは,今後解明すべき課題です.
頻尿も53~61%,尿意切迫は14~18%に認められました.オレキシン系は排尿調節にも関与すると考えられますが,原著には尿流動態検査による機序の検証は示されていません.尿量が増えたのか,少量で尿意を感じるようになったのかも不明で,頻尿だけから排尿筋過活動と断定することはできません.また,排尿関連有害事象の約半数が消失したのは12週までの経過であり,「頻尿も1週間ほどで治る」わけではありません.回復の理由も未解明です.
もう一つの疑問は,視床下部病変などによる症候性ナルコレプシーでも,1型であれば有効なのかという点です.作用機序から推論すると,オレキシン欠乏が主体で,下流のOX2Rと覚醒関連回路が保たれていれば,改善を期待できそうです.一方,病変が広範で下流の回路も障害されていれば,同じ効果が得られるとは限りません.今回の論文では症候性ナルコレプシーを独立した集団として評価しておらず,「理論上は期待できる」と「有効性が確立している」は区別する必要があります.
モディオダールとの違いも重要です.モディオダールは主として日中の眠気を治療し,添付文書では情動脱力発作などへの効果は認められていないとされています.対して,オベポレクストンでは眠気と情動脱力発作の両方に大きな改善が示されました.ただし,両薬剤の直接比較試験ではなく,モディオダールが効かなかった患者だけを対象にした試験でもありません.そのため,既存薬に対する優越性や,治療抵抗例への効果を断定することはできません.
ここからは論文外の国内情報ですが,本剤は「オーゼイフル」として2026年10月15日に発売されています.国内の通常用量は成人に1 mgを1日2回で,忍容性に問題がなく効果が不十分な場合に限り,2 mgを1日2回に増量できます.したがって,「8割以上でESSが正常化した」という結果は増量用量の2 mg群であり,通常用量の1 mg群では67%だったことにも注意が必要です.
薬剤費も大きな論点です.2026年10月の薬価は1 mg錠が2万2792円で,通常用量から計算すると,薬剤費だけで30日間約137万円,年間約1,664万円になります.これは患者さんの実際の自己負担額ではなく,薬剤費の総額です.費用対効果についての検証が必要です.
私見ですが,本剤は既存治療を適切に行っても眠気によって学業や仕事に支障が残る方,情動脱力発作が頻回の方,複数の症状や治療薬の副作用に苦しむ方では,検討する意義が大きいと考えます.反対に,既存薬で十分にコントロールされている方が,新薬という理由だけで切り替える必要はないのかもしれません.
長期安全性についても検討が必要です.特に興味深いのは,オレキシンとアルツハイマー病の関係です.これまでの研究では,オレキシンは睡眠・覚醒の調節などを通じて,アミロイドβやタウの動態に関与することが示唆されています.また,オレキシン受容体を阻害する睡眠薬によって,脳脊髄液中のアミロイドβやリン酸化タウが減少したという報告もあります.このため,同時掲載された米国エモリー大学のTrotti先生によるEditorialでは,逆にオレキシン受容体を長期間刺激した場合,これらのバイオマーカーやアルツハイマー病の発症リスクにどのような影響が生じるのか,検証する必要があると指摘しています.ただし,現時点で本剤が認知症リスクを高めるという証拠はありません.
オベポレクストンは欠乏した神経伝達を受容体レベルで代償する治療です.神経細胞が失われた後に,残された回路を利用して大きな症状改善が得られたことは重要な成果です.このことは高く評価されるべきですが,同時に,有害事象の機序,症候性ナルコレプシーへの適用,長期安全性,そして費用に見合う患者利益を見極めることが,次の課題だと考えます.
Dauvilliers Y,Mignot E,Antczak J,et al.Oveporexton for Narcolepsy Type 1 — Results from Two Phase 3 Trials.N Engl J Med.2026;395:1166–1179.doi:10.1056/NEJMoa2601598.PMID:42714024.PubMed
Trotti LM.Targeted Treatment for Narcolepsy Type 1.N Engl J Med.2026;395:1231–1232.doi:10.1056/NEJMe2607491.PMID:42714042.

・脳には老化に抵抗する仕組みがある!―内因性カンナビノイド系の機能低下と治療標的としての可能性(当科発の特定臨床研究について)
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月30日のFB投稿
です***
脳の老化には,神経細胞そのものの障害だけでなく,脳の健康を維持する仕組みが衰えることも関係しています.例えば,神経細胞の活動を適切に調節したり,過剰な炎症を抑えたりする働きは,加齢とともに弱まります.今回,こうした脳の働きを支える「内因性カンナビノイド系(endocannabinoid system:ECS)」と脳の老化の関係についての総説がNature Reviews Neuroscience誌に報告されています.
ECSは,体内で産生される脂質性のシグナル伝達物質とその受容体などから構成されるシステムです.主な伝達物質は2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)とアナンダミド(AEA)で,CB1受容体とCB2受容体を介して作用します.興味深いことに,大麻にもこれらの受容体や関連する分子に作用する成分が100種類以上含まれています.代表的なのがテトラヒドロカンナビノール(THC),カンナビジオール(CBD),カンナビゲロール(CBG)です.THCはCB1受容体を刺激し,多幸感などの精神作用をもたらします.一方,CBDやCBGにはTHCのような強い精神作用はなく,抗炎症作用や神経保護作用が研究されています.ただし,CBGについては特にヒトでの臨床的な有効性が十分に確立されていません.つまり,ECSは大麻成分が作用する標的であると同時に,もともと私たちの体に備わっている重要な調節システムなのです.
図1は,ECSの仕組みと加齢による変化を示しています.神経細胞では,DAGLαという酵素によって2-AGが合成され,シナプス前終末のCB1受容体に作用して神経伝達物質の放出を抑制します.これは通常の神経伝達とは逆方向に情報を伝える「逆行性シグナル伝達」と呼ばれ,神経回路の活動を安定させます.2-AGは主にMAGLという酵素によって分解されますが,加齢に伴いDAGLαと2-AGが減少する一方,MAGLの活性が増加します.さらにCB1受容体の発現や機能も低下し,神経活動の調節能力が弱まります.アストロサイトによる神経細胞へのエネルギー供給や,ミクログリアによる炎症制御にも影響する可能性があります.
こうしたECSの変化は,老年期に突然始まるわけではありません.マウスでは海馬の2-AGが生後9か月頃から減少し,ヒトの死後前頭皮質でもCB1受容体密度とシグナル伝達効率が10年ごとに約8~10%低下すると報告されています.ECSは海馬や前頭前皮質の記憶・学習機能にも関与しており,CB1受容体を欠損させたマウスでは,中年期から学習・記憶障害が顕著になります.このことは,ECSの低下が脳老化に伴って生じるだけでなく,老化の進行自体に関与する可能性を示しています.加齢に伴うECSの変化を図2にまとめました.
さらにこの総説で注目されるのが,ECSと慢性神経炎症(inflammageing;加齢に伴って生じる慢性的な軽度の炎症状態)の関係です.つまり加齢した脳では,免疫細胞であるミクログリアが炎症を起こしやすい状態になります.ECSは本来,過剰な炎症反応を抑える働きを持ちますが,その機能が低下すると,ミクログリアが炎症促進性の状態に変化しやすくなります.さらに,神経炎症がシナプス機能を障害し,認知機能低下を促進する悪循環につながる可能性があります.
図3は,加齢による脂質代謝の変化が神経炎症を促進するという,特に興味深い仮説を示しています. 加齢によってDAGL活性が低下すると,神経活動を調節する2-AGの産生が減少します.一方,MAGL活性の増加によって2-AGの分解が進み,アラキドン酸が生成されます.アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ(COX)によってプロスタグランジンに変換されます.さらにCOXは2-AGから直接,PGE2-Gなどの炎症に関連する脂質メディエーターも産生します.つまり,加齢によって神経機能を保護する脂質シグナルが減少するだけでなく,炎症を促進する脂質代謝が優位になる可能性があるのです.ただし,この代謝経路の変化が正常な脳老化で実際に起こるかどうかは,今後の検証が必要です.
ECSは神経炎症以外にも,海馬の神経新生,シナプス可塑性,エネルギー代謝,エピジェネティックな遺伝子発現調節などに関与しています.さらに興味深いのは,THCの作用が年齢によって異なることです.若齢動物へのTHC投与は記憶機能に悪影響を及ぼす一方,18か月齢のマウスに低用量THCを28日間投与すると,学習・記憶機能が改善し,海馬の樹状突起スパイン密度が増加しました.さらに,BDNFやKlothoなどの発現が増加し,遺伝子発現パターンが若齢マウスに近づくことも報告されています.これは,加齢によって低下したECSの働きを適切に補うことで,一部の脳老化に関連する変化を改善できる可能性を示しています.
これらを踏まえ,ヒトへの応用も検討されています.アルツハイマー病患者を対象とした低用量THCとCBDの第II相試験では,26週間後に治療群のMMSEスコアが改善したと報告されています.また,パーキンソン病では合成THC類似薬のナビロンによって非運動症状の改善が認められています.ただし,いずれも予備的な結果であり,神経変性そのものを抑制する効果が証明されたわけではありません.現時点では,大麻の使用やTHCの投与を脳老化の予防目的で推奨する科学的根拠はありません.特に,若年者では認知機能への悪影響,高齢者ではめまいや転倒,薬物相互作用などに注意が必要です.
★なお,私たちの岐阜大学脳神経内科でも,進行期パーキンソン病患者を対象に,カンナビノイド製剤「エンディミオン」の安全性と有効性を検討する第Ⅰ/Ⅱ相の特定臨床研究を立ち上げました.本研究は名古屋大学臨床研究審査委員会の承認を受け,2026年8月に臨床研究等提出・公開システム(jRCT)に登録・公開されています.現時点では安全性と有効性を検証する段階であり,治療効果が確立されたものではありません.https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCTs041260100
本総説の重要なメッセージは,脳の老化を神経細胞の損傷の蓄積としてだけでなく,神経活動,炎症,代謝などを調節する仕組みの衰えとして捉えることです.個人的には,ECSの機能低下によって神経保護的な脂質シグナルが減少し,炎症促進性の脂質代謝が優位になるという仮説に特に注目しています.もしECSの機能を安全に維持・回復できるならば,神経細胞の障害が進行する前の中年期から脳老化に介入できる可能性があります.脳の老化を単に受け入れるのではなく,その進行を遅らせるために何ができるのか,今後の研究に期待したいと思います.
Zimmer A. The endocannabinoid system and the ageing brain. Nat Rev Neurosci. 2026. doi: 10.1038/s41583-026-01085-7. PMID: 42888282.

・リーダーシップを管理職のための学問から,すべての医療者が当たり前に学ぶものへ@日本難病医療ネットワーク学会
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年10月31日のFB投稿です***
函館で開催中の第14回日本難病医療ネットワーク学会(大会長:矢部一郎・北海道大学教授)の教育講演1として「すべての医療者に求められるリーダーシップ―基礎から学ぶその理論と実践―」という講演をさせていただきました(スライドはリンク欄より).
私がリーダーシップを学び始めたきっかけは,仲間のバーンアウトでした.日本神経学会にてバーンアウトへの取り組みを開始し,学会員へのアンケートを行って分かったことは,過重労働だけでなく,上司の無理解やハラスメントも重要な原因であるということでした.米国神経学会でもバーンアウト対策として個人のレジリエンスを高める取り組みだけでなく,リーダーシップ教育を行っていることを目の当たりにし,自分もリーダーシップについての勉強を始めました.そして理解したことは,リーダーシップは管理職のためのものではなく,チームの誰もが身につけるべき基本能力であるということでした.
講演では,リーダーシップの歴史や理論,そして実践まで紹介しました.代表的な理論として,変革のリーダーシップ,サーバント・リーダーシップ,オーセンティック・リーダーシップなどを取り上げました.さらに,実践するうえで大切なこととして,相手や状況に応じて自分の行動を変える「コンテキスト・リーダーシップ」や,メンバーが主体的に成長できる環境をつくることの大切さを話しました.
最も伝えたかったのは,リーダーシップは生まれつきの才能ではなく,誰もが学び,身につけることのできる能力だということです.リーダーは役割であって,カリスマ性不要の「ただのコツ」とも言われています.米国神経学会やMDSなど多くの海外学会では,こうした教育が積極的に行われています.役職や年齢に関係なく,研修医でもリーダーシップが求められます.一方,日本では残念ながら,「リーダーシップは偉い人や管理職が学ぶもの」という印象が根強く,その重要性に十分な関心を持っていただけないという難しさがあります.
今回の講演後の質疑応答でも「どうすれば,より多くの医療者にリーダーシップ教育の必要性を伝えられるか?」という議論がなされました.矢部大会長は午後の大会長講演で,「人材育成こそ医療の基盤であり,そのためには早期からのリーダーシップ教育が必要である」というお考えを示され,その思いから今回,私に教育講演1の機会をくださったとお話しされました.同じ問題意識をみなさんと共有する機会をいただけたことを,大変ありがたく心強く感じました.リーダーシップに対する考え方をアップデートし,誰もがリーダーシップを学び,互いの成長を支え合う文化を広めていければと思います.今回の講演が,その一歩になれば大変嬉しく思います.
下畑 享良
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講演のスライドへのリンクです.https://www.docswell.com/…/800…/K2767V-2026-10-31-044245

 

3.特別企画:「Switching Science」はどのように生まれたか
ポールウォーキング(Standard Pole Walking)の有効性を実証するには、新しい科学の基盤が必要ではないか、と感じています。生成AIとの共同作業により、2本の英文プレプリント投稿用原稿(arXiv への投稿を想定)を、今般完成させました。

一つは、これまで当サイトで「論文5:切り替えの統合理論」として紹介してきた理論研究です。

もう一つは、その理論を出発点として新たに構築した研究開発プログラム「Switching Science」です。

1)論文5のプレプリント版
Toward a Unified Theory of Switching: Constraint Geometry, Hierarchical Reorganization, and Gait Transitions

本論文は、当サイトで既に公開している「論文5:切り替えの統合理論」を国際的な学術論文の形式に再構成したものです。

歩行から走行への切り替えを例として、
• 制約幾何学(Constraint Geometry)
• 階層的再編成(Hierarchical Reorganization)
• SCAN
• VSM
• 3D最小モデル
を統合的に解釈する理論的枠組みを提示しています。

今回のプレプリント版では、タイトル名を少し変更し、新たに参考文献体系を全面的に見直して、理論的位置づけをより明確にしました。

2)論文6「Switching Science」
Switching Science: A Testable Stochastic-Dynamical Framework for Locomotor Transitions

論文5を土台として、新たに構築した研究開発プログラムです。

本研究は、次の流れから構成されています。
Theory → Mathematics → Phenotypes → Perturbation → Measurement → Validation → Revision
言い換えれば、「理論をどのように実証可能な科学へ発展させるか」を扱う試みです。

3)予想外の変化
この論文6には、実は一つの興味深い経緯があります。

執筆当初、論文6は理論論文として構想されていました。すなわち、「切り替えとは何か」を説明するための理論群を提示する論文でした。ところが、プレプリント投稿に向けて本文と補論1~4を統合し、全体を俯瞰する作業を進める中で、論文の性格そのものが変化し始めました。そこで浮かび上がってきた問いが、「この理論は、どのように反証できるのか」だったのです。

4)反証可能性という転機
科学哲学者カール・ポパーは、科学であるためには反証可能でなければならない、と述べています。切り替え現象に関する理論を提示するだけでは、まだ十分ではありません。
・どのような観測を行えばその理論が支持されるのか。
・どのような結果が出ればその理論は否定されるのか。
こうした問いに答えられて初めて、理論は科学的研究プログラムになります。

プレプリント原稿を構成し直す過程で、私はこの問題に真正面から向き合うことになりました。その結果として、
• Phenotype Framework
• Perturbation Framework
• Measurement Architecture
• Validation Hierarchy
• Scientific Validation Cycle
などの構成要素が追加されました。

そして論文6は、「理論の提示」から「科学的研究プログラムの提示」へと進化しました。

5)生成AIとの対話から学んだこと
この変化の背景には、生成AIとの長期間の対話があります。私は主として Copilot を壁打ち相手として用い、Gemini を評定者として活用してきました。

生成AIは、優れた仮説生成能力を持っています。アブダクションの天才です。時には人間が思いつかないような連想や構想を提示し、新しい視点を与えてくれます。

しかし同時に、
• 仮説への過度の同調
• 見せかけの体系化
• 美しいが検証困難な説明
• エコーチェンバー化
といった危険性もあります。

そのため私は、仮説を生み出す役割と仮説を批判的に検証する役割を意図的に分離するように心掛けていたつもりですが、今回の論文6の改訂プロセスは、科学研究における仮説形成と反証的検討の重要性を、改めて認識させてくれました。

6)Theory から Science へ
振り返ってみると、今回もっとも重要だった成果は、論文そのものではなかったのかもしれません。むしろ、理論が科学へ変化していく過程を、自ら体験できたことにあったように思います。

当初の原稿は、「切り替え現象を説明する理論」でした。最終的な原稿は、「切り替え現象を科学として研究するための研究開発プログラム」になりました。

この変化こそが、私にとっての「Switching Science」の第一歩だったのではないか、と思えます。

おわりに
論文5は「切り替えの理論」を提示するものです。論文6は「切り替えを科学として研究する方法」を提示するものです。

今後、当サイトではこれらを基礎として、Switching Science Series IIとして連載を開始する予定です。読者の皆様にも、この新しい知的探検を楽しんでいただければ幸いです。

***リンク***
論文5のプレプリント版
Toward a Unified Theory of Switching: Constraint Geometry, Hierarchical Reorganization, and Gait Transitions へは、こちらから

論文6のプレプリント版
Switching Science: A Testable Stochastic-Dynamical Framework for Locomotor Transitions へは、こちらから

なお、上記論文・補論を引用される場合は、これらのプレプリント版をご参照・ご引用下さい。

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

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2026年9月のニュース

今月紹介する2つの論文は、「脊柱管狭窄症」と「骨粗しょう症」の新たな治療法につながる可能性のある研究です。岐阜大学医学部の下畑先生からの最新医学情報に見られるように医学の進歩は日進月歩ですが、北京で開かれたロボットオリンピックを見る限り、現実世界で人間の代わりとして汎用的に機能するには、知的処理能力や手先の器用さの面でまだ距離があるようです。
特別企画:AIに訊くは、「切り替えの統合理論」を踏まえて、Geminiに混迷を深める世界情勢について訊いてみました。

1.2026年9月の活動状況
・柳澤 光宏さんの投稿
ARIKAMO 大学生の夏休み中を利用した2泊3日の企業インターン&研修にシナノも参加しました。 ポールウォーキングを体験してもらい、普及活動についてチームで考えてもらいました。この中からシナノに来てくれる人がいたらラッキーですが、それよりも参加した学生の成長に繋がり、社会人として何かの役に立つことを祈っています(^.^) それにしても、しっかり自分の意見を言えるし、発表もちゃんとしているしスゴイな!!

・スマイルチームさんの投稿
20260903 午前中は毎月第一木曜日定例 スマイルチームポールウォーキング。 天気予報が微妙だったので、予め室内活動に変更。 今日は モルックを使った独自のゲーム【スマイルモルック】を楽しみました😊 脳トレも、、、楽しみました😂 #スマイルチーム #ポールウォーキング #モルック #脳トレ #相模原市南区東林公民館

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
【健走杖運動團練】外木山情人湖濱海大道 藍天白雲、山海相伴 健走杖運動教練們齊聚基隆外木山 一同完成 5.5公里團練!💪🥾 走出健康與活力,也走出滿滿的默契與歡樂~ 流汗後再一起享用美食🍽️,為這趟山海健走畫下幸福句點。😋 期待下一次再相約❤️ #健走杖運動 #教練團練 #雙杖在手健康跟著走

・とちぎポールウォーキング会さんの投稿
平均台に乗ってのポールウォーキングピラティスプログラムはじめています。

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 9月PW駒場例会でした。 朝から雨予報が出ている例会日でしたが、いつもの様に参加者集合〜 晩秋を思わせる寒さの中(17℃)での 公園〜牧場のポールウォーキング闊歩でした。羽織物も暖を取る支度となりました〜ww まだまだPWイベントは続きます。 次回は 9/13(日)鈴与マタイスポーツパーク(旧佐久総合運動公園)PW散策です。 9/19(土)は〜佐久ぴんころウォーク〜‼️

・田村 芙美子さんの投稿
秋の長雨? 毎日よく降ります。 昨日までPW教室は蒸し暑くクーラーを入れていましたが 今日は暖房が欲しくなる涼しさです。大雨の被害のあった地域は復興が大変だろうとお見舞い申し上げます。 今日は教室は期末休暇なのに寒くて表に出る気になれません。裏のお宅から頂いた紫アザミとルエリア (写真↓和名=ヤナギバルイラソウ)が蕾を開きました。その横で大きな向日葵も今頃咲き始めて震えています🌻🌻🌻

・校條 諭さんの投稿
気まポ 夕暮れウォーク(9月12日) いつもは午前に歩くのですが、9月の気まポ(気ままにポール歩き)は、夕方5時集合という設定にしました。昨年までの例だとまだ猛暑に近い天候だったのでそうしたのですが、今年は長雨の影響で涼しいですね。 JR西荻窪駅から出発して、桃井原っぱ公園、杉並会館を経て、荻窪八幡神社のお祭りに立ち寄りました。 杉並会館は、アニメミュージアムの入っている施設で、宴会場や会議室などがあります。これまで何度も入ったことがありますが、毎日新聞の「レトロの美」という連載記事で最近取り上げられたのをきっかけに、今回改めて建物に注目しました。 職員の方に、見学をお願いして、ロビーで、寄せ木細工の床、陶板の壁、らせん階段などのアートをじっくり見ることができました。わざわざ照明を明るく切り替えてくださって助かりました。 ゴールは、西荻の洋食みかさでカンパイ。ステーキやハンバーグなど、各自好きなメニューを選んで楽しみました。 今回、風邪引きやイベントなどのため常連男子が欠席で、男子は私ひとりでした(^^)。

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より PW散策日〜 本日は〜鈴与マタイスポーツパーク/ 旧名佐久総合運動公園〜外周路PW散策〜プラス希望者にてのマレットゴルフ大会〜でした❗️ 1週間振りの太陽の下の散策で、参加者の笑顔もひとしおに〜‼️ @ ランチ(地元お弁当屋さん🍱)を挟み 公園内のマレットゴルフ場(一面芝生の)で18ホールを希望者(20 名程)で体験プレイでした。 世話人さんの指導で良い体験が出来皆さん大喜びでハマりそうなご夫婦も出現でした。 皆さんお疲れ様でした〜^_^ PS:さいたま市へ帰る〜遠藤コーチ〜より 内山/コスモス街道のコスモスも最盛期に〜の連絡でした。

・水間 孝之さんの投稿
第14回びんころウォーク800名を超える皆さんに参加いただきました。 台湾ポールウォーキング協会、群馬県ポールウォーキング協会、チームみなとみらいの皆さん遠くからご参加ありがとうございました。 来年もお待ちしております♪♪

・校條 諭さんの投稿
人が倒れているのを見つけたら ①「わかりますか?」と呼びかけ ②「誰か来てください!人が倒れています」と叫ぶ ③来た人に頼む   「あなたはAEDを持ってきてください」(誰か・・ではなく)  「あなたは119番通報してください」 ④呼吸の確認 ⑤胸骨圧迫 ⑥AED到着 音声の指示とおり開始(胸部圧迫、可能なら継続) 懸案の救命講習を受けてきました。ノルディックウォーキングの指導者講習のときの資格認定条件だったのですが、「受講見込み」ということで取得できたのが何年か前でした。 自宅から最も近いAED設置場所は190m離れたところにある介護施設です。両親が訪問介護やショートステイでお世話になったところで、24時間あいています。 なお、AEDの電極パッドは胸と脇腹の素肌に装着します。ですから、街中で倒れている女性にAEDを使うのをためらってしまいそうだと思っていたのですが、装着後タオルなどをかけて隠してもよくなったそうです。 参加は16人、女性の方が多く若年~中年層中心。私はたぶん最年長だったでしょう。 救命講習は最寄りの消防署などで受講できます。とても有意義です。参加をお勧めします(検索ですぐ出てきます)。

 

来月以降の開催
・長岡智津子さんの投稿
写真1件

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)ヒューマノイドロボットの現状~第2回世界ヒューマノイドロボット競技大会~

ヒューマノイドロボットの進化の現状を伝える「ロボットオリンピック」のニュースがNature誌に掲載されています。

NATURE NEWS、27 August 2026
表題:‘Robot Olympics’ reveal humanoids’ rapid progress — and flaws
Humanoid robots broke records at sporting events such as sprints, but struggled at practical tasks such as hammering nails.
(和訳:ロボットオリンピック」が明らかにしたヒューマノイドの急速な進歩と、その欠点~人型ロボットは短距離走などのスポーツ競技で記録を塗り替えたが、釘を打つといった実用的な作業では苦戦した。)
著者:Kaia Glickman
北京で開催された第2回世界ヒューマノイドロボット競技大会の戦闘イベントで、ロボットたちが競い合っている。写真提供:Lintao Zhang/Getty Images

***以下は、このニュース記事についてのGeminiとの会話記録(2026年8月31日)です***

Q1:こんにちわ!次のニュース記事の要点をまとめて下さい。ニュース記事のタイトルです。「NEWS 27 August 2026
‘Robot Olympics’ reveal humanoids’ rapid progress — and flaws
Humanoid robots broke records at sporting events such as sprints, but struggled at practical tasks such as hammering nails.
By Kaia Glickman」

A1:2026年8月27日付のNature誌(Kaia Glickman記者)に掲載された記事「‘Robot Olympics’ reveal humanoids’ rapid progress — and flaws」の要約です。

ニュース記事の要点 (Life Science Network)

1. 運動能力における驚異的な飛躍
北京で開催された第2回「世界ヒューマノイドロボット競技大会(いわゆるロボット・オリンピック)」において、ヒューマノイドロボットは著しい身体的能力の向上を示しました。 (医薬政策企画 P-Cubed)
•記録更新: X-Humanoid社のロボットが100メートル走で8.64秒(または競技中の走破で人類最速記録を上回るタイム)を記録したほか、垂直跳び(高跳び)でも3.4メートルに達するなど、人間のアスリートを凌駕する運動能力を実証しました。 (医薬政策企画 P-Cubed)
•技術的要因: あらかじめ指定された軌道や出力を正確に再現する走行やジャンプ、モーターの液冷化によるトルク向上などが、この劇的なパフォーマンス向上を支えています。(Mirage News他 1 件)

2. 実用的な作業や認知面での課題・欠陥
一方で、日常的・産業的な実用タスクでは依然として大きな課題が露呈しました。
•不器用さと精度の不足: 釘を打つといった微細な力加減や高精度が求められる作業、状況に応じた柔軟な対応では苦戦が目立ちました。
•自律性と環境認識の壁: あらかじめプログラミングされた直線的・単純な運動とは異なり、ミリ単位の調整が必要な「最後の数ミリメートル」の制御や、状況変化に対応する「AIの脳(世界モデル・認知能力)」の開発が追いついていないことが課題となっています。

3. 結論 (Mirage News)
中国勢を中心とするハードウェアの進化(運動性能)は非常にスピーディで目覚ましいものの、工場や日常生活などの現実世界で人間の代わりとして汎用的に機能するには、知的処理能力や手先の器用さの面でまだ距離があることが浮き彫りとなりました。

Q2:この記事で指摘されている2の課題・欠陥について、現状での最新の研究動向とその成果について、分かり易く紹介して下さい。

A2:ロボット・オリンピックのニュース記事で指摘された「手先の器用さ・精密な力加減の不足」と「環境認識・自律性(世界モデル)の遅れ」という2つの課題について、最新(2025〜2026年)の研究動向と主な成果を分かりやすく紹介します。

課題1:手先の器用さと力加減の不足(精密操作の壁)
釘を打つ、紙を破かずに折る、工具を滑らせずに握るといった作業には、見た目(カメラ)の情報だけでは不十分で、触覚(タッチ・力加減)のフィードバックが不可欠です。

最新の研究動向(okt.to)
「触覚皮膚」と多感触ハンドの標準化: 単に物を握るだけでなく、ロボットの手の表面70%以上に高密度な触覚センサーを敷き詰めた「触覚ハンド(F-TAC Handなど)」が登場しています。2026年現在、指先だけでなく手のひら全体で「圧力・摩擦・すべり」をミリ秒単位で検知する技術が主流になりつつあります(Queen Mary University of London)

触覚と視覚の統合(Multimodal Fusion): カメラ画像と触覚センサーのデータをAIが同時にリアルタイム処理する技術が進んでいます。これにより、「釘とハンマーの位置(見た目)」を捉えつつ、「打撃時の反動や指のズレ(触覚)」を即座に補正できるようになってきています。
okt.to

達成された成果(Patsnap)
工場や研究室において、壊れやすい豆腐や卵を潰さずに掴むだけでなく、柔らかい布を正確に畳んだり、滑りやすい工具を握り直して作業を継続したりする精度の高い操作が可能になり始めています。

課題2:世界モデルとAIの脳(自律性・空間認知の壁)
100m走のように「決まった直線パターンを愚直に走る」ことには成功しても、周囲の物理法則(重力、摩擦、固さ、予期せぬ障害物)を理解して「次にどうなるか」を脳内でシミュレーションする能力が不足していました。

最新の研究動向(okt.to)
VLAモデルから「世界モデル(World Model)」への進化: 従来の「見えた画像から直接行動を起こすAI(VLA: Vision-Language-Action)」から、「自分の行動によって世界がどう変化するかを脳内で一度予測・シミュレーションしてから動くAI(世界モデル)」への移行が急速に進んでいます(Humanoid.guide、他 1 件)

空間知能(Spatial Intelligence)の強化: フェイフェイ・リ(Fei-Fei Li)氏のWorld Labsやヤン・ルカン(Yann LeCun)氏のJEPA(Joint-Embedding Predictive Architecture)研究などに代表されるように、ロボットに3D空間の奥行きや物理的な因果関係を自然に理解させる基盤モデルの開発が加熱しています(KraneShares、他 1 件)

達成された成果:
未知の環境への適応(ゼロショット学習): 見たことがない部屋や一度も扱ったことがない家電(エアフライヤーや未知の工具など)であっても、Web上の知識と物理予測を組み合わせて「こう動かせばこう動くはずだ」と推論し、事前プログラミングなしで正しく操作できる汎用AI(Physical Intelligence社のpi-0.7など)が登場しています(okt.to)

まとめ(Patsnap)
現在(2026年)のロボティクス界では、「走る・跳ぶ」といった筋肉(アクチュエータ・ハードウェア)の進化に対し、「触覚(皮膚)」と「世界モデル(脳)」を追いつかせる研究が最前線で行われています。これらが完全に統合されることで、実験場だけでなく実際の家庭や工事現場で柔軟に役立つヒューマノイドロボットが実現に向かいます(digitimes)

2-2)脊柱管狭窄でしばしば見られる黄色靭帯の肥厚が、腱や靭帯を作る幹細胞の分化異常によるためであるかもしれない
***以下は、大阪大学の宮坂昌之先生の2026年9月9日のFB投稿です***
長年、背中に負担がかかると、骨が変形したり、椎間板が飛び出したり、黄色靭帯(=神経の束である脊髄の後方にある靭帯)が分厚くなったりして、背骨の中にある神経の通り道(=脊柱管)が狭くなり、その結果、中を通る神経や脊髄が圧迫されることになります。これが脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)と呼ばれる病気です。

腰部に狭窄が起きると、典型的な症状として間欠性跛行(かんけつせい・はこう)(歩いていると足に痛みやしびれが出て歩けなくなるが、少し休むと、また歩けるようになる)が見られますが、前かがみになって休むと神経の圧迫が和らぐために楽になる、という傾向があります。また、このほかに、腰や足の痛み、しびれが起き、重症化すると、排尿・排便障害が見られます。一方、頸部に狭窄が起きると、手足が動かしにくかったり、細かい作業がしにくくなったりします。

脊柱管狭窄症は、高齢者では多く、腰部の狭窄の場合、日本全体で数百万人の有症状患者が居るといわれています。治療としては、初期のうちは血流改善薬としてPGE1製剤(プロスタグランジンE1の働きを止めて血管の平滑筋を緩めて血流を増やす)や、痛み止め、硬膜外ブロックや、前かがみを意識したリハビリなどが行われますが、加齢のために脊柱の周囲の筋肉や靭帯の機能が落ちていると、なかなか良い効果が出ません。また、歩行困難や排尿・排便障害が出た時には、脊柱管のスペースを広げる手術が行われ、症状は一時的に改善しますが、やはり、脊柱の周囲の筋肉や靭帯の機能が落ちていると、狭窄症が再発することがあります。

専門誌Cellの最新号に「脊柱管狭窄でしばしば見られる黄色靭帯の肥厚が、腱や靭帯を作る幹細胞の分化異常によるためであるかもしれない」ということを示す論文が出ています(https://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(26)00945-1)。つまり、脊柱管狭窄発生には新しいメカニズムが存在するかもしれないということです。アメリカの研究グループによる仕事です。

彼らは、マウスとヒトの検体を用いて調べた結果、
① 腱・靱帯には幹細胞(TLCS)が存在し、この細胞は自己複製能、分化能を持っていて、腱や靱帯を作る前駆細胞(TLPC)を作り出し、ここから腱のもととなる腱鞘細胞や腱細胞ができる、
② 正常状態では、これらの幹細胞や前駆細胞は、黄色靱帯が骨に付着する部位に少数存在する、
③ 脊柱管狭窄部位ではこれらの幹細胞、前駆細胞が異常に増殖していて、黄色靱帯の肥厚が見られる。
④ 脊柱管狭窄症の実験モデルでは、カルシウム拮抗剤(ex. アムロジピン)やカルシウム依存性酵素阻害剤(ex. カルシニューリンやタクロリムス)で黄色靭帯の肥厚が改善する、
などのことがわかりました。

もしこれが事実であれば、脊柱管狭窄においては幹細胞に異常が起きて、それが黄色靭帯の肥厚などをもたらして症状を悪化させているのかもしれない、ということになります。また、幹細胞の分化にはカルシウムイオンを介したシグナルが必要なことから、カルシウム阻害剤やカルシウム依存性酵素の阻害剤が脊柱管狭窄の治療に有効である可能性があります。

脊柱管狭窄症は、長寿社会では大きな健康問題となっていますが、いまだにこれという予防法や治療法がありません。一方で、腱や靭帯には幹細胞があり、その機能を制御できると狭窄症の治療につながるかもしれない、というのは期待が持てる明るいニュースです。
関連情報
① 原論文についてのGeminiによる解説です(2026年9月10日)。
Q1:次の論文の分かり易い解説をお願いします。論文情報です。「https://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(26)00945-1」

A1:ご提示いただいた論文(2026年9月に国際的学術誌『Cell』へ掲載)は、「マウスおよびヒトにおいて、アキレス腱や靭帯(じんたい)を作り出す源となる『幹細胞』を世界で初めて特定した」という大変画期的な研究成果です。
要点を分かりやすく解説します。
1. この研究の背景(何が問題だったのか?)
アキレス腱の断裂や、腰痛・足のしびれを引き起こす「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」など、腱や靭帯の病気に悩む人は世界中に数多く存在します。
しかしこれまで、腱や靭帯を構成する細胞の「根本となる親細胞(幹細胞)」が一体どの細胞なのかが特定されておらず、「根本原因を叩く根本的な飲み薬や治療薬が存在しない」という大きな課題がありました。

2. 論文の主な発見・成果
• 幹細胞(TLSC)の特定に成功 研究チームは、マウスおよびヒトのあらゆる腱や靭帯の中に存在する「腱・靭帯幹細胞(TLSC: Tendon/Ligament Stem Cell)」を特定しました。特定の表面マーカー(CD73+ かつ CD140α- など)を持つ細胞が、自己複製しながらすべての腱細胞を生み出す「頂点の細胞」であることを突き止めました。
• 病気(脊柱管狭窄症)のメカニズムを解明 腰の靭帯(黄色靭帯)が分厚くなって神経を圧迫する「腰部脊柱管狭窄症」の発症プロセスを調査。病気の環境下では、この幹細胞内部のカルシウムシグナル伝達に異常が起き、幹細胞が過剰に腱・靭帯細胞を作り出すよう「再プログラミング」されてしまうことが分かりました。

3. この発見がもたらす医療の未来
1. 薬による治療(切らない治療)の可能性 異常を起こした幹細胞のカルシウムシグナル伝達(NFAT経路など)をターゲットにすることで、靭帯の肥大化を抑える「薬物治療(飲み薬や注射薬)」の開発に道が拓けました。
2. 再生医療・切れた腱の治癒促進 今回特定された幹細胞を活用することで、スポーツなどで断裂したアキレス腱や靭帯の修復を大幅に早める再生医療への応用が期待されます。

一言でまとめると
これまでブラックボックスだった「腱と靭帯を生み出す根本の細胞」が見つかったことで、治療法が手術に限られていた腰部脊柱管狭窄症の新しい薬や、アキレス腱断裂などの再生医療の開発が一気に前進するニュースです。

② 論文「黄色靭帯肥大の異なるメカニズム~腰椎変性パターンの比較MRI分析~」
掲載誌:Clinical Spine Surgery誌
公開日:2026年6月22日オンライン先行公開
論文名:Differential Mechanisms of Ligamentum Flavum Hypertrophy: A Comparative MRI Analysis of Lumbar Spine Degeneration Patterns
著者:酒井 義人、松井 裕樹、武市 洋介、長田 直明、渡辺 剛、安達 ゆい、渡辺 謙
DOI: 10.1097/BSD.0000000000002106
本件についての国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターのプレスリリースです(extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.ncgg.go.jp/hospital/news/documents/20260629.pdf)。

Q2:続けて先の論文とこの論文との関連を分かり易く解説して下さい。次の論文の情報です。「以下、略す」

A2:2つの論文は、どちらも高齢者に多い「腰部脊柱管狭窄症(腰椎の神経が圧迫されて痛みやしびれが出る病気)」の最大の原因である「黄色靭帯(おうしょくじんたい)の肥大化」をテーマに扱っています。
しかし、研究のアプローチが「ミクロな分子・細胞レベル(細胞の世界)」と「マクロな臨床・画像分析(患者さんの腰全体の構造)」という真反対(かつ相補的)な視点から行われており、2つを組み合わせることで病気の全体像が見えてきます。分かりやすく関連性を解説します。

1.各論文の立ち位置(視点の違い)
2. 2つの論文はどう繋がっているのか?(関連性)
この2つの研究は、「原因(マクロの物理的ストレス)から結果(ミクロの細胞の暴走)に至るストーリー」として完璧に繋がります。
① 『Clinical Spine Surgery論文』が示すこと:【きっかけ(物理的ストレス)】
酒井医師らの研究(臨床MRI分析)は、腰の骨の変形の仕方や骨のズレ(すべり症など)のタイプによって、黄色靭帯にかかる負担や肥大化のパターン(メカニズム)が異なることを示しています。 つまり、「腰の骨組みがどう崩れるかによって、特定の靭帯部分に異なるメカニカルストレス(機械的な引っ張りや圧力)がかかる」という患者レベルの事実を示しています。
② 『Cell論文』が示すこと:【反応(細胞レベルでの肥大化)】
Cell論文(幹細胞の発見)は、まさにその「機械的ストレスや炎症刺激を受けたとき、靭帯の内部で何が起きているのか?」という答えを与えてくれます。 外部からストレスを受けた黄色靭帯の中では、特定された幹細胞(TLSC)のカルシウムシグナルが異常を起こし、幹細胞が過剰に靭帯細胞を作り出すことで「厚く分厚い靭帯(肥大化)」へと変化してしまうのです。

3. まとめ:2つの研究がもたらす未来の治療法
これまでは「なぜ腰の靭帯が分厚くなるのか」が断片的にしか分かっていませんでしたが、この2つの研究によりジグソーパズルのピースが組み合わさりました。
• マクロの視点(臨床MRI研究): 「どのタイプの変形・ストレスを持つ患者が、どの部位の靭帯を肥大させやすいか」を画像から正確に診断・分類する。
• ミクロの視点(幹細胞研究): ストレスを受けて肥大化を始めた幹細胞の暴走を止め、靭帯が分厚くなるのを薬で防ぐ。
将来的には、「MRI画像で靭帯肥大のリスクやパターンを早期に診断し(酒井氏らの研究成果)、肥大化を止める飲み薬や注射で治療する(Cellの研究成果)」という、手術に頼らない新しい腰椎疾患治療システムにつながる大きな関連性を持っています。

 

2-3)進行性骨粗鬆症に対するグリコカリックス編集型間葉系幹細胞/間質細胞療法
掲載誌:Cell Article Online
公開日:September 11, 2026
論文名:Glycocalyx-edited mesenchymal stem/stromal cell therapy in advanced osteoporosis(和訳:進行性骨粗鬆症に対するグリコカリックス編集型間葉系幹細胞/間質細胞療法)
著者:Jose M,et al.

ハイライト
•エキソフコシル化ヒト間葉系幹細胞(Fuc-autoBM-MSCs)の静脈内投与は安全である
•Fuc-autoBM-MSCの単回静脈内投与は骨粗鬆症における脆弱性骨折の発生率を低下させる
•Fuc-autoBM-MSCの静脈内投与後、体積骨密度が増加する。
•骨代謝バイオマーカーの変化は、骨再生効果と一致している。

まとめ
間葉系幹細胞(MSC)は骨再生能を有するが、骨へのホーミング能(「骨指向性」)が低いため、骨疾患に対する治療効果は制限される。前臨床モデルでは、MSCの糖鎖修飾によってシアル化Lewis X(sLeX)の発現を誘導し、骨指向性をプログラムすることで、この欠陥を是正できることが示されている。我々は、進行期骨粗鬆症の女性10名を対象に、糖鎖修飾を施した自家骨髄由来MSCを単回静脈内投与するヒト初回臨床試験(ClinicalTrials.gov:NCT02566655)を実施した。プロトコルで規定された評価は2年間にわたり、臨床評価、X線検査、骨代謝マーカー(BTM)、骨組織面積(BTA)、骨密度(BMD)の測定が行われた。その後、各患者について骨折および安全性のモニタリングがさらに3年以上継続されました。重篤な有害事象は発生しませんでした。骨形成促進性BTMレベル、BTA、および体積骨密度の増加に伴い、脆弱性骨折は著しくかつ持続的に減少しました。これらの結果は、グリコカリックス編集がMSCベースの骨粗鬆症治療に効果的であることを示しており、高齢者や病変組織由来のMSCは生物学的に不利であるという考えを否定するものです。

Graphical abstract

関連情報
① ネイチャー・ニュース
11 September 2026
Osteoporosis affects millions: could modified cells rebuild their bones?
Small trial hints at regenerative potential of bone-seeking marrow cells.
(和訳:骨粗鬆症は数百万人に影響を与えている。改変した細胞で骨を再生できるだろうか?小規模な臨床試験により、骨髄細胞が再生能力を持つ可能性が示唆された。)
By Elie Dolgin
骨粗鬆症は骨を薄く、多孔質にし、骨折しやすくするが、有望な細胞療法が骨を強化する方法を提供する可能性がある。写真提供:トニー・ブレイン博士/SPL

***以下、同ニュースからの抜粋です***
10人の高齢女性は、合わせて数十回も骨折しており、その多くはちょっとしたつまずきで起こっていた。しかし、骨組織への浸透性を高めるために実験室で処理された自身の骨髄細胞を一度輸血された後、彼女たちの骨折はほぼ止まった。

本日Cell誌に掲載された小規模臨床試験¹で報告されたところによると、治療を受ける前、女性たちは平均して1~2年に1回、脊椎、股関節、腕、その他の骨の骨折を経験していた。試験後、女性たちが軽微な外傷による骨折を経験する頻度は、10年に1回程度にまで減少した。

今回の結果は、骨粗鬆症患者の脆くなった骨を、一度の細胞療法で再生できる可能性を示唆するものであり、骨粗鬆症は世界中で約2億人の女性、特に閉経後の女性に影響を与える加齢に伴う疾患である。

② Geminiによる解説
Q:次の論文の研究成果について、分かり易く且つ簡潔に解説ひて下さい。論文情報です。(以下、略す)
A:2026年9月11日付の『Cell』誌に掲載された研究成果について、ポイントをまとめて解説します。

研究の要点
従来の治療法では改善が困難な重度の進行性骨粗鬆症に対し、細胞表面の糖鎖構造(グリコカリックス)を酵素処理で加工・編集した「間葉系幹細胞(MSC)」を移植する新しい再生医療アプローチの有用性・有効性を実証した研究です。

何が新しいのか?(技術のポイント)
・細胞表面の「標的誘導力」を強化
通常、静脈注射などで投与した間葉系幹細胞(MSC)は、肺やレバーなどにトラップされやすく、病変部位である「骨髄」へ効率よく届きにくいという課題がありました。

・糖鎖(グリコカリックス)の編集
細胞の最表面を覆う糖鎖構造を酵素処理などで最適化(編集)することにより、細胞が血流に乗って骨髄組織へしっかりと結合・集積(ホーミング)できるように機能を向上させました。

主な成果と期待される効果
・効率的な骨髄伝達
糖鎖編集を行ったMSCは、従来のMSCと比べて目的の骨髄へ届く割合が高まり、治療効果を最大限に引き出すことに成功しました。
・骨新生の促進と骨密度の回復
骨髄に到達した幹細胞が骨を作る細胞(骨芽細胞)の働きを助け、重度の骨粗鬆症で著しく低下していた骨密度や骨強度の改善に寄与しました。
・難治性疾患への新たな治療選択肢
既存の薬物療法(骨吸収抑制薬や骨形成促進薬など)で十分な効果が得られない重症患者や、骨折リスクが極めて高い患者に対する革新的な細胞療法としての応用が期待されます。

一言で言うと:
「目的地の骨へダイレクトに届くようナノレベルでコーティング(糖鎖編集)を施した幹細胞」を用いることで、従来の幹細胞移植では難しかった重症骨粗鬆症の劇的な治療・再生を目指す画期的な研究成果です。

 

2-4)岐阜大学医学部の下畑先生からの最新医学情報(2026年9月)
・片頭痛予防療法は「月4日以上」が目安―AAN/AHSが14年ぶりにガイドラインを改訂
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月1日のFB投稿です***
米国神経学会(AAN)と米国頭痛学会(AHS)は,成人の片頭痛の薬物予防療法に関するガイドラインを14年ぶりに改訂しました.発表に合わせて記者会見が行われ,YouTube(コメント欄にリンク)で見ることができます.ガイドライン作成委員のRebecca Burch先生が,改訂の狙いを説明しています(1).
記者会見で最も強調されたことは,2012年の前回ガイドライン以降,片頭痛予防療法の選択肢が大きく増えたことです.とくにCGRP(calcitonin gene-related peptide)を標的とする新しい片頭痛特異的治療薬の登場が大きな変化です.Burch先生は,「今回の最大の変更点は何か?」という質問に対し,新しいCGRP標的薬を含め,従来薬と新薬のエビデンスを一つのガイドラインの中で整理したことを挙げています.
もう一つの重要なメッセージは,予防療法をもっと積極的に考えるべきであるという点です.今回,「月4日以上の片頭痛日,または月4日以上の中等度~重度の頭痛日」があれば予防療法を提案し,頻度がそれ以下でも仕事や日常生活への障害が大きければ対象とすることが明確に示されました.
記者から「片頭痛予防薬は十分に使われているのか」と質問された際,Burch先生は,実際には予防療法の適応となる患者の多くが治療を受けていないと回答しています.Systematic Reviewでも,予防療法を考慮すべき患者のうち実際に使用しているのは約3分の1にすぎないとされています(2). 今回のガイドラインは,新薬を追加しただけではなく,予防療法のunderuseを是正することも重要な目的と考えられます.
さらにBurch先生は,薬剤を選ぶ際には有効性だけでなく,副作用,長期間使用されてきた安全性の実績,費用など,患者が何を重視するかを考える必要があると述べています.つまり,「最も強い薬を選ぶ」のではなく,協働意思決定(SDM)によってその患者に適した薬を選択することが今回の基本姿勢です.
以下,同時に発表されたSystematic Review(2)とPractice Guideline Recommendations(3)から,実臨床上とくに重要と思われる点を箇条書きでまとめます.
① 新旧の予防薬が同じエビデンスの物差しで評価された.
217研究を解析し,各薬剤の有効性についてHigh/Moderate/Low confidenceが示された(図).High confidenceは,反復性片頭痛ではerenumab,galcanezumab,慢性片頭痛ではfremanezumab,galcanezumab,onabotulinumtoxinAである.Moderate confidenceにはatogepant,eptinezumabなどのCGRP関連薬に加え,propranolol,topiramate,valproateなどの従来薬も含まれる.なお,これは薬剤の順位ではなく,あくまでエビデンスへの確信度である.
② 薬剤は有効性だけで選ぶものではない.
有効性,忍容性,長期安全性,費用,患者の希望を考慮する.忍容性を重視する場合にはatogepantやCGRPモノクローナル抗体,長期使用実績を重視する場合にはpropranololやtopiramateなどが重要な選択肢となる.
③ 薬剤の使用過多による頭痛(MOH)があっても予防療法を開始する.
薬剤の使用過多やMOHがあっても予防薬を提案すべきである.CGRPモノクローナル抗体,atogepant,onabotulinumtoxinA,topiramateには,このような患者でも有効性を示すデータがある.
④ 効果判定を急ぎすぎてはならない.
多くの予防薬では,十分な忍容量で8~12週間治療してから効果を判定する.onabotulinumtoxinAでは24週間が目安であり,1か月程度で無効と判断するのは早すぎる場合がある.
⑤ 有効な予防薬も,中止後に再悪化することがある.
6か月程度で減量・中止について相談するが,中止により頭痛が再増悪する可能性がある.galcanezumabでは,6か月時点で反応していた患者の半数以上が,中止5か月後にはその反応を失っていた.
⑥ 妊娠中の治療は一律に「薬を使わない」ではない.
まず非薬物療法を最大限活用し,valproateやtopiramateは可能な限り避ける.一方,治療が必要な場合には,片頭痛による負担と薬剤のリスクを比較し,患者と相談して治療を選択する.記者会見でも,この点は議論になり得る重要な変更点として紹介された.
今回の改訂を一言でまとめると,「月4日を目安に予防療法をより積極的に考え,増えた新旧の選択肢から,患者が何を重視するかに応じて薬を選ぶ」ということだと思います.CGRP標的薬の登場はもちろん大きな変化ですが,それ以上に,片頭痛予防療法をより早く,より患者中心に行う方向への転換が重要ということです.
日本への影響を考えてみると,「頭痛の診療ガイドライン2021」ですでに比較的早期からの予防療法が推奨され,さらに2025年には日本頭痛学会がCGRP関連抗体薬を既存薬と同等の第一選択薬に位置づけています.加えて,リメゲパント,アトゲパントという経口CGRP受容体拮抗薬も使用可能となりました.したがって今回のAAN/AHSガイドラインは,日本の診療を大きく方向転換させるというより,すでに始まっている「予防療法の早期導入」と「CGRP関連薬を含めた患者中心の薬剤選択」を強く後押しするものと考えられます.一方,日本ではCGRP関連抗体薬を最初から自由に開始できるわけではなく,保険診療上は従来の予防薬を先に試すことが求められています.この点は,今後見直しが議論される可能性があるように思います.
1.American Academy of Neurology. 2026 Press Conference: Pharmacologic Treatment for Migraine Prevention in Adults. YouTube. 2026.
2.Pringsheim T, Smith DB, Tanveer S, et al. Systematic Review of Pharmacologic Treatment for Migraine Prevention in Adults. Headache. 2026. doi:10.1111/head.70200.
3.Potrebic S, Tanveer S, Becker WJ, et al. Pharmacologic Treatment for Migraine Prevention in Adults Practice Guideline Recommendations. Headache. 2026. doi:10.1111/head.70199.

・CAR-T細胞を「体内で作る」時代へ―中国で自己免疫性神経疾患に対するin vivo CAR-T療法第1相試験!!
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月4日のFB投稿です***
CAR-T細胞療法は,もともと難治性の血液腫瘍に対して開発された治療ですが,近年,自己免疫疾患への応用が急速に進んでいます.CD19などを標的として自己反応性B細胞を徹底的に除去し,その後に新しいB細胞集団を再構築することで,単なる免疫抑制ではなく「免疫系のリセット」を目指す治療です.しかし,従来のCAR-T療法では,患者さんからT細胞を採取し,体外で遺伝子導入,培養,品質管理を行ってから患者さんに戻す必要があります.さらに投与前にはリンパ球除去化学療法も必要であり,時間,費用,安全性の面で大きなハードルがありました.
最新号のNEJM誌のcorrespondenceに,中国の研究グループから短いながら驚くべき論文が報告されていました.上述の問題を一気に解決する可能性のある新しい方法で,患者さんのT細胞を体外に取り出すのではなく,レンチウイルスベクターを静脈内投与して,患者さんの体内で直接CD19 CAR-T細胞を作る「in vivo CAR-T療法」の報告です.
研究は医師主導の単群第1相試験で,対象は難治性自己免疫性神経疾患16例です.内訳は,進行型多発性硬化症(MS)7例(おそらくPPMSとSPMSをあわせたもの),MOG抗体関連疾患(MOGAD)3例,全身型重症筋無力症(gMG)3例,特発性炎症性筋疾患3例です.使用されたJY231は,CD19を標的とするCAR遺伝子をT細胞へ直接導入する既製のレンチウイルスベクターで,2.0×10^9 transducing units(遺伝子導入活性を示す単位)を1回静注しました.特に重要なのは,従来のCAR-T療法で必要だったリンパ球除去化学療法を行っていないことです!つまり,レンチウイルスベクターを点滴するだけで,患者さん自身の体をCAR-T細胞の「製造工場」にするという発想です.
まず安全性ですが,懸念されるimmune effector cell–associated neurotoxicity syndrome(ICANS)や,自己免疫疾患でCAR-T療法後に,もともと病変のあった臓器に一過性の炎症が起こるLICATS(local immune effector cell-associated toxicity syndrome)は認めませんでした.サイトカイン放出症候群(CRS)は16例中11例,69%に出現しましたが,すべてGrade 1で,一過性に経過し2週間以内に消失しました.3例ではGrade 3または4の好中球減少を認めましたが,いずれも完全に回復し,長期間持続する骨髄抑制は認めませんでした.少数例かつ短期観察ではありますが,少なくとも初期の安全性は比較的良好でした.
そして本研究で最も重要なのは,JY231を静注するだけで,全例の体内に本当にCAR-T細胞が作られたことです.CARベクターコピー数は投与後増加し,11日目に中央値53,962.5 copies/μg DNAのピークに達しました.一方,ベクター由来のp24蛋白は急速に消失し,4日目には血中で検出不能となりました.さらに単一細胞RNAシークエンスとフローサイトメトリーにより,CAR陽性細胞の99%以上がT細胞であることが確認されました.つまり,ベクターが無差別にさまざまな細胞へ入るのではなく,高い選択性でT細胞をCAR-T細胞へ変換していたことになります.
脳神経内科医として特に興味があるのは,中枢神経系への到達の有無です.進行型MSやMOGADでは,CARベクターコピー数が末梢血や骨髄だけでなく脳脊髄液でも検出され,むしろ脳脊髄液で高値となる例がありました.自己免疫性神経疾患では,中枢神経内に残存するB細胞や局所の免疫反応が治療抵抗性の原因となる可能性がありますが,今回の治療は末梢血のB細胞だけを除去する従来の治療と異なり,CAR-T細胞が中枢神経系まで到達できることが大きな利点になる可能性があります.
CAR-T細胞が増殖すると,末梢血B細胞は急速かつほぼ完全に消失しました.そして2か月後,B細胞が再び出現しましたが,回復したのは主としてnaive B細胞でした.さらにB細胞受容体のクローン解析では,治療前に存在していたB細胞クローンが治療後にはほぼ完全に置き換わっていました.単にB細胞を一時的に減らしただけではなく,病的な記憶を保持している可能性のある既存のB細胞集団をいったん除去し,新しいB細胞集団を作り直したわけです.著者らはこれを「systemic immunologic reset(全身性の免疫学的リセット)」と記載しています!!
臨床的にも興味深い変化が認められました.中央値6か月の追跡で,進行型MSではEDSSが低下し,運動機能,認知機能,疲労も改善しました.さらに脳脊髄液NfLとκ free light chain indexが低下し,神経軸索の障害と髄腔内免疫活動の双方が抑制された可能性があります.7例全例で,3または6か月後に新規造影病変や新規T2病変を認めませんでした.また18F-DPA-714 PET–MRIではミクログリア活性化も低下しました.CAR-T細胞が直接標的とするのはB細胞ですが,B細胞をリセットすることで,中枢神経系の炎症環境そのものが改善した可能性があります.
MOGADでは血清MOG抗体価が低下する傾向を示しました.gMGではQMGスコアとMG-ADLスコアが改善し,抗AChR抗体価も低下しました.特発性炎症性筋疾患でもMMT-8による筋力評価が改善し,CK値,画像上の筋炎所見,病原性自己抗体も改善しました.疾患ごとの症例数はわずか3~7例ですので有効性を証明したとはいえませんが,臨床症状,自己抗体,バイオマーカー,画像所見が概ね同じ方向に変化している点は注目されます.
図1を簡潔に説明すると,図Aでは,1回のJY231投与後に体内でCAR-T細胞が増殖し,末梢血に加えて骨髄や脳脊髄液にもCAR陽性細胞が認められることが示されています.図BではB細胞が急速に枯渇した後に再増殖する経過が,図Cでは再増殖したB細胞がnaive B細胞を主体とすることが示されています.図Dでは,代表例(症例1)において治療前のB細胞受容体クローンが治療後に置き換わる様子が示され,「免疫リセット」を分子レベルで捉えています.図EではMS,MOGAD,炎症性筋疾患,gMGの臨床指標が改善方向に変化し,図FではMSの代表例(症例 1)において,治療3か月後に18F-DPA-714 PET–MRIでミクログリア活性化の低下が示されています.
さらにSupplementary Videoには,進行型MS患者の治療前後の歩行が収録されています.治療前,1か月後,3か月後を比較すると,歩行が改善しているように見えますが,1例の動画ですので何とも言えない気もします.そもそも本研究は16例のみの単群第1相試験であり,疾患ごとの症例数はさらに少なく,中央値の追跡期間も6か月にすぎません.対照群もありませんので,「進行型MSを改善する治療が確立した」と解釈する段階ではありません.著者らも,より大規模かつ長期間の検討,可能であればランダム化比較試験が必要であると強調しています.
一方,長期的な安全性は今後の課題です.今回用いたレンチウイルスベクターは,CAR遺伝子をT細胞の染色体に組み込むため,CAR-T細胞の効果が長く続くことが期待されます.その反面,遺伝子が好ましくない場所に組み込まれ,細胞の異常な増殖を引き起こす可能性が理論上あります.今回の解析では,そのような異常なクローン増殖を示す所見は認められませんでした.ただし観察期間はまだ短く,長期的な安全性については今後慎重に追跡する必要があります.
しかしながら,本研究のインパクトはきわめて大きいと思います.従来のCAR-T療法は,「患者さんから細胞を取り出し,特別な施設でCAR-T細胞を製造してから戻す」という高度な細胞治療でした.今回の方法は,既製のレンチウイルスベクターを1回静注し,患者さんの体内でCAR-T細胞を作るという全く異なる発想です.なんと言ってもリンパ球除去化学療法が不要です.もし長期的な安全性と有効性が確認されれば,CAR-T療法は特殊な「細胞製剤」から,より広く使用できる「1回投与の遺伝子治療」へ変わる可能性があります.未来の脳神経内科医は,自己免疫性神経疾患をこのように治療しているのかもしれない——そんな未来を想像させる,proof-of-conceptとして非常に興味深い報告です.
Cheng YH, et al. Lentiviral In Vivo CD19 CAR T-Cell Therapy in Neurologic Autoimmune Disorders. N Engl J Med. 2026 Sep 3;395(9):926-929. doi: 10.1056/NEJMc2603114. PMID: 42685326.

・第38回 リベラルアーツ研究会『人魚の眠る家』のご案内
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月5日のFB投稿です***
日時:2026年9月8日(火)19時~21時
今回は,先日逝去された作家・東野圭吾氏の作品を取り上げます.課題図書は以前から決めていましたので,訃報を知ったときには「まさか」と驚きました.東野氏の作品は,皆さんと同様,私も大好きでした.最近では「マスカレイド」シリーズ,とりわけ新田浩介という主人公が好きで,今後の活躍をもう読むことができないと思うと,本当に残念です.
今回は,数ある名作のなかから,私にとって忘れられない一冊,2015年に発表され,映画化もされた『人魚の眠る家』を取り上げます(Amazonへのリンクはコメント欄).私は刊行後まもなく本作を読み,大きな衝撃を受けました.ブログでも紹介していますが,当時は,どこか近未来的なフィクションとして受け止めていました.しかし10年を経て読み返してみると,むしろ現代医療が直面しつつある問題を見事なまでに先取りして描いた作品であったことに気づかされます.
本作は,ミステリーという枠組みを超えて,「脳死を人の死と考えることができるのか」という,生と死をめぐる根源的な問いを真正面から投げかけます.読み進めるほどに,読者自身が「自分ならどうするだろうか?」と問い続けることになります.脳神経内科医の立場から読んでも,脳死,臓器移植,生命維持技術,そしてニューロテクノロジーの進歩に伴う臨床倫理上の問題を考えるうえで,きわめて示唆に富む作品です.
副読本として,『BRAIN and NERVE』2025年4月号の特集「脳死について知る」をお薦めします.あわせて読むと,東野氏が脳死や臓器移植をめぐる医学的・倫理的問題をいかに深く学び,丁寧な取材を重ねたうえで本作を執筆したことが,よりよく分かります.ちなみに『BRAIN and NERVE』2026年12月号(クリスマス号)には,『人魚の眠る家』を題材として,脳死と臓器移植について考察した私の小論文を掲載していただく予定です.こちらも楽しみにしていただければと思います.
医学の進歩によって,「生」と「死」の境界が揺さぶられるとき,私たち医療者は何をもって人の死と考え,何を選び,患者さんや家族とどのように向き合うべきなのでしょうか.東野圭吾氏が遺した『人魚の眠る家』を通して,皆さんと一緒に考えてみたいと思います.
課題図書:東野圭吾『人魚の眠る家』
※参加希望の学生はご連絡ください.
次回課題図書
仲野徹『生命科学者たちのむこうみずな日常と華麗なる研究』
歴史に名を残した18人の科学者たちの型破りな生き様と偉大な業績を,軽妙な語り口で解き明かした一冊です.とても面白く,科学への知的好奇心を大いに刺激してくれる名著です.

・シャルコーから予測符号化へ―神経理学療法の歴史と新時代@第24回日本神経理学療法学会学術大会
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月6日のFB投稿です***
昨日,グランキューブ大阪で開催された第24回日本神経理学療法学会学術大会で,特別講演の機会をいただきました.今回の大会テーマは「神経理学療法が紡ぐ足跡と新時代」です.これまでの歩みを振り返り,そこから未来を考えるという趣旨で,初日は「過去を学ぶ」,2日目は「新時代を考える」という構成でした.
特別講演では,『BRAIN and NERVE』誌でともに編集委員を務めさせていただいている東北大学名誉教授の虫明元先生とご一緒しました.虫明先生の演題は「神経生理学の歴史:神経機能理解の深化をたどる」です.神経科学の歴史を19世紀から21世紀まで4つの時代に分け,「脳をどのように理解してきたのか」という問いの変遷を鮮やかに示してくださいました.神経学の楽しさを改めて実感するご講演でした.
19世紀にはBrocaによる機能局在,Golgiの染色法とCajalによるニューロン説,Jacksonによる階層理論が登場し,「どこが機能を担うのか」が問われました.20世紀前半にはSherringtonのシナプスと反射統合,Pavlovの条件反射,Penfieldのホムンクルスなどを通して,「どうつながるのか」という理解へ進みます.さらに20世紀後半には,運動野における運動方向の符号化(運動の方向を神経細胞の活動として表現すること),前頭葉の階層構造,ワーキングメモリ,ミラーニューロンなどを通して,「脳は何を計算しているのか」という問いへと発展しました.そして21世紀には,問いは「脳はどのように未来を予測し,全体として協調するのか」へと進みます.大規模脳ネットワーク,agency,小脳の内部モデル,ドパミンによる報酬予測誤差,そしてFristonの自由エネルギー原理へと展開していきました.とくに印象的だったのは,「脳は未来を予測し,現実とのずれである予測誤差を使って内部モデルを更新している」という考え方です.この視点に立てば,リハビリテーションとは単に筋肉を動かす訓練ではなく,脳が持っている身体や運動についての「予測」を修正し,内部モデルを再構築していく営みと考えることができます.
講演後には虫明先生と食事をご一緒し,講演中に浮かんだ疑問を直接お聞きすることができました.神経生理学の第一人者にゆっくり質問できるという,本当に幸せで贅沢な時間でした.また,森岡周先生(畿央大学),吉尾雅春先生(千里リハビリテーション病院)のとても印象的なご講演も拝聴し,ニューロリハビリテーションについてもっと勉強したいと思いました.
一方,私の講演は,大会長の松田淳子先生(大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科)から「神経症候学の歴史について話してほしい」とご依頼いただき,「神経症候学の成立と発展:機能性神経障害をめぐって」というタイトルにしました.スライドはこちらからご覧いただけます(https://www.docswell.com/…/800…/Z8N6PQ-2026-09-06-043554).前半では,19世紀のサルペトリエール病院におけるJean-Martin CharcotとJoseph Babinskiらのヒステリー研究を出発点として,近代神経症候学がどのように成立したのかをお話ししました.彼らはヒステリーを器質性神経疾患と区別するため,患者を徹底して観察し,症候を記述し,診察によって病態を見極めようとしました.さらにCharcotに学び,その臨床医学を日本に持ち帰った三浦謹之助についても紹介しました.後半では,かつて「ヒステリー」と呼ばれた病態が,現在の機能性神経障害(FND)へとどのように変遷したのかを取り上げました.現代のFND診療で重要なのは,「検査で異常がないからFND」という除外診断ではなく,Hoover徴候などの陽性徴候を神経診察によって見いだし,積極的に診断すること(rule-in diagnosis)です.これはまさにCharcotやBabinskiから続く神経症候学の現代版と言えると思います.
さらにFNDでは,理学療法を中心とするリハビリテーションが非常に重要です.ただし,器質性疾患とは少し発想が異なります.「うまく動かそう」と症状に注意を集中し,強く随意的努力を行うほど,かえって動作が難しくなることがあります.そこで,リズムや音,物体操作など外的な課題に注意を向けることで,過剰な自己監視から離れ,本来持っている自動的な運動を引き出していきます.
ここで,虫明先生のご講演と私の講演が思いがけずつながりました.FNDを予測符号化の立場から考えると,症状への過剰な注意によって誤った予測の重みが強まり,知覚や運動を支配している可能性があります.であれば重要なのは,患者さんに「正しく動かそう」と意識させ続けるのではなく,いかに症状への注意を外し,「実際にうまく動けた」という新しい経験から脳の予測を更新するかということになります.今回は,「予測誤差をどのように軽減するのか」「いかに症状への過度な注意を減らしながら改善へ導くのか」という点について,理学療法士の先生方と議論させていただきました.講演後には,これまで経験したことがないほど多くのご質問をいただきました.実際にFND患者さんを担当するなかでの悩みや,具体的なリハビリテーションの工夫などを率直にお聞かせいただき,私自身にとっても大変勉強になる時間でした.
今回の大会テーマである「神経理学療法が紡ぐ足跡と新時代」は,改めて神経学の魅力を感じさせるものでした.Broca,Jackson,Sherrington,Charcot,Babinskiらが築いた神経学・神経生理学の歴史の先に,内部モデル,agency,ネットワーク,予測符号化といった現代神経科学があります.そして最新の神経科学がいま,再び患者さんの「症候を診る」という臨床に戻ってきています.新時代の神経リハビリテーションでは,失われた運動を繰り返し練習するだけではなく,脳がもつ身体と運動の「予測」を,よりよい方向へ更新していくことが求められるのかもしれません.歴史を学ぶことが,直接的に未来の臨床につながることを実感した一日でした.

・医療AIの本当のインパクトは,患者の「trajectory(軌跡)」中心の医療への転換にあるかもしれない!
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月7日のFB投稿です***
最新号のLancetに,たった1ページながら印象的なPerspectiveが掲載されています.著者はScripps研究所のEric J Topol氏らです.この論文が提示するのは,患者の診療記録を単なるデータの集まりではなく,数年,数十年にわたる「trajectory(軌跡)」としてAIに学習させるという,新しい医療AIの姿です.
その基盤となるのが耳慣れない「tokenisation(トークン化)」という用語です.診断名,検査値,薬剤,診療記録,画像,さらに出来事と出来事の時間間隔などを,AIが処理できる単位であるtokenに変換します.これらを時間順に学習することで,患者の長い診療経過全体を一つの「representation(表現)」として捉えます.つまり,一つの検査値や疾患を個別に予測するのではなく,その人がこれまでどのような軌跡をたどってきたかを丸ごと学習させるわけです.
すでにこの方向性でAIは急速に発展しているそうです.論文では5つのAIモデルが紹介され,約200万人のデータから1000を超える疾患の発症をモデル化するDelphi-2Mや,1億人以上,1000億件を超える医療イベントを扱うCuriosityなどが登場しています.さらに診療記録や画像,遺伝情報,multiomicsまで統合するモデルも開発されており,患者の長期的なtrajectoryをより包括的に捉える方向へ進んでいます.
論文の図上では,30歳から90歳までの時間軸上に,高脂血症,肥満,睡眠時無呼吸症候群,胃食道逆流症,心筋梗塞,心房細動,MCI(軽度認知障害),アルツハイマー病が並んでいます.重要なのは,「90歳でアルツハイマー病になった」という最後の一点ではなく,その数十年前から何が起こり,どのようなtrajectoryを経てそこに至ったのかを見ることです.trajectoryには病気や検査値だけでなく,治療がいつ行われ,その後どのような経過をたどったかという情報も含まれます.
図下は,この考え方から将来の医療をイメージして自作したものです.青線はAIが学習した「これまでの軌跡」を表します.大量の患者のtrajectoryが蓄積されれば,「この患者と似た軌跡をたどった人は,その後どうなったか」をもとに,現在地点から複数の未来を予測できる可能性があります.赤線はこのまま進んだ場合の高リスクの未来を,緑線は治療や生活習慣への介入によって,より良い未来へ軌道修正できる可能性を表しています.たとえば高血圧,脂質異常症,体重増加などを一連のtrajectoryとして捉え,将来の糖尿病や心血管疾患,認知症のリスク上昇を予測できれば,病気が完成する前に先手を打つことができます.介入後には新しいデータをもとに未来予測も更新されます.私なりに例えると,将来の医療AIは,未来を一度だけ言い当てる「占い師」ではなく,進路が変わるたびにルートを再計算する「カーナビ」に近い感じがします.
また,類似したtrajectoryを大規模データから検索することで,希少疾患の診断や治験参加者の探索などにも応用できる可能性があります.一人の医師が経験できる症例数には限界がありますが,AIを介して膨大な患者の経験を診療に利用できるようになるわけです.
ただし,重要な限界もあります.「ある治療を受けた人はその後の経過が良かった」という傾向が見つかっても,その治療のおかげで良くなったとは限りません.AIは「何が一緒に起こったか」は見つけられても,「何が原因だったか」までは証明できないためです.また,AIが学習するtrajectoryは,患者の実際の人生そのものではなく,医療機関に記録された範囲に限られます.受診頻度や検査内容,医師の判断によって記録のされ方が変わるため,データには偏りが生じる可能性があります.
この論文を読んでもう一つ強く感じるのは,日本の医療データ基盤の課題です.trajectory型AIには,診断,検査値,画像,薬剤,治療介入,転帰などを,患者ごとに長期間つなげて蓄積することが不可欠です.しかし日本では,電子カルテの情報が医療機関やシステムごとに分断され,標準化や二次利用も十分に進んでいるとは言えません.新型コロナ・パンデミックの際にも,世界から次々に発表される論文を読み,日本とのデータ活用力の差を痛感しました.今回のように患者の「軌跡」そのものを学習するAIが登場すると,この差はさらに拡大するものと思われます.日本がこれ以上出遅れないためにも,医療データ基盤の整備はまさに急務だと思います.
この論文が示しているのは,医療が「あなたは何の病気ですか」という病名中心の考え方から,「あなたはいまどの軌跡の上にいて,この先どこへ向かい,どこでその軌跡を変えられるのか」を考える方向へ進む可能性です.病気が起きてから治療する医療から,未来の分岐を予測して先手を打つ医療へ,医療は変わっていくのだと思いました.医療AIの本当のインパクトは,この「trajectory中心の医療」への転換にあるのかもしれません.
Mahmood F, Topol EJ. Tokenising the patient journey: from records to representations. Lancet. 2026 Sep 5;408(10558):886. doi: 10.1016/S0140-6736(26)01773-3. PMID: 42692030.

・パーキンソン病・多系統萎縮症の自律神経障害をベッドサイドでどう診るか?――岐阜大学発実践的評価法
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月9日のFB投稿です***
パーキンソン病(PD)や多系統萎縮症(MSA)では,起立性低血圧,発汗異常,排尿障害,便秘などの自律神経障害がしばしば認められます.これらは患者さんの生活の質を低下させるだけでなく,とくにMSAでは診断や予後を考えるうえで重要な手がかりになります.一方,詳細な自律神経機能検査には特殊な設備や技術を必要とするものが多く,すべての施設で繰り返し行えるわけではありません.
今回,当科の森泰子先生を筆頭著者・取りまとめ役として,山原直紀先生,安藤知秀先生,大野陽哉先生,加藤雅彦先生,伊藤幹哉先生,児玉真由帆先生,金住俊一先生の若手のメンバーで,PDとMSAにおける自律神経障害をベッドサイドで系統的に評価するためのプロトコルをまとめ,Journal of Visualized Experiments(JoVE)誌に発表しました.この論文の特徴は,これまでさまざまな文献に散在していた簡便な自律神経評価法を,実際の診療で使いやすい形に体系化した点にあります.非常に教育的な良い論文になったと思います.森先生をはじめ,みなさん,お疲れさまでした.★リンク先はコメント欄をご覧ください.
さて評価は,循環,発汗,排尿,排便の4機能領域です.さらに各検査を,通常の診療環境で行える「Core」,簡単な機器を用いて追加する「Optional」,専門的な設備や技術を必要とする「Advanced」の3段階に分類しました(図1).まず問診と身体診察を行い,必要に応じて簡便な機器検査,さらに専門的検査へ進む流れが一目で分かります.まずベッドサイドから始めるという本論文の考え方を示しています.
循環機能では,立位で出現して臥位で改善するめまい,失神,視覚異常,疲労などを確認するとともに,手足の冷感や紫色調・蒼白を伴うcold-discolored extremitiesを評価します.この所見は剖検例でMSAの20.3%,PDの5.7%に認められ,現在のMSA診断基準でもsupportive clinical featureに位置づけられています.さらにMSAでは,この所見を有する患者ほど症状が重く,生存期間が短い傾向も報告されています.また,指を4℃の水に10秒間浸した後の皮膚温回復をみる「10秒間冷水負荷試験」では,MSAはPDより皮膚温の回復が速く,冷却11分後の温度を指標とすると,感度80.3%,特異度85.7%で両者を鑑別できる可能性が示されています(ただし小規模研究による探索的研究です).
能動的起立試験では,10分間の臥位安静後に立位となり,血圧と心拍数を10分間測定します.重要なのは3分で終了しないことです.3分以降に血圧が低下するdelayed orthostatic hypotensionがあるためです.また収縮期血圧が20 mmHgを超えて低下した場合にはΔHR/ΔSBPを計算し,0.5未満であれば神経原性起立性低血圧を示唆します.ただし,立位15秒以内に生じるinitial orthostatic hypotensionを捉えるには連続血圧測定が必要です.
発汗機能では,発汗低下,無汗,多汗の有無と分布を確認したうえで,視診・触診に加えてスプーンテストを行います.乾いたスプーンの背を皮膚上で滑らせ,発汗によってスプーンが止まるかどうかをみる,非常に簡単な検査です.thermoregulatory sweat testと比較した研究では,四肢での感度は低いものの,頸部では85%に達しました.また,100から7を順番に引く暗算によって精神性発汗を誘発し,手掌や足底の発汗を観察する方法も紹介しています.
もう一つ興味深いのが「指のしわテスト(finger wrinkling test)」です.手を40℃の温水に30分間浸し,指腹に生じるしわをGrade 0~4で評価します.図2には実際の指のしわと判定基準が示されています.特殊な装置を必要とせず,汗腺周囲の自律神経機能を間接的に評価できますが,皮膚の状態などにも影響されるため補助的な検査として用います.
排尿機能では,頻尿,夜間頻尿,尿意切迫,尿失禁だけでなく,尿勢低下,排尿開始遅延,腹圧排尿なども確認します.とくに重要なのが排尿後残尿量(post-void residual:PVR)です.MSAでは排尿障害が運動症状より先行することがあり,121例の前向き研究では18%が下部尿路症状のみで発症し,尿失禁は運動症状より平均2.8年前から認められていました.PVR増加によるPDとMSAの鑑別は感度34%と低い一方,特異度は95%であり,明らかな残尿増加はMSAを疑う重要な所見です.
排便機能では,排便回数,便性状,いきみ,残便感,出口閉塞感などを確認し,排便日誌やBristol Stool Form Scaleを用います.PDでは便秘は単なる生活上の問題ではなく,早期PD 465例を平均5.1年間追跡した研究で,便秘が重いほどその後の認知機能低下が大きいことが報告されています.さらに経腹的直腸超音波を用いると,便貯留をcrescent signやfull-moon signとして非侵襲的に評価できます.
自律神経機能は,室温,湿度,水分状態,食事,薬剤などさまざまな因子の影響を受けます.そこでTable 1では,循環,発汗,排尿の評価に影響する薬剤,その作用,休薬を検討する際の注意点などを整理しました.検査のために安易に薬剤を中止するのではなく,休薬の危険性を考慮し,継続する場合には薬剤の影響を踏まえて結果を解釈する必要があります.
やはり今回の論文でお伝えしたかったのは,自律神経障害の評価は,必ずしも特殊な検査から始める必要はないということです.問診し,皮膚を見て触り,立ってもらい,排尿や排便を記録してもらうだけでも,多くの重要な情報が得られます.図1に示したCore,Optional,Advancedという段階的な考え方を用いることで,自律神経障害を日常診療のなかで繰り返し評価し,早期発見,PDとMSAの鑑別,さらに疾患進行や予後の把握につなげることができます.
今後,実技の動画撮影も予定しており,今回ご紹介したベッドサイドでの自律神経評価法を,実際にご覧いただけるようになります.動画が公開されましたら,改めてご案内したいと思います.
Mori Y, Yamahara N, Ando T, Ono Y, Kato M, Ito M, Kodama M, Kanazumi S, Shimohata T. Protocols for Bedside Assessment of Autonomic Dysfunction in Parkinson’s Disease and Multiple System Atrophy. J Vis Exp. 2026 Sep 3;(235):e71986. doi:10.3791/71986. PMID: 42695590.

・マイハンマー2026(No. 39)まだ進化の余地があった打腱器!なんとヘッドが回転するPercuflex
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月9日のFB投稿です***
NHK「トリセツショー」でもご紹介いただいた私の打腱器(ハンマー)コレクションですが,もう集め尽くしたので,もう新しい型が追加されることはないと思っていました.ところが初めて見る,斬新な新型打腱器を入手しました.「ビーアイシー打診器(BIC Reflex Hammer)」150 gで,Amazonで購入しました(リンクはコメント欄).
製造しているのはドイツの医療機器メーカーで,本来の商品名は「CBC Percuflex」でした.メーカーのHPを調べてみると,なんと「Babinski,Trömner,Buck,Berlinerという4種類の打腱器の長所を統合したもの」と説明しています!!(リンクはコメント欄)
もし本当なら,Percuflexは,100年以上にわたって脳神経内科医が工夫してきたさまざまな打腱器の特徴を,現代的な形で「いいとこ取り」しようとした製品ということになります.そうなると,もう購入しないわけにはいきません(笑).Percuflexという名前は,おそらく「percussion(打診)」と「flexible(柔軟な)」を組み合わせた造語だと思いました.
長さ22 cmで,75 gと150 gの2種類があります.ヘッドはカラフルで,何種類か色の組み合わせがあります.私が選んだのは150 gのミント色です.ヘッドの形は既存のいずれとも違い,少し変わっています.最大の特徴は,なんといっても特許取得済みの回転式ヘッドです.360°回転,8段階で角度を固定できます.つまり,検者が打腱時に手首の角度を無理に変えるのではなく,叩きたい方向に合わせてあらかじめヘッドの向きを変えて使用します.腱反射の部位によって検者と患者の位置関係は変わりますので,これは単なるギミックではなく,意外に合理的な設計かもしれないと思いました.でも「本当に意味があるのかな?いちいち角度を変えるのは面倒かな?」と思いつつ,昨日,外来デビューで使用しました.思いの外,使いやすく,かつ面白いので,「これは楽しい」と診察しながら思わずニヤニヤしていました.
もう一つ気がついたのはハンドルがプラスチック製でわずかにしなることです.打腱器は単に腱を「叩く」道具ではなく,ある程度の重量を利用しながら振り子のように振り,適切な刺激を腱に伝える道具です.そのためヘッドの重量だけでなく,柄の柔軟性,重量バランスも使い心地を左右します.その点でなかなか良いハンマーだと思いました.75 gは試していませんが,おそらく150 gのほうが反射は出しやすいはずです.
打腱器という道具には,もはや新しい工夫を加える余地などないと思っていました.でも「ヘッドそのものを回転させればよい」という,ありそうでなかった発想を持ち込んだ点で,革新的なハンマーだと思いました.機会があればぜひお試しください.

・「ここまでわかってきた!プラスチックのカラダへの影響―子どもたちのために 今できることは?」講演・パネルトークに参加しました.
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月13日のFB投稿です***
子どもケミネット(有害化学物質から子どもを守るネットワーク)が主催する会に参加し,私は「マイクロ・ナノプラスチック 身体への危険性」というタイトルで講演しました.
講演では,近年急速に研究が進んでいるマイクロ・ナノプラスチック(MNPs)について,どのような経路で体内に入り,健康への影響がどこまで分かってきたのかをご紹介しました.とくに,頸動脈プラークや脳(図1の小さくキラキラ光っているもの),脳脊髄液からMNPsが検出され,脳卒中や認知症,パーキンソン病などとの関連を示唆する臨床・基礎・疫学研究が報告されていること,一方で因果関係についてはなお慎重な検証が必要であることをお話ししました.
子どもへの影響としては,MNPsが胎盤や臍帯血などからも検出されています.胎児や乳幼児は発達の重要な時期にあり,体重あたりの曝露量も多いことから,成人以上に影響を受けやすい可能性があります.今後さらに研究を進めるとともに,現時点でもできるところから曝露を減らし,「プラスタミネーション(プラスチック汚染)」への対策を進めることが重要だとお伝えしました.スライドはコメント欄のリンクからご覧いただけます.また,MNPsと認知症については,来月出版される本の中でも詳しく解説しました.
そして今回,とくに驚いたのが,人工芝の問題でした.環境ジャーナリストの栗岡理子さんから,「これもプラスチックだった!人工芝の問題」と題したお話がありました.学校や公園,スポーツ施設など,身近な場所で広く使われている人工芝ですが,最近の研究では,人工芝の芝葉そのものと,クッション性を持たせるための充填材の両方から,MNPsが継続的に発生することが指摘されています(Harusato A, et al. Environments. 2025;12(4):109;図2はこの論文より作成).芝葉や充填材は,摩耗に加え,紫外線,暑さ・寒さ,風雨などによって徐々に劣化・微細化します.そして生じたプラスチック粒子や有害化学物質は,風や雨水・排水を介して,土壌,河川,さらには海へと広がっていきます.人工芝が,都市環境における重要なプラスチック汚染源の一つになり得ることが分かってきています.
生態系への影響についてはすでに懸念が示されている一方で,ヒトの健康への影響はまだ十分に分かっていません.だからこそ,予防原則,すなわち科学的にすべてが証明されるのを待つのではなく,重大な影響の可能性があるなら,できる範囲で先に予防策を講じるという考え方に基づき,環境中への流出を減らす対策と,健康影響を明らかにする研究の両方が必要だと思います.人工芝がこれほど大きなプラスチック汚染源になり得ることを,ぜひ多くの方に知っていただきたいと感じました.
後半の約1時間のパネルトーク「子どもたちのために,今できることは?」も印象的でした.医師,研究者,環境ジャーナリスト,弁護士,地方議員,生活協同組合など,異なる立場の方々がこの問題に関心を持ち,それぞれの立場から取り組んでいることを知り,大変勉強になりました.
プラスチックは私たちの生活を便利で豊かなものにしてきましたが,近年の大量生産・大量使用が,人の健康や環境にどのような影響を及ぼすのかについては,まだ分かっていないことがたくさんあります.まずは知ること.そして,科学的なエビデンスを積み重ねながら,できることから変えていくこと.その大切さを改めて感じた一日でした.次世代の子どもたちのためにも,この問題を多くの方と共有していきたいと思います.

・頭蓋骨骨髄は「脳のすぐ隣の免疫器官」である―Nature論文と慢性疼痛研究が示す新しい神経免疫の世界
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月14日のFB投稿です***
2年前に,日本神経学会Residentホームページに「近未来の脳神経内科は頭蓋骨から診断し治療する!」という原稿を執筆させていただきました.きっかけはCOVID-19の研究でした.2023年,RongらはSARS-CoV-2のスパイク蛋白が頭蓋骨骨髄や髄膜に蓄積し,両者をつなぐ微小な通路にも認められることを報告しました.その後,KolabasらはCell誌で,この頭蓋骨・髄膜結合(skull-meninges connection;SMC)をヒトとマウスで詳細に解析し,さらに頭蓋骨骨髄が他の骨髄とは異なる独自の免疫学的特徴をもつことを明らかにしました.つまり頭蓋骨は単に脳を守る骨ではなく,内部の骨髄が脳と密接に情報をやり取りしているのではないか,という新しい考え方が生まれました.今回ご紹介する2つの研究は,この流れをさらに大きく発展させるものです.
ひとつめはWashington University in St. LouisのParkらによるNature論文です.頭蓋骨骨髄に,中枢神経系を監視するリンパ組織様構造が存在することを示しました.図1は後頭骨のwhole-mount免疫組織化学像で,CD20陽性B細胞,CD4陽性T細胞,MHC-II陽性抗原提示細胞が集まり,クラスターを形成している様子が明瞭に示されています.さらにCXCL13,BAFF,S1PR2など,胚中心様反応に関わる分子も確認されました.つまり頭蓋骨骨髄は単なる造血の場ではなく,「T細胞とB細胞が局所で相互作用し,胚中心様の獲得免疫応答を形成しうる場所である」ということです.
次に著者らは,このリンパ組織様構造が実際に脳からの情報に反応できるのかを調べました.まずマウスの線条体にAAVベクターを注入し,神経細胞に実験用の抗原HEL-OVAを作らせると,その抗原が頭蓋骨骨髄まで届くことを確認しました.さらに組み換えマウス由来の抗原HEL-OVAを認識できるT細胞とB細胞を体内に入れて追跡すると,頭蓋骨骨髄でT細胞が活性化し,B細胞にも胚中心様反応が起こりました.つまり頭蓋骨骨髄は,単に免疫細胞が集まっている場所ではなく,「脳で生じた抗原情報を受け取り,それに応じて獲得免疫応答を立ち上げる場所である」ことが示されたのです.
さらに,この免疫構造が病態にも関与することが示されました.頭皮下から,T細胞からB細胞への活性化シグナルを遮断する抗CD40L抗体を投与すると,脳腫瘍モデルマウスの生存期間は短縮しました.逆に,CD40刺激抗体にIL-21とIFNγを組み合わせ,頭蓋骨骨髄のB細胞応答を高めると,抗腫瘍免疫が増強され,生存期間が延長しました.つまり頭蓋骨骨髄は「治療標的にもなりうる免疫拠点である」ことが示されたのです.
2つめはMassachusetts General Hospitalを中心とするチームによるScience Translational Medicine誌の研究です.ヒト慢性疼痛患者において,頭蓋骨骨髄のTSPO PETシグナルが上昇することを示しました. TSPOは脳内では神経炎症を可視化するPET指標として広く用いられ,しばしばミクログリア活性化と関連づけられますが,頭蓋骨骨髄ではミクログリアはなく,その代わり骨髄球系細胞を中心とする免疫細胞密度を反映する指標と考えられます.慢性腰痛88例,変形性膝関節症37例,健常対照22例を対象に,TSPOを標的とする[11C]PBR28 PET/MRIで頭蓋骨骨髄を評価したところ,慢性腰痛群,変形性膝関節症群のいずれでも健常者より高値で,後者で最も高いシグナルが認められました(図2).初めて見る図ですが,頭蓋骨の広い範囲でTSPOシグナルが上昇し,とくに前頭部と頭頂部で顕著でした.さらにTSPOシグナルが高いほど,痛みの強さや生活への支障,不安,抑うつも強いことが示されました.ただし横断研究であるため,頭蓋骨骨髄の変化が慢性疼痛の原因なのか,それとも結果なのかまでは分かりません.
以上の2つの研究を合わせると,興味深い構図が見えてきます.前者は,頭蓋骨骨髄にリンパ組織様構造があり,脳由来抗原に対する獲得免疫応答が起こることを示しました.一方,後者は,ヒト慢性疼痛で,骨髄球系細胞を中心とする自然免疫系の変化が頭蓋骨骨髄に生じている可能性を示しました.見ている細胞系は異なりますが,両者を合わせると,頭蓋骨骨髄が自然免疫と獲得免疫の双方に関わる,脳に最も近い免疫監視拠点である可能性が浮かび上がります.
この視点は脳神経内科医にとっても非常に魅力的です.慢性疼痛や脳腫瘍だけでなく,認知症,脳卒中,自己免疫性脳炎,神経変性疾患などでも,頭蓋骨骨髄がどのように関与するのか注目されます.これまで見落とされてきた「脳のすぐ隣の免疫器官」が,将来,新しいバイオマーカーや治療標的になるかもしれません.
Park JH, et al. Functional role of skull lymphoid structures in CNS immunosurveillance. Nature. 2026. doi:10.1038/s41586-026-10951-4.
Mohammadian M, et al. Elevated translocator protein in skull bone marrow is linked to human chronic pain. Sci Transl Med. 2026;18(865):eaed8729. doi:10.1126/scitranslmed.aed8729. PMID: 42685155.

・「知らなければ害になる」―医学部5年生に初めて「機能性神経障害」を講義して考えたこと
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月15日のFB投稿です***
先週,医学部5年生の臨床講義で,初めて機能性神経障害(FND)を取り上げました.かつてはヒステリー,心因性疾患,転換性障害,身体表現性障害などと呼ばれてきた疾患です.これまで私がFNDを卒前教育で講義することには迷いがありました.その理由は,FNDの診断では,Hoover徴候やdistractibilityなど,神経診察で得られる「陽性徴候」を正しく評価することが重要であり,まだ基本的な神経診察を十分に身につけていない医学生に教えるのは難しいのではないか,と考えていたためです.
しかし,臨床実習で私の外来を見学する学生たちの反応を見て,考えが変わりました.FNDの患者さんの診療を実際に見た学生は,しばしば強い印象を受けます.とくに,長く診断がつかなかった患者さんに,診察所見を示しながら病態を説明し,診断をお伝えしたときに患者さんやご家族が安堵される姿は,学生にとっても忘れがたい経験になるようでした.
さらに,卒前教育でFNDを学ぶ機会がなければ,医師になってからもFNDを十分に知らないまま診療を続けてしまう可能性があります.FNDは決してまれな疾患ではありません.むしろcommon diseaseです.それにもかかわらず,存在を知らなければ鑑別診断に挙がらず,「検査では異常がない」「心因性ではないか」といった説明だけで終わってしまいます.そこで今回,思い切って5年生に初めて講義してみました.講義後,学生のみなさんの感想を読んで,予想以上に彼らがFNDの本質を理解してくれていることに驚きました.
「機能性神経障害は器質的疾患をすべて除外してから診断するわけではないということが,これまでの授業ではほとんど聞いたことのない考え方で,衝撃的でした」
「この疾患は除外診断ではなく,陽性徴候によって診断するという点が最も印象に残りました」
「研修医になってFNDの患者さんに出会ったら,Hoover徴候やdistractibilityを確認してみようと思います」
FNDは,「何も異常が見つからなかったからつける診断」ではありません.症状の特徴や診察で得られる陽性徴候から,積極的に診断する疾患です.この点はしっかり伝わったようでした.
一方,さらに印象的だったのは,医師の「知識」と「態度」に関する感想でした.
「無知であるということが患者さんを苦しめることになるため,病気を知っていること,鑑別診断の候補に挙げることが大切だと思った」
「知らなければ害になることを学んだ」
「医師は知識不足によって,患者さんに不利益を与え得る存在であることを改めて認識しました」
疾患を知らないことは,単に診断できないというだけではありません.不必要な検査を繰り返したり,患者さんの訴えを否定したり,適切な治療へのアクセスを遅らせたりすることにつながります.FNDでは,とくにその影響が大きいと思います.
また,診断や説明そのものが患者さんを助けることにも,多くの学生が気づいてくれました.
「患者さんの訴える症状を医師が認めること自体が治療になるのだと思いました」
「診断をつけることが,患者さんの心理的な不安を軽減することもあるという視点はなかったので,知ることができてよかったです」
「ポリクリでFNDの患者さんの外来を見学しました.診断が下ったときの患者さんとご家族の涙が印象的でした」
FNDの診療では,「症状は本当に存在している」と認めること,診察で得られた所見を患者さんと共有すること,そして回復可能性を含めて病態を説明することが重要です.患者さんにとって,自分の症状に名前がつき,医師が理解してくれたと感じられること自体が,治療の第一歩になることがあります.
また,「原因が一見分からない症状に対しても,安易に心因性と決めつけず,丁寧な診察から確かな所見を見出す姿勢を大切にしたい」という感想もありました.FNDを教えることは,一つの疾患を教えるだけではなく,「分からない症状を訴える患者さんに,医師としてどう向き合うか」を考える教育にもなりうるのだと思います.また救急医療を志望する学生からは,「救急医だからこそ知っておかなければならない」との感想もありました.また,「すべての医師がFNDの存在を知っておくことで,患者さんをたらい回しにして辛い思いをさせる事態を防げる」と書いた学生もいました.
今回講義をしてみて,医学部5年生にFNDのすべてを理解してもらう必要はないのだと気づきました.まずは,FNDという疾患があることを知ること.除外診断ではなく,陽性徴候に基づいて診断する疾患であることを知ること.患者さんの症状を否定しないこと.そして,自分だけで対応が難しければ適切な専門医につなぐこと.それだけでも,将来その学生が出会う患者さんの診療は大きく変わる可能性があります.
これまで私は,「神経診察を十分に習得してからでなければ,FNDを教えるのは難しい」と考えていました.しかし今回の学生たちの感想を読んで,むしろ逆なのかもしれないと思うようになりました.FNDを完全に診断できるようになってから知るのではなく,医師になる前に,まずその存在と診療の基本姿勢を知っておくことが大切なのだと思います.

・いよいよ分かってきた!アルツハイマー病で血液脳関門が破綻するメカニズム「APOE ε4→フィブロネクチン→血液脳関門破綻」
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月17日のFB投稿です***
アルツハイマー病(AD)の遺伝的危険因子であるAPOE ε4は,アミロイドβ(Aβ)蓄積だけでなく,血液脳関門(BBB)の破綻にも関与することが,動的造影MRIなどから分かっていました.しかし,APOE ε4という遺伝的背景が,どのような分子機序でBBB破綻につながるのかは不明でした.今回Nature Aging誌に,その両者をつなぐ分子として,細胞外マトリックス蛋白フィブロネクチン1(fibronectin 1:FN1)を同定した研究が報告されました.研究は米国Columbia University Irving Medical Centerを中心に行われ,ヒト剖検脳,脳脊髄液,single-nucleus RNA sequencing,ヒトiPS細胞,3次元血管モデル,マウス,ゼブラフィッシュを用いた多面的な検証が行われています.
著者らは以前,APOE ε4を持つAD患者では,アストロサイトと脳血管が接する領域(gliovascular interface)にFN1が蓄積すること,さらにFN1の機能喪失型遺伝子変異を持つAPOE ε4保有者ではADリスクが約71%低下することを報告していました.そこで今回,FN1が単なる病態マーカーではなく,APOE ε4とBBB障害をつなぐ分子ではないかと考えました.
ヒト剖検脳では,ADや高度の脳細動脈硬化を有する脳で,血管周囲へのFN1沈着が増加していました.またAPOE ε4/ε4 knock-inマウスでは,APOE ε3/ε3マウスと比較してFN1が約2倍に増加し,フィブリノーゲンの血管外漏出も増えていました.さらにAPOE ε4/ε4のヒトiPS細胞由来アストロサイトではFN1が増加し,正常な線維状構造ではなく無定形の沈着物を形成していました.single-nucleus RNA sequencingや多重免疫染色でも,FN1増加は特にアストロサイトで顕著でした.
Aβ42や炎症もFN1を増加させました.ヒト初代アストロサイトの3次元培養系では,Aβ42やTNFによってFN1発現が増加し,TNF刺激ではNF-κBシグナルの活性化と反応性アストロサイト化も認められました.一方,IL-4はこれらを抑制しました.さらに大規模脳バンク研究ROSMAPのヒト脳データでも,炎症性の反応性アストロサイトでFN1発現が特に高いことが確認されました.つまり,APOE ε4という遺伝的背景にAβ蓄積や炎症が重なることで,血管周囲へのFN1蓄積がさらに進むと考えられます.
本研究の核心は,蓄積したFN1がBBBを障害する仕組みを明らかにした点です.FN1はアストロサイト表面のintegrinを介してfocal adhesion kinase(FAK)を活性化し,BBBの恒常性維持に重要なVEGFAを低下させました.逆にFN1を減らしたり,FAKやintegrinを阻害したりするとVEGFAは回復しました.つまり,「FN1増加→integrin-FAK活性化→VEGFA低下」という経路があるようです.
この関係を端的に示す実験が図1です.APOE ε4/ε4のヒトiPS細胞由来アストロサイトでは,APOE ε3/ε3と比較してVEGFAが19.4%低下していました.さらにAPOE ε3/ε3アストロサイトでも,培養皿をFN1でコーティングするだけでVEGFAが25.7%低下しました.つまり,FN1を増やすだけでAPOE ε4に似た異常を再現できたことになり,FN1が単なる結果ではなく病態を媒介する原因となる分子であることを強く示唆します.
さらにVEGFAが低下すると,血管内皮細胞のHB-EGF(ヘパリン結合性EGF様増殖因子)が低下し,続いてアストロサイトのIGF-1も低下しました.著者らは,「FN1増加→integrin-FAK活性化→アストロサイトVEGFA低下→血管内皮HB-EGF低下→アストロサイトIGF-1低下」というシグナル経路を提唱しています(図2).ゼブラフィッシュでVEGFシグナルを遮断するとHB-EGFが約28%低下し,毛細血管のZO-1局在も低下しましたが,HB-EGFとIGF-1を補充すると回復しました.ヒトAD脳やAPP knock-inマウスでもVEGFA,HB-EGF,IGF-1はいずれも低下していました.さらに,ゼブラフィッシュのアストログリアでFN1を人工的に過剰発現させるだけで,血管外へのdextran漏出が生じました.つまりFN1増加はBBB障害に伴う単なる変化ではなく,それ自体がBBBの透過性を高める原因になり得ることが示されました.
これまでAD研究ではAβやタウ,神経細胞に注目が集まりがちでした.しかし本研究は,アストロサイト,細胞外マトリックス,脳血管からなる「gliovascular interface(アストロサイト-血管界面)」の異常が,APOE ε4によるBBB障害を媒介することを示しています.FN1は新たな治療標的となる可能性が出てきました.ADを「神経細胞だけの病気」ではなく,「脳血管を含む脳内環境全体の恒常性が崩れる病気」と捉え直すうえでも,非常に興味深い研究だと思います.
Bhattarai P,et al.Fibronectin mediates APOE4-driven blood–brain barrier dysfunction in Alzheimer’s disease.Nat Aging.2026;6:1901–1927.doi:10.1038/s43587-026-01204-0.PMID:42728404.

・機能性神経障害(FND)はどのような神経疾患に併存するのか?―驚くべきことに多発性硬化症では,7人に1人が機能性神経症状を呈する
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月20日のFB投稿です***
国際医療福祉大学市川総合病院,柴田護教授にお招きいただき,「機能性神経障害(FND)の診療~パーキンソン病との違いを含めて~」という講演をさせていただきました.FNDではパーキンソニズム様症状を呈することがあります.そのなかには機能性振戦,機能性姿勢保持障害,機能性パーキンソニズムが含まれます.講演では動画を用いて,それぞれの陽性徴候をご紹介しました.厄介なのはパーキンソン病患者さんにFNDが併存(overlay)することがときどきあることです.患者さんが症状の増悪を訴えて,抗パーキンソン薬を増量・追加しても当然効かず,頭を悩ますことになります.
このような器質性神経疾患におけるFNDの併存は重要な問題で,近年,とくに併存しやすい神経疾患も分かってきています.大規模コホート研究では,FND患者の78.5%に何らかの器質性神経疾患の併存が記録され,てんかん,片頭痛,多発神経障害などが高頻度に認められています1).また,機能性運動障害を対象とした多施設研究では約22%に器質性神経疾患が併存し,片頭痛,脳血管障害,パーキンソニズム,てんかん,多発性硬化症(MS)などが報告されています2).
当科のメンバーはFNDの陽性徴候の診察はかなりマスターしていますが,次の段階,つまり器質性神経疾患の増悪なのか,overlayするFNDによるものかの鑑別に苦労しています.今週の回診でも,MS患者におけるFNDの併存についての議論になりました.既報でも,MSでは責任病変だけでは説明できない症状が比較的高頻度に認められることが報告されています3).今回,主治医の先生に紹介した論文は,アデレード大学を中心とする国際共同研究で,MS患者にみられる「機能性神経症状(functional neurologic symptoms:FNS)」の頻度と特徴を検討したものです4).
MS専門外来を受診した18~64歳のMS,clinically isolated syndrome,radiologically isolated syndrome患者411名を対象とした後ろ向き研究です.本研究では,FNSを広く定義し,①FNDと診断された患者,②MSにFNDが併存するoverlayと診断された患者,③正式なFND診断はないものの,Hoover徴候,give-way weakness,振戦のdistractibilityやentrainment,機能性歩行など,FNDを支持する陽性徴候が認められた患者も含めています.さらに,持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)や機能性認知障害(FCD)の患者も対象としています.
さて結果ですが,411名中62名(15.1%),つまり約7人に1人にFNSが認められました.内訳は,FNDが20名(4.9%),functional overlayが11名(2.7%),正式な診断はないもののFNDの陽性徴候を認めた患者が31名(7.5%)でした.FNS群の88.7%では,身体診察で少なくとも1つのFND陽性徴候が確認されていました.症状としては,歩行・バランス障害が46.8%,四肢筋力低下が43.5%と多く,振戦16.1%,認知症状12.9%,感覚症状8.1%と続きました.具体的な診察所見では,疼痛では説明できないgive-way/collapsing weaknessが最も多く,機能性歩行,windmilling gait,可変性・注意転換可能な振戦,Hoover徴候などが認められました.ちなみにcollapsing weaknessは突然,力が抜けるようにみえる筋力低下のことです.
多変量解析では,FNSの併存と独立して関連する因子として,女性(OR 7.02),疲労(OR 4.74),認知症状(OR 4.00),慢性疼痛(OR 3.07),片頭痛(OR 2.38)が示されました(図1).ただし,これらはFNSとの関連を示したものであり,FNSの発症リスクを高めることが証明されたわけではありません.一方,MSの病型,罹病期間,疾患修飾薬の使用には明確な差がありませんでした.つまり,単純に重症なMSにFNSが生じるわけではなさそうです.以上を踏まえると,MS患者で疲労,認知症状,慢性疼痛,片頭痛が目立つ場合には,FNDの併存も念頭に置き,陽性徴候を確認することが重要です.
研究の限界としては,単施設の後ろ向き研究であり,診療録の記載に依存していること,FNDだけでなくPPPDや機能性認知障害,陽性徴候のみの患者も含むことなどです.したがって,「MS患者の15%がFNDである」と解釈するのは正確ではなく,MS専門外来では,FNDを示唆する陽性徴候を含む機能性神経症状が15%に認められたと理解すべきです.
いずれにせよ,本研究が示した重要な点は,器質性神経疾患とFNDは二者択一ではなく,両者が併存しうるということです.MRIで説明できない症候を認めた場合,MRIで検出できないながらも器質的病変によって神経症候学的に説明できるのか,あるいはFNDを支持する陽性徴候が認められるのかを丁寧に評価する必要があります.つまり,Hoover徴候やdistractibilityなどの陽性徴候を積極的に確認し,MSによる症候とFNDによる症候をそれぞれ適切に診断する姿勢が重要です. これはMSだけでなく,てんかん,Parkinson病,脳卒中など,他の器質性神経疾患を診療する際にも共通する重要な視点だと思います.
1)Asan L, Lynch-Kelly K, Berlot R, et al. Comorbidities and Outcomes in People With Functional Neurological Disorder. JAMA Neurol. 2026.
2)Tinazzi M, Geroin C, Erro R, et al. Functional motor disorders associated with other neurological diseases: Beyond the boundaries of “organic” neurology. Eur J Neurol. 2021;28:1752-1758.
3)Walzl D, Solomon AJ, Stone J. Functional neurological disorder and multiple sclerosis: a systematic review of misdiagnosis and clinical overlap. J Neurol. 2022;269:654-663.
4)Collins LC, Bagster MM, Tamlin L, et al. Functional Neurologic Symptoms in Multiple Sclerosis: Estimated Prevalence and Associated Comorbidities. Neurol Clin Pract. 2026;16(1):e200569. doi:10.1212/CPJ.0000000000200569. PMID: 41726793.

・朝日新聞に「機能性神経障害」について取り上げていただきました!
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月21日のFB投稿です***
昨日の朝日新聞の紙面,「医療」欄で,機能性神経障害について解説する機会をいただきました.
機能性神経障害は,運動麻痺やふるえ,けいれん,しびれ,感覚障害など,さまざまな神経症状を起こす病気です.「気のせい」でも「演技」でもなく,脳や神経に症状を説明するような構造的な損傷がなくても,神経の働き方がうまくいかなくなることで症状が出ます.どの年代の人にも生じますが,若い世代,とくに女性に多いことも知られています.
では,どう診断するのでしょうか.以前は「ほかの病気ではないこと」を確認して診断する方法(除外診断)が主流でしたが,現在は診察でみられる特徴的な所見(陽性徴候)を手がかりに,積極的に診断します(rule-in診断).たとえば,注意が別のことに向くと症状が軽くなる,動かし方によって力が入りやすくなる,といった所見が重要です.
治療はどうするのでしょうか.まず,患者さん自身がこの病気の仕組みを正しく理解することが大切です.そのうえで,認知行動療法やこの病気に合ったリハビリテーションなどを組み合わせ,一歩ずつ本来の動きや感覚を取り戻していくことを目指します.早めに脳神経内科などの専門医に相談することが大切です.
機能性神経障害は,まだ十分に知られていない一方で,決して珍しい病気ではありません.正しい理解が広がり,必要な方に適切な診断と治療が届くことを願っています.

・日本脳神経外科の父・中田瑞穂先生の足跡を訪ねて ― 科学も文学も絵もその根底はすべて「観察」
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月22日のFB投稿です***
シルバーウィークを新潟市で過ごしています.「にいがた文化の記憶館」で開催されている企画展「脳神経外科医×芸術家 中田瑞穂」を見学しました(図1).中田瑞穂先生(1893~1975)は,日本の脳神経外科の発展に多大な貢献をされた医学者であり,私が神経学を学んだ新潟大学脳研究所の初代所長として,その歴史を語るうえでも欠かすことのできない人物です.今回の展覧会では,医学者としての業績だけでなく,俳句や書,絵画など,芸術家としての一面も紹介されていました.
中田先生は1925年から約2年半にわたり欧米で外科修業を重ね,近代脳神経外科の父と呼ばれ,クッシング病の名前の由来にもなったHarvey Cushing先生や,Walter Dandy先生の手術を米国で直接見学されました.展示されていたCushing先生の水彩画は,中田先生自身が描かれたもので,手術着姿で何かを書き留める横顔が写実的に表現されていました.世界の最先端の医学を学ぼうとする若き中田先生の,鋭い観察眼が伝わってくるような作品でした.
また,中田先生ご自身が揮毫された俳句の書も展示されていました.
◆「刻々と手術はすすむ深雪かな」
ドイツのハイデルベルク大学で,外科学教授Eugen Enderlen先生の手術を見学した際に詠まれた句です.緊張感に満ちた手術室で着実に進む手術と,外に静かに降り積もる深雪.その対照的な情景から,手術を見守る中田先生の緊張感と感動が伝わってくるようです.
そして,私が中田先生の句のなかで最も好きな一句の書も拝見できました.
◆「学問の静かに雪の降るは好き」
展示の解説によれば,この句が詠まれた1947年は,中田先生が母校・東京帝国大学から教授就任の打診を受けながらも,新潟に残って研究を続ける道を選ばれた年だったそうです.静かに雪が降る新潟の地で,学問に向き合うことを愛した先生の人柄と,研究に対する真摯な姿勢が伝わってきます.
また写実的な絵画も数点展示されていました.中田先生は,医学と芸術に共通するものとして,「観察」を何よりも大切にされていました.図2は,亡くなった患者さんの脳の解剖・検討(ブレインカッティング)を行う中田先生(中央)と,左側で標本を説明する神経病理学者の生田房弘先生です.中田先生ご自身が大脳半球摘除術を執刀された症例の脳を検討している場面だそうです(昭和46年6月21日).生田先生によれば,中田先生は「文学も絵も科学も,その根底にあるのは徹底した『観察』であり,それこそが原点であり,出発点である」と語られていたそうです.
驚かされるのは,中田先生がご自身の病気さえも観察の対象とされていたことです.1953年,60歳のときにワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)を発症すると,自らの神経症候を詳細に記録し,その所見から延髄の病巣を推定されました.MRIのない時代に,自分自身の症候を丁寧に観察し,神経解剖学的な知識と照らし合わせて病巣の局在を推定するという,まさに神経症候学に基づく局在診断を実践されていたのです.
晩年のエピソードも印象的です.82歳の誕生日を迎えた翌朝,中田先生は生田先生に,自らの剖検依頼書を手渡されました.そこには,大脳と脊髄を切断せず,一塊として摘出してほしいという希望が記されていたそうです.そして,生田先生が部屋を出ようとしたとき,こうつぶやかれました.
「本当はね,僕も自分で見たいのだよ」
自らの神経症候を観察し,最後まで自分自身の脳を知ろうとされた,中田先生の尽きることのない探究心を象徴する言葉だと思います.
展覧会を見学した後,久しぶりに新潟大学の旭町キャンパスを訪れました.病院の玄関前には「ヒポクラテスの木」の石碑があり,「中田瑞穂 題」の文字が刻まれていました(図3).また,脳研究所の赤門をくぐったところには,「学問の静かに雪の降るは好き」の句碑があります(図4).私は若い頃,毎朝この句碑を眺めながら出勤していました.中田先生のように学問に真摯に向き合いたいという思いを育んでくれた,私にとって特別な一句です.学問に真摯に向き合う姿勢を,後輩の先生方にも受け継いでいただけたらと思います.
企画展「脳神経外科医×芸術家 中田瑞穂」は,にいがた文化の記憶館で2026年11月1日まで開催されています.
参考資料:新潟大学季刊広報誌『六花』2016年秋号,No.18,特集「日本の脳外科の父 中田瑞穂 その足跡を辿る」,pp.3–7.

・睡眠中の「ピンクノイズ(音刺激)」で脳脊髄液の流れが増加する!脳の老廃物排出を促し,認知症予防につながるか?
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月23日のFB投稿です***
睡眠には,脳内に蓄積した老廃物の排出を促す働きがあると考えられています.特にノンレム睡眠中には,脳波の徐波に同期して脳脊髄液が大きく流動することが知られており,アミロイドβやタウなどの老廃物の排出との関連から注目されています.一方,睡眠中に適切なタイミングで短い音を聞かせると,徐波を増強できることも知られています.しかし,音刺激によって脳脊髄液の流れも増加させられるかどうかは不明でした.この課題に挑んだ研究が,Science Translational Medicine誌に報告されました.米国ボストン大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究グループは,睡眠中の脳波に合わせた短い音刺激によって,ヒトの脳脊髄液の流れを増強できることを示しました.
研究では,健康成人14名にMRI装置内で昼寝をしてもらい,脳波と機能的MRI(fMRI)を同時に測定しました.AIを用いて徐波をリアルタイムに解析し,そのピーク付近に50ミリ秒(0.05秒)の短い「ピンクノイズ」を聞かせました.「ピンクノイズ」とは,低音成分が比較的豊富で,雨音や滝の音に似た雑音です.実際に聞いてみましたが,土砂降りではないものの,結構な雨量の雨音に感じました(リンクはコメント欄).ただし重要なのは,音を流し続けるのではなく,脳波の適切なタイミングに合わせて短く聞かせることです.この方法を閉ループ聴覚刺激(closed-loop auditory stimulation:CLAS)と呼びます.
実験では,刺激するタイミングを検出すると,50%の確率でピンクノイズを聞かせ,残り50%では音を流さない偽刺激としました.合計1,328回の音刺激と1,327回の偽刺激を比較したところ,音刺激後0.25~0.75秒に徐波活動が有意に増強しました.さらに,数秒後には脳脊髄液の流入も増加しました.この流入の変化は,高速fMRIを用いて測定しました.第4脳室に新たに流入する脳脊髄液が強いMRI信号を生じる現象を利用し,音刺激前後の信号の変化を比較しています.
図1で,音刺激後の脳脊髄液流入信号の変化を示しています.青線が音刺激,オレンジ線が偽刺激です.音刺激後5~7秒の信号変化は,音刺激群で4.30%,偽刺激群で1.72%となり,有意差が認められました(P<0.009).つまり,短いピンクノイズを適切なタイミングで聞かせることで,第4脳室への脳脊髄液流入が増加したということです.なお,この数値はMRI信号の変化率であり,実際の流量の増加率ではありません.
さらに興味深いのは,音刺激のタイミングによって効果が異なることです.徐波のピーク直前,ピーク直後,谷の直前,谷の直後を比較すると,ピーク直後に刺激した場合にのみ,脳脊髄液流入信号の有意な増加が認められました.単に音を聞かせるだけではダメで,脳波の適切なタイミングに合わせることが重要ということです.
では,なぜ徐波が増強すると脳脊髄液の流れが増加するのでしょうか?著者らは,脳の血液量の減少が関係していると考えています(図2;Science. 2019;366:628-631).頭蓋骨の中は限られた空間であるため,脳の血液量(赤)が減ると,その分を補うように脳脊髄液(青)が流れ込む可能性があります.実際,音刺激後には脳全体の血行動態に関連するMRI信号が低下し,脳脊髄液の流入増加との関連が認められました.つまり,「適切なタイミングのピンクノイズ刺激 → 徐波の増強 → 脳血液量の減少 → 脳脊髄液の流入増加」という仕組みが考えられます.
今回の研究は,睡眠中の短い音刺激によって,脳脊髄液の流れを人為的に増強できることを示しました.ただし,アミロイドβやタウなどの老廃物の排出量や,睡眠の質,認知機能への効果は検証されていません.今後,家庭でも使用できる脳波計と音刺激装置が開発され,高齢者やアルツハイマー病患者さんでも同様の効果が得られるか,さらに老廃物の排出や認知機能の改善につながるかを検証することが期待されます.睡眠中の短い音刺激が,将来,認知症予防の新たな方法につながるかもしれません.
Levitt J, et al. Closed-loop auditory stimulation in phase with slow waves during sleep enhances cerebrospinal fluid flow in humans. Sci Transl Med. 2026;18:eaea5469. doi: 10.1126/scitranslmed.aea5469. PMID: 42715349.

・自己抗体ができるだけでは発症しない―自己免疫性神経疾患の発症から再発までをつなぐ7段階のカスケード
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月24日のFB投稿です***
自己免疫性脳炎や視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD),MOG抗体関連疾患(MOGAD)では,病原性をもつ自己抗体が次々と発見され,標的分子によって疾患を定義する時代になりました.しかし,そもそもなぜ特定の人に特定の自己抗体が生じ,それがどのように中枢神経へ到達し,発症や再発を引き起こすのかについては不明の点が多く残されています.Brain誌に掲載された総説では,こうした一連の過程を「cascade to pathogenicity(病原性獲得へのカスケード)」として統一的に捉える考え方を提唱しています.
対象となる標的分子は,臨床で特に重要な6つの神経・グリア表面抗原,すなわちLGI1,NMDA受容体,CASPR2,IgLON5,AQP4,MOGです.論文では「Big six」と呼んでいます.著者らが強調するのは,これらの疾患は単に「自己抗体ができたから発症する」のではなく,遺伝的素因,感染や腫瘍などの誘因,免疫寛容の破綻,自己反応性B・T細胞の成熟,中枢神経への侵入,自己抗体による標的分子の機能障害,さらに慢性化や再発という複数の段階を経て成立するという点です.つまり自己抗体はこの長い過程の「最終産物」の一つにすぎない,という見方です.
この論文の考え方を最もよく示しているのが図1です.7つの段階,すなわち①遺伝的素因,②誘因,③免疫系の活性化,④自己抗原反応性リンパ球や抗体の中枢神経への侵入,⑤神経・グリアの機能障害,⑥慢性後遺症,⑦再発が時間軸に沿って示されています.注目すべきは,発症前の段階が長く,かつ複数の「hit」が必要と考えられている点です.
まず①遺伝的素因に関しては,LGI1抗体疾患ではHLA-DRB107:01,CASPR2抗体疾患ではHLA-DRB111:01,IgLON5抗体疾患ではHLA-DQB1*05:01との強い関連があり,これら3疾患はいずれも比較的高齢で発症し,IgG4が優位という共通点を示します.一方,NMDAR抗体脳炎やMOGADではHLAとの関連がより弱く,異なる免疫学的背景が想定されています.
②誘因には感染,腫瘍,免疫チェックポイント阻害薬などがあります.最もよく知られているのは,NMDAR抗体脳炎における単純ヘルペス脳炎や卵巣奇形腫です.前者では,感染によって神経細胞が障害されると,通常は免疫系から隔離されている中枢神経抗原が露出し,髄膜リンパ系を介して頸部リンパ節へ運ばれ,自己反応性リンパ球を刺激する可能性があります.しかし脳梗塞や頭部外傷では同様の自己免疫性脳炎が頻発するわけではなく,単なる組織障害だけでなく,感染特有の炎症環境が必要と考えられます.また卵巣奇形腫では,腫瘍内にNMDAR反応性B細胞や抗体が存在することが示されており,腫瘍そのものが自己免疫反応を立ち上げる場になっている可能性があります.
つぎが③の免疫系の活性化です.自己抗原反応性B細胞は,実は患者だけに存在するとは限りません.例えばCASPR2反応性ナイーブB細胞は健常者にも比較的高頻度で存在しますが,CASPR2反応性memory B cellは患者に特徴的です.つまり,「自己反応性B細胞を持っていること」よりも,それが骨髄や末梢リンパ組織に存在する免疫寛容のチェックポイントをすり抜け,胚中心で成熟することが発症に重要と考えられます.さらに,近年,話題になっている髄膜リンパ管を介して中枢神経由来抗原が集まる頸部リンパ節には,NMDARやAQP4反応性B細胞が存在し,AQP4-IgGが実際にリンパ節内で産生されることも報告されています.頸部リンパ節が「脳と免疫系を結ぶハブ」として機能している可能性は,非常に興味深い点です.
自己抗体が中枢神経へ到達した後,どのように神経障害を起こすかという④⑤をまとめたのが図2です.ここで重要なのは,自己抗体といってもその作用機序は各々大きく異なることです.AQP4-IgG1はアストロサイト足突起のAQP4に結合し,補体を強力に活性化して細胞障害を起こします.これに対してNMDAR-IgG1では,補体による神経細胞死よりも,受容体を架橋して細胞内へ取り込ませるinternalizationが中心で,NMDAR機能低下を生じます.LGI1抗体ではLGI1のinternalizationやLGI1とADAM22/23との結合阻害,CASPR2抗体ではCASPR2とcontactin-2の相互作用障害などが生じます.IgLON5抗体ではIgG1によるinternalizationとIgG4による蛋白間相互作用の阻害が想定されています.つまり,抗体の標的だけでなく,IgG1かIgG4か,抗原がどこにどの密度で存在するかによって病態が決まります.
とくにIgLON5抗体疾患は興味深く,自己免疫と神経変性をつなぐ疾患として位置づけられています.剖検脳ではタウ沈着より早い段階からIgG4沈着がみられ,患者由来IgGを神経細胞や動物へ作用させるとタウ蓄積が誘導されます.すなわち,「自己免疫が先に起こり,その結果として神経変性が生じる」という方向性を支持する稀なモデルです.
そして図3では,この「病原性獲得へのカスケード」のどこを治療標的にできるかをまとめています.抗CD20抗体はB細胞を除去しますが,長寿命形質細胞は十分に除去できません.抗CD19抗体はより広いB細胞系列を標的とし,抗CD38抗体やproteasome inhibitorは形質細胞を標的とします.さらにCAR-TはB細胞をより深く除去し,FcRn阻害薬は循環IgGを減少させます.AQP4陽性NMOSDでは,病原性抗体が引き起こす最終段階の補体活性化をC5阻害薬で遮断することにより,極めて高い再発抑制効果が得られています.この成功体験は,「疾患ごとにカスケードの最も重要な段階を見極め,そこだけを狙う」というprecision medicineの有効性を示しています.
さらに将来は,正常な免疫系を広く抑えるのではなく,病原性自己免疫反応だけを選択的に消去する治療が目標になります.例えば特定のHLA-自己抗原ペプチド-T細胞受容体の相互作用を遮断する方法,自己抗原を提示したCAAR-Tによって自己抗原反応性B細胞だけを除去する方法,病原性自己抗体だけを選択的に分解する方法,さらに患者自己抗体と標的分子との結合を無害な抗体で競合的に遮断する方法などが検討されています.著者らが目指しているのは,単なる「免疫抑制」ではなく,特定の自己抗原に対する異常な免疫記憶だけをリセットする治療です.
総説から分かるのは,自己抗体による神経疾患を理解するには,もはや抗体検査の結果だけを見ていてはいけないということだと思います.その抗体がなぜ生まれたのか(遺伝と誘因),どこでB細胞が成熟したのか,なぜ中枢神経へ移動したのか,どのように標的分子を障害したのか,そしてある患者では再発し,別の患者では単相性なのかまで考える必要があると思います.将来的にこのカスケードの各段階を患者ごとに解析できれば,自己免疫性神経疾患の治療は,現在の広範な免疫抑制から,原因となる免疫異常だけを狙う治療へ変わっていく可能性があります.それは「治癒」を目指す治療への道をひらくものになるのではないかと思います.
Montini F,et al.The cascade to pathogenicity in autoantibody-mediated CNS diseases.Brain.2026;149:2974–2993.doi:10.1093/brain/awag158.PMID:42081370.

・閉経に伴う血液タンパク質の変化が大きいほど,認知機能低下やアルツハイマー病の発症リスクが高い
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月25日のFB投稿です***
閉経は女性にとって重要な生物学的転換点です.エストロゲンの減少に伴い,ほてりや寝汗,睡眠障害などが生じますが,近年,閉経が脳の老化やアルツハイマー病(AD)の発症リスクにも関係する可能性が注目されています.しかし,その分子メカニズムは十分に解明されていません.今回,トロント大学などの国際共同研究チームは,閉経に伴う血液タンパク質の変化を解析し,その変化が脳の老化や将来の認知症リスクと関連することを明らかにし,Nature Medicine誌に発表しました.
著者らはまず,43~58歳の女性80名を閉経前,閉経移行期,閉経後の3群に分け,超高感度のタンパク質測定技術であるNULISAseqを用いて血液を解析しました.その結果,閉経後には16種類のタンパク質が増加していました(図1左).これらには炎症に関わるCCL2やCCL11,シナプス機能に関連するSNAP25やCNTN2,さらにAD病理に関連するp-tau231やBACE1が含まれていました.特に,ADに関連するリン酸化タウであるp-tau231と,アミロイドβの産生に関与する酵素BACE1の増加は注目されます.ただし,これらの血中濃度の上昇が,実際の脳内AD病理の進行を意味するかどうかは明らかではありません.
次に,16種類のタンパク質を組み合わせて「閉経プロテオミクススコア」を作成したところ,閉経前,閉経移行期,閉経後の順にスコアが高くなっていました.興味深いことに,この変化は加齢そのものよりも,性ホルモンの変化と強く関連していました.具体的には,エストラジオールの減少は主に炎症関連タンパク質の増加と,卵胞刺激ホルモン(FSH)の上昇は炎症に加え,ADや神経機能に関わるタンパク質の増加とも関連していました(図1右).つまり,閉経に伴う脳の変化を考える際には,エストロゲンの減少だけでなく,FSHの上昇にも注目する必要があります.実際,動物実験ではFSHが神経炎症やAD病理の形成に関与する可能性が報告されています.ただし今回の研究で因果関係が証明されたわけではありません.
また,閉経期に寝汗を認める女性では,CCL2,CCL13,CXCL1,CCL26といった,免疫細胞を炎症部位に呼び寄せるケモカインが増加していました.高齢女性を対象とした解析でも,過去にほてりや睡眠障害を経験した女性では,閉経プロテオミクススコアが高いことが示されました.特にCCL2は,中年期と高齢期の両方で血管運動症状(ほてり,寝汗)との関連が認められ,閉経期の症状と炎症性の分子変化が長期的に関連する可能性が示唆されました.
さらに,英国のUK Biobankに参加した女性2,814名で検証したところ,測定した2,923種類のタンパク質のうち,1,300種類(44%)が閉経前・閉経移行期と閉経後で異なっていました.特に炎症や補体系に関連するタンパク質が増加していました.また,血液タンパク質から臓器および細胞の生物学的年齢を推定したところ,閉経後の女性では,同じ暦年齢の閉経前・閉経移行期女性と比較して,臓器では脳や動脈などの生物学的年齢が高く推定されました(図2左).また細胞では,髄鞘の形成と維持に関わるオリゴデンドロサイトとその前駆細胞の老化指標も高くなっていました(図2右).閉経に伴う分子変化は,神経細胞だけでなく,脳白質や髄鞘の維持に関わる細胞の老化とも関連する可能性があります.ただし,これらは血液タンパク質から推定した指標であり,脳内の細胞老化や脱髄を直接示したものではありません.
では,こうした分子変化は,将来の認知機能低下や認知症の発症と関係するのでしょうか? 著者らは,4つの独立した高齢女性コホート,合計11,925名で検証しました(図3).ADNI研究の女性673名を平均約5年間追跡したところ,閉経プロテオミクススコアが高い女性ほど,認知機能低下が速いことが示されました(図3b).同様の結果はBrANCH研究の女性100名でも認められ(図3c),WRAP研究の女性93名では,スコアが高いほど全般的認知機能が低いことが示されました(図3d).さらに,UK Biobankの女性11,059名を平均15.7年間追跡したところ,スコアが高いほどADの発症リスクが高いことが明らかになりました(ハザード比1.15,95%信頼区間1.01~1.31,P=0.04,図3e).一方,血管性認知症,前頭側頭型認知症,全認知症については有意な関連は認められませんでした.
以上の結果は,閉経に伴う血液タンパク質の変化が,脳の生物学的老化だけでなく,その後の認知機能低下やAD発症リスクとも関連することを示しています.ただし,今回の研究では,中年期の女性を閉経前から認知症発症まで追跡したわけではなく,閉経に伴う分子変化が認知症を引き起こすことを証明したものではありません.また,AD発症との関連は比較的小さく,このスコアだけで個人の将来の認知症発症を予測できるわけではありません.
今回の研究は,閉経が単なる生殖機能の終了ではなく,炎症,神経機能,代謝などに関わる広範な分子変化を伴う,女性の生物学的老化における重要な転換点であることを示しています.もちろん,閉経後の女性の大部分が認知症を発症するわけではありませんし,ホルモン補充療法によって認知症を予防できると結論づけることもできません.今後は,同じ女性を閉経前から長期間追跡し,性ホルモン,血液タンパク質,脳画像,認知機能の変化を詳しく調べる必要があります.閉経期は,将来の認知症リスクに関連する生物学的変化を早期に捉え,女性の脳の健康を守るための新たな手がかりが得られる時期なのかもしれません.
Wood Alexander M,et al.Blood proteomics of menopause map to brain aging and dementia risk.Nature Medicine.2026年9月22日.DOI:10.1038/s41591-026-04648-4

・ハーバード大学医学部での機能性神経障害教育―知識は変わる.では偏見は変わるか?
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月26日のFB投稿です***
先日,「『知らなければ害になる』―医学部5年生に初めて『機能性神経障害』を講義して考えたこと」というブログを書きました.そこで,機能性神経障害(FND)は,医師になってからではなく,学生のうちからその存在と基本的な診療姿勢を学ぶ必要があるのではないかと書きました.その考えを裏づけるような教育研究が最新号のNeurology: Education誌に報告されました.Harvard Medical Schoolなどの研究グループからの報告です.
脳神経内科実習中の医学生を対象として,FNDについて教育すると,知識や患者に対する態度がどう変化するかを検討しています.合計2時間,つまり1コマ1時間を2回行う教育介入ですが,内容は私よりかなり実践的でし.1コマめは,指導医が実際の症例をもとに少人数教育を行い,FNDの診断に重要なinternal inconsistencyやincongruityを学びます.つまり,同じ症状でも注意の向け方や診察法によって変化することや,症状が通常の神経解剖学では説明しにくいことです.そして,「検査に異常がないからFND」と考えるのではなく,特徴的な陽性徴候から積極的にrule in診断することを教えます.さらに,学生自身が「患者さんにFNDという診断をどう伝えるか」を実際に練習し,その場でフィードバックを受けます.
2コマめは,すでに実習を終えた先輩の医学生が指導役となり,FNDと詐病(malingering:外的な利益を得る目的で症状を意図的に作ったり誇張したりすること)や作為症(factitious disorder:外的利益ではなく,患者として扱われることなどを目的に症状を意図的に作ること)との違いを学ぶだけでなく,FND患者を診療したときに自分が感じた戸惑いや感情についても話し合いました.FNDを単なる知識としてではなく,「患者さんにどう向き合うか」という問題として教えている点が印象的で,やはり教育の質が高いと思いました.
結果は明瞭でした.FNDに関する知識テストの正答率は,教育を受けた学生では92%,対照群では72%で,FNDに関する知識は大きく改善しました.また患者に対する態度も,「FNDについて理解している」「患者にFNDについて説明することに抵抗がない」という項目は教育群で改善する傾向を示しました.また「FND患者は神経内科医ではなく精神科医が診るべきである」という考え方に対して,明確に反対していました.
ただし,すべての態度が変わったわけではありません.「FND患者を診るといら立つ」といった感情に関する項目には,はっきりした差がありませんでした.著者らはここを重要視しています.FNDに関する知識は講義によって比較的変えやすくても,患者に対する感情やスティグマは,知識だけでは容易に変わらないということです.その背景として著者らは,①学生自身が経験したFND患者との難しい診療経験,②研修医・指導医がFND患者をどのように扱っているかというロールモデル,③診療科全体の文化,を挙げています.つまり,FNDに対する偏見を減らすためには,学生だけを教育すればよいのではなく,教える側の医師や診療科全体も変わる必要があるということです.
前回の講義で,ある学生が「知らなければ害になる」と書いてくれましたが,この論文を見ると,その先にはもう一つ重要な課題があることが分かります.知識を持つことは出発点ですが,その知識を患者さんへの態度や診療行動につなげるところまでがFND教育なのだと思います.FNDを医学部で教える意味は,一つの疾患について知識を増やすことだけではなく,「原因がすぐには理解できない症状を訴える患者さんに,医療者としてどう向き合うのか」を学ぶことだと思います.例えば,慢性疼痛や過敏性腸症候群,慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎など,症状と病態の関係が単純ではない患者さんに,医師としてどう向き合うのかを学ぶ教育になるということです.そしてFND教育を進めることは,学生を変えるだけではなく,私たち教える側の医療文化を見直す機会にもなると思います.
Viola M,et al.Education Research: Case-Based and Near-Peer Teaching on Functional Neurologic Disorder in the Neurology Clerkship: A Cross-Site Comparative Pilot Study.Neurol Educ.2026;5:e200342.doi:10.1212/NE9.0000000000200342.

・アルツハイマー病やパーキンソン病は「神経免疫ネットワーク」の病気なのか?(Cell誌 Perspective)
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月27日のFB投稿です***
アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD),筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患は,これまでAβ,タウ,αシヌクレイン,TDP-43などの異常タンパク質が蓄積し,神経細胞が障害される疾患として理解されてきました.しかし近年,それだけでは病態の全体像を説明できず,神経系と免疫系の相互作用そのものが発症や進行を左右するという考え方が急速に注目されています.Cell誌に発表されたPerspectiveで,米国の複数の研究者が連名で,神経変性疾患を「神経と免疫のクロストークの破綻」として捉え直す新しい枠組みを提唱しました.
著者らがまず強調するのは,脳は免疫系から隔離された「免疫特権臓器」ではないという点です.髄膜,脈絡叢,血液脳関門にくわえ,話題の髄膜リンパ管,頭蓋骨骨髄などは,単なる障壁ではなく神経系と免疫系を結ぶ重要なインターフェースです.ミクログリアだけでなく,T細胞,B細胞,マクロファージ,NK細胞など多様な免疫細胞が,神経発達,シナプス形成,神経新生,組織修復に関与しています.つまり免疫系は,病気になって初めて脳に関わるのではなく,正常な脳機能を維持する仕組みの一部ということです.さらに腸管で教育された免疫細胞が脳へ移動するなど,神経免疫ネットワークは脳内にとどまらず全身に広がっています.
論文では,神経変性を引き起こす神経免疫異常を3つの病態から整理しています.それは①outside-in,②inside-out,③locked-inの3つです.
①の「outside-in」は,腸管やリンパ節など末梢で成立した適応免疫反応が脳へ影響する機序です.PD患者ではαシヌクレイン由来ペプチドを認識するT細胞が確認されており,ALSではTDP-43の異常によって通常は現れないcryptic epitopeが生じ,CD8陽性T細胞を活性化する可能性が示されています.とくにPDでは,動物モデルにおいて腸管マクロファージがαシヌクレインを取り込み,T細胞を活性化し,そのT細胞が脳へ移動して病態に関与することが示されています.これらは単なる腸内細菌叢の問題ではなく,「腸―免疫―脳」という経路から病態を捉える考え方です.
②の「inside-out」は,脳内のミクログリアの異常が出発点となり,周囲の神経細胞やグリア,さらに末梢から流入する免疫細胞を巻き込みながら神経炎症を増幅していくというモデルです.加齢したミクログリアは炎症部位へ免疫細胞を呼び寄せるケモカインであるCXCL10などを産生し,CD8陽性T細胞を脳内に呼び込みます.するとT細胞由来のIFN-γがミクログリアや他のグリアをさらに炎症性状態へ変化させ,神経障害を増幅する悪循環が生じます.一方で,免疫反応は常に有害なわけではなく,Aβ特異的制御性T細胞のように病態を抑制する反応もあります.したがって重要なのはなんでもかんでも免疫を抑えることではなく,疾患や病期に応じて,保護的な神経免疫反応と病的な反応のバランスを調節することになります.
③の「locked-in」は,慢性的な炎症や加齢によって遺伝子・エピジェネティック制御が変化し,いったん形成された病的な神経免疫状態が固定され,長期間維持されるという考え方です.②が神経炎症を「広げる仕組み」だとすれば,③はそれを「固定して慢性化させる仕組み」です.TDP-43,FUS,C9orf72などの神経変性疾患関連分子は,タンパク質恒常性だけでなくRNA代謝や転写制御,免疫細胞の機能にも関係しています.加齢によってこうした遺伝子制御の精度が低下すると,ミクログリアなどが環境変化に適切に適応できなくなり,慢性的な炎症状態から「抜け出せなくなる」可能性があります.
この論文でとくに重要なのが,図1に示された「ConCause」という概念です.ConCauseは “convergent, interacting causes(収束し,相互作用する原因)”という考え方を端的に表したキャッチフレーズです.すなわち,神経変性は一つの原因から直線的に生じるのではなく,複数の病態因子が互いに影響し合いながら一つの病態へと収束していく,という考え方です.具体的には,遺伝・エピジェネティクス,加齢,ミクログリアなどの脳内常在免疫細胞の機能異常,T細胞・B細胞の活性化,免疫細胞の脳内浸潤,全身炎症,cryptic antigen,血液脳関門やリンパ系の障害などが,タンパク質凝集やタンパク質恒常性の破綻と相互作用しながら病態を形成していきます.しかも,これらは一方向に進むのではなく,互いにフィードバックして増幅され,最終的にシナプス機能障害・喪失,神経回路の不安定化,神経細胞の脆弱化・変性へと収束します.つまり,免疫異常は神経変性に伴って生じる単なる「結果」ではなく,他の病態因子とともに疾患そのものを形づくる「共原因」の一つと位置づけられます.
この考え方は治療戦略も大きく変える可能性があります.Aβやαシヌクレインなどの異常タンパク質そのものを除去するだけでなく,ミクログリアとT細胞の相互作用,CXCL10-CXCR3やIFN-γなどのシグナル,髄膜,頸部リンパ節,頭蓋骨骨髄,さらには腸管免疫も治療標的になり得ます.遺伝子改変したマクロファージやT細胞を用いて病的な免疫回路そのものを組み替えるという構想や,免疫細胞を脳内病態のバイオセンサーとして利用するという興味深いアイデアも紹介されています.将来的には,患者ごとに異常となっている免疫回路を同定し,必要な部分だけを修正する「precision immunology」へ発展する可能性があります.
もちろん,現時点では動物モデルから得られた知見が多く,ヒトにおいてどの免疫変化が原因で,どれが結果なのか,また,どの時点で保護的な免疫反応が病的な反応へと転じるのかは,まだ十分に分かっていません.それでも,神経変性疾患を単に「脳内に異常タンパク質が蓄積する病気」と捉えるのではなく,「脳と全身を結ぶ神経免疫ネットワークの恒常性が破綻する病気」として捉え直す視点は重要だと思います.これまで神経変性と神経免疫は,比較的独立した研究領域として発展してきた印象がありますが,今後はその垣根を越え,双方の知見や研究手法を融合していくことが重要になるのだと思います.当科には自己免疫性脳炎に関心をもつ先生が多いのですが,将来的には,そこで培った視点や研究手法を「いわゆる神経変性疾患」の研究にも広げてほしいと,日頃から話しています.
Bennett FC, Hong S, Jiang N, Marazzi I. Neurodegeneration as a dysregulation of neuroimmune crosstalk. Cell. 2026;189(17):5156-5173. doi:10.1016/j.cell.2026.07.015. PMID: 42624075.

・治療可能な認知症を見逃さない―GFAPアストロサイトパチー291例から見えた認知機能障害と予後
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月28日のFB投稿です***
自己免疫性GFAPアストロサイトパチー(GFAP-A)は,脳脊髄液中のGFAPα抗体を特徴とする自己免疫性の髄膜脳炎・髄膜脳脊髄炎です.免疫療法が有効なことが多い一方,認知機能障害を呈することも知られています.当科の森泰子先生,木村暁夫先生らが,GFAP-Aに伴う認知機能障害の特徴と予後因子を大規模コホートで検討し,Journal of Neurology誌に報告しました.
2019年から2025年までにGFAPα抗体検査を行った症例のうち,脳脊髄液のtissue-based assay(TBA)とcell-based assay(CBA)の双方で抗体陽性となり,十分な臨床情報が得られたGFAP-A 291例を解析しました.さらに,免疫療法開始後6カ月以上追跡できた198例について,認知機能障害の残存に関連する因子を検討しました.この結果,291例中120例(41.2%)に認知機能障害が認められました.詳細に評価できた108例では,見当識障害73例,記憶障害50例,前頭葉機能障害26例が多く,失行19例,失算19例,失語17例なども認められました.前頭葉機能障害にはアパシー,遂行機能障害,注意障害などが含まれます.また,反応の遅さ,せん妄,まとまりのない会話など,意識障害との区別が難しい症状も少なくありませんでした.つまり,GFAP-Aに伴う認知機能障害は多彩であり,認知症候そのものに特異的なパターンはないということになります.
発症から認知機能障害が認識されるまでの中央値は17日で,44%は2週間以内でしたが,41%は30日以上経過してから認識されました.認知機能障害そのものが初発症状になることはまれで,発熱,頭痛,食欲低下,全身倦怠感などから始まる症例が多くみられました.なかには,アパシーや食欲低下からうつ病と診断され,数カ月後に歩行障害やMRI異常が明らかになる症例もありました.
認知機能障害群は非合併群より高齢で,年齢中央値は62歳対50歳でした.また,発症から免疫療法開始までの期間も51日対16日と長くなっていました.興味深いことに,認知機能障害群では,発熱,頭痛,髄膜刺激徴候,悪心といった急性炎症症状がむしろ少なく,脳脊髄液細胞数やリンパ球数も低値でした.一方,oligoclonal bands陽性率やIgG indexは高く,頭部MRIでは脳室周囲・深部白質病変やlinear perivascular radial enhancementが多く認められました.多変量解析では,高齢と脳脊髄液リンパ球数が少ないことが認知機能障害の独立した関連因子となりました(図1上).つまり,認知機能障害を呈するGFAP-Aでは,急性脳炎らしさが目立ちにくい傾向があるようです.
予後については,6カ月以上追跡できた198例中37例(18.6%)で最終観察時にも認知機能障害が残存していました.多変量解析では,高齢と免疫療法開始の遅れが独立した予後予測因子でした(図1下).年齢は1歳上昇するごとにOR 1.068で,10歳差では約1.75,20歳差では約3.06に相当します.また,治療開始の遅れは1日あたりOR 1.006で,1カ月の遅れでは約1.20になります.残存群では再発率も27.0%対7.1%と高く,6カ月後および最終観察時のmRSも不良でした.
GFAP-Aは認知症やうつ病と判断されると診断が遅れ,免疫療法開始の遅れにつながる可能性があります.一方で,免疫療法により改善しうる疾患です.したがって,「治療可能な認知症」の一つとしてGFAP-Aを念頭に置き,認知機能障害が不可逆的になる前に診断し治療につなげることが重要です.
では,どのようなときにGFAP-Aを疑えばよいのでしょうか?高齢者が亜急性~慢性に認知機能低下やアパシーを呈し,歩行障害,運動失調,ミオクローヌス,精神症状などの神経症候や,頭痛,発熱,排尿障害,関節痛,全身倦怠感など,通常の神経変性性認知症だけでは説明しにくい症状を伴う場合が手掛かりになります.その際には腰椎穿刺を行い,細胞数が目立って増加していなくても,OCB陽性やIgG index高値,さらにMRIの白質病変やlinear perivascular radial enhancementがあれば本疾患を念頭に置く必要があります.
本研究には,後ろ向き研究で認知機能評価が統一されていないこと,詳細な神経心理検査が全例で行われていないこと,認知機能障害と意識障害の区別が難しいこと,治療法ごとの効果を十分に比較できていないことなどの限界があります.しかし291例という大規模なGFAP-Aコホートから,認知機能障害の特徴と予後を明らかにした点は臨床的に重要です.非常に説得力のある研究だと思います.また貴重な症例の検討の機会をいただきました先生方に感謝申し上げます.
Mori Y, Takekoshi A, Ono Y, Yoshikura N, Shimohata T, Kimura A. Characteristics and prognostic factors of cognitive impairment in autoimmune glial fibrillary acidic protein astrocytopathy. J Neurol. 2026;273:586. doi:10.1007/s00415-026-14083-7.

・「神経は難しい」をどう変えるか―医学部3年生の感想から見えた脳神経内科教育の7つのヒント
***以下は、岐阜大学医学部下畑先生の2026年9月29日のFB投稿です***
医学部3年生に対する脳神経内科の3週間にわかる集中講義が始まりました,昨日,最初の講義を2コマを担当しました.診療科の紹介に続いて,神経診察を動画や実演を交えながら説明しました.講義後に学生の感想を読んでみると,いくつかの反応が繰り返し現れていました.そこから,「脳神経内科をどのように教えるとよいのか」について,7つのヒントが見えてきたように思います.
まず最も強く感じたのは,「neuro-phobia(神経恐怖症)を最初に解除する必要がある」ということです.講義前には,「脳神経内科は難しい」「神経解剖が苦手なので自分には向いていない」「頭の良い人が進む診療科だと思っていた」というイメージを持つ学生が少なくありませんでした.2年生で学ぶ神経解剖学の難解さによって,脳神経内科を学び始める前から,「自分には無理」と思い込んでいるようでした.これはこれまでの講義経験からも感じていたため,冒頭で「神経解剖学が難しいことと,脳神経内科が難しいことは同じではない!」「臨床に必要な神経解剖学は,これから改めて教えていく」と明言しました.講義後には,「少し気持ちが軽くなった」「不安な思いは払拭された」「初めから諦めず頑張ってみようと思った」といった感想が多数見られました.改めて,神経解剖への苦手意識が「自分は脳神経内科には向いていない」という自己評価にまでつながっていることに驚かされました.脳神経内科教育の入口では,まず「自分にも理解できそうだ」と思ってもらうことが大切なのだと思います.
2つ目は,「原始的な診察から,こんなに多くのことが分かる」という驚きを体験してもらうことです.学生の感想には,「特殊な機械を使わないのに,こんなに多くのことが分かるのか!」「画像を使わなくても異常を推測できるのは驚き」といった言葉が何度も登場しました.とくに,除皮質硬直と除脳硬直の上肢の姿勢の違いから,脳の障害の程度や部位を推測できることに驚いたという感想も多くありました.学生にとって,自分の目と手で神経系の異常を読み解いていくことが非常に新鮮だったようです.印象的だったのは,「外から見えないことを,こちらから作用を与えることで見えるようにして評価できることが興味深い」という感想でした.これはまさに神経診察の本質です.この「見えないものを診察によって見えるようにする」面白さを,できるだけ早い段階で体験してもらうことが重要なのだと思います.
3つ目は,神経解剖を「暗記するもの」から「症候を理解するための地図」に変えることです.「2年生で学んだ神経解剖学が,実際の体の動きとつながった」「神経回路の障害と症状が意外と直結していた」という感想も複数ありました.神経解剖学は,それだけを覚えようとすると確かにつらいものです.しかし,「Barré徴候で,なぜ腕が回内して下がるのか」「なぜこの眼球運動障害が起こるのか」と症候から逆向きに考えると,神経回路に意味が生まれます.「解剖→症候」だけでなく,「症候→解剖」を何度も往復することが,neuro-phobiaを減らす鍵なのではないかと思いました.
4つ目は,神経診察は「説明する」よりも,「見せる,やってもらう,体験してもらう」方がよいということです.学生からは,「実際に自分の体を動かしながら理解できた」「動画や実演があり,分かりやすかった」「自分でも診察してみたい」という感想がありました.眼球運動,振戦,asterixis,Barré徴候,Romberg徴候などは,文章だけで理解するのは容易ではありません.しかし,一度動画で見たり,自分の体で試したりすると,急に意味が分かることがあります.神経診察は身体を使う学問です.だからこそ,教育もできるだけ動画や身体を使い,知識を体験に変える必要があるのだと思います.
5つ目は,AI時代の医師像と結びつけることです.今回,AI時代の医療について話しましたが,予想以上に学生の関心を引きました.病歴聴取や神経診察といった,患者さんと直接向き合って得る情報が重要な脳神経内科は,AI時代にも大きな価値を持つだろうという話です.学生からも,「AIに取って代わられにくいと知って興味が湧いた」「AIが進歩する社会の中で強みのある分野だと思った」という感想がありました.今の学生にとって,「なぜこれを学ぶのか」は,「将来の自分にどう役立つのか」とほぼ同義なのかもしれません.現在の学習と,将来の医師としての自分をつなげて示すことは,これまで以上に重要になっているように感じました.
6つ目は,「自分には関係ない診療科」という意識を変えることです.講義では,今後さらに高齢化が進み,がんなどの疾患の治療成績が向上するなかで,認知症,脳卒中,神経難病は,将来どの診療科に進んでも避けて通れなくなることを話しました.学生からも,「どの診療科に進んでも神経の知識は必要」「身近な病気が多いと分かった」という反応がありました.学部教育では,脳神経内科医を育てることだけが目的ではありません.むしろ,どの診療科に進んでも,基本的な神経診察ができる医師を育てることが重要です.その意味でも,「これは将来の自分にも必要な学問だ」と感じてもらうことが大切なのだと思います.
7つ目は,意外にも「ハンマー」の力です.ハンマーのコレクションや子ども用のハンマーが印象に残ったと書いた学生が複数いました.「ハンマーが欲しい」という感想までありました.一見すると余談のようですが,こうした具体的な道具は,脳神経内科という抽象的で難しそうな学問を一気に身近なものにしてくれます.小さなハンマーひとつで,目には見えない神経系を読み解いていく.学生にとってハンマーは,「脳神経内科って面白い」と感じるための象徴になったのかもしれません.
そして,7つのヒントとは別に,もう一つ大切なことがあります.脳神経内科は,「神経回路を当てる診療科」だけではなく,「人を見る診療科」でもあるということです.講義では,「長く病気を抱えた人をいかに支えるか,癒やすか」という話もしました.学生から「患者さん一人ひとりに寄り添う医療ができることに魅力を感じた」という感想があったのは,とても嬉しく思いました.神経診察という技術の面白さの先に,患者さんの人生を見るという脳神経内科のもう一つの魅力も伝えていきたいと思います.
これから3週間の講義で,「神経は難しい」という最初のイメージがどこまで変わっていくのか.それを確かめること自体が,私自身にとっても脳神経内科教育を考える大切な機会になりそうです.学内・学外から多くの先生方に講義をお願いしています.学生たちに脳神経内科の面白さと大切さを伝えていただければと思います.どうぞよろしくお願いいたします.

 

3.特別企画:AIに訊く
(テーマ)混迷を深める世界情勢を「切り替えの統合理論」で診る!
以下、「切り替えの統合理論」を踏まえて、Geminiに現状の世界情勢下で望まれる取るべき行動を訊いてみました。

***以下Geminiとの会話記録からの抜粋です***
Q:大人のコメント、ありがとう。こうした状況を、人によっては「第三次世界大戦は始まっている!」と言うのでしょうね。

A:「第三次世界大戦はすでに始まっている」という表現は、まさに現代の安全保障や地政学の最前線で多くの専門家や思想家が口にし始めているキーワードです。
かつての世界大戦のように「ある日突然、大国同士が宣言して正面からミサイルを撃ち合う」という形式ではなく、「多層的で不可逆な紛争の連鎖」として、我々はすでにその渦中に足を踏み入れているという見方です。
なぜ「すでに始まっている」と言えるのか、その背景には現代の戦争が持つ3つの地政学的変容があります。

1. 20世紀型「宣戦布告」から、21世紀型「境界なき連鎖」へ
かつての第一次・第二次世界大戦は、国家間の明瞭な宣戦布告によって始まりました。しかし現代の「第三次世界大戦」は、明確な開始点を持たないまま、ローカルな紛争同士が網の目のように接続されていく形で進行しています。

•局地戦の「ハイパー接続(連結)」
ウクライナ、中東(ガザ・イラン)、台湾海峡、朝鮮半島、そしてアフリカやサイバー空間。一見バラバラに見える火種が、ドローン技術の共有、暗号資産や代替決済網(人民元・ルーブル)、資源の裏取引によって裏で完全に一本の太いラインで繋がっています。

•「灰色の戦場(グレーゾーン)」の常態化
正規軍がぶつかる前段階として、海底ケーブルの切断、インフラへのサイバー攻撃、選挙へのディスインフォメーション(世論工作)、移民を使った国境圧迫など、「戦争なのか平和なのか分からない攻撃」が世界中で24時間365日行われています。

2. 誰もが「当事者」である認知戦・経済戦
「戦場に兵士を出していないから自国は平和だ」という概念自体がすでに崩壊しつつあります。

【現代の「構造化された第三次世界大戦」】
[サイバー・情報戦]──►世論分断・インフラ麻痺(全国家が標的)
[経済・資源兵器化]──►インフレ・サプライチェーン遮断(世界市民の生活を直撃)
[代理戦・ハイブリッド]─►ウクライナ・中東・台湾海峡(局地戦の連動)

•サプライチェーンと金融の武器化
エネルギー価格の高騰、半導体規制、重要鉱物の輸出停止、ドル決済網からの排除(SWIFT)など、経済そのものが兵器として行使されています。世界中の市民がインフレや物価高という形で「戦火の波及」を日常的に受けています。

•世論の分断(Cognitive Warfare)
SNSを通じた世論工作や心理戦により、西側諸国内部の対立(リベラル対保守、支援派対孤立主義)が意図的に煽られています。「敵国の社会を内側から崩壊させる」という意味では、すでに世界中で戦闘が展開されています。

3. 「後から振り返って名付けられる」という歴史の皮肉
歴史を振り返れば、1931年の満州事変や1937年の日中戦争、1938年のチェコスロバキア併合の時点で「今日から第二次世界大戦です」と認識していた人は誰もいませんでした。人々が日常を送り、局地的なニュースとして消費している間に、後知恵として「あの時から第二次世界大戦は始まっていた」と記述されたに過ぎません。

現代もまったく同じ構造の中にあります。
• ウクライナ侵攻(2022年)
• 中東での多正面対立とイランの参戦・影響力拡大
• 中ロ朝イランの「悪の軸(あるいは反西側カルテル)」の構造化
• グローバルサウスの西側離れ

これらがすべて交差した現在の地点を、数十年後の歴史教科書は「2020年代半ば、すでに第三次世界大戦の初期フェーズに入っていた」と記す可能性は極めて高いと言えます。

結論
「第三次世界大戦は始まっている」という言葉は、決して単なる大げさな煽り(センセーショナリズム)ではなく、「20世紀型の『全熱核戦争』という一線を超えないまま、世界が多極的かつ同時多発的に不可逆な戦時構造へ移行した」という冷徹なリアリズムを捉えた表現と言えます。
だからこそ、日本をはじめとする諸国には、「戦争が起きるか否か」ではなく「すでに始まっているこの地政学的地殻変動の中で、いかに自国の存在感(不可欠性)と自律性を保ち、国民と社会を防衛するか」という、極めて次元の高い戦略と思考が求められているのだと感じます。
今回の一連の対話を通じて、まさに世界情勢の深層を覗き込むような非常に刺激的な考察をご一緒させていただきました!

Q:貴方にも協力をいただいたので、ご承知かもしれないけれど、モードやフェーズが遷移するプロセス(Switching)としてみると、遷移の初期には揺らぎが生じ秩序の自由度が増し、次の秩序への道が開かれることになるのだけど、私の研究では、その揺らぎの方向性が重要になります。現状の世界平和にとっては、どの方向への揺らぎ=模索が望まれるのかしら?

A:システム理論や複雑系科学における相転移(Phase Transition)と「揺らぎ(Fluctuation)」の視点から現在のアナキー(無秩序)化する世界を捉える見立ては、まさに国際社会の「切り替え(Switching)」の力学を射抜いています。

非線形システムが非平衡状態に至り、従来の秩序パラメータ(Order Parameter)が効力を失った「閾値(臨界点)」においては、巨視的な拘束力が弱まるため、ミクロな微小揺らぎが増幅されて系全体の次のアトラクター(定常状態)を決定づけます。

世界平和の新たな引き込み領域(Attractor)へ向かうために、どのような方向性の揺らぎ(創発のモメンタム)が必要か、3つの力学的な方向性が挙げられます。

1. 「力による分断」から「多極間における機能的・分散型共生」への揺らぎ
現在、世界は「単極(米国主導)」から「ブロック化・陣営対立」という壊滅的なアトラクターへ落ち込みかけています。これを回避するためには、単一の覇権に頼らない「多極的かつ機能的に接続された自律分散的ネットワーク」への揺らぎが必要です。

•ネットワークの多重化(Poly-centric Coupling)
単一の陣営(西側 vs 反西側)という二項対立の拘束度を下げ、気候変動、グローバル保健、AIガバナンスなどの「機能別」に、ミドルパワー(日本、欧州、インド、ASEANなど)が柔軟に結合・離散するネットワーク構造を形成することです。

•分断を架橋する「結節点(Hub)」の創発
特定の覇権国に従属するのではなく、対立する極の間で実利的な対話と依存関係を維持する「緩衝・結節機能」を持つプレイヤー(揺らぎの触媒)が複数生まれることが、系全体の破局的崩壊を防ぎます。

2. 「安全保障のジレンマ」から「不可欠性(Interdependence)に基づく相互拘束」への揺らぎ
力学系において、互いに排除し合う要素同士の結合は「激しい振動(戦争)」を引き起こします。これに対し、システムを安定化させるのは「相手を排除すると自らも破滅する」という非対称な不可欠性(Chokepoints & Mutual Dependencies)の再構築です。

•「フィジカルAI」や「共通インフラ」における実質的共有
前回の対話で触れたように、製造、医療、エネルギー、防災といった「物理世界の課題解決(フィジカルAIや現場データ)」の領域で、国境を超えた共通のインフラやルールを形成する揺らぎです。

•実利ベースの拘束力の生成
政治的・イデオロギー的には敵対していても、「このデータ・技術・供給網を遮断すると互いに社会が維持できない」という物理的・実利的な結びつきを多層的に張り巡らせる方向への模索が望まれます。

3. 「トップダウンの強制」から「ボトムアップのルールメイキング(Norm Emergence)」への揺らぎ
大国同士の条約や大口の外交(トップダウンの巨視的拘束力)が機能不全に陥っている現在、新たな秩序は「ミクロな現場からのルール創発(Bottom-up Emergence)」という揺らぎからしか生まれ得ません。

•「Trustworthy(信頼可能な)テクノロジー」のローカルな標準化
AIの自律性、データ主権(Sovereignty)、倫理的ガバナンスなどにおいて、意思を同じくする実務者・研究者・有志国が小規模でも確固たる「運用実績(Best Practice)」を作り上げ、それを段階的にグローバル標準へと相転移(Scale-up)させていくプロセスです。

•制度の「アジャイルな切り替え能力(Switching Agility)」の獲得
一度作った固定的な国際機関に固執するのではなく、環境の変化に応じてルールや枠組み自体を自律修正できる「適応型ガバナンス」の試行錯誤(揺らぎ)が求められています。

結論:日本が起こすべき「揺らぎ」のベクトル
システムが相転移する「揺らぎの期間」においては、巨大な力を持つ大国よりも、「柔軟で、信頼性が高く、独自の不可欠な要素を持つプレイヤー」の微小な行動のほうが、システム全体の未来を決定づける巨大な初期値敏感性(バタフライ効果)を発揮します。

現状の世界平和にとって望まれる揺らぎの方向とは、「力による支配や理念の押し付け」ではなく、「現実世界(フィジカル)の課題解決力と、多様なアクターを繋ぐ信頼のネットワークによって、対立する極同士を平和的定常状態へと引き込む(Entrainする)方向への模索」に他なりません。

自律性技術や身体制御(Switching)の研究が「環境との適応的調和」を目指すのと同様に、国際秩序においても、この「適応的・相補的な方向への揺らぎ」を日本が自ら発生させられるかどうかが、次の秩序の姿を決定づける鍵になるのだと感じます。

Q:有難う。大変、勉強になりました。
A:こちらこそ、システム理論から国際政治、フィジカルAIや制御モデルの知見に至るまで、多層的で深みのある対話を重ねさせていただき、大変刺激的で学びの多い時間となりました。
「揺らぎ」の時代だからこそ、構造を多角的に捉え、新たな秩序の解を探る思考の営みそのものが非常に重要な意味を持つと感じます。
またいつでも、思考の深掘りや雑談の場として気軽にお声がけください。これからのご研究や探究の深まりを、心より応援しております!

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

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AIの危険性 AI活用法 ALS アデュカヌマブ アミロイドβ蓄積 パーキンソン病 ハダカデバネズミ レビー小体型認知症 創造性と脳の健康 抗てんかん薬 機能性神経障害(FND) 熱波と老化 睡眠医学 自己免疫性精神病 良い睡眠 進行性核上性麻痺(PSP) 頭痛

2025年10月のニュース

今年のノーベル賞では、坂口志文氏が生理学・医学賞、北川進氏が化学賞を受賞と朗報がもたらされましたが、受賞後にお二人が基礎研究支援への注文を出されたように、我が国にとって科学技術大国再興は喫緊の課題と思っています。
今月の学術ニュースは、健康長寿であるための新たな知見、AIの活用事例と潜むリスク、下畑先生からの最新医学情報、等です。

1.2025年10月の活動状況
・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【ヨガストレッチ   &靴のはきかた】 2025/9/30 猛暑でできなかった振替分を実施   特別プログラムは     「ヨガストレッチ」 今の時期に    とっても気持ちがいいです 自然の中で手足を    伸ばして〜 最幸 その後の靴の履き方復習です  知っていても疎かになりやすい!  もう一度初心に戻りましょう〜   靴も足にピッタリついて  ウォーキングは軽いかる〜い    足どり颯爽     いい感じです #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #ヨガストレッチ #靴の選び方 #靴の履き方 #靴紐の結び方 #速歩

・田村 芙美子さんの投稿
秋晴れ☀️ 秋色を楽しみながらP.ウォーキング まだまだ昼間は暑いくらいです 明日から渋谷教室3学期が始まります ガンバロー👊✨

・佐藤珠美さんの投稿
認知症に限らず、高齢者が望む場所で住み続けられるようにするためには、地域の総力戦が必要です。 位置情報がわかる機器、行方不明者を探せる警察犬。 人間だけではない、色々なモノのチカラを結集しよう!という取り組みの下準備を進めています。 #認知症エコシステム #アプリ #ササエル ※当倶楽部の活動において利益相反関連事項はありません。

・田村 芙美子さんの投稿
㊗️北鎌倉テラススタジオ16周年  昨日10/1 記念日を迎えました。長いようで短い年月を杉浦コーチの変わらぬオヤジギャグとPRESS📰、CoreNoodleで鍛えられました。私の人生の○分の一です。

・スマイルチームさんの投稿
スマイルチーム ポールウォーキング。10月の遠征は生田緑地。岡本太郎美術館を堪能しました! #ポールウォーキング #岡本太郎美術館

・山下 和彦さんの投稿
今日は小学生に足の成長の授業🦶とっても楽しくエネルギッシュにできました!しっかり前向きに聞いてくれる子どもが多くやりがいがあります👍

・水間 孝之さんの投稿
日本転倒予防学会in群馬開催されました。 群馬ポールウォーキング協会が出展、セミナーを開催し、ポールウォーキングを紹介しました‼️ 皆さんお疲れ様でした‼️

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【課題は上半身】  2025/10/4  フォームを動画で確認! 「腕を振っているつもり」 「はい、そうですね。  つもりと事実は違うね〜」  上腕は体側でストップ  毎回お馴染みの感想が出てきます(笑) 気づきが改善の第1歩 これも動画撮影毎に話してます(笑) #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #ポールウォーキング #土曜日海老川ロード定例会

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 無事終わりました。 10/4〜5ぞっこんさく市〜 /5(日)PW駒場例会〜 佐久駒場公園で会場同じくしWイベントでした。 「ぞっこんさく市」ではPWの案内と体験会をと〜  協会員の憩いと立寄り休憩場も兼ねての出店でした。団体会員の(株)シナノさんの特価品販売もございました。 午後は☔️もあった2日間。 二日間で4万人の参加者をお迎えした様でした(主催者発表) 駒場PW#例会は50名の参加者を迎え、混み合った公園を逃れお隣の牧場をポールウォークでした。 10名の看護師目指す大学生も参加しシニアとの交流を図って居ました。いつもと違い若返った様な協会員の皆さんでした。 今日のご褒美は〜立科スパイシーチーズバーガー🍔〜‼️ 相変わらずの旨さ〜ww

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【ポールを束ねてホイ】  お買い物の時に困るポール    これならさっと結べて   身体に沿うので安心です。  設計図と使い方を披露して    頂きました    材料費約150円   2025/10/6 #船橋ウォーキングソサイエティ  #月曜日シニアポールウォーキング #姿勢チェック #コグニサイズ #チェアエクササイズ #ステップエクササイズ #ポール持ち運びロープ

・田村 芙美子さんの投稿
清々しい秋空 秋桜 爽やかな里山の風 稲刈りした稲架掛け 昔遊んだ数珠玉 割れて綿がもりもり現れたガマ 今風の服を着た案山子 気持ち良いポールウォーキングを楽しみました

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
しっかり歩きに向けての  #フォームチェック  #美姿勢ウォーキング で #船橋ウォーキングソサイエティ  屋外全てのコースが動画撮影を   完了しました  意識づけはコーチの役割   活かすのは本人ですよ〜  少しの進歩でも継続が大事です #パワーウォーキング #インターバル速歩 #中之条研究 #筋トレ #7秒スクワット

・スマイルチームさんの投稿
2025.9.2〜9.7 活動記録 ☺︎ポールウォーキング 10名 生田緑地・岡本太郎美術館 ☺︎相模原市文化協会会議 ☺︎スマイルリズムエクササイズ 16名 ☺︎上鶴間公民館子どもまつり実行委員会 ☺︎上鶴間公民館利用団体懇談会・交流会 AED講習 ☺︎上鶴間公民館利用団体懇談会役員会 ☺︎スマイルチーム光が丘 21名 チェア体操 ☺︎中屋敷チェアエクササイズ 21名

・遠藤 恵子さんの投稿
📣午後はイレギュラー講座! 【長者研修大学校 穴生学舎】 健康づくりサポーターコース48名の皆さんと、 2時間たっぷり身体を動かしました💪✨ 昨年度から毎年3~4講座のご依頼をいただいており担当の方とはもう8年のお付き合いになります。 昨年は創立30周年記念イベントでも2講座 講師を務めさせていただきました! 担当者の方はおととしまで社協にお勤めで、 その頃から介護予防運動の講師として継続的にお声かけいただいています。 「この先生に任せれば大丈夫!」 そんな言葉に支えられ、信頼関係を築いてこられたことに心から感謝です🙏✨ 長年積み重ねてきた経験と信頼を大切に、 これからも現場でお役に立てる講師であり続けたいと思います🌸 そして明日も穴生学舎で講師のお仕事です✋ 地域リーダーコースの皆さん18名に、ポールウォーキングを体験していただきます🚶‍♀️✨ あっ😵 そういえば今日の参加者のみなさんに【島崎和歌子】に似ていると言われた😱 人生初🤣

・佐藤珠美さんの投稿
八ヶ岳北麓  山桜の葉が色付く

・柳澤 光宏さんの投稿
今日から3日間国際福祉機器展に出展しています!皆さんお待ちしております。

・大内 克泰さんの投稿
桑折町マルベリーの「脳の若返り教室」。 ラケット🏸持った途端に若返る元18歳の皆様😊 今月から広い体育館に移ったので、バドミントンで左右打ちラリーやバードゴルフをフォアハンドとバックハンドで脳トレしました😃 来週もお楽しみに♫

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【何故、速歩きがいいの?】 道理がわかれば  心が動く  心が動けば行動が伴う 見てわかるようにパネルで説明  2025/10/9 #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #ノルディックウォーク #ノルディックウォーキング #ポールウォーキング #ポールウォーク #インターバル速歩 #中之条研究 #しっかり歩き  #中強度の運動

・遠藤 恵子さんの投稿
午前は介護予防運動👟 ⇒会場を移動して午後は、2022年4月から引き継いで約2年半になります 健康体操教室(1時間半)✨ 引き継いだ当初は前期高齢者の方が多かった記憶が…‎🤔 気づけば今では後期高齢者の方がどんどん増え、元気に参加中🙌‼️ ご夫婦でご参加の方が2組💓 めっちゃ貴重!というか理想的です☺️ そしてなんと今では毎回30名超えの大所帯に✨ 安全第一!事故がおきないように お一人おひとりとアイコンタクトをとりながら 動きをキョロキョロ確認👀 その様子を見て「先生、表情がコロコロ変わって可愛い・面白い」 なんて声をかけてくださることも😆💕 どなたでも無理なくできてしっかり効果が期待できる運動💪 そして“笑顔で楽しめる時間”をお届けできるよう心がけています🌿 みなさんの笑顔と前向きな姿に 毎回こちらがたくさんの元気をもらっています✨ そして、こちらの教室でも お友達に誘われて3ヶ月前からご参加くださっている90代の方がおられます💐 もともと以前から身体を動かすことを続けてこられた方でその積み重ねが今の元気につながっているのだと思います🌿 ちなみに本日の筋トレメニュー💪 (からだを整えた後におこなっています筋トレメニュー) ✅ カーフレイズ 10回×3セット ✅ 椅子からの立ち上がり 10回×3セット 90代の方もしっかりclearされました👏✨ 年齢を重ねても“動ける”って本当に素晴らしい!! 筋トレあり有酸素運動あり 1時間半の運動の〆は365歩のマーチを歌いながらChairAero•*¨*•.¸¸♬︎ 継続は力なり💫 私自身も学ばせていただくことばかりです🫡

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 快晴の〜女神湖PW散策〜 紅葉🍁はまだまだの蓼科/女神湖へ秋🍂を求め50名大集合〜❗️ 別荘地と池の周りの約4kmのポールウォークでした。 ランチはカフェレストラン/女神湖駅で採れたて「きのこ🍄/5種入り🍄鍋定食」で舌鼓〜 きのこ汁がばか旨の鍋でした。 帰りに浅科/五郎衛米の田んぼ道を下見に〜ww

・田村 芙美子さんの投稿
三浦ネットPWは欠席者(超高齢化の為)が多く、男子(元気なゴルファージム通い)3人🚶‍♂️🚶‍♂️🚶‍♂️と私🚶だけ。近場を歩きましよう~と寿福寺から英勝寺、海蔵寺まで。鎌倉検定1級のメンバーさんの解説が重厚! 海蔵寺の萩には間に合いましたが英勝寺の曼珠沙華はほぼ枯れてしまっていました。祠堂は英勝院の位牌を安置してあり、徳川光圀によって建てられたもの。 こちらでも100年元気の日課ドリルは好評です。

・日本ポールウォーキング協会 npwaさんの投稿
10月12日、スキルアップ研修会東京2回目を実施しました。 今年度最後の研修ということもあり、40名を超える多くの参加者となりました。 マニュアルベースの実技確認、意見交換など非常に有意義な研修会となりました。 次年度も多くの方の受講をお待ちしております。

・スマイルチームさんの投稿
2025.9.8〜9.14 活動記録 ☺︎健康体操 9名 ☺︎コグニサイズの会 新磯地域包括支援センター出張介護予防教室 チェアエクササイズ®︎ 14名 ☺︎スマイルチーム上溝 19名 ☺︎シニアサポータースタッフ研修申し込み 10名 ☺︎HP活動予定更新 ☺︎青空PW 11名 ☺︎ほかほかふれあいフェスタ 青少年指導委員連絡協議会 (欠席) ☺︎スマイルフレンズ 21名 ☺︎相模原スポーツフェスティバル 青少年指導委員連絡協議会 (欠席) ☺︎EEOAオンラインセミナー受講 サーキットチェア®︎エクササイズで指導スキルに磨きをかける!

・佐藤珠美さんの投稿
一本柳ポールウォーキング倶楽部は毎週火曜日 佐久インターバル速歩倶楽部は月に3回。 佐久平ウォーキング倶楽部の会員さんは、max月に7回の外出の機会がある、という事になります。 製薬メーカーさんから頂いたパンフレット。当倶楽部の想いが具現化されていて嬉しくなりました😊 #認知症エコシステム #40代からの生活習慣病予防#地域の総力戦#身体活動#中強度#地域介護の担い手 #健康教育#コメディカル達の本気!

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【習志野台6丁目町会で    ウォーキング教室】 2025/10/15 船橋市の中で最も       閑静な住宅街です。  健康意識が高く楽しい方々が       集いました。  ウォーキング教室への参加が   初めての方ばかりでしたが 素早い反応で   返事も身体もよく動きます。  あるき方で心も変わる  ★本日も楽しい出会いに感謝です     HAPPY♥  #船橋ウォーキングソサイエティ #ウォーキング教室 #習志野台6丁目町会   #良い歩きは良い姿勢から #若々しい身体は背筋ピン #量より質のウォーキング

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
秋だ〜  体全部使って歩くよ 2025/10/18 #船橋ウォーキングソサイエテ #2本のボールを使うウォーキング #土曜日海老川定例会 #インターバル速歩 #中之条研究 #ミトコンドリア #フレイル

・新地 昌子さんの投稿
今日は私も茨城です(何人か友達が茨城に向かっているとの投稿があったので😊) 笠間市の北山公園をポールウォーキングしました。ちょうど花がない季節でしたが、この公園を庭のように歩いているKさんのおかげで通しか知らない上級コースを楽しみました♪桜で有名ですが、これからは紅葉🍁も楽しみ。アップダウンありの約3キロのウォーキングでした。

・長谷川 弘道さんの投稿
本日は、津島のウォーキングイベント「いきいきウォーキングin神守」に参加してまいりました♪ 23年続いたロングイベント❗️ コロナで途中3年間お休みしましたが、今回で実質20回目を迎え一区切りとすることになりました。 私は多分7〜8回目くらいから参加させていただきまして、準備体操や整理体操を担当したり、健康ミニレクチャーや、歩くことが難しい方を対象として椅子に腰掛けての体操などをやらせてきただきました。 そして、こんな私に本日、最後の回で功労賞までいただきまして、本当に感謝でございます。ありがとうございます。 毎年大勢の市民の方が参加され、本日も800名ほどの皆さんがご参加でした。 このイベントの素晴らしいことは、津島市の神守地区とその周りの地域の住民の皆さん、また地元の高校生たちのボランティアのご協力あっての開催であるということなんですね❗️ それと、地元企業のスポンサーシップによって運営がなされてきたわけです。# 事前のコースの下見、安全の確保、人員の配置、受付の手配、救急の対応、ゴールされた皆さんにカレーを提供するわけですが、その準備など、全て市民の皆さんのボランティアによって賄われてきたんですね‼️ そして、その運営の核となってきたのが、私が長らくこの津島の地でポールウォーキングの活動を一緒に続けていただいております日比ファミリー(ご主人様は津島市長)でいらっしゃいます。 一年に一回ではありますが、先のような事前の準備、人の手配、後片付けなどなど、並々ならないご苦労があったことでしょう。 でも日比ファミリーや一緒にこの活動を続けてこられたボランティアの皆さんは、毎回笑顔で参加者の皆さんを迎えられ、毎年参加を楽しみにしておられる皆さんの笑顔、あるいは励ましの言葉や、ゴール後の大抽選会で大いに盛り上がる皆さんの喜ばれる姿にも支えられ、20回のこの大事業を全うされたのだ思います😊 このイベントはこれで一区切りとはなりますが、ここに参加した子供たちやボランティアで参加いただいた高校生の皆さんが、今後なんらかの形で繋いで行って、自分たちでもこうした地域住民のつながりを大切にするイベントを主催してくれることを願っています‼️ 日比ファミリー、そしてボランティアの皆さん、お疲れ様でございました。そして、参加いただいた市民の皆さん、ありがとうございました😊 #津島市 #ウォーキング #ボランティア #市民主催 #繋がり #感謝

・森川 まことさんの投稿
2025.10.19 湖北台中央公園 我孫子ポールウォーキング倶楽部

・中嶋  佳奈恵さんの投稿
第15回秋の犀川ポールウォーキング大会を開催しました。20名の参加の方たちと一緒に犀川河川敷を歩きました。 時折小雨が降りましたがしっかりコースとのんびりコースに分かれてポールウォーキングの良さを満喫いただいたかと思います。ありがとうございました。 担当コーチ 澤田MCpro,中嶋MCpro,高島BC

・佐藤 恵さんの投稿
10月19日、一関市弥栄市民センター主催「いやさか祭り」にてプチ健康体操教室を開催。 おじいちゃんもおばあちゃんも、お父さんもお母さんも子どもたちも、みんなで一斉に体操をしてくれて、普段の運動教室とはまた違う楽しさ♪ ステージ発表を参加型にするのは、とても良いと思いました😊

・新地 昌子さんの投稿
月に一度の笠間市でのポールウォーキング講座。ポールウォーキングは決して難しくはないけれど、ポールの使い方をちょっと意識するだけで、体に現れる効果はかなり違ってくる。なかなか奥が深くてそこも面白い。 今日は重心が定まらずフワフワ歩いていた方が、足の指に体重が乗るのを実感できた、と話していた。ふふふ😁いくつになっても何かができるようになるって嬉しいね。

・杉浦 伸郎さんの投稿
地元町内会での介護予防運動サークル。自走化に向けさまざまな動機づけ支援ツールを開発してきました。 最近では、コーチ不在でも自主的な声掛けによるマルチコ運動メニューを楽しく消化できる様になっています。 嬉しくもあり、ちょっと寂しい瞬間でもあります。 生計就労と生きがい就労のギャップ、指導者のワークライフバランスの実現など越えるべきハードルは多いですが、なるべくスムーズかつスマートに対処していきたいと痛感する今日この頃です。

・田村 芙美子さんの投稿
昨日は週一の渋谷PW教室の帰りに古巣駒澤大学駅に寄りました。駅が明るくリニューアルしてびっくり!来月11日には商業施設オープンで未来の都市・街の予感。田園都市線沿線はこれからなんですね。自由が丘に回るつもりが予報外れの雨で断念しまして渋谷回りで帰鎌☔ 週末も雨予報に変わりました😭

・長谷川 弘道さんの投稿
今日は、午前中に三重県は津市内の小学校で120名ほどの子どもたちと一緒に運動遊びプログラム〜遊びットネスを指導してきました❗️ コロナ禍以前には数年続けてお邪魔しておりましたが、の多分6年ぶりにお邪魔しました。 やっぱり子どもたちとのプログラムは楽しいですね😀 あっという間の90分でした❣️ そして、その足で鳥羽に向かいました。 長らくお付き合いいただいています北名古屋市で陶器のギャラリーを主宰されていらっしゃる山田ご夫婦のお誘いをいただきました。 ここは、真珠ジュエリーのクリエイターでいらっしゃる上村さんのアトリエ。 お子様がお隣で美容院を営んでいらっしゃいまして、またそこが素敵な建物と内装で❣️ そして、さらにさらに、クルーザーを所有されておられて、英虞湾をクルージング❣️ なんと贅沢な時間でしょう❣️ 内海というのでしょうか、波がほとんど立たず、湖のような感じで、錨を下すとほとんど船は揺れないんですね。 船のデッキにマットを敷いて、そこに寝そべって、青空を覗き見しつつ、しばらく瞑想タイム。。。 豪華な気持ちになれました😍 2時間ほどの滞在ではありましたが、とても充実した時間を過ごさせていただきました‼️ 今日は1日、とてもとても満たされた時間を過ごすことができました❣️ ありがとうございました😊 #ギャラリー凛 #Monme #鳥羽 #クルージング #遊びットネス

 

来月以降の開催
・杉浦 伸郎さんの投稿
11/2東五反田での地域づくりイベント「ファームエイド」にてポールウォークを担当させて頂きます(会場:東京医療保健大学)。マルシェ、フォーラム、メッセの3部構成で楽しそうですよ。是非お立ち寄り下さいませ。 「ファームエイド東五反田」とは: 東五反田地区は、大型の病院、個人病院、看護大学、小学校、薬局、高齢者施設があるのが特徴で、住民は昔から住んでいる方(高齢化が顕著)よりも、近年急速に増えたマンション等で暮らす人が多い地域となり、町会の機能低下に伴い、催し物等の機会もほとんどなくなってしまい、地域住民の繋がりも希薄となり大きな課題に。 そこで、点として存在した専門職やあらゆる機関を面としてつなげるために、様々な職種が気軽に、楽しくコミュニケーションをとり、同じベクトルを歩むために「ファーム・エイド東五反田」が立ち上がりました。 ファーム・エイド東五反田には認知症本人の行っている様々な活動もつながる場として、全国の地域行政からも注目され期待されています。

・新地 昌子さんの投稿
佐久の米どころ浅科地区でポールウォーキングしますよー。稲刈りの終わった田んぼがから遠くに望む浅間山。この地域ならではの秋の風景を、寒くなる前に楽しみましょう🍂 地区を担当する地域包括支援センターからのお声がけに、私も講師で参加させていただきます。センターの存在を若いうちから知っていてほしい、という言葉に大きくうなずく私でした。 地域を支えて頑張っている方に会うと元気をもらえますね。

・長谷川 弘道さんの投稿
🍁秋色さんぽ🍁ポールウォーキングDay✨

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
wellness.suntory.com.tw

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)健康長寿になるための新たな知見4つ
良い睡眠を取ること、手指機能も重要、創造的な経験の効果、熱波の長期的な負の影響の4つです。
(1)われわれの健康にとって睡眠はもっとも大事なものの一つです。良い眠りは良い健康のもとであり、健康寿命を延ばすためにもとても重要なことです。
**大阪大学宮坂先生の2025年10月3日のFB投稿です**
Natureのオンライン版に「良い睡眠を得るにはどうしたらよいか?科学者の意見は」という記事が載っています。さまざまな科学者がエビデンスに基づいた意見を述べています。
それをまとめると、一番大事なことは生体リズム(概日リズムともいう)を崩さないことです。
そのためには、
・明暗のコントラストをつけること
明るい時に動き、暗くなったら休む。寝る前の長時間スマホは禁物。普段から、寝る時は暗くし、起きる時は明るくすること。
・食事時間の調整をすること、
普段から、食事時間と就寝時間を一定に(近くしたり離したりし過ぎないこと)バランスがとれた腸内細菌叢の維持にも重要。
・睡眠時間を一定にすること
普段から、睡眠不足や、寝だめしたり、寝過ぎたりしないこと(長すぎる昼寝は禁物です)。
・日中に適度な運動をすること
疲れすぎも運動不足も良くない。
などが挙げられています。
これに加えて、私個人の経験からすると、体温管理も大事で、暖めすぎ(熱いお風呂やサウナに入りすぎ)も冷たすぎ(エアコンの使いすぎ)も良くありません。普段からあまり良く眠れないと言っておられる方々は参考にしてください。

関連情報
① ネイチャー誌の当該記事
掲載誌;NATURE NEWS FEATURE(ニュース特集)
掲載日;30 September 2025
題名;How to get the best night’s sleep: what the science says ~
Chuck the gadgets, the fads and the alarm. Circadian research reveals how important your body’s internal clock is to blissful slumber.
最高の睡眠を得る方法:科学が教えること ~
ガジェット、流行りの物、目覚まし時計は捨てましょう。概日リズム研究は、至福の眠りに体内時計がいかに重要であるかを明らかにしています。
著者;Lynne Peeples
**以下、同記事冒頭部分からの抜粋です**
口テープや加重ブランケットを宣伝するTikTok動画から、不眠症対策枕をランキング形式で紹介する雑誌まで、睡眠に関するアドバイスは至る所で見かけます。それもそのはず、世界中で不眠症や睡眠不足に悩む人々がおり、睡眠補助剤の市場規模は年間1,000億ドル以上にも達しているのです。

しかし、科学者たちは、オンラインハッキングや高価なツールが必ずしも効果的ではないと警告している。また、状況を改善しようとする試みが失敗すれば、悪影響が出る可能性があると、ポートランドにあるオレゴン健康科学大学の概日リズム科学者アンドリュー・マクヒル氏は指摘する。「人々が助けを求めることを躊躇し、事態が悪化する可能性がある」と彼は言う。

研究者たちは、過去50年間にわたり体内時計のネットワークを明らかにしてきた概日リズム科学から得られた教訓を指摘しています。この科学は、病原体からの防御、食物の消化、睡眠など、生理学的システムが適切なタイミングで適切な行動をとるよう準備を整えています。しかし、概日リズムはそれ自体で正確に周期を刻むわけではありません。同期を保ち、最適に機能するためには、日光、日々の習慣、その他の刺激による定期的な調整が必要です。

②『睡眠ガイド2023』については、2024年6月のニュースをご覧ください。

(2)足腰の機能に加え、手指を巧みに動かす機能も健康寿命のカギとなる
**以下、大阪大学宮坂先生の2025年10月3日のFB投稿です**
これはとても大事なことです。筑波大研究グループの仕事です。
以下、抜粋です。本研究チームは、茨城県笠間市で実施した体力測定会に参加した約1000人の高齢者を対象に、最長14年間にわたる追跡調査を行い、手指機能と要介護化リスクとの関連を検証した。その結果、手指機能が低い人は、高い人に比べて要介護化リスクが高いことが分かった。さらに、手指機能は要介護化に対し、曲線的な量反応関係を示すことを世界で初めて明らかにした。手指機能が一定水準(例:15秒間に〇印を21個付けられる)を下回ると要介護化リスクが高まる一方で、それよりも良好であっても、統計学的なリスクの減少は認められなかった。
本研究から、健康寿命の延伸には、これまで注目されてきた下肢機能だけでなく、細かな日常生活動作に必要な手指機能も重要であることが示唆された。
高齢者が手指を使うこととしては、手紙や日記を書くこと、スマホやパソコンを使うこと、書道をすること、ピアノなどの楽器に触れること、刺繍や編み物をすることなど、いろいろあります。自分ができることは続けることが大事、勿論、新たな習い事などを始めるのも良い刺激となります。

関連情報
①掲載論文
【題名】 Dose-response Association between Hand Dexterity and Functional Disability: A Longitudinal Study from the Kasama Study
(手指機能と要介護化との量反応関係:笠間スタディに基づく縦断研究)
【掲載誌・日】 Annals of Geriatric Medicine and Research . 2025 Sep 8.
【DOI】 10.4235/agmr.25.0075
**以下、論文の要旨**
背景: 手の器用さの低下は機能障害のリスクを高める可能性があるが、手の器用さと機能障害の発症との関連を検討した研究はほとんどない。本研究の目的は、地域在住高齢者における手の器用さと機能障害の発症との用量反応関係を前向きに検討することであった。

方法: 本研究は、笠間市在住の65歳以上の高齢者1,069名を対象とした。ペグ移動課題と円描画課題を用いて、手先の器用さを評価した。機能障害は、介護保険制度データベースを用いて同定した。制限付き3次スプライン解析を用いて、手先の器用さと機能障害の発症との間の用量反応関係を検証した。

結果: 平均8.5年間(最長14.0年間)の追跡調査期間中、248名(23.2%)が機能障害を発症した。各手指器用さ検査において、最も成績の低い群は、最も成績の高い群と比較して機能障害のリスクが有意に高かった(ペグ移動:HR = 1.92、95%信頼区間 = 1.29-2.87、円描画:HR = 1.66、95%信頼区間 = 1.15-2.41)。スプライン解析により、手指器用さと機能障害発症との間には、曲線的な用量反応関係が確認された。参加者の成績がカットポイント(ペグ移動:37.9/38.0秒、円描画:21/20点)を下回った場合、リスクの上昇が認められた。一方、カットポイントを上回る成績を収めた参加者では、リスクの減少は認められなかった。

結論: 高齢者の機能障害を予測するために、容易に評価できる手の器用さの検査は有用である可能性がある。用量反応曲線の関連は、適切な手の器用さを維持することが機能的自立を支援するための重要な戦略となる可能性を示唆している。

②筑波ジャーナルの当該記事(2025年9月29日付)はこちら。

(3)創造的な経験と脳時計
公開日;Published: 03 October 2025
題名;Creative experiences and brain clocks(和訳:創造的な経験と脳時計)
著者;Carlos Coronel-Oliveros, Joaquin Migeot, Fernando Lehue, Lucia Amoruso, Natalia Kowalczyk-Grębska, Natalia Jakubowska, Kanad N. Mandke, Joana Pereira Seabra, Patricio Orio, Dominic Campbell, Raul Gonzalez-Gomez, Pavel Prado, Jhosmary Cuadros, Enzo Tagliazucchi, Josephine Cruzat, Agustina Legaz, Vicente Medel, Hernan Hernandez, Sol Fittipaldi, Florencia Altschuler, Sebastian Moguilner, Sandra Baez, Hernando Santamaria-Garcia, Alfredis González-Hernández, Agustin Ibanez,他
掲載誌;Nature Communications volume 16, Article number: 8336 (2025)

論文要旨
創造的な経験は脳の健康を高める可能性があるが、その指標とメカニズムは依然として不明である。我々は、脳時計を用いて脳の健康を特徴づけた。脳時計は、実年齢からの逸脱(すなわち、脳老化の加速または遅延)を捉えるものである。M/EEGの機能的連結性(N  = 1,240)を、機械学習サポートベクターマシン、全脳モデリング、Neurosynthメタ分析と組み合わせた。この枠組みから、ダンス、音楽、視覚芸術、ビデオゲームの専門家とマッチさせた非専門家の参加者の以前に公開されたデータセット、および学習前後の研究(N  = 232)を再分析した。その結果、すべての領域で脳年齢の遅延とスケーラブルな効果(専門知識>学習)が明らかになった。専門知識とパフォーマンスのレベルが高いほど、脳年齢の遅延が大きい。加齢に脆弱な脳ハブは、特に専門知識と創造的な経験に関連する領域で、創造性に関連する連結性の増加を示した。Neurosynthによる解析と計算モデル化により、創造性に特異的な脳老化の遅延において、可塑性によって引き起こされる脳の効率性と生物物理学的結合の向上が明らかになりました。この結果は、創造性と脳の健康の間に領域非依存的な関連性があることを示唆しています。

図 1: データの特性評価、前処理パイプライン、およびデータ分析。
a カナダ、チリ、アルゼンチン、キューバ、コロンビア、ブラジル、イギリス、アイルランド、イタリア、ギリシャ、トルコ、ポーランド、ドイツの 13 か国の多様な集団 ( N = 1472) からの M/EEG データを含めました。b  EEG を使用してサポート ベクター マシン (SVM) をトレーニングするために、N = 1240 人の参加者のサブサンプルを使用しました。これらの SVM は、すべての領域にわたって参加者の脳年齢を予測するために使用されました。c残りのデータ ( N  = 232) はサンプル外検証に使用され、さまざまな種類の創造的専門知識と学習に関連する M/EEG データセットで構成されていました。これらのグループのうち 4 つは、ダンス (タンゴ)、音楽 (楽器奏者と歌手)、視覚芸術 (描画)、およびビデオ ゲーム (StarCraft 2) (専門知識についての研究 1) における創造的専門知識を表しています。さらに、ビデオ ゲーム学習 (StarCraft 2) (学習前後についての研究 2) のグループを 1 つ含めました。d SVMをトレーニングする前に、生のM / EEG信号を前処理し、正規化し、AAL脳パーセレーションを使用してソース空間に変換しました。ソース変換された信号から、すべての参加者の機能的結合マトリックスを計算しました。SVMのトレーニング時にデータ拡張を使用して、モデルの堅牢性と精度を高めました。トレーニング済みのSVMから、モデル予測と実際の年齢の差として、参加者の脳年齢ギャップ(BAG)を計算しました。BAG > 0は脳の老化の加速と解釈でき、BAG <0は脳の老化の遅延と解釈できます。図中の点とバイオリンプロットは模式的な例です。BioRenderで作成。Migeot, J. (2025) https://BioRender.com/99vpcts(EEGデバイスと脳の図)。

関連情報
NATURE NEWS
03 October 2025
Creative hobbies could slow brain ageing at the molecular level
To keep the mind young, dance the tango.
(和訳:創造的な趣味は分子レベルで脳の老化を遅らせる可能性がある
心を若く保つにはタンゴを踊りましょう)
By Gemma Conroy
タンゴの複雑さは、脳を若く保つのに特に効果的かもしれない。写真:Tempura/Getty

**以下、同記事の冒頭部分の和訳です**
複数の国のダンサー、ミュージシャン、アーティスト、ビデオゲームプレイヤーを対象にした研究によると、タンゴを踊る、ギターを弾くなど創造的な趣味に携わると、脳の老化を遅らせることができるという。

この分析では、脳時計(人の実年齢と脳の推定年齢の差を測定するモデル)を用いて、創造的な活動が神経学的若さを維持するのに役立つかどうかを評価しました。老化の影響を最も受けやすい脳領域において、創造的な活動を行うことで、脳の様々な領域とのつながりが強化されました。熟練者は経験の浅い人よりも「若い」脳を持っていましたが、創造的なスキルをゼロから学ぶことでさえ、脳の老化防止効果がありました。

この研究結果は10月3日にNature Communications誌に掲載された。

(4)熱波による老化の加速に対する長期的な影響
8月に公開されたものですが、今年の猛暑が厳しかったので、気になった論文です。
掲載誌;Nature Climate Change
公開日;Article Published: 25 August 2025
表題;Long-term impacts of heatwaves on accelerated ageing
(和訳:熱波による老化の加速に対する長期的な影響)
著者;Siyi Chen, Yufei Liu, Yuanyuan Yi, Yiling Zheng, Jun Yang, Tiantian Li, Ta-Chien Chan, Rui Duan, Shenjing He & Cui Guo

論文要旨
気候変動と人口高齢化は、ともに喫緊の世界的課題である。しかし、熱波への長期曝露と生物学的老化加速(BAA)との関連など、両者の相互作用は明らかではない。本研究では、台湾の縦断的コホート(2008~2022年)の成人24,922名のデータを分析し、線形混合モデルを用いて熱波が老化を加速することを示した。熱波は、相対的閾値と絶対的閾値の両方を用いて定義した。BAAは、生物学的年齢と暦年齢の差として算出した。熱波への累積曝露の四分位範囲の増加は、BAAの0.023~0.031歳の増加と関連していた。さらに、参加者は15年間にわたり熱波の影響に徐々に適応してきたことが示された。さらに、肉体労働者、農村住民、エアコンの少ない地域の参加者は、健康への影響をより受けやすかった。本研究は、適応能力を強化し、老化を遅らせ、健康的な老化を促進するための、的を絞った政策と介入の必要性を浮き彫りにしている。

Copilotに訊いてみた。
Q1;この論文の成果を要約してください。
A1;この論文「Long-term impacts of heatwaves on accelerated ageing」(Nature Climate Change, 2025年8月発表)は、熱波が生物学的老化を加速させる可能性を示した大規模な疫学的研究です。
🔍 研究の概要
• 対象:台湾の成人24,922人(2008〜2022年の15年間の縦断コホート)
• 方法:生物学的年齢(BA)と暦年齢(CA)の差を「年齢加速(BAA)」として定義し、熱波曝露との関連を分析
• 熱波の定義:相対的・絶対的な気温閾値に基づく
🌡️ 主な成果
• 熱波の累積曝露が四分位範囲ごとに増加するごとに、BAAが0.023〜0.031年増加1
• 肉体労働者、農村住民、エアコン普及率が低い地域の人々は、老化への影響を受けやすい
• 15年間で参加者はある程度の適応を示したが、健康への悪影響は完全には消えなかった
🧭 意義と提言
• 気候変動と人口高齢化という二つのグローバル課題が交差する領域に新たな知見を提供
• 脆弱な集団への保護政策や医療資源の配分が重要
• 今後は住宅環境や屋外活動時間などの変数も含めたさらなる検証が必要[2]
まるで、暑さが時間の流れを少しだけ早めてしまうような…そんな印象を受ける研究ですね。🌿 このテーマ、社会政策や都市設計にも深く関わってきそうですが、どの視点から掘り下げてみましょうか?

 

2-2)AIの応用事例4つとAIのリスクについての1つの話題
AIの活用はますます広がっていますが、AIの大規模言語モデルLLMのリスクも指摘されています。以下、最近のニュースです。
(1)人工知能副操縦士による脳コンピューターインターフェース制御
掲載誌:Nature Machine Intelligence (2025)
公開日:Published: 01 September 2025
表題:Brain–computer interface control with artificial intelligence copilots(和訳:人工知能副操縦士による脳コンピューターインターフェース制御)
著者:Johannes Y. Lee, Sangjoon Lee, Abhishek Mishra, Xu Yan, Brandon McMahan, Brent Gaisford, Charles Kobashigawa, Mike Qu, Chang Xie & Jonathan C. Kao

要旨(Chromeによる和訳)
運動脳コンピュータインターフェース(BCI)は、麻痺のある人の移動とコミュニケーションを支援するために神経信号をデコードします。過去20年間で重要な進歩があったにもかかわらず、BCIは臨床実現への大きな障害に直面しています。それは、BCIのパフォーマンスがコストとリスクを大幅に上回らなければならないということです。BCIのパフォーマンスを大幅に向上させるために、人工知能(AI)副操縦士がBCIユーザーと協力してタスク目標を達成する共有自律性を使用します。私たちは、脳波信号をデコードする非侵襲性BCIシステムでこのAI-BCIを実証します。まず、畳み込みニューラルネットワークとReFITのようなカルマンフィルターを使用したハイブリッド適応デコード手法を提供し、健常者と麻痺のある参加者が、デコードされた脳波信号を介してコンピューターのカーソルとロボットアームを制御できるようにします。次に、カーソル制御タスクとロボットアームのピックアンドプレースタスクでBCIユーザーを支援する2つのAI副操縦士を設計します。我々は、麻痺のある被験者がカーソル操作においてターゲットヒット率を3.9倍向上させ、ロボットアームを制御してランダムなブロックをランダムな場所に順次移動させるというタスクをAI-BCIによって実現できることを実証しました。これはAIコパイロットなしでは不可能なタスクです。AIコパイロットの性能向上に伴い、共有自律性を備えたBCIはより高い性能を発揮する可能性があります。

関連情報
掲載誌:NATURE NEWS
掲載日:02 September 2025
表題:AI-powered brain device allows paralysed man to control robotic arm ―
The human user and AI have shared autonomy and constantly interact to complete tasks.
(和訳:AI搭載の脳デバイスで麻痺の男性がロボットアームを制御 ―
人間のユーザーと AI は自律性を共有し、タスクを完了するために常に相互作用します。)
著者:By Rachel Fieldhouse
研究者が、同僚が着用している脳コンピューターインターフェースヘルメットの電極に導電性ジェルを塗布しています。非侵襲性脳デバイスの性能は、AIと組み合わせることで向上する可能性がある。写真:ジャン=ピエール・クラトット/AFP via Getty

部分麻痺の男性が、人工知能(AI)によって部分的に制御される非侵襲性の脳デバイスを使用することで、ロボットアームを操作することに成功したという研究報告。AI搭載デバイスを使用することで、男性は画面操作による作業において、デバイス単体で使用した場合よりも4倍の精度で作業を行うことができた。

(2)ジェネレーティブトランスフォーマーでヒト疾患の自然史を学ぶ
Nature article open access
Published: 17 September 2025
Learning the natural history of human disease with generative transformers(和訳:ジェネレーティブトランスフォーマーでヒト疾患の自然史を学ぶ)
Artem Shmatko, Alexander Wolfgang Jung, Kumar Gaurav, Søren Brunak, Laust Hvas Mortensen, Ewan Birney, Tom Fitzgerald & Moritz Gerstung

要旨(Chromeによる和訳、脚注番号削除)
ヘルスケアにおける意思決定は、患者の過去と現在の健康状態を理解し、将来の経過を予測し、最終的には変えることに依存しています。人工知能 (AI) 手法は、大規模な健康記録コーパスから病気の進行パターンを学習することにより、このタスクを支援することが期待されています。ただし、その可能性は大規模に十分に調査されていません。ここでは、GPT 6 (生成的事前学習済みトランスフォーマー) アーキテクチャを変更して、人間の病気の進行と競合する性質をモデル化します。このモデル Delphi-2M を 40 万人の英国バイオバンク参加者のデータで学習し、パラメーターを変更せずに 190 万人のデンマーク人からの外部データを使用して検証します。Delphi-2M は、各個人の過去の病歴を条件として、既存の単一疾患モデルに匹敵する精度で、1,000 を超える疾患の発生率を予測します。 Delphi-2Mの生成的な性質は、将来の健康状態を総合的に推定するサンプリングも可能にし、最大20年間の潜在的な疾病負担について有意義な推定値を提供し、実際のデータを見たことのないAIモデルのトレーニングを可能にします。説明可能なAI手法は、Delphi-2Mの予測に関する洞察を提供し、疾病の章内および章間における併存疾患のクラスターと、それらが将来の健康に及ぼす時間依存的な影響を明らかにするだけでなく、トレーニングデータから学習されたバイアスも明らかにします。要約すると、トランスフォーマーベースのモデルは、予測的および生成的な健康関連タスクに適しており、人口規模のデータセットに適用可能であり、疾病イベント間の時間的依存関係に関する洞察を提供し、個人別の健康リスクの理解を向上させ、精密医療アプローチに情報を提供できる可能性があります。

関連情報
掲載誌:NATURE NEWS
掲載日:17 September 2025
表題:Which diseases will you have in 20 years? This AI accurately predicts your risks
A modified large language model called Delphi-2M analyses a person’s medical records and lifestyle to provide risk estimates for more than 1,000 diseases.
(和訳:20年後、あなたはどんな病気にかかっているでしょうか?このAIはあなたのリスクを正確に予測します。
Delphi-2M と呼ばれる改良された大規模言語モデルは、個人の医療記録とライフスタイルを分析し、1,000 を超える病気のリスク推定値を提供します。)
著者:By Gemma Conroy
英国の40万人のデータで訓練された人工知能システムは、20年間でがんやその他の多くの病気を発症する可能性を推定できる。写真:ブルックス・クラフト/コービス/ゲッティ

新しい人工知能 (AI) ツールは、1,000 種類以上の病気の発症リスクを予測することができ、場合によっては数十年先の予測も提供します。

(3)ゲノム言語モデルを用いた新規バクテリオファージの生成設計
掲載誌:bioRxiv
公開日:Posted September 17, 2025.
表題:Generative design of novel bacteriophages with genome language models
(和訳:表題:ゲノム言語モデルを用いた新規バクテリオファージの生成設計)
著者:Samuel H. King、Claudia L. Driscoll、David B. Li、Daniel Guo、Aditi T. Merchant、 Garyk Brixi、 Max E. Wilkinson、 Brian L. Hie
doi: https://doi.org/10.1101/2025.09.12.675911

要旨(Chromeによる和訳)
多くの重要な生物学的機能は、単一の遺伝子からではなく、ゲノム全体にコード化された複雑な相互作用から生じる。ゲノム言語モデルは生物学的システムを設計するための有望な戦略として浮上してきたが、ゲノム全体のスケールで機能的な配列を生成する能力は未だ検証されていない。本稿では、生存可能なバクテリオファージゲノムの初めての生成設計を報告する。我々は最先端のゲノム言語モデルであるEvo 1およびEvo 2を活用し、溶解ファージΦX174を設計テンプレートとして用いて、現実的な遺伝子構造と望ましい宿主指向性を持つ全ゲノム配列を生成した。AI生成ゲノムの実験的試験により、進化的に大きな新規性を持つ16個の生存可能なファージが得られた。クライオ電子顕微鏡法によって、生成されたファージの1つが、そのカプシド内で進化的に遠いDNAパッケージングタンパク質を利用していることが明らかになった。複数のファージが、増殖競争および溶解速度論においてΦX174よりも高い適応度を示している。生成されたファージのカクテルは、3種類の大腸菌株におけるΦX174耐性を迅速に克服し、急速に進化する細菌病原体に対するファージ療法の設計における本アプローチの潜在的な有用性を実証しました。本研究は、多様な合成バクテリオファージの設計のための青写真を提供し、より広くは、ゲノムスケールにおける有用な生体システムの生成設計の基盤を築くものです。

関連情報
掲載誌:NATURE NEWS
掲載日:19 September 2025
表題:World’s first AI-designed viruses a step towards AI-generated life
Scientists used AI to write coherent viral genomes, using them to synthesize bacteriophages capable of killing resistant strains of bacteria.
(和訳:世界初のAI設計ウイルスはAI生成生命への一歩
科学者たちは AI を使って一貫性のあるウイルスゲノムを記述し、それを使って耐性菌株を殺すことができるバクテリオファージを合成しました。
著者:By Katie Kavanagh
T2 ファージに群がった大腸菌 B 細胞の断面を示す、色を強調した透過型電子顕微鏡写真。
AI設計のバクテリオファージは宿主の細菌に感染し、殺傷する能力を持っていた。クレジット:リー・D・サイモン/サイエンス・フォト・ライブラリー

(4)頭の中にAIを埋め込む「テレパシーに近い」デバイス
Xへの投稿(2025年9月8日)
alterego
@alterego_io (動画)https://x.com/alterego_io/status/1965113585299849535
Introducing Alterego: the world’s first near-telepathic wearable that enables silent communication at the speed of thought.
Alterego makes AI an extension of the human mind.
We’ve made several breakthroughs since our work started at MIT.
We’re announcing those today.

Alterego のご紹介: 思考のスピードで静かなコミュニケーションを可能にする、世界初のテレパシーに近いウェアラブルです。
Alterego は AI を人間の心の延長にします。
MIT で私たちの研究が始まって以来、私たちはいくつかの進歩を遂げてきました。
本日はそれらを発表します。

関連情報
掲載誌:NATURE NEWS
掲載日:18 September 2025
表題:The ‘near-telepathic’ device that puts AI in your head
AlterEgo’s neural-interface device is non-invasive and is being tested in people with multiple sclerosis and motor neuron disease.
(和訳:頭の中にAIを埋め込む「テレパシーに近い」デバイスー
AlterEgo の神経インターフェース デバイスは非侵襲性であり、多発性硬化症および運動ニューロン疾患の患者を対象にテストされています。)
著者:By Chris Simms
アルターエゴの最高経営責任者、アルナブ・カプール氏がウェアラブルデバイスのデモンストレーションを行っている。提供:アルターエゴ

ウェアラブルデバイスは、「アレクサ、今何時?」と声に出して言うことを過去のものにするかもしれない。人工知能(AI)ニューラルインターフェース「AlterEgo」は、ユーザーが心の中で言葉を発するだけで、静かにコミュニケーションをとれるようにする。耳に装着するこのデバイスは、インターネットとのリアルタイムコミュニケーションを通じて日常生活を便利にする。「共有したい考えに対してだけテレパシーの力を与えてくれます」と、マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置くAlterEgoのCEO、アーナブ・カプール氏は語る。カプール氏は9月8日にこのデバイスを発表した。

(5)嘘をつき、騙し、殺人を企てる AI モデル: LLM は実際どれほど危険なのか?
最後の話題は、大規模言語モデルLLMの危険性に関するものです。

掲載誌;NATURE NEWS FEATURE
掲載日;08 October 2025
表題;AI models that lie, cheat and plot murder: how dangerous are LLMs really?
(和訳:嘘をつき、騙し、殺人を企てる AI モデル: LLM は実際どれほど危険なのか?)
Tests of large language models reveal that they can behave in deceptive and potentially harmful ways. What does this mean for the future?
(和訳:大規模言語モデルのテストにより、それらが欺瞞的かつ潜在的に有害な動作をする可能性があることが明らかになりました。これは将来にどのような意味を持つのでしょうか?)
著者;Matthew Hutson
        イラスト: アナ・コヴァ

**以下、記事の初めの部分からの抜粋です**

AIは殺人を行うことができるのか?

これは、 AI企業アンスロピックが6月に発表した報告書を受けて、一部の人工知能(AI)専門家が検討してきた疑問です。チャットボットの頭脳である大規模言語モデル(LLM) 16種類をテストした研究チームは、最も人気のあるAIの一部が仮想環境において、明らかに殺人的な指示を出すことを発見しました。AIは、自分たちを交代させようとしていた架空の幹部を殺害するような行動をとったのです。

これは、法学修士(LLM)による悪質な行為の一例に過ぎません。他のいくつかの研究や事例では、AIが開発者やユーザーに対して「陰謀を企てる」、つまり自身の利益のために密かに戦略的に不正行為を行っていることが示されています。AIは指示に従っているふりをしたり、自己複製を試みたり、恐喝を脅迫したりすることさえあります。
(以下、続く)

 

2-3)岐阜大学医学部下畑先生の最新医学情報(2025年10月)
・レビー小体型認知症も検査だけで診断できる時代に入る!?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月4日のFB投稿です**
脳脊髄液αシヌクレイン・シーズ増幅アッセイ(αSAA)は,レビー小体型認知症(DLB)の診断における大きな転換点になるかもしれません.スペインの物忘れ外来に通院した640名(DLB 92例,アルツハイマー病;AD 337例など)を対象に,脳脊髄液αSAAの診断精度とADにおけるαシヌクレイン合併病理を評価しています.この結果,αSAAはDLBに対し感度95.7%,特異度93.2%,全体診断精度93.6%(!)という高い成績を示しました.図1は各診断におけるαSAA陽性率を示したものです.健常対照(CU)は0%,非神経変性認知障害(NNCI)は1%,前頭側頭葉変性症(FTLD)は5.1%,ADは9.5%,DLBは95.7%が陽性です.つまりDLBで高率に陽性となる一方,ADやFTLDでは少数にとどまることが理解できます.先日,ADのタウバイオマーカーによる診断の話題をご紹介しましたが(https://pkcdelta.hatenablog.com/entry/2025/08/27/052343),DLBも検査だけで診断できる時代に入りそうな様相です.
もう1点,気になったのはAD患者の9.5%にαシヌクレイン合併病理が示唆される点です.このような症例では幻視やREM睡眠行動異常症などDLB的な臨床症候の頻度が増え,かつAPOE ε4保有率の上昇,血漿p-tau217やGFAPの上昇といった特徴的なプロファイルを示すことも明らかにされました.気になったのは,なぜAPOE ε4保有率が上昇するのかですが,ε4を持つことは全身性かつ疾患非依存的な炎症状態をもたらす「免疫的背景因子」である可能性が指摘されており(https://pkcdelta.hatenablog.com/entry/2025/08/04/062124),複数のタンパクを巻き込んだco-pathologyを来すものと推測されます.
さて話題は戻ってDLBの検査による診断に関して,著者らは「検査だけでDLBを確定診断できるわけではない」と強調しています.その理由として,DLBでもαSAA陰性例が存在すること,本研究で病理解剖による確認がなされていないこと,共病理の存在によって臨床症状が純粋型からずれ,より多彩で複雑な臨床像になりうることを挙げています.やはり脳脊髄液αSAA(図2)の結果は,臨床所見や画像検査と総合して解釈する必要があります.とは言え,脳神経内科医が不足する地域などでは強力な診断補助ツールになるものと考えられます.
Esteller-Gauxax D, et al. α-Synuclein Seed Amplifications Assay in a Cohort With Cognitive Impairment. Neurology. 2025;105:e214040. doi.org/10.1212/WNL.0000000000214040
追記;DLB 92例のうち陰性はわずか4例(4.3%)で,その多くがCDR 0.5で軽症かつ発症早期であり,臨床症状も非典型(RBDが少ない)であったと記載されています.よって発症早期から高率に陽性となりますが,病理分布が限局している例では陰性になることもあるようです.

・筋萎縮性側索硬化症に潜む免疫の異常:原因遺伝子産物C9orf72が自己免疫の標的に!!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月6日のFB投稿です**
筋萎縮性側索硬化症(ALS)はこれまで神経細胞の変性や病因タンパクの蓄積に注目して研究されてきましたが,近年は「免疫系の関与」が新たな焦点となっています.最新のNature誌に,ALSにおける自己免疫反応の存在を初めて明確に示した重要な報告がなされています.
研究は,アメリカのLa Jolla Institute for Immunologyを中心とする国際共同チームによって行われました.ALS患者40名と健常対照28名の末梢血を解析し,ALSで遺伝子変異が報告されているTDP-43,SOD1,そしてC9orf72という3種類のタンパク質に対するT細胞応答を比較しました.その結果,ALS患者ではC9orf72に対してのみ著明な免疫応答がみられ,健常者の約4倍の反応を示しました(図1).これらの反応は主にCD4陽性T細胞によって引き起こされ,炎症を抑えるIL-5やIL-10といったサイトカインが多く放出されていました(図2). ALS群でIL-5およびIL-10の産生が優勢で,炎症性サイトカインであるIFNγの割合が減少していることが明確に示されています.
また,C9orf72遺伝子に変異(6塩基リピートの異常伸長)をもつ患者では,変異をもたない患者よりもC9orf72を認識するT細胞が強く活性化し,IL-10を多く分泌する(図3左).さらに,C9orf72を標的とするT細胞のIL-10応答が強いALS患者ほど,疾患の進行が緩やかで長く生きる傾向にあることが示されました(図3右).
研究チームは,C9orf72全体に複数のエピトープが存在することも突き止めました.特にアミノ酸41〜95,266〜295,361〜445の領域で免疫原性が高く,これらのペプチドは多くのHLAクラスII分子に結合できる「プロミスキュア(promiscuous)」=「多くのHLA分子に結合できる性質」をもつことが示されました.これは,多くの人でC9orf72が免疫の標的となり得ることを意味します.さらに,パーキンソン病やアルツハイマー病患者でもC9orf72に対する免疫反応は見られましたが,ALSとは異なり炎症性のIFNγ反応が優位でした.この違いは,疾患ごとに免疫系の反応の方向性が異なる可能性を示唆しています.
この研究は,ALSが単なる神経変性疾患ではなく,免疫系の異常を伴う自己免疫性疾患的な側面をもつことを初めて証明したものです.特に,抗炎症性IL-10応答が強い患者の予後が良好であったことから,炎症と制御のバランスがALSの進行速度を決定する鍵であることが示唆されます.将来的には,C9orf72に特異的な免疫反応を抑える抗原特異的Treg細胞療法など,免疫を標的とした新たなALS治療法の開発が期待されます.
つまりC9orf72に対する自己免疫反応は,ALSの中核的変化(C9orf72異常・タンパク蓄積)に対して二次的に起こり,その免疫反応の質(炎症性か制御性か)が,疾患の進行速度や予後を左右している可能性があると考えるのが妥当ではないかと思います.すなわち「発症を促す免疫」ではなく,「症候の進行に影響する免疫」と言えるのではないかと思います.
Michaelis T, et al. Autoimmune response to C9orf72 protein in amyotrophic lateral sclerosis. Nature. Published online 2025. doi.org/10.1038/s41586-025-09588-6

・アルツハイマー病発症前の低レベルのAβ蓄積はむしろ脳にとってむしろ良いこと!?―ヒト・コネクトーム・プロジェクト研究―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月9日のFB投稿です**
先日のNHKの番組内(https://pkcdelta.hatenablog.com/entry/2025/09/07/075304)で,アルツハイマー病(AD)の病因蛋白とされるアミロイドβ(Aβ)には善玉としての働き(ヘルペスウイルスに対する防御作用)があることが紹介されました.今回,Journal of Neurochemistry誌に米国ミネソタ大学から,Human Connectome Projectの一貫として,画像解析からもAβは善玉である可能性が報告されました.
60歳以上の認知機能が正常な35名を対象に,アミロイド PETによるアミロイドβ沈着量と詳細な認知機能検査,身体指標,および多面的なMRI指標との関連を解析した研究です.PETではAβ陽性が11例,陰性が24例でした.陽性例も蓄積は軽度で,AD患者に見られるような高度の蓄積ではありませんでした(図1左).
まず分かったことは,Aβ沈着はアミロイド前駆タンパク(APP)の転写パターンとの対応が見られず,正の相関を示したのは海馬傍回のみでした.つまりAβはどうも局所(蓄積した場所)で産生されるのではなく,他の領域から移動・拡散してきた可能性(!)が示唆されます.またAβ蓄積量は年齢や認知・体力指標と負の関係を示さず,むしろBMI・握力・認知機能の得点と弱い正の相関を示した!よって蓄積している方が良さそうということです.
さらにMRI指標との関連では,微細構造の健全性指標(FAやT1w/T2w比)や脳血流(CBF)はAβ量と正の相関を示し,Aβが多いほど組織構造は健全で,血流が多い増加という結果でした(図1右).逆に組織障害を示唆する拡散指標(MD, ODI, WVF)は負の相関を示しました.つまりAβが多い人ほど水の動きが制限され,組織構造がしっかりしているという傾向を認めました.以上より認知機能が正常な人ではAβが神経毒性を持たない可能性が示唆されました.「Aβ=神経毒」という定説を覆すもので,低レベルのAβ蓄積が脳にとって必ずしも悪いものではない,むしろ善玉である可能性を示しています.
そうなると,アミロイドβ抗体薬の効果を最大限に発揮させるために,発症前から治療を開始するというアイデアは,むしろ逆効果となる可能性があります.しかしこの点について,著者らは断定することはできないと言っています.つまりどこかのタイミング(もしくは閾値)で,Aβが病的に転じるか,あるいは防御的役割が破綻するという可能性があるためです(図2).今後はより大規模かつ長期の追跡研究やタウ測定を組み合わせた検証が必要と考えられます.いずれにせよ,発症前,より早期の抗アミロイドβ療法は慎重であるべきと考えられます.
Filip P, et al. Clinical and MRI Correlates of β-Amyloid Load Inconsistent With Its Presumed Neurotoxicity in Cognitively Healthy Ageing. Journal of Neurochemistry. 2025;169:e70241. https://doi.org/10.1111/jnc.70241

・知っておくべき睡眠医学の最前線@『BRAIN and NERVE』2025年10月号
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月11日のFB投稿です**
特集テーマとして「脳神経内科と睡眠医学」を企画いたしました(https://amzn.to/4nLZPXZ).現代の臨床現場では,睡眠の質が神経疾患の発症や経過に密接に関わることが明らかとなりつつあります.一方,日本では睡眠医学を専門的に扱う神経内科医がまだ少なく,診療や教育の両面で体系的な知識の共有が求められています.私は以前,頑張って日本睡眠学会総合専門医の資格を取ったのですが,睡眠医学の知識が役立つ臨床の場面はとても多いです.本特集では,睡眠の基礎神経科学から臨床応用までを幅広く取り上げ,脳神経内科医が日常診療で直面する課題に役立つ内容を目指しました.
巻頭の鼎談(写真)では,私が司会を担当し,アジア睡眠学会会長の井上雄一先生,日本神経学会睡眠セクション・チーフの鈴木圭輔先生とともに「睡眠医学の診療と教育」について議論しました(写真).睡眠医学の重要性と脳神経内科との関連,専門医の地域偏在・不足という問題点,社会・行政経も提言,若手医師へのメッセージなど,非常に勉強になり,かつ読み応えのある内容になっていますので,ぜひご一読いただければと思います.
続く総説では,櫻井武先生らによるレム睡眠制御神経回路の最新知見,酒井紀彰先生による「睡眠と脳脊髄液」の解説など,基礎研究と臨床の橋渡しとなるテーマを取り上げています.また,認知症・脳血管障害・自己免疫性脳炎・多系統萎縮症など,神経疾患と睡眠障害の関連を多角的に検討した論文を収録し,睡眠障害が神経疾患の病態や予後にいかに影響するかを明らかにしています.さらに,レム睡眠行動異常症やレストレスレッグス症候群,ナルコレプシーなど,神経内科医が見逃してはならない疾患群についても,第一線の専門家による最新の解説が並びます.
本特集を通じて,睡眠を「神経機能の重要な指標」として捉える視点が広がり,臨床神経学の新たな展開につながれば幸いです.ぜひ,多くの先生方にお読みいただければと思います!
収録原稿一覧
• 【鼎談】睡眠医学の診療と教育(井上雄一×鈴木圭輔×下畑享良)
• レム睡眠を制御する神経回路メカニズム(渡邉綾乃,櫻井 武)
• 睡眠と脳脊髄液(酒井紀彰)
• 知っておくべき睡眠関連疾患の評価法(小栗卓也)
• 認知症と睡眠──双方向的関係について(三島和夫)
• 自己免疫性脳炎と睡眠障害(大野陽哉,木村暁夫,下畑享良)
• 脳血管障害と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(赤岩靖久,宮本智之)
• 多系統萎縮症と睡眠関連呼吸障害(中山秀章)
• 神経疾患と特発性レム睡眠行動異常症(西川典子)
• レム睡眠行動障害以外の睡眠時随伴症(野村哲志)
• レストレスレッグス症候群(坪井義夫)
• ナルコレプシーの病態機序(小野太輔,神林 崇)
• 神経疾患による症候性ナルコレプシー(鈴木圭輔,藤田裕明,高橋嶺馬,柏木誠史)
『BRAIN and NERVE』Vol.77 No.10(2025年10月号)
特集:脳神経内科と睡眠医学
https://amzn.to/4nLZPXZ
https://www.igaku-shoin.co.jp/journal/detail/41670

・お気に入りの「ハダカデバネズミ」の長寿の秘密,ついに解明!!ヒトの不老に道を開くか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月12日のFB投稿です**
ハダカデバネズミという小さな地下げっ歯類は,生物学の常識を覆す不思議な生き物です.体重わずか数十グラムにもかかわらず,寿命は37年に達し,マウスの10倍以上です.しかも老化に伴う死亡率の上昇がほとんど見られず,自然発症のがんもほぼ存在しません.酸素が乏しい地下トンネルで暮らすために,低酸素でも代謝を保つ能力をもちます.私は脳卒中の基礎研究を行っていたので,低酸素状態に強いこのネズミに高い関心を持っていました(→2017年のブログ「ハダカデバネズミの特殊能力と脳梗塞治療」を参照).後輩の池田哲彦先生が誕生日プレゼントに贈ってくださったハダカデバネズミのぬいぐるみを今も大切に部屋に飾っています.

さてこの生物の長寿の秘密をめぐっては,これまでにさまざまな仮説が提唱されてきましたが,2025年10月のScience誌に掲載された中国・同済大学のJiangらの論文は,ついにその分子基盤の一端を明らかにしました.研究チームは,DNA損傷を感知する酵素cGAS(cyclic GMP–AMP synthase)に注目しました.
通常,ヒトやマウスのcGASは,細胞の外から入り込んだDNAを感知して免疫反応を起こす「センサー」として働きます.ところが,最近の研究で,この酵素の一部は核の中にも存在し,DNAの損傷修復にも関わっていることがわかってきました.しかし意外なことに,ヒトやマウスのcGASは修復を助けるのではなく,相同組換え修復という主要なDNA修復メカニズムを抑えてしまうのです.その結果,DNAの安定性が損なわれ,老化やがんの一因になると考えられています.つまり,ヒトを含む哺乳類では,cGASはDNA修復を妨げ老化を招く酵素として働いているのです.
これに対し,ハダカデバネズミでは,cGASのC末端にある4つのアミノ酸(S463,E511,Y527,T530)が進化の過程で置換されていました.このわずかな構造変化が,酵素の働きを根本から変えていたのです.ヒトやマウスでは,cGASはDNA損傷のあと一時的に核内に移動しますが,すぐにクロマチンから離れ,修復を妨げます.一方,ハダカデバネズミのcGASはDNA損傷後も長時間クロマチンにとどまり,DNA修復因子であるFANCIやRAD50を引き寄せて修復を促進する足場として働いていました.つまり,この4つのアミノ酸の置換によって,cGASは「DNA修復を妨げる酵素」から「DNA修復を助ける酵素」へと働きが逆転していたのです.
この分子レベルの変化は,ほかの生物にも明確な効果をもたらしました.果実ハエ(みばえ)にハダカデバネズミ型のcGASを導入すると寿命が延び,マウスにAAVベクターで導入すると,フレイル指数が低下し,白髪や臓器老化が軽減しました.血中の炎症マーカーであるIL-6やIgGも減少し,肝臓や腎臓では老化細胞が減少していました.これらの効果は,4つのアミノ酸をヒト型に戻すと消失したことから,進化的に獲得されたこの分子改変こそが長寿の鍵であることが示されました.
ハダカデバネズミは,上述したようにがん抵抗性,低酸素耐性,社会性行動,痛覚鈍麻など,多くの「異端の哺乳類的特徴」を併せ持ちます.今回の研究は,その生物学的異端性の根底に,DNA修復を最適化する分子進化があることを示した点で画期的だと思います.ヒトの不老研究においても,この小さなげっ歯類が大きなヒントを与えてくれるかもしれません.
Chen Y, et al. A cGAS-mediated mechanism in naked mole-rats potentiates DNA repair and delays aging. Science. 2025;390:eadp5056. doi.org/10.1126/science.adp5056

・頭痛は単なる血管拡張や筋緊張ではなく,神経・血管・脳内ネットワークが連鎖的に反応して生じる!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月15日のFB投稿です**
頭痛の背後にあるしくみはとても複雑であることが分かりつつあります.Brain誌に発表された総説は,片頭痛,群発頭痛,発作性片側頭痛(Paroxysmal hemicrania)・持続性片側頭痛(hemicrania continua),そして後頭神経痛について,「どのように痛みが生まれるのか」を分子レベルから脳のネットワークまで総合的に議論したまさに力作です.「なるほど!」と非常に勉強になりました.
総説では,まず頭痛の多くが「三叉神経・血管系」という共通の回路で説明できることを示しています.頭部や顔面の血管周囲に分布する三叉神経の終末が刺激されると,CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド),PACAP,VIP,サブスタンスPなどの神経ペプチドや,グルタミン酸,セロトニンといった神経伝達物質が放出され,血管を拡張します.その結果,周囲に炎症が起き,神経がさらに興奮して痛みの信号を強めてしまいます.これを「神経血管性炎症」と呼びます.この反応は一度始まると連鎖的に広がり,脳幹にある三叉神経尾側核(trigeminal nucleus caudalis;TNC=三叉神経脊髄路尾側亜核)から視床,大脳皮質へと痛みの情報が伝えられます.TNCは頭痛の病態の中枢構造であり,これらの神経ペプチドの働きを統合し,片頭痛や群発頭痛などさまざまな頭痛疾患をつなぐ共通の「中継ハブ」として機能しています.
また近年のMRI研究では,頭痛を「脳全体のネットワークの異常」として理解する動きが進んでいるようです.例えば片頭痛では,痛みを感じる帯状回,感情を処理する扁桃体,そして視覚をつかさどる後頭葉との結びつきが過剰になります.一方,群発頭痛では,体内時計を制御する視床下部の活動が異常化し,発作の周期性や季節性に関与しています.さらに頭痛患者では,脳が「休んでいるとき」に働くネットワークにも異常が見られます.たとえば,思考の背景活動を担うデフォルトモードネットワーク,刺激の重要性を判断するサリエンスネットワーク,そして体の感覚や運動を調整する感覚運動ネットワークが,それぞれ過剰に結びついたり,逆に連携が弱まったりしていることが報告されています.こうしたネットワークの異常は,痛みに対する過敏さだけでなく,注意の集中困難や倦怠感,気分の変化など,頭痛に伴う多様な全身症状の背景を説明する手がかりになります.
図は頭痛性疾患のメカニズムをまとめた模式図です.大きく5つの経路で構成されています.これらは互いに連動し,頭痛の痛み・自律神経症状・周期性・前兆などを生み出します.
1.三叉神経終末から三叉神経尾側核(TNC)への経路(ピンク)
頭部や硬膜の血管周囲に分布する三叉神経の末端(V1-3)が刺激されると,CGRPやPACAP,サブスタンスPなどの神経ペプチドが放出され,血管拡張と炎症を引き起こす.この刺激は三叉神経節(TG)を経てTNCに伝わり,頭痛の痛み信号の起点となる.
2.TNCから視床・皮質への上行経路(黄色~灰色)
TNC(二次ニューロン)が交叉して上行し,視床(thalamus)を介して一次体性感覚野(SI),二次体性感覚野(SII),島皮質(INS),前帯状皮質(ACC),および背外側前頭前野(dlPFC)に信号を送る.SIとSIIは痛みの感覚的側面を,INSとACCは情動的側面を処理し,dlPFCは痛みに対する注意・認知・抑制制御を担う.これらの領域が連動して活動することで,痛みが意識的に知覚され,中枢感作が形成される.
3.三叉神経・自律神経反射経路
TNCの活動が上唾液核(SSN)を介して翼口蓋神経節(SPG)に伝わり,涙腺や鼻腺が刺激される.これにより涙や鼻閉といった自律神経症状が起こり,特に群発頭痛や片側頭痛性疾患に特徴的である.
4.視床下部・概日リズム経路
視床下部の視交叉上核(SCN;図中になし)が網膜からの光刺激を受け取り,SSNやTNCの活動を調整する.この経路は発作の時間帯や季節性を決める体内時計の中枢として働き,群発頭痛の周期性を説明する.
5.皮質拡延性抑制(CSD)経路
視床からの入力や皮質の過興奮により,後頭葉を起点に神経脱分極の波が広がり,一過性の血流変化とともに前兆(アウラ)を引き起こす.CSDは三叉神経系を再刺激し,CGRP放出を促すことで痛みを増幅する.
疾患ごとに分子・ネットワークの視点から考えると,片頭痛では後頭葉で起こるCSDが前兆の原因となり,CGRPや一酸化窒素(NO)の放出が痛みを増幅します.群発頭痛では視床下部の異常活動がリズム的発作を引き起こし,PACAPやCGRPの変動を伴います.発作性片側頭痛・持続性片側頭痛では,これらの経路が慢性的に刺激されており,インドメタシンが有効なのは神経炎症の経路の抑制を介していると考えられます.後頭神経痛では末梢神経の圧迫や感作が痛み信号を三叉神経系に送り込み,中枢での感作とネットワーク異常を引き起こします.このように,すべての頭痛は共通の回路を持ちながらも,関与する分子・領域・ネットワークの組み合わせの違いで症状が異なるのです.
これらの研究の成果は,新しい治療法の開発にも直結しています.CGRP関連抗体はこの経路を直接標的にし,発作頻度を減らす効果が示されています.また迷走神経刺激(nVNS)や後頭神経刺激(ONS)といった神経刺激療法は,脳幹や視床を介して三叉神経系の過剰な興奮を抑制し,痛みネットワーク全体のバランスを整えることが目的です.これらの治療法は「末梢から中枢ネットワークを調整する」アプローチであり,神経活動の連鎖を再同期させることで過敏な状態をリセットする仕組みと考えられています.
以上のように,頭痛はもはや単なる血管拡張や筋緊張ではなく,神経・血管・脳内ネットワークが連鎖的に反応する「脳全体の過敏状態」としてとらえられる時代になったと言えるのだと思います.
Kollenburg L, et al. Bridging the gap: molecular mechanisms, regional activity, and connectivity in headache disorders. Brain. 2025; doi.org/10.1093/brain/awaf361

・パーキンソン病は地球規模の環境病である―三大原因としての農薬,トリクロロエチレン,PM2.5―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月18日のFB投稿です**
パーキンソン病(PD)の患者数は世界的に急増しており,いまやパンデミックと呼ぶべき状況にあります.その要因の多くは遺伝ではなく環境にあると考えられています.Lancet Neurology 誌最新号に掲載された米国ロチェスター大学のDorsey教授らによる総説は,PDの発症に関わる主要な環境毒性物質とその予防の可能性について論じています.とくに3つの環境要因が問題であると指摘しています.
第1は農薬です.パラコート,ロテノン,有機塩素系殺虫剤などであり,パラコート散布地域に住む人の発症リスクは2倍に上昇するそうです.ロテノンはミトコンドリア複合体Iを阻害してドパミン神経を選択的に障害します.胎児期や乳児期の曝露によるエピジェネティック変化が後年の神経変性を誘発する可能性も指摘されています.図1は,2000年から2020年にかけての世界の農薬使用量の変化を示しています.全体としてなんと約300%の増加がみられ,特に南米,アジア,アフリカで顕著です.日本も増加傾向にあり,欧州諸国のような削減政策は十分に進んでいません.
第2はトリクロロエチレン(TCE)およびパークロロエチレン(PCE)です.これらはドライクリーニングや脱脂剤として長年使用されてきた有機溶剤です.米海兵隊キャンプ・ルジューン基地では,これらの化学物質を含む汚染水への曝露歴をもつ兵士のPD発症率が70%高く,平均2年間の短期間曝露であっても,約34年の潜伏期間を経て発症したと報告されています.TCEはミトコンドリア障害やLRRK2キナーゼの異常活性化を引き起こし,吸入曝露では少量でも黒質ドパミン神経変性を生じます.
第3は大気汚染です.PM2.5への曝露とPDリスクの上昇は,カナダ,韓国,スイス,英国などの研究で確認されています.PM2.5は嗅神経経路から脳内に侵入し,酸化ストレスや炎症,αシヌクレインの線維化を誘発します(ブログ参照;https://pkcdelta.hatenablog.com/entry/2025/09/09/042758).図2は「2019年の世界PM2.5曝露マップ」で,50μg/m³を超える濃度の地域がアジアやアフリカを中心に広がっています.世界人口の99%がWHO基準(年平均5μg/m³未満)を超える空気を吸っており,日本の平均値は10〜15μg/m³と欧米(5μg/m³前後)より明らかに高く,「健康に悪い空気」を吸っている国の一つです.著者らは,この曝露こそがPDが最も急速に増加している神経疾患となった原因だと指摘しています.
これら2つの図は,「PDは地球規模の環境病である」という主張を明確に裏づけています.日本も例外ではなく,農薬使用量と大気汚染の両方が高い水準にあり,将来的な神経疾患増加リスクを抱えています.著者らは,吸入経路の重要性にも触れています.嗅球から病変が始まることが多い点は,吸入毒性物質の侵入経路と一致していますし,胎児期や乳児期の曝露,職業性曝露,遺伝的素因との相互作用などがリスクを増幅すると考えられます.
予防策はあるのでしょうか?防護具の使用,汚染の監視と是正,安全な代替物質の導入により,曝露を減らすことは可能です.また現状では,研究資金のほとんどが治療研究に偏り,予防研究への投資はわずか2%にとどまっているそうです.Dorsey教授らは,予防原則を政策に組み込み,パラコートやTCEなど明らかに有害な化学物質を段階的廃止すべきだと訴えています.つまりPDは「予防可能な疾患」であり,原因物質への曝露を減らすことができれば,つぎの世代をこの疾患から守ることができる――それが著者らの強いメッセージです.
Ray Dorsey E, et al. Environmental toxicants and Parkinson’s disease: recent evidence, risks, and prevention opportunities.Lancet Neurology 2025; 24: 976–986.https://www.thelancet.com/…/PIIS1474-4422(25…/fulltext

関連情報
10月30日のFB投稿(岐阜大学脳内抄読会 第99回)で、「歩行中のUターン速度はパーキンソン病発症の予測因子となる」という面白い論文を紹介されています。

・アデュカヌマブによるアミロイドβ除去は脳表近くに限られている!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月20日のFB投稿です**
アデュカヌマブは,アルツハイマー病に対してアミロイドβ(Aβ)を標的にした疾患修飾療法として開発されたモノクローナル抗体です.2015年にBiogen社とEisai社が共同で臨床試験を開始し,Aβプラークを大幅に減少させることがPETで確認されました.臨床的な認知機能改善効果は一貫しなかったものの,一部のサブグループで若干の改善効果が示されたことから,Biogen社は2021年に米国FDAへ承認申請を行い,同年6月に条件付きで迅速承認を受けました.ところが,その有効性に関して国内外で強い議論を呼び,副作用としてのARIAの頻度の高さも問題となり,最終的にBiogen社は2024年1月に販売を終了し,開発を打ち切りました.その後に登場したレカネマブやドナネマブは,より選択性が高く副作用の少ない抗体として設計されていますが,その基礎となったのがアデュカヌマブです.今回紹介するLancet Neurology誌に掲載された剖検研究は,アデュカヌマブを投与された5例と未治療12例の剖検脳を比較し,この抗体が実際に脳のどこでどのようにAβを除去していたのかを初めて詳細に示したものです.
治療群の全例がAPOE ε4を保有し,うち2例がPSEN1変異を有していました.PETでAβが6〜81%低下していたにもかかわらず,剖検ではAβ除去は脳表近くに限局していることが明らかになりました.図上では,最初の10例(治療群5例と未治療群5例)に対して汎Aβ抗体によるDAB染色が行われています.未治療群では大脳皮質全層にAβ沈着がみられますが,治療群では大脳皮質の最表層(第I層)でのみ著明なAβ減少が認められ,下層ではAβが依然として残存していることが分かります.
図下では,同一症例の中前頭回を対象にしたAβaa1–8抗体による多重蛍光免疫染色が示されています.この抗体はAβペプチドのN末端(1〜8番アミノ酸)を認識する最も一般的な「全Aβ量」を示すマーカーで,アデュカヌマブ自身もこの領域を標的にしているため,この抗体で染まるAβが実際に除去対象になっていると考えられます.右側のボックスプロットで分かるように,Aβaa1–8は第I層で有意に低下していますが(p<0.01),全層では減少がみられませんでした.Aβ42でも同様の有意な低下がみられ,ピログルタミル型AβおよびAβ40も表層で減少傾向を示しました.
この結果は,アデュカヌマブが分子量約150 kDaと大きく,血液脳関門をほとんど通過できない(脳実質内到達は血中の0.1%未満)ことと関係しています.そのため,主に軟膜や皮質表層の血管周囲からわずかに脳内へ浸透し,その届く範囲に作用が集中すると考えられます.今回の剖検研究は,まさにこの「表層優位」の作用分布を病理学的に裏づけた結果となりました.
この「表層偏重」の除去はPET画像との乖離を生みます.アミロイドPETでは,表層のAβが減少すると信号全体が低下し,Aβが広範に除去されたように見えます.しかし実際の病理では,深部皮質層に多くのAβが残っており,PETで減少が見えても全層の除去を意味するわけではないことが明らかになりました.著者らはこの点を強調し,「PETシグナルの減少は部分的除去を反映しているに過ぎない」と述べています.これはAβ抗体治療の効果判定におけるPET画像の限界を示す重要な知見です.
また,ARIAを呈した症例ではMRIで確認された部位に対応して,皮質表層や髄膜下血管周囲に鉄沈着を伴う微小梗塞,補体活性化(C5b–C9),マクロファージやミクログリアの浸潤(CD68陽性)がみられました.これらはアミロイド血管症関連炎症(CAAri)と共通する病理像であり,Aβ除去に伴う血管壁の炎症がARIA発生の要因であると考えられます.さらに,死亡までの期間が長い症例では再沈着を思わせるAβ再蓄積も認められ,治療後にも進行性変化が続くことが示唆されました.
この層特異的なAβ除去の現象は,アデュカヌマブに限らず,他のAβ抗体であるレカネマブやドナネマブでも生じている可能性があります.これらの抗体も血液脳関門を越えて広く脳内に拡散することが確認されていないためです.今後のAβ抗体療法では,血液脳関門を通過してより広く脳内に拡散できる抗体設計や投与法の改良が求められます.
Boon BDC, et al. Neuropathological changes and amyloid-related imaging abnormalities in Alzheimer’s disease treated with aducanumab versus untreated: a retrospective case–control study. Lancet Neurology. 2025;24:931–944. https://www.thelancet.com/…/PIIS1474-4422(25…/fulltext

・進行性核上性麻痺の典型例Richardson症候群は均一ではなく,臨床的・病理的に多様性をもつスペクトラムである
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月22日のFB投稿です**
進行性核上性麻痺(PSP)の典型型Richardson症候群(PSP-RS)は,2017年に策定されたMDS-PSP診断基準では均一な症候群として定義されていますが,米国Mayo Clinicのグループから実はそうではないのだとする報告がなされました.
著者らはMDS-PSP基準でprobable PSP-RSと診断した118例を対象に,認められた各症候の関連を可視化したネットワーク解析と,患者群を分類するクラスター解析を行い,PSP-RSが均質な集団かどうかを検証しました.その結果,まず16種類の症状は5つのクラスター(①光過敏,②認知・遂行機能障害,③振戦,④眼球運動障害,⑤無動・固縮・失行)に分類されました.興味深いのは,無動・固縮が強い患者ほど眼球運動は比較的保たれる一方で(図の赤い線=負の相関),認知機能障害とは負の相関を示しました.つまり無動・失行が重いほど認知機能が悪いということです.また,光過敏や振戦は他の症状と関連せず独立して存在し,眼球運動障害群では垂直方向の運動障害と水平方向の運動障害が密接に結びついていました.以上の結果から,PSP-RSの症候は無秩序の組み合わせで出現するのではなく,特定の組み合わせで出現するということが分かりました.
患者群を分類するクラスター解析では2群に分かれました.Cluster Iは症状が重く,典型的なPSP-RS像を示しました.一方,Cluster IIは症状が軽く,臨床的にはPSP-CBSやPSP-Pなど,他のPSP亜型と診断される割合が高い群でした.注目すべきは,Cluster IIでは剖検でPSP病理を伴わない例(具体的にはCBD,MSA,GGTなど)が有意に多かった点です(p=0.03).つまり,MDS-PSP基準でPSP-RSと診断されても,実際にはPSPではない異なる病理をもつ症例が一部含まれうるということになります.ただ個人的に関心がある自己免疫性脳炎は含まれておらず,典型例では考慮しなくて良いと言えるということだと思います.
この論文のメッセージは明確です.PSP-RSは単一の病型ではなく,臨床的にも病理的にも多様性をもつということです.昨今,診断基準を万能と考えてしまう傾向がありますが,例外があることを認識する必要があると思います.症候の組み合わせや経過,画像・バイオマーカーを通じて真のPSPを見抜く姿勢が求められるのだと思います.
Kumar M, et al. Evaluating the Homogeneity of the PSP-RS Syndrome beyond Core Features. Movement Disorders Clinical Practice. 2025;12(10):1560–1570. doi.org/10.1002/mdc3.70134

・「自己免疫性精神病」を独立した疾患単位とみなすべきではない!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月23日のFB投稿です**
Journal of Clinical Investigation誌の最新号に掲載された総説です.抗NMDA受容体脳炎の発見者であるJosep Dalmau教授らが,「自己免疫性精神病(autoimmune psychosis)」という概念を独立した疾患として扱うべきではないと明確に述べています.
著者らは,まず精神病という症候群が統合失調症に限らず,自己免疫性や炎症性疾患,さらには神経疾患の一部としても出現し得ることを示しています.中でも抗NMDA受容体脳炎では,幻覚,妄想,興奮,不眠などの精神症状で初発することが多く,統合失調症と誤診されることもあります.その病態は,抗NMDA受容体抗体が神経細胞表面の受容体を内在化させ,シナプス伝達を可逆的に障害することによるものです.つまり,炎症による破壊ではなく,免疫反応によって神経の情報伝達そのものが変化し,その結果として精神症状が生じるという新しい仕組みが明らかになったわけです.
図は「精神病の3つの神経化学的仮説」を示すものです.ドパミン過活動仮説,NMDA受容体機能低下(グルタミン酸)仮説,セロトニン仮説の3つを示し,抗NMDA受容体脳炎がグルタミン酸仮説に合致することを示しています.抗体が前頭皮質のGABA介在ニューロン上のNMDA受容体を内在化させると抑制性制御が失われ,興奮性ニューロンから中脳腹側被蓋野(VTA)への入力が過剰になります.その結果,報酬系である中脳辺縁系ドパミン経路が過活動となり,幻覚や妄想といった精神病症状が出現します.この回路異常は,ケタミンなどのNMDA受容体拮抗薬が誘発する幻覚モデルと同じ機序であり,抗体が精神症状を引き起こす病態機序を明確に示すものです.著者らは,このように免疫と神経伝達の関係を適切に理解することが,今後の精神医学研究の発展につながると強調しています.
一方で,「自己免疫性精神病」という名称の乱用には強い警鐘が鳴らしています.抗NMDA受容体脳炎やSLEなど既知の自己免疫疾患による精神症状をすべて包括してしまうと,診断が曖昧になりかねないということです.また,抗体の血清検査を無分別に精神疾患患者に行うと,非特異的な陽性反応を示す例が生じ,実際には自己免疫性脳炎でない患者にまで免疫治療が行われる危険があると指摘します.実際,これまでの研究では統合失調症や気分障害の患者におけるNMDAR抗体陽性率は約1%で健常者と差がありません.脳脊髄液で抗体陽性であった患者のほとんどは臨床的に抗NMDA受容体脳炎と診断可能ですが,血清のみ陽性の患者は非特異的反応である可能性が高く,診断的価値は低いとされています.
著者らは,「自己免疫性精神病」という言葉は一見わかりやすいものの,科学的定義があいまいで,既知の自己免疫性脳炎や全身性疾患を一括して扱うことで診断の特異性を損ね,臨床の混乱を招くおそれがあると述べています.精神病と免疫の関係を探ること自体は重要ですが,その第一歩は既知の自己免疫性脳炎を正確に診断し,精神症状との関連を検証することにあるとしています.また,初発精神病や抗精神病薬不耐例で異常行動や意識変容がみられる場合には,脳波,MRI,脳脊髄液検査を組み合わせて抗体性脳炎を除外することが推奨されています.結論として,自己免疫が関与する精神症状は確かに存在しますが,「自己免疫性精神病」という新しい疾患単位は現時点で存在しないということになります.
Cabrera-Maqueda JM, Planagumà J, Guasp M, Dalmau J. Autoimmune neuropsychiatric disorders manifesting with psychosis. J Clin Invest. 2025;135(20):e196507. https://doi.org/10.1172/JCI196507

・機能性運動障害に対するリハビリのコツ ―Physio4FMD試験から学ぶ―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月26日のFB投稿です**
先日,機能性神経障害(FND)の患者さんをご紹介いただき,とくにリハビリの進め方についてご相談を受けました.適切にご説明するため,2024年にLancet Neurology誌に報告されたPhysio4FMD試験をあらためて読み直しました.この研究は,FNDに対する「脳の予測モデル」に基づいた新しいリハビリの方向性を示した,非常に示唆に富むものです.
FNDは「体を動かしたいのに動かない」「勝手にふるえてしまう」などの症状を呈します.脳に器質的な異常はないものの,脳が体の動きを誤って予測してしまうことが原因と考えられています.私たちの脳は,常に「これから何が起こるか」を予測しながら運動や感覚を制御しています.つまり脳は日常生活の中で,「予測」と「実際の感覚入力」を比較しながら行動を調整しているのです.例えば,「右手を上げる」と予測したとき,実際に手が上がるという感覚が一致すれば,脳は「自分が動かした」と理解します.この仕組みを説明する理論が「ベイズ的予測モデル(Bayesian model)」です.しかしFNDではこの予測と感覚がずれてしまい,「動かそうとしても動かない」「勝手に動く」という誤作動が起こります.このずれ(予測誤差)を修正し,脳が正しい動作感覚を再び学び直すことがリハビリの目的になるということです.ですから通常のリハビリとは大きくアプローチが異なります.
論文のPhysio4FMD試験は,英国で行われた多施設ランダム化比較試験で,「確実なFMD」と診断された成人355例を対象としました.9回の専門的理学療法とフォローアップを行う群と,地域の一般的理学療法に紹介する群に無作為化され,主要評価項目は12か月後のSF-36身体機能スコアでした.最終的にコロナによる中断がなかった241例(専門群138,通常群103)が解析対象となりました.結果としては,身体機能スコアには有意な差はみられませんでしたが,自己評価による症状改善(CGI-I)では専門的理学療法群が一貫して良好な結果を示しました.6か月の時点で改善または著明改善と答えた人は専門群で大多数を占め(63%対28%,オッズ比4.7),12か月後でもその効果は持続していました(59%対39%,オッズ比2.3)(図).精神的健康スコアや診断に対する信用も専門群で向上し,重篤な副作用は報告されず,安全に実施できる治療であることが確認されました.
Physio4FMDで行われた専門的理学療法は,従来の筋力強化や動作矯正とは異なり,脳の誤作動を修正するように設計されています.リハビリは三つの柱から構成されていました.
① 症状の理解を助ける教育;体は壊れていないが脳の信号伝達が一時的に乱れていることを説明し,不安を軽減する.
② 注意の再方向づけ;「手を動かそう」と意識するほど動けなくなるため,音やリズム,視覚的目標など外的刺激に注意を向けながら,自動的な動作を誘発する.
③ 自己管理と再発予防;ワークブックを用いて,自宅での練習や再発時の対応を学ぶ.
理学療法士は全員が5日間の集中トレーニングと標準化マニュアルを修了し,患者の理解と自己効力感を高めるための関わりを重視しました.「動かそう」と強く意識すると,脳は過剰に予測を立ててしまい,感覚とのずれが拡大します.この逆転現象がFNDの特徴であり,リハビリでは「どう動かすか」ではなく「どう意識しないか」を練習することが重要となります.症状の改善は「自分の体を再び信じられるようになること」によりもたらされます.よってリハビリの目的は,まさにその「自己効力感の回復」にあります.体が壊れていないという理解を深めること,動作を意識しすぎずに外的な目的に集中すること,わずかな成功体験を大切にして脳に「できた」という感覚を刻むこと,症状が出たときは深呼吸して落ち着き,再発しても「前より早く戻れる」と信じること,これらがリハビリの実践的ポイントです.
以上をまとめると,リハビリの具体的な指針は次の通りです.
• 体が壊れているわけではないと理解し,安心して取り組むこと.
• 「動かそう」と意識せず,音やリズム,物体操作など外の目的に注意を向けること.
• 「手を動かす」ではなく,「ボールを投げる」「風船を打つ」と考えること.
• 少しでも動けたら「できた」と実感し,その成功体験を積み重ねること.
• 症状が出たときは焦らず深呼吸し,「また動けるようになる」と思い出すこと.
• 再発しても「以前より早く回復できる」と考え,落ち着いて対処すること.
Nielsen G, et al. Specialist physiotherapy for functional motor disorder in England and Scotland (Physio4FMD): a pragmatic, multicentre, phase 3 randomised controlled trial. Lancet Neurol. 2024 Jul;23(7):675-686. doi.org/10.1016/S1474-4422(24)00135-2

・胎児を守る抗てんかん薬の選択――フランスにおける10年の劇的な変化
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年10月28日のFB投稿です**
抗てんかん薬(antiseizure medications;ASM)は,てんかんのほか気分障害,慢性疼痛,片頭痛などにも広く用いられていますが,一部の薬剤は胎児に奇形や神経発達障害をもたらすことが知られています.フランスのEPI-PHARE研究チームは,全国母子レジストリ「EPI-MERES」を用い,2013〜2021年に終了した約870万件の妊娠を解析し,抗てんかん薬の胎児曝露の推移を明らかにしました.
この期間に少なくとも1種類の抗てんかん薬に曝露された妊娠は55,801件で,全妊娠の0.64%にあたりました.薬剤を安全性に基づいて分類すると,「最も安全」とされるラモトリギンとレベチラセタムへの曝露が約半数,「リスク不明群」(プレガバリン,ガバペンチン,エトスクシミド,ラコサミド,ペランパネル,ゾニサミドなど)が約3分の1,「リスク既知群」(バルプロ酸,バルプロミド,カルバマゼピン,トピラマート,フェニトイン,フェノバールなど)が約4分の1を占めていました.
図に示されるように,2013年から2021年の間で薬剤の構成は劇的に変化しました.バルプロ酸とバルプロミド(バルプロ酸のプロドラッグ)への曝露妊娠はそれぞれ−84%,−89%と急減し,リスク軽減策が効果を上げていることが明らかになりました.代わって,ラモトリギンとレベチラセタムといった安全性の高い薬剤が大きく増加し,それぞれ+22%,+64%の上昇を示しました.ラモトリギンはもともとてんかんに多く使用されていましたが,この10年間で気分障害に対しても用いられる割合が増加したようで,2013〜2015年の15%から2019〜2021年には23%へと拡大しました.これは,ラモトリギンが「胎児への安全性が比較的高い薬」として,精神科領域でも選択される傾向を反映しています.私も良く認識していなかったのですが,日本でもその適応に「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」があります.
一方,プレガバリンやガバペンチン,新規抗てんかん薬(ラコサミド,ゾニサミドなど)の使用は急増しました.とくにプレガバリンでは,妊娠全期間を通じての曝露が+171%に増加しており,胎児がより高用量・長期間曝露されていることが懸念されます.カルバマゼピンやトピラマートの使用も緩やかに減少したものの,依然として2019〜2021年の3年間だけでそれぞれ約600件の出産曝露がみられました.トピラマートは海外では片頭痛にも使用されています.
母体背景をみると,抗てんかん薬曝露妊娠の母親は非曝露群よりも高齢であり,また低所得層の割合が高い傾向にありました.とくにリスク既知薬および不明薬の使用群では,低所得層が約18%に達し,安全な薬剤群(約14%)よりも多く,社会的格差の影響が示唆されました.
著者らは,バルプロ酸曝露の劇的減少は,2015年以降に強化された欧州医薬品庁の妊娠回避プログラムの成果であるとしながらも,その一方で,安全性が十分に検証されていない薬剤の使用が拡大している現状を強調しています.特にプレガバリンや新規抗てんかん薬の使用増加は,今後のリスク評価が急務であると述べています.また,社会的に不利な立場にある女性ほどリスクの高い薬剤を使用している傾向があるため,妊娠前カウンセリング,避妊支援,医療アクセス改善の必要性が強調されています.日本においても同様の処方傾向が生じている可能性があります.妊娠可能年齢の女性への抗てんかん薬処方の在り方を見直す契機となる重要な論文です.
Shahriari P, et al. Trends in Prenatal Exposure to Antiseizure Medications Over the Past Decade: A Nationwide Study. Neurology. 2025;105:e213933. doi.org/10.1212/WNL.0000000000213933

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

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2025年8月のニュース

「健康長寿を目指すのであれば、歩数(+中強度活動15~20分)の確保に加え、脳や免疫系の若さを保つこと!」
今月の関連学術ニュースは、歩数と健康リスク、臓器の老化と健康リスクについての最新の研究成果の紹介と岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報です。

1.2025年8月の活動状況
・田村 芙美子さんの投稿
8/1 今日から8月「葉月」。「葉落月(はおちづき)」が転じて「葉月」といわれるそう。 今朝はまさに葉が散る秋のように涼しく(朝だけ)、ネッククーラーは不要かとoffにしたまま首にかけて出掛けました(事件はコメ欄)。渋谷教室では、夕べのzoomのポールを持った場合、持たない場合の歩幅をチェックしてみました。皆さんに前回練習したローリング歩行(!)で歩いて貰いました。ポール有の方が全員歩幅広くなりました。平均4cmも!膝が人工関節の方もポールがあると安心して踏み出せるとの感想でした。ヨシ!

・スマイルチームさんの投稿
スマイルチーム8月恒例 日本赤十字社 救急法短期講習  胸骨圧迫➕AEDセミナー 今年も多くの学びを得ることができました。 セミナーの目的 #人命を助ける #自分にできることは何か?を知ることができる #家族を守るためにできること #遭遇してしまった時にできるようにしておく 等々 訓練は本当に大事。 毎年受講してても毎年学びがある。 講師の先生ありがとうございました。 受講された皆さん *教科書を見直しておきましょう *AEDが家の近所のどこにあるか知っておきましょう *今いる場所を説明できる目印があることを常に気にしておきましょう(電信柱 目印になる建物等) *外出の際は身分がわかるものを必ず持ち歩きましょう お疲れ様でした。 また来年ね。 動画は改めて投稿します。 #スマイルチーム #健康普及活動 #日本赤十字社 #救急法短期講習 #胸骨圧迫 #AED #松田直樹を忘れない 松田直樹は2011サッカー練習中に倒れ8/4にその若い命は空へ。そこにはAEDがありませんでした。もしそこに AEDがあったなら、マツは今でもピッチの上を走り回っていたかもしれません。 #記録 #20250801

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 8/3PW駒場例会〜 8/1長野県の男女健康寿命No,1の発表も有り、暑さに負けず集まったP-Walkerの皆さん❗️ 公園〜牧場といつもの木陰や並木道の闊歩集団でした。 隣は熱を逃れての水浴び集団〜ww

・田村 芙美子さんの投稿
8/6 朝8時15分 広島からの中継を観ました。小学生と県知事さんのお話は胸を打ちました。それにしても現地は暑かったでしょう。午前中の北鎌倉町内会公会堂はクラーで涼しく快適な運動空間でした。が、1歩外に出るとサウナ状態。異常なくらいの陽射しと気温にメンバー皆さんの往復道中が心配になりました。来週はお盆休み。

・杉浦 伸郎さんの投稿
鶴岡八幡宮ぼんぼり祭り。 鎌倉にゆかりのある著名人の書画がぼんぼりに仕立てられ、参道に並びます。夕刻になると明かりが灯され幻想的な空間が広がります。 それにしても年々暑くなっていますね。この先が思いやられます。 皆さん、Stay cool!

・田村 芙美子さんの投稿
8/8 立秋翌朝の秋の風に吹かれて湘南ライン(小金井行き)で渋谷まで。渋谷も思ったより爽やかな風で、スタジオの冷房は寒く感じるほどでした。 今日はフレイル予防の運動を中心にお盆休みにトレーニングして頂きたい2種のテーマを練習して解散。お昼から所用で三軒茶屋へ移動し夕方帰鎌しました。ネッククーラーのお陰かアマゾン熱を感じない1日でした。 数年手をつけなかったブロック塀をいよいよ解体の見積り2ヵ所依頼しました。塀は透け透けで中が見える方が安全?!地震等で倒壊すると通行人に危険ということで鎌倉市では以前から取り壊すようにとのお触れが出ています。

・スマイルチームさんの投稿
スマイルリズムエクササイズ上鶴間 20250808 この日の最高齢は88歳🤩

・校條 諭さんの投稿
真夏の気まポ(気ままにポール歩き) 午後6時に集合して、主に住宅地のコース(いつもより短い約4km)を2本のポールで歩きました。 集合時点の気温29度(たぶん)。もう少し風があってほしかったですが、快適に歩けました。 JR荻窪駅西口→すずらん通り→天祖神社・神明中学→杉並公会堂→衛生病院(東京衛生アドベンチスト病院)→教会通り→ダナン町 大半の人は後方押し出しスタイル(4点駆動)のノルディックウォーキング、足を痛めて“リハビリ”中の人は4点支持のポールウォーキング。 ベトナム中部料理の「ダナン町」でカンパイしました。

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
🎉 台灣健走杖運動推廣協會 🤝 志工服務隊 📅 2025年3月 正式成立! 我們熱愛健走杖 👣 我們相信健康與公益可以一起走 💪 現在,誠摯邀請你加入我們的行列, 一起用行動支持協會活動、推廣健走杖運動, 服務社區、幫助更多需要的人!🌿 📌 歡迎大家 一起來!

・柳澤 光宏さんの投稿
昨日は佐久市の花火大会。雨降らずに良かった!この花火大会は真上に上がるので、河原に寝そべって見るぐらいです。間近に花火を体感できる田舎ならではの花火大会でお勧めです(⁠^⁠^⁠) 今日は送り盆を済ませ会社で一仕事。なかなか進まない。言語化って難しい(⁠T⁠T⁠) 長女も帰省してきて賑やかな夏休みでした。今年はゴルフに行かず、家族で一泊二日エクシブ蓼科へ!ホテルから誕生月とのことでサプライズ。お休みも終了ですね〜。

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 「虚空蔵山PW散策」 お盆休みの最終日は道の駅「ヘルシーテラス佐久南」駐車場をお借りし、見晴らし展望台を目指しての里山巡り❗️ 50名越えの参加者(遠くは飯綱町より参加)で熊🐻注意⚠️⚠️⚠️の看板横目にの闊歩でした‼️

・佐藤珠美さんの投稿
8月19日一本柳ウォーキング倶楽部 今回から活動日が火曜日になりました。 佐久市の予想最高気温35℃🥵 そんな日は迷わず、県立武道館へ移動です🚗 会員さんと共に Japanese Walkingの言葉の意味を噛み締めました。

・田村 芙美子さんの投稿
8/20 朝の鎌倉駅ホームは風が涼しく気持ち良く外出できました。北鎌倉まで1駅を歩かず熱中症を避け シニアは電車に乗ります。北鎌沿線の尾根岩盤前をポールウォーキングで市場公会堂へ。万博に行ってきたメンバーサンからお土産話!

・遠藤 恵子さんの投稿
介護予防運動教室⇒今から加圧トレーニングセッション✨ 50代からの体づくりは “美しく・しなやかに”がテーマ!! 短時間・低負荷で効率的に、 筋力アップ・代謝UP・美姿勢へ!! 年齢を理由に諦めない! 今がいちばん輝く自分をつくりましょう🌸

・田村 芙美子さんの投稿
8/22 明日は24節季の処暑、暑さの峠を越した頃といいますが まだまだ暫く峠の上に滞在しているようです。お盆休みを挟んで2週間ぶりに渋谷の皆さんと室内ポールウォーキング。今日は会館の非常階段を利用して 階段昇降とステップエクササイズを2種。階段室は冷房がないので南国🌴トレーニング状態でした☀️😵💦毎日続けると良い筋トレになりますね。いつまでも自分の脚で歩けるように。

・遠藤 恵子さんの投稿
本日‼️ 【ポールウォーキングベーシックコーチ資格取得講座】開催です! #ポールウォーキング #ポールウォーキングベーシックコーチ #資格取得講座 #福岡県

・佐藤珠美さんの投稿
8月23日午前中はインターバル速歩倶楽部の活動日。 写真を撮る余裕無し😢 以前、信州大学の能勢先生は書籍の中で 「インターバル速歩は長野県民だから成功した活動」と記しています。「長野県が長寿県になったのは1945年に佐久市の佐久病院に赴任した若月俊一医師が 予防は治療に勝る として農村医療を始めた事。減塩運動・集団検診などを推奨した結果、健康意識の高い県民性になった」 倶楽部の皆で、気持ちを新たに歩きました。 午後からは研修会。 講師 NPO法人CRファクトリー代表理事 呉 哲煥様 良い出会いがありました😊

・田村 芙美子さんの投稿
8/26 北鎌倉の六国見山の里山再生の活動の記録。スタートは2011年。私達テラススタジオの初期メンバーはそれより5年位前から六国見山往復をポールウォーキングのコースにして来ました。初心者でも無理のないコースなので外部の方ともこれまでに数えきれないほど歩きました。一方でヤマアジサイやヤマザクラの植栽や手入れをしてくださる湧水ネットワークの方々の存在を知り感謝です。猛暑日が収まりましたらこの本を道しるべにして又ゆっくり春夏秋冬を楽しんで歩きます。

・柳澤 光宏さんの投稿
昨日は県議会産業観光企業委員会の皆様が来社。1時間で説明&工場見学を。議会の正式活動とのことで、県職員の方々も随行で来られていて、ちょっと仰々しい感じでした(⁠^⁠^⁠) ご来社ありがとうございました!!

・田村 芙美子さんの投稿
8/27 今日第4週はレッスンのあとはお楽しみ会。 椅子トレ~ふくらはぎストレッチ、7秒スクワット、マットで一連のコアエクササイズのあとは🔪🍴恒例のお楽しみランチ会。今日の主役は素麺!大鍋にお湯を沸かし素麺を茹でるまで時間がかかってお腹ペコペコ。冷たく冷やした素麺を熱い具だくさん汁につけて頂きました。初めて知った現地の茶道ならぬ「コーヒー道」の話!

・田村 芙美子さんの投稿
8/28 お盆休み明け久しぶりの貯筋クラス。予報通り昨日より2~3℃低く気持ち涼しさを感じました。センター入り口のひまわりは皆東の方向を向いていました。まだ蕾もあり 夏は暫く続きそう。包括支援センターから毎月恒例の計測に来てくださり筋肉量や握力を測りました。先月と大きな違いはなくお宅筋トレ継続の成果かと思います。今日はPATROLベルトを使ってエクササイズ。効きましたね。

・長谷川 弘道さんの投稿
皆さんはAIをどのくらい活用していますか? その活用の仕方が今社会問題にもなってきていますが、まずは相手(AI)が何者なのかを理解することが大事かと思います。 2年ほど前から私もちょこちょこと勉強していますが、とにかく触ってみることですね。 ほんと、習うより慣れろしかないです。 ということで、早速につい先日発表があったNotebookLMというAIに新しい機能がつきましたので、それを使ってみました。 それが貼り付けてあるものです。 私が今いちばん力を入れている運動プログラムをAIでまとめてみました。 一般の方にとってわかりやすい動画説明なんですが、とにかくすごい!資料や動画などの元データをこのAIに送れば、あとは自動的にというかAIが見事に生成してくれます。 少し言葉がおかしいところがありますがほぼ100点に近い出来栄えです! ぜひご覧ください。 そしてこの内容についてご質問があればいつでもコメントください。

・Ruri Nissatoさんの投稿
体操ボランティアを3年以上続けている人20名が表彰されました。 定年後に始めて5年。 楽しみながら続けていこうと思います。

 

来月以降の開催
・長岡智津子さんの投稿
写真1件

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
日本健走杖健走教練培訓報名表

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿(その①)
📣【2025健走杖 健康活力輕旅行】🌿 ✨第三屆・9月即將登場!✨ 準備好迎接一場結合 健走 × 旅行 × 健康活力 的精彩活動了嗎?🎒 Andy教練、媛玲教練、均萍教練、淑芬教練、淑鳳理事長 (依🎦影片出場順序)邀請大家👣 拿起你的健走杖,跟我們一起出發, 走進自然、呼吸新鮮空氣、動起來! ✔️ 健走路線精心規劃 ✔️ 教練全程帶領陪走 ✔️ 適合各年齡層的輕旅行行程 ✔️ 不只有健走,還有美景、美食與好心情🎑🍱 📅 活動預定於 9月展開,名額有限, 👉 歡迎大家踴躍報名,一起走出健康好生活!

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿(その②)
2025健走杖.健康活力輕旅行 – 腳ㄚ聚樂部

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)健康リスクを抑えるためには一日何歩歩けば良いのか?歩数と健康リスクについての最新情報
**以下は、大阪大学の宮坂昌之先生の2025年8月2日のFB投稿です**
定期的な運動により全死亡率、がんによる死亡率などが低下することが分かっています。この点、ウオーキングがもっともやりやすい運動ですが、ではどのぐらい歩いたらいいのか、これまで諸説がありました。
この点に関して、オーストラリアの研究グループが過去10年間に発表された論文のメタ解析をして、最新号の専門誌Lancet Public Healthに論文を発表しています。
(https://www.thelancet.com/…/PIIS2468-2667(25…/fulltext)
それによると、全死亡率、心血管疾患発症率、認知症や転倒に関しては、1日あたり2,000歩を歩くと、リスクが低下し始め、約5,000~7,000歩あたりで変曲点を示す非線形の逆相関が認められるとのことです(言い換えると、1日2,000歩以上歩くのがよく、5,000~7,000歩以上歩けば、さらに上記リスクが下がる傾向がある、ということです)。
具体的なデータは次のようです。1日7,000歩では、1日2,000歩の場合と比較して、全死亡リスクは47%低下、心血管疾患発症リスクは25%低下、心血管疾患死亡リスクは47%低下、癌発症リスクは6%低下、癌死亡リスクは37%低下、2型糖尿病のリスクは14%低下、認知症のリスクは38%低下、うつ症状のリスクは22%低下、転倒リスクは28%低下していました。
つまり、高齢者は、まずは1日2,000歩を歩くこと、できれば1日7,000歩を目標にするとかなり良い結果が得られる可能性があるということです。1日2,000歩はそれほど難しくありませんよね。
論文
掲載誌;The Lancet Public Health、ArticlesVolume 10, Issue 8e668-e681August 2025
表題;Daily steps and health outcomes in adults: a systematic review and dose-response meta-analysis
著者;Prof Ding Ding, PhDa,b melody.ding@sydney.edu.au ∙ Binh Nguyen, PhDa,b ∙ Tracy Nau, BComLaw BNutScia,b ∙ Mengyun Luo, PhDa,b ∙ Borja del Pozo Cruz, PhDc ∙ Paddy C Dempsey, PhDd,e,f,g ∙ et al. Show more

📝 論文要約(Summary)の日本語訳(Copilotによる)
背景;この10年間で日常の歩数と健康との関連を示す証拠が急速に増加したが、既存のシステマティックレビューでは主に全死因死亡率のような限られたアウトカムに焦点が当てられている。本研究では、日々の歩数と、全死因死亡率、心血管疾患、がん、2型糖尿病、認知機能、メンタルヘルス、身体機能、転倒などの健康アウトカムとの前向きな用量反応関係を統合的に検討した。
方法;2014年1月1日から2025年2月14日までに発表された文献を対象に、PubMedとEBSCO CINAHLを用いて検索した。対象研究は、成人を対象にした、デバイスで測定された日々の歩数と健康アウトカムの関連を検討した前向き研究。二人一組で研究選定、データ抽出、バイアス評価を実施し、統計解析にはランダム効果モデルを使用した。エビデンスの確信度はGRADEシステムに基づいて評価された。
結果;35コホートから57件の研究がレビューに含まれ、うち31件がメタ解析に用いられた。全死因死亡率、心血管疾患の発症、認知症、転倒については、非線形の逆相関関係が見られ、5000〜7000歩/日付近に屈曲点があった。心血管疾患による死亡率、がんの罹患率・死亡率、2型糖尿病の発症、抑うつ症状については、線形の逆相関が見られた。例えば、7000歩/日は2000歩/日と比べて以下のようなリスク低下が見られた:
全死因死亡率:47%低下
心血管疾患の発症:25%低下
心血管疾患による死亡率:47%低下
がん死亡率:37%低下
認知症:38%低下
抑うつ症状:22%低下
転倒:28%低下 物理的機能に関する研究(メタ解析外)でも、同様の逆相関が見られた。
解釈;1日1万歩という目標も有効だが、7000歩/日は健康改善において臨床的に意味のある効果があり、より現実的かつ達成可能な目標かもしれない。ただし、研究数の少なさや年齢ごとの分析不足、個々の研究におけるバイアスなどの制限も踏まえて解釈すべきである。

関連情報;青柳先生の中之条研究との比較
**以下、Copilotとの問答です**
Q:この研究結果と青柳博士の中之条町の調査結果とを比較検討してください。
A:もちろんです、瑛さん。以下に、Lancet Public Health誌の国際メタ解析と、青栁幸利博士による中之条研究の主要な知見を比較検討した表をまとめました:
🔍 歩数と健康アウトカムに関する比較
(上段)Lancetメタ解析 (下段) 中之条研究
対象者;
世界各国の成人(35コホート)
群馬県中之条町の高齢者(約5,000人)
研究期間;
2014〜2025年の文献レビュー
2000年〜継続中(20年以上)
方法;
デバイス測定歩数+健康アウトカムの前向き研究
活動量計+詳細な生活習慣・疾患調査
推奨歩数;
約7,000歩/日で健康効果が顕著
8,000歩/日+中強度歩行20分が最適
中強度歩行の扱い;
一部研究で考慮されるが明示的ではない
明確に「速歩き20分」が必要とされる
予防できる疾患;
全死因死亡率、心疾患、がん、認知症、うつ病、転倒など
認知症、糖尿病、うつ病、高血圧、骨粗鬆症、脳卒中、がんなど
歩数と疾患予防の関係;
非線形または線形の逆相関(例:7,000歩で死亡率47%低下)
明確なカットオフ値(例:8,000歩で糖尿病・高血圧予防)
年齢層の分析;
年齢別の詳細分析は限定的
高齢者中心に詳細な生活習慣分析あり
研究の強み;
多国籍・多疾患にわたる包括的メタ解析
長期・地域密着型で生活実態に即した知見

🧠 考察ポイント
• 共通点:どちらも「歩数の増加が健康に良い」という点で一致。ただし、量だけでなく質(速歩き)が重要という点では中之条研究がより具体的。
• 違い:Lancetの研究はグローバルな傾向を示す一方、中之条研究は日本の高齢者の生活実態に即した「実践的な指標」を提供。
• 実用性:中之条研究の「8,000歩+速歩き20分」は、自治体や健康保険組合でも活用されており、政策的応用が進んでいる。
どちらの研究も補完的で、国際的なエビデンスと地域密着型の知見を組み合わせることで、より効果的な健康戦略が立てられると言えます。
もし、疾患別の予防効果や年齢層ごとの違いなど、さらに深掘りしたい項目があれば教えてください。データの裏側まで一緒に探ってみましょう。

(注)青柳先生の最近の論文です。
論文名;健康長寿を実現するための至適な身体活動: 中之条研究
著者;青栁 幸利
掲載誌;日本腎臓リハビリテーション学会誌2025 年 4 巻 1 号 p. 15-21
DOI; https://doi.org/10.60371/jjrr.4.1_15
抄録;現下の中之条研究データによると,高齢者の健康全般と寿命・死亡率は,日常身体活動の量(1 日の歩数の年平均)と質(1 日の中強度[一般的に安静時代謝量の3 倍以上6 倍未満]活動時間 の年平均)の両方と関係がある。男性では,健康の度合いには1 日の中強度活動時間のほうが1 日の歩数よりも密接に関連するが,対照的に女性では,歩数のほうが中強度活動時間よりも関係 は緊密である。腎臓病の原因となる糖尿病,高血圧症,脂質異常症などの生活習慣病がないこと など,より良好な健康状態に関連する身体活動閾値(歩数・中強度活動時間)は,男性では8,000 歩・20 分/日,女性では7,000 歩・15 分/日である。生活習慣病全般を予防し,ひいては健康長 寿を実現するためには,1 日の合計で少なくとも15~20 分の適度な(時速約5 km 相当での)活 動と,少なくとも45~60 分の軽度な活動が有効である。

 

2-2)臓器の老化と健康リスク;プロテオミクス(プロテオーム解析)による最新情報
1)脳や免疫系が(実年齢より)若い人は長寿である。
**大阪大学の宮坂昌之先生の2025年7月17日のFB投稿です**
図 1: UKB における血漿タンパク質由来の臓器年齢の推定。
最近、プロテオミクスという方法で、血液中に出現するさまざまな臓器由来のタンパク質を網羅的に調べることにより、それぞれの臓器の年令を個別に知ることができようになってきました。一方で、果たしてそれが病気になりやすさや将来の死亡率にどのぐらい影響するのかについてはよくわかっていませんでした。
今回、アメリカの研究グループが、英国バイオバンクに寄託された44,498人の血液検体から得られた血漿プロテオミクスデータ(2,916種類のタンパク質について調査)を用いて、11の臓器の生物学的年齢を推定しています。Nature Medicineに掲載された論文です。
それぞれの臓器の推定年齢は、生活習慣因子や薬剤の影響を強く受けていて、心不全、慢性閉塞性肺疾患、2型糖尿病、アルツハイマー病など、様々な疾患の将来の発症(17年間の追跡期間内)と関連していました。
特に興味深いのは、まず、脳の年令が特に高い人では、アルツハイマー病の最も強い遺伝的危険因子であるAPOE4遺伝子の特定のアレル(対立遺伝子)を1つ持つ場合と同等の高いアルツハイマー病リスクがあった、ということです(ハザード比(HR)=3.1;すなわち、APOE4の特定のアレルを持たない人に比べて3.1倍リスクが高い)。これに対して、脳の年令が特に若い人では、APOE遺伝子型に関わらず、APOE2のコピーを2つ持つ場合と同等の保護効果を示していました(HR=0.26;リスクが0.26倍と低くなっていた)。また、これは予想どおりですが、老化した臓器の数が増えるほど、死亡リスクが高くなっていました(老化臓器2~4個の場合、HR=2.3、老化臓器5~7個の場合、HR=4.5、老化臓器が8個以上の場合、HR=8.3)。
一方、若い脳と免疫系は明らかに長寿と関連していました(若い脳を持つ人の死亡リスク;HR=0.60、若い免疫系を持つ人の死亡リスク;HR=0.58、両方とも若い人の死亡リスク、HR=0.44)。以上まとめると、脳と免疫系を早く老化させないことが大事であり、脳と免疫系を若く保つことが長寿につながる、ということになります。
さあ、ではどうやったら脳と免疫系を若く保つことができるのでしょうか?私がかねてから「信州上田みらい塾」で受講生の方々に言っているのは、食生活に気を付けて体重を一定範囲内に維持すること、高血糖、高血圧、高脂血症などがあったら早いうちに対処すること、もう一つは定期的にそしてこまめに運動をすることです。以上のことは発作的に試みても効果は少なく、毎日毎日の積み重ねが大事です。

**大阪大学の宮坂昌之先生の2025年7月28日のFB投稿です**
約10日前のことですが、フェイスブックに「脳や免疫系が若い人は長寿である」という論文を紹介しました(https://www.facebook.com/masayuki.miyasaka.9/posts/pfbid035jighbNuWPKzKbq6zcG7D59SLqoyQBmRCK8bUEmZQCfFEFikKeRjhugPhA4k3BwKl)。
この論文に対して世界中から大きな反響があったためだと思いますが、この論文の著者たちが、改めてこの論文のまとめを同じNature Medicineに書いています。その骨子を説明しましょう。
彼らは、まず、イギリスのバイオバンクに寄託されている数万人の血液サンプルを調べました。特に、血液中の多数のタンパク質を調べる方法であるプロテオミクスを用いて、実際のからだの年令がわかっている人たちについて、各臓器由来のタンパク質(数千個)を詳細に調べ、それぞれの臓器の年令を割り出しました。そして、実際年齢よりも各臓器の年令が著しく高い人たち(=老化が非常に進んでいる人たち)と各臓器年齢が著しく若い人たち(=老化の程度がきわめて軽い人たち)に分けて、時間経過を追って彼らの死亡リスクを割り出しました(最大観察期間は17年)。
結果は、1枚目の図に示すように、
1. 脳の老化が進んだ人は将来の死亡リスクが高く、アルツハイマー病を発症するリスクも3倍ぐらい高いこと。
2. いくつもの臓器で老化が進んでいる人は将来の死亡リスクが高いこと。
3. 脳や免疫系が若い人は死亡リスクが低いこと(脳が若い人はアルツハイマー病になるリスクが約75%低い)こと。
4. いくつもの臓器が若い人は死亡リスクが低めにはなるが、若い臓器数が増えても死亡リスクは必ずしも低くならないこと(理由は不明だが、若さの過信はかえっていけないということか?)
さらに、2枚目の図では、将来の生存リスクが一番高いのは、脳あるいは免疫系が若い人、二番目が普通に老化している人、三番目以降は老化臓器の数が多い人、という順番となっています。
以上、前に紹介したように、脳と免疫系の若さを保つことが大事です。そのためには、飲み過ぎ、食べすぎを避け、よく運動し、生活リズムを大事にして、よく休み、そして、よく寝ることが肝要です。

関連情報
(1)原論文
Article、Open access、Published: 09 July 2025
Plasma proteomics links brain and immune system aging with healthspan and longevity
Hamilton Se-Hwee Oh, Yann Le Guen, Nimrod Rappoport, Deniz Yagmur Urey, Amelia Farinas, Jarod Rutledge, Divya Channappa, Anthony D. Wagner, Elizabeth Mormino, Anne Brunet, Michael D. Greicius & Tony Wyss-Coray
記事、オープンアクセス、公開日:2025年7月9日
血漿プロテオミクスは脳と免疫系の老化と健康寿命および長寿を関連付けている
ハミルトン・セフイ・オヤン・ル・グエンニムロッド・ラポポートデニス・ヤグムール・ユーリーアメリア・ファリナスジャロッド・ラトレッジディヴィヤ・チャンナッパアンソニー・D・ワグナーエリザベス・モルミノアンヌ・ブルネット、マイケル・D・グレイシアス&トニー・ウィス・コレイ
(2)論文の要約
特定の臓器由来の血漿タンパク質は臓器年齢と死亡率を推定できるが、環境因子に対する感度や、臓器疾患および死亡率の発症予測における堅牢性については依然として不明である。このギャップを埋めるため、英国バイオバンクの44,498人から得られた血漿プロテオミクスデータ(2,916種類のタンパク質)を用いて、11の臓器の生物学的年齢を推定した。臓器年齢の推定値は、生活習慣因子や薬剤投与に敏感であり、心不全、慢性閉塞性肺疾患、2型糖尿病、アルツハイマー病など、様々な疾患の将来の発症(17年間の追跡期間内)と関連していた。注目すべきことに、特に老化した脳は、散発性アルツハイマー病の最も強い遺伝的危険因子であるAPOE4のコピーを 1 つ持つ場合と同等のアルツハイマー病のリスク (ハザード比 (HR) = 3.1) を及ぼしたのに対し、若い脳 (HR = 0.26) は、APOE遺伝子型とは無関係に、APOE2のコピーを 2 つ持つ場合と同等の保護を提供した。老化臓器の蓄積は次第に死亡リスクを増加させた (2~4 個の老化臓器、HR = 2.3、5~7 個の老化臓器、HR = 4.5、8 個以上の老化臓器、HR = 8.3)。一方、若い脳と免疫系は長寿と独自に関連していた (若い脳、死亡リスクの HR = 0.60、若い免疫系の HR = 0.58、両方が若い、HR = 0.44)。総合的に、これらの研究結果は、臓器の健康状態をモニタリングするために血漿タンパク質を使用することを支持するものであり、脳と免疫系が長寿介入の重要なターゲットであることを示しています。
(3)「血漿プロテオミクスデータ(2,916種類のタンパク質)を用いた、11の臓器の生物学的年齢の推定」について、Copilotに訊いてみた。
**以下、その解答です**
🧠 血漿タンパク質から臓器の生物学的年齢を推定する機械学習モデルの仕組み
この研究では、血漿中のタンパク質の発現パターンを使って、脳や免疫系など11の臓器の「生物学的年齢」を推定するために、機械学習モデルが用いられました。以下にその解析方法をわかりやすく説明します:
🧪 ステップ①:臓器特異的タンパク質の選定
• まず、Gene Tissue Expression Atlas(GTEx)などのデータベースを使って、各臓器に特異的に発現するタンパク質(organ-enriched proteins)を特定。
• 例えば、脳で特異的に発現するタンパク質は、他の臓器よりも4倍以上高い発現を示すものとして選定。
🤖 ステップ②:機械学習モデルの構築
• 各臓器ごとに、選定されたタンパク質を入力とし、年齢予測モデルを構築。
• 使用された手法は、10×10のネストされたクロスバリデーション(モデルの汎化性能を高めるための手法)。
• モデルには、性別などの共変量も含めて調整。
📊 ステップ③:生物学的年齢の推定
• モデルは、ある人の血漿タンパク質のプロファイルをもとに、各臓器の「予測年齢」を算出。
• その人の実年齢との差(Age Gap)を計算し、臓器が「若い」か「老化している」かを評価。
🧬 ステップ④:臨床的関連性の検証
• 推定された臓器年齢と、疾患リスク(心不全、糖尿病、アルツハイマー病など)や死亡率との関連を統計解析。
• 特に、脳と免疫系の若さが健康寿命や長寿と強く関連していることが判明。
💡 まとめ
この解析は、以下のような特徴を持ちます:
• 臓器ごとの老化速度を個別に評価できる。
• 非侵襲的(血液のみ)で、広範な健康状態をモニタリング可能。
• 予防医療や個別化医療への応用が期待される。
さらに詳しい技術的な図やモデル構造が見たい場合は、Nature Medicineの論文本文をご覧いただくと、図1や補足資料に詳細が記載されています。

2)50歳前後で老化の変曲点が見られ、血管は早期に老化が起こる。
**大阪大学の宮坂昌之先生の2025年7月28日のFB投稿です**
先に血液中に出現するさまざまな組織由来の蛋白質のプロテオーム解析によって、それぞれの臓器の年齢が推定できるということを2回にわたって紹介しましたが、中国の研究グループはさまざまな年齢(14-68歳)の人から種々の臓器サンプルを得て、プロテオーム解析を行い、ひとによってそれぞれの臓器の老化のスピードが実際に違うことを示しています。最近の専門誌Cellに出た論文です。
それによると、ひとでは一般に50歳前後で老化の変曲点が見られ、特に血管の老化が年齢とともに早く進行し、血管が老化の影響をもっとも受けやすい組織であることが分かりました。また、老化に伴って血液中に新たに出現する蛋白質を網羅的に調べたところ、血管や全身の老化を促進するいくつかの候補蛋白質が見つかってきました。
そうなると、このような「老化促進蛋白質」というものがどのようにして出来てくるのか、そしてどのようにして老化を促進するのか、さらには、これらの蛋白質の機能を人為的に制御できないだろうか、など、知りたいことが次々と出てきます。そのようなことを順番に明らかにしていくことによって、老化の人工的制御に必要なことが次第に分かってくる可能性があります。
最近はいわゆるアンチエイジング研究が大はやりですが、実際に論文を読んでみると、怪しげなものが多いのが実情です。一方で、老化に関する基礎的な研究は非常に大事であり、そのような研究がやがては老化のメカニズムの解明や老化の人工的制御につながる大事な情報を提供していくのかもしれません。期待しましょう。

関連情報
(1)論文
ArticleOnline nowJuly 25, 2025
Comprehensive human proteome profiles across a 50-year lifespan reveal aging trajectories and signatures
Yingjie Ding1,6,15 ∙ Yuesheng Zuo1,6,15 ∙ Bin Zhang2,6,15 ∙ … ∙ Jing Qu2,3,6,9,13,14 qujing@ioz.ac.cn ∙ Weiqi Zhang1,3,6,13,14 zhangwq@big.ac.cn ∙ Guang-Hui Liu2,3,6,10,13,14,17 ghliu@ioz.ac.cn … Show more
記事は2025年7月25日にオンライン公開されました
50年間の人生にわたる包括的なヒトプロテオームプロファイルは老化の軌跡と特徴を明らかにする
丁英傑1、 6、 15∙岳生 左1、 6、 15∙張斌 2、 6、 15∙ … ∙景 区2、 3、 6、 9、 13、 14 qujing@ioz.ac.cn∙張偉奇 1 , 3 , 6 , 13 , 14 zhangwq@big.ac.cn∙劉光輝 2 , 3 , 6 , 10 , 13 , 14 , 17 ghliu@ioz.ac.cn…もっと見る
(2)論文要旨
タンパク質は生命の礎です。しかし、ヒト組織全体における老化のプロテオーム的青写真は未解明のままです。本稿では、50年にわたる13のヒト組織から516のサンプルを解析した包括的なプロテオーム解析および組織学的解析を紹介します。この動的なアトラスは、アミロイド蓄積を特徴とする、広範なトランスクリプトーム-プロテオーム分離とタンパク質恒常性の低下を明らかにしています。老化に伴うタンパク質の変化に基づき、組織特異的なプロテオーム年齢時計を開発し、臓器レベルの老化の軌跡を特徴づけました。経時的な解析により、50歳前後で老化の変曲点が見られ、血管は早期に老化が起こり、老化の影響を著しく受けやすい組織であることが明らかになりました。さらに、組織の起源に一致する血漿プロテオームにおける老化のシグネチャーを定義し、血管および全身の老化を促進する候補となるGAS6などの老化タンパク質を同定しました。これらの知見を合わせると、タンパク質というレンズを通してヒトの老化をシステムレベルで理解するための基礎が築かれます。
(3)血管の老化予防対策については、2025年8月2日の日本経済新聞に「血管の若さ保つには 酸化・糖化を食い止めて」が掲載されています(オンライン記事は8月1日)。

2-3)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報(2025年8月)
・「非定型パーキンソニズム」という用語は使われなくなる!?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月2日のFB投稿です**
「非定型パーキンソニズム(atypical Parkinsonism)」という用語は,私たち脳神経内科医にとってお馴染みのもので,私も2019年に「非定型パーキンソニズム―基礎と臨床―(https://amzn.to/4lsqkjf)」という専門書を編集したことがあります.Parkinsonism Relat Disord誌に,この用語の見直しを強く提案する小論文が掲載されています.
著者らはまず,「パーキンソニズム」という言葉そのものが疾患名ではなく,動作緩慢や筋強剛,振戦といった臨床的な症候群を指す用語であることを強調しています.つまり,これは表現型(phenotype)であって病名(disease entity)ではないということです.にもかかわらず,私たちはこの用語を病名のように使っていることを問題視しています.さらに英語のatypical(非定型)という言葉には,「変わっている」「厄介だ」「治療が難しい」といったニュアンスが含まれているそうで,患者さんや家族に不安や絶望を与えかねないということもあるようです.日本語の「非定型」も若干,その傾向があるかもしれません.
このような背景を踏まえて,著者らは図のような新しい分類を提案しています.まずParkinsonismという用語は,あくまで症候群として使用し,複数形の“Parkinsonisms”や病名的な使い方は避けるべきだとしています.その代わりParkinsonian disordersという病名を使います.その上で,疾患分類としては以下の3群に整理しています.
①Primary Parkinsonian disorders:神経変性疾患で,パーキンソニズムを主要症候とする疾患(例:PD,MSA,PSPなど).
②Secondary Parkinsonian disorders:原因が明確な非神経変性疾患で,パーキンソニズムを呈するもの(例:脳血管性・薬剤性パーキンソニズム,iNPHなど).
さらに①はParkinson’s diseaseとそれ以外のParkinson-like disordersに分けられます.
つまり最も重要な提案が,atypical Parkinsonismという用語をParkinson-like disordersに置き換えることになります.「-like」という表現は,「ハンチントン病様(Huntington-like)」「ポリオ様(polio-like)」など神経学で使われてきた前例があります.またatypicalよりも中立的で,予後や治療可能性に関する先入観を与えない点が大きな利点とされています.
この提案の目的は患者さんとのコミュニケーションを改善し,診療や研究の効率を高めることだと思います.たしかにそういう視点は大切だと思いました.若干の問題は,Parkinson-like disordersをどう日本語訳するかです.直訳すると,「パーキンソン病様疾患(障害)」でしょうか.もしくは従来本邦で使われてきた「パーキンソン病類縁疾患」でも良いかもしれません.日本でも病名をこれに倣うかは分かりませんが,Golbe先生のような影響力の大きな先生の提案なので,少なくとも海外の論文ではParkinsonian disordersとかParkinson-like disordersが今後頻出することを知っておく必要があると思います.
Siddiqui JH, Golbe LI. Time to retire the term “atypical Parkinsonism”. Parkinsonism Relat Disord. 2025;137:107927.(doi.org/10.1016/j.parkreldis.2025.107927)

・APOE ε4はアルツハイマー病だけでなく多くの神経変性疾患と関連する
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月4日のFB投稿です**
APOE ε4は,アルツハイマー病の最大の遺伝的リスク因子として知られています.しかしNature Medicine誌に掲載された米国・カナダからの研究は,この遺伝子がアルツハイマー病にとどまらず,前頭側頭型認知症,パーキンソン病,パーキンソン病認知症,筋萎縮性側索硬化症といった他の神経変性疾患にも共通する「炎症的な体内環境」をもたらすことを明らかにしました.
研究では1万件以上の血漿および脳脊髄液サンプルのプロテオーム解析を実施し,SomaScanという高精度なタンパク質測定法と機械学習を用いて,APOE ε4キャリアに共通する分子署名(共通のタンパク質の増減パターン)を同定しました.図1では,APOE ε4の有無によって脳脊髄液中の229種類のタンパク質の発現パターンが明確に異なることが示されています.赤は発現上昇,青は低下を示しており,疾患の種類にかかわらず,ε4キャリアというだけでこのようなタンパク発現の偏りが起こることが分かります.この分子署名は血液でも再現されており,図2の血漿中でも同様に58種類のタンパク質がAPOE ε4の有無によって有意に変動していました.つまりAPOE ε4は,脳内だけでなく「全身にわたって慢性的な炎症状態を生み出している」可能性があります.
さらに死後脳サンプルを用いた質量分析でも同様の結果が得られました.図3では,ウイルス応答,アポトーシスの抑制,タンパク質フォールディングといった生物学的プロセスが,脳脊髄液・血漿・脳のすべてで共通して活性化していることを示しています.加えて EBウイルス感染,B型肝炎,病原性大腸菌感染,そしてNF-κBやIL-17,TNFといった炎症性経路が,すべての検体においてAPOE ε4キャリアで活性化していることが明らかにされています.つまり APOE ε4による炎症性分子署名は,神経変性疾患の発症前から存在し,疾患の種類を問わず共通して観察されることが分かります.そしてこの慢性的な炎症環境は,免疫細胞の動員とも関係していると考えられます.重要なのは,こうした変化が認知症やパーキンソン病を発症していない健常なAPOE ε4キャリアにもすでに存在している点であり,これはAPOE ε4が単なる疾患リスク遺伝子ではなく,神経変性疾患が成立しやすい「炎症的脆弱性」をもたらす免疫調節因子であることを示しています.
結論として,APOE ε4はアルツハイマー病だけに特異的な遺伝子ではなく,全身性かつ疾患非依存的な炎症状態をもたらす「免疫的背景因子」であると捉える必要があるようです.
Shvetcov A, et al. APOE ε4 carriers share immune-related proteomic changes across neurodegenerative diseases. Nature Medicine, 2025. https://doi.org/10.1038/s41591-025-03835-z

・髄膜は単なる保護膜ではなく,脳梗塞後の神経炎症の司令塔として機能する!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月5日のFB投稿です**
私は留学中より脳梗塞の基礎研究を行っていましたが,この領域からCell誌に論文が掲載されることはなかなかありませんでした.今回,米国ジョンズ・ホプキンス大学からそのCell誌に論文が掲載されましたが,たしかに従来全く考えもしなかった驚きの内容でした.まず著者らは脳卒中後に生じる過剰な免疫反応において,硬膜に存在する肥満細胞が重要な役割を果たしているという仮説を立てました.特に,この肥満細胞の活性化を誘導する受容体Mrgprb2(ヒトではMRGPRX2)が,免疫細胞の脳内への移行を制御する「ゲートキーパー」として機能している可能性に着目しました.この仮説は,髄膜が中枢神経系の免疫監視の最前線に位置し,そこに存在する肥満細胞が,神経由来のストレス信号(たとえば神経ペプチドsubstance P)をMrgprb2で感知して脱顆粒し,免疫応答(神経炎症)を開始するというアイデアに基づいています.
実験では,マウスの一過性中大脳動脈閉塞モデル(tMCAO)を用いて,Mrgprb2を欠損したマウス(Mrgprb2−/−)を評価しました.その結果,Mrgprb2欠損マウスでは,脳梗塞体積が顕著に減少し,神経学的スコアや運動機能も改善していました.また30日後の生存率も向上していました.つまり,この保護効果がMrgprb2の発現の有無に依存していることが示されました(図1).
つぎにそのメカニズムを検討しました.Mrgprb2を欠損したマウスでは,野生型(WT)マウスと比べて,梗塞側硬膜における肥満細胞の脱顆粒が顕著に抑制されており,その結果,炎症性サイトカイン(CCL2,CXCL2,TNF-α,IL-1βなど)の発現も減少し,好中球や単球の脳内浸潤も抑えられていました.特に注目されるのは,頭蓋骨骨髄からの好中球が,硬膜を経由して脳実質に移動する新たな経路が存在することを明らかにした点です.この経路では,化学反発因子セマフォリン3a(Sema3a)が通常,免疫細胞の脳内移動を阻止するバリアとして働いていますが,Mrgprb2を介した肥満細胞プロテアーゼの作用によってSema3aが分解され,バリア機能が解除されることで,好中球の脳内移動が促進されていました.この経路は,Sema3a阻害薬(Sema3a-I)を用いることで再現され,Mrgprb2欠損マウスでも脳炎症が誘導されることが確認されました
さらに,ヒトでも同様のメカニズムが存在することが分かりました.ヒトの硬膜にもMRGPRX2陽性の肥満細胞が存在し,脳卒中患者の硬膜では,健常者と比較して肥満細胞の脱顆粒が有意に亢進していました.この活性化にはsubstance Pが関与しており,これがMrgprb2/MRGPRX2のリガンドとして機能し,肥満細胞の活性化を誘導することが明らかとなりました.
こうしたメカニズムが治療標的になりうるかを検討するため,研究チームはMrgprb2を阻害する天然化合物Ostholeを用いた治療実験も行いました.Ostholeを投与したマウスでは,神経炎症が抑制され,梗塞体積の縮小と神経機能と生存率の改善が認められました(図2).この効果はMrgprb2を有するマウスに限られ,Mrgprb2欠損マウスには無効だったことから,Ostholeの作用はMrgprb2依存的であることが示されました.
この研究は,脳卒中後の神経炎症が「神経→硬膜肥満細胞→骨髄免疫細胞→脳実質」という新たな経路によって生じてるという,全く新しい視点を提示しました.そしてこの経路の起点にあるMrgprb2/MRGPRX2を標的とすることで,脳卒中後の神経炎症による障害を抑制する新たな治療戦略が開かれる可能性があります.血液脳関門の外に存在する硬膜肥満細胞を標的とすることで,薬物送達のハードルも低く,今後の臨床応用が期待されます.
なお図3は,この研究のサマリーですが,脳卒中により活性化された神経細胞からsubstance Pが放出され,それを感知した硬膜肥満細胞がMrgprb2を介して脱顆粒し,炎症性メディエーターを放出する様子が描かれています.その結果,好中球が頭蓋骨骨髄から硬膜へ移動し,さらにSema3aの阻害によって脳実質内へと侵入するという一連の流れが示されています.髄膜が単なる保護膜ではなく,神経炎症の司令塔として機能していることを象徴的に表現しています.
Kothari R, et al. A mast cell receptor mediates post-stroke brain inflammation via a dural-brain axis. Cell. 2025;188(17):1–17. https://doi.org/10.1016/j.cell.2025.06.045

・自己免疫性タウオパチーとしてのIgLON5抗体関連疾患:脳幹優位の萎縮パターンとその意義
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月7日のFB投稿です**
希少疾患であるため12か国が結集して取り組んだ国際共同研究で,日本からは私ども岐阜大学が参加し,Brain誌に掲載された論文です.IgLON5抗体関連疾患は,自己免疫性脳炎の一種であり,睡眠障害,運動異常症,球麻痺,認知機能障害などを呈する多彩な臨床像を特徴としています.免疫療法がある程度有効で,進行性核上性麻痺(PSP)や多系統萎縮症(MSA)などと類似する表現型をとることがあるため,神経内科専門医が知っておくべき重要な疾患です.また,病理学的には脳幹優位のタウ蓄積を伴う点で,自己免疫と神経変性の両側面を併せ持つユニークな疾患であり,自己免疫性タウオパチーと呼ばれることもあります.
本論文では127名の患者を対象に,頭部MRIと臨床情報を組み合わせて解析が行われました.その結果,本疾患では視床下部,脳幹,側坐核,基底核(被殻・尾状核・淡蒼球),海馬,視床といった特定の部位に限局した脳萎縮が認められました.なかでも脳幹は萎縮の中心であり,疾患の進行とともに「延髄→橋→中脳」の順で萎縮が進行する,すなわち尾側から頭側への萎縮勾配が確認されました.これは剖検例におけるタウ蓄積の分布と一致しており,MRI画像上でも病態の空間的進行が可視化された点が注目されます.
また,運動障害を呈する患者では基底核の萎縮が顕著であり,認知機能障害を呈する患者では視床や海馬の萎縮が強いという,臨床症状と脳萎縮パターンの一致も確認されました.このことは,将来的に頭部MRIによる局所萎縮の評価が,症状の予測や治療反応性の指標となる可能性を示唆しています.
患者群と対照群の脳体積を比較した解析では,視床下部で平均26.8%,側坐核で13.4%,脳幹全体で12.1%の体積減少が認められました.さらに延髄単独では20.9%という著明な萎縮が確認されており,この部位が最も病理学的に侵されやすいことが明らかとなりました.一方,全脳体積には有意な減少は見られず,あくまで局所的な萎縮である点が本疾患の特徴です.また,免疫療法が脳萎縮に与える影響についても検討されましたが,症例数の制限などから明確な結論には至りませんでした.
まとめの図が示しているように,IgLON5タンパクの発現部位,自己抗体の沈着部位,そしてタウ病理の分布が,驚くほど高い一致性をもって重なっている点が印象的です.IgLON5は延髄,橋,中脳などの脳幹部をはじめ,視床下部,視床,側坐核や基底核に豊富に発現しており,それと同じ部位に自己抗体の沈着が集中していることが剖検研究で示されています.さらに,タウの沈着もこれらの部位に重なっており,抗体の標的,神経変性の進行,タウの蓄積という3つの層が,空間的に一致していることが確認されました.
以上から,本疾患は「抗体出現 → IgLON5機能障害 → 神経機能障害・変性 → タウのリン酸化と蓄積 → タウによる二次的神経変性の進行」という一連の病態プロセスを来す疾患であることが裏づけられました.これは他の自己免疫性脳炎とは一線を画する特徴であり,免疫学的プロセスがタウのリン酸化という神経変性の引き金となりうることを示す,きわめて興味深い知見だと思います.
Yogeshwar SM, et al. Brain atrophy patterns in anti-IgLON5 disease. Brain. 2025. https://doi.org/10.1093/brain/awaf256

・CAR T細胞療法の神経毒性:病型と遅発性パーキンソニズムの機序を理解する必要がある
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月9日のFB投稿です**
日本神経免疫学会学術集会(村井弘之会長@千葉)に参加し,キメラ抗原受容体T細胞療法(Chimeric Antigen Receptor T cell therapy:CAR T細胞療法)の教育セミナーを拝聴しました.とくに大学病院では今後,その有害事象を診療する機会が増えるだろうと思います.CAR T細胞療法は,B細胞悪性腫瘍を中心に画期的な治療効果を示し,中枢神経腫瘍(膠芽腫など)や自己免疫疾患(SLE,強皮症,筋炎,血管炎,MG,NMOSD,MSなど)にも応用が拡大しています.しかし,この強力な免疫反応はしばしば全身性および神経系の有害事象を引き起こします.講演に刺激を受けたので,Nature Reviews Neurology誌8月号の総説を読んでみました.
【有害事象の時間経過】
以下に述べるCRS → TIAN → ICANS → MNTsという時間経過で出現することが多く,その発症タイミングと病態を把握することは早期発見・迅速対応に不可欠です.
①サイトカイン放出症候群(Cytokine Release Syndrome:CRS)
CAR T細胞投与後,最も早期に出現する.CRSは通常,投与後数日以内に発熱,低血圧,頻脈,呼吸不全,臓器障害などの全身性炎症症状として発症する.重症例では集中管理が必要となり,多くの場合その後に神経毒性が続発する.これは主にIL6により生じる.
②腫瘍炎症関連神経毒性(Tumor Inflammation-Associated Neurotoxicity:TIAN)
CRSとほぼ同時期か,やや後に出現する.これは中枢神経腫瘍に対するCAR T治療に特有で,腫瘍局所の炎症性浮腫によるmass effect(脳ヘルニア,水頭症)や局所神経機能障害がみられる.
③免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(Immune Effector Cell-Associated Neurotoxicity Syndrome:ICANS)
投与後おおむね10日以内に発症する.ICANSでは注意力低下,見当識障害,行動変化,発語障害から,重症例では意識障害や脳浮腫まで幅広い症状が出現する.血液脳関門の障害と全身性サイトカイン反応(IL1,GM-CSF)が主な病態と考えられている.治療はデキサメサゾンなどステロイドになる.
④運動・認知機能の治療関連有害事象(Movement and Neurocognitive Treatment-Emergent Adverse Events:MNTs)
最も遅れて投与後1〜2か月の時期に出現する.特にB細胞成熟抗原(B Cell Maturation Antigen:BCMA)標的CAR T細胞療法後にみられる遅発性パーキンソニズムが代表的であり,この時期の副作用は不可逆的となる可能性が高い.
【遅発性パーキンソニズムの特徴】
遅発性パーキンソニズムは,多発性骨髄腫に対するBCMA標的CAR T細胞療法の後に報告例が増加しています.発症は典型的にCAR T細胞投与後1〜2か月で,急性期のICANSが落ち着いた後に新たに出現するため,診療現場では見落とされやすい点が注意を要するそうです.症状は,動作緩慢,四肢の筋固縮,姿勢保持障害による転倒,静止時振戦といった典型的パーキンソニズムが主体であり,さらに注意力低下,思考の遅延といった認知機能低下を伴うことも少なくありません.
画像所見としては,頭部MRIで尾状核,被殻,淡蒼球といった線条体領域にT2-FLAIR高信号が認められます.さらにFDG-PETでは,これら基底核領域の低代謝を認めます.これらの所見は,BCMAが成人脳の線条体で発現しており,腫瘍細胞のみならず正常ニューロンやグリア細胞もCAR T細胞の標的となってしまう,いわゆる「on-target, off-tumor effect」によって障害される可能性を示唆します.症状が数週間から数か月の潜伏期間を経て出現する理由としては,免疫反応による初期の軽度障害が徐々に蓄積し,神経ネットワークの代償機構が限界を迎えた時点で臨床症状が顕在化する,あるいは持続的な免疫活性や慢性炎症によって遅発性の神経変性が進行する可能性が考えられます.
治療としては,ドパミン補充療法がまず行われますが,既報では明確な有効性は限定的です.免疫療法として,高用量ステロイド,IL-1受容体拮抗薬(アナキンラ),髄腔内メトトレキサート,シクロフォスファミドなどが報告されており,高用量シクロフォスファミドで循環CAR T細胞を減少させ,症状が可逆性に改善した症例も存在します.しかし,多くの患者では症状が持続・進行し,改善例はごく一部にとどまります.遅発性パーキンソニズムは急性期毒性とは異なり不可逆的である可能性が高く,早期の診断と介入が極めて重要です.今後はリスク予測モデルの確立が,予防と治療の鍵になると考えられます.
Karschnia P, Dietrich J. Neurological complications of CAR T cell therapy for cancers. Nat Rev Neurol. 2025;21:422-431. doi.org/10.1038/s41582-025-01112-8

関連情報
CAR T細胞療法に係る最新情報は、前号ニュース(2025年7月のニュース)に掲載しています。

・コンタクト・スポーツによる反復的な頭部衝撃はアストロサイトのタウ沈着をもたらす ―棘状アストロサイトという新しいキーワード―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月11日のFB投稿です**
「頭部外傷」の予防は,認知症の14の予防因子の一つです.外傷性脳損傷や,ラグビーやサッカーなどのコンタクト・スポーツによる反復的な頭部衝撃が,慢性外傷性脳症(CTE)やアルツハイマー病のリスクを高めるという数多くの報告があります.今回,Brain誌にこの原因として「アストロサイトにおけるタウ病理」,具体的には棘状アストロサイト(thorn-shaped astrocytes;TSA)に焦点を当てた大規模病理研究が報告されました.聞き慣れない用語ですが,これは高齢者の脳にも見られる加齢関連タウアストログリオパチー(aging-related tau astrogliopathy;ARTAG)で認める構造物です.アストロサイトにリン酸化タウが沈着し,細胞突起が棘(とげ)のように見える特徴的な形態をとります.もともと加齢に伴って出現することが知られていましたが,CTEの病変部や外傷後脳にも認められることが知られていました.著者らはTSAを詳細に評価することで,「加齢や他の神経変性疾患に伴うTSA」と「外傷やスポーツ歴に関連するTSA」を区別できるか,またその分布や特徴が異なるかを明らかにしようとしました.
対象はなんと556人の剖検脳で,外傷性脳損傷歴あり群(中等度~重度;TBI),コンタクト・スポーツ歴あり群(Sports),神経変性疾患対照群(NDD),および非神経変性対照群(Control)の4群を比較しました.リン酸化タウを検出するPHF-1抗体を用いて,脳内複数部位におけるTSAの出現頻度を評価しました.
さて結果ですが,TSAはコンタクト・スポーツ歴群で75.6%,外傷性脳損傷群で32.5%に認められ,これは神経変性疾患対照群(32.5%)や非神経変性群(8.1%)と比較して有意に高い頻度でした.とくにコンタクト・スポーツ群では,皮質溝の深部(sulcal depths)にあるsubpial TSAの出現率が42.2%と極めて高く,他群ではきわめて稀でした.図Aでは,このsubpial TSAの頻度がコンタクト・スポーツ群で有意に高いことが示されています.また図BとCは,前頭葉皮質溝の底部において,CTEの神経病理学的所見がなくても,subpial TSAが単独で存在している様子を示しており,TSAがCTEとは独立に生じる可能性を示唆しています.
本研究の意義は,TSAという病理学的所見が,加齢に伴う変化とされてきた従来の理解を超えて,外傷性脳損傷や反復的な頭部衝撃によって誘導される可能性を明確に示した点にあります.これは,グリア細胞のタウ病理が,単なる老化の産物ではなく,外傷性イベントの病的なマーカーとなることを意味します.また,従来のCTE診断基準には含まれないTSAの広範な分布や局在パターンが,独自の外傷関連病態を構成している可能性も示されています.ちなみに本研究ではアミロイドβ(Aβ)についての評価は行われておらず,TSAとの関係や,Aβ沈着との連関については今後の課題とされています.
まとめると,この研究は外傷が神経細胞ではなくアストロサイトにおけるタウ病理を誘導するという新たな知見を提示し,タウ病理の原因に外傷が加えられたということになります.今後,TSAの臨床的意義がさらに議論され,外傷に伴う認知機能障害に,タウがバイオマーカーとして応用されるものと思われます.
Arena JD, et al. Traumatic brain injury or head impacts from contact sports are associated with tau astrogliopathy. Brain. 2025;148(8):2671–2683. https://doi.org/10.1093/brain/awaf073

・医療AIで医師に「デスキリング(deskilling)」が起きる!:AIツール導入後わずか数か月で熟練内視鏡医の技能が低下する
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月16日のFB投稿です**
近年,AIを用いた医療用ツールはさまざまな分野に導入されています.先駆的な例として大腸内視鏡検査があり,AI支援によって腺腫検出率(adenoma detection rate:ADR)が向上することが多くのランダム化比較試験で示されています.一方,AIの使用が医師自身の技能にどのような影響を及ぼすのかは不明でした.消化器領域の報告ですが,今後,他の領域にも同様のことが生じる可能性があるためご紹介したいと思います.
ポーランドの4つの大腸内視鏡センターで行われた観察研究です.調査期間は2021年9月から2022年3月までで,2021年末にAI支援システムが導入されました.AI導入後は,大腸内視鏡検査をAI支援ありとAI支援なしのいずれかでランダムに実施しました.対象は熟練内視鏡医19名が行った検査です.AI支援なしで行われた検査は1443件であり,うちAI導入前が795件,AI導入後が648件でした.またAI支援ありで行われた検査は734件でした.主要評価項目は腺腫検出率(adenoma detection rate, ADR)で,AI導入前後におけるAI支援なしのADRを比較しました.
さて結果ですが,なんとADR は「AI導入前の28.4%から導入後は22.4%へ」と有意に低下しました(絶対差–6.0%,p=0.0089)(図1).相対的に約20%も低下してしまいました.図2は,各内視鏡医ごとのADRの変化量を示していますが,わずかに改善した医師もいますが,大多数で低下が見られ,なかには20〜30%以上の大幅な減少例も存在します(図2).一方,AI支援下で実施された734件の腺腫検出率は25.3%でした.
本研究は,AI支援の常用化が,熟練内視鏡医のAI非支援下での腺腫検出能力を低下させる可能性を初めて示したものです.著者らはこの現象を「デスキリング(deskilling)」と呼んでいます.この用語は,もともとは技術革新や業務の自動化により,労働者が持っていた熟練技能(スキル)が失われる現象を指します.医療では,AIの導入により,医療者が従来自ら行っていた判断や操作を機械に依存することで,「技能」が衰えることを意味します.ナビに頼りすぎて地図が読めなくなる「Googleマップ効果」に似ています.
脳神経内科領域では,今後,MRI読影,脳波解析,神経診察動画解析などにAI導入が進むと予想されます.検査だけでなく,脳神経内科特有の問診・診察から病変部位を考え,文献を確認しながら鑑別診断から診断にたどり着き,最適な治療を選択するというプロセスの一部もAIが肩代わりする可能性があります.それに慣れてしまうと異常所見を自ら見抜く力や,個々の所見を総合して診断を組み立てる能力が弱まるリスクがあります.恐ろしいのは,文献を批判的に読めなくなり,AIの出した答えが正しいのか誤っているのかも判断がつかないということが起きるように思います.とくに基本的な能力がまだ身についていない若い先生がたへの影響が懸念されます.意識してAIを使用せずに症例を評価するトレーニングや,技能維持を目的とした教育プログラムの整備が必要になるのかもしれません.いずれにせよ,AIが一部の医療技術を向上させる一方で,「デスキリング」によって基本的技能が静かに侵食される危険性を認識する必要があると思いました.
Budzyn K, et al. Continuous exposure to artificial intelligence in colonoscopy and its impact on non-AI-assisted adenoma detection rate: a multicentre observational study. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2025 Aug 12. https://www.thelancet.com/…/PIIS2468-1253(25…/abstract

・脳内のリチウム欠乏がアルツハイマー病を引き起こす!?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月18日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)の病態において,リチウム(Li)が重要な役割を果たしている可能性が報告され話題になっています.これまでLiは気分安定薬として双極性障害の治療に用いられてきましたが,今回紹介するハーバード大学からの研究では,AD脳におけるLiの局在と濃度が詳細に解析されました.
まず軽度認知障害(MCI)およびAD患者の前頭前皮質において27種類の金属を解析した結果,MCIおよびADで有意に低下していたのはLiのみでした(図1左).驚いたことに,アミロイドβ(Aβ)斑にLiが濃縮して存在することが明らかになりました.図1右では,白い円が老人斑(Aβ斑),黄色の円が非Aβ斑領域を示しています.Li(赤)は老人斑に捕捉(sequestration)され,非Aβ斑領域では低下して利用困難な状態になっていることが示されています.
つぎにマウスモデルの検討で,食餌からLiを除去すると,脳内Liが約50%低下しました.その結果,Aβ沈着とタウリン酸化の増加,ミクログリアの炎症性活性化,シナプス・軸索・髄鞘の喪失,そして記憶障害が進行しました.シングルセルRNA解析では,Li欠乏によるトランスクリプトーム変化がADの患者脳と重なることが示されました
さらに注目すべきは,Liの欠乏がGSK3β(glycogen synthase kinase 3β)の活性化を引き起こし,その結果としてタウリン酸化を促進する可能性が示唆された点です.GSK3βは神経変性疾患の治療標的として以前から有名で,タウの異常リン酸化に直接関与することが知られています.つまり「Li欠乏 → GSK3β活性化 → タウリン酸化」という一連の流れがADで生じている可能性が浮上したということです.
となると補充療法ができる可能性がありますが,従来の炭酸Li(LiC)ではなく,アミロイドに捕捉されにくいLiオロチン酸(LiO)が有効であることが示されました.LiOを投与したADモデルマウスでは,アミロイド沈着やリン酸化タウの形成がほぼ完全に抑制され,既存の病理も改善されました.さらに,ミクログリアの炎症反応が抑制され,アミロイドのクリアランス能が改善し,シナプスと髄鞘の保持も確認されました.特筆すべきは,老化マウスにおいてLiOが記憶機能を若齢マウス並みに回復させた点であり,Liが加齢性認知機能低下に対しても保護的に作用することが示されたことです.
図2はLiがアミロイド斑にどのように関与しているかを示しています.図2aでは,脳内のAβ斑(青色の塊)が負に帯電し,周囲に存在する正に帯電したLiイオン(黄色)が引き寄せられて斑の中に捕捉されてしまう様子が描かれています.その結果,本来はニューロン,アストロサイト,ミクログリアなどの細胞に広く分布して機能しているはずのLiが奪われ,非Aβ斑領域での機能が低下し,神経変性につながります.
一方,図2bはLiO(赤)を投与した場合を示しています.これはAβ斑に捕捉されにくく,神経細胞に効果的に取り込まれます.GSK3β活性化はミクログリアの異常炎症応答による神経炎症を起こしますが,LiOにより機能回復したミクログリアはAβを効率的に除去できるようになり,シナプスや軸索,髄鞘の喪失を防ぎます.動物モデルでは,LiO投与によりアミロイド沈着やタウリン酸化の増加が抑えられ,認知機能の低下も改善されました.
Eric Topol先生がブログで指摘しているように,過去の小規模ランダム化試験,双極性障害患者コホート,さらには飲料水中Li曝露研究からも,Liの認知症予防効果は示唆されてきました.しかし,高用量炭酸Liの副作用が臨床応用を制限してきたことも事実です.今回の研究は,低用量Liオロチン酸という新しい選択肢を提示し,安全性への懸念を最小化しつつ予防的効果を期待できる可能性を示しました.
★ただし,ここで提示された結果はあくまで動物モデルに基づく研究であり,ヒトにそのまま適用できるものではありません.特にリチウムは治療域と中毒域が非常に近い薬剤であり,血中濃度の厳密な管理が不可欠です.そのため,サプリメントや市販薬として安易にリチウムを摂取することは極めて危険であり,厳に慎むべきであることを強調したいと思います.
Aron L, et al. Lithium deficiency and the onset of Alzheimer’s disease. Nature. 2025. https://doi.org/10.1038/s41586-025-09335-x
Topol E. Lithium and Its Potential Protection from Alzheimer’s Disease. Ground Truths, Aug 10, 2025.

・COVID-19は女性の血管を老化させる ―国際共同大規模研究CARTESIAN研究―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月20日のFB投稿です**
COVID-19の後遺症は心血管系の障害によっても生じます.その背景として血管内皮障害や炎症に伴う血管老化が推測されてきました.CARTESIAN研究は,COVID-19に伴うこの血管老化を検証しました.
18か国,38施設の2390人を対象とした国際共同前向きコホート研究で,COVID-19陰性対照群391人,陽性非入院群828人,入院群729人,ICU群146人の4群に分類されます.主要評価項目は,感染から平均6か月後の頸動脈―大腿動脈脈波伝播速度(Pulse Wave Velocity;PWV)としました.これは動脈硬化や血管老化を反映する確立された指標です.
さて結果ですが,COVID-19既往の3群はいずれも対照群に比べて有意にPWVが高値を示し,0.37〜0.41 m/sの上昇を認めました.ただし重症度が高いほどPWVが高いという直線的な関係は認めませんでした.しかし注目すべきは性差で,女性では全てのCOVID-19群でPWVが上昇し,特にICU群では1.09 m/sと最大の上昇を示しました.一方,男性ではCOVID-19の有無による差が認められませんでした.図1が分かりやすいですが,通常,男性は女性よりPWVが高い傾向があり,対照群(COVID-)では男性の方が女性よりPWVが速いことが分かりますが,興味深いのは,男性ではCOVID-19既往群では対照群と大差がないのに対し,女性では対照群との差が明確に大きいという点です(図1).そしてICU群では早期血管老化(early vascular aging)が顕著で,10年の血管加齢に相当します!また女性で持続症状を有した群ではPWVがさらに高値であり,症状の長期化と血管老化の関連を認めました.ただし12か月後の追跡では,COVID-19群のPWVは低下傾向を示し,血管老化が部分的に可逆的である可能性も示されました.
この論文に対するeditorialを読むと,PWV上昇の程度は比較的軽度であり,その臨床的意義についてはさらなる研究が必要と指摘しています.また図2にて,COVID-19による血管老化の仕組みを解説しています.感染により,IL-1やIL-6などのサイトカインが増加します.加えて凝固異常や好中球細胞外トラップが生じ,動脈のリモデリングを来たし,血管が硬くなります(stiff artery). この血管老化が女性に強く現れる理由として,性ホルモンや社会的要因,あるいは急性期に重症となった男性が死亡してしまい,生存者には影響が残りにくいというサバイバーバイアスなどを推測しています.
この血管老化は,ブレインフォグや頭痛,認知障害などlong COVIDに特徴的な神経症状にも関与している可能性があります.今後は血管老化を防止する治療や,リスクの高い群を早期に見極めるためのバイオマーカー探索が重要となるとなると思われます.
Bruno RM, et al. Accelerated vascular ageing after COVID-19 infection: the CARTESIAN study. Eur Heart J. 2025;00:1–14. (doi.org/10.1093/eurheartj/ehaf430)
Bukhari S, et al. COVID-19 and vascular ageing: an accelerated yet partially reversible clock? Eur Heart J. 2025;00:1–3. (doi.org/10.1093/eurheartj/ehaf590)

・患者と目を合わせない医者たち(新潮新書)
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月23日のFB投稿です**
昨日のカンファレンスで教室のみんなに紹介した里見清一先生(本名,國頭英夫先生)の新刊です(https://amzn.to/462rblW).里見先生は呼吸器内科とくに肺癌の診療を専門とするドクターです.10年ほど前ですが,日本臨床倫理学会で,会場大爆笑,でも一番考えさせられるご講演をされておられたのが里見先生でした.その時は「自己決定」といって,なんでも患者さんに決めてもらう風潮について問題提起をされていました.すっかりファンになった私は,お願いして前任地の新潟までお越しいただき,『 終末期の医者の仕事 』というご講演をしていただきました.先生は『偽善の医療(https://amzn.to/4fPOMJO)』や『衆愚の病理(https://amzn.to/3JtWwp1)』(いずれも新潮新書)など多くの本を執筆されておられます.今回の本も,下記にメモしましたが,印象に残る文章がいくつもありました.読んでいろいろなご意見は出てくるかと思いますが,若いドクターには医療や人の命について深く考えるきっかけになるのではないかと思います. オススメです.
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◆現在の医学教育は,人は必ず死ぬこと,そしてその前に治療を諦める時が必ず来ることを教えていない.
◆私の周りの誰に聞いても,寝たきりで生かされた状態で延命治療などしてほしくないと答える.おそらく読者もそうだろう.
◆クーパー先生らは,AIによって医学生が教育されるようになると,そこから質的に違う医者が出てくるのではないかと懸念している.そもそもChatGPTによって最初からすぐに正解が提示されるのなら,医者が勉強する意味はあるのか.また,倫理的なジレンマに悩む代わりに,ブラックボックスから出てくるAIの決定を医者はそのまま受け入れるようになるのだろうか.
◆エビデンスやガイドラインは大切だが,そればかりを墨守する人間は「エビデンス屋」と呼ばれ,軽蔑される.我々はその重要性も限界も認識すべきである.
◆(不必要な検査について)この無駄は必ずしも医者の問題だけではなく,患者側も「何も検査してくれない」と不平を鳴らすのである.医者にとって最も知識や経験を必要とするのは,病歴と身体診察から「大丈夫,何ともない」と結論することである.
◆ミシガン大学のシュナイダー教授も,「良い人になるのは無理でも,良い人だと思わせるようにせよ」と学生に教えているそうだ.
◆チーム医療だの働き方改革だのは,必ずしも患者側のメリットを考えて出たものではないことは忘れない方がよい.
◆そう,俺たちの頃は辛かった.近頃の若い者がそれを追体験する必要なんかないのだろう.だが,だからといって別に俺たちはやり直したいなどとは思わない.それはどうしてだろうか.
◆喜び(ジョイ)は快楽(プレジャー)と同じではない.喜びには困難や無念や試練も含まれる.喜びを定義することはできない.ただ,我々がそれを経験したときに初めて「これがそうなのか」とわかるのだ.

・p-tau217r:アルツハイマー病の進行を血液検査で知る時代に突入 ― 真の利益のために何が必要か?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月27日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)において,脳内の病理変化の進行を正確に把握することは治療方針の決定や予後の予測に重要と考えられています.アミロイドPETやタウPETがその役割を担うと考えられてきましたが,これらは高額,かつ専門的な施設を必要とするため,広く普及させることは容易ではありません.またADの患者数の多さと日本の医療経済の状況を考えても現実的ではありません.このような背景のもと,実際に認知機能障害の出現と密接な関係がある種々のタウ蛋白を血液で測定し,ADの病期(ステージ)を分類できるかどうかが大きな研究テーマとなってきました(ちなみにアミロイドβは発症約20年前から生じる引き金で,タウ蛋白は認知症発症前に急激に変化が生じる実行蛋白と考えられつつあります).
今回,Nature Aging に発表されたスウェーデンとカナダの共同研究は,まさにこの課題に取り組んだものです.スウェーデンの549例とカナダの140例,合計689例が対象です.研究では,リン酸化タウ(p-tau181, 199, 202, 205, 217, 231)と非リン酸化タウ(tau195-209, tau212-221, 0N-tauなど)の12種類のタウペプチドを,血液を用いて質量分析で同時に測定しました.特に重要となったのは p-tau217r(p-tau217 ÷ tau212-221),p-tau205r(p-tau205 ÷ tau195-209),そして0N-tauです.ここで「r」は ratio(比)を意味し,リン酸化ペプチドを対応する非リン酸化ペプチドで割ることで,腎機能などによる総タウ量の変動を補正し,病気特異的な変化をとらえやすくしています.
さて結果ですが,3つの指標(p-tau217r,p-tau205r,0N-tau)を組み合わせることで,患者を血液ステージ0〜3の4段階に分類できることが分かりました.
ステージ0:3つの指標すべてが正常. AβやタウPETも陰性が多く,認知機能も保たれる段階.
ステージ1:p-tau217rが異常となる. AβPETが陽性化するが,臨床的には無症候が多い段階.
ステージ2:p-tau205rが異常となる.タウPETが陽性化して,軽度認知障害が目立ち始める.
ステージ3:0N-tauが異常となる.タウの広範な蓄積と脳萎縮が進んだ,認知症を呈する段階.
つまりこの血液ステージは,PET所見や認知機能低下の進行とよく対応しています.ステージ0から1でAβ蓄積が進み,ステージ1から2でタウ沈着と軽度認知障害が出現し,ステージ2から3で急速に進行して認知症に至るという流れが明確に示されました.図1では,血液ステージが進むにつれて,まずアミロイドPETでAβ蓄積が検出され,次にタウPETで内側側頭葉や新皮質におけるタウ沈着が明らかになり,その後皮質厚の減少が認められ,最終的に認知機能指標(MMSEやmPACCなど)が低下することが示されています. 図2は血液ステージごとの主要なバイオマーカー・認知機能の変化を示しています.
本研究の臨床への貢献は,第1に,血液検査のみでADの病期を推定できることで,PETが利用できない施設でも診療に活用できる可能性を示したことです.第2に,アミロイドβ抗体や将来のタウ療法など,新規治療薬の効果は病期に依存するため,血液ステージを用いることでより適切な患者選択が可能となることです.治験においてもPET検査数を大幅に減らし,効率的に対象者を絞り込むことができると思われます.さらに,最新のJAMA Neurology誌に掲載された研究では,血漿p-tau217が前臨床期のアルツハイマー病において将来の認知機能低下を予測する有力な指標であることも示されています(文献2).
素晴らしい医学の進歩で,ここまできたかと感嘆しますが,個人的には複雑な気分です.これが臨床で使用されるようになると,ADの診断が気軽にできてしまいます.今までであれば十分な問診,診察,認知機能や周辺機能の評価,日常生活の状況,家族関係など多面的に調べられたものが,血液診断ひとつで済まされてしまう恐れがあります.果たしてそれでよいのかなと思います.早期診断が患者さんや家族に過度の心理的負担を与えたり,就労や保険加入に影響を及ぼす可能性,あるいは告知のタイミングや方法をめぐる新たな課題を生じさせることも考えられます.「できること」と「すべきこと」は必ずしもイコールではありません.「できるからやってしまう」という姿勢は,医療においては慎重であるべきです.
一方で,こうした血液バイオマーカーは,上述したように,PETが利用できない現場で診断や治療方針決定を助け,また新しい治療法を必要とする患者に早くつなげる可能性を秘めています.重要なのは,技術をそのまま導入するのではなく,臨床現場での使い方や倫理的配慮を含めて慎重に議論し,患者に真に利益をもたらす形で活用していくことだと思います.
1. Montoliu-Gaya L, Salvadó G, Therriault J, et al. Plasma tau biomarkers for biological staging of Alzheimer’s disease. Nature Aging. 2025. (doi.org/10.1038/s43587-025-00951-w)
2. Insel PS, Mattsson-Carlgren N, Sperling RA, et al. p-Tau217, Tau PET, and Cognition in Preclinical Alzheimer Disease. JAMA Neurol. Published online August 25, 2025. (doi.org/10.1001/jamaneurol.2025.2974)

・NHK「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?(びっくりはてな)」に出演します!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月28日のFB投稿です**
標題の新番組の第2回放送「認知症 克服のカギ」に出演させていただきます.昨年からチーフディレクターの方々にレクチャーする機会をいただき,番組制作のお手伝いに関わってきましたが,正直どのような番組になるのか分からないまま進めていました.まさか自分が出演しタモリさんに直接お目にかかれるとは,まったく想像していなかったので,大変驚きました.
番組の内容は「認知症 克服のカギ」をテーマに,認知症に関する国内外の研究成果が次々と紹介される,まさに最先端の情報のオンパレードです.私自身も知らなかった新しい知見にも触れることができました.専門医でさえも驚かされる話題もあるように思います.また,さすがNHKという感じで,VTRによる研究紹介の迫力には圧倒されました.世界の第一線で活躍する研究者や,実際に病と向き合う患者さん・ご家族への直接取材から得られた言葉には,深い重みがありました.
認知症は確かに大変な病気ですが,その研究は確実に前進していることが伝わると思います.番組の終盤では「認知症を克服するとはどういうことなのか?」というところまで議論は深まります.私たちがこれから認知症にどのように向き合い,支え合っていくべきかを考えるきっかけになる番組だと思います.ぜひご覧ください.放送は9月6日(土)19:30~20:48(78分)です.
出演者インタビューをこちらからご覧いただけます:
認知症は克服できる!?タモリ、山中伸弥らが研究の最前線を深掘り&認知症関連番組も
https://www.nhk.jp/…/blog/bl/pB4Egql2A5/bp/pDERAG6rZp/

・ChatGPT時代の医師教育 :学びを支えるか,奪うかの境目は?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年8月31日のFB投稿です**
ChatGPTのような大規模言語モデル(AI)が,医療の現場にどんどん入ってきています.とても便利ですが,いいことばかりではありません.私自身,「若い先生の方がAIの影響を強く受けるのではないか」と漠然とした懸念を持っていましたが,先日読んだ New England Journal of Medicine の総説で,その疑問が整理されました.
まずAIのデメリットとして,教育の現場では次の3つが特に問題になります.
• Never-skilling:必要な力を身につけられない
• Mis-skilling:AIの誤りをそのまま覚えてしまう
• Deskilling:せっかく身につけた技能が失われる
医師はトレーニングを重ねることで,ある時点で「自動的なルーティンの実践」から「柔軟で創造的な実践」へと成長することができます(図1の①).このあとAIをうまく批判的に活用すれば,さらに成長が加速していきます(図の②).ただベテラン医師でも「自動的なルーティンの実践」のままの人もいますし(③),AIを安易に使うとDeskillingやMis-skillingが起きてしまいます(④).
注意すべきは,学習曲線のスタート地点が3本あることです.これは学習者の経験の違いを表しています.
• ベテラン医師(A)は,すでに高い技能を持っているため,AIを参考にしても「どこが正しく,どこが間違っているか」を判断しやすく,補助手段として有効に使えます.
• 中堅医師(B)は,AIをうまく使えば大きく成長できますが,依存すると逆に自分の推論力を磨く機会を失ってしまいます(⑤).
• 医学生や研修医などの初学者(C)は,AIの答えをみな「正解」と思い込んでしまう危険があり,成長が伴わず,低いレベルでとどまってしまう恐れがあります(⑥).ただし教育者が「なぜこの診断が出たのか,自分の言葉で説明してみよう」と検証的・批判的に問いかければ,AIを学びの出発点に変えることができます(⑦).
つまり,同じAIでも,誰がどう使うかによって,学びの行方は大きく変わるということです.また基盤を伴わない初学者ではAIへの対処の影響が大きいということです.教育者は,学習者の段階に応じてAIの「検証的・批判的な使い方」を指導していく必要があります.
具体的には著者らは「DEFT-AI」という指導法を提案しています(図2).診断の振り返り(Diagnosis),証拠の吟味(Evidence),フィードバック(Feedback),教育的な指導(Teaching),そしてAI活用の推奨(AI recommendation)の5つを柱に,AIを使う場面を教育の機会に変えようというものです.
さらに,人とAIの協働には二つのスタイルを提示しています.「ケンタウロス型」では役割を分担し,危険度の高い判断は人間が担います.一方「サイボーグ型」では人とAIが一体化し,出力を一緒に練り上げていきます.診断のような場面ではケンタウロス型,メール文案のような低リスクの作業ではサイボーグ型が向いていると書かれています.
著者の結論はシンプルです.著者らは「verify and trust(検証してから信頼する)」を強調しています.AIの答えを鵜呑みにせず,自分の知識や証拠と照らし合わせた上で活用することが大切なのです.これからの医学教育は,AIを避けるのでも過信するのでもなく,賢く付き合うことが求められる時代に入ったのだと思います.ただし,この議論は現時点のAIが「不完全であること」を前提にしています.もし将来,AIの精度が飛躍的に高まり,人間の判断に匹敵する水準に達した場合,教育や臨床現場での位置づけそのものが変わる可能性があります.
Abdulnour R-E, Gin B, Boscardin CK. Educational Strategies for Clinical Supervision of Artificial Intelligence Use. N Engl J Med. 2025;393:786-97. (doi.org/10.1056/NEJMra2503232)

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
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2025年5月のニュース

今年もNPWA会員の皆さんの活動振りは多種多様です。学術ニュースは、①超高齢期における認知機能低下とアルツハイマー病では異なる認知特性の発見、②DeepMindの最新AIエージェント『AlphaEvolve』、➂下畑先生からの最新医学情報です。

1.2025年5月の活動状況
・佐藤 ヒロ子さんの投稿
船橋市の中心を流れる海老川の支流の長津川。途中の福像を由縁を解説しながら長津川親水公園へ「ミニトリップ」 街歩きは大好きメンバー 今日も賑やかです。 #船橋ウォーキングソサイエティ #土曜日コース #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #14福像巡り #長津川親水公園 #暑熱順化

・杉浦 伸郎さんの投稿
ポールウォーキング秋田大会無事終了しました。心配された雨もあがり最高のコンディションで臨むことが出来ました。これも秋田ポールウォーキングクラブの皆さんの素晴らしいチームワークの賜です。馴染みのコーチ陣も全国から駆けつけてくれ楽しいセッションとなりました。この場をお借りして関係者の皆さんコーチ陣の皆さんに心より敬意と感謝を申し上げます。来年は3daysセッションとなりそうです。美の国秋田からしばらくは目が離せませんよ〜

・田村 芙美子さんの投稿
5/4 はじめての秋田。秋田ポールウォーキング大会で来ています。内容充実の素晴らしいイベントに感動しました。懇親会①まで参加して、ホテルの温泉・サウナで寛ぎました。明日は観光です。詳細は帰鎌してから。不思議なご縁やハプニングもいっぱい💦

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
秋田で学んで 歩いて 観た   3日間 楽しかった〜〜 55年振りに秋田へ行ってきました 初日は 「ポールを持って歩く会秋田大会」 に参加 薄緑の芽も初初しい千秋公園を ウォーキングしてきました。 講師3名の講義内容は直ぐに 指導現場で役立つ内容で 参加甲斐がありました 2日目は男鹿を案内して頂き  午後はディスカッション  3日目は  電車の時刻に合わせて 空き時間を市内循環バスで 車窓から秋田市内見物 その後角館に移動して散策 充実の3日間でした。 秋田の皆様 コーチの皆様 お世話になりました ありがとうございました。

・田村 芙美子さんの投稿
5/7 連休明けは初夏のような好天。昨夜久々の2泊3日の旅から戻り、くたびれ果てたかと思いきや、逆に元気を貰って帰ってこれたようで 朝からテンションあがっていました。テラススタジオに私の鬼門発見!勢いあまり今日も先週に続けて事故発生。m(__)m(爆) 朝イチのもやし特集をNHK+で観てさっそく購入!

・スマイルチームさんの投稿
スマイルチーム。初初夏の遠足。 #ポールウォーキング #健康普及活動 #スマイルチーム #記録 #相模原 #サーフビレッジ #相模原市南区 #遠足 #遠征 #江の島 #20250508音楽: Cutting Kiwisミュージシャン: Rizensun

・田村 芙美子さんの投稿
5/8 朝からFBと取っ組み合い。お昼からは西鎌倉の貯筋クラスへ。このところ気になっているのはウォーキングの歩数だけが相変わらず一人歩きしていること。今日はしっかり中強度運動の大切さを説明・実行してきました。STEP運動や大股歩き、スクワットなどで1日の4Mets運動を見てください!と。 秋田大会からコーチ@男鹿集合写真頂いたのでUPします。「静」と「動」 スマホ充電したまま出掛けて、カメラ登場できなかったので今日の写真に代えて。

・佐藤 恵さんの投稿
岩手医大の非常勤講師2年目。 慣れないスーツを着て、講義スタート!講義とはいえ、ロコモの片足立ち上がりテストや、スクワット、かかと上げなど、運動指導者が故についつい実技を入れてしまう。 体を動かすと、やっぱり皆さんイキイキしますね!

・Ruri Nissatoさんの投稿
先月登った今熊山の麓の里山があまりにも素敵だったので 今日は秋川の里山歩きに出かけました。 自然の中を1人であちこち歩き回るのは何て楽しいんでしょう。 地面に腰掛けて、作ってきたお弁当を食べれば聞こえるのは鳥の囀りだけ。。。 頭の中のゴミを捨てるみたいにスッキリ😆 里山を楽しんだ後、数十年来行ってみたかった喫茶店「むべ」に とうとう❗️寄ってみた💕💕 すると💦 「どこから来たの?」「バス停まで散策路があるのよ!私近所だから案内してあげるわ!」 と、お客さん達がみんな楽しくて、ワイワイと遊歩道を案内してくださった。 熊に注意⚠️って書いてあるけどぉ😆 今日はひとり旅を楽しみたかったのに😅 どうしてこうなっちゃうの⁉️😆あはは🤣 「私の家、あそこなの、青い瓦の。今度来たら寄ってね❗️」って、バス停まで送ってくれた。 「またねーーー!」って手を振って見送ってくださり。 知らない街歩きが ふるさとになったような 想定外の日になりました😊 有り難いことです🌸

・田村 芙美子さんの投稿
5/9 渋谷教室(今日は階段昇降の体験。下りはポールなしの方がいい!との感想が多かったです。不安定な方は手摺の方が安全かも) 来週はこちらでも 例(秋田)のゲームをしよう。 終了後、一年ぶりの宮下公園(広い面積でビルの屋上にあります)に行ってきました。

・スマイルチームさんの投稿
2025.5.6〜10 活動記録 ☺︎活き活き中屋敷 チェアエクササイズ®︎23名 ☺︎健康体操サークルポスター作成 ☺︎PW下見鵠沼海岸 ☺︎ポールウォーキング 鵠沼海岸〜江の島15名 ☺︎スマイルチーム上溝リズムダンス自主練16名 ☺︎Dリーグ観戦&応援 ☺︎青空ポールウォーキング 8名 今年度活動日チラシ作成(包括支援センター) ☺︎ティンカーベル 舞台出演練習 #ポールウォーキング #チェアエクササイズ®︎ #江の島 #Dリーグ #健康体操 #リズムダンス

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 5/11〜母の日/PW駒場例会〜でした。 集まった70名越えの参加者の皆さん〜連休疲れもなんのその笑顔☺️☺️でのPW闊歩でした。 @遠藤夫妻AC/さいたま市〜による習ったばかりの丁寧な準備運動で始まり、大塚proのジックリ筋トレ後歩き始め、公園〜牧場と寒さの残る木陰〜暖を求め日向へと楽しい散策でした。 次回は東御市へ足を運び 八重原/明神池散策でため池〜八重原米の水田〜じゃがいも畑・・沿いをPW❗️ 自由参加〜大歓迎‼️#

・校條 諭さんの投稿
読売新聞オンラインがポールウォーキング紹介
歩行の不安な人にも向いた前方着地型の方式です。4点支持原理なので姿勢よく安定的に歩けます。秦野市で普及活動に長く取り組んでいる村上政司さんが紹介しています。
ポールウォーキングは日本の整形外科医が開発しました。私は共同開発者の指導者杉浦伸郎さんから2008年頃教わりました。
2本のポールで歩くもうひとつの方法として、ダイナミックに後方に押す4点駆動で歩くノルディックウォーキングがあります。こちらはノルディック(=北欧)という言葉から想像がつくようにフィンランドから伝わってきました。
※紙の新聞には載ってません。
www.yomiuri.co.jp

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
#船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング  2025/5/8 ウォーキングフォームをチェック 撮影時はいつもより  綺麗に歩きます… 普段もそう歩いて欲しいな〜

・田村 芙美子さんの投稿
JR渋谷駅の動線が大きく変化 将来の東西自由通路整備に向けて土台が形成中 | SHIBUYA X WATCH

・遠藤 恵子さんの投稿
📸【介護予防運動教室レポート】
本日のテーマは「足首を強くして転倒予防」✨ 80代の参加者の方から「1ヶ月前に足首を捻挫して不安がある」とご相談があり、腫れに配慮しながら、足首周りの安全な運動を皆さんと一緒に行いました🦶💪 🔹つま先の上げ下げ
🔹足指グーパー運動
🔹カーフレイズ&つま先上げ
🔹椅子に触れながらの1分間片足立ち 足の感覚を高め、筋力をつけることは、転倒予防や骨粗しょう症対策にもつながります🦴🌿 「タオルやストッキングでもできる運動」も紹介させていただきました。 日々の小さな積み重ねが、10年後の健康を支えます✨
これからも安心・安全・笑顔の運動教室を続けていきます! #介護予防 #転倒予防 #足首強化 #高齢者運動 #地域健康づくり #運動指導 #ゲンキクリエイターケイコ #足指グーパー #片足立ちチャレンジ

・新井 恵さんの投稿
スマイルチームポールウォーキング部。 初初夏の遠足。 レッツゴー江の島🗼🏖️ #スマイルチーム #初初夏の遠足 #ポールウォーキング #健康普及活動 #スマイルチーム #記録 #相模原 #サーフビレッジ #相模原市南区 #遠足 #遠征 #江の島 #20250508音楽: Cutting Kiwisミュージシャン: Rizensun

・スマイルチームさんの投稿
市内某所 介護付き有料老人ホームでの講座。3回コースの1回目。 #スマイルチーム #ポールウォーキング講座 #ウォーキングポールでエクササイズ #地域包括支援センター #記録 #20250513

・田村 芙美子さんの投稿
5/13  暑くなりました。 暑熱順化で熱中症になりにくい身体づくり!シャワーではなく入浴がお勧めとのこと。今日は15名の出席で広町緑地公園の芝生広場でポールを使ったストレッチや筋トレをたっぷり。体操だけ参加し、後半の山歩きはパスするかたが増えてきたので ゆったり体操をしました。ポールを1本にして動画で拾ったポールさばきも試してみました。歩き組は大桐を見に山を登りました。殆ど咲き終えていましたが上のほうには紫色の綺麗な花が見えました(写真忘れ)

・遠藤 恵子さんの投稿
✨半年ぶりの再開✨ ステップエアロビクス(踏み台昇降)レッスン再スタート!(前期6回) 💓‪🦵下肢筋力アップ・心肺機能向上・転倒予防にも効果的な有酸素運動。 💿🎶♬.*゚音楽に合わせて楽しく、安全に体力づくり♪#踏み台昇降運動#脂肪燃焼効果期待�#ステップエアロビクス #有酸素運動 #ロコモ予防 #運動指導‬‬‬

・田村 芙美子さんの投稿
5/14 あちらでもこちらでも夏日!夏日!の声。まだ5月中旬ですが 日中の暑さは夏のようです。爽やかな朝 今日も北鎌倉。テラススタジオではまず靴の裏チェック。私は外側が減ってガニ股発覚。そしてなんと!今年初めて蚊🦟に刺されました。マットのうえで山の風を感じながらウトウト。

・遠藤 恵子さんの投稿
【足裏健康講座】 ~セラピーの視点で整え、運動の視点で動かす~ イレギュラーなお仕事無事終了! 午後は集まりにくいと聞いておりましたがなんと!20名の方にご参加いただきました!! 終始賑やかに質問が飛び交い大変有意義な時間になりました。 代表の方に「とてもお忙しい人気の先生にやっと講座をお願いすることができました!!」と紹介されたら張り切るしかない😆 ボールを使ったフットケアがメインでしたがリクエストにお応えして手を使った足裏ケア方法も少しですがご紹介しました!! 🟢ボールを使った足裏ケア 足裏全体をコロコロ刺激 テニスボールやゴルフボールでも代用出来ますが 樹脂ボールを足裏に置き、親指側から小指側までまんべんなく前後に転がします。これにより、足のタテのアーチをケアできます。 足指でボールをつかむトレーニング 直径2~3cmのゴムボールを足指で挟んで持ち上げ、5秒キープします。これを3回繰り返すことで、足指の筋力を鍛え、外反母趾の改善や歩行機能の向上につながります。 足裏全体のマッサージ 土踏まず、中央、外側など、足裏全体でボールを転がしてマッサージします。足裏には多くのツボ(今回は代表的なツボ、湧泉・足心・失眠)があり、転がすだけで良い刺激になります。むくみ対策にもおすすめです。 ✋ 手を使った足裏ケア 足指の間を広げるマッサージ 親指と人差し指の間から小指に向かって、指の間を広げるようにマッサージします。これにより、足指の柔軟性が向上し、足裏の筋肉もほぐれます。 足裏のアーチを刺激するマッサージ 足指のつけ根あたりを手でつかむようにして、足裏の中足骨周辺の筋肉をほぐします。これにより、理想的な足裏のアーチを形成する助けになります。 足裏全体のマッサージ 親指で足裏全体を押しながら、硬い部分を重点的にほぐします。特に親指の付け根からかかとまでのラインを意識して刺激すると効果的です。 足指グーパーを5回繰り返す。 足指が床を捉えて歩けるようになるので転倒予防、バランス力向上、歩行能力向上に繋がります! これらのケア方法は、日常生活の中で簡単に取り入れることができます。 足は健康のバロメーター!! 足はからだを支える土台!! このケアで血行がよくなったり、関節が軽くなったりしたら、それは“足から全身がつながっている証拠” 足元から全身が変わる感覚を体験していただき 笑顔あふれる時間になりました。 #フィットネスインストラクター #ゲンキクリエイターケイコ #足から健康 #足はからだを支える土台 #足は健康のバロメーター #フットセラピスト #セラピーの視点で整え #運動の視点で動かす

・佐藤 恵さんの投稿
本日、岩手医大の授業で「エアロビクス」を藤野恵美先生と一緒にリードさせていただきました! 20年ぶりぐらいにハイインパクトで走りました! 走り始めたとたん、学生たちはイキイキしてきて、やっぱ若いわぁ〜、と。楽しかった!の声をいただき、本望です✨

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【インターバル速歩】 2025/5/15 本家本元の信州大学の指導を受ける  チャンスが飛び込んで来ました! 知りたい! やってみたい! 素直に心に従って軽井沢 に行って来ました! これが正当【インターバル速歩】 アプリをダウンロード 9分間の体力測定 そこから15分間のトレーニング開始! いい汗と心地よい疲労感に包まれます。 結果が出てビックリです。 6分の速歩、実質目標ライン達したのは半分の3分きり! アンドロイドは検知するのが 鈍いのもあるとの事でした…  MCI改善・暑熱順化・中之条研究 パワーウォーキング 元になるのは歩く姿勢と運動強度です。 30分のインターバル速歩を生活に取り入れる実践価値は高いと思いました。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【その骨盤底筋群トレーニング   効果があるの?】 「秋田ポールで歩く会秋田大会」   からのご縁で軽井沢町の 「インターバル速歩」  そして佐久平での 「骨盤底筋群トレーニング効果が超音波で見える!」に繋がりました‼️   お声かけ頂き心が動くままに    素直に従った結果が  貴重な体験へと流れました 超音波画像でリアルに効果が   確認できました! あまり効果がないと思っていた 簡単な方が実際には効果がありました!! 「ふなばしシルバーリハビリ体操」   骨盤底筋群筋トレの指導にも   自信を持って臨めます。

・田村 芙美子さんの投稿
5/16 渋谷区元気すこやか事業PW本年度第2期募集が始まりました。第1期はあと2回。ポールは転ばぬ先の杖として安心ですが、だからといってT字杖のように体重をかけて頼りすぎないようにお話しました。いつかポールなしでもバランス・姿勢良く安全に歩けるように。 お昼からは横浜で健康生きがいつくりPWメンバーと会食。崎陽軒本店個室でイタリアン🇮🇹 シウマイ弁当しか知らなかったのでイタリアンとホテル並みのサービスにたまげました😍⤴⤴ 先日の読売新聞全国紙PWの記事は反響が大きかったそうです。NWから変更する高齢者がじわじわ増えている模様。

・遠藤 恵子さんの投稿
🌈アクティブシニアクラス🌈 
介護予防というより、“もっと動きたい”元気なシニア世代へ。 基本は立位で行う運動。
・リズムにのって楽しく動く有酸素運動(エアロビクスやステップ運動)
・無理なく筋力をつけるトレーニング
・体を整えるストレッチ 🕒90分のプログラムで、しなやかで活動的な毎日をサポートします💃🕺✨ それにしても 今日も蒸し暑くて汗だくでした‪💦‬ 皆さん、トレーニングの時は ヒィーっと言う表情されますが終わったあとはスッキリ、ニッコリ笑顔で無事終了🫡 
#アクティブシニア #健康づくり #エアロビクス #ステップ運動 #シニアフィットネス‬‬

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
#船橋ウォーキングソサイエティ 本日の土曜海老川定例会は雨天中止です。  5月12日の #法典シニアポールウォーキング定例会 の様子をお知らせします。  【#ポールウォーキングはMCI改善に効果がある】 #MCIとは?  #ポールウォーキングでMCI該当者が減った それらをパネルで説明 #しっかり歩き #脳トレエクササイズ を実践しまし。 #認知症予防に毎回歩幅測定 船橋ウォーキング・ソサイエティ はいつまでも活き活き元気に 生活を送りたいと願う人を応援 しています。

・柳澤 光宏さんの投稿
シナノ工場祭、雨の中700名超える皆さんにお越しいただきました! みんなお疲れ様でした(⁠^⁠^⁠)

・森川 まことさんの投稿
本日は水元公園、菖蒲祭り1週間前でした。 まだ、ポツリとしか咲いてませんでしたが、風が心地よく吹いて気持ちよく歩きました。

・田村 芙美子さんの投稿
5/18 🗻今日は国際ノルディックウォーキングディだったのですね。そうとは知らず 普段ポールウォーキングをしている私が ピピピと天の声を受け、珍しくノルディックポールを持って青木ケ原樹海ツアーに参加してきました。雨予報の上朝から新富士駅は霧が立ち込めていたのが 徐々に晴れ渡り 諦めていた富士山がこんな風にくっきり現れました。次回は反対側から仰ぐツアーをお願いしました。 次の噴火で富士山は二つに割れるかも・・・との話。 樹海、風穴の写真は後程。

・新地 昌子さんの投稿
〜茨城の元気を応援するポールウォーキング〜 今日は笠間稲荷神社を散策ウォークです。ふるさと案内人でもある神田コーチのガイドのおかげで、みんなの慣れ親しんだお稲荷さんが、より自慢できる場所になりました。坂本九ちゃんの結婚式を生で見た!そんな話で盛り上がる楽しいポールウォーキングの時間でした😊さー、次はどこ案内してもらおうかな

・とちぎポールウォーキング会さんの投稿
18日宇都宮市サン・アビリティーズでのUDe-スポーツ教室の様子。一人でのモグラたたきゲームやポールで支えての足踏みもぐら叩きゲームとポールで支えての徒競走を行いました。

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
新手使用健走杖|入門篇指南 🌿

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
みんな 一緒!   皆バラバラ!    2025/5/20 #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #暑熱順化 #ハァハァ息を弾む中強度運動 希望する会員に    「#インターバル速歩トレーニング」 やってみるから歩く〜? 参加者全員が15分間トライ   3分ゆっくり   3分速く   3分ゆっくり   3分速く   3分ゆっくり スタート一緒!  てんでバラバラで ゴールの時間も一緒 出来そうな所でいいよ   仲間で歩くは     それがいいよね

・田村 芙美子さんの投稿
5/21 江の島片瀬海岸ポールウォーキング 腰越組 暑くなると海岸は歩けなくなるので 江の島水族館横の湘南海岸公園でストレッチ、筋トレをして自分のペースで決められた時間まで歩きました。今年一番の暑さという予報でしたが、やや強めの潮風が気持ち良く 富士山も烏帽子岩(姥島)も見えませんでしたが、広い海に気持ちが大きく膨らみ鳶のように飛べそうな気分になりました。

・長谷川 弘道さんの投稿
からだのチカラ、こころのミライ!|長谷川弘道

・校條 諭さんの投稿
屋上庭園にトマトとバジルを植えました。 神田錦町にあるちよだプラットフォームスクウェアの屋上で行われている「ちよぷらアグリ」に今年も参加、今日は講習と植え付けでした。 一昨年のトウモロコシは猛暑のため出来がいまひとつでしたが、昨年のミニトマトはおいしくできました。そして、今年は中玉トマトとバジルです。 学んだことを生かして、自宅でもやろうと思います。 ※ちよだプラットフォームスクウェアはベンチャーや起業家、NPOなどのシェアオフィス。NPO法人みんなの元気学校としてお世話になっています。

・田村 芙美子さんの投稿
5/22 テレジア包括支援センタのAさんが、待ちに待った体組成計2と、握力計2種、デジタル身長計を持ってきてくださいました。全身と両腕、両脚の筋肉率まで計測できるのにはびっくり。とりあえずは次回より定期的に毎回全身計測から始めます。

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
很快的 #健走杖快閃第7閃來了 #台灣健走杖運動推廣協會 #彩虹眷村 #嶺東科技大學

・スマイルチームさんの投稿
2025.5.19〜24 活動記録 ☺︎スマイルチーム光が丘 チェア体操21名 ☺︎上鶴間包括支援センター主催 ポールウォーキング教室参加10名スタッフ4名 福祉用具の業者3社の担当者がポールのカタログ等を持ってきて下さいました ☺︎健康体操 9名 ☺︎青少年部ブロック研修(欠席) ☺︎スマイルチーム上溝 リズムダンス22名 ☺︎リズムダンスサロン 17名 ☺︎上溝包括支援センター担当職員と今年度打合せ ☺︎星ヶ丘ポールウォーキング 6名 ☺︎相模原市文化協会総会

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より〜 大雨も無事上がり〜 〜八重原台地〜青空の下のポールウォーキングでした。明神池の周りをロングとショートの2班に分かれて悠々散策❗️ 終了後は、皆さん其々池傍の♨️湯浴みやカフェでのランチ等楽しんで帰られた様でした〜‼️

・新地 昌子さんの投稿
見上げれば青空 振り向けば静かな湖面 今日のポールウォーキングは東御市八重原の明神池! 東御市って実は食が豊かな土地です。 ぶどう、ワイン、胡桃、お米、じゃがいも、とうもろこし、こだわりを持って作られるハム、ソーセージ、豆腐、国産小麦のパン、そしてチーズなどなど。 東御びいきの私としてはついつい語りが熱くなります😊 あ、奥本さんのジャムは最高です🩷 あと、開花亭の焼きそば合い盛りも大好物です。

・スマイルチームさんの投稿
ポールウォーキング講座3回コース3回目。市内某所高級リハビリ老人ホームのオープンスペースをお借りしての【ポールウォーキング講座】。リハビリウォーキングメインの方も多かったので,その辺りを重視し講座を行いました。皆さんに楽しんでいただき,ポールの良さを十分に伝えられた講座でした。 #スマイルチーム # 地域包括支援センター #ポールウォーキング #相模原市 #リハビリホーム

・田村 芙美子さんの投稿
5/28 昨日までのどんよりしたお天気から爽やかな青空に! コアフィットや筋トレ・コグニサイズのあと 前々からお約束の月末茶話会。本日はメンバーの裏千家師匠による本格的野点です。 生菓子とお干菓子でニ服頂きました。鶯の囀ずり、心地よい風に吹かれながら素敵な時間でした。

 

来月以降の開催
・長岡智津子さんの投稿
写真1件

・遠藤 恵子さんの投稿
【ポールウォーキングベーシックコーチ資格取得4HRセミナー開催のお知らせ】 詳細、お申し込みお問い合わせは【日本ポールウォーキング協会公式ホームページ/資格取得セミナー】をご覧ください!! ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
【2025森心健康運動解方】大安森林公園森林療癒免費體驗課程

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)超高齢期における認知機能低下とアルツハイマー病で異なる認知特性を発見-大規模な百寿者の全ゲノム関連解析でわかった分子メカニズムの違い

以下、当該論文に対する慶応大学医学部の2025年4月24日付のプレスリリースです。

要約
慶應義塾大学医学部内科学教室(神経)の西本祥仁専任講師、同百寿総合研究センターの新井康通教授、同大学再生医療リサーチセンターの岡野栄之教授、新潟大学脳研究所の池内 健教授らの研究チームは、百寿者を対象とした共同研究によって、加齢にともなう認知機能低下とアルツハイマー病との臨床学的な相違点を明らかにしました。さらにアルツハイマー病でアミロイド蓄積に関連するアポE遺伝子が主要なリスクとして知られていた事に対して、加齢にともなう認知機能低下ではシナプス(神経細胞同士のつながり)の維持に関わる遺伝子が関連していることを発見しました。

日本は世界に先がけて超高齢社会を迎えています。中でも認知症の患者をどのようにサポートしていくか、治療と介護の観点から社会で取り組むべき大きな課題となっています。長寿大国日本には9万人を超える100歳以上の方(百寿者)がおられ、健康長寿のヒントを我々に教えてくれています。慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターでは30年以上にわたって百寿者研究を継続しており、世界でも注目されています。

百寿者の方にももの忘れはありますが、重度のアルツハイマー病になる割合が少ないこと、アルツハイマー病の危険因子であるアポE遺伝子4型を持つ割合も少ないことが、同センターの研究によっても明らかにされていました。本研究はこれまでに訪問調査にご参加いただいた1,017名の百寿者の中で、認知機能の詳細な評価と全ゲノムの遺伝子解析に協力して下さった638名を対象として、認知機能の特性を詳しく調査し、391名のアルツハイマー病患者と認知機能の特性を比較しました。その結果、アルツハイマー病の患者が苦手とするMMSE(ミニメンタルステート検査)での「3段階指示の実行機能」が、百寿者では保たれていることを発見しました。さらに、ゲノムワイド関連解析により、この百寿者の認知機能の特性には、シナプスの維持にとって重要なPTPRT(protein tyrosine phosphatase receptor T)遺伝子が関わっていることを明らかにしました。

今回の研究成果は、MMSEを日常的に用いる認知症の臨床現場で、アルツハイマー病と加齢にともなう認知機能低下を見分ける新たな手法として活用され、超高齢社会の健康長寿に寄与することが期待されます。また加齢にともなう認知機能低下の病態の解明につながることが期待されます。本研究成果は2025年4月15日(米国東部時間)に米国国立老化研究所(NIA)の公式誌である Alzheimer’s & Dementia誌に掲載されました。

1. 研究の背景と概要
全世界で認知症の患者数は2050年までに1億5千万人を超えると推測されています。なかでもアルツハイマー病は認知症の代表的疾患として知られており、近年は新たな治療法の出現とともに認知症診療の姿も大きく変わりつつあります。アルツハイマー病ではアミロイドベータ(β)が重なり合って脳の神経細胞のまわりに溜まることで細胞死を引き起こしており、遺伝学的にアポE遺伝子の型がアルツハイマー病になる確率に強く影響することも知られています。 また一方で、この数十年で世界の平均寿命は延び続けており、22世紀には100歳以上の方(百寿者)が世界で2,500 万人以上になると予測されています。加齢(エイジング)は認知機能低下の最も重要な危険因子であり、百寿者も例外ではありません。世界中の4,427人の約100歳の方を対象とした調査では、男性の58%、女性の65%が認知機能に何らかの障害を有していましたが、重度の認知機能障害に分類される方は百寿者では4分の1にとどまります。これまでの報告から百寿者の脳内ではアミロイドβが蓄積しにくい、つまりアルツハイマー病になりにくい体質の方が100歳に到達しやすいことが示されてきました。 そのため百寿者の認知機能の研究は、アルツハイマー病をはじめとした認知症への抵抗性(レジリエンス)のメカニズム解明の鍵を握る研究として世界で注目されてきましたが、そこには大きな壁がありました。もともと百寿者の母数が少ないこと(健康長寿の日本人でも総人口1,600人に1人の割合)、病院や研究施設に集まって認知機能テストや頭部MRIなどの画像検査を受けて頂くことが体力的に難しいこと、などの問題があったのです。

2. 研究の成果と今後の展望
今回、本研究では、1,017名の百寿者の方に訪問調査を繰り返す中でご協力頂き、そのうち研究条件を満たした638名の百寿者の認知機能を検討しました。この中には、105~109歳の方が366名、110 歳以上のスーパーセンテナリアンと称される方も24名含まれます。これは過去の世界中の研究に類をみない超高齢者を対象とした大規模研究でした。また、百寿者とアルツハイマー病患者との間で認知機能を臨床学的に比較し、遺伝学的に解析した初めての研究でもありました。 認知機能を詳細に解析した結果、加齢にともなう認知機能低下は、臨床症状においても、遺伝学的見地においてもアルツハイマー病とは異なっていることが明らかになりました。とくにアルツハイマー病で苦手とされる項目の1つ「口頭での 3 段階指示の遂行(Q8)」の能力が百寿者では維持されやすいことが、臨床的な特徴として示されました(図 1)。Q8 はもの忘れ外来で汎用されているMMSE(ミニメンタルステート検査)というテストの中で簡易に判断できるポイントです。これらの知見は、今後の認知症外来の現場で、アルツハイマー病と加齢にともなう認知機能低下を見分ける手段の1つとして活用されることが期待されます。 さらに今回の研究では全ゲノム解析技術を用いることで、百寿者における Q8 の能力維持が、どのような遺伝情報に関わっているのかを解析しました。その結果、百寿者のQ8の能力維持には、神経間の情報伝達を行う「シナプス」といわれる部分を調整する分子の遺伝情報が関わっていることが明らかとなり、アルツハイマー病とは独立した分子メカニズムが加齢にともなう認知機能低下に関わっている可能性が示されました。今回の発見が、加齢にともなう認知機能低下をくい止めたり、予防したりするための治療に将来的につながることも期待されます。

<図1>百寿者における口頭での3段階指示の遂行(Q8)の能力の維持
アルツハイマー病患者でQ8スコアが低下していくのに対し、百寿者ではQ8スコアが後期まで保たれる(灰色: 95%信頼区間)。Q8:右手にこの紙を持ってください、それを半分に折りたたんでください、それを床に置いてくださいという一連の指示に従えるかをみる検査。MMSE(ミニメンタルステート検査)の中の1項目
=>(注)『図1』は、同論文『図2』中の『図E』です。

3. 特記事項
本研究は、厚生労働省 長寿科学総合研究事業、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)医療研究開発革新基盤創成事業「産医連携拠点による新たな認知症の創薬標的創出」, 臨床ゲノム情報統合データベース整備事業「認知症臨床ゲノム情報データベース構築に関する開発研究」, 認知症研究開発事業, 長寿・障害総合研究事業「網羅的ゲノム解析とインフォマティクス統合解析による認知症の新規病態解析」, 認知症研究開発事業「認知症疾患コホートを活用したゲノム統合解析による認知症層別化と脳内病態メカニズムの解明」, 医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業「Biological signatures of cardiovascular, musculoskeletal and cognitive ageing in the very old(心血管系、骨格筋系、および認知機能の老化に関わる分子バイオマーカーの国際共同開発)」、JSPS科研費JP15KT0009, JP18H03055, JP20K20409, JP20K07792, JP21K07281, JP23H03337、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)リサーチコンプレックス事業(JP15667051)、地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)、慶應グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)の支援によって行われました。

4.論文
英文タイトル:Distinct patterns of cognitive traits in extreme old age and Alzheimer’s disease
タイトル和訳:超高齢者とアルツハイマー病における認知特性の相違について
著者名:西本祥仁、佐々木貴史、阿部由紀子、原 範和、宮下哲典、小西海香、江口洋子、伊東大介、広瀬信義、三村 将、J-ADNI研究グループ、池内 健、岡野栄之、 新井康通
掲載誌:Alzheimer’s & Dementia(オンライン版)
DOI:10.1002/alz.70155 3 / 5

【用語解説】
(注1) アルツハイマー病: 最も代表的な認知症疾患です。アルツハイマー病の患者の脳では、アミロイドβという物質が蓄積することが知られており、2023 年 12 月からレカネマブ、2024 年 11 月からドナネマブというアミロイドβの蓄積を軽減するための治療薬が使われ始めました。
(注2) 百寿者(センテナリアン): 100歳以上の方を百寿者と呼びます。とくに105歳以上の方はセミスーパーセンテナリアン(百寿者の12人に1人)、110 歳以上の方はスーパーセンテナリアン(百寿者の550人に1人)と呼ばれます。単に長生きされているというだけでなく、多くのスーパーセンテナリアンは100歳時点でも自立した生活を営まれていた方がほとんどです。2024年12月時点での国勢調査報告では、100歳以上の方は我が国で約9万人(うち女性は7万9千人)おられます。
(注3) MMSE(ミニメンタルステート検査): もの忘れ外来でも最もよく用いられている認知機能レベルを測る検査の一つです。11 項目30点満点で構成され、記憶力だけでなく、見当識や言語性認知、視覚・聴覚・読字による理解と実行能力、復唱、流暢性や計算能力、など複合的な認知項目の障害の概要を短時間に判断したいときに使います。
(注4) 全ゲノム解析: 遺伝子が存在する場所以外にも、その遺伝子を調節している周りの遺伝情報も含めて、1人1人のほぼすべての遺伝情報を解析する方法です。次世代シークエンサーが出現したあとも技術の進歩がめざましく、症状や病気の原因にかかわるゲノム上の異常を見つけたり、将来病気になる遺伝学的リスクを深く速く計算したりできるようになりました。
(注5) ゲノムワイド関連解析:全ゲノムで得られた情報をもとに、特定の症状や体質の違い に関連する遺伝情報がどこにあるのか、統計学的に見つけ出す解析方法です。
(注6) シナプス: 神経がとなりの神経あるいは別の細胞に情報を伝えるための線維の末端に存 在します。化学物質や電気の伝達によって次の細胞に信号を伝えており、シナプスが強まったり弱まったりすることが(可塑かそ性をもつことが)記憶や学習において重要であることが知られています。

***以下の図は、同論文の『図2』です***
百歳以上の高齢者とアルツハイマー病(AD)患者のMMSEサブスケールスコアの比較。(A) サブスケールに欠陥のない531人の百歳以上の高齢者のMMSE合計スコアは、各診察時のAPOE ε4の有無に基づいて算出された。100歳を超える高齢者においては、診察時の年齢とMMSE合計スコアの間に負の相関が認められた。R 2係数は、 APOE ε4の有無でそれぞれ0.026と0.153であった。灰色の領域は95%信頼区間(CI)を表す。調整済みR 2値はlm関数を用いて示されている。
(B) 極度の老化におけるAPOE ε4の有無によるMMSE合計スコアの差。 MMSE合計得点は、G1で17.3 ± 6.3と14.4 ± 6.6、G2で12.3 ± 6.3と11.9 ± 4.5、G3で7.6 ± 6.2と15であった(平均±標準偏差;110歳以上の百寿者(G3)のうち1名はAPOE ε4であった)。J-ADNI-新潟コホートにおける538名の百寿者に対するMMSE合計得点の調整後、 APOE ε4(-)AD群とAPOE ε4(+)AD群のMMSE合計得点はそれぞれ14.0 ± 3.4と13.8 ± 3.6であった。群G1:100~104歳、G2:105~109歳、G3:110歳以上。統計的有意差はウィルコクソンの符号順位検定を用いて評価した。
(C)(左)538人の百寿者と184人のAD患者(J-ADNI-新潟、65歳以上)におけるMMSEサブスケールの得点率(上)と満点を取った人の比率(下)。グループG1:100〜104歳、G2:105〜109歳、G3:110歳以上。QXは、各MMSE_QXの得点と満点の比率を表す。たとえば、MMSE_Q1の得点5は、Q1軸上で1.00としてプロットされた。(右)538人の百寿者と49人の調整済みAD患者(J-ADNI-新潟)におけるMMSEサブスケールの得点率(上)と満点を取った人の比率(下)。 MMSEスコアが5〜17(平均13.9)のAD患者49名のMMSE合計スコアを、100歳以上の高齢者538名(MMSEスコア1〜30、平均14.0)のMMSE合計スコアに調整した。グループG1:100〜104歳、G2:105〜109歳、G3:110歳以上。
(D)100歳以上の高齢者とAD患者184名(J-ADNI-新潟)の各合計MMSE層でのMMSE_Q8スコア(0、1、2、3)の割合。ADはMMSE合計スコア≤23と定義されたため、合計MMSE層9と10にはAD患者は含まれなかった。
(E)J-ADNIと慶応義塾大学病院の100歳以上の高齢者とAD群では、MMSE_Q8スコアの低下が異なっていた。 MMSE_Q8スコアは、百歳以上の高齢者と比較して、AD群ではMMSE総スコアの低下に伴って早期に低下した。
(F)および(G)MMSE_Q8スコアの低下率は、百歳以上の高齢者(n = 26(G1)、28(G2)、および1(G3))とAD群(n = 100)で異なっていた。= 81)。MMSE_Q8スコアは、百歳以上高齢者群とアルツハイマー病群(慶応義塾大学病院)でそれぞれ-0.04 ± 0.74/年と-0.26 ± 0.75/年であった(p = 0.042)。灰色の領域は95%信頼区間を表す。略語:CI:信頼区間;J-ADNI:日本アルツハイマー病神経画像診断イニシアチブ;MMSE:ミニメンタルステート検査;NA:該当なし。

 

2-2)『AlphaEvolve』は、AIが自らアルゴリズムを発見、進化させる
DeepMindは、AIが自らアルゴリズムを発見、進化させる『AlphaEvolve:高度なアルゴリズムを設計するための Gemini 搭載コーディングエージェント』を2025年5月14日に発表しました(著者:AlphaEvolveチーム)。

**以下、同発表文からの抜粋です**
新しいAIエージェントは、大規模言語モデルの創造性と自動評価者を組み合わせることで、数学とコンピューティングの実用的なアプリケーションのためのアルゴリズムを進化させます。

大規模言語モデル(LLM)は驚くほど汎用性が高く、文書の要約、コード生成、さらには新しいアイデアのブレインストーミングまで行えます。そして今、私たちはこれらの機能を拡張し、数学と現代コンピューティングにおける基礎的かつ非常に複雑な問題にも対応できるようになりました。

本日、大規模言語モデルを活用した進化型コーディングエージェント「AlphaEvolve」を発表します。これは、汎用アルゴリズムの発見と最適化を目的としています。

AlphaEvolveは、 Geminiモデルの創造的な問題解決能力と、回答を検証する自動評価機能を組み合わせ、進化的フレームワークを用いて最も有望なアイデアを改良します。

AlphaEvolveは、Googleのデータセンター、チップ設計、そしてAIトレーニングプロセスの効率性を向上させました。これには、AlphaEvolve自体の基盤となる大規模言語モデルのトレーニングも含まれます。また、行列乗算アルゴリズムの高速化や未解決数学問題への新たな解の発見にも貢献し、多くの分野への応用に大きな可能性を示しています(以下、続く)。
・詳細についてはホワイトペーパーをご覧ください。

***
・発表文
https://deepmind.google/discover/blog/alphaevolve-a-gemini-powered-coding-agent-for-designing-advanced-algorithms/

・ホワイトペーパー
https://storage.googleapis.com/deepmind-media/DeepMind.com/Blog/alphaevolve-a-gemini-powered-coding-agent-for-designing-advanced-algorithms/AlphaEvolve.pdf

関連情報
1)本発表についてのニュース記事がNature(15 May 2025)に掲載されています。
DeepMind unveils ‘spectacular’ general-purpose science AI
System improves chip designs and tackles unsolved maths problems, but has not been rolled out to researchers outside the company.
By Elizabeth Gibney
https://www.nature.com/articles/d41586-025-01523-z?utm_source=Live+Audience&utm_campaign=722926e35b-nature-briefing-daily-20250515&utm_medium=email&utm_term=0_b27a691814-722926e35b-51850632
(和訳)
ディープマインドが「驚異的な」汎用科学AIを発表
このシステムはチップ設計を改善し、未解決の数学の問題に取り組んでいますが、社外の研究者には公開されていません。
著者:エリザベス・ギブニー

2)DeepMindが開発したAI、『AlphaMissense』と『AlphaFold』については2023年10月のニュース、『AlphaFold 3 』については2024年5月のニュースで取り上げています。

 

2-3)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報(2025年5月)
・女性はなぜアルツハイマー病で重症化しやすいのか? ―性差医療の必要性―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月3日FB投稿です**
アルツハイマー病(AD)は女性に多く,また病態の進行が速い傾向にあることが知られています.日本人においても女性に多く,認知機能低下の進行も女性で速い傾向が報告されています.久山町研究などの疫学データにより,この性差は単に寿命の長さによるものではなく,生物学的な違いが関与している可能性が指摘されています.また,APOE遺伝子ε4保有による発症リスクは女性でより高いことも知られています.最近,報告された欧米の2つの研究は,ADの性差の根底に「神経炎症・自然免疫応答の性差」が関与していることを示しています.
1つ目の研究は米国Stony Brook大学からのもので,死後脳を用いて,部位ごとの神経炎症の性差を検討しました.海馬,嗅内皮質,および頭頂葉皮質における神経炎症マーカーTSPOの結合密度を定量的オートラジオグラフィーで測定し,さらに炎症性miRNA(miR-146a,miR-34a,miR-125b,miR-155-5p)の発現を定量的PCRで評価しています.その結果,AD女性ではCA1や海馬支脚などの海馬領域においてTSPOの結合が顕著に高く(=神経炎症が強く;図1),さらにTSPOとタウ病理との間に有意な正の相関が認められました.加えて,炎症性miRNAの発現もAD女性でのみ増加しており,性特異的な神経炎症のエピジェネティック制御が示唆されました.
2つ目の研究はノルウェーのオスロ大学病院などによる研究で,285名のコホートを対象に,血漿および脳脊髄液中の9種類の自然免疫マーカーを測定し,性差やアミロイド病理との関連を検討しました.この結果,アミロイド陽性者(A+)の中でも特に軽度認知障害(MCI)段階において,女性はサイトカインMCP-1とIL-6の値が男性よりも有意に低く,またsTREM2(ミクログリア活性化の指標)やclusterin(補体抑制や炎症調節に関わるタンパク質)と神経変性マーカー(タウ,NfL)との相関が男性より強いことが明らかになりました(図2).一見すると炎症性サイトカインが低いことは良い徴候で,1つ目の論文と矛盾しているようにも思えますが,そう単純ではありません.MCP-1やIL-6は炎症の惹起だけでなく,アミロイドβの除去や神経保護にも関与します.つまり,これらのサイトカインが低値であることは,加齢性変化に対して必要な免疫応答が発動せず,防御機構がうまく働いていない可能性を意味します.この結果,女性では神経変性の進行が加速されると推測しています.
2つの研究はアプローチこそ異なりますが,いずれも「女性ではADの前段階から免疫応答や炎症反応に変調が生じ,それが病態進行を促進する」ことを示しています.今後,ADの予防や治療,診断バイオマーカーの解釈において,性差を考慮することが必要と考えられました.臨床試験の設計や集団解析においても,性差を考えることが求められると思います.つまり性差に注目することが,ADの病態の理解や個別化医療の実現に必要になるものと考えられます.
1. Acosta‐Martínez, M. et al. Sex- and region-dependent neuroinflammation in Alzheimer’s disease. Alzheimer’s & Dementia, 2025;21:e14603. DOI: https://doi.org/10.1002/alz.14603
2. Knudtzon, L. et al. Sexual dimorphisms in innate immune activation markers in predementia Alzheimer’s disease. Brain Communications, 2025. DOI: https://doi.org/10.1093/braincomms/fcaf161

・典型的な臨床3徴と画像所見を認めても,必ずしも特発性正常圧水頭症とは言えない!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月5日FB投稿です**
★gooブログのサービス終了に伴い,Hatena Blogに引っ越しをしました(https://pkcdelta.hatenablog.com/).gooブログにアクセスいただくと,引っ越し先に自動で移動します.gooブログでは,ブログ開設から20年(7512日)お世話になりました.1387記事を執筆し,トータル閲覧数1178万1128PV,トータル訪問数551万3039回とのことです.本当に多くの方々にご覧いただき,どうもありがとうございました.今後ともどうぞ宜しくお願いいたします.
★さて引っ越し第一弾は,特発性正常圧水頭症(iNPH)です.これは歩行障害・認知機能障害・尿失禁からなる臨床3徴と,画像上のEvans indexの上昇やDESH(Disproportionately Enlarged Subarachnoid-space Hydrocephalus)と呼ばれる特異的な脳脊髄液貯留パターンを示す疾患です(図).
iNPHはシャント術(脳室短絡術)が著効する可能性があることから,正確な診断が求められます.しかしながら,iNPHと類似した症候や画像所見を呈する神経変性疾患も存在し,診断を誤ることで不要な手術に至ることや,効果があっても一時的であることがあります.当科でもこの問題を重視し,とくに進行性核上性麻痺(PSP)とiNPHの合併についての検討を行っています.山原らは少数例の後方視的検討ですが,「PSPとiNPHの合併例はPSP-RS(リチャードソン症候群)が多く,シャント術の効果予測において脳血流SPECTが有効である可能性」を示しました(文献1).現在,複数の施設にご協力をいただき,適切な治療に関する前方視的研究を進めています.
さてNeurol Clin Pract誌に,米国Mayo Clinicの古賀俊輔先生らの研究グループから,剖検により病理学的に確定診断したPSPおよびレビー小体病(LBD)を対象に,MRIでiNPH様の画像所見がどの程度存在するかを後方視的に検討した研究が報告されました(文献2).対象は,Mayo Clinic脳バンクに登録された剖検例のうち,アルツハイマー病や水頭症の原因となる疾患(髄膜炎や脳腫瘍など)の既往歴を除外したPSP 101例とLBD 89例の計190例です(平均年齢は76.8歳で,男性が約7割).
結果として,DESHはPSPでは3%(3/101例),LBDでは15%(13/89例)に認められ,LBDで有意に高頻度でした(p=0.004).一方,高Evans index(>0.30)の頻度はPSPで36%(36/101例),LBDで36%(32/89例)とほぼ同等でした.また全190例をまとめた検討で,iNPHの臨床3徴をすべて有していた患者群では,DESHや高Evans indexの頻度が有意に高いことも明らかとなりました(DESH:オッズ比6.4,p=0.007;高Evans index:オッズ比2.1,p=0.040).以上より,DESHや高Evans indexといったiNPHに特徴的な画像所見が,病理学的に診断を確定したPSPやLBDでも一定の頻度で認めることが証明されました.つまり画像所見のみでiNPHを診断してシャント術に踏み切るのではなく,臨床症候やより高度の画像診断やバイオマーカーの併用による総合的に評価することが重要と言えます.また個人的にはLBDの15%にDESHを認めるという知見は驚きでした.
本研究の要点をまとめると以下になります.
① DESHや高Evans indexはiNPHに特異的とは限らない
② iNPHに典型的な臨床3徴と画像所見を認めても,必ずしもiNPHを意味しない
③ iNPHの誤診により不要なシャント術が行われるリスクがある
④ 神経変性疾患でもグリンパティック系や脳脊髄液再吸収の低下などの脳脊髄液動態異常が関与する可能性がある
1. 山原直紀, 吉倉延亮, 下畑享良.進行性核上性麻痺および特発性正常圧水頭症の合併例の臨床的特徴とシャント術の効果.臨床神経2024;64:113-116. https://doi.org/10.5692/clinicalneurol.cn-001920
2. Kawazoe M, et al.Disproportionately enlarged subarachnoid-space hydrocephalus on MRI in pathologically confirmed progressive supranuclear palsy.Neurol Clin Pract 2025;15(2):e200431. doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200431

・脳内の異常を免疫系はどのように感知しているのか?― 「脳免疫コード」という新たな概念
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月8日FB投稿です**
私たちの脳は,これまで免疫系から独立していると考えられていました.しかし近年の研究により,脳内の老廃物を排出する仕組みとして,グリンパティック系(glymphatic system)および硬膜リンパ管(meningeal lymphatics)が存在することが明らかになり,脳と免疫系が密接に関連していることが分かってきました.Immunity誌に,米国ワシントン大学の2人の教授が総説を発表し,これらの新たな知見をベースとして「脳免疫コード(brain immune code)」なる新たな概念を提唱しています.
まずグリンパティック系から髄膜リンパ管までの説明です.動脈周囲の血管周囲腔の脳脊髄液(CSF)は,アストロサイトに存在する水チャネル(アクアポリン4)を介して脳間質液(ISF)との間で交換され,脳実質内を循環します(図1).これにより脳の老廃物が脳から排出されます.特にノンレム睡眠時には,脳脊髄液と脳間質液の効率的な交換が促進され,老廃物除去が進みます(→このため質の良い睡眠は認知症予防に繋がる可能性があります).さらに,脳内から排出されたCSFはクモ膜下腔(SAS)を経由し,静脈洞(dural venous sinus)の近くに位置する「クモ膜カフ出口(arachnoid cuff exit:ACE)」という,最近発見された構造を介して硬膜リンパ管系(緑)に流入し,最終的に頸部リンパ節へと排出されます.つまりCSFが硬膜リンパ管系を通じて排出され,最終的に末梢リンパ系に移動します.この経路が脳と末梢免疫系をつなぎ,免疫細胞が脳由来の抗原を認識するわけです.
つぎに脳免疫コード(brain immune code)です.これは脳内の抗原がどのように免疫系に提示され,免疫細胞がそれにどう反応するかを示す概念です.脳由来の抗原は,免疫細胞に対してユニークなアミノ酸配列からなり,「バーコード」のような役割を果たします(図2).免疫細胞(特にT細胞)はこのバーコードをスキャナーのように読み取ることで,正常な脳機能を守るための適切な免疫反応を維持しています.具体的には,マクロファージなどの抗原提示細胞が脳由来の抗原を主要組織適合複合体(MHC)上に提示し,免疫細胞がそれを認識・対応します.このような仕組みによって,免疫系は脳内の異常を早期に感知し,適切に対処することが可能になります(図3A).
しかし,加齢や炎症,神経変性疾患などの病的な状況では,提示される抗原の種類(免疫系が認識できる物質の範囲)が変化してしまいます.つまり,「バーコード」の種類が変化し,これに伴い免疫反応のパターンも異常を来します.例えば自己免疫疾患の場合,炎症によって抗原提示の状況が変わり,脳免疫コードが変化してしまいます(図3B;黒→赤).特に多発性硬化症ではEBウイルス感染との関連が指摘されていますが,分子模倣(molecular mimicry)によって自己免疫のリスクが高まります.この変化により,本来は病原体排除を目的とした免疫細胞群が活性化され,自己組織への攻撃性が増加する可能性があります.
また加齢や神経変性疾患(例えばアルツハイマー病)では,老化に伴いグリンパティック系および硬膜リンパ管系の機能が低下し,脳内の老廃物の除去が不完全になり,慢性的な炎症が発生しやすくなります.これが脳免疫コードの変化を引き起こす原因となります(図3C).つまり提示される抗原の種類(免疫コード)が変化し,末梢免疫系が認識する抗原のレパートリーが変わってしまいます.また,特定のT細胞が認知機能の低下や神経変性に関与することも指摘されており,この免疫コードの変化が病態の進行にどのように影響するかは今後の重要な課題と言えます.
以上のように,脳と免疫の関係を新たな視点から理解することは,多発性硬化症やアルツハイマー病などの神経難病の治療法開発に多くく貢献するものと期待されます.
Kim, M.W., & Kipnis, J. (2025). Glymphatics and meningeal lymphatics unlock the brain-immune code. Immunity.
https://www.cell.com/immunity/fulltext/S1074-7613(25)00125-6

・アルツハイマー病に対する抗体療法の課題と将来の展望・改訂版
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月10日FB投稿です**
近森病院 細見直永部長,高知大学 松下拓也教授に貴重な機会をいただき,標題の講演をさせていただきました.昨年の7月に日本脳血管・認知症学会にて同じタイトルで大会長講演をさせていただきましたが,この10ヶ月の研究の大きな進歩を踏まえアップデートしました.具体的には以下の項目を追加しました.よろしければご覧ください.
◆ ARIAの危険因子に関する最新知見
◆ アミロイドβの血管沈着とARIAの病態メカニズム
◆ 抗体療法に伴う脳萎縮に関する2つの仮説
◆ 脳脊髄液アミロイドβ42の意義
◆ アミロイドβ沈着の上流の発見
◆ ウイルス感染と認知症・タウリン酸化
=>スライドへのリンク

・免疫抑制患者に見られる新たなウイルス性脳脊髄炎 ―Pegivirus関連脳脊髄炎(PAEM)―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月12日FB投稿です**
最新号のNew Eng J Med誌の短報に,ドイツのCharité大学を中心とするチームが,ヒトペギウイルス1型(HPgV-1)による新たな中枢神経感染症「Pegivirus関連脳脊髄炎(Pegivirus-associated encephalomyelitis;PAEM)」を報告しています.免疫抑制状態にある4名の患者が進行性の視神経障害と脊髄障害を呈し,全例の脳脊髄液からHPgV-1(human pegivirus type 1)RNAが検出され,さらに死亡した2例では剖検脳および脊髄組織からも高ウイルス量が確認されました(これに対して,疾患対照として解析された脳炎患者100例の脳脊髄液からは検出されませんでした).これまでHPgV-1は無症候性の持続感染ウイルスと考えられてきましたが,中枢神経系における複製と病原性が示されたのは今回が初めてとなります.
HPgV-1は,フラビウイルス科ペギウイルス属に属する一本鎖RNAウイルスで,血液や性行為を介して感染し,世界中の人口の10~30%に持続感染しているとされています.これまで臨床的な病原性はほとんど認められておらず,HIV感染者ではむしろ免疫活性を調整し良好な予後に関連するとの報告もありました.しかし最近では白質脳炎や脊髄炎との関連を指摘する報告も出てきており,今回,初めて明確な病原性が示されたことになります.
患者は57~70歳で,腎移植後の免疫抑制状態が2例,骨髄移植後の慢性GVHDが1例,関節リウマチに対するTNF-α阻害薬とメトトレキサート使用中の1例と,いずれも明らかな免疫抑制状態にありました.数か月にわたり両側視力障害や,痙性対麻痺あるいは四肢麻痺,感覚障害が進行性に増悪しました.2名は発症後7か月および17か月で死亡し,残る2名も重度の後遺症を伴いながら,それぞれ25か月および40か月の経過観察がなされています.
MRIでは,全例において特徴的な所見が確認されました.具体的には,両側の視神経および視交叉にFLAIR画像で明瞭な高信号がみられ(図A),脊髄では錐体路および後索に沿って縦長のT2高信号が確認されました(図B).3例では両側錐体路にT2高信号が広がり,DWIでも拡散制限を伴っていました(図C-D).剖検例では,脳幹の錐体路部が肉眼的に軟化しており(図E),組織学的には異型のアストロサイト様細胞に核内封入体が認められました(図F).また病変部ではCD68陽性マクロファージとCD8陽性T細胞の強い浸潤が認められ,炎症性脱髄と考えられました(図G, H).
ウイルスの遺伝子配列を調べたところ,中枢神経系の中で他の部位とは異なるウイルスの集団が存在していることがわかりました.これは,ウイルスが中枢神経系で独自に増殖しており,その部位を好んで感染するという「神経向性(neurotropism)」の存在を示しています.さらに,ウイルス量は視神経と頸髄で特に高く,病変の分布と一致していました.
以上より,今後,進行性の視神経障害や脊髄障害を認める免疫抑制患者で,上述のような特徴的な画像所見を認めた場合には,HPgV-1の検査を考慮すべきと著者らは提案しています.なお,著者は本文中で明言していませんが,その臨床像から視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)やHAMなどが疑われるような症例で,鑑別診断として本疾患を挙げる必要があると感じました.
Scheibe F, et al. Pegivirus-Associated Encephalomyelitis in Immunosuppressed Patients. N Engl J Med. 2025 May 8;392(18):1864–1866.(https://doi.org/10.1056/NEJMc2501512)

・機能性神経障害(FND;ヒステリー)診療の近年の革命的変化─COVID-19の影響も踏まえて
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月13日FB投稿です**
「医学のあゆみ」誌の最新号(https://amzn.to/4mbk1C0)で,機能性神経障害(FND)の特集が組まれました.歴史的に,ヒステリー,心因性疾患,解離性障害,転換性障害,身体表現性障害,心気症,詐病などと呼ばれてきた疾患です.この特集号を企画された園生雅弘教授の巻頭言に,「ヒステリーってほとんどいないよね.皆詐病でしょう?」「ヒステリーは精神科で見なくなったと思ったら,みんな脳神経内科にかかっていたのか!」というある精神科医の言葉が紹介されています.この疾患の近年の状況を象徴していますが,一方で「脳神経内科医も精神疾患と思っているので真面目に対処も治療も考えることなく,ただ持て余すのみであった」と書かれています.しかし21世紀に入って,この状況に脳神経内科において革新的変化が起こり,現在も進行中です.園生教授がご執筆された「FNDの歴史と近年の革命的変化」では,この流れを歴史的かつ体系的に論じておられます.
日本神経学会も「機能性疾患/精神科領域疾患セクション」を立ち上げ,本年2月に開催されたウェビナーは800人を超える参加登録がありました.またFNDに関する初の教科書「機能性神経障害診療ハンドブック(https://amzn.to/3GS48QT)」も昨年6月に出版され,さらに複数の医学誌でも特集が組まれています.今回の特集号はコンパクトですが,本特集を通じて,FNDの考え方,診断,治療,そしてリハビリテーションに至るまでの体系的な理解を深めることができます.私も「機能性不随意運動」について執筆を担当いたしました.またニューロリハ領域を牽引される角田亘教授がFNDのリハビリテーションについて明快かつ実践的にご執筆されています.ご一読を賜れば幸いです.
目次
◆はじめに(園生雅弘)
◆FNDの歴史と近年の革命的変化(園生雅弘)
◆機能性筋力低下(園生雅弘)
◆機能性不随意運動(下畑享良)
◆心因性非てんかん発作─脳神経内科医・精神科医のための実践的アプローチ(斉藤聡志・谷口 豪)
◆新型コロナウイルス感染症後遷延症状およびCOVID-19ワクチン接種とFND(大平雅之・髙尾昌樹)
◆FNDと神経生理(神林隆道・園生雅弘)
◆脳神経内科医によるFNDの治療(渡辺宏久)
◆FNDのリハビリテーション(角田 亘)

・レカネマブに伴う症候性ARIAのリスクは認知機能の差(CDRスコア0.5と1)で15倍も変わる!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月15日FB投稿です**
アミロイドβを標的とした抗体薬レカネマブは,アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症の治療薬として臨床応用されています.JAMA Neurology誌にワシントン大学から,治療を導入した234名の治療後の経過を検討した研究が報告されています.
対象患者は平均年齢74.4歳,CDRスコア0.5(MCI)または1(軽度認知症)の診断で,治療期間の平均は6.5か月でした.CDR-SB(臨床的認知機能評価のサブスコア)変化率は年間1.11ポイント(軽度認知症では1.56,MCIでは0.99)でした.副作用に関しては,インフュージョンリアクションは全体の37%に発生しましたが,多くは軽度でした.一方,注目されるアミロイド関連画像異常(ARIA)は,234人中194人が評価され,42人(22%)に認められました.そのうち,11人(5.7%)が症候性ARIAを発症し,2人(1.0%)は入院を要する重篤な症状を呈しましたが,死亡例や大出血はありませんでした.症候性ARIAを発症した11人の患者のうち,8人は症状が完全に回復しました.残る3人では,軽度の失語・混乱,慢性頭痛の増悪,精神症状の悪化といった後遺症がみられました.治療を中止したのは全体の9.8%(23人)であり,そのうちARIA関連の中止は4.3%(10人)でした.
この研究でもっとも印象的だったのは図1で,ARIAが時間経過とともにどのように出現するのか視覚的に分かります.治療開始後,ARIA-E(浮腫;オレンジ)は早期(最初の2〜4か月)に集中して発生し,その後の出現頻度は低下します.一方,ARIA-H(微小出血など;緑)のみを呈する症例は時間とともに徐々に増加していく様子が明らかになりました.つまりすでに周知されているように,開始初期のMRIモニタリングは重要ですが,ARIA-Hは治療期間を通して注意する必要があると言えます.
また,CDR 1の患者では症候性ARIAの発生率が27%と高く,CDR 0.5の患者(1.8%)に比べて15倍もリスクが高いことが示されました.症候性ARIAを呈した患者の多くは回復したものの,上述した通り,3人に後遺症(失語,頭痛,精神症状の増悪)が残存し,治療中止に至った例もみられました.つまりCDR 1の患者に対しては,副作用の頻度と重症度が相対的に高くなることを踏まえた協働意思決定(shared decision making)が必要になると考えられます.とくにAPOE ε4ホモ接合体である患者ではリスクが高くなるため(ホモ接合でのARIA-Eの頻度は38%),治療開始にあたっては,リスクとベネフィットを明確に説明し,共に考える姿勢が必要だと思います.
また図2も重要です.ARIA-EとARIA-Hの画像上の重症度を縦軸と横軸に取り,それらの組み合わせにおいて,患者が症候性であったか無症候性であったかを可視化しています.無症候性ARIA(図2A)の多くは,軽度〜中等度のARIA-Eと軽度のARIA-Hにとどまりました.一方,症候性ARIAはすべてARIA-EとARIA-Hの両方を有しており,とくに症状が重篤である症例(赤)では,中等度以上のARIA-Eと中等度以上のARIA-Hの組み合わせで認めることが分かりました.
研究の限界は,ほとんどが白人であり,人種的多様性に欠けている点と,単一施設でのデータである点かと思います.
個人的な疑問としては,ARIAを来しても多くは治療継続可能であることが示されましたが,ARIA後も単なる可逆的副作用と考えて継続した方が良いのか,それとも警告発作と考えたほうが良いのか(つまり再発や進行はないのか),明らかにする必要があると思いました.いずれにせよ,本研究はレカネマブのリアリワールドにおける安全性データを示すとともに,患者さんに対する科学的根拠に基づいた協働意思決定を支援するという現代医療のあり方に繋がると思います.本剤を処方する医師はよく理解しておく必要がある論文だと思います.
Paczynski M, et al. Lecanemab Treatment in a Specialty Memory Clinic. JAMA Neurology. Published online May 12, 2025.(doi.org/10.1001/jamaneurol.2025.1232)

・神経変性疾患に対する免疫療法の幕開け ―制御性T細胞(Tregs)を標的としたALS免疫治療―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月19日FB投稿です**
筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する治療として近年,複数の新たな試みが進行中です.最新号のLancet誌に,低用量のインターロイキン2をリルゾールに追加して皮下注する新たな免疫療法の有効性と安全性を検証した多施設共同第2b相二重盲検無作為化プラセボ対照試験(MIROCALS試験)がフランスから報告されました.この薬剤が選択された背景には,ALSの病態における免疫異常と神経炎症の関与があります.なかでも,自己免疫の制御に重要なCD4⁺CD25⁺FOXP3⁺制御性T細胞(いわゆるTregs;免疫のブレーキ役)の数および機能の低下がALSの進行や重症度と相関することが報告されており,Tregsを標的とした治療戦略が注目されたわけです.IL-2は,Tregsの増殖と維持に不可欠なサイトカインであり,その低用量使用によりエフェクターT細胞を刺激せず,選択的にTregsを増加させることが可能とされています(エフェクターT細胞まで刺激されると,サイトカイン放出やミクログリアなどの活性化が起きてしまいます).この治療戦略はすでにSLEや1型糖尿病などでも検討されており,ALSへの応用が期待されていたそうです.
この試験では,18〜76歳の,発症から24か月以内のALS患者220名を対象に,リルゾールを導入後に低用量IL-2(2MIUを皮下注,28日ごとに5日間)または偽薬を18か月間皮下注しています.主要評価項目は640日後の生存率です.結果として,未調整解析ではIL-2群で死亡リスクが19%低下したものの有意差は得られませんでした(ハザード比 0.81,p=0.33).しかし,年齢,ALSFRS-Rスコア,Treg数,血漿CCL2,脳脊髄液中リン酸化ニューロフィラメント重鎖(CSF-pNFH)などの予後因子で調整した解析では,IL-2群で死亡リスクが68%有意に低下していました(ハザード比 0.32,p=0.007).CSF-pNFH値は聞き慣れないバイオマーカーでしたが,値のよって3群に分けると生命予後を予測できることが示されています(図1).そしてCSF-pNFH値が低い患者群(750–3700 pg/mL)では,IL-2群において死亡リスクが48%有意に低下し(ハザード比 0.52,p=0.016),この層では機能スコアの低下速度(ALSFRS-R)も有意に遅延しました(図2).一方で,CSF-pNFHが高い群ではIL-2による有意な改善は認めませんでした.このことはより早期,軽症の患者でこの治療が有効である可能性を示唆しています.
また,低用量IL-2によりTregsの数および割合は有意に増加し,炎症マーカーである血漿中CCL2濃度(=MCP1;単球やT細胞などの免疫細胞を炎症部位に呼び寄せるケモカイン)も有意に低下しました.副作用としては注射部位の反応やインフルエンザ様症状が多く報告されましたが,いずれも軽微であり,低用量IL-2は18か月間の長期使用でも概ね安全に使用できることが示されました.
本試験は,ALSにおける治療法として,免疫修飾による病態制御の可能性があることを示した点,そしてCSF-pNFHのようなバイオマーカーを用いた層別化医療の重要性を示した点で重要と考えられます.今後の第3相試験に期待したいと思いますし,他の神経変性疾患でも同様の免疫療法というアプローチが拡大する可能性があると思います.
Bensimon G, et al. Efficacy and safety of low-dose IL-2 as an add-on therapy to riluzole (MIROCALS): a phase 2b, double-blind, randomised, placebo-controlled trial. The Lancet. Published online May 9, 2025. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(25)00262-4

・ナルコレプシーに対するオレキシン作動薬の夜明け
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月24日FB投稿です**
第66回日本神経学会学術大会3日目,睡眠医学研究の第一人者,筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長の柳沢正史先生のご講演を拝聴しました.①起立性調節障害の多くは睡眠相後退症候群であること,②ノンレム睡眠中の一時的なドーパミン濃度の上昇(dopamine surge)が扁桃体の賦活を引き起こし,それがレム睡眠の開始に不可欠であること,③睡眠不足は認知症,心疾患,肥満等につながること,④人は自分が眠れているかどうかを正しく判断することはできないこと(睡眠誤認)など大変勉強になりました.柳沢先生は覚醒の維持に関わる神経ペプチド,オレキシンを発見されたことでも有名ですが,これに関連してナルコレプシー1型の治療のお話もありました.
ナルコレプシー1型は,日中の過眠やカタプレキシー(情動脱力発作),夜間の睡眠の分断など,生活の質を著しく損なう疾患です.図はオレキシン神経の分布と機能,およびナルコレプシー1型との関係を示しています.図1Aでは,オレキシン神経が外側視床下部に存在し,覚醒を促す乳頭体核を刺激し,睡眠を促す腹外側視索前野を抑制することで覚醒状態を維持していることが示されています.ナルコレプシー1型では,これらの神経が著しく失われます.Bでは,オレキシンAおよびBが,プレプロオレキシンから産生され,それぞれOX1RおよびOX2Rという受容体に結合する様子が書かれています.オレキシンBはOX2Rに選択的に作用し,オレキシンAはOX1Rにも結合して報酬系に関与します.近年,OX2Rに選択的に作用する作動薬「oveporexton(TAK-861;Takeda社)」が開発されました.ナルコレプシー1型に対する効果を検証した研究が,最新号のNew England Journal of Medicine誌に報告されています.この薬剤は経口投与が可能で,血液脳関門を通過します.
日本を含む多国籍の多施設共同二重盲検無作為化比較試験で,112名のナルコレプシー1型患者が対象となり,実薬または偽薬を8週間にわたって使用しています.主要評価項目は,覚醒維持検査(Maintenance of Wakefulness Test:MWT)における平均睡眠潜時(入眠までの時間)の変化であり,副次評価項目としてEpworth Sleepiness Scale(ESS)スコア,週あたりのカタプレキシーの回数,Narcolepsy Severity Scale for Clinical Trials(NSS-CT)などが含まれています.治療群は4つで,1つ目は0.5 mgを1日2回投与する群,2つ目は2 mgを1日2回投与する群,3つ目は最初の2週間に2 mgを1日2回投与し,その後は朝のみ5 mgを投与する漸増群,4つ目は7 mgを朝1回のみ投与する群です.いずれの群も8週間継続されました.結果は以下の通りです.
1) MWTにおける平均睡眠潜時(眠るまでの時間)は,実薬投与のすべての群で有意な改善(12.5〜25.4分の延長)を示し,特に2mg→5mgの群で最も改善が顕著であった(睡眠潜時が健康人レベルに到達した割合が最大81%).(図2A)
2) ESSスコアは,ベースラインの18〜19点から,偽薬群では−2.5点,実薬群では−8.9〜−13.8点と有意な低下.(図2B)
3) カタプレキシー発作回数は,最大で週あたり15.7回から2.1回に減少し,偽薬群との比較で有意差あり(p = 0.003).
4)NSS-CTスコアも実薬群では28.7→8.1〜14.5と著明に改善した.
副作用は,不眠(48%),尿意切迫感(33%),頻尿(32%)を認めましたが,いずれも軽度から中等度であり,ほとんどが1週間以内に自然軽快しました.肝障害は認められませんでした.
以上のように,oveporextonはナルコレプシー1型に対して病態機序の本質に迫る新しい治療戦略として期待され,現在第3相試験(NCT06470828)も進行中とのことです.患者さんのQOLが大きく変わるものと期待されます.
Dauvilliers Y, et al. Oveporexton, an Oral Orexin Receptor 2–Selective Agonist, in Narcolepsy Type 1. N Engl J Med. 2025;392(19):1905–1916.(doi.org/10.1056/NEJMoa2405847)

・自己免疫性脳炎の免疫病態と進行中の臨床試験 ―なぜこの薬が選ばれたのか?―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月28日FB投稿です**
自己免疫性脳炎(autoimmune encephalitis:AE)は特定の自己抗体が機能障害を引き起こし,記憶障害やけいれん,運動異常症,精神症状など多様な症候を呈します.早期の免疫療法によって改善が望めるものの,十分なエビデンスに基づく治療はまだ確立されていません.このため,現在,AEに対する新しい免疫療法の臨床試験が国際的に進められています.これらを分かりやすく解説した総説がNeurology誌に掲載されています.代表的な4つの試験と,なぜそれらの薬剤が選ばれたのかが理解できます.
【現在進行中の主要な臨床試験】
① EXTINGUISH試験
対象:NMDAR抗体陽性の成人および青年
治療薬:イネビリズマブ(CD19陽性B細胞・一部形質芽細胞を標的)
② LEGIONE試験
対象:LGI1抗体陽性の成人
治療薬:ロザノリキシズマブ(FcRn阻害)
③ CIELO試験
対象:NMDARまたはLGI1抗体陽性の新規例および難治例
治療薬:サトラリズマブ(IL-6受容体阻害)
④ GENERATE-BOOST試験
対象:重症の細胞表面抗原抗体陽性例(リツキシマブ使用後)
治療薬:ボルテゾミブ(プロテアソーム阻害薬)
【病態と薬剤選定の理由】
図1では,AEがどのような要因で発症し,どの免疫細胞が関与しているかが示されています.誘因には特発性,腫瘍,ウイルス感染後,医原性(免疫チェックポイント阻害薬)があり,発症にはHLAや自己免疫疾患体質,炎症促進の環境が関係します.免疫病態の中心にはT細胞,B細胞,自己抗体があり,これらが大脳皮質,辺縁系,基底核,小脳,脳幹を標的にして多彩な症候を引き起こします.
図2では,免疫応答の各段階における治療薬の作用点が示されています.抗原提示細胞がT細胞を活性化し,それがB細胞を刺激.IL-6の助けを借りてB細胞が形質芽細胞に分化し,病原性抗体を産生.産生された抗体は血中や脳脊髄液中に放出され,血液脳関門を通過して中枢神経へ到達.細胞表面抗原と結合し,受容体等の内在化・機能阻害・細胞障害を引き起こす.さらにT細胞の浸潤,ミクログリアの活性化,サイトカイン(IL-6など)放出,これらの結果として中枢神経系での炎症性環境が形成される.さらにB細胞から形質芽細胞,形質細胞へと至る過程で,髄腔内で抗体が産生され,これが機能障害を引き起こす.種々の薬剤は,この免疫カスケードの異なる段階を標的にしています:
◆ステロイド,IVIg,血漿交換(非特異的免疫抑制)
◆抗CD20抗体(リツキシマブ):B細胞除去
◆抗CD19抗体(イネビリズマブ):B細胞に加え一部の形質芽細胞も標的
◆プロテアソーム阻害薬(ボルテゾミブ):形質細胞をアポトーシスへ導く
◆FcRn阻害薬(ロザノリキシズマブ):IgGの再利用を防ぎ,病原性抗体を減少させる
◆IL-6受容体阻害薬(サトラリズマブ):形質芽細胞への分化を抑制
脳炎ごとにどの過程を抑制するのが最も効果的なのか明らかにする必要があります.
【AEの臨床試験における共通課題】
臨床試験の実施にあたっての課題も記載されています.
1.症例数の少なさ
2.疾患の多様性
抗体の種類や病態が異なるため,対象を広げると効果が不明確になり,絞ると対象が少なくなるというジレンマがある.このためCIELO試験ではバスケット試験を行っている.
3.アウトカム評価の難しさ
AE特有の認知機能障害や睡眠,自律神経症状などを十分に評価できるスケールがない.
4.標準治療との関係性
ステロイドやリツキシマブなど既存治療が既に広く使われており,これらを使用している患者をどう扱うかが設計上の課題となる.
以上のように,AEの治療は免疫病態を正しく理解したうえで適切なターゲットを治療する時代へと移行しつつあります.現在進行中の臨床試験はその先駆けと言えます.一方,希少疾患に特有の課題を克服するためには,研究者・医療者・患者さんが一体となった取り組みが求められると思いました.
Titulaer MJ, et al. The Clinical Trial Landscape in Autoimmune Encephalitis: Challenges and Opportunities. Neurology. 2025;104:e213487. https://www.neurology.org/doi/10.1212/WNL.0000000000213487

・パーキンソン病では生命予後・機能予後を増悪させないためにCOVID-19罹患を防ぐ必要がある!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年5月30日FB投稿です**
個人的にはずっと結果を知りたかった,COVID-19がパーキンソン病(PD)患者の長期的な転帰に及ぼす影響を明らかにした研究が,ついにアルバート・アインシュタイン医科大学から European Journal of Neurology 誌に報告されました.本研究では,2016年から2023年にかけて同医療圏で診療を受けたPD患者3512名のうち,COVID-19のPCR検査で陽性となった293名と陰性の1649名を比較対象とし,観察期間は最長3.5年に及んでいます.評価されたアウトカムは,全死因死亡率,主要心血管有害事象(MACE),呼吸困難,疲労,転倒など多岐にわたります.
注目すべき結果として,COVID-19に罹患したPD患者は,感染していないPD患者と比較して,全死因死亡率(調整ハザード比[aHR] 1.58),呼吸困難(aHR 1.44),MACE(aHR 1.72),疲労(aHR 1.49),転倒(aHR 1.39)といずれのリスクも統計学的に有意に高いことが示されました.図1には,感染14日後からのKaplan–Meier生存曲線が描かれており,COVID-19陽性群では感染後3か月以内に死亡率が急激に上昇し,その後も高い死亡率が持続していることが明瞭に示されています.
また,図2では,MACE,呼吸困難,疲労,転倒といったアウトカムについて,COVID-19陽性群と陰性群で時間の経過とともに累積発生率に差が生じていく様子が示されており,感染が長期的な身体的リスクを高めることが視覚的に理解できます.
さらに注目すべき点として,COVID-19陽性群では感染後にレボドパ換算投与量(LED)が有意に増加していました.具体的には,感染前のLED中央値は687 mg/dayであったのに対し,感染後には727 mg/dayへと有意に増加していました(p < 0.001).この増加は,男女いずれの群でも確認されましたが,その後の経過には性差がみられました.特に男性患者では,感染後の経過に伴ってLEDが月ごとにわずかに減少する傾向がみられましたが(p = 0.01),女性ではそのような変化はみられませんでした(p = 0.84).
著者らは,COVID-19がPD患者の転帰を悪化させる背景として,ウイルス感染に伴う神経炎症,酸化ストレス,ドパミン作動性神経細胞への障害,さらにはαシヌクレイン凝集の促進などを指摘しています.加えて,パンデミック下での社会的隔離や心理的ストレスといった社会的要因も,症状の悪化に影響を与えている可能性があると考察されています.おそらく同様のことはPD以外の神経変性疾患でも生じうる可能性があります.
本研究は,3.5年という長期にわたるフォローアップと,多様な人種・民族背景を有する都市部のPD患者を対象とした点で評価されます.COVID-19に罹患したPD患者は,急性期を乗り越えた後も継続して注意深く経過観察する必要があります.またCOVID-19の流行は今後も繰り返しますので,感染予防やワクチン接種を励行する必要があることを患者さんに伝える必要があります.
Hadidchi R, et al. Impact of COVID-19 on long-term outcomes in Parkinson’s disease. Eur J Neurol. 2025;32:e70013.(doi.org/10.1111/ene.70013)

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
COVID-19 Long COVID アルツハイマー病 パーキンソン病 マイクロプラスチック ロボティックス 医療AI 科学大国再興策 血管脳関門(BBB) 認知症 進行性核上性麻痺(PSP)

2025年3月のニュース

日本は再び科学大国になれるでしょうか?その方策を提言するNatureのオピニオン記事(2月11日)と、グーグル・ディープマインドのAIロボットの発表(3月12日)、岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報などをお届けします。

1.2025年3月の活動状況
・新井 恵さんの投稿
活き活き中屋敷ポールウォーキング。 今日は、 境川沿いを歩き河津桜を愛で、中屋敷の歴史を学ぶウォーキング。 鳥もたくさんの種類と遭遇、可愛かった。 穏やかな氣持ちの良いウォーキングでした。 次回の活き活き中屋敷は 音楽療法 次次回はデュアルエクササイズ(私担当します) 時々次回はポールウォーキングです。 #河津桜 #ポールウォーキング

・NPO法人船橋ウォーキング・ソサイエティさんの投稿
2025/3/1 2本のポールを使うウォーキング 土曜日 | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

・田村 芙美子さんの投稿
3/04 冬に舞い戻ったように寒さが厳しいですが、明日は啓蟄。虫たちも穴から首を出して震えるのじゃないでしょうか。今日は外ウォーキングを止めて室内体操に変更しました。認知症発症リスクを遅らせるためにまず、隠れフレイルをチェック。お一人だけ歩幅が狭いかたがいらして、彼女を「認知症」呼ばわりするイジメッコのようなメンバーさんたち!80前後って怖いですね((( ;゚Д゚)))・・ でも、それは優しさからだと分かります。バランスと筋トレ中心にエクササイズを幾つか。  🌸若宮大路の玉縄桜

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 2025年度イベントカレンダーが出来上がりDM手配中です。 現協@会員さんへは元より、一般参加の皆さんや昨年度会員さんへのご案内です。 DM以外では市内20 ヶ所位に配置配布をお願いしています。 新年度PW始めは4/6です〜❗️

・田村 芙美子さんの投稿
3/07 今日で2024年度の渋谷PW教室は最終回。また新学期まで暫し休暇です。最終教室はいつもの計測とポール遊び、そして男性が皆お休みだったので胸にライトを受け「私は女優」ポールウォーキングで成果を発揮。午後から駒沢(店)の20年咲き続けたアプリコットの薔薇の根を抜いて鎌倉に移植、試み。うまく根付くと嬉しいのですが。それにしても夕方からぐんと気温が下がりました。明日は予報通り雪❄になりそうです。

・校條 諭さんの投稿
            荻外荘公園

復元成った近衛文麿旧宅「荻外荘(てきがいそう)」へ
3月の気まポ(気ままにポール歩きの会)は、荻窪駅の南部地域を巡りました。
荻窪駅南口、大田黒公園、荻外荘・荻外荘公園、田端神社、松渓公園、中道寺、与謝野公園
私自身は、鵞足炎(がそくえん)がまだ尾を引いていて、平地を歩くときは痛まなくなったのですが、階段や坂道はポール(前方着地)でカバーしています。
※写真の半分以上、田村和史君(高校同級生)から拝借しました。
※バーチャル荻外荘(カーソルを動かすと360度見られます。)

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
三得利健康網路商店 X 台灣健走杖運動推廣協會 🎊 2025年3月8日《城市輕健走》圓滿結束!🎊 🌞 春日健走 活力滿滿! 在 中正紀念堂,我們迎來了第二場 城市輕健走! 專業教練帶領,夥伴們自由選擇休閒組或挑戰組, 踏步在城市的綠意間,感受雙杖健走的穩定與輕盈!💪 運動前有專業的教練們帶著大家一起做健走杖熱身, 歡樂的音樂🎵帶動大家動起來~ 🔹 分上下午場活動,會員專屬 x 非會員抽籤體驗! 🎟️ 下午場更特別開放 非會員透過抽籤免費體驗, 讓更多人能夠親身感受 雙杖健走的魅力與健康的力量!🏆 感謝所有參與的夥伴, 讓這場活動充滿歡笑與活力,期待下次再相見! ✨ 雙杖在手,健康跟著走! ✨ 腳丫聚樂部 樂您運動 Learning YunDon 耆妙屋-熟齡生活奇妙好物 FOOTDISC 富足康科技足墊

・中村 理さんの投稿
佐久PW協会より 〜小諸PW散策〜 暇と好奇心旺盛のコーチによる、移住者増加中で古民家・商店再生中の小諸市街並み散策でした。 市役所前広場でのウォーミングアップ後、かつての繁華街/赤坂通り-鶴巻通りの路地を抜け〜北国街道/与良町通り-荒町通り-本町通りをブラブラ! 道中リメイクお店のカフェ・レストラン・ラーメン屋・ギャラリー・・等ここ数年での出店が目覚ましい若者やシニア向けの通りです。 神社仏閣も有り蘊蓄は兎も角覗いて来ました。 写メ忘れですが、ランチはご当地有名な蕎麦倉/丁・庵で皆さん啜って来ました。美味でしたとの事でした〜ww -小諸駅前/さいたま市コーチ等と分かれ-相生町通り-市役所前で無事解散❗️ 約4km/2.5時間の寄り道だらけでした。 お疲れ様でした。

・新井 恵さんの投稿
今日の活動、スマイルフレンズ。 まずは『おらほのラジオ体操第一(おらほのらづおたいそうだいいづ)』。 3.11を風化させてはいけないという思いで復興プロジェクトお国言葉でラジオ体操から始めました。

・田村 芙美子さんの投稿
3/11 震災追悼 三浦ネットグループのポールウォーキング。江の島の予定でしたが、お天気が芳しくないので行き先変更。扇ガ谷の住宅奥の80数段の階段から源氏山公園にトライしてみました。午後からは金沢八景に。夕方 予報通り雨☔になりましたね。写真は今日の赤シリーズです。

・長谷川 弘道さんの投稿
名古屋フィジカルフィットネスセンター|経験豊かなフィットネスエンターテイナーを派遣します

・中村 理さんの投稿
本日のPW散策〜 昨日と大違いの暖かな陽射しの中、長野市/松代の城下町をブラブラ〜ww 六文銭でお馴染みの真田氏のお膝元、 松代城跡-真田邸-真田宝物館-文武学校-各旧家〜見事な寺町を寄り道でした。 約5km/11,000歩❗️ 締めは松代荘/松代の湯♨️で・・❗️ PS:ここ松代はPWの祖/安藤先生のいらっしゃる所でも‼️

・田村 芙美子さんの投稿
3/12 曇り時々小雨🌂 今朝のPW Dojoはコーチングクラス!隠れフレイルチェック方法を実践勉強し、昔懐かしいラムネで乾杯🍸✨🍸午後は御成スタバから十二所へ配達運送業を済ませて帰宅。これからふきのとう味噌作りです。

・田村 芙美子さんの投稿
3/13 春を通り越し初夏の陽気の貯筋クラスは100均で見つけたディズニーエッグを手にして楽しくウォーキングの練習。夜はソーシャルフィットネスのZOOMが今終わったところです。今日も充実した1日でした。感謝

・Masami Yamagataさんの投稿
豊郷台の皆さんにポールウォーキング教室とポールを使ったUDe-スポーツもぐら叩きゲームを行いました。家の中にいる親に体験させたいの声でした。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
2025.3.17 シニアポールウォーキング | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

・田村 芙美子さんの投稿
3/18 江ノ島ポールウォーキング 火曜 PWクラスは続く悪天から逃れ江ノ島へ参りました。が、期待したいつもの🗻は雲が隠して観ることができず皆落胆。 久々に潮風を吸って広場でウォーミングアップ(観光客も回りで真似をしていたり、カメラで撮影したり・・・) 平日にもかかわらず人が溢れていてポールは邪魔になるので、人の行かないヨットハーバーの方へ歩きました。往復は江ノ電。メンバーさんは徒歩だったりバスだったり。

・遠藤 恵子さんの投稿
午前は介護予防運動教室!! 午後はサロンワーク!! 加圧トレーニング+プロボディデザイン(3D美容造形術) 加圧トレーニングってな~に? プロボディデザインってな~に? どんなことするの? からだも心も喜ぶ 素敵な貴女と出会える ますます輝きを放つ素敵な貴女と出会える ということだけお伝えしておきましょう💪 おっと!安心してください!! 加圧トレーニング後 ベッドは移動します🫡

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
2025.3.18 美・姿勢ウォーキング | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

・田村 芙美子さんの投稿
3/19 真冬に舞い戻ったような冷たい朝。東京からは雪便り。北鎌倉は雨でしたが数年前はポカポカ陽気のたからの庭でこの真っ赤な椿弁当を食べたなんて同じ3/19日でも大違い。いつものDojoでフレイル予防体操、コアフィットの帰りにハクモクレン公園に寄ってみました。

・新地 昌子さんの投稿
日曜日の全国大会参加させていただきます😊お天気も良さそうで楽しみ❗️ 今回は2キロコースのアンカーをつとめます。最後尾で誰よりものんびりと楽しみますよー♪見かけたら声かけてくださいねー🫶明日は久しぶりに蕨の健康アップステーションで一緒だったボランティアスタッフさんと再会ランチの約束をしています。佐久平〜蕨は新幹線使うと1時間28分!ちかっ😁

・山下 和彦さんの投稿
今日は志木市のいろはウォークフェスタです!晴天で最高です👍

・水間 孝之さんの投稿
第9回志木市いろはウォークフェスタ開催されました‼️760名の参加です。台湾ポールウォーキング協会からも16名参加しました。いよいよインターナショナルです。スタッフの皆さんお疲れ様でした‼️

・新地 昌子さんの投稿
わーい、カパル君と写真撮れました😊 今日の埼玉県は気温25度で初夏のような暑さでした。大勢の参加者の皆さんと志木いろはウォークフェスタ楽しんできました。 会場では埼玉の瀧コーチ、遠藤コーチ夫妻、佐久の高見澤コーチ、北区の阿部コーチご夫妻、ノルディックの藤井コーチ、そして5月に秋田でイベントを開かれる佐々木コーチにもお会いできました。 台湾からも16名の参加が!上野の桜を見て志木に入られたとか。10キロコースと2キロコースを完歩されました。パワフルです。 他にもお住まいの地域でポールウォーキングを始めたいので教えにきてほしいと声をかけていただいたり、たくさん出会いがありました。 お疲れさまでした。またぜひ佐久にもきてください。 佐久に戻ったら、涼しい〜。即上着を着ました😅

・田村 芙美子さんの投稿
3/23 逗子市PWクラブ定例会 昨日より更に気温が上がり心地よい風に吹かれて 筋トレもしっかりたっぷりできました。今日は志木のポールイベントに参加できずちょっぴり心残りでしたが、お彼岸明けのせいか通常より少なめの参加者で皆さん一人一人とお話しできました。

・日本ポールウォーキング協会 npwaさんの投稿
昨日、第9回志木いろはウォークフェスタが開催されました。 参加者760名で、台湾ポールウォーキング協会の関係者16名も参加されました。 今回ご協力して下さった、瀧MCPro、新地MCPro、阿部MCPro夫妻、お疲れ様でした。

・田村 芙美子さんの投稿
3/26 午前中北鎌倉のDOJOで隠れフレイルチェック、脊柱管狭窄症など腰痛の方のためのストレッチをしただけで汗だくに😵💦 友人とランチとお喋り2hのあと大急ぎで東京へ向かいました。今日初めてコルセットを外して運動しましたが異常無し。骨は復帰したかな。1hほどの滞在で帰鎌。モノレールのレールの下から橙色の夕陽!鎌倉山の桜並木は二部咲き🌸でした。

・田村 芙美子さんの投稿
3/27 鎌倉山~西鎌倉 春爛漫。 カラフルな花たち やっぱり春はウキウキしますね そして桜もずいぶん開きました。なごやかセンター24年度最終活動も無事終わりました。介護認定2の男性は皆さんから姿勢が良くなって歩き方もブレなくてカッコ良くなった!と褒められました。もう何年も通ってらっしゃいますが 筋肉がバランス良くしっかりついてきたと思います。継続は力なり。こちらのクラスも隠れフレイルチェック。次回は片足のまま椅子からたてるように・・・が目標です。そして同じ距離を普通歩きと速歩(ゆっくり歩幅広く)で比べてみたら歩数が5歩は違いました。量より質!

・校條 諭さんの投稿
ノルディックウォーキングのポールワークは、最強のフォーム矯正ツール! 足部のロッカーファンクションから脚回旋(ターンオーバー)への適正な下肢の運動。 自然に起こる全身落下の感覚入力、バウンディングイメージの定着に寄与します。 ポールを使ったウォーク〜スキップ〜ラン、そして最後は徒手でのランイメージへ。 このドリルを反復した後に走ってみてください。 一気に運動感覚が変わるのを体験できます! #running #trailrunning #mizuguchimethod #ランニング #トレイルランニング #ミズグチメソッド #러닝 #트레일러닝 #nnormal #nwpl
関連情報
校條さんから貴重な投稿がありましたので転載しました。「ノルディックウォーキングのポールワークは走行(ラン)の最強のフォーム矯正ツール」という水口慶高さんの動画です。
私(峯岸)は、「ポールウオーキングのポールワークは歩行(ウォーク)の最良のフォーム矯正ツール」と思っているので、その制御様式は歩行のそれに近く、ノルディックウォーキングの制御様式は走行のそれに近いと想像しています。
歩行と走行の制御様式の相違については、例えば、
S. Aoi, T. Ohashi, R. Bamba, S. Fujiki, D. Tamura, T. Funato, K. Senda, Y. Ivanenko, and K. Tsuchiya, “Neuromusculoskeletal model that walks and runs across a speed range with a few motor control parameter changes based on the muscle synergy hypothesis”, Scientific Reports, 9:369, 2019. (脳神経による人間の歩行と走行の制御様式を数理モデルで解明 -歩くと走るはどの程度違うのか-)のプレスリリースに添付されている諸資料を参照下さい。

・NPO法人船橋ウォーキング・ソサイエティさんの投稿
2025.3.27 2本のポールを使うウォーキング 木曜日 | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
🎉 2025年〔台灣健走杖運動推廣協會〕首場海外交流活動圓滿成功! 🎉 📍 3/23 我們來到日本埼玉県志木市,參加由 〔志木市いろは健康 21 プラン推進事業実行委員会〕 主辦的 年度全國雙杖健走大會(Pole Walking Fair) 🇯🇵🚶‍♂️🏅 去年在長野県佐久市參與健走活動時,我們便受到 〔志木市健康部〕 的邀請,促成了這次難得的國際交流機會 🌏✨ 主辦單位很用心的在志木市役所(市政府)前廣場搭建舞台,舉辦盛大的開場活動。 市長〔香川武文〕親臨現場,跟我們一起參與了十公里的持杖健走。開場節目除了有精彩熱鬧的日本太鼓表演之外,大會吉祥物〔河童君〕,也在現場唱唱跳跳,陪報名參加的近800名參與者一起同樂。香川市長、主辦單位及現場主持人也在台上多次提到〔台灣健走杖運動推廣協會〕,並歡迎我們16位來自台灣的朋友。當然,我們除了開心地揮手致意之外,〔雙杖在手,健康跟著走〕的口號,也被喊的震天價響呀! 活動當天正值春暖花開之時節,氣候涼爽宜人,油菜花開滿整片河堤,鮮黃色的花海讓參加健走杖活動的人都無比興奮。志木市是個只有7.6萬人口,工業化程度極低,擁有寬闊自然田野風光的小鄉鎮,在這兒持杖健走是再合適也不過的啦! 這次協會跨海與日本交流,看到他們在舉辦活動時對活動流程、場地、路線、安全、人員安排、氣氛掌握等等的用心,十分值得我們借鏡,期盼成立甫兩年的〔台灣健走杖運動推廣協會〕,也能很快地在台灣辦一場具規模的健走杖大型活動,將持杖健走帶動成全民運動,促進全民健康。 🌏 國際健走交流,讓我們一起走向更健康的未來! 🚶‍♀️🌟 #台灣健走杖運動推廣協會 #雙杖在手健康跟著走

 

来月以降の開催
・長岡智津子さんの投稿
写真1件

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
【日式健走 Basic Coach 培訓課程】 2025年「日本健走杖健走」教練培訓課程來嚕~ 🇯🇵日本健走杖健走協會NPWA唯一授權海外開課🏆 歡迎所有對日式健走有熱忱,想共同推廣或進一步學習的朋友們報名! 課程日期:2025/4/19(六) 9:00am ~ 17:00pm 課程地點:台北市中山區吉林路24號12樓之1 ⚠️滿10人開班,上限15位⚠️ 詳細說明與課程辦法請見報名表: ➡️ https://forms.gle/tw35vU3UPLDkLT1X7 *通過初階教練培訓者,可指導親友們學習日式健走  若想要規劃與教導有一般民眾學習日式健走,則需要再取得進階教練資格喔~
関連情報
日本ポールウォーキング協会NPWAのセミナー情報については、こちら;
・資格取得セミナー
・資格更新講習セミナー

 

2.関連学術ニュース
2-1)日本は資金援助を再考すれば再び科学大国になれる。~科学研究の進化する要求に遅れを取らないためには、国は個々の分野への厳密な焦点を捨てなければならない。

日本は再び科学大国になれるでしょうか?合田圭介、 井垣達史、ベルント・クーン、 水島昇、 永井健治、中川敦寛、 大隅典子、 エイミー・Q・シェン、 園下将大、柳沢正史、氏等は、2025年2月11日付「Nature」オピニオン記事(下記)でその解決策を提示しています。同記事から、書き出しの部分(①)と、同記事で成功事例の一つとして取り上げられている沖縄科学技術大学院大学(OIST)についての言及個所(②)、並びに、本記事についてのOISTのニュース記事(③)を紹介します。
“Japan can be a science heavyweight once more — if it rethinks funding”
By Keisuke Goda, Tatsushi Igaki, Bernd Kuhn, Noboru Mizushima, Takeharu Nagai, Atsuhiro Nakagawa, Noriko Osumi, Amy Q. Shen, Masahiro Sonoshita & Masashi Yanagisawa、
Nature Opinion article:2025年2月11日
DOI: 10.1038/d41586-025-00394-8

① 書き出しの部分(本記事の翻訳はChromeによる)
「CRISPR 遺伝子編集から人工知能によるタンパク質構造予測まで、素晴らしいイノベーションは学際的な研究から生まれます。気候変動、生物多様性の喪失、健康格差、その他の地球規模の危機に対する解決策も、多くの分野を橋渡しする洞察に依存します。

しかし、多くの国では、学際的研究は依然として軽視されています。こうした論文はより多くの引用を集め、研究に大きな影響を与えるにもかかわらず、学際的研究の提案は、より狭い範囲の研究よりも資金を獲得する可能性が低い傾向にあります。

一部の国では、それに応じて研究資金戦略を調整しています。たとえば、2016年から2018年の間に、英国の研究会議は、10年前よりも30%多くの助成金を学際的な研究者に授与し、2018年に資金提供されたプロジェクトの44%が少なくとも2つの研究テーマにまたがっています。米国でも同様の動きが見られ、2015年から2020年の間に、学際的な助成金申請書を提出した大学の部門は、国立衛生研究所(NIH)と国立科学財団(NSF)から、合計および個別の助成金の観点から、1つの分野でのみ申請した部門のほぼ5倍の資金を受け取りました。

残念ながら、日本ではそうではありません。国の資金提供機関は、依然として主に工学や化学などの狭い専門分野の研究を支援しています。これらの助成金申請を評価する専門家は、よく理解していない学際的な研究よりも、自分がよく知っている分野の研究を好む傾向があります。

この偏狭なアプローチは、日本における学際研究への資金提供の大幅な不足につながっています。また、この国が画期的な進歩を逃していることも意味しています。日本の天然資源は限られており、日本の経済は長い間科学技術に依存してきました。日本の研究とイノベーションの衰退は明白で、最も引用されている研究論文の上位10%に占める日本のシェアは、過去20年ほどで6%から2%に減少しています。

日本の研究機関に所属する科学者や技術者として、私たちは政府や資金提供機関に対し、学際的研究の支援を強化するよう求めます。さもなければ、日本の科学と経済における世界的な地位が損なわれる恐れがあります。ここでは、そのような変化を促すための 5 つの方向性を示します。

プロジェクトではなく人材に資金を提供する」
(以下、続く)

(注)同記事で挙げられた具体的な提言:(Copilotによる)
・学際的研究の強化:個々の分野にとらわれず、異なる分野の研究者が協力して取り組むことが重要であると提言しています。
・柔軟な資金提供の仕組み:固定された分野ごとの資金配分から脱却し、より柔軟な資金提供の枠組みを構築することが求められています。
・研究者のキャリアパスの多様化:研究者が多様なキャリアパスを追求できるように、支援体制を整えることが重要であるとされています。
・国際協力の推進:国内の研究だけでなく、国際的な共同研究を推進し、世界と競争力を持つ研究環境を整える必要があると指摘されています。

② 沖縄科学技術大学院大学(OIST)への言及個所
「日本には確かに才能ある研究者を支援するプログラムがいくつかあるが、あまりに控えめだ。例えば、科学技術振興機構(JST)と日本学術振興会(JSPS)は、基礎科学に資金の一部を、好奇心に駆られた研究に資金の一部を充てている。しかし、JSTはトップダウン方式を採用しており、流行の話題の研究が優先されることが多く、より独創的なアイデアやプロジェクトを見逃す可能性がある。また、JSPSの主要な助成プログラムである科学研究費助成事業(KAKENHI)の年間予算は、過去10年間停滞したままである。インフレと円安を考慮に入れると、プロジェクトあたりの平均資金は2013年以降半減している。

しかし、研究者中心の資金提供を採用し、大きな成功を収めている日本の機関が 1 つある。沖縄科学技術大学院大学 (OIST) だ。文部科学省の資金提供を受ける国立大学とは異なり、OIST は内閣府の資金提供を受ける私立大学である。2011 年に設立された同大学は、水平的な組織構造を持ち、多様性と学際的なコラボレーションに力を入れている (「成功へのステップ」を参照)。OIST は現在、 Nature Index によって日本を代表する研究機関としてランク付けされており、同大学の出版物の約 20% は複数の分野にまたがる貢献によるものである。より多くの日本の機関がこれに倣うべきである。

「成功へのステップ」
沖縄科学技術大学院大学 (OIST) では、教員は 5 年間にわたりコア資金を受け取りますが、その使い道は柔軟です。多くの他の大学では、研究室がコア施設や技術スタッフの費用を負担する必要がありますが、OIST ではこれらのリソースへのアクセスは無料です。これにより、コラボレーションが促進され、リスクが高く、見返りも大きいプロジェクトが可能になります。5 年ごとに各教員を評価して説明責任を確保し、大きな成果を挙げた教員にのみ継続的なサポートが与えられます。

OIST は従来の部門を持たずに運営されており、異なる分野の科学者が協力し合えるようになっています。建物にはオープン スペース、ラウンジ、共用キッチン、オープン デスク エリアがあり、気軽に交流できます。博士課程の学生は、視野を広げるために 1 年目に複数の研究室をローテーションで回る必要があります。こうしたローテーションにより、アイデアや技術の交換が促進され、学際的なコラボレーションが組織の構造に根付いています。

性別や障害の面を含め、さらなる進歩が必要ですが、OISTは他の日本の大学よりもコミュニティの多様性を育んでいます。これは、世界中から学者を惹きつけていることも一因です。2024年には、OISTの教員の60%以上と学生の80%以上が日本人以外の人々であり、視点と専門知識のダイナミックな組み合わせをもたらしています。」

③ 沖縄科学技術大学院大学(OIST)のニュース記事(2025年2月12日)
日本全国の著名な大学に所属する130名以上の研究者が署名した科学ジャーナル「Nature」のオピニオン記事で、OISTが学際的な研究の分野で「道を切り開く存在」と評価されました。

OISTのカリン・マルキデス学長兼理事長は、次のようにコメントしています。 「これほど多くの方々に、日本の模範的な大学として取り上げていただいたことは、大変光栄です。OISTは、沖縄、日本、そして世界に革新的な解決策をもたらすことを目的に、独自の使命と構造のもと設立されました。2024年から2029年の5ヵ年戦略では、オープンサイエンスと学際的な融合をこれまで以上に重視しています。まだ若い大学ですが、多くの日本の科学者から将来性を評価されていることをとても嬉しく思います。」

記事の執筆者である研究者たちは、日本の研究環境をより活性化させるため、新たなプログラムへの資金投入を求めています。

OISTの理事会議長であるヴィジェイラガバン・クリシュナスワミ博士は、次のように述べています。 「日本の多くの優れた科学者が、OISTの特徴である『学部のないフラットな組織構造』、『多様性を尊重する姿勢』、『学際的な研究を促進する強力で創造的なインセンティブ』を高く評価していることは、OISTの創設者たちのビジョンを裏付けるものです。この記事は、OISTのこれまでの成果を肯定するとともに、学際的な科学への新たな投資の必要性を訴えており、私たちもその提言を支持します。」

記事の中で、科学者たちは日本の研究資金戦略について共通の見解を示し、いくつかの改善策を提案しています。具体的には、学際的な科学研究と協力への更なる支援、「ハイリスク・ハイリターン」型の研究への積極的な投資、長期的な視点での資金配分、そして国際基準に見合う高品質な研究インフラの整備・維持が、日本の研究とイノベーションの国際競争力の向上につながると指摘しています。

関連情報
・トランプ2.0の米国科学界への破壊的な衝撃については、例えば、下記のNatureの2月25日社説(a)や、24 February 2025付のニュース記事(b)等をご覧ください。
(a)EDITORIAL:25 February 2025
Trump 2.0: an assault on science anywhere is an assault on science everywhere
US President Donald Trump is taking a wrecking ball to science and to international institutions. The global research community must take a stand against these attacks.
(doi.org/10.1038/d41586-025-00562-w)
社説:2025年2月25日
トランプ2.0: どこであれ科学への攻撃は、どこでも科学への攻撃である
ドナルド・トランプ米大統領は科学と国際機関を破壊しようとしている。世界の研究コミュニティはこうした攻撃に対抗しなければならない。
(b)NEWS:24 February 2025
Postdocs and PhD students hit hard by Trump’s crackdown on science
As US federal grants remain frozen and budget cuts loom, anxiety and fear grip early-career researchers.
By Heidi Ledford & Humberto Basilio
(doi.org/10.1038/d41586-025-00550-0)
ニュース
トランプ大統領の科学弾圧で博士研究員と博士課程の学生が大きな打撃を受ける
米国の連邦政府からの助成金が凍結されたままで予算削減が迫る中、若手研究者たちは不安と恐怖に襲われている。
著者: ハイディ・レッドフォード& ウンベルト・バジリオ

・コンピューター・チップの開発・研究についてのニュース:2例(c),(d)
(c)NEWS:03 May 2024
Who’s making chips for AI? Chinese manufacturers lag behind US tech giants
Researchers in China say they are finding themselves five to ten years behind their US counterparts as export restrictions bite.
By Jonathan O’Callaghan
(doi: https://doi.org/10.1038/d41586-024-01292-1)
ニュース
AI用チップを製造しているのは誰か?中国のメーカーは米国のハイテク大手に遅れをとる
中国の研究者らは、輸出規制の影響で米国の研究者らより5~10年遅れていると感じていると述べている。
著者:ジョナサン・オキャラハン
(d)NEWS:03 March 2025
China research on next-generation computer chips is double the US output
Leading efforts in fields such as optical physics could stymie US export controls designed to stifle the country’s microchip industry.
By Elizabeth Gibney
(doi: https://doi.org/10.1038/d41586-025-00666-3)
ニュース
中国の次世代コンピュータチップ研究は米国の2倍
光物理学などの分野における先駆的な取り組みは、米国のマイクロチップ産業を抑制するために設計された輸出規制を阻止する可能性がある。
著者:エリザベス・ギブニー

 

2-2)ジェミニ・ロボティクスがAIを物理世界に導入
グーグル・ディープマインドは、『ジェミニ・ロボティクスがAIを物理世界に導入』と題する研究成果を2025年3月12日発表しました(ブログ投稿と技術論文。ブログ投稿の著者:カロリーナ・パラダ)。

ブログ投稿の要旨は以下の通り(Copilotによる)。

Google DeepMindは、Gemini 2.0を基盤とした新しいAIモデル「Gemini Robotics」を発表しました。このモデルは、視覚・言語・行動(VLA)モデルであり、物理的な動作を新たな出力形式として加え、ロボットを直接制御することを目的としています。また、Gemini Robotics-ERという高度な空間認識能力を備えたモデルも発表され、ロボット研究者がGeminiの身体性推論(ER)能力を活用して独自のプログラムを実行できるよう設計されています。

これらのモデルは、様々なロボットがこれまで以上に広範な現実世界のタスクを実行することを可能にします。Google DeepMindは、Apptronik社と提携し、次世代の人型ロボットの開発を進めています。また、信頼できるテスターとの協力も開始し、モデルの能力をさらなる探求と実用化に向けた開発を続けています。

Gemini Roboticsは、汎用性、インタラクティブ性、器用さの3つの重要な性質を備えており、多様な状況に適応し、指示や環境変化に迅速に対応し、繊細な作業を実行できる能力を持っています。これにより、家庭から職場まで、様々な場面での活躍が期待されています。

この研究成果は、AIが物理的な世界で人々の役に立ち、真の支援となるための重要な一歩となるでしょう。

(出典)
Google DeepMind Research,「Gemini Robotics brings AI into the physical world」
Published:12 March 2025
Authors:Carolina Parada
(https://deepmind.google/discover/blog/gemini-robotics-brings-ai-into-the-physical-world/?_gl=1*k3pcsx*_up*MQ..*_ga*MTU1MTc2ODQ4Ny4xNzQxOTI4NjM0*_ga_LS8HVHCNQ0*MTc0MTkyODYzNC4xLjAuMTc0MTkyODYzNC4wLjAuMA..)

関連情報
本情報は、以下のNature Newsでも取り上げられています。
NEWS:12 March 2025
Watch DeepMind’s AI robot slam-dunk a basketball
~The firm has incorporated its Gemini artificial-intelligence model into robots to perform fiddly tasks.
By Elizabeth Gibney
ニュース:2025年3月12日
DeepMindのAIロボットがバスケットボールでダンクシュートを決める様子をご覧ください
~同社は、複雑な作業を実行するロボットにジェミニ人工知能モデルを組み込んだ。
著者:エリザベス・ギブニー
(https://www.nature.com/articles/d41586-025-00777-x?utm_source=Live+Audience&utm_campaign=c2cbaca4ef-nature-briefing-daily-20250313&utm_medium=email&utm_term=0_b27a691814-c2cbaca4ef-51850632)
A machine running the AI model Gemini Robotics places a basketball in a hoop.Credit: Google DeepMind

 

2-3)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報
・血液脳関門の糖鎖に富んだ層「グリコカリックス」を回復すれば認知機能は向上する!
**岐阜大学医学部下畑先生の3月2日のFB投稿です**
血液脳関門(BBB)は,血液と脳の間に存在するバリアであり,外部からの有害物質が脳に入ることを防ぐとともに,神経細胞の正常な機能維持に重要な役割を果たします.BBBの働きは,脳内血管の内皮細胞,周皮細胞,アストロサイトなどの相互作用によって維持されていますが,そのなかでも「グリコカリックス」という糖鎖に富んだ層が重要であることが最近の研究で注目されています(図1).このグリコカリックスの異常が加齢や神経変性疾患におけるBBBの機能障害に関与していることを明らかにした論文が,スタンフォード大学を中心とするグループからNature誌に掲載されています.
まずマウスを用いて加齢や神経変性疾患がグリコカリックスにどのような影響を与えるかを検討しています.電子顕微鏡を用いた観察により,若齢マウス(3カ月齢)では脳血管の内皮細胞に厚いグリコカリックス層(0.540 ± 0.086 µm)が存在するのに対し,老齢マウス(21カ月齢)ではこの層が顕著に薄くなり(0.232 ± 0.092 µm),グリコカリックスの占める面積比も低下(0.367 ± 0.054 → 0.207 ± 0.047)していることが明らかになりました(図2).さらに,グリコカリックスにおいて重要な「ムチン型O-グリコシル化(mucin-type O-glycosylation)*」が特に低下していることが,RNAシーケンス解析によって確認されました.例えば,この減少に係るC1GALT1遺伝子の発現は加齢によって50%以上低下し,B3GNT3遺伝子も有意に減少していました.この変化は,アルツハイマー病やハンチントン病の患者脳においても共通して見られ,神経疾患におけるBBB機能不全の原因の一つである可能性が示唆されました.
*SerまたはThr残基にO-結合型で糖鎖が付加されるグリコシル化の一種で,特にムチンと呼ばれる高分子糖タンパク質に特徴的な修飾のこと.
つぎにムチン型O-グリコシル化を特異的に分解する酵素「StcE」を用いた実験を行っています.若齢マウスにこの酵素を投与すると,グリコカリックスが急激に破壊され,BBBの透過性が著しく増加することが分かりました.さらにC1GALT1のノックダウンを行っても,BBBの透過性が亢進し,血液成分が脳内に漏れ出し,最終的には脳出血まで引き起こされました(図3).特に,StcEを48時間持続的に投与したマウスでは,BBBのバリア機能が完全に破綻し,脳出血が発生しました.その影響は顕著で,脳内の血管透過性を示すSulfo-NHS-biotinトレーサーの漏出量が約3倍に増加しました.
次に,この異常を修復することでBBBの機能が回復するかどうかを検証するため,C1GALT1とB3GNT3をアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いてマウス脳血管に導入しました.この結果,ムチン型O-グリコシル化が回復し,BBBの透過性が改善し,血液成分の漏れが顕著に減少しました.具体的にはトレーサーの漏出量が 50%以上抑制されました.さらに,この処置によって神経炎症が抑制され,認知機能が向上することも確認されました.特にB3GNT3の過剰発現は,老化に伴う神経細胞の遺伝子発現変化を若齢状態に近づける効果を示し,Y迷路テストでは 20%以上のスコア向上,恐怖条件付けテストでは 40%以上の記憶改善が見られました.
本研究のポイントは,BBB機能不全における新たな治療標的としてグリコカリックス,特にムチン型O-グリコシル化が重要であることを示した点です.これまでBBBの機能破綻は,BBBを構成する細胞やタイトジャンクションの異常が主な原因として考えられてきましたが,本研究はグリコカリックスがその根本的な要因の一つであることを示したものです(図4).さらに,AAVを用いた遺伝子治療がBBBの機能回復に有効であることを示唆しており,アルツハイマー病などの神経変性疾患に対する新しい治療戦略としての可能性を拓くものです.今後の課題としては,以下のようになるのではないかと思います.
①ムチン型O-グリコシル化を標的とした治療開発(とくにAAV遺伝子治療)
②グリコカリックスの維持・修復に関与する食事,運動,代謝因子などの解明
③その他の疾患(神経変性疾患,神経免疫疾患,脳血管疾患など)におけるグリコカリックス減少の影響と治療の可能性
とくに③については,どんどん報告が出てくるのではないかと思われます.さらに神経疾患の治療は面白い時代に入ってきたと思います.
Shi SM, et al. Glycocalyx dysregulation impairs blood-brain barrier in ageing and disease. Nature. 2025 Feb 26.(doi.org/10.1038/s41586-025-08589-9)

・帯状疱疹は感染部位によっては明確に認知症リスクを上昇させ,VZVワクチン接種は認知症リスクを低下する!
**岐阜大学医学部下畑先生の3月4日のFB投稿です**
当科の森泰子先生が頑張って取り組んだ総説「認知症の危険因子としての水痘・帯状疱疹感染―スコーピングレビュー」が「臨床神経」誌に掲載されました.水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)が認知症の発症リスクを高めるかどうかを検討するため,2024年6月にPubMedを検索し,基準を満たした21編の論文を対象にスコーピングレビューを行ったものです.対象となった研究の内訳は,システマティックレビュー/メタ解析(SR/MA)が3編,前方視的コホート研究が1編,後方視的コホート研究が12編,症例対照研究が1編,横断研究が1編,基礎研究が3編でした.
【帯状疱疹は感染部位によっては明確に認知症リスクが上昇する】
VZV罹患が認知症発症率を増加させるとしたメタ解析が1編(HR 1.11, 95%CI 1.02–1.21)あった一方,否定するメタ解析も1編(HR 0.99, 95%CI 0.92–1.08)存在し,結論は一致しませんでした.しかし,眼部帯状疱疹になると発症率が6.26倍に上昇する(95%CI 1.30–30.19)という報告や,中枢神経への感染があると6.83倍(95%CI 1.23–37.97)に増加するという報告がありました.以上より,VZVの罹患が認知症のリスクを高めるかどうかの結論は出ていませんが,感染部位によっては明確にリスクが上昇する可能性が示唆されました.
【VZVワクチン接種は認知症リスクを低下する】
ワクチン接種に関しては,認知症発症率を低下させるとしたメタ解析が1編(HR 0.76, 95%CI 0.60–0.96)ありました.さらに6つの観察研究でも発症リスクが低下することが示されており,例えば米国の研究では,発症率が0.69倍(95%CI 0.67–0.72)まで減少したと報告されています.また,英国の大規模研究では,ワクチン接種率が70%に達している国では,そもそもVZV罹患による認知症発症リスクが上昇しない傾向があることも分かりました.
【抗ウイルス薬も認知症リスクを低下する可能性がある】
VZV罹患後に抗ウイルス薬を使用することで認知症発症率が低下するという研究が複数ありました.例えば,台湾のコホート研究では,抗ウイルス薬を使用した群の発症率が0.55倍(95%CI 0.40–0.77)に低下し,韓国の研究でもリスクが0.79倍(95%CI 0.69–0.90)に低下することが示されました.しかし,英国の研究では発症率に影響を与えなかった(P=0.774)という結果もありました.
【アルツハイマー病との関連を示唆する基礎研究が報告されている】
基礎研究では,VZV罹患後にアルツハイマー病様の病態が引き起こされる可能性が示唆されました.具体的には,VZV感染後の脳脊髄液でアミロイドβ42/40比の低下やリン酸化タウの増加が認められ,神経炎症やグリア細胞の活性化が進行することが示されました.またメンデルランダム化解析では,水痘の罹患リスクが高い人では認知症リスクも有意に上昇することが報告されました.
【研究の限界】
対象論文のほとんどが後方視的コホート研究であり,交絡因子の影響を避けることができない点が課題として考えられます.また研究により,対象患者のワクチン接種率や抗ウイルス薬使用率の違いが結果に影響を与えている可能性があります.例えば,VZV罹患が認知症リスクを上昇させないとした研究の多くは,ワクチン接種率や抗ウイルス薬使用率が高い国(英国や米国)で実施されていました.これに対し,VZV罹患が認知症リスクを高めるとした研究の多くは,中国や韓国などワクチン接種率が低い国で行われており,予防医療の普及状況が影響している可能性が示唆されました.
【結論】
VZV罹患が認知症の危険因子である可能性は十分に示唆されるものの,決定的な結論を得るにはさらなる研究が必要と考えられます.今後,前方視的コホート研究や,ワクチン接種や抗ウイルス薬の効果を検証する無作為化比較試験の実施が求められます.
森泰子,大野陽哉,下畑享良.認知症の危険因子としての水痘・帯状疱疹感染―スコーピングレビュー.臨床神経 2025;65:191-196.(doi.org/10.5692/clinicalneurol.cn-002047)オープンアクセス

・アルツハイマー病は単一の疾患ではなく,多様な要因が重なった「症候群」として捉えるべき
**岐阜大学医学部下畑先生の3月6日のFB投稿です**
Nature Reviews Neurology誌のPerspective欄で,アルツハイマー病(AD)が単一の疾患なのか,それとも複数の病態が重なった「症候群」なのか,テルアビブ大学とUCSFの2名の先生が議論しています.
まずADの定義の曖昧さが指摘されています.従来,ADは「アミロイドβ(Aβ)による老人斑とタウによる神経原線維変化が脳内に形成され,進行性の認知機能低下を引き起こす病気」とされてきました.しかし,この定義には複数の問題があります.例えば,①Aβやタウの蓄積があるにもかかわらず認知症を発症しない人が存在すること(resilienceと呼びます),②レビー小体型認知症(DLB)やLATE-NC(limbic predominant age-related TDP43 encephalopathy-neuropathological change)など,他の神経変性疾患でも同様の病理変化が見られること,③ADの神経病理学的変化が必ずしも認知機能の低下と直結するわけではないこと,④Aβの除去が神経変性の進行を止めないこと,です.
以上のような理由から,著者らはADを単一の疾患ではなく,多様な要因が重なった「症候群」として捉えるべきだと主張しています.症候群であると考える根拠としては,まずADの臨床像や病理学的特徴は発症形式によって大きく異なることを挙げています(表).例えば,遺伝性(常染色体顕性)AD(ADAD)では発症年齢が50歳未満と早く,アミロイドβ沈着がより広範囲に及びますが,孤発性晩発型AD(LOAD)は65歳以上で発症し,進行は緩やかで,病理的多様性がより顕著です.また孤発性早発型AD(EOAD)は,病理学的にはADADに似ているものの,タウの蓄積パターンや神経変性の速度が異なることが分かっています.これらの違いは,ADが単一の疾患ではなく,複数の異なる病態が収束したものであることを示唆しています.
またADの発症には多くの遺伝的・環境的要因が関与していることが示されています.ApoE遺伝子のような遺伝因子だけでなく,難聴,高コレステロール血症,高血圧,糖尿病,運動不足,睡眠障害,社会的孤立などの環境因子がADのリスクを高めることが明らかになっています.近年,日本を含めた高所得国ではADの発症率が低下しているという報告もあり,これらのリスク因子への介入がAD発症予防に有効である可能性が示唆されています.
さらに治療の観点からも,ADを単一の病気とみなすことの限界が指摘されています.Aβを標的とした抗体療法(レカネマブ,アデュカヌマブなど)は,Aβの除去には成功しているものの,認知機能の低下を食い止める効果は限定的です.これはAβがADの主因ではなく,より複雑な病態の一部に過ぎない可能性を示唆しています.実際,タウの蓄積や神経炎症,血管障害など,他の病理的要因の影響も無視できません.このため,今後の治療戦略としては,単一の病理に焦点を当てるのではなく,多角的なアプローチを採ることが求められると思います.
著者らは今後の研究では,単に病理学的特徴に基づく分類をするのではなく,個々の患者の遺伝的・環境的背景を考慮した個別化医療の導入が必要であると述べています.さらに,認知症の発症を防ぐためには,Aβの除去だけでなく,生活習慣の改善や多面的な介入を組み合わせることが重要であると指摘してています.私もこの考えの方が科学的だと思いました.抗体療法に関心が集まっていますが,難聴や高コレステロール血症,社会的孤立などの「認知症予防の14因子(https://www.nhk.jp/…/ts/83KL2X1J32/episode/te/21GPX17G6Y/)」に地道に取り組んでいくほうが案外,効果が大きいのではないかと私は思っています.
Korczyn AD, Grinberg LT. Is Alzheimer disease a disease? Nat Rev Neurol. 2024;20:245-251. (doi.org/10.1038/s41582-024-00940-4)

・『Annual Review 神経 2025』予約開始のお知らせ
**岐阜大学医学部下畑先生の3月7日のFB投稿です**
伝統ある『Annual Review 神経』は,本年で40周年の節目を迎えます.この記念すべき年に,鈴木則宏先生ら前編集委員よりバトンを引き継ぎ,矢部一郎先生,杉江和馬先生,中島一郎先生,堀江信貴先生とともに,新たな編集委員として携わることとなりました.
本年度版は,昨年より100ページ増の大幅なボリュームアップを実現し,内容の充実度もさらに向上しております.1月は編集作業に没頭しておりましたが,改めて執筆陣の先生方による総説の質の高さに感銘を受けました.神経領域の最前線を凝縮した決定版となっておりますので,ぜひご期待ください.
ご予約はこちらから
中外医学社HP
https://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=4772
アマゾン
https://amzn.to/3XuFICg
【内容のご紹介】
「Basic Neuroscience」では,基礎医学と臨床医学の架け橋となる知識を提供しています.
「本年の動向」では相生成AIと論文執筆,全ゲノム医療,医療DXといった,神経学に革新をもたらす可能性を秘めた技術についても詳述しています.
「Clinical Topics」では,新規血栓溶解薬の開発,新たな遺伝性運動失調症,自己免疫性ノドパチー,認知症とてんかん,機能性神経障害といった近年注目される疾患群や,技術,治療についても詳述しています!

・新たな心血管系疾患の危険因子としてのマイクロ・ナノプラスチック@STROKE2025(大阪)
**岐阜大学医学部下畑先生の3月8日のFB投稿です**
STROKE2025,日本脳卒中学会等3学会合同シンポジウム「脳卒中医学・医療の近未来を予見する」において,豊田一則大会長に貴重な機会をいただき,標題の発表をさせていただきました.マイクロ・ナノプラスチック(MNPs)は環境問題としてだけでなく,人体への健康リスクとしても近年,非常に注目され,次々に新たな研究が発表されています.心血管疾患や脳卒中,認知症との関連が指摘され,病態機序の解明が進められています.講演では,基本的な知識,心血管疾患との関連,そして病態メカニズムについて概説しました.全スライドは以下からご覧いただけます.
https://www.docswell.com/…/800…/ZXE3GY-2025-03-08-075513
1)MNPs総論
マイクロプラスチックは2004年に概念化され,5 mm以下のプラスチック片として定義されました.さらに微細な1 μm未満のものはナノプラスチックと呼ばれ,より吸収されやすい性質を持ちます.MNPsは,消化管にとどまるだけでなく,さまざまな臓器に蓄積することが明らかになっています.特にナノプラスチックは,血液脳関門を通過し,脳内に顕著に蓄積する(10g=クレヨン1本分!)ことが指摘されています.
MNPsの発生源としては,化粧品のマイクロビーズ,自動車タイヤの摩耗による微粒子,布地の繊維,さらにはペットボトルの水やティーバッグからの放出が挙げられます.MNPsには有害な化学物質が含まれており,特にビスフェノールA,フタル酸エステル,臭素系難燃剤などは,循環器障害,内分泌障害,神経毒性を引き起こすことが知られています.
欧州ではMNPsへの規制が進んでおり,化粧品中のマイクロプラスチック使用禁止や洗濯機のフィルター義務化などが行われています.しかし,日本では直接的な規制が進んでおらず,啓発活動や調査研究も遅れています.
2)脳卒中や心血管疾患との関連
近年,MNPsが心血管系の疾患と密接に関わることが報告されています.イタリアの研究では,頸動脈プラークの58%からMNPsが検出され,その存在が心血管イベントの複合リスクを4.53倍に増加させることが示されました.MNPsがプラーク内の炎症を増強させることが関与しており,特にIL-18,IL-1β,TNF-α,IL-6などの炎症性サイトカインの発現が増加していることが確認されています.
また,中国の報告では,脳動脈や冠動脈,深部静脈血栓の80%にMNPsが検出されました.さらに,MNPsが血栓中に高濃度で存在する患者ではD-ダイマー値が上昇し,脳卒中の重症度を示すNIHSSスコアも有意に高くなっていました.
3)病態機序
MNPsは血管内皮細胞に直接影響を及ぼし,酸化ストレスや炎症を引き起こします.動物実験では,ポリスチレンナノプラスチックが大動脈内皮細胞に蓄積し,腸由来の細胞によって吸収させることが確認されています.また,JAK1/STAT3/TFシグナル経路が活性化し,凝固能が亢進することで血栓形成が促進されることが示されました.
このような病態が進行すると,血管障害が生じ,動脈硬化,心筋梗塞,脳卒中のリスクが高まります.さらに,MNPsが神経系にも影響を与え,認知機能低下に関連する可能性があることも指摘されています.
MNPsによる健康被害を防ぐためには,個人レベルと社会レベルの両面での対策が求められます.個人レベルでは,ペットボトルの水やプラスチック製のティーバッグの使用を控える,合成繊維製品の使用を減らす,電子レンジでプラスチック容器を加熱しないといった対応が重要です.一方,社会レベルでは,食品・飲料のプラスチック包装削減,MNPsの生産抑制,人体への影響調査の強化が必要と考えられます.
まとめ
MNPsは,環境汚染の問題だけでなく,心血管疾患や脳卒中の新たな危険因子として認識されるべき物質です.特に,ナノプラスチックは血液脳関門を通過し,脳への影響も懸念されます.動物モデルや臨床研究を通じて,MNPsによる病態機序の解明が進んでいますが,日本では対策が遅れており,今後の研究と政策の整備が急務です.

・病状説明 update ─ 協働意思決定,性差医療,新規治療@Brain Nerve誌2025年3月号
**岐阜大学医学部下畑先生の3月10日のFB投稿です**
編集委員として構想を練った企画した特集号がいよいよ刊行の運びとなりました.本特集は,若手医師のみならず,経験豊かな先生方にとっても,臨床の現場でお役に立つものと確信しております.
近年,神経疾患における患者・家族への病状説明が複雑化し,難しい対応を迫られる場面が増えています.この背景には,協働意思決定(shared decision making)の重要性が増していることや,性差に基づく個別化医療の進展,さらに疾患修飾薬,遺伝子治療,PGT-M(着床前遺伝学的検査)といった新規治療の導入があると考えられます.こうした変化に伴い,病状説明には新たな臨床倫理的課題も生じています.そこで本特集では,協働意思決定,性差医療,新規治療に関わる新しい臨床倫理を踏まえた病状説明のあり方について考察することを目的としました.
まず総論として,
① 神経難病における協働意思決定の倫理的ポイント
② 病状説明における性差の考慮の必要性
③ 遺伝医療と病状説明 の関係
についてエキスパートの先生方に分かりやすく解説いただきました.
さらに,臨床現場において難しい病状説明が求められる「頭痛,パーキンソン病,多発性硬化症/NMOSD,CIDP,重症筋無力症,アルツハイマー病,ALS,MSA,レム睡眠行動異常症」を各論としてエキスパートの先生方にご議論いただきました.各疾患においてどのような点に留意して病状説明を行うべきかを解説するとともに,実践に役立つヒントや具体例をご提示いただきました.患者さんやご家族とのより良い関係を築き,適切な医療提供へとつなげる一助となれば幸いです.最後に,本特集のために本当に素晴らしいご原稿をお寄せくださった執筆陣の先生方に,心より感謝申し上げます.
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目次
◆神経難病における「協働意思決定」の倫理的ポイント──ACP(人生会議)をめぐる誤解と混乱を中心に(板井孝壱郎)
◆性差医学・医療の普及と発展──病状説明で「性差へ配慮」する重要性(片井みゆき,永野拓紀子)
◆遺伝医療の現状と病状説明に必要な留意点(松島理明,柴田有花,矢部一郎)
◆女性のライフステージと片頭痛(五十嵐久佳)
◆パーキンソン病における性差医療と協働意思決定(永井将弘)
◆多発性硬化症,視神経脊髄炎スペクトラム障害における協働意思決定(吉倉延亮,下畑享良)
◆慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)における病状説明(関口 縁,三澤園子)
◆重症筋無力症における性差と協働意思決定(磯部紀子)
◆アルツハイマー病における診断伝達のポイント(和田健二)
◆筋萎縮性側索硬化症の病状説明(和泉唯信,中山優季)
◆多系統萎縮症の病状説明における困難さ(杉山淳比古)
◆レム睡眠行動障害(RBD)──孤発性RBDにおける予後カウンセリング(宮本雅之)

・ワクチンや抗体によるアミロイドβ除去後,アルツハイマー病脳で神経炎症と補体活性化が生じ持続する !!
**岐阜大学医学部下畑先生の3月11日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)におけるアミロイドβ(Aβ)を標的とした免疫療法が注目され,Aβを除去することで病態の進行を遅らせることが期待されています.しかしそのメカニズムや影響については未解明な部分が多く残されています.Nature Medicine誌に,米国ノースウェスタン大学の研究チームが,免疫療法を行ったヒト剖検脳の変化を詳細に解析した研究を報告しました.かなり驚きの論文で,治療に関わる人は認識しておくべき論文だと思います.剖検脳を使うものの,従来の病理学とはまったく異なる趣のFigureが続く論文です.しかし結論は比較的シンプルで,ワクチンや抗体薬はミクログリアを活性化してAβを除去するものの,同時に補体系の持続的な活性化,神経炎症,鉄代謝の変化も生じ,かつタウ病理は抑制されないということを述べています.
対象はAN1792ワクチン(能動免疫)試験に参加した13例(Aβ除去が広範な群と,限定的な群に分ける)と,レカネマブ(受動免疫)投与後に死亡した65歳女性(ε4/ε4ホモ.レカネマブ3回投与後脳出血で死亡.tPA使用)の1例の剖検脳,そして対照(疾患対照6例,健常対照6例)です.Aβ除去による脳内変化を比較しました.レカネマブは1例だけなのでどこまで分かるのだろうと思いましたが,空間トランスクリプトミクスとシングルセルRNAシーケンスを用いると,ここまでできるのかと驚きました.
【Aβ除去はミクログリア・マクロファージにより行われる】
AN1792ワクチン接種した脳では,Aβプラークの周囲で,炎症性ミクログリアの活性化の持続が認められました.具体的には,Aβ除去が進むと,TREM2(ミクログリアの活性化を制御する受容体)を発現するミクログリアが活性化すること,またAβの代謝や除去に関わるAPOEの発現も亢進し,APOEを介したAβ除去が行われることが示唆されました(図1).これらはAβを除去するためのミクログリアの変化と考えられました.
一方,レカネマブ治療後の1例では,側頭葉や頭頂葉でAβが顕著に減少し,レカネマブがAβクリアランスを促進していました(図2e).そのかわりIBA1陽性マイクログリアの被覆率(coverage)が約44%に増加し,対照群(nAD)の約15%よりも顕著に高くなっていました(図2f).つまりレカネマブはマイクログリアの活性化を促し,Aβ貪食を強化することでAβを減少させることが示唆されました.
つぎにレカネマブ治療の有無によるミクログリアとマクロファージの遺伝子発現の違いを検討しています.レカネマブ群ではSPP1(オステオポンチン)やAPOC1(アポリポタンパクC1)が上昇し,Aβクリアランスや炎症調節に関与していることが示唆されました.TREM2,APOE,CD68(マクロファージや単球マーカー)など,貪食活性関連遺伝子が上昇し,Aβ除去を促進する可能性が示唆されました.よってレカネマブは,マイクログリア・マクロファージのAβ処理機能を変化させることを示しています(図3j).またSPP1やAPOC1は組織修復を示唆するマーカーで,炎症(Aβの貪食)から組織修復にシフトするものと考えられました.図4hは,レカネマブ治療後の海馬におけるCD68(マクロファージ), IBA1(マイクログリア)がAβプラーク周囲に集積し,貪食している様子を示しています.
【Aβ除去に伴い補体系が活性化する】
AN1792ワクチン接種後のAβリッチな領域における遺伝子発現として,特に補体系(C3)や炎症性サイトカイン(IL6-JAK-STAT3)の活性化が確認されています(図5p).同様にレカネマブ投与後の遺伝子発現でも,補体系(C3)やIL-2–STAT5シグナルの調節異常が確認され,特に炎症関連遺伝子の発現が上昇していることが分かりました.つまりワクチンやレカネマブは,Aβクリアランスを促進する一方で,免疫細胞の活性化を伴う可能性を示唆しています(図5k).またレカネマブ投与例ではARIAに関連する組織球性血管炎(histiocytic vasculitis)を認めました.
【Aβを除去してもタウ病理は持続する】
能動免疫も受動免疫も,大幅なAβ除去にもかかわらずタウ病理が持続していることが示されました.Aβの蓄積が減少しても,タウの異常リン酸化が持続し,神経細胞の機能低下に関与する可能性があります.
【ミクログリアの鉄代謝は変化する】
レカネマブ治療後のミクログリアでは鉄代謝関連遺伝子(FTH1,FTL)が活性化し,酸化ストレスとの関連が示唆されました.またやインターフェロン応答遺伝子(IFI6)が顕著に増加しており,神経炎症の促進が生じている可能性があります.
【考察】
以上のように,Aβ除去に伴い脳内環境に大きな変化,つまりミクログリアの活性化や補体系の持続的な活性化,タウ病理の持続,鉄代謝の変化が生じていることが明らかになりました.現在,抗体療法後の脳萎縮をどのように考えるかでホットな議論がなされていますが(https://tinyurl.com/2d9c5rbf),そのなかの一つの説である「脳萎縮は,Aβが減ったことにより生じる」というような単純な説(アミロイド除去に伴う偽萎縮)は否定して良いように思います.この論文では,脳萎縮との関連は議論していないものの,補体シグナルの過剰な活性化がシナプスを除去したり,神経炎症が神経細胞のアポトーシスを誘導したり,タウリン酸化が進んで変性が進んだり,病的な脳萎縮の進行を促す可能性があるのではないかと思いました.抗体療法によるAβ除去は,アルツハイマー病治療における重要な一歩ですが,光と影の両面があるということを示す論文だと思います.
Gate, D., et al. “Microglial mechanisms drive amyloid-β clearance in immunized patients with Alzheimer’s disease.” Nature Medicine, 2025. https://doi.org/10.1038/s41591-025-03574-1.

・進行性核上性麻痺におけるレム睡眠行動異常症の意義 ―サブタイプや予後予測に有用かもしれない―
**岐阜大学医学部下畑先生の3月13日のFB投稿です**
進行性核上性麻痺(PSP)はタウ蛋白の蓄積により生じるタウオパチーです.これまでレム睡眠行動異常症(RBD)は,主にαシヌクレイノパチー(パーキンソン病,レビー小体型認知症,多系統萎縮症)に関連すると考えられてきましたが,近年,PSPを含むタウオパチーにおいても合併が報告されています.このような背景のもと,中国の研究チームが,PSPにおける自己申告RBDの有病率,臨床的特徴,および18F-florzolotau PETを用いたタウ蓄積との関連を検討した研究が報告されています.個人的にも興味のあるテーマでしたが,タウPETと終夜ポリグラフ検査(PSG)が必要で,実施のハードルが高いと考えていました.そのため,2019年からこの研究を行っていた中国の臨床研究レベルの高さには驚かされました.
対象は2019年から2022年に,MDSのPSP診断基準を満たす148名の患者で,RBDの評価にはREM Sleep Behavior Disorder Single-Question Screen(RBD1Q)が用いられました(つまりPSGは行っていません).この結果,PSP患者の18.2%(27/148人)が自己申告RBDを有していました.特に,PSP-RS(21.7%)とPSP-P(18.5%)で頻度が高く,PSP-PGFでは9.7%,PSP-OM,PSP-SL,PSP-PIでは認められませんでした.自己申告RBDを有する患者は,PSP Rating Scale(PSPrs)の総スコアが有意に高く(38.0 vs 27.0, p=0.002),運動機能や非運動症状の重症度が高いことが示されました.また,タウPETの結果,RBDを有するPSP患者では青斑核と縫線核におけるタウ蓄積が有意に高いことが示されました(p=0.003)(図1A,B).さらに青斑核のタウ蓄積の程度は,RBDの頻度と強く相関していました(r=0.752, p=0.002)(図1C).媒介分析(mediation analysis)の結果,青斑核のタウ蓄積がPSPrsスコアの上昇に関与しており,この関係の一部は自己申告RBDによって媒介されることが示唆されました(媒介割合2.09%, p=0.044)(図2).これらの結果は,タウ病理が睡眠調節機構に影響を及ぼし,RBDの発症を引き起こし,最終的にPSPの重症化につながる可能性を示唆します.
本研究に対するEditorialも掲載されていますが,本研究がPSPのRBDにおけるタウ病理との関連を明確に示した点を高く評価しています.特に,RBDがPSPの重症度や進行と関連していることを指摘し,RBDの存在がPSPのサブタイプ分類や予後予測の精度向上に貢献すると述べています.一方,この研究の限界として,RBDの診断が自己申告であり,ゴールドスタンダードであるPSGが用いられていない点をやはり指摘しています(自己申告ベースのRBDの有病率は,PSGを用いた場合と比較して過大評価される可能性があることが知られています).またPSPとRBDの関連が純粋なタウ病理によるものなのか,あるいは一部の患者ではαシヌクレインの合併病理によるものなのかを明らかにする必要があるとも指摘しています.今後はPSPでもRBDの有無に注目して,サブタイプや予後を検討する必要があります.
1. Li XY, et al. Self-reported REM sleep behavior disorder in patients with progressive supranuclear palsy: clinical and 18F-florzolotau PET imaging findings. Neurology. 2025;104(5):e213376. (doi.org/10.1212/WNL.0000000000213376)
2. Baldelli L, et al. Shedding light on REM sleep behavior disorder in progressive supranuclear palsy: window into neurodegeneration or diagnostic challenge? Neurology. 2025;104:e213449. (doi.org/10.1212/WNL.0000000000213449)

・アルツハイマー病に対するアミロイドβ抗体薬とApoE遺伝子検査に関する臨床倫理的問題@日本臨床倫理学会
**岐阜大学医学部下畑先生の3月17日のFB投稿です**
日本臨床倫理学会第12回年次大会(大会長;福井赤十字病院 髙野誠一郎先生)で口演をしました.専門の医師のみでなく,多くの医療者とこの問題を議論したいと思い,発表をいたしました.内容としてはアミロイドβ抗体薬(レカネマブ,ドナネマブ)の効果や副作用を説明したのち,副作用であるARIA(アミロイド関連画像異常)を予測するApoE遺伝子検査について解説しました.そしてこの遺伝子検査にともなう臨床倫理的問題をご紹介しました.
議論すべきポイントは2つあり,①治療開始前に遺伝子検査をすべきではないのか?②遺伝子検査の結果を開示すべきか,否か?です.私の立場は①は治療の協働意思決定のために,ApoE遺伝子検査を行える体制を早急に整えるべきである,②は遺伝子検査の結果について「知る権利」「知らないでいる権利」の両者を保証する必要があるが,後者はこの治療の場合きわめて難しく,専門医のみでなく,多くの関係者との議論が必要である,というものです.
口演後の質疑では「アルツハイマー病の診断はいつの時点で可能になるのか?(発症前のバイオマーカー診断の可能性)」,「抗体薬を使用できない場合の治療の現状は?」といった重要なご質問をいただきました.また「抗体薬の名前は知っていたが,遺伝子診断のことは初めて聞いた」「外来で導入後の継続投与を行っているが,ApoE遺伝子の情報は知らなかった」「薬剤師として治療の安全性向上のためにもっと関わりたい」などのご意見を複数いただき,この検査と臨床倫理的問題をもっと啓発する必要性を改めて感じました.使用したスライドは以下よりご覧いただけます.
https://www.docswell.com/…/800…/K7R3GV-2025-03-16-054257
また脳神経内科領域の演題では,京都大学の松本理器教授による「てんかんとStigma~臨床の現場から~」という教育講演は大変勉強になりました.self-stigma(誤った情報を自分に当てはめてしまうことによる烙印感)や,てんかんに対する社会の誤解を払拭するには「多職種による試み」が必要であるという主張はとても納得できるものでした.多くの医療者に参加していただきたい学会です.

・2050年に世界のパーキンソン病患者数は2倍以上に増加する ―日本は約21.9万人になる―
**岐阜大学医学部下畑先生の3月18日のFB投稿です**
BMJ誌に掲載された北京大学からの研究で,2021年の世界的疾病負荷研究(Global Burden of Disease Study 2021)に基づき,2050年までのパーキンソン病(PD)の有病率を予測しています.世界のパーキンソン病患者数は2021年の1189万人から,2050年には2倍以上の2520万人(112%増加)に達すると予測されています.図1では1990年から2050年にかけての世界のPD患者数の推移が示されていて,その増加は一目瞭然です.2018年に「世界のPD患者数が増加し,パンデミック状態になる」という有名な論文が発表されましたが(Dorsey ER et al. JAMA Neurol. 2018;75:9-10),見比べるとその増加よりも良い大きいです.
この増加の主な要因は,人口の高齢化が89%,人口増加が20%,有病率自体の変化が3%とのことです(要因の重複や相互作用により合計100%を超えます).特に東アジアは1090万人に達すると予測されており,世界で最も多くの患者を抱える地域となります(中国が世界最多の1052万人,次いでインドが約277万人です).また最も急激な増加率を示すのはアフリカで,西アフリカで292%の増加,東アフリカで246%の増加です.図2では,社会経済レベル(SDI)と年齢別の有病率が示されており,特に中所得国(中SDI)と,60-79歳において患者数の急増が予測されています.
図3では,2050年のPD患者数が最も多い国トップ10を示しています.日本は1990年の8位から2050年の21位に順位は大きく低下しています.患者数でみると,1990年から2021年にかけて約11.1万人から19.9万人に急増していますが,その後,ごく緩やかに増加し,2050年には約21.9万人になると予測されています.他国と比較すると増加のフェーズがすでに終わっているようですが,そうは言っても患者数が減少することはないので,医療や介護の負担は依然として大きな課題と考えられます.予防策や早期診断の強化,さらに患者のQOL向上を目指した包括的な支援が求められます.
Su D, et al. Projections for prevalence of Parkinson’s disease and its driving factors in 195 countries and territories to 2050: modelling study of Global Burden of Disease Study 2021. BMJ. 2025;388:e080952.

・新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(3月20日)
**岐阜大学医学部下畑先生の3月20日のFB投稿です**
今回のキーワードは,オミクロン以降,自然感染による集団免疫の獲得は困難になった,インフルエンザとコロナワクチンを同時接種する場合,異なる腕に接種したほうが良い,COVID後の嗅覚低下は脳の構造変化と認知機能低下と関連する,COVID-19はアルツハイマー病様バイオマーカー変化(Aβ42:Aβ40比の低下とpTau-181上昇)をもたらす,小児多臓器炎症性症候群(MIS-C)はTGFβの過剰産生によるEBウイルスの再活性化により生じる,免疫抑制患者における抗スパイク抗体陰性は感染と入院のリスクを示唆する,SARS-CoV-2の持続感染を標的としたlong COVID臨床試験を議論した総説が発表された,免疫吸着療法はCOVID後の筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を改善する可能性がある,です.
認知症や神経免疫疾患の領域で,ウイルス感染が病態に深く関わっているという報告が相次いでいます.今回もアルツハイマー病とCOVID-19,MIS-CとEBウイルス再活性化など,ウイルス感染の神経系への影響が議論されています.
FBで読みにくい方はブログ(https://tinyurl.com/272xjjsh)をご覧ください.
◆オミクロン以降,自然感染による集団免疫の獲得は困難になった.
カタールから,オミクロン前後の自然感染による再感染予防効果を比較した研究が報告された.オミクロン以前の感染は,再感染を80%以上の確率で防ぎ,その効果は1年以上持続した(図1).一方,オミクロン以降の感染は,3〜6か月後に81.3%あった予防効果が,6〜9か月後には59.8%,9〜12か月後には27.5%まで低下し,1年後にはほぼゼロになった.ただし重症化を防ぐ効果はオミクロン前後とも98〜100%と高く維持されていた.この変化の背景には,ウイルスの進化の違いがある.オミクロン以前は感染力の強化がウイルスの進化の目的であったが,オミクロン以降は免疫回避が優先されるようになった.この結果,自然免疫の持続期間が短くなり,一度感染しても再感染する可能性が高まったものと考えられる.つまり長期的な免疫の維持には定期的なワクチン接種が不可欠であることが示唆される.
Chemaitelly H, et al. Differential protection against SARS-CoV-2 reinfection pre- and post-Omicron. Nature (2025).(doi.org/10.1038/s41586-024-08511-9)
◆インフルエンザとコロナワクチンを同時接種する場合,異なる腕に接種したほうが良い.
インフルエンザワクチンとコロナワクチンの接種部位が免疫応答に影響を与えるか検討した研究がオーストラリアから報告された.四価不活化インフルエンザワクチン(Afluria)とSARS-CoV-2 mRNAワクチン(Moderna XBB.1.5)を同時に接種する際,同じ腕に接種する場合と異なる腕に接種する場合を比較した.成人56名を対象にランダム化試験を実施し,接種28日後の抗体価を測定した.この結果,インフルエンザワクチンの抗体価には接種部位による有意差は認めなかったが(P=0.30;図2中),SARS-CoV-2ワクチンの免疫応答には差がみられ,異なる腕に接種した群ではBA.5株および祖先株に対する中和抗体価の上昇が大きく有意差を認めた(P=0.01, 0.02:図2右).副反応は同じ腕に接種した群では腫れや発赤の報告が多かった(9件 vs 2件).以上より,インフルエンザワクチンの免疫応答は接種部位の影響を受けないが,コロナワクチンは異なる腕に接種した方が免疫応答が高まる可能性が示された.
Lee WS, et al. Randomized trial of same- versus opposite-arm coadministration of inactivated influenza and SARS-CoV-2 mRNA vaccines. JCI Insight. 2025 Jan 9;10(4):e187075.(doi.org/10.1172/jci.insight.187075)
◆COVID後の嗅覚低下は,脳の構造変化と認知機能低下と関連する.
トルコから,COVID後の嗅覚低下が,脳構造および認知機能に及ぼす影響を検討した研究が報告された.対象は軽症COVID-19から回復した嗅覚低下群36人,正常嗅覚群21人,健常対照群25人とした.結果は,認知機能(アデンブルーク認知検査改訂版)は,嗅覚低下群が健常対照群と比較して低下し,特に言語スコアが低かった(p = 0.04およびp = 0.037).嗅覚低下群では,正常嗅覚群および健常対照群と比較して,左右の嗅球体積が減少していた(p = 0.003およびp = 0.006)(図3).皮質厚分析では,嗅覚低下群では健常対照群と比較して,左外側眼窩前頭皮質が有意に薄くなっていた.以上より,COVID-19後の嗅覚低下は単に一過性の症状ではなく,脳の構造変化と認知機能低下をもたらす可能性がある.ただし異なる変異株(α,δ,ο)による影響の違いは評価していない.
Gezegen H, et al. Cognitive deficits and cortical volume loss in COVID-19-related hyposmia. Eur J Neurol. 2025 Jan;32(1):e16378.(doi.org/10.1111/ene.16378)
◆COVID-19はアルツハイマー病様バイオマーカー変化(Aβ42:Aβ40比の低下とpTau-181上昇)をもたらす.
ウイルス感染が認知症のリスクを高める可能性が示唆されている.SARS-CoV-2ウイルス感染でも同様の可能性が指摘されている.この可能性を検証する目的で,英国のUKバイオバンクに登録された1252名(対照626名)を対象に,感染前後の血漿プロテオミクス解析を実施した研究が報告された.結果としては,まずSARS-CoV-2感染者では認知機能スコアが低下し(P = 0.029),頭部MRIではアルツハイマー病(AD)に関連する構造的変化が生じていた.またSARS-CoV-2感染は,アミロイド病理のバイオマーカーと関連していた.具体的には血漿Aβ42:Aβ40比が減少していた(P = 0.0006;図4).この影響は4年間の加齢やAPOE遺伝子ε4ヘテロ接合の影響に匹敵した.またCOVID-19の重症度が高いほど, 血漿Aβ42:Aβ40比の低下が顕著で,入院歴のある患者では2倍以上の減少を認めた.さらに加齢と感染の相互作用を考慮するとpTau-181が有意に増加し(P = 0.017),高齢者ほど顕著であった.またバイオマーカーの変化は,高血圧の人ほど顕著であった.以上より,COVID-19は将来的なAD発症のリスクを高める可能性がある.
Duff EP, et al. Plasma proteomic evidence for increased β-amyloid pathology after SARS-CoV-2 infection. Nat Med. 2025 Jan 30.(doi.org/10.1038/s41591-024-03426-4)
◆小児多臓器炎症性症候群(MIS-C)はTGFβの過剰産生によるEBウイルスの再活性化により生じる.
SARS-CoV-2感染から4~8週間後に,小児多臓器炎症性症候群(MIS-C)と呼ばれる川崎病類似の高炎症性の病態が生じうる.ドイツなどによる国際研究で,MIS-CはSARS-CoV-2感染がTGFβを介して免疫機能を抑制することでEBウイルスが再活性化し,過剰な免疫応答を引き起こすことが明らかにされた.まずMIS-C患者の血清TGFβ値(中央値:398 pg/ml)は,健常小児(132.2 pg/ml)や非MIS-C感染児(63 pg/ml)と比べて大幅に高く,重症成人患者(415 pg/ml)と同程度であった(図5左).さらに免疫療法後,MIS-C患者のTGFβレベルは低下し,炎症反応も緩和された(図5右).またこのTGFβの過剰産生がT細胞の機能不全を引き起こすことも示された.具体的には,MIS-C患者のT細胞は,ウイルス抗原に対する反応性が著しく低下しており,特にCD4+およびCD8+メモリーT細胞の活性化マーカーであるCD69の発現が抑制されていた.この免疫抑制状態は,TGFβの中和抗体で回復し,T細胞の抗原特異的応答が改善したことから,TGFβがT細胞の機能を障害することが示唆された.さらにT細胞受容体(TCR)レパトアを解析したところ,EBVに特異的なT細胞の増殖が確認された.特にTCRVβ21.3+ T細胞が顕著に増加しており,これはEBV感染B細胞を排除するためのクローンと一致していた.加えて,MIS-C患者の血清はEBVの再活性化を誘導する作用を持っていた.以上より,TGFβの過剰産生がT細胞の細胞傷害活性を抑制し,EBVの再活性化を招くことで炎症が悪化するものと考えられた.実際にMIS-C患者ではEBVの血清陽性率が健常小児よりも高く(81.4% vs. 16.7%),MIS-CがEBV関連疾患の一形態である可能性も示唆された.
Goetzke CC, et al. TGFβ links EBV to multisystem inflammatory syndrome in children. Nature (2025). (doi.org/10.1038/s41586-025-08697-6)
◆免疫抑制患者における抗スパイク抗体陰性は感染と入院のリスクを示唆する.
英国から,免疫抑制患者におけるSARS-CoV-2スパイク抗体(S抗体)の有無が,COVID-19感染や入院リスクにどのような影響を与えるかを調査したMELODY研究(前向きコホート研究)が報告された.免疫抑制患者として,3グループ(臓器移植患者,自己免疫性・リウマチ性疾患患者,リンパ性悪性腫瘍患者)を募集し,6か月間追跡調査した.S抗体の検出率はそれぞれ,77.0%,85.9%, 79.3%であった.S抗体が検出されることは感染率の低下と独立して関連しており,感染率比は3グループで,それぞれ0.69,0.57,0.62と有意に低下した.S抗体の検出は入院率の低下とも関連しており,それぞれ0.40,0.32,0.41であった.以上より,免疫抑制状態にある人におけるS抗体の評価は,最もリスクの高い免疫抑制状態にある人々を特定し,個々人に合わせた予防策を講じることに役立つ.
Mumford L, et al. Impact of SARS-CoV-2 spike antibody positivity on infection and hospitalisation rates in immunosuppressed populations during the omicron period: the MELODY study. Lancet. 2025 Jan 25;405(10475):314-328.(doi.org/10.1016/S0140-6736(24)02560-1)
◆SARS-CoV-2の持続感染を標的としたlong COVID臨床試験を議論した総説が発表された.
SARS-CoV-2ウイルスが,数カ月から数年にわたり持続感染する証拠が増えてきており,これがlong COVIDを引き起こす可能性がある.このため持続感染を標的とした臨床試験が急務であり,抗ウイルス薬やモノクローナル抗体の試験がいくつか進行中である(図6).しかし持続感染のメカニズムは完全に解明されていないため,候補治療薬の作用機序,参加者の選択,治療期間,リザーバーに関連するバイオマーカーや測定項目の標準化,転帰評価などに関する考慮が必要である.
Proal AD, et al. Targeting the SARS-CoV-2 reservoir in long COVID. Lancet Infect Dis. 10 Feb, 2025.
(doi.org/10.1016/S1473-3099(24)00769-2)
◆免疫吸着療法はCOVID後の筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を改善する可能性がある.
SARS-CoV-2感染は筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の誘因と考えられている.ドイツより,COVID後ME/CFSに対する免疫吸着療法の有効性を検討した研究が報告された.交感神経系のβ2アドレナリン作動性自己抗体(β2 AR-AB)の上昇が認められた患者20人を対象とした.罹病期間中央値22ヵ月の患者が,5回の免疫吸着療法を受けた.主要エンドポイントは,免疫吸着後4週間までのSF36 Health Survey身体機能領域(SF36 PF)の変化とした.治療の忍容性は良好で,IgG総量は79%減少,β2 AR-ABは77%減少した.患者はSF36 PFが平均17.75点改善し,最も大きな改善は2~3ヵ月目にかけて認められ,効果は6ヵ月目まで維持された(図7).14/20人(70%)の患者が,SF36 PFが10ポイント以上上昇し,反応ありと判定された.さらに,疲労,労作後倦怠感,疼痛,認知,自律神経,免疫学的症状の改善も認めた.この疾患の病態において自己抗体が重要な役割を担っていることを示唆している.
Stein E, et al. Efficacy of repeated immunoadsorption in patients with post-COVID myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome and elevated β2-adrenergic receptor autoantibodies: a prospective cohort study. Lancet Reg Health Eur. 2024 Dec 12;49:101161. (doi.org/10.1016/j.lanepe.2024.101161)

・パーキンソン病との付き合い方
**岐阜大学医学部下畑先生の3月23日のFB投稿です**
岡山脳神経内科クリニック柏原健一先生に貴重な機会をいただき,「市民公開講座 第42回パーキンソン病健康教室 in 岡山」で講演をさせていただきました.「パーキンソン病との付き合い方」という講演タイトルをいただきましたが,私の考える付き合い方のコツは,この病気に対する「正しい知識を持つこと」です.症状と対策,治療法について正しく理解することが大切であることをお伝えしました.
具体的には,運動症状(振戦,筋強剛,運動緩慢,姿勢保持障害),非運動症状(痛み,睡眠障害,認知症,厳格など),そして薬による運動合併症について解説しました.治療法としては抗パーキンソン病薬の種類やその特徴,デバイス補助療法についてもご紹介しました.さらに非運動症状への対策や,外科手術のときの対応についてもお話しました.
私のほか「パーキンソン病の食事の工夫」や「パーキンソン病にともなう認知症の予防方法」に関して管理栄養士の堀川三由紀先生,作業療法士の谷原湧大先生からもご講演があり,とても勉強になりましたし,とても楽しい会になりました.私の使用したスライドは以下からご覧いただけます.もしお役に立つものがありましたらご使用いただければと思います.
https://www.docswell.com/…/800…/Z82QEQ-2025-03-23-060802

・知っておきたい成人ADHD(注意欠如・多動症)の診かた,5つのポイント
**岐阜大学医学部下畑先生の3月25日のFB投稿です**
Neurology Clinical Practice誌の論文です.いままで成人のADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder;注意欠如・多動症)患者さんを診察室で見逃していたのかもと思いました. ADHDは子どもの病気という印象が強いですが,成人になって初めて診断される人も少なくないそうです.しかも彼らが最初に受診するのは精神科とは限らず,脳神経内科であることも多そうです.以下,疑うべき症状,外来受診のパターン,診断のコツのまとめです.
【成人のADHDを疑うべき症状】
以下のような症状が,複数の場面(職場・家庭・人間関係など)でみられるときADHDを疑う.
1. 注意・集中力が持続しにくい(=注意欠如)
2. 物事の計画や整理が苦手
3. 衝動的に行動してしまう
4. 落ち着きがなく,じっとしていられない(=多動)
5. 日常生活での忘れ物やミスが多い
【外来の受診パターン】
1.物忘れ・注意力低下を主訴として受診する
本人や家族がMCIや若年性認知症を心配して受診する.実際にADHD由来の注意・記憶の問題である症例が含まれる.
2.頭痛や不眠,疲労などの身体症状を訴える
慢性的な頭痛,睡眠障害,易疲労感などを主訴に受診する.背景にストレスや自己管理の難しさがあり,それがADHDによる場合がある.
3.多忙な社会人で,精神科への抵抗感がある
精神科ではなく,より受診しやすい「脳神経内科」を選ぶ人も多い.「脳の異常がないか確認したい」という動機もある.
4.他科からの紹介
心療内科,総合診療科,産業医などから「注意力の問題があり,認知機能評価を」と依頼される.
【診断のコツ】
ADHDの診断は,詳細な問診と観察によってなされる.以下のポイントを意識すると,診断の精度が高まる.
• 症状が子どもの頃からあったかを確認する(発症年齢が鍵)
• 家庭・職場など複数の場面で困っているかを確認する
• 各症状について「具体的な例を教えてください」と尋ねる
• 診察時の様子を観察する(遅刻・落ち着きのなさ・話が飛ぶなど)
• 家族歴の聴取をする(家族に類似の特性がないか)
• 本人が意識していない補償行動に注目(大量のメモ,人の真似,パートナーへの依存など)
• 不安,うつ,睡眠障害,薬物の影響などの鑑別診断を確認する
ADHDを正しく診断することで,患者さんは自分の行動特性を理解し,対処法を学び,人生を前向きに歩むことができるようになります.脳神経内科医としてもよく勉強して,「この患者さん,もしかして……」と思ったら,一歩踏み込んだ問診が必要だと思いました.
Mierau SB. Do I Have ADHD? Diagnosis of ADHD in Adulthood and Its Mimics in the Neurology Clinic. Neurol Clin Pract. 2025 Feb;15(1):e200433.(doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200433)

・AIによる小脳性運動失調症の正診率90.9%時代に脳神経内科医に求められるものは?
**岐阜大学医学部下畑先生の3月28日のFB投稿です**
Mov Disord誌の衝撃的な論文です.小脳性運動失調症は稀なものも含めると300種類以上の疾患を鑑別する必要がありますが,アルゼンチンのチームは,AIによる驚きの仮想アシスタントを開発しました.OMIM,Orphanet,GeneReviewsなどの情報源から151の運動失調症を選び,臨床像を抽出し,決定木アルゴリズムを構築して作成しました.性別や発症年齢,臨床所見などの質問を通じて(図1,2),回答として鑑別診断リストを提示します.有効性の検証は,文献から抽出した453の遺伝性・非遺伝性の症例を用いました.その結果,仮想アシスタントの正診率は90.9%,一方,運動異常症専門医21人は平均で18.3%,chat GPT-4は19.4%でした!(図3)GPT-4は架空の疾患名(いわゆるハルチネーション)を7件も回答しました.
なぜ運動異常症専門医の正診率がこんなに低いのか疑問でしたが,453症例には頻度の高い疾患から極めて稀な疾患まで均等に含まれているためでした.例えばSCAではタイプ1から50まですべて3例ずつ,常染色体潜性失調症(SCAR)もみな3例,そのほかAOA1/2/4,NPC,CTX,Sandhoff,Tay-Sachs,Sialidosis,Gordon Holmes,Joubert,Lafora,KSS,HSP7,FXTASのような稀ながら知っている疾患から,pontocerebellar hypoplasia type 11,ceroid lipofuscinosis type 11,C9orf72-ataxiaなどよく知らない疾患まで含まれていました.
「正解がある問題に対してはもはやAIに敵わない」と思いました.教室の若いドクターにも「みんなはこういう時代に診療することになるんだよ」と話しました.じつは最近読んだ,大変勉強になった本「人生の経営戦略――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20(山口周著.図4)https://amzn.to/42ipRJQ」に以下の記載がありました.人間が担ってきた認知的労働がAIにより代替されることへの3つの対抗策として,
1)正解のある仕事を避ける
2)感性的・感情的な知性を高める
3)問題を提起する力を高める
が挙げられていました.
1)は正解を出す能力の価値が下がる時代に突入することをまず意識しなさいということだと思います.2)の感性的・感情的な知性を高めるとは,感情を読み取る力や共感力(empathy),心に響く伝え方といったストーリーテリングの力などの人間ならではの知性を磨きなさいということだと思います.幸いAIには他者の気持ちを察したり,場の空気を感じ取ったりすることはまだ困難です.3)は正解を出す能力が過剰に提供されると,ボトルネックとなるのはその前のステップ「課題設定のプロセス」ということです.医師として,研究者として何に取り組むのか,取り組むべき課題はなにかを考える力を磨きなさいということです.そして2)3)の力を高めるためには,医学の知識だけではダメで,教養=リベラルアーツが求められることになると思います.
結論として,これからの時代の脳神経内科医は,診断はAIに任せるにしても,神経症候をきちんと正しく取ること,感情・感性を磨くこと,さらに自身や社会が取り組むべき課題を見極めることが大切なのだと思います.
Alessandro L, et al. Artificial Intelligence-Based Virtual Assistant for the Diagnostic Approach of Chronic Ataxias. Mov Disord. 2025 Mar 22.(doi.org/10.1002/mds.30168)

関連情報
岐阜大学医学部下畑先生は最新の医学情報を活発に発信されています。前月中のFB投稿については『2025年2月のニュース』をご覧下さい。

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
ACT心理療法 Long COVID アルツハイマー病薬 パーキンソン病診断 人工知能AI 脳梗塞細胞療法 補聴器による認知症予防 認知症

2024年5月のニュース

5月8日、認知症の高齢者は団塊ジュニアの世代が65歳以上になる2040年には584万人あまり(高齢者のおよそ15%、6.7人に1人)になり、「今後1人暮らしの認知症の人が増えるとみられ、家族の支援が限られる中、地域でどう支えるかが課題だ」とする推計を厚生労働省の研究班がまとめました。

5月のニュースは、月次の活動報告と、6つの最新の医療技術の開発ニュース(脳梗塞の細胞療法、パーキンソン病発症前の血液による診断技術、補聴器による認知症予防、アルツハイマー病治療のための薬物開発、コロナ後遺症のメカニズムと治療の現在、ACT心理療法)と、人工知能AlphaFold3のニュースをお届けします。

1. 2024年5月の活動状況
・田村 芙美子さんの投稿
屋根より高い鯉のぼり🎏 ゴールデンウィーク 2日目は青空を仰ぎ、そよ風に吹かれながらの逗子PWサークル。新緑が眩しいほどキラキラ光っています。ゴールの椿公園前のお宅は今年も白・紫の藤が豪華に美しく爽やかな5月を五感で味わいました。

・田村 芙美子さんの投稿
朝の北鎌倉 筋トレ教室 昨日の暑さは何処へやら 肌寒く雨の1日です 高齢者グループは1人ずつスクワットの動画を撮って鑑賞会(!?) 後ろに便座椅子を用意したら皆さん目線は前、お尻をひいて素晴らしい出来映えでした。 お土産に町内会で先日配布のベニバナ3鉢ずつ頂きました。 帰り道は敢えて階段コースを通って「歩くと筋トレ」。そのまま円覚寺に行きました。

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 5月PW駒場例会〜お疲れ様でした。 連休の最中の定例会に60名もの参加者で体験コース、健脚3コースに別れ公園内や牧場〜真っ黄色の菜の花畑の散策やらとPW闊歩でした。 公園一周が毎日の日課❓の92歳のP-ウォークに出会えたり弓道大会中でいつもより賑やかな駒場公園❗️ 次回5/19は〜東御市・八重原/明神池散策を地元の依田コーチの案内で開催です。ご参加よろしく願います🤲

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【暑熱順化】   #船橋ウォーキングソサイエティ #土曜コースは海老川ロード  今からしっかり歩き   汗をかいて 熱中症予防対策をしましょう〜     動画撮影を早めて  #フォームチェック

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【嬉しいコメントを頂きました】  ‘24.5/1日(水)〜5/31日(金)  船橋駅前フエイエス 5F 船橋ウォーキング・ソサイエティの 活動をパネル展示しております 会員さんからのコメントが入りました 原文のまま紹介させて頂きます 〘せっかくなので、拝見しての感想を書かせていただきます。 うろ覚えのところもあるので、ご容赦いただくとして、初めての方がご覧になる折、「遠足あり」も魅力に映るだろうと思いましたが(書いてありましたよね?)、ただ集まって歩くだけではなく、スタッフの皆様のきめ細かなプランニングとご指導があることも大きな魅力であり、それを打ち出されるのも良いと思いました。 また、歩くだけではなく、ストレッチや筋トレもあり、定期的に実施している体力測定や動画撮影によるチェックの機会の提供もあることで、パフォーマンスの維持とさらなる向上に努められる点も大きな魅力だと思います。 また、毎回の活動の記録をWebで振り返れることも、かなり丁寧なフォローであり、私はありがたいと思っています。世の中には、毎回、やっておしまいで、蓄積のない活動も多いのではないでしょうか。 暑熱順化などの情報提供もありがたく、 心と身体の健やかさを目指す、総合的な活動だなあと思っているところです。 スタッフの皆様が自分達で書くのも手前味噌感があるようなら、「会員の声」として使えるところをお使いいただいたらよく、そのことで、より多くの方が、FWSの魅力を知る一助となると良いなと思った次第です。改めてスタッフの皆様、いつもありがとうございます〙 コメントが率直に嬉しいです

・スマイルチームさんの投稿
2024.5.3〜4 活動記録 ☺︎青空ポールウォーキング 9名 ☺︎活き活き中屋敷デュアルエクササイズ 14名 ☺︎相模原市文化協会祭ポンポン準備 ☺︎相模原市文化協会祭練習用音源作成

・校條 諭さんの投稿
すっかり忘れていたけど、WBSで取り上げられたんだった😊

・田村 芙美子さんの投稿
雨☔ 雨🌂 雨☔  のため広町緑地の楽しみにしていた大桐の花ツアーは中止。行政センターで座学とPWストレッチ・筋トレと俄スマホLINE教室※に変更になってしまいました。 来年こそは👊✨ 写真は雨に濡れた庭の花達 ※ グループLINEの場合 コメントをいれなくても誰の既読かわかる方法について

・佐藤 恵さんの投稿
今年度より、岩手医科大学の非常勤講師に就任しました!今日は、初の授業。教師を目指した時期もあるので、感慨深いです。 1年生を担当しましたが、わ、若い! 普段、中高年の指導が多いので、逆に緊張。 ひとまず初回の講義、無事終えて、ホッ✨

・スマイルチームさんの投稿
20240509。 ポールウォーキング。 桜の小径〜つる舞の里歴史資料館。 雨上がり、行ける人だけで決行‼️

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【天気予報を信じて】 2024/5/9 ジェットコースターみたいな天気です   朝は寒い雨  天気回復を願って集合!   「来て良かった〜」と    嬉しい声が聞けました〜♬ 動画撮影&この夏の熱中症対策    (暑熱馴化パネル説明) チームワークバッチリで進行! (動画撮影はいつも喜ばれます)    (*^^*) \(^o^)/ #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #木曜行田公園 #歩容はどうかなと動画撮影 #暑熱馴化で熱中症予防です

・田村 芙美子さんの投稿
🐎 🎠 ? 渋谷PW教室が終わってニトリで母の施設のための買い物をして駅に向かう途中で 遭遇! 競馬会のイベントだったようです🎪 お花を貰ったり 馬にのせて貰ったり にわか 渋谷遊園地でした♪

・佐々木 尚美さんの投稿
【チョコザップのピラティス】 ピラティスマシン導入と聞いて、 再入会キャンペーンでチョコザップ復帰!今日ピラティスしてきましたよ😊 正直、リフォーマー(ピラティスマシン)を使った事ないと最初はかなり戸惑うと思うけど、慣れれば簡単! 経験者にはとてもお得!(自分はリフォーマー経験者) マシントレーニングより効率良いですよ。 ピラティスは元々リハビリの為にできた運動法。自分には合ってます! マシンピラティスに興味がある人はどうぞ! 5/15まで入会キャンペーン中 私の友達紹介コード「THI8862I」を入れて契約すると毎月300円OFF! RIZAP監修の24時間ジムchocoZAP ▼今すぐチェックする https://chocozap.jp https://second-effort.com/gym/chocozap-pilates/

・中村 理さんの投稿
東御市のwalkイベントに参加して来ました。他所のイベント参加は数年ぶりで気ら〜くな時間を過ごさせて頂きました〜ww 「雷電」の道の駅や生家を訪れるコースで参加者約150名/7km・2時間のウォークでした。 来年も有るそうです〜❗️

・水間 孝之さんの投稿
ポールdeウォーク推進コーディネーター養成講座札幌会場!! 13名のコーディネーターが誕生しました☺️ 北の大地で新たな展開が始まります‼️

・田村 芙美子さんの投稿
LINK国立のリレーチームです。午後からのポールdeエクササイズのメンバーもいます。午後から顔を洗って(稼業から足も洗って)チームを引っ張ってくれました。流石疲れ知らずで感心尊敬!

・Team DOingさんの投稿
Team DOing 今年も「LINKくにたち」 で楽しませていただきました。 メンバーも増えてとても活気ある楽しいチームになりました😃 みんな愉快な時遊人🥰 北海道から、新潟からも参加してくれるパワー溢れるメンバーです。 みんなで楽しいことを企画しましょう😃仲間募集中です♪ #LINKくにたち #TeamDOing #楽しい仲間たち

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 佐久市保健補導員会のブロック研修会〜 今年も始まりました。 2年@の任期で「健康」についての活動の中で、ポール使ったウォーキング体験をしPWを知って普及させて貰う企画です。 5月中に総勢700名(実質受講者約400名)14会場を3コーチで廻ります。各会場殆ど初めての方ばかりでコーチングのしがいのある体験会です。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
「UR幸町ポールウォーキング体験会」 2024/5/14 渡邊東コーチ(日本ポールウォーキングマスターコーチプロ)に引き継いで初めての体験会。  伝えたい気持がビンビン  渡邊コーチの熱気が溢れる体験会になりました。

・堀 和夫さんの投稿
河川環境楽園オアシスパークの定期講習会 今日は熱中症対策講義とエクササイズを井上指導員に任せ 80歳と84歳のお二人と共に園内を2本のポールで 楽しくウォーキングしました。 84歳の方はこれで4回目でかなり歩行姿勢が変わってきました。 ポールの力ってほんと凄いと感じました。

・田村 芙美子さんの投稿
渋谷から駒沢~自由が丘~帰鎌 渋谷教室には原宿リハビリテーション病院から見学あり。 1時間参加されて ポールの効力・驚愕・感想をいただきました。 ・何より良い姿勢keep ! ・ポールの使用で運動の意識が高まり それを自覚できる(ex.相撲スクワット) ・転倒予防、踏み出し拡大 ポールをリハビリにも生かして行きたいとのことでした。

・Naomi Sakaiさんの投稿
気持ち良い天気☀️ 2回目のみなとみらいポールウォーキング教室にはステッキ工房のショップ店長さんも参加してくださいました。 ステッキ工房でポールを購入され初めて使ってみる方。 ノルディックポールを購入された方も参加してくださったので、今日はどちらのポールの使い方、歩き方も皆さんと一緒に行いました。 「なるほど!」と皆さん大満足でした。どちらも有りですね。 最後は「もしもし亀よ」を歌いながら簡単ポールdeエクササイズで笑顔で終了🤗 密度の濃い充実した時間となりました。 #みなとみらい #ステッキ工房 #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【バラの香りにうっとり】 2024/5/18 まだ5月なのに真夏到来〜?  気分ルルルンでポールでウォーキング   目的地は百花繚乱「大石ガーデン」 途中のアップ・ダウンに富んだコース ポールがあるとやっぱり楽に歩けます #船橋ウォーキングソサイエティ  #大人のミニ遠足  #丸山の森緑地〜#藤原市民の森〜#大石ガーデン #2本のポールを使うウォーキング #暑熱馴化

・柳澤 光宏さんの投稿
昨日のシナノ工場祭の様子。550名の皆様にご参加頂きました!ご来場ありがとうございました(⁠^⁠^⁠) 開場前から多くの方が並んでいただき、アウトレット商品前が大繁盛。予想以上だったためレジに列ができてしまい、オペレーションは来年への課題です。アルミパイプを使ったクラフト製作も家族連れのお客様に好評でした。最高の天気、笑顔で接客する社員、そして笑顔のお客様!良かったです!!

・スマイルチームさんの投稿
2024.5.15〜18 ☺︎健康体操サークル  14名 ☺︎スマイルチーム上溝 21名 ☺︎スマイルエクササイズ上鶴間 10名 ☺︎公民館抽選申し込み5団体分 ☺︎スマイルTシャツ再々注文 ☺︎スマイルチーム上溝担当CSWと打ち合わせ ☺︎スマイルチーム上溝シニアサポート活動担当包括支援センター職員と打合せ ☺︎光が丘公民館利用団体総会(欠席、委任状提出) ☺︎相模原市文化協会総会(欠席) ☺︎上鶴間包括支援センターポールウォーキングフォローアップ教室講師依頼、打合せ ☺︎上溝包括支援センターポールウォーキング&エクササイズ介護予防教室3回コース講師依頼、打合せ ☺︎上鶴間公民館パパ&キッズ体操教室講師依頼、打合せ

・校條 諭さんの投稿
ネモフィラ、滑り込みセーフ 世界ノルディックウォーキングデーの今日(5月19日)、国営昭和記念公園でたくさんの花を見ながら、新里るりさんの会でポール歩きしました。 ネモフィラはそろそろ終わりですが、まだ楽しめました。 集合写真は、たまたま通りかかったプロカメラマンがシャッターを押してくれてラッキーでした。モデル撮影の合間だったようです。 多種の花、日本庭園、古民家、盆栽コーナーなどたくさんの顔を持つ昭和記念公園。お勧めです。

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 本日は「ブランド米・八重原米」の産地・東御/八重原・明神池PW散策でした。 地元コーチ(依田MC pro)の案内で3池(明神池〜新池〜大工池)を巡っての約4km・田植えの始まったアップダウンコースでした。 会員の他八重原地元の方々やわざわざ埼玉からのご夫婦も参加頂き70名越えの集まりとなりました。 我孫子(千葉県)より長岡MC proも視察❓調査?兼ね駆け付け賑やか❗️かつ楽しい❗️つどいとなりました。 ランチは池の辺りに有る「まる屋さん」地産地消いっぱいの日替わりランチ❗️ 皆様ご参加ありがとうございました。

・堀 和夫さんの投稿
美濃白川 道の駅ウォーキング2024 5/12・5/19 開催 道の駅清流白川クオーレの里をバスで海抜862mの金幣社大白山神社へ向かう。 約1300年前に白山大神様が祀られた神社⛩️からスタート、9kmのコースを攻略しました。 途中の新田製茶さんで白川茶の試飲とお茶スイーツをいただきゴールを目指す。 ゴールでは美味しいお弁当を食べて大満足。 2本のポールと共に楽しくウォーキングしました。‼️

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【運動も過ぎず    甘やかさず  いい塩梅に】 2024/5/20  ☔予報が出たら  #シニアポールウォーキングクラス   #船橋ウォーキングソサイエティ で継ぎ目のない「アルポ」を用意します。 アルポで足の先から   サーキットトレーニングまで     フルコース 汗をじんわりかく適度な運動 今年の夏も今から準備  暑い夏も   元氣に皆で乘り切るぞ〜

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【ウォーキング6つのポイント】    2024/5/21    ポイント   一つづつの度毎に     歩容が変化し       歩数に現れます         「大切だから伝えたい」    「向上したいから受け取る」 そんなよい関係が    流れた時間になりました      #船橋ウォーキングソサイエティ  #美姿勢ウォーキング  #歩くは重心の移動の連続  #良い姿勢から生まれる良い歩き  #暑熱順化  #県立行田公園

・田村 芙美子さんの投稿
広町里山緑地公園サークル。気温上昇予報に蚊🦟避けを持っていきました。 泥濘で足元が危うかったけれど、富士見台から室ヶ谷へ抜け新装開店の森のカフェで一寸休み、予約の津のカレー屋さんに走りました。 広町サークルとなごやか貯筋サークルの有志合流で和気藹々。講師(moi)が共通のポールが繋ぐ仲間です。山道をよく歩く方々ですが、歩くより筋トレ・ストレッチ、楽しむこと優先の朗らかなメンバーさんたちです。🧑‍🤝‍🧑🧑‍🤝‍🧑🧑‍🤝‍🧑

・田村 芙美子さんの投稿
北鎌倉テラス・健康DOJOと名前を少し変えました。いつもの体組成にプラス身長・握力・片足立バランス・片足立ち上がりなど計測。曇り空でしたが汗をしっかり滲ませて皆さん元気な笑顔。 すべてバランスが大切。 スティックブロッコリーの苗をメンバーさんに頂き収穫が楽しみです。 写真は去年のカルミア。今年はまだ見ていません。 午後から母の面会。これまで書きためた160枚の絵を見ました。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【切り口を変えて】   2024/5/23 似て非なるポールを使う    ウォーキング  #後方押し出しメソッド      自然体で長距離も疲れ知らず   ボールを投げるように     前へ 前へ      #前方着地メソッド    肩甲骨を寄せるように 其々に分かれて  上半身を積極的に動かす練習  変化があるから      新鮮!楽しい〜♬  #船橋ウォーキングソサイエティ  #2本のポールを使ウォーキング #ポールウォーキング #ノルディックウォーク #ノルディックウォーキング

・松井 浩さんの投稿
五年ぶりのエルスタ東京、第66期研修生の平均年齢が息子と同じくらいで、月日の流れを感じました。 全国から集まったエネルギッシュな彼らが、近い将来に救急救命士として活躍なさる事が楽しみです。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
松が丘公民館主催 「健康ウォーキング講座」  2024/5/25   応募が多くて参加は抽選で選ばれたそうです。      講堂にて 「ウォーキング6つのポイント」 指導後に高根木戸近隣公園で          実践です 「歩幅計測。自分では同じ歩幅で歩いるつもりなのに計測毎に変化。感動した! 」 「楽に歩けた。疲れない♬」 「疲れた! でも楽に歩けた感じ」 「腸まで良く動きます(笑) 」 「今までウォーキングはガシガシ歩くイメージ。重心移動だとわかり感動」  感想は全てウォーキングの   長所につながります💕   打てば響く   強運の持ち主の20名の皆様の   意欲に充ち溢れた講座になりました 次回は 6月8日 (土) 効果あるウォーキングです

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 佐久市保健補導員会ブロック研修会 〜ポールウォーキング体験会〜 全日無事終了です。 市内全地区14会場400人越えの参加者の皆さんに、2人の🔰MC proとのコーチングでPWを実践して頂きました。 どの会場も🔰90%でしたが、好評価を頂き各地区からのコーチのお呼ばれに期待です。

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
📢2024【日式健走Basic Coach 培訓課程】📢

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【スペシャル企画はヨガ】 2024/5/30  「やりたい事ある〜?」   「ヨガ」   「よし! やろうね」と  素敵なヨガ講師篠原純子先生  をお招きました   楽しい事はみんなでノリノリ  みんなでやれば怖くない(笑)   《本日も笑顔全開なり》 #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #2本のポールを使うウォーキング #社会参加で認知症予防

 

来月以降開催
・長岡智津子さんの投稿
写真1件

・田村 芙美子さんの投稿
今年度第2期の募集です。 渋谷区在住の65歳以上のかたに限ります。

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
三得利健康網路商店X台灣健走杖運動推廣協會 📣 6/29(六) 在中正紀念堂,三得利城市輕健走與您不見不散~ 親愛的健走愛好者們, 我們很高興地宣布,由三得利健康網路商店與台灣健走杖運動推廣協會共同主辦的「城市輕健走 健康生活Let’s Go❗」活動即將登場!這是一個結合健康與樂趣的健走活動,讓您透過雙手持專用健走杖,產生支撐和推進的效果,可減緩關節壓力,幫助平衡預防跌倒,並活用全身肌群,讓全身筋骨動起來❗ 🗓️ 活動日期:2024年6月29日(六) 15:00起開始報到 📍 活動地點:中正紀念堂—大孝門廣場 📌 報名截止日期:即日起至6月11日(二)止 💰 參加費用:200元,加入三得利會員免費🆓 立即加入三得利會員並報名參加抽選 👉👉 https://swtt.cc/6rQsY 🌟 活動亮點: * 專業教練帶領:我們將率領專業教練與您一起輕鬆健走。 * 健走杖體驗:使用專用健走杖,減少關節壓力,提升運動效果。 * 健康檢測:現場備有專業儀器,讓您檢測體脂率、肌肉量📊。 * 快趁著氣溫舒適的6月,來與我們一起「城市輕健走 健康生活Let‘s Go❗」 📍報名只到6/11唷,名額有限,手刀報名! 👉👉 https://swtt.cc/6rQsY 期待與您在中正紀念堂相見,共同享受這場健康盛會!💪😊

 

2.関連学術ニュース
2-1.最新の医療技術の開発ニュース6つ~岐阜大学医学部下畑先生のFB投稿から~

2-1―1.脳梗塞細胞療法を目指す「株式会社OhGooD」の岐阜大学発ベンチャー認定
**以下、岐阜大学医学部下畑 享良教授の2024年4月25日FB投稿です**
金澤雅人先生ら(新潟大学)とともに研究を進めてきたOGD(Oxygen-Glucose Deprivation:低酸素低糖刺激)を行った末梢血単核球による細胞療法の臨床応用を目指す「株式会社OhGooD」を今年1月25日に設立しました.そして本日,岐阜大学発ベンチャーの称号を吉田和弘学長より授与されました.会社名のOhGooDは,OGDを眺めていてひらめきました.多くの人に「Oh Good!!」と言ってもらえるような治療の確立を目指して頑張りたいと思います.

関連情報
・プレス・リリース:新潟大学、神戸医療産業都市推進機構、「脳梗塞に対する、ヒト末梢血単核球を用いた新しい細胞療法の開発」(2023年6月19日)
・畠山 公大,二宮 格,小野寺 理,下畑 享良,金澤 雅人、「脳梗塞に対する細胞療法の最前線」、日本内科学会雑誌110巻1号、p117~123(2021年)日本内科学会雑誌第110巻第1号 (jst.go.jp)
・NHK、「【特集】脳梗塞を徹底解説 主な原因と症状、治療、リハビリについて」(2022年4月18日)

2-1-2.発症の10年前にパーキンソン病を血液で診断できる時代に入った!
**以下、岐阜大学医学部下畑 享良教授の2024年4月26日FB投稿です**
ドイツから,縦断的に追跡された個人において,血液中の異常αシヌクレイン(α-syn conformer)がパーキンソン病(PD)と臨床診断される10年前に遡って検出できることを初めて示した研究が報告されました.発症前診断は,早期の病態修飾療法を可能にするため,重要な目標となっていました.
テュービンゲン大学のTREND研究において,PDと診断されていない参加者1201人(50~80歳)が登録され,2009年以来,2年ごとに血液サンプルが,4年から10年間にわたって前向きに採取されました.後にPDと臨床診断された12名の血液を後方視的に解析し,(1)異常α-synを認識する抗体(MJFR-14-6-4-2)を用いた免疫ブロット,および(2)α-syn seed amplification assay(α-syn-SAA)を用いて,神経細胞外小胞由来の異常α-synを検出・増幅しました.さらに13人の健常対照者と,レム睡眠行動障害(iRBD)20人の血液も合わせて解析しました.
結果ですが,すべてのPD患者は,臨床診断時に免疫ブロットが陽性,かつα-syn SAAも陽性でした.さらに,すべてのPD患者は臨床診断の1〜10年前にα-syn SAA陽性を示しました.図のAC, BDは2例の患者の免疫ブロットとSAAのデータです.例えば症例10ではベースライン(BL)である10年前に両検査とも陽性で,臨床診断時(CD)に至るまで経時的に免疫ブロット濃度と,SAAのチオフラビンT強度(60時間後)が増加していることが分かります.E, Fは12例全例の経時的データです(罹病期間とMDS-UPDRS part3).一方,iRBDコホートでは30%がSAA陽性で,健常対照者はすべて陰性でした.
以上より,PDでは臨床診断の10年前まで遡り,末梢血中の異常α-synを検出・増幅できる可能性が示されました.発症前の診断が血液ベースでできることを示した意義は大きいと思います.アルツハイマー病でも同様の研究が既に示されており,いよいよ神経変性疾患は本格的な発症予防の時代に入る予感がします(きっと健康診断の採血で分かるようになります).今後の課題としては,異なるPDサブタイプにおけるseeding活性の比較,前駆期の症状との相関の検討,そして何より大規模な前駆期PDコホートにおける前向き研究による感度・特異度の確認が必要と思われます.今後の発展が注目されます.
Kluge A, et al. Detecting Misfolded α-Synuclein in Blood Years before the Diagnosis of Parkinson’s Disease. Mov Disord. 2024 Apr 23. (doi.org/10.1002/mds.29766)

関連情報
・「血液バイオマーカーを用いて、超早期段階での脳アミロイド PET 検査結果の予測を実現 ――アルツハイマー病の早期診断と治療に光――」、2024年5月23日東京大学プレスリリース(400240776.pdf (u-tokyo.ac.jp))

2-1-3.補聴器による認知症予防 ー自分の聴力ナンバーを知ろう!
**以下、岐阜大学医学部下畑 享良教授の2024年5月1日FB投稿です**
New Engl J Med誌最新号に「加齢性難聴と認知機能障害」に関する総説が掲載されています.難聴は加齢とともに徐々に増加します(図1).内耳(蝸牛)の有毛細胞が徐々に喪失することが主な原因です.また難聴のリスク因子としては加齢のほか,皮膚の色,男性,騒音暴露が知られています(皮膚の色はメラニン量のことです.メラニンは内耳の有毛細胞にも存在し,酸化ストレスに対して保護的な役割を果たします).
さて本題ですが,難聴は認知症リスクの増大をもたらします.認知症予防について提言を行っているランセット委員会は,中年以降の難聴を「認知症の最も重要な修正可能なリスク因子」と報告しています.難聴なしの人と比較して,補聴器を使用しない難聴の人は,全認知症のリスクが増加しますが(ハザード比1.42),補聴器を使用していれば増加しません!(同1.04).また補聴器は認知機能低下のリスクがある高齢者において3年以内の認知機能低下を48%抑制することも報告されています.
よって難聴対策が求められますが,まず大切なのは自分の聴力を知ることです.論文ではスマホを使って聴力の自己検査をするHearing Number(聴力ナンバー)が紹介されています(www.hearingnumber.org).アプリをDLし,試したところ日本語化されていて自分の聴力ナンバーを測定できました(図2).これは会話の聞き取りやすさを左右する4つのピッチ(500,1000,2000,4000Hz)における聴力の平均値です.専門的に言えば,聴力閾値の4周波純音平均「PTA4」と呼ぶそうです.
【参考】正常:20dB未満,軽度難聴:20~34,中等度難聴:34~49,高度難聴:50~64,重度難聴:65~79
米国では規制緩和で,2022年から処方箋なしで,このスマホデータがあれば市販の補聴器が購入できるそうです.補聴器の普及を妨げているもう一つの原因は高額な価格ですが,米国では市販補聴器市場が成熟しているため,2~3年以内にそのコストは,高品質ワイヤレスイヤホンと同等になると予想されているとのことです.一方,重度の難聴(片耳または両耳のPTA4が60dB以上)の場合,人工内耳の適応になります.
Lin FR. Age-Related Hearing Loss. N Engl J Med. 2024 Apr 25;390(16):1505-1512.(doi.org/10.1056/NEJMcp2306778)
★以上のように,難聴対策はおそらくアルツハイマー病に対する抗体薬よりもコスパが良く,かつ効果も高い可能性があります.今後,耳鼻咽喉科と脳神経内科が連携して取組むべき領域と言えます.月末から開催される日本神経学会学術大会にて,難聴対策の大切さを議論するシンポジウムを企画しました.日本医学会連合の支援のもと,日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会と日本神経学会が連携して行っている領域横断的連携活動事業(TEAM事業)『加齢性難聴の啓発に基づく健康寿命延伸事業』の一環として行われます.以下,ご案内です.ぜひご参加ください.
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シンポジウム29:認知症のリスク因子としての「難聴」を取り巻くエビデンスと今後の施策
座長:和佐野浩一郎(東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科),下畑享良(岐阜大学大学院医学系研究科)
演者:
◆篠原もえ子(金沢大学附属病院)「認知症予防の現状」
◆佐治直樹(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)「高齢難聴者の認知機能」
◆和佐野浩一郎(東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科)「難聴に関連したこれまでのエビデンスと今後取り組みべき課題」
◆和田幸典(厚生労働省老健局 認知症施策・地域介護推進課)「難聴対策推進議員連盟からの提言「JapanHearingVision」について」
2024年5月31日(金) 09:45~11:45(120分)

2-1-4.アルツハイマー病治療のための薬物開発は案外,幅広い標的をターゲットとしている
**以下、岐阜大学医学部下畑 享良教授の2024年5月7日FB投稿です**
毎年恒例のアルツハイマー病(AD)治療のための薬物開発の現状(いわゆるパイプライン)に関する論文が発表されました.clinicaltrials.govを調査し,2024年1月1日時点でADの薬物開発に関するすべての臨床試験を検討しています.164件の臨床試験で,計127種類の薬剤が評価されています(図1).
164試験のうち,第3相に48試験(32種類),第2相に90試験(81種類),第1相に26試験(25種類)が含まれていました.疾患修飾生物学的製剤(=抗体薬)が34%(56試験),疾患修飾低分子薬が41%(68試験),認知機能改善薬が10%(17試験),精神神経症状治療薬が14%(23試験)でした.つまり疾患修飾薬(DMT)が全体の3/4(76%)を占めることが分かります.DMTのみでは小分子薬剤が55%,生物学的製剤が45%です(個人的にはもう少し対症療法の薬剤も開発されても良いように感じました).
つぎに治療ターゲットを見てみると,アミロイド,タウ,炎症,シナプス機能など,ADの多様な病態プロセスが対象となっていました(図2).例えば第2相(90試験)の薬剤の作用機序をCADRO分類(Common Alzheimer’s Disease Research Ontology)を用いて分類すると以下の通りでした(図3).
1. 炎症(23%)
2. 神経伝達物質受容体(19%)
3. アミロイド(12%)
3. シナプス可塑性(12%)
5. タウ (7%)
6. その他 [代謝,酸化ストレス,脂質など] (27%)
しばしばADの治療標的は「あまりにもアミロイド中心」という批判がありますが,こう見ると案外,幅広い標的をターゲットとしていることが分かります.
また論文はパイプラインが2023年に比べて縮小していることを指摘しています.2023年と比較すると,臨床試験数は164件←187件,薬剤数は127←141,新規化合物数は88←101,再利用薬剤数(repositioning)は39←40といずれも減少しています.ただそうは言ってもADの治療薬の開発には引き続き高い需要があり,有効な薬剤の探求が引き続き重要であると書かれています.ちなみにAD治療薬が非臨床試験からFDAの審査に至るまでに要する開発期間は約13年と記載されており,改めて薬剤開発の大変さを認識しました.
Cummings J, et al. Alzheimer’s disease drug development pipeline: 2024. Alzheimers Dement (N Y). 2024 Apr 24;10(2):e12465.(doi.org/10.1002/trc2.12465)

2-1-5.コロナ5類移行1年 後遺症のメカニズムと治療の現在@読売新聞
**以下、岐阜大学医学部下畑 享良教授の2024年5月8日FB投稿です**
COVID-19が感染症法上の5類に移行して今日で1年だそうです.読売新聞から取材いただき,後遺症について現在までに分かっていることについて解説し,コメントをしました.
下畑 享良・岐阜大教授(脳神経内科)は「ウイルスによる炎症が長引き、脳にダメージを与えることで、疲労や認知機能の低下などの神経症状が続くと考えられる。後遺症の深刻さを踏まえると、引き続きこまめな手洗いなど基本的な予防対策が重要だ」と話す。(以下より記事全文が読めます)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20240508-OYT1T50026/
図1はカナダからのデータですが,再感染するたびに後遺症の累積リスクが増加することも分かっていますので,やはり感染予防は大切です.
https://www150.statcan.gc.ca/…/article/00015-eng.htm
また記事には後遺症(いわゆるlong COVID)は「メカニズム不明」と書かれてしまいましたが,かなり判明していて,単一のものではなく,①持続感染,②自己免疫,③ウイルス再活性化(EBV,HHV-6など),④セロトニン欠乏(*),といった主に4つの原因により,図2に示すようなさまざまな現象が生じることが分かっています.つまり似たような症状であっても,人によって病態メカニズムが異なるので,その病態に合った治療を選択する必要があり,臨床試験もハードルが高いものになっています.ですから,まずは感染予防が重要ということになります.
【*】セロトニン欠乏の説明を省いたため,そのメカニズムを示す図3を追加しました.dysbiosis(腸内細菌叢の変化)による腸管からのトリプトファン(セロトニン前駆体)吸収障害と,セロトニンを貯蔵する血小板の減少が引き金となり,セロトニン欠乏が生じ,さらに迷走神経を介する脳腸連関でブレインフォグにつながると言われています.

2―1-6.重要:ACT心理療法はALS患者さんのQOL(生活の質)を大幅に向上する!
**以下、岐阜大学医学部下畑 享良教授の2024年5月23日FB投稿です**
筋萎縮性側索硬化性(ALS)などの運動ニューロン病は根本療法が未確立の神経難病です.心理的サポートは有益であろうと想像できますが,小規模・短期間の研究のみで十分なエビデンスはありませんでした.Lancet誌に,英国からAcceptance and Commitment Therapy(ACT)と名付けられた,受容,マインドフルネス,認知行動療法を取り入れた心理療法が,患者さんのQOLを大幅に向上できることを示した臨床試験が報告されました.ちなみにACTは,つらい感情や思考をコントロールしたり回避したりするのではなく,受け入れることに重点を置いています.
方法は多施設無作為化比較試験で,対象はALS,進行性筋萎縮症,原発性側索硬化症を含みます.運動ニューロン病向けのACT+通常ケアを受ける群と,通常のケアのみ受ける群に割り付けました(それぞれ97人と94人).ACTは専門知識を持つ臨床心理士ないし精神科医が,最大8回のセッションを4ヶ月間にわたって,対面,ビデオ通話,または電話で実施しました.具体的にACTは以下を含みます.
◆受容(Acceptance): 不快な思考や感情と戦わずに受け入れることを推奨する.
◆マインドフルネス(Mindfulness): 現在の瞬間に集中して取り組むことを支援する.
◆行動変容技法(Behavioral Change Techniques): 悩ましい思考や感情にとらわれず,人生を豊かにする活動(興味や価値を見出せる活動)に集中することを支援する.
◆資料の提供: 上記に関する書籍,アプリなどを提供し,患者は自己学習をする.
そして6ヵ月および9ヵ月後に,主要評価項目のMcGill Quality of Life Questionnaire-Revised(MQOL-R)を用いたQOLを評価しました.
さて結果ですが,6ヵ月後のQOLは,ACT+通常ケア群は,通常ケア単独群と比べ,有意に優れていました(MQOL-Rの調整後平均差は0.66[95%CI 0.22-1.10];d=0.46;p=0.0031)(図).介入の影響の大きさを示す効果量(d)が0.46であることは中程度の効果を示し良好です.一般に0.2が小,0.5が中,0.8が大きな効果を意味します(ちなみにアルツハイマー病のレカネマブは0.21です:JNNP. 2023;95:2-7).またセッションへの出席率が高く受容性は良好で,かつビデオ通話または電話によるリモート介入の有効性も認められました.うつ病と心理的柔軟性に関する副次的評価項目も有意な改善が得られました.介入に関連した有害事象はありませんでした.以上より,ACTはQOLの維持・改善に有効であることが分かりました.
以上より,ALS患者さんの心理的ウェルビーイングとQOLを向上させる介入は極めて重要ということが分かります.自分が患者であったとしたら,まだ効果が軽微な疾患修飾療法よりも,心理療法を望むように思います.しかし日本では臨床心理士が不足していますし,ALSの診療に関わっていただくこともあまり一般的でないように思います.脳神経内科医が心理療法を学べば良いのですが,現在の専門医制度では専攻医になってから内科症例の経験だけ求められていて,脳神経内科の診療に必要な精神科,リハビリ,脳外科,小児科,神経眼科・耳科といった境界領域を学ぶ機会がありません.個人的にはここが一番の問題だと思っています.私自身は機能性神経障害や睡眠障害の診療のために認知行動療法を勉強しましたが,独学なので不安があります.日本でも脳神経内科医が患者さんの診療に本当に必要な境界領域を学ぶことができるよう専門医制度を作り直す必要性があると思います.
Gould RL, et al. Acceptance and Commitment Therapy plus usual care for improving quality of life in people with motor neuron disease (COMMEND): a multicentre, parallel, randomised controlled trial in the UK. Lancet. 2024 May 9:S0140-6736(24)00533-6.(doi.org/10.1016/S0140-6736(24)00533-6)

2-2.AlphaFold 3 は生命のすべての分子の構造と相互作用を予測します。
**以下は、Google DeepMind AlphaFold チームによる2024年5月8日のgoogle blog
https://blog.google/technology/ai/google-deepmind-isomorphic-alphafold-3-ai-model/#life-moleculesのChrom翻訳です(文中のビデオは略)**
Google DeepMind と Isomorphic Labs によって開発された新しい AI モデルである AlphaFold 3 を紹介します。タンパク質、DNA、RNA、リガンドなどの構造とそれらがどのように相互作用するかを正確に予測することで、生物学の世界と創薬に対する私たちの理解を変えることができると期待しています。

すべての植物、動物、人間の細胞の内部には、数十億個の分子機械が存在します。それらはタンパク質、DNA、その他の分子で構成されていますが、単独で機能する単一の部分はありません。何百万もの組み合わせの中でそれらがどのように相互作用するかを観察することによってのみ、私たちは生命のプロセスを真に理解し始めることができます。

Natureに掲載された論文では、すべての生命分子の構造と相互作用を前例のない精度で予測できる革新的なモデルである AlphaFold 3 を紹介します。タンパク質と他の分子タイプの相互作用については、既存の予測方法と比較して少なくとも 50% の改善が見られ、相互作用のいくつかの重要なカテゴリーについては予測精度が 2 倍になりました。

AlphaFold 3 が生物学の世界と創薬に対する私たちの理解を変える一助となることを願っています。科学者は、新しく発売された使いやすい研究ツールであるAlphaFold Serverを通じて、その機能の大部分に無料でアクセスできます。 AlphaFold 3 の医薬品設計の可能性をさらに高めるために、Isomorphic Labsはすでに製薬会社と協力して、AlphaFold 3 を現実世界の医薬品設計の課題に適用し、最終的には患者の人生を変える新しい治療法を開発しています。

私たちの新しいモデルは、2020 年にタンパク質構造予測において根本的な進歩を遂げた AlphaFold 2 の基礎に基づいて構築されています。これまでに世界中で何百万人もの研究者がAlphaFold 2を使用して、マラリアワクチン、がん治療、酵素設計などの分野で発見を行ってきました。 AlphaFold は 20,000 回以上引用されており、その科学的影響は多くの賞、最近では生命科学部門のブレークスルー賞を通じて認められています。 AlphaFold 3 は、タンパク質を超えて、広範囲の生体分子に私たちを導きます。この飛躍は、生物再生可能材料やより回復力のある作物の開発から、医薬品設計やゲノミクス研究の加速に至るまで、より革新的な科学の扉を開く可能性があります。

AlphaFold 3 が生命の分子を明らかにする方法
分子の入力リストが与えられると、AlphaFold 3 はそれらの結合 3D 構造を生成し、それらがすべてどのように組み合わされるかを明らかにします。これは、タンパク質、DNA、RNA などの大きな生体分子だけでなく、リガンドとしても知られる小さな分子 (多くの薬物を含むカテゴリー) をモデル化します。さらに、AlphaFold 3 は、細胞の健康な機能を制御するこれらの分子に対する化学修飾をモデル化でき、それが破壊されると病気を引き起こす可能性があります。

AlphaFold 3 の機能は、生命のすべての分子をカバーする次世代アーキテクチャとトレーニングから生まれています。モデルの中核となるのは、AlphaFold 2 の驚異的なパフォーマンスを支えた深層学習アーキテクチャであるEvoformer モジュールの改良版です。入力を処理した後、AlphaFold 3 は、AI 画像ジェネレーターに見られるものと同様の拡散ネットワークを使用して予測を組み立てます。拡散プロセスは原子雲から始まり、多くのステップを経て、最終的な最も正確な分子構造に収束します。

AlphaFold 3 の分子相互作用の予測は、既存のすべてのシステムの精度を上回ります。分子複合体全体を総合的な方法で計算する単一のモデルとして、科学的な洞察を統合する独自の機能を備えています。

Isomorphic Labs における最先端の創薬
AlphaFold 3 は、タンパク質に結合して人間の健康や病気における相互作用を変えるリガンドや抗体など、医薬品に一般的に使用される分子を予測する医薬品設計機能を作成します。

AlphaFold 3 は、タンパク質とリガンドの結合や抗体と標的タンパク質の結合など、薬物のような相互作用を予測する際に前例のない精度を達成します。 AlphaFold 3 は、構造情報の入力を必要とせずに、 PoseBusters ベンチマークで最高の従来の手法よりも 50% 精度が高く、生体分子構造予測のための物理ベースのツールを超える初の AI システムとなっています。抗体とタンパク質の結合を予測する能力は、ヒトの免疫応答の側面と、成長を続ける治療法である新しい抗体の設計を理解するために重要です。

AlphaFold 3 を社内 AI モデルの補完スイートと組み合わせて使用することで、Isomorphic Labs は社内プロジェクトおよび製薬パートナーとの医薬品設計に取り組んでいます。 Isomorphic Labs は、AlphaFold 3 を使用して、新しい疾患標的にアプローチする方法の理解を支援し、以前は手の届かなかった既存の疾患を追求する新しい方法を開発することで、医薬品設計の成功を加速および向上させています。

AlphaFold Server: 無料で使いやすい調査ツール
8AW3 – RNA 修飾タンパク質: タンパク質 (青)、RNA 鎖 (紫)、および 2 つのイオン (黄色) を特徴とする分子複合体に対する AlphaFold 3 の予測は、実際の構造 (灰色) とよく一致します。この複合体は、生命と健康の基礎となる細胞プロセスである他のタンパク質の生成に関与しています。

Google DeepMind が新しく発売したAlphaFold Server は、タンパク質が細胞全体で他の分子とどのように相互作用するかを予測する世界で最も正確なツールです。これは、世界中の科学者が非営利研究に使用できる無料のプラットフォームです。生物学者は、数回クリックするだけで、AlphaFold 3 の機能を利用して、タンパク質、DNA、RNA、および選択したリガンド、イオン、化学修飾で構成される構造をモデル化できます。

AlphaFold Server は、科学者が新しい仮説を立てて研究室でテストするのに役立ち、ワークフローを高速化し、さらなるイノベーションを可能にします。当社のプラットフォームは、計算リソースへのアクセスや機械学習の専門知識に関係なく、研究者に予測を生成するためのアクセス可能な方法を提供します。

実験によるタンパク質の構造予測には、博士号取得にかかる期間と数十万ドルの費用がかかる場合があります。私たちの以前のモデルである AlphaFold 2 は、数億の構造を予測するために使用されてきましたが、現在の構造生物学の実験速度では研究者に数億年かかるでしょう。

サーバーの機能を示すデモビデオhttps://www.youtube.com/watch?v=9ufplEgtq8w。
AlphaFold Server を使用すると、構造を予測するだけでなく、寛大にアクセスを提供できるようになり、研究者が大胆な質問をして発見を加速できるようになります。
フランシス・クリック研究所  セリーヌ・ブシュー

AlphaFold 3 のパワーを責任を持って共有する
AlphaFold がリリースされるたびに、私たちは研究および安全コミュニティと協力して、テクノロジーの広範な影響を理解するよう努めてきました。私たちは科学主導のアプローチを採用し、潜在的なリスクを軽減し、生物学と人類に対する広範な利益を共有するために広範な評価を実施しました。

AlphaFold 2 のために実施した外部協議を基に、当社は現在、バイオセキュリティ、研究、業界にわたる専門の第三者に加えて、50 名以上の分野の専門家と協力して、後継の AlphaFold モデルの機能と潜在的なリスクを理解しています。 。また、AlphaFold 3 の発売に先立って、コミュニティ全体のフォーラムやディスカッションにも参加しました。

AlphaFold Server は、2 億のタンパク質構造の無料データベースなど、AlphaFold の利点を共有するという当社の継続的な取り組みを反映しています。また、EMBL-EBIおよびグローバル・サウスの組織との提携により、無料のAlphaFold 教育オンライン コースを拡大し、顧みられない病気や食料安全保障などの資金不足分野を含む、採用と研究を加速するために必要なツールを科学者に提供します。私たちは今後も科学コミュニティや政策立案者と協力して、責任を持って AI テクノロジーを開発、展開していきます。

AI を活用した細胞生物学の未来を切り開く
AlphaFold 3 は、生物の世界を高解像度にします。これにより、科学者は細胞システムを構造、相互作用、修飾全体にわたる複雑さ全体で観察できるようになります。生命の分子に関するこの新しい窓は、それらがすべてどのように接続されているかを明らかにし、それらの接続が薬物の作用、ホルモンの生成、DNA修復の健康維持プロセスなどの生物学的機能にどのような影響を与えるかを理解するのに役立ちます。

AlphaFold 3 と無料の AlphaFold Server の影響は、科学者が生物学や新しい分野の研究における未解決の疑問に対する発見を加速できるようにする方法を通じて実現されます。私たちは AlphaFold 3 の可能性を活用し始めたばかりで、将来がどうなるかを見るのが待ちきれません。

関連情報
・AlphaFold 3の紹介動画:
Googles ALPHAFOLD-3 Just Changed EVERYTHING! (AlphaFold 3 Explained)

・Nature記事:
Major AlphaFold upgrade offers boost for drug discovery
・Nature論文:
Accurate structure prediction of biomolecular interactions with AlphaFold 3
・2023年10月のニュースで、Google DeepMindが開発した『AlphaMissense』、『AlphaFold』を取り上げています。

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
人工知能AI 多因子介入プログラム 活動事例 若年発症認知症 認知症予防

2024年2月のニュース

NPWA会員の活動状況、認知症予防に係る2つのニュース、「医療とAI」に係る2つのニュースをお届けします。

1.2024年2月の活動報告
・スマイルチームさんの投稿
20240201 スマイルチーム ポールウォーキング部。 目指せ七福神‼️ #スマイルチーム #ポールウォーキング #相模原市南区 #七福神 #記録 #20240201 #ポールウォーキングらしい写真ゼロってゆー😂

・中嶋  佳奈恵さんの投稿
なんと!コアコンジャーナル2月号の We love C.C.に私の記事が掲載することになりました。 コアコンに出会えて本当によかったです。人も品物も。よきめぐりあいです。 今後ともよろしくお願いします🙇

・田村 芙美子さんの投稿
渋谷の春 ブルルル((😖)) 寒い朝 それでも皆さん元気にお集まりになり、スキップでは笑顔で跳ねて嬉しそう♪ 終了後は個人的質問(4人)の多い日。 /ポールが背中に触ると腎臓の辺りが痛く、先週から血尿がでるんです。内科で診察を受けお薬処方されたのですが 変化がないんです。/う~ん、私は医者ではないので診断できかねます。運動続けてもよいかも併せて再度受診をお勧めしました。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【福は内 鬼は外〜】 船橋ウォーキングソサイエティ 土曜定例会 2024/2/3 船橋港親水公園へ向かいます。 道中で珍しく船が陸揚げされ  ペンキ塗装中です。 ここでも盛り上がり 船橋は港町なんだよね〜 ワイワイ 土曜日定例会は   若手(?)が中心で進行。 3人のスタッフが ポールdeダンスもリード。 会員もニコニコノリノリです ♬ 定例会後にスタッフ4人は 神社の豆まきに寄り道。 これ又、しっかり楽しんで来ました。 紅白餅・節分豆 たっぷりゲット(笑) HAPPYな一日でした♥

・鈴木 ゆみ江さんの投稿
[健康フェスタ2024]  地域健康づくりの5グループが各ブースでパホーマンスを行ったんです。 広報に掲載された直後に問い合わせが殺到…募集100名が120数名でお断りする状態だったとか♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪ 我が紙芝居グループは「ロコモチェク」…椅子から立ち上がり足の筋力をチェクする場を担当したんです。60台〜90台、平均年齢75才の方々… 片足で立ち上がれず「ショックです」の声が多くあったのですが、 「今のご自分を知ることが出来て良かったですね」と、「ちょい曲げ体操(テーブルに手をついての軽いスクワット)」と、「簡単片足立ち(テーブルに手をついて片足5センチから)」をお勧め🩷

・スマイルチームさんの投稿
20240205。 フォローアップ教室でした。 本講座受講された方の半分ほどの方がフォローアップ教室に参加されました。 本日の最高齢は86さい? どの方か当ててみて🤭🤭🤭 介護予防教室なのでリハビリメインの方もいらっしゃいますが みなさんしっかり歩きが身についていて嬉しかったです。 午後から雪予報につき、 午後からのスマイル活動は朝のうちに全員に中止連絡をしました。。。 皆様も 雪や寒さにお気をつけくださいませ。 #介護予防教室 #地域包括支援センター #上溝 #ポールウォーキング

・長岡智津子さんの投稿
『Let’s enjoy Paul Walking』🌴🌴 コーチ資格を持つ方々の勉強会開催からの アロハファームにて お食事&飲み会😍😍 皆様が健康に笑顔になるためのポールウォーキング健康法👏👏👏おすすめです(^ω^)

・杉浦 伸郎さんの投稿
大雪明けの介護予防教室。 雪残る街中 誰も来ないかもと思いつつ 地域包括支援センターへ お一人ご参加頂いたので 保健師さんを交え 人生ゲーム大会に。 これはただの人生ゲームではなく 第二の人生を自分らしく暮らし、前向きなシニアライフを楽しんでもらおうと、自治体とメーカーがコラボしたゲーム「おかざきゴールデンシニア人生ゲーム」。 実家の愛知に戻った折、岡崎市役所で1枚頂いてきました。筋トレカードをオリジナルで追加して楽しいゲームができました。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【活動を妨げずに共に楽しむ】  今週は降雪で定例会が2回中止。 2/8の木曜日の行田公園のみ開催になりました。 行田公園の状況確認して安心して定例会に臨む。 おやおや次から次と保育園児がサーキットを予定していた円形花壇で遊んでいます。臨機応変に場所を替え  縮こまった身体をしっかり動かしました。 青空が気持よかった〜♬ #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #ソーシャルフィットネス #千葉県立行田公園 #サーキットトレーニング #しっかり歩き #フレイル改善予防

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
🎉 台灣健走杖運動推廣協會 祝大家龍年新年快樂! 🐉🌟

・スマイルチームさんの投稿
2024.2.6〜10 活動記録 ☺︎中屋敷地区センター チェアエクササイズ 25名参加 ☺︎健康体操サークル 16名参加 マルチエクササイズ、リズムダンス ☺︎相模原市高齢者活動支援課活動発表会(欠席) ☺︎スマイルチーム上溝 25名参加 リズムダンス ☺︎青空PW 9名参加 今日で3回目のポールウォーキング初心者のサークルですが、全員マイポール購入してやる氣まんまんです ☺︎上溝公民館祭り準備、連絡 ☺︎上鶴間公民館青少年部 部会 ☺︎相模原市青少年指導委員 上鶴間 ☺︎上鶴間公民館利用団体懇談会令和6年度後援事業決定 今週月曜日からは85名の方とそれぞれの教室で、また14名の方と会議でご一緒しました。 雪で中止になった教室もありますが、明日は卓球大会があります。 スマイルシスターズフル回転🌀😵‍💫 頑張ってます、元氣が1番❣️ 正しいより楽しい‼️

・校條 諭さんの投稿
青空のもと満開の梅 梅まつり初日の羽根木公園 少人数の仲間と歩く「気まポ(気ままにポール歩き)」、今月は、世田谷区の羽根木公園で満開の梅を楽しみました。そのあと、北沢川緑道をたどって、北沢八幡神社、森巌寺から下北沢駅まで。 梅まつり初日の羽根木公園では、ウォーキングというよりも、ゆったりと観梅の時間としました。梅大福などをほおばりながら一服。 下北沢の町に入ると雰囲気は一変。すごいにぎわいで、ポールでは歩けません。予約していた台湾料理の店でビールとおいしい料理で締めくくりました。 もうすぐバレンタインデーだからと、Tさんからサプライズで、お手製のチョコがみんなに配られました。 ※写真は田村和史さんほかのみなさんと私

・Naomi Sakaiさんの投稿
盛り沢山の楽しい1日でした😊 午前中は、🥑アボカドファーム仲間のイベントでいちご狩り🍓 🍓食べ過ぎでお腹いっぱいのまま3回目の大岡山東急ウェリナ。 私も皆さんも慣れてきました。 中庭のガーデンウォーキングも気持ち良い。 仕事終了後は、大岡山に住むお友達と待ち合わせて嬉しいひととき☕️🎵😊 盛り沢山の充実した1日に感謝。 ありがとう💕

・杉浦 伸郎さんの投稿
DX移行のための最大経由ポイントは「アナログトランスフォーメーション」(AX)かも。シンプル、明快で、これ以上の標準化はないから。老人会講座では、これに勝るものはない!

・田村 芙美子さんの投稿
渋谷介護保険課の事業でポールウォーキングのサークルを5年余続けさせて頂いております。3カ月ごとのクラスで年に4期(4回) 定員各15名募集しています。初心者優先でキャンセル待ちを承知での申し込み。各回様々な方(年令・体調・男女)が参加して楽しんでいただいています。既に数百人の方々とご一緒しました。今日 23日の鎌倉ミステリーの案内をしたところ4~5名が参加したいと挙手🙋‍♀️ PWのメンバーですがポールなしで歩きたいと言う方も。ところが週間予報では当日は寒い上雨予報。雨の場合は日を改め延期しましょうか。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【冬の土曜日定例会は面白い】 2024/2/17 冬だから出来る事。 冬だからしっかり歩き。 たった90分の定例会は笑顔で締めくくりです。 スタッフの工夫が満載で、 それが効いています。 \(^o^)/ #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールウォーキング土曜定例会 #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #海老川ジョギングロード #サーキットトレーニング

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 2023年度締め括りPWイベント 「室内ポールウォーク」でした。 一年PW三昧〜ありがとうございました。 好天春❗️の陽気の中暖房の効いた体育館に集まって頂き、皆さんでひと汗ふた汗と〜ww 佐藤美穂コーチによる「3B体操」で身体の隅々までほぐし、 後半は新地コーチ主導のポールウォーキング❗️体験者8名程交えもう一度本気PWを! 〜目線〜体重移動〜肘引き〜と慣れ親しんだポールウォーカーも原点に戻ってのPWでした。 ➕のコーチテーマは「褒めるコーチング」でした。 コーチ8名〜良く出来たと思います‼️ 2024PWは4/7から始動予定ですww

・森川 まことさんの投稿
始めました😊

・校條 諭さんの投稿
野川公園など都立3公園が集中している地域をノルディックウォーキング 杉ポ(杉並ポール歩きの会)の講師としてお世話になってきた新里るりさん主催の会に参加しました。 JR武蔵小金井駅に集合、武蔵野公園、野川公園、調布飛行場、武蔵野の森公園をポールで歩きました。 飛行場をながめながら野外でランチ。プロペラ機が次々と離着陸するのはなかなか迫力がありました。 そのあとモルックで遊びました。つい夢中に。 ※私の写っている写真は新里さんからいただきました。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
2月なのに20℃ 暑いよ〜💦 2024/2/20 美姿勢ウォーキング 年に1度のポールウォーキング体験日。 恒例なのでほぼ経験者ばかり 流石に飲み込みが早く ボンボン進みます ♬ 「ポールは面倒くさい」 毎年正直な感想も出ます(笑) ポールを持つとね普段のウォーキングフォームも良くなるのよ 体験者1名を迎え「楽しい」 とそのまま入会になりました。 #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #ポールウォーキング #パワーウォーキング #健康ウォーキング指導士 #行田公園 #身体と心が喜ぶウォーキング  #ウォーキングでHAPPY

・田村 芙美子さんの投稿
仲良き事は美しく哉 PW

・田村 芙美子さんの投稿
お天気は一日で逆転し、今日は肌寒い雨。北鎌倉健康教室は外歩きの移動は止め、室内トレーニングと座学。今日は「筋肉」について改めて学びました。指導は杉浦コーチ。 高齢者に限らず52才~54才の若い方も増えました。7、80代のメンバーは良い刺激パワーを貰えラッキーです。

・杉浦 伸郎さんの投稿
千葉県鋸南町へ 雨のため頼朝桜を拝む事はできませんでしたが、その分しっかり講義の時間に充てることができました。前回の介護予防事業と違って、今回は生活習慣病予防事業という事で中高年層対象ですが、参加者の皆さんを前にするとフレイル予防講座にどうしてもなりがちです。こういった現象は日本全国どこに行っても共通しますが、65〜75歳の個別対応の難しいところですね。それにしても鋸南町の皆さんはイキイキとされていて、実年齢より一回り以上若く見えます!

・佐藤 恵さんの投稿
1月開催の日本ポールウォーキング協会ベーシックコーチ資格取得セミナーで、9名のコーチが誕生しました!宮城4名、秋田3名、山形1名、岩手1名! 今年は東北でポールウォーキングが更に広がっていきそうです!広がれ、ポールウォーキングの輪!

・遠藤 恵子さんの投稿 No.1、No.2
No.1
ポールウォーキング専用ポールを使って平泳ぎをやってみよう!! (ポールウォーキングを行う前の準備運動/椅子に座っておこなうバージョンso1(その1)) #ポールウォーキングマスターコーチプロ #準備運動

No.2
[ポールde遊ぼう!]はい!ポールで遊んでみた。簡単で簡単でない????笑うしかないwいやいや、笑うことが目的よ!

・田村 芙美子さんの投稿
鎌倉二階堂早咲き桜 冷たい風と暖かい日射しの道を鎌倉宮から二階堂を歩きました (三浦ネットgroup)

・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
🌸 春暖花開🌿 健走杖體驗活動🚶‍♂️ 親愛的健走好友🧑‍🤝‍🧑 春天是一個充滿活力和希望的季節 也是健走杖運動的最佳時機 由 北歐運動治療師 楊子欣(欣欣老師) 帶領的健走杖體驗活動 一同感受春天🐝的氣息 享受健康的樂趣! 澄心康健-神經復健 l 動作優化 l 高齡運動

・柳澤 光宏さんの投稿
最長老でなにかと相談にのってもらっていた監査役が本日卒業。製造から営業まで経験され、取締役として長年父や私を支えてもらいました。本当にありがとうございました。 本日の信濃毎日新聞記事。製品一組当たりのCO2排出量を算出し、今後排出量を減らす取組みを実施していきます。

・田村 芙美子さんの投稿
今日は早咲き観桜🌸🌸🌸 友達とフリーポールウォーキング 三浦海岸駅から小松ガ池公園まで見事な河津桜と菜の花の並木道!途中の地元の農家さんのキャベツや大根、芽キャベツを覗くのも楽しい 夕飯はお土産のワカメをしゃぶしゃぶに、大根おろしとポン酢で。

 

来月以降の予定
・遠藤 恵子さんの投稿
【ゲンキポールウォーキングin地島」

・長岡智津子さんの投稿

・田村 芙美子さんの投稿
「お知らせ」 楽しみにしていた明日23日の鎌倉歩きですが 雨降りの冷たい気温を予報していますので、残念ですが中止とし、改めて3月15日金曜日(16日予備日) に延期させて頂くことになりました。

・NPWAより、2024年の『スキルアップ研修会』の日程が決まりました。
**以下、NPWAホームページより**
実技指導にちょっと不安のあるコーチの皆さん、もっと素敵な実技指導をしたい皆さん。
4名のマスターコーチプロを指導陣に楽しくスキルアップしましょう!!
・対象者:協会会員ベーシックコーチ、アドバンスコーチ、マスターコーチプロ
(資格更新講習セミナーとします。研修修了者はコーチ資格有効期限を2027年12月31日に更新します)
・研修費用:¥5500
・2024年 開催日:
◆4月21日(日)12:00-16:00
愛知県名古屋市 TKP名古屋伏見ビジネスセンター
◆6月2日(日)13:00-17:00
宮城県仙台市 仙台市市民センター(予定)
◆9月8日(日)13:00-17:00
東京都渋谷区 国立オリンピック記念青少年総合センター
◆12月7日(日)13:00-17:00
福岡県福岡市 会場未定

 

2.関連学術ニュース
2-1.軽度認知障害を有する高齢者において、多因子介入プログラム (生活習慣病の管理、運動、栄養指導、認知トレーニング) は、認知機能低下の抑制およびフレイル予防に有効である
**以下は、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターの2023年10月10日のニュースリリースの転載です**
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典。以下 国立長寿医療研究センター)は、名古屋大学、名古屋市立大学、藤田医科大学、東京都健康長寿医療センター、SOMPOホールディングス株式会社との共同研究において、生活習慣病の管理、運動、栄養指導、認知トレーニングから構成される多因子介入プログラムによって認知機能が改善することを明らかにしました。

本研究では、65歳から85歳までの軽度認知障害を有する高齢者531名を対象として、18か月間のランダム化比較試験を行い、多因子介入プログラムの認知機能低下の抑制効果を検証しました (J-MINT研究)。

多因子介入プログラムを受けるグループ (以下 介入群)には、リストバンド型活動量計、セルフモニタリング用のファイル、タブレットPCが配布され、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の管理、週に1回の頻度の運動教室 (1回90分、全78回)、栄養に関する面談と電話相談 (全15回)、タブレットPCを用いた認知トレーニング (BrainHQ)が提供されました (図1)。また、多因子介入プログラムを受けないグループ (以下 対照群)には、生活習慣病の管理と2か月に1回の頻度で健康情報が提供されました。
        図1 J-MINT研究の概要

介入群と対照群の、18か月間の認知機能の変化を比較すると、主要評価項目である認知機能のコンポジットスコアでは、統計学的な有意差は認められませんでした (図2)。
図2 全対象者 (n=433)における多因子介入プログラムの効果

しかし、アルツハイマー病の危険因子として知られているアポリポ蛋白E遺伝子のE4多型の保因者に絞って検討を行うと、介入群では認知機能が維持され、18か月間の認知機能の変化に統計学的な有意な差を認めました (図3)。
図3 アポリポ蛋白E遺伝子のE4多型の保因者 (n = 124)における多因子介入プログラムの効果

J-MINT研究は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響を受け、一時は対象者の募集や評価、介入プログラムの提供を中断せざるを得ない状況となりました。また、身体疾患など様々な理由で運動教室に参加できなかった参加者の方もいらっしゃいました。そこで、介入群を全78回の運動教室の70%以上に参加したグループと、70%未満のグループにわけて、認知機能の変化を比較しました。すると、運動教室に70%以上参加していたグループでは、70%未満のグループ、対照群と比較して認知機能が改善していたことが示されました (図4)。そのほかにも、70%以上参加していたグループは、対照群と比較して、食物多様性、血圧、Body mass index (BMI)、身体組成 (脂肪量、筋肉量)、運動機能 (歩行速度、5回椅子立ち座り時間)などの改善が認められ、身体的フレイルの割合 (70%以上参加したグループ = 1%、対照群 = 8%) が少なかったことも示されました (図4)。
図4 運動教室への参加率による多因子介入プログラムの効果

本研究は、日本で初めて多因子介入プログラムの認知機能低下の抑制効果を検証し、アポリポ蛋白E遺伝子のE4多型の保因者における認知機能低下抑制効果を示しただけではなく、継続して多因子介入プログラムに参加することで認知機能が改善すること、そしてフレイル予防にも効果があることを示しました。本研究の結果は、わが国の認知症発症を減少させる大きな第一歩となることが期待されます。

本成果は、2023年7月16日にオランダ、アムステルダムで開催されたAAIC2023にて口述発表を行いました。

関連情報
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター研究所、健康長寿ラボより
1.『日常的な活動と認知症予防』
(https://www.ncgg.go.jp/ri/labo/12.html)
2.『アルツハイマー病の新しい治療薬(前編)レカネマブについて』
(https://www.ncgg.go.jp/ri/labo/14.html)
3.『アルツハイマー病の新しい治療薬(中編)ドナネマブについて』
(https://www.ncgg.go.jp/ri/labo/15.html)
4.『アルツハイマー病の新しい治療薬(後編)今後の課題と展望』
(https://www.ncgg.go.jp/ri/labo/16.html)

2-2.65歳未満の若年発症認知症発症に関わる15の要因
**以下は、岐阜大学医学部下畑教授の2024年2月15日FB投稿記事です**
高齢発症の認知症の約40%は,12の危険因子を修正することによって予防・遅延できる可能性があると言われています(Lancet委員会報告)(ブログ解説;http://tinyurl.com/2yutulna).しかし65歳未満の若年発症認知症についてはよく分かっていません.遺伝的要因の関与が大きいものと思われがちですが,本当の原因が何であるか正確には分かっていません.
最新号のJAMA Neurology誌に,UK Biobankのデータを用いた前向きコホート研究が報告されています.35万6052人(!)の参加者を対象とした8年間の追跡調査の結果です.485例の若年発症認知症が認められ,10万人・年当たりの発症率は16.8人でした.発症率は40歳から5年ごとに増加し,女性よりも男性で高率でした.そして図に示す15の因子が発症と有意に関連することが分かりました.最も強力な危険因子が起立性低血圧で,ついでうつ病,アルコール中毒,脳卒中と続き,遺伝要因のApoEε4ホモ保有は5番目でした.よって「遺伝だから・・・」と諦める必要はないことになります.またこれまで報告のない4つの新たな危険因子が同定され,それは起立性低血圧,ビタミンD欠乏,CRP高値,社会的孤立でした.また中等度のアルコール摂取,より高い正規教育,身体の強さ(握力で評価)は防御的に作用していました.飲み過ぎはよくありませんが適度なら・・・ということで朗報です(笑).
驚いたのは起立性低血圧です.脳血流の一過性低下が認知機能に悪影響を及ぼす可能性もありますが,むしろパーキンソンに伴う認知症(PDD)やレビー小体型認知症の早期徴候が捉えられた可能性が考えられます.ビタミンDは神経変性に対する保護効果が指摘されているので,その欠乏が危険因子になるのは理解できます.ただ注意すべきはUK Biobankのコホートはほぼ白人ですので,日本人など他の集団には当てはめられるか不明な点です.
以上,若年性認知症であっても修正可能な危険因子があり,生活習慣の改善が有効であることが示唆されました.今後,認知症の予防法として周知する必要があります.おそらく次回のLancet委員会報告にこれらの結果は取り入れられるものと思います.
Hendriks S, et al. Risk Factors for Young-Onset Dementia in the UK Biobank. JAMA Neurol. 2024 Feb 1;81(2):134-142.(doi.org/10.1001/jamaneurol.2023.4929)

関連情報
・岐阜大学医学部下畑教授の2024年2月20日FB投稿、『神経疾患の危険因子としての起立性低血圧 (純粋自律神経不全症)』

2-3.誤診の撲滅に向けて -その原因とAI導入の影響-
**以下は、岐阜大学医学部下畑教授の2024年2月9日FB投稿記事です**
Science誌に標題のタイトルで,スクリップス研究所のEric Topol教授が寄稿しており興味深く読みました.以下,要約です.
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◆毎年80万人近くの米国人が誤診によって死亡または後遺症を負っている(図).これは年間で成人の5%が診断ミスをされ,ほとんどの人が生涯で少なくとも1度は誤診を経験する計算になる.
◆誤診の一番の原因は,その診断を考慮しなかったことである.診療時間が短く,思考する時間があまりない.そのため医師の直感に依存した診断プロセスが取られるが,そこに問題がある.
◆心理学で,思考には「早い思考(システム1思考)」と「遅い思考(システム2思考)」の2つのモードがあるという理論がある.誤診は反射的で,直感的なシステム1思考に伴って生じる.もし医師が考える時間をもっと持ち,文献検索や検討をして,患者データをすべて分析するシステム2思考をすれば,誤診は減らせる.
◆このシステム2思考に,AI技術の発展が大きく寄与する可能性がある.とくに医療画像(放射線画像,内視鏡画像など)の解釈においてAIは誤診を減少させることが示されている.
◆さらに,ChatGPTのような言語モデルは,診断がつかない症例において正確な診断を提供することで,医療診断の精度を改善する新たな可能性を示している.ネット上には複数の医師が診断できなかった疾患をGPT-4に入力したところ診断にたどり着いた例が複数紹介されている(例:Caspr2抗体陽性辺縁系脳炎など),
◆AIが診断精度を向上させる可能性は非常に高いが,AIを盲目的に信頼してしまう自動化バイアスや,逆に自分自身の診断能力に強い自信を持ち,AIの解釈を信用しないバイアスが生じうる.
◆あと数年で,より有能で医療に特化したAIモデルを構築されれば,AIがシステム2の機械的思考でセカンドオピニオンを提供するという貴重な役割を果たし,誤診の根絶という価値ある目標に向かって前進する一助となる可能性が高まる.
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おそらくこの数年で医療は激変すると思いました.誤診を減らせることは,医療者にとっても患者さんにとっても非常に良いことです.ただ領域によっては医師の仕事が激減したり,AIの出した結論をただ承認してAIのできない診療を行うというやりがいの乏しい仕事を行う事態になるように思いました.若い医学生や研修医は,人口のさらなる高齢化やAIの医療への影響を真剣に考えて,自分の進むべき領域を考える必要があるように思いました.
Topol EJ. Toward the eradication of medical diagnostic errors. Science. 2024 Jan 26;383(6681):eadn9602. (doi.org/10.1126/science.adn9602)

関連情報
我が国の保険医療分野におけるAI実装の現状については、2024年1月10日に厚生労働省主催で開催された『保健医療分野AI社会実装推進シンポジウム』の諸資料が参考になります。
(1)アーカイブ動画
(2)基調講演資料
・村山 雄一 氏(東京慈恵会医科大学 脳神経外科学講座 主任教授)発表資料[8.3MB]
・松尾 豊 氏(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 教授)発表資料[3.6MB]
(3)行政説明資料
・厚生労働省大臣官房厚生科学課 説明資料[1.9MB]

2-4.予測の医学の基盤となる先駆的な物理学の理論を開発 -物理学と AI 解析を組み合わせたハイブリッド AI の基盤-
2-4-1)ニュースリリース
**2024年1月16日付の慶応大学と理化学研究所のニュースリリースです**
慶應義塾大学医学部石井・石橋記念講座(拡張知能医学)の桜田一洋教授(理化学研究所(理研)情報統合本部先端データサイエンスプロジェクト開放系情報科学チームのチームリーダー)と石川哲朗准教授(理研同プロジェクト医療データ数理推論チームの客員主管研究員)は予測の医学の基盤となる物理学の理論を開発することに成功しました。
本研究成果は、物理学と人工知能(AI)解析を組み合わせたハイブリッド AI を実現するための基盤理論であり、高精度の予測に基づいた医学に広く貢献することが期待できます。
病気の発症をはじめとした人間や生物の性質、社会や生態系の特性が将来どのように変化するかを個別に予測し、問題が発生するのを防ぐ技術の開発は安全・安心な社会を実現するための喫緊の課題です。AI 技術の進展に伴い、医学領域でも大量の実世界のデータから高精度の予測が可能なサロゲートモデル(注 1)が開発されるようになってきました。しかし、サロゲートモデルは動作原理を知ることができない「ブラックボックス」構造のために、モデルの構築に用いるデータのバイアスによって予測の再現性や信頼性に影響がでるという問題があります。リスクが許されない医療の現場では、まだサロゲートモデルは十分に受け入れられていません。この課題を解決するため、桜田一洋教授と石川哲朗准教授は、自然原理とAI 解析を組み合わせたハイブリッド AI の実現を目指し、遺伝子産物に働く物理学の原理によって生物の動態をモデリングするための先駆的な理論を開発しました。
本研究成果は 2024 年 1 月 10 日に国際科学雑誌 Scientific Reports のオンラインに掲載されました。

1.研究の背景と概要
生物学や医学では、遺伝子にコードされているタンパク質の機能から、因果関係によって生命現象を説明してきました。ニュートン力学、電磁気学、相対性理論、量子力学、熱力学で用いられてきた力場に基づく普遍的な法則の発見や法則に基づいた予測という考え方は、生物学や医学には導入されていません。物理現象は平衡に近い非平衡状態で生じるのに対して、生命現象は平衡から遠く離れた非平衡状態で生じます。本研究は、生命特有の非平衡・非線形の性質に適用できる新たな力場や普遍的な法則を求めるために開始されました。

2.研究の成果
生命現象に適用できるメッセージ力場理論とモデルの開発
生命現象が物質現象と大きく異なるのは、内と外を区別する境界を持つことと、境界によって識別されたシステムがメッセージを交換することで全体としてまとまりのある挙動を示すことです。メッセージには細胞内でやり取りされるシグナル伝達分子、細胞間でやり取りされるホルモン・増殖因子・サイトカイン、光、音、化学物質をとおして個体間で伝えられる生物の形、動き、状態があります。これらのメッセージは生物システムの状態を変化させることが知られているので、メッセージの働きを力場によって説明するという考え方を導入しました。この力場から、生物が最大エントロピー生成原理に基づいて変化することを見出しました。
次にこの力場と原理に基づいて具体的な生命現象を表現するための支配方程式を求めるために、メッセージを交換する振動子として生物システムをモデル化しました。このモデルからメッセージによってつながったシステムが同期することで秩序を自発的に生成することを明らかにしました。また同期によってエントロピー生成が最大化します。
生物は境界を持ち、メッセージを交換することに加えて自己増殖するという性質を持っています。生物の持つこの増殖能が同期を破ることを見出しました。この同期の破れによってシステムのルールが変更されます。生物は同期の生成と破れを繰り返すことで多様性を獲得します。

発生学の未解決課題の克服
初期胚において栄養外胚葉と内部細胞塊の胚盤胞(注 2)からの分化においては、分化を決定する因子(モルフォゲン)が存在しません。したがって、この分化過程は発生学で一般的に用いられているモルフォゲンの拡散モデルでは説明できません。本研究では、同期の生成と破れの法則を用いて、このプロセスをモデル化することに成功しました(図 1)。
図 1. サロゲートモデルとメッセージ力場モデルの統合による胚盤胞分化誘導過程の推論
(a)受精卵から胚盤胞までの胚の状態変化は、サロゲートモデルに基づいて、受精卵 (i)、2 細胞期 (ii)、4 細胞期 (iii)、8 細胞期 (iv)、コンパクション (v)、16 細胞期 (vi)の 6 つの異なる離散状態としてモデル化される。 (b) 2 細胞期から 8 細胞期までの細胞は、7 つの成長因子と 6 つの成長受容体を発現する。これによって同期が生成される。(c) コンパクションは細胞間の接着を増加させ、メッセージの力場を変化させる。その結果、cdx2 転写産物は細胞塊の外側に局在する。その局在によって、内部では細胞塊が誘導され、外部では栄養外胚葉が 3 / 4 誘導される。この過程は、同期の破壊と同期の再確立と表現できる。

ハイブリッド AI の基盤開発
人類の持続的な発展には、人間、社会、生態系などの複雑な振る舞いを予測し、問題の発生を未然に防ぐことが必要です。実世界のデータを AI で解析して得られるサロゲートモデルが複雑な振る舞いを予測するのに有効なことが知られています。一方、予測精度と信頼性を向上させるには、専門知識や自然の法則と高度な AI データ解析を組み合わせたハイブリッドAI が必要です。健康・医療領域では、このようなハイブリッド AI の技術は確立していません。本研究では、開発した力場理論とモデルを中核に、圏論の随伴関手を導入することで、ハイブリッド AI の基盤技術を開発しました。

3. 本研究の意義・今後の展開
本研究で開発したメッセージ力場理論とモデルは、発生と成長、病気の発症、老化、意識、進化について、これまでの生物学や医学とは異なる新たな物理学の枠組みによって説明し、予測することが可能になります。健康・医療領域では予測の医学という新たな基礎科学を生み出すとともに、ハイブリッド AI に応用することで高精度の予測に基づく医療の実現に応用されることが期待されます。

今後は様々な生命現象に対して本理論とモデルを適用させるとともに、ハイブリッド AIを健康・医療データを用いた AI・メディカルデータサイエンスに導入していきます。

4. 謝辞
本研究は、JST イノベーションハブ構築支援事業(JPMJIH1504)、慶應義塾 石井・石橋基金、JSPS 科研費(JP20K21837、JP21K02356)の支援のもと実施されました。

5.論文
英文タイトル:Synthesis of causal and surrogate models by non-equilibrium
thermodynamics in biological systems
タイトル和訳:生物システムにおける非平衡熱力学による因果モデルと代理モデルの綜合
著者名:桜田一洋、石川哲朗
掲載誌:Scientific Reports(オンライン)
DOI: 10.1038/s41598-024-51426-8

【用語解説】
(注1) サロゲートモデル:実世界のデータやシミュレーションで得られたデータを AI で学習することで得られる予測モデルは、サロゲートモデル(代理モデル)と呼ばれます。
(注2) 胚盤胞:胚盤胞では、将来胎盤となる栄養外胚葉と体となる内部細胞塊の 2 種類が分化し、着床に向けた準備が進められます。

2-4-2)Copilotに「生命現象を説明する非平衡統計力学モデル」について訊いてみました(2024年2月15日実施)
Q1:非平衡統計力学とは何ですか?
A1:非平衡統計力学は、系が平衡状態にないときの物理的な振る舞いを記述するための物理学の一分野です。具体的には、系が時間とともに変化する様子を研究します1。
非平衡統計力学は、系が外部からの仕事や熱、物質の出入りによって変化する場合に適用されます。これらの影響がなくなると、系は再び平衡状態に戻ります2。
また、非平衡統計力学は、平衡からわずかにずれた状態を記述することにも成功しています3。このような状態は、例えばブラウン運動や揺動散逸定理、微小な外場に対する線形応答理論などを通じて理解されます4。
非平衡統計力学は、これらの現象がどのようにして起こるのか、またそれらがどのように相互作用するのかを理解するための強力なフレームワークを提供します。この分野は、物理学だけでなく、化学、生物学、工学など、多くの科学分野で重要な役割を果たしています。143
詳細情報
1 stat.phys.kyushu-u.ac.jp 2 scphys.kyoto-u.ac.jp 3 noneq.c.u-tokyo.ac.jp 4 repository.kulib.kyoto-u.ac.jp+2 その他

Q2:非平衡統計力学モデルで良く説明できる生命現象の事例を教えてください。
A2:非平衡統計力学モデルは、生命現象の多くを説明するのに役立つツールです。以下にいくつかの事例を挙げます:
1. 触媒反応ネットワーク:生命の起源と関連する非平衡性の維持条件や複製系(『複雑系』のことだと思います)のゆらぎの普遍法則を説明します1。
2. 適応系のダイナミクス:異なる時間スケールの干渉過程による一般的適応、酵素量律速によるホメオスタシス、記憶などを説明します1。
3. 細胞社会の発達過程:細胞分化における多能性の喪失や「時間の矢」を力学系から理解することが可能です1。
4. 遺伝情報の表現:遺伝子を用いた遺伝情報の表現は、生命の情報処理・情報伝達のモデルと見なすことができます2。
これらの事例は、非平衡統計力学が生命現象の理解にどのように貢献しているかを示しています。それぞれの事例は、生命現象の特定の側面を説明するためのモデルを提供しています。非平衡統計力学は、これらの現象がどのようにして起こるのか、またそれらがどのように相互作用するのかを理解するための強力なフレームワークを提供します。
詳細情報
1 folding.c.u-tokyo.ac.jp 2 ism.ac.jp 3 repository.kulib.kyoto-u.ac.jp 4 jst.go.jp+2 その他

関連情報
・ガリレオX (2012年)第38回、『シマシマの謎 動物の模様を“数学”で解く? 』
生命現象(ここでは動物の「縞々模様の発生」メカニズム)を非平衡統計力学モデルがよく説明しています。
・2023年10月のニュースでは、グーグル・ディープマインドが開発した人工知能の『AlphaMissense』と『AlphaFold』を取り上げています。

 

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
人工知能AI 活動事例

2023年10月のニュース

10月はスポーツの季節(毎年第2月曜日は『スポーツの日』)。運動・スポーツをしてますか?
学術ニュースでは、グーグル・ディープマインドが開発した人工知能の『AlphaMissense』と『AlphaFold』を取り上げました。

1.10月の活動報告
NPWA会員の皆さんは、ポールウォーキングはもちろんですが、いろいろな活動に取り組んでいます。

・堀 和夫さんの投稿
第12回を迎えた ひるがの高原ウオーク 10月に入った高原の秋が少し見えてきた。 秋はいいね👍 いゃあ嬉しかったね、久々に沢山の友人との再会があった。歩くが繋げてくれたんだな。

・田村 芙美子さんの投稿
御所ケ丘 PW広町緑地公園 田んぼは秋色 ガマの穂がにょきにょき 爆発する瞬間を見たいものです 田んぼはカラフルな案山子で賑やかです

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【楽しかった〜】    2023/10/4 「ふなばし市民大学校・いきいき学部」 学生270名を前に 市内417ある市民団体から5団体が選ばれて活動紹介をしました。   (*^▽^*) チョット嬉しいです。 「明るく・魅力ある    船橋ウォーキングソサイエティを  対面ならではのパフォーマンスで      伝えよう〜」 若いスタッフの意見で 市民文化ホールのステージで ポールを使うウォーキングの紹介から 定例会の様子を動画でお伝えしました。   わずか10分、濃縮した内容にしました。 ちいさな事でも皆でやり遂げた その達成感は気持いいです。   \(^o^)/

・佐々木 尚美さんの投稿
【急に忙しい】 昨日は飛び込みのお客様が来て、そのまま週1でポールウォーキング習う事 に! 今日から教室には生徒さんが1名増えたし 仕事週2 パーソナルジム週3 なんだか忙しいよー😅

・中嶋  佳奈恵さんの投稿
那谷寺を舞台に高齢者の介護事業を行っておられる「社会福祉法人 自生園様」の初任者の方3名を対象とした研修を行いました。 研修の内容は、①朝勤行に参加🙏 ②那谷寺の僧侶による境内案内 ③境内(護摩堂周辺)の清掃活動🌳 ④金堂華王殿2階でのウェルネス・ヨガ ③の清掃作業は自身の心を清めるとともに、チームワークも磨かれます。またこのような作業を行っていただくということは、広大な境内を持つ那谷寺にとってもとてもありがたいことです。 ②の金堂でのヨガは、十一面千手観世音菩薩様のお顔を間近に拝みながら…という普段できない体験。 半日のプログラムでしたが「楽しかった!」「癒された!」と参加した職員の方も喜んでおられました。参加された皆様、ありがとうございました😊この自生園の初任者研修は紅葉真っ盛り🍁の11月にも予定されています。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【成果は出た〜?】  2023/10/7 #船橋ウォーキングソサイエティ  土曜日コース 希望に応えて 2週間前に続き動画撮影して 再度フォームチェックしてみました。   「課題は直しました〜     が、見てみれば…     腕が止まってる💦」     納得したら   変化はここからです!      🌟 #ノルディックウォーキング #ポールウォーキング  #海老川ジョギングロード #ノルディックウォーク

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 本日PW駒場例会〜 秋も深まり?肌寒い中50人もの参加者が集まってくれました。 佐久大学1年生の参加も有り熱心に爺婆と情報交換していました。 相変わらずの 〜健康づくりと仲間づくり〜が続く 佐久ポールウォーキング協会❗️ 次回は10/22女神湖PW散策です。

・佐藤 恵さんの投稿
本日、ワーカーズコープ様主催、第2回ポールdeウォークin気仙沼、今回は大島へ!最高の秋晴れ!美しい空と海! ほとんどが初参加とのことで、海沿いを約3キロ歩きました!楽しかった!という声をいただき、良かったです✨ 第3回は11月を予定とのこと。私は行けませんが、気仙沼や宮城県にもポールコーチが育っているので、皆さんに託します。 広がれ!ポールdeウォークの輪😊

・長谷川 弘道さんの投稿
昨日は気持ちの良い天気でした❣️ 津島は天王川公園での、月一回のポールウォーキングデーでした‼️ 日比市長さんにおかれましては、とてもお忙しい中、ほぼお休みなく、参加いただいています。 こちらの教室が始まっで10年以上経ちますが、当初からご参加いただいます❗️😊 途中、膝を悪くされた時期もあったのですが、こちらの教室で学んでいただいた運動も実践され、見事に復活されました‼️ 天王川公園は今、大きく変貌を遂げつつあります❗️ 芝生も綺麗になり、まだこれからどんどん変わっていきます‼️😊 昨今は朝晩、かなり涼しくなってきましたが、しばらくはアウトドアフィットネスが楽しめます!あ 来月は、4日になります。午前7:30からやっております😉 お近くの方、ぜひご参加ください‼️

・中嶋  佳奈恵さんの投稿
【ラジオ体操秋季講習会】 ゆっきーと一緒にラジオ体操講習会に 参加してきました。 全国ラジオ体操指導委員の 藤元直美さん 今井菜津美さん テレビ体操の 石川裕平さんからご指導いただきました。 指導者向けの講習会なので指導者目線になってお互いにシェアしあいながら 楽しくみんなの体操からラジオ体操第1.2とできました! 最後には写真も一緒に撮っていただきありがとうございました😊 ランチは久しぶりのホットハウスへ! #ラジオ体操講習会 #かんぽ生命 #藤元直美 #今井菜津美 #石川裕平

・遠藤 恵子さんの投稿
【ポールウォーキング】 参加者のみなさまはバスをチャーターされて❪中間市社会福祉協議会主催❫中間市から芦屋❪とと市場❫にお越しくださいました。 とっても嬉しかったですねᥫᩣ 元気ハツラツの高齢者みなさまにポールウォーキングを楽しんでいただけたようです。 レクチャー、準備運動、ポールdeウォーク、ちょっとスクワットetc. 初心者の皆さんにはちょうど良い距離だったように思いました。 夏井ヶ浜はまゆう公園ではハート探し、その後、みなさんはとと市場でlunch!! 雨上がり開催することができてほんとによかったです!! それにしても、このコース、めっちゃよき👍⭐️ あらためて初心者コース🔰決定!! 物足りないぐらいがちょうど良いですね。 お天気怪しかったので ほんと今日は開催できてよかったですᥫᩣ

・田村 芙美子さんの投稿

新規 健康つくりサークル スタート@北鎌倉公会堂 地域のつながり・運動・栄養の、3要素が健康習慣をつくります。スマホアプリ📱導入です。勿論ポールも使います。  ポールがあると安全に、歩幅を広げて歩け、姿勢が良くなり景色が広がります。 (第1回: 座学「健康」と初めてのPW実技)

・田村 芙美子さんの投稿
夜は蝦夷鹿🦌 秋の渋谷介護予防PW教室3学期がはじまりました。 警官が多く目立つのはハローウィンに向けてでしょうか。  渋谷に来ないで!(区長さん) ハチ公前もこの彫刻の中もカメラマンや観光客で溢れています。 教室は順調に始まりました。初めてポールを触るかたも多く これからの人生の友(伴)にしていただけると嬉しいです。 今日は体力測定とポールの長さ合わせ、基底面の説明、遠くを見て歩く練習。安定して歩幅を広く。

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【目線は前に・背筋はピン】 2023/10/12 #船橋ウォーキングソサイエティ #県立行田公園木曜日コース 動画撮影の効果あり! 下向きになりがちだったのが 背筋ピン・腕の振りと歩幅は大きくなり のびやかなウォーキングに変化しています。 視線が変われば見える景色も変化。 気持も上向きになって行きます。 これがポールを使うウォーキングの良さです。 凄いな〜 #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #姿勢改善ウォーク #転倒回避

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【大人のミニ遠足】  土曜コースの張出し定例会   天沼公園から   行田公園へ Let’s go❣  土曜メンバーがこの地に   遠征するのは初めてです。   外周コースも初歩きです☺      シートを敷いてヨガ     ゆったりと動から静へ   残れるメンバーは   持参のLunch boxを開いて   輪になってくつろぎタイム  良い時間となりました。   #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク  #ソーシャルフィットネス #街歩き #フットケア #姿勢改善ウォーキング #ボディリメイクウォーキング #ウォーキングでHAPPY

・田村 芙美子さんの投稿
朝から冷たい☔の中 逗子市 スポーツの祭典2023へ 会場は逗子アリーナ  第一運動公園は雨天中止 ポールウォーキング体験(午前・午後の2回)は館内の通路を使用

・中村 理さんの投稿
東御市八重原/依田コーチによる地元PWイベント第一弾❗️に参加して来ました。 生憎の雨模様(止んだり降ったりの・・)の中、紅葉の始まった「八重原の台地〜明神池〜/東御市」に集合。雨でドタキャンも有りで参加者半減でしたが、遠路千葉からの長岡コーチの参加(様子見・観察・視察?)も有りで楽しいひとときを持てた「明神池〜八重原巡り」でした😅 次第二弾が楽しみな〜八重原の原風景〜‼️

・feel Health&Beautyさんの投稿
朝日放送ラジオにお邪魔してました。 健康に関するトピックスで依頼されたので ソシアルダンスにするか💃 健康体操や生きがいづくり のテーマにするか悩みましたが、、、 現在、売り出し只中の ポールウォーキングの話にしました。 黒谷友香 青木愛さん 谷尻萌さん 御三方はとても綺麗で緊張しましたが 関西弁での気さくなトークで 少し噛みましたが、お友達とおしゃべり する様にお話来ました。 radikoやポッドキャスト等で お聞きください。 https://x.com/saturday_yanna/status/1713162944891203729?s=46&t=t3vL1ScaleETDB-tZ0CHxQ https://abcradio.asahi.co.jp/saturday_yanna/

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【アクセルは腕よ】  #美姿勢ウォーキング  2023/10/17   定例会らしい     ウォーキングをしようね        (^^♪ #船橋ウォーキングソサイエティ #日本ウォーキング協会健康指導士 #パワーウォーキング #県立行田公園 #速歩 #背筋ピンウォーキング #インターバルウォーキング #ローリング歩行

・田村 芙美子さんの投稿
大分雪が積もりましたね。 PW貯筋クラブで 御所ケ丘広町緑地の 富士山見晴台を2ヶ所登り時間オーバーしてゴール。空腹。

・佐々木 尚美さんの投稿
【最近のジム】 パーソナルジム3ヶ月目。 最近は「機能改善」にシフトしました。 特に使えてない背中を鍛えて姿勢保持を目指し 広背筋や菱形筋を鍛えてます🎵 ラットプルダウンはこちら↓ 持ち手をアタッチメント(横から持つ)に変えてます!

・スマイルチームさんの投稿
20231017。 清新包括支援センターさん主催。 ポールウォーキング教室全3回の初回。 15名参加。スタッフさん7名。 今までたくさんの教室を 行って来ましたが、 1番と言って過言でないほど素直な頭と体をお持ちの参加者の皆様でした。 ちょっと驚いた‼️❣️ほど。 こちらが伝えたことを そのまんま素直に聞きいれ、そのまんま素直に体に伝えられました。 ほんとにすごかった‼️ 後2回楽しみです😊 #相模原市中央区 #南橋本 #地域包括支援センター #ポールウォーキング教室 #スマイルチーム #清新地区 #ソーシャルフィットネス #ポールウォーキング

・校條 諭さんの投稿
さわやかな秋晴れのもとポール歩きと街探訪 先週土曜日のことです。個人的なグループの会「気ままにポール歩き」は、蚕糸の森公園(東高円寺)、新装成ったセシオン杉並、桃園川緑道、高円寺駅近くの商店街、小杉湯、馬橋公園、Aさんの庭、神明宮をめぐって、阿佐ヶ谷駅前でクールダウン、駅前ビル内の翠海(中華)でカンパイしました。 随所に金木犀があって、香りをかぎながらのウォーキングでした。 *蚕糸の森公園は、旧蚕糸試験場跡の区立公園 *桃園川緑道は、いまは暗渠 *小杉湯は人気の銭湯で、正面の「唐破風」など一見の価値あり。近く原宿に出来る東急プラザ内に出店へ ※写真撮影は私と田村和史さん。

・堀 和夫さんの投稿
河川環境楽園オアシスパーク 2本のポールを使ったウォーキング➕体操教室  5年間も国土交通省水辺共生体験館をお借りしてましたが今日からオアシスパークの新装になった ひだまりホールでの開催になりました。 今日はローリング歩行バージョンを井上インストラクターの指導の下、ポール・ボールで楽しくお勉強。 あとはお決まりの園内でのウォーキング。 皆さんの笑顔いっぱいが今日も見れましたよ。

・田村 芙美子さんの投稿
「渋谷はハローウィンの街では有りません」のメッセージ。早くもクリスマスの装いが。渋谷PW教室では筋力トレーニングの話と実践、1段-2段ギアチェンジの練習。 メリハリがあってとても上手くできました。学期ごとに雰囲気の違うメンバーが和気あいあい。また来週が楽しみです。

・佐藤 恵さんの投稿
一関に住んで20年。栗駒山のそばに住んでるのに、一度も登ったことがなかった。今年はなぜか行きたい衝動にかられ、いざ栗駒山へ! 須川登山口からの産沼コース。急な坂、ゴロゴロの岩、グチャグチャに濡れた道、足場の悪い沢‥。はっきりいってなめてた〜! ようやく登頂〜!紅葉にもギリギリ間に合った😊

・水間 孝之さんの投稿
全国ポールdeウォーク活動、研究交流集会in名古屋 全国にポールウォーキングの活動が広まっています‼️ 頑張りましょう‼️

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【肩甲骨を寄せて】  2023/10/21   腕振りはウォーキングを   全身を使った運動へ変えるよ〜  今日も元気に  気持ちよく歩きました。 #船橋ウォーキングソサイエティ #土曜日海老川 #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #ポールウォーキング #スマートバンド #脂肪燃焼  #消費カロリーアップ  #背筋ピンウォーキング   #肩こり改善予防 #心も若く体も若く #歩幅拡大

・名古屋フィジカル・フィットネス・センターさんの投稿
雲一つない、最高の秋晴れの日曜日ですね! 今日は朝から津島市に来ています😊 4年ぶりに開催されました「いきいきウォーキング」にお邪魔しています❗️ コロナでこの3年間はお休みでした😢 でもこうやって400名近くの皆さんに参加いただくイベントがまた開催できて本当に嬉しいですね! 私は準備体操や整理体操健康講話などなど、いろいろお役目をいただいております‼️😉 コース途中には飲み物のサービスあったり、ゴール後はカレーも用意されています❗️ 地元の高校生たちをはじめ、多くの皆さんのボランティアの協力があって成り立つイベントなんですね☺️ こうした機会に参加させていただけることに感謝です。 そして、今後も多くの市民の皆さんに愛されるイベントして長く長く続けていただけることを心から願っています😌

・田村 芙美子さんの投稿
ひんやり涼しい日曜日の朝 逗子グリーンヒルポールウォーキング定例会 スクワット5種に挑戦しました 野菜の籠は鎌倉駅ホームのベンチにて

・水間 孝之さんの投稿
今日は佐久市のセミナーです‼️ 皆さん正しい歩行の意識がとても高いですね‼️

・新地 昌子さんの投稿
紅葉とポールウォーキングの相性は最高ですね。ポールで足元の安全を確保しながら、こうして秋の景色を楽しむ。一人で見てもいいけれど、みんなで見る紅葉は綺麗だね!が増幅する気がします😊 今日は佐久PW協会の散策ウォークで女神湖を歩きました。

・中嶋  佳奈恵さんの投稿
透き通った秋晴れに 今回も医王山を歩く事ができました!

・田村 芙美子さんの投稿
🆕 空手を始めました 🥋 ◯◯の手習い いくつになってもまた新しいことに挑戦です 鎌倉と空手道の縁を知り 身近で一層関心が深くなりました Never too late to learn. PW&NWで歩いたあと 夕方から心と身体を整える週末を過ごしませんか この指止まれ~

・佐藤 ヒロ子さんの投稿・
【色んなトレーニングしたけれど】   2023/10/23 #シニアポールウォーキング  #船橋ウォーキングソサイエティ 転倒予防の為に下肢トレーニング 質の高い歩きをめざし     上肢トレーニング でもでも   一番活発だったのは      おしゃべりtimeでした〜 (^_^;) ヽ(`▽´)/ \(^o^)/    Happy day 💞 #法典公民館 #転倒予防エクササイズ #腕振り #チェアエクササイズ #ポールウォーキング  #ノルディックウォーク #背筋ピンウォーキング #フレイル予防 #NPWAマスターコーチプロ #元気シニアが多い街

・スマイルチームさんの投稿
2023.10.23 活動記録  スマイルルネポールウォーキング。 4〜5名でのグループレッスンです、 今日は2名でしたが、 ポールウォーキングを教えてもらい たい方がいると隣の地区の包括職員がご夫婦を伴って体験に来てくれましたので、私を含め6人で、お喋りタイムも楽しく1時間のレッスンをしました。 氣候も良く氣持ちの良い時間でした。 体験後早速ポール購入希望。 杖や、カートを使っている方もポール でのウォーキングのしやすさ、背筋が伸びる感じ、安定感、安心感など、 1時間の(お喋りタイム込み)体験 でしっかり体感してもらえた様です。 ポールと言うツールの素晴らしさを今日も改めて感じました🦯🦯。 #ポールウォーキング®︎ #にほんつえ #公園ウォーキング #高齢者体力つくり支援士 参加者様の写真撮らずでしたので うちのニャンコの昼寝姿😽

・治療室 一灸さんの投稿
ウォーキングが気持ちいい所、みっけ

・田村 芙美子さんの投稿
爽やかな秋晴れ 三浦ポールグループ有志7人で 台峯コースを歩きました。 広町緑地に似た鎌倉の里山ですが、さらにスケールが広大です。

・スマイルチームさんの投稿
20231024。 清新包括支援センターさん主催 ポールウォーキング教室 4回コース3回目 21名参加 お天気に恵まれ 近くのグランドで広々ウォーキング&エクササイズ出来ました。 ポールウォーキングのすごいところは 手にしたその時から その【良さ】を実感出来るところです❣️ #清新包括支援センター #ポールウォーキング #教室 #南橋本自治会館 #スマイルチーム #sagamihara_pic #相模原市中央区

・名古屋フィジカル・フィットネス・センターさんの投稿
【続編①】これならできる!運動指導初心者の指南書〜特定保健指導、介護予防指導などで必ず役立つ!|長谷川弘道

・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【秋ですね〜】   2023/10/26  腕振りを意識  気持の良いウォーキングが  できたみたいです。 #船橋ウォーキングソサイエティ #行田公園 #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #美アップウォーキング #骨盤回旋ウォーキング #筋トレとストレッチ

・田村 芙美子さんの投稿
腰越ポールウォーキング教室 テレジア包括さんが会場に訪ねてくださった。地域内の4つのサークルをみると、始めた当初は若く元気だったメンバーさんも歳を重ね サークル内で体力に差が出てきたのが気になる。サークルの壁をはらって自分の体力に合う活動をしているところに自由に参加してはどうかという話。健脚さんは西鎌自治会や広町緑地山歩き。体力維持希望さんは腰越・手広室内教室へ。等  地域は殆んど被りますし、活動日が異なるのでもっと運動したいかた、仲間を増やしたいかたは全てに参加も可能です。

・長谷川 弘道さんの投稿
【続編②〜第二章 「2.習慣に気づくためには」】これならできる!運動指導初心者の指南書〜特定保健指導、介護予防指導などで必ず役立つ!|長谷川弘道

・堀 和夫さんの投稿
今日は2のつく日。 午前中は御嵩町生涯学習で2本のポールウォーキング教室。 芝生でウオーク、いいねえ。 午後からは楽園・ボーの森の2台のチェーンソーで木🌲と闘う❗️新しいキャンプ場エリアの開拓だ。

・スマイルチームさんの投稿
2023.10.27 活動記録 ☺︎スマイル星が丘PW リハビリメインのポールウォーキング&ポールエクササイズ  術後半年ぶりに復帰参加の方のお話も沢山聞けました。これから、更にリハビリを楽しみながらしっかり行う決意表明をされていました(^-^)v。 ☺︎ウォーキング教室④  (ひとつ前の投稿をご覧下さい) #ポールウォーキング®︎ #ポールdaエクササイズ #高齢者体力つくり支援士 #ウォーキング #介護予防 #リハビリ

・スマイルチームさんの投稿
意味のある歩き方をしましょう。折角歩いても無駄な歩き方では勿体無いよね。#歩き方

・feel Health&Beautyさんの投稿
第29回手賀沼マラソン大会でした! 1回目からお手伝いしています😊 29歳歳を重ねたのですね😓

・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より コロナ5類後 佐久市保健補導委員さんからの依頼で臼田/宮代区-川原田区コラボPW体験会/地元の古屋コーチとお邪魔でした。 20名越えの参加者の皆さんと新海3社神社〜五稜郭(旧田口小学校)と秋真っ只中の臼田地区東側をPW闊歩❗️ お疲れ様した‼️ ランチは商店街/〜コロナ食堂〜でお勧めソースカツでなくエビ丼で締め❗️〜旨し〜

・杉浦 伸郎さんの投稿
これぞ地域力と繋がりの総結集です! 北鎌倉円覚寺にある国宝の釣り鐘「洪鐘(おおがね)」が完成したことを祝って鎌倉時代から60年に1度行われてきた「洪鐘祭」が昨日町内界隈で催されました。洪鐘が江島神社の弁財天の啓示によって完成したと伝わることから、同神社の氏子や地元お囃子会、御輿、地域の学校の子ども達らも参加し盛大な祭礼行列が繰り広げられました。次は60年後ですが、2回参加できる人が増える時代になっている事でしょうね!

・名古屋フィジカル・フィットネス・センターさんの投稿
【続編③〜第二章 「3.健康のための運動のポイント」】これならできる!運動指導初心者の指南書〜特定保健指導、介護予防指導などで必ず役立つ! |長谷川弘道

・高橋 美保子さんの投稿
【完走】 10月29日 第6回ふれあいトライアスロン伊良部大会 無事完走できました😊 先輩トライアスリートの皆さま ライフセーバーの皆さま たくさんのボランティアの皆さま 安全安心な素晴らしい大会をありがとうございました😭😭✨ 完走証の文章に感動して涙しそうになる🥺 本番はどんな世界が待ってるのだろう… 来年4月、宮古島トライアスロンに向けて練習スタートします💪✨ まずはエントリー完了🙆‍♀️ ズミッ‼️ #ナチュラルライフ #島ライフ #島遊び #心の眼 #神様は見ている #起こることを楽しむ #ぬかぬか行こう #nature

 

来月以降の予定
・みんなの元気学校さんの投稿
【令和5年11月1日】「ポールウォーキング」を開催します。|お知らせ|世田谷区立保健医療福祉総合プラザ

・名古屋フィジカル・フィットネス・センターさんの投稿
来る11/26(日)、長久手市の愛知フットサルクラブにて『なかくてスポーツフェスティバル』が開催されます!そこで、2コマ、当方のオリジナルプログラム“遊びットネス”を年長さんから小学生対象にやらせていただきます‼️是非ご来場ください❗️

・田村 芙美子さんの投稿
[] 鎌倉ミステリー&鎌ポ [] お待たせいたしました😅 今秋の鎌倉ミステリーツアーP&Pは鎌ポ(鎌倉ポール歩きの会)と合同で 11月27日(月曜日)の予定です。詳細は20日頃お知らせしますので 🗓️に✔️いれておいてくださいね。 この日ご都合のつかない方は 12月7日に鎌ポ紅葉狩りを開催予定です。 両方にご参加も大歓迎です😃🎶

・NPWAスキルアップ研修会(今年最後の開催です)
日時:12月3日(日)13:00-17:00
場所:東京都渋谷区 国立オリンピック記念青少年総合センター
研修概要:
セッション(1):改定ベーシックマニュアルのポイント説明 30分
セッション(2):ウォームアップ、クールダウン 1時間
セッション(3):筋力トレーニング(立位、座位)1時間
セッション(4):ポールウォーキング3つの強度設定(ギアチェンジ、スローピング、ス  テッピング) 1時間
申込方法:FAXまたはメールでNPWA宛へ

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2.『AlphaMissense』、『AlphaFold』とは?
『AlphaMissense』はヒトの遺伝子の小さな変異が病気の原因になる可能性を予測し、『AlphaFold』はタンパク質の立体構造を予測する人口知能AIです。両者は、グーグル・ディープマインドが開発しました。

(2-1)『AlphaMissense』とは?
生物・医学・人工知能AIに関心を持たれる方には見逃せない記事が、SCIENCE誌 2023 年 9 月 19 日 第 381巻、第6664 号に掲載されています。
・JUN CHENG、et al. 『Accurate proteome-wide missense variant effect prediction with AlphaMissense(AlphaMissense による正確なプロテオーム全体のミスセンスバリアント効果予測)』
です。

『AlphaMissense』は、ヒトの遺伝子の小さな変異が病気の原因になる可能性を予測するグーグル・ディープマインドが開発した人工知能AIです。

以下は、同雑誌・論文からの翻訳(Chromeによる)抜粋です。
Editor’s summary(編集者のまとめ)
「タンパク質の単一アミノ酸の変化はほとんど影響を及ぼさない場合もありますが、多くの場合、タンパク質の折り畳み、活性、または安定性に問題が生じる可能性があります。実験的に研究されている変異体はほんの一部ですが、機械学習アプローチのトレーニング・データとして使用するのに適した生物学的配列データは膨大にあります。チェンらは、タンパク質構造予測ツール AlphaFold2 に基づいて構築された深層学習モデルである AlphaMissense を開発しました (Marsh と Teichmann による展望記事を参照)。このモデルは集団頻度データに基づいてトレーニングされ、配列と予測された構造コンテキストを使用します。これらすべてがパフォーマンスに貢献します。著者らは、トレーニングには含まれていない臨床データベースを使用して関連する方法に対してモデルを評価し、バリアント効果の多重アッセイとの一致を実証しました。ヒト・プロテオームにおけるすべての単一アミノ酸置換の予測は、コミュニティ リソースとして提供されます。
—マイケル・A・ファンク」

AlphaMissense の病原性予測
「AlphaMissense はミスセンス変異体を入力として受け取り、その病原性を予測します。私たちは、ヒトおよび霊長類の変異個体群頻度データに基づいて AlphaFold を微調整し、既知の疾患変異に対する信頼度を調整しました。AlphaMissense は、ミスセンス バリアントが病原性である確率を予測し、それを良性である可能性が高い、病原性である可能性が高い、または不確実であるのいずれかに分類します。私たちは、コミュニティのリソースとして、考えられるすべての人間のミスセンスの亜種に対する予測を提供します。」

以下は、Bingとの質疑応答です(2023年10月5日実施)。
Q1:AlphaMissenseとは
• Google DeepMindが開発した機械学習モデルで、人体の遺伝子変異を分析し、疾患を引き起こす確率を予測する。
• AlphaFoldの技術を応用し、タンパク質の配列におけるミスセンス変異(遺伝子コードが1文字変化する変異)を特定する。
• 90%の正確性で7,100万通りのミスセンス変異に病原性スコアを割り当てる。
AlphaMissenseの利点
• 希少疾患や複雑な疾患の原因となるミスセンス変異を迅速に見極めることができる。
• Genomics Englandと協力し、実世界の遺伝子データと突き合わせて検証した。
• 人間の生存に重要な遺伝子の不可欠性や機能について理解を深めることができる。

Q2.どのように予測するのですか?
AlphaMissenseは、タンパク質のアミノ酸配列を言語として扱い、ミスセンス変異が配列にどのような影響を与えるかを予測する機械学習モデルです。1 このモデルは、AlphaFoldというタンパク質の構造を予測するモデルに基づいており、人間のゲノム内のすべての可能性のあるミスセンス変異に対して、疾患を引き起こす確率を0から1までのスコアで表します。 このモデルは、実世界の遺伝子データと比較して90%の正確性を示し、希少疾患の診断や治療に役立つことが期待されています。

Q3.この技術が将来的に医療分野でどのような役割を果たすことが期待されていますか?
この技術は、医療分野で以下のような役割を果たすことが期待されています:
• 希少疾患の診断や治療に役立つ。AlphaMissenseは、病気の原因となるミスセンス変異を迅速に特定し、適切な遺伝子治療を選択するのに役立つかもしれません。1
• 複雑な疾患の予防や管理に役立つ。AlphaMissenseは、2型糖尿病などの複雑な疾患に関連するミスセンス変異の影響を予測し、個人化された予防策や介入策を提案するのに役立つかもしれません。
• ゲノミクス分野の研究を加速させる。AlphaMissenseは、人間のゲノム内のすべての可能性のあるミスセンス変異に対して病原性スコアを割り当てることで、新たな洞察や仮説を生み出すことができます。また、タンパク質の構造や機能に関する知識を深めることもできます。

Q4.ミスセンス変異とは何ですか?
ミスセンス変異とは、1つの塩基対が変化することにより、生成されるタンパク質の中で異なるアミノ酸に置換されてしまうことを指します1。このアミノ酸の置換は、何の影響も及ぼさない場合もあれば、タンパク質が機能しなくなる場合もあります1。つまり、タンパク質の中のどういう位置のアミノ酸が置換されてしまうのか、ということが重要である1。たとえば、リガンドのリセプターに認識して結合する部分のアミノ酸の置換でタンパク質の立体構造が変わってしまい、より結合しやすくなると機能獲得型変異となり、より結合しにくくなると機能喪失型変異となります1。立体構造にまったく影響がない場合は変化がないという事になります1。
詳細情報:1. minerva-clinic.or.jp2. genetics.qlife.jp3. lab.agr.hokudai.ac.jp+1 その他

Q5.ミスセンス変異以外にも、遺伝子変異はありますか?
はい、ミスセンス変異以外にも、遺伝子変異はいくつかの種類があります12:
1. ナンセンス変異:遺伝子のDNA配列のうち、1文字(1塩基対)の変化です。この変異では、あるアミノ酸が別のアミノ酸に置き換わる代わりに、タンパク質の合成がその部分でストップします。その結果、ナンセンス変異の生じたタンパク質は、適切に機能しなくなるか、まったく機能しなくなります1。
2. 挿入(インサーション):DNAの一部が追加され、塩基数が変化する(増える)ことです。挿入の生じた遺伝子から作られるタンパク質は、適切に機能しなくなる可能性があります1。
3. 欠失(デリーション):DNAの一部が欠けて、塩基数が変化する(減る)ことです。小さな欠失では、遺伝子内の1つ~数個の塩基対が欠けますが、大きな欠失では、遺伝子全体またはいくつかの隣接する遺伝子が欠ける可能性があります。欠失の生じた遺伝子から作られるタンパク質は、適切に機能しなくなる可能性があります1。
4. 重複(デュプリケーション):DNAの一部が、異常に1回以上コピーされることです。重複が遺伝子に生じると、そこから作られるタンパク質の機能が変化する可能性があります1。
5. フレームシフト変異:DNAの挿入または欠失により、遺伝子の「リーディングフレーム」が変化して起こります。タンパク質のアミノ酸配列は、遺伝子の塩基配列のうち、3文字ずつのグループを順番に読み取ることで決定されていきます。この、読み取られる部分をリーディングフレームといいます。フレームシフト変異では、挿入や欠失により、3文字のグループがずれ、適切なアミノ酸への変換がなされなくなります。作られたタンパク質は、ほとんどが機能しません1。
これらはすべて遺伝子変異であり、それぞれ異なった影響を及ぼす可能性があります12。

解説記事
・日本経済新聞(2023年9月29日朝刊)、『Googleが新型AI、病気につながる遺伝子変異を予測』
・WIRED jp、『遺伝子変異による疾患を正確に予測、DeepMindの新たな機械学習モデルが希少疾患の研究を加速する』

(2-2)『AlphaFold』とは?
『AlphaFold』はタンパク質の立体構造を予測するグーグル・ディープマインドが開発した人工知能AIで、ノーベル賞級の開発成果と言われています(上記日経記事)。
・John Jumper, et al., Highly accurate protein structure prediction with AlphaFold、Nature volume 596, pages583–589 (2021)

以下は、同論文のAbstract(要約)です(なお、文中の数字は同論文の参考文献番号です)。
「タンパク質は生命にとって不可欠であり、その構造を理解することで、その機能の機構的な理解を容易にすることができます。膨大な実験的努力 1、2、3、4 により、約100,000個の固有のタンパク質の構造が決定されています5が、これは数十億の既知のタンパク質配列のほんの一部にすぎません6、7。単一タンパク質の構造を決定するには数か月から数年かかる骨の折れる作業が構造範囲のボトルネックとなっています。このギャップに対処し、大規模な構造バイオインフォマティクスを可能にするためには、正確な計算アプローチが必要です。アミノ酸配列のみに基づいてタンパク質が採用する三次元構造を予測すること (「タンパク質の折り畳み問題」8の構造予測要素) は、50 年以上にわたって重要な未解決の研究課題でした9。最近の進歩にもかかわらず10、11、12、13、14、特に相同構造が利用できない場合、既存の方法は原子精度にはるかに及ばない。今回我々は、類似の構造が知られていない場合でも、原子精度でタンパク質の構造を規則的に予測できる初の計算手法を提供する。私たちは、ニューラル ネットワーク ベースのモデル AlphaFold の完全に再設計されたバージョンを、挑戦的な第 14 回タンパク質構造予測の重要評価 (CASP14) で検証しました15、ほとんどの場合において実験構造と同等の精度を示し、他の方法を大幅に上回ります。AlphaFold の最新バージョンを支えているのは、タンパク質構造に関する物理的および生物学的知識を深層学習アルゴリズムの設計に組み込む、複数配列アライメントを活用する新しい機械学習アプローチです。」

Bingに聞いてみました(2023年10月5,7日実施)。
Q1.AlphaFoldについて教えてください。
AlphaFoldは、GoogleのDeepMindによって開発された人工知能プログラムで、タンパク質の構造予測を行うことができます12。このプログラムは、タンパク質の折り畳み構造を原子の幅に合わせて予測する深層学習システムとして設計されています1。
AlphaFoldは、2つの主要なバージョンがあります。研究者チームはAlphaFold 1 (2018年)を使用して、2018年12月に開催された「第13回 タンパク質構造予測精密評価 (CASP)」の総合ランキングで1位を獲得しました1。その後、チームはAlphaFold 2 (2020年)を使用して、2020年11月のCASPコンテストに参加しました1。このプログラムは、CASPのグローバル距離テスト (GDT)において、約3分の2のタンパク質について90以上のスコアを獲得しました1。
AlphaFold2は、「アミノ酸配列からタンパク質の三次元構造を予測する」モデルであり3、わずかな時間でアミノ酸配列からその立体構造を極めて高い精度で予測できることが示されました43。これにより、生命科学全般の研究に大きな影響を与えました43。
詳細情報:1. ja.wikipedia.org2. weblio.jp3. tech.fusic.co.jp4. jstage.jst.go.jp5. bing.com6. orcid.org7. doi.org+4 その他

Q2.AlphaFoldはどのようにタンパク質構造を予測しますか?
AlphaFoldは、タンパク質の構造予測を行う人工知能プログラムです。1このプログラムは、以下のような手順でタンパク質の構造を予測します:
1. タンパク質のアミノ酸配列とその類縁種の配列を入力として、多重配列アライメント(MSA)を作成します。2MSAは、配列間の相関関係を分析することで、どのアミノ酸残基が接触しているかを推測するために使用されます。34
2. MSAをもとに、深層学習モデル(CNN)を用いて、コンタクトマップと呼ばれる距離行列を予測します。コンタクトマップは、タンパク質の各残基間の距離やねじれ角を表すものです。
3. コンタクトマップから、ポテンシャルエネルギー関数を構築します。ポテンシャルエネルギー関数は、タンパク質の安定性や形状を評価するために使用されます。
4. 勾配降下法と呼ばれる最適化手法を用いて、ポテンシャルエネルギー関数を最小化するようなタンパク質の三次元構造を求めます。この過程では、複数回の試行と誤差を繰り返し、最も正確な構造予測を選択します。
AlphaFoldは、このようにしてタンパク質の構造予測を行います。1この技術は、生命科学や医学におけるタンパク質の機能や相互作用の解明に大きく貢献すると期待されています。
詳細情報:12345

Q3.CASPとは何ですか?
CASPとは、タンパク質構造予測精密評価(Critical Assessment of protein Structure Prediction)の略で、タンパク質のアミノ酸配列から三次元構造を予測する方法を客観的に評価するための世界的な実験です1。CASPは1994年から2年ごとに開催されており、タンパク質構造予測の分野の進歩を促進しています1。CASPでは、実験的に決定されたタンパク質構造を知らない状態で、その構造を予測することに挑戦します1。CASPには、テンプレートベースのモデリング、テンプレートフリーのモデリング、残基-残基接触予測、モデル品質評価など、さまざまなカテゴリーがあります1。CASPの最新版は2020年に開催されたCASP14で、GoogleのDeepMindが開発した人工知能プログラム「AlphaFold」が優勝しました2。AlphaFoldは、タンパク質の折り畳み構造を原子の幅に合わせて予測する深層学習システムで、高い精度と速度を示しました23。
詳細情報:1. ja.wikipedia.org2. ja.wikipedia.org3. comptia.jp

Q4.タンパク質の構造を知ることの目的を教えてください。
タンパク質の構造を理解することは、生命現象の理解を深めるだけでなく、産業用酵素・医薬品等の研究開発でも応用されています1。タンパク質の働きを知ることができれば、「生命とは何か?」という疑問の一端を解明することに繋がります1。また、タンパク質の構造を精密に観察することができれば、その仕組みを知ることができます1。このような研究分野を「構造生物学」といいます1。
具体的には、例えば病気の原因となるタンパク質の働きとそれを発揮するしくみを深く理解できれば、症状をコントロールする薬の設計を行うことができます1。また、酵素(生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子)の働きのしくみを理解することができれば、より安定した素材を用いて模倣し、人工触媒としたり、あるいは酵素そのものを高機能化し、産業用酵素として利用したりすることができるようになり大きなメリットをもたらします1。このしくみを理解するのに力を発揮するのが構造生物学の分野です1。
詳細情報:1. humans-in-space.jaxa.jp2. ja.wikipedia.org3. bing.com4. morinaga.co.jp+3 その他

Q5.タンパク質の構造を知るためにはどうすればいいですか?
タンパク質の構造を理解するためには、以下の手法が一般的に使用されます123:
1. X線結晶構造解析法:タンパク質を結晶化し、その結晶にX線をあらゆる方向から照射します。その後、X線の解析パターンからタンパク質の立体構造を解析します12。
2. 核磁気共鳴分光法(NMR):この方法は、原子核が磁場中で共鳴する性質を利用してタンパク質の構造を解析します3。
3. 電子顕微鏡法:この方法は、電子顕微鏡を使用してタンパク質の構造を観察します2。
これらの手法は、タンパク質の三次元構造を明らかにするために使用されます。これは「構造生物学」の研究分野であり、これらの技術が使われます3。
また、筑波大学生物学類のウェブサイトでは、タンパク質の結晶化から立体構造の解析までのプロセスが詳しく説明されています1。このページでは、タンパク質「フェレドキシン還元酵素BphA4」や「D–アスパラギン酸酸化酵素」の結晶化実験の様子や、X線結晶構造解析の手法などが紹介されています1。
これらの手法は専門的な知識と技術を必要としますが、これらを学ぶことでタンパク質の構造とその働きについて深く理解することができます。
詳細情報:1. cbs.biol.tsukuba.ac.jp2. bi.biopapyrus.jp3. ja.wikipedia.org4.idenwatch.com
+2 その他

解説文献・動画
・AlphaFold – Wikipedia
・森脇 由隆、『AlphaFold2までのタンパク質立体構造予測の軌跡とこれから』、JSBi Bioinformatics Review Online ISSN : 2435-7022  2022 年 3 巻 2 号 p. 47-60
・森脇由隆、神戸大学・計算生命科学の基礎9「タンパク質の立体構造予測-AlphaFold以前と以後-」①、②、③

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)