カテゴリー
エビデンス 活動事例 直立2足歩行 認知症薬

2023年8月のニュース

皆さんにとって、8月はどのような時でしょうか?
何時の頃から習慣化したものなのか、私にとって8月は次のステップへ備えるための準備期間になっています。
NPWA会員の皆さんにも、それぞれの夏があったようです。

1.8月~それぞれの夏
・8月3日の活動スマイルチームさんの投稿
20230803活動。 本来、ポールウォーキング活動日。 猛暑予想し室内活動。 毎年恒例の 《AED&胸骨圧迫プチ体験》 《スマイルエクササイズ》 《モルック&ボッチャ》 と、盛りだくさんのスマイルDAY☺️ 参加いただきありがとうございました。 今日8/4は上鶴間公民館で AED&胸骨圧迫プチ体験やります❣️ #スマイルチーム #健康普及活動 #AED #胸骨圧迫 #救命救急 #エクササイズ #モルック #ボッチャ #和室ならではエクササイズ #東林公民館 #sagamihara_pic #相模原市南区 #命を大切に

・【渋谷区介護予防ポールウォーキング教室】田村 芙美子さんの投稿
【渋谷区介護予防ポールウォーキング教室】☀️ 熱中症警報アラーム発令にも拘らず皆さん元気に参加してくださいました。高齢者施設のためマスク着用です。 ストレッチ・筋トレ・1段2段ギアチェンジPWと中之条研究が今日のメイン。目標は平均1日8000歩うち20分中強度ね。

・鎌倉八幡宮 ぼんぼり祭り杉浦 伸郎さんの投稿
鎌倉八幡宮 ぼんぼり祭り 立秋のこの時季の風物詩で、毎年必ず散歩がてら訪れます。 (以下Chat GPTで翻訳) Bonbori Matsuri @ Kamakura Hachimangu Shrine is a festival that originated to express gratitude for the safe passage of summer and to announce the arrival of bountiful autumn to the gods. As evening falls, approximately 400 lanterns painted by cultural and prominent figures associated with Kamakura are illuminated along the approach to the shrine. The temple grounds are enveloped in a fantastical atmosphere. I love it!!

・母とドライブ松井 浩さんの投稿
昨日は母と福島県にドライブ お日様パワーが凄い分だけ綺麗な夕焼けでした♪

・お隣さんがやってきて佐々木 尚美さんの投稿
お隣さんがやってきて 「夫の実家からたくさん送られてきたので、お裾分けです」 と梨を頂きました。 下町は相変わらずご近所のお付き合いがありますよー 冷やして食べよ♪

・夕暮れ&ナイトウォーク校條 諭さんの投稿
夕暮れ&ナイトウォーク  井の頭公園でポール歩き&吉祥寺の街散策 気ままにポール歩きシリーズ。7月につづいてナイトウォークにしました。 とはいえ、けっこう暑かったですが、カンカン照りがおさまった公園をポールでさっそうと歩きました。 太陽が西に沈むときの不思議な光景や、見慣れているはずのジブリ美術館の夕暮れならではの顔などに出会いました。 公園から出ると吉祥寺の人混み。ポールをしまって、ハモニカ横丁のノンベエさんたちを横目に通り過ぎて、青山から移ってきたクレヨンハウスに立ち寄り。そのあと、月窓寺へ。不思議な雰囲気を味わうはずが、暗すぎてよくわからず。 打ち上げというか暑気払いというか、カヤシマという洋食屋さんでカンパイをしました。街中華ならぬ街洋食屋という感じかな。孤独のグルメで取り上げられた店です。 (撮影は私と田村和史さん)

・2023/08/19 (六)【日本健走杖健走教練 Basic 基礎班培訓課程 】台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
『健走健康的推動者,從你開始』 2023/08/19 (六)【日本健走杖健走教練 Basic 基礎班培訓課程 】 圓滿結束✨健走杖,健康同行 很高興活動當天, 我們與一群熱情的參與者攜手, 共同探索了健走杖運動的深層魅力😍~ 深入了解了健走杖運動的核心原理, 學習了正確的姿勢、使用技巧以及如何將這些知識傳遞給更多人。 感謝每一位熱情參與的你們, 你們的熱忱將為台灣的健康運動注入新的活力‼️ 再次感謝🙏每一位參與課程的朋友們, 是你們的參與讓這次培訓充滿了歡樂😄與意義。 期待未來能夠再次與大家攜手👫, 共同探索更多的健康之路! 健走運動不分國籍、年齡 歡迎大家報名2023健走杖接力環島🌟 活動從10月正式開始🔥 🔗 報名網址:https://reurl.cc/AAmxzj

・50歳になりました!柳澤 光宏さんの投稿
50歳になりました!誕生日の今日は日曜日だったので、昼間は大浅間でゴルフ。45歳を過ぎてからの友人は大浅間で知り合ったメンバーさんも多く、人生やらお酒やらゴルフやらいろいろ学ばせていただいています。今日一緒に回ったメンバーにもお祝いしてもらい感謝です(^-^) 最近思うことは、出会いが充実しているなと感じます。仕事はもちろんですが、ゴルフ繋がりや経営者繋がりなど仕事以外での出会いや繋がりが充実しているなと。こんな私とお付き合いいただき感謝です(^-^) 週一ジム、週一バスケ、週一ゴルフ、冬はスキーなど、自分の身体を動かす欲求にたいしては対応でき、楽しみながら身体を維持できているのではと思います。 経営者としては、今の自分としては遅くても67歳ぐらいには社長を退き、若い力にバトンタッチしたいと思っているし、交代できるだけの健全な会社にしなくてはとも決意している。なので後輩社員の育成に力を入れ、資産をどう形成し継承していくのか学び実践していきたいと思っています。仕事はいろいろ山あり谷ありで大変だけど、なんだかんだ楽しみながらできているのではと(^-^)面白い企画も控えているし、新規の直営店も計画しているので、時期がきたらお知らせできると思います。 50歳になっても今と変わらずアクティブにいきますので、仕事、お酒、ゴルフ、バスケ、スキーと引き続きお付き合いください!!

・「ポールdeウォーク」講演会&体験会」杉浦 伸郎さんの投稿
東京都北区地域づくり応援事業「ポールdeウォーク」講演会&体験会。赤羽駅に降りたった時の暑さ感覚は、まさにサウナの「ロウリュ」そのもの。そんな厳しい暑さにも関わらず多くの区民の皆さんに参集頂きました。明日、月曜も滝野川会館にて同内容で開催。東京都健康長寿医療センター藤原先生の講演は特におススメです!指導者の皆さん、区民以外の方、どなたでも参加可能です。直接会場にお越し頂ければ私が対応しますので宜しければどうぞ!

・遊びットネス名古屋フィジカル・フィットネス・センターさんの投稿
NPFC遊びットネス – YouTube

・入笠山へ校條 諭さんの投稿 とRuri Nissatoさんの投稿
長野県富士見市の入笠山の湿原にて。新里るりさんのうれしい企画でした😊

 

・今日は、私の誕生日田村 芙美子さんの投稿
今日は処暑。mon anniversair 誕生日。 皆さま 誕生祝コメントをありがとうございます。 FBの誕生日が去年までの非公開から公開に変更されていて今朝は早くから祝辞を頂いてしまいました。恐縮です。 日頃皆さんとSNS交流でき、これが精神的老化防止の一端となって有り難いです。 今日はたまたま研修会があり終了後びっくりポン(古い!)のお茶タイムを用意して頂き ~Happy birthday to タムさん🎶~を唄ってお仲間から最高齢を祝っていただきました。ありがとう❤️ 老いても 若い皆さんとご一緒に活動できるのは何事にも代えがたい幸せです。 微力ながらこれまでの経験を介護予防に役立てればと思います。あと暫くよろしくお付き合いくださいね。 鎌ポ、鎌倉ミステリーでお会いできるのを楽しみに。感謝

・障がい者スポーツ支援株式会社シナノ(sinano)さんの投稿
障がい者スポーツ支援 パラ卓球×株式会社シナノ

・コアキッズ体操中嶋  佳奈恵さんの投稿
【楽しみながらコアキッズ体操】 わにやらっこ歩きも体幹を鍛えます。 紙コップタワーをつくりながら 遊びの中から成長を。

・夏休みイベント in 宮古島高橋 美保子さんの投稿
夏休みイベント開催☀️🌻 8月27日(日) 【親子SUP】 親子でSUP遊びしましょう🌴😆😆 予約受付、お問い合わせ SUP SHOP 海楽 0980-74-7030 宮古島在住のみなさま、お待ちしております‼️

・夜練スマイルチームさんの投稿
昨日の夜練。 エビバディパフォーマンス連盟【とりどり】として 9/17相模原市文化協会【文化協会祭】 で踊ります😊 今年は0歳から84歳のダンサーの皆さんがステージに上がります👶👧🏻👱🏼‍♀️👱🏻🧓🏻 様々なジャンルの祭典です。 詩吟、邦楽、フラダンス、奇術、社交ダンス、ヒップホップ、昭和歌謡ダンス、ポンポンダンス謡曲、 お楽しみに! #sagamihara_pic #相模原市文化協会 #文化協会祭 #スマイルチーム #とりどり #エビバディパフォーマンス連盟 https://www.instagram.com/reel/CwWC29BIpTg/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

・「伝統と創造のジュエリー」胡麻嶋 理恵さんの投稿(澤田基夫さんタグ付け)
私の生まれ育った富山県小矢部市で「伝統と創造のジュエリー」をテーマに、ジュエリーへの想い、稼業への想い、富山への想いなどお話しさせていただきました。 私にとって富山は今も創造力を掻き立てる場所であり自分の基礎を形成した大切な場所です。いつの間にか自分がキャリアを積みお話させていただける立場に立てていることありがたく思います。自分のルーツを大切にこれからも前に進みたいと思います。ありがとうございました。

・佐々木奈々子さんの動画中村 理さんの投稿
佐々木 奈々子さんの動画です。

・ポールウォーキングクラブ in 富山向田 幸子さんの投稿
【ポールウォーキングクラブ】 in富山 環水公園富岩運河 夜のショートコース! 心地よいなぁ。 美しい富山。 ご褒美は 環水公園の水上パフォーマンス✨✨ ついてるなぁ❤️ #ポールウォーキング #歩行寿命を延ばす #全身運動 #ナイトウォーキング

・近未来研究会(最終回)校條 諭さんの投稿
近未来研究会、いつのまにか8年間 最終回は、「おとりよせネット」「FOODIST」「朝時間.jp」という有力サイトを運営している粟飯原理咲さん(アイランド社長)に、コミュニティを軸にしたお話をしていただきました。 粟飯原さんは、1996年にメーリングリストLIFEを企画、運営。LIFEは「生活者の視点からEC・オンラインショッピングを考える、女性だけの」ネットコミュニティでした。それを原点に、以来今日まで、形こそ一様ではありませんが、「わくわくできるテーマ」で「感動を共有できる」場(コミュニティ)をつくって、運営してこられました。ビジネスとしても成功しているというのがさすがです。 この会は、ネットラーニンググループ代表の岸田徹さんが、ドラッカーの「近未来は現在の中にすでにある」という言葉を念頭に発案、私にコーディネーターの声をかけてくれて始まりました。 当初はメンバー同士の非公開の会でしたが、毎日メディアカフェの中で発表するようになり、またちよだプラットフォームスクウェアにもタイアップでお世話になってきました。 最終回はネットラーニング本社会議室で開催、そのあと近くに繰り出して懇親会で盛り上がりました。 3年ぶりくらいのリアル会場での会。参加できなかったメンバーのみなさんには申し訳なかったですが、今回ひさびさにリアル、現場、対面の価値を実感しました。 終了を惜しむ声しきりでしたが、惜しまれるうちが花ということで・・・。

・夏休み最終日は女子会佐藤 ヒロ子さんの投稿
【夏休み最終日は  神楽坂で女子会】  よく食べました〜

 

9月以降の開催予定
・ポールウオーキング体験会みんなの元気学校さんの投稿
【令和5年9月6日】「ポールウォーキング」を開催します。|お知らせ|世田谷区立保健医療福祉総合プラザ

・夏バテ対策feel Health&Beautyさんの投稿

・東京都健康長寿医療センター研究所「第166回老年学・老年医学公開講座」
9月15日(金)より同センターの公式YouTubeにてオンライン公開されます。

・環島不是夢,運動來圓夢台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
✴️環島不是夢,運動來圓夢✴️ 「 #2023健走杖接力環島」的日期📅出爐了(請看下圖),大家趕快把時間訂下來,接下來也會陸續介紹各站的路線,當你決定好參加的站別,就可以揪伴、揪團來參加喔! 這是 #台灣健走杖運動推廣協會的年度盛事,有幾個特色: 💠一定要手持雙杖,日式、北歐式、不倒翁健走杖都可以,就是不能「空手到」(可以租借) 💠大家一起共同完成環島的夢,就像接力賽一樣,不孤單、不辛苦,大家合力完成。 💠這是結合在地旅遊資源的健走小旅行,不只健走杖運動,更可以認識台灣城鄉風貌。 ❤️感謝🙏各地站長踴躍推廣健走杖運動」,「好事不嫌晚,好地方不嫌多」,機關團體也可以自成一站,尤其是高雄、屏東、嘉義、苗栗這幾個縣市目前還缺站長,如果你願意,馬上跟協會聯絡,我們等的就是你。歡迎👏一起用健走小旅行的方式,認識我們生長的土地。 📝有任何疑問,歡迎私訊,將有專人回覆。 #台灣健走杖運動推廣協會 #健走小旅行 #接力環島 #台灣步道

・ポールウォーキング in 那谷寺~北陸ポールウオーキング倶楽部の中嶋  佳奈恵さんの投稿
【ポールウォーキングin那谷寺 〜西國三十三カ所巡り〜参加募集します】 コロナ禍前に開催していたポールウォーキングで那谷寺を歩くイベント。好評のまま、まだ開催されないんですか?とお話しもいただき、やっと再開できる事になりました!!! ぜひこの機会に那谷寺内にある西園三十三カ所をポールウォーキングで巡りましょう。 開催日 令和5年10月1日日曜日 8時40分集合11時解散予定 朝勤行に参加した後にポールウォーキングをします。 参加費 3.000円(保険料、拝観料込み) コーチ (一財)日本ポールウォーキング協会マスターコーチプロ 中嶋 佳奈恵 主催 那谷寺サポート倶楽部 運営 Wellness Design Lab ウェルネスデザインラボ 090-1639-1021

 

2.『歩行中の全角運動量』に係る論文紹介
角運動量は回転の勢いを表す物理量です。転倒しない安定歩行を得るため健康な人は、歩行中に全身の角運動量 (WBAM) を高度に調節しています。WBAM の調節はバランスを維持するために不可欠です。
東京大学の荻原直道研究室から2つの興味深い論文が、本年4月(論文①)と5月(論文②)に発表されているので紹介します。

論文①:
根岸拓生、荻原直道、「人間の二足歩行の生成における垂直自由モーメントの機能的意義」 Scientific Reports volume 13, Article number: 6894 (2023)

論文②:
根岸拓生、荻原直道、「人間の歩行における全身角運動量の制御」Scientific Reports volume 13, Article number: 8000 (2023)

(注)論文の和訳については、BingとChrome翻訳機能を用い、誤字などに気付いた箇所は修正しています。

2-1)論文①
Takuo Negishi & Naomichi Ogihara、「Functional significance of vertical free moment for generation of human bipedal walking」Scientific Reports volume 13, Article number: 6894 (2023)

Abstract
In human bipedal walking, the plantar surface of the foot is in contact with the floor surface, so that a vertical free moment (VFM), a torque about a vertical axis acting at the centre-of-pressure due to friction between the foot and the ground, is generated and applied to the foot. The present study investigated the functional significance of the VFM in the mechanics and evolution of human bipedal walking by analysing kinematics and kinetics of human walking when the VFM is selectively eliminated using point-contact shoes. When the VFM was selectively eliminated during walking, the thorax and pelvis axially rotated in-phase, as opposed to normal out-of-phase rotation. The amplitudes of the axial rotation also significantly increased, indicating that the VFM greatly contributes to stable and efficient bipedal walking. However, such changes in the trunk movement occurred only when arm swing was restricted, suggesting that the VFM is critical only when arm swing is restrained. Therefore, the human plantigrade foot capable of generating large VFM is possibly adaptive for bipedal walking with carrying food, corroborating with the so-called provisioning hypothesis that food carrying in the early hominins is a selective pressure for the evolution of human bipedalism.

要約
人間の二足歩行では、足の底面が床面に接触しているため、足と地面の摩擦によって圧力中心で作用する垂直軸周りのトルクである垂直自由モーメント(VFM)が発生し、足に加わります。本研究では、点接触靴を用いてVFMを選択的に除去することで、人間の歩行の運動学と力学におけるVFMの機能的意義と、人間の二足歩行の進化におけるVFMの役割を調べました。歩行中にVFMを選択的に除去すると、胸郭と骨盤は通常の逆位相回転とは対照的に同位相回転しました。また、軸回転の振幅も有意に増加しました。これは、VFMが安定的で効率的な二足歩行に大きく寄与していることを示しています。しかし、このような胴体運動の変化は、腕振りが制限された場合にのみ起こりました。これは、腕振りが制約された場合にのみVFMが重要であることを示唆しています。したがって、大きなVFMを発生させることができる人間の平足は、食物を運ぶ二足歩行に適応している可能性があります。これは、初期ヒト族における食物運搬が人間の二足歩行進化の選択圧であるといういわゆる供給仮説を裏付けています。
a.ヒトの二足歩行中に足底に作用する床反力(合力)とモーメント
b.アルミ球面(直径1000mm)を運動靴の靴底に接着させた点接触靴と,それを着用して行った二足歩行実験の様子。体の各部位の動きは,体表につけた反射マーカーの動きをモーションキャプチャーカメラで撮影して計測した

解説文献
本論文については、研究室の荻原教授が、『二足歩行時に足底に作用するモーメントの謎』と題した解説を東京大学の理学部ニュースに書いているので転載します(理学部ニュース2023年7月号掲載)。
***
我々は,いともたやすく坂道でも砂地でも自由自在に二足で歩き走ることができる。しかし,これと同じことをロボットにやらせようとすると,これが実は極めて難しい問題であることに気づかされる。時々刻々と変化する環境の中を,ヒトはなぜ二足で転ばずに歩くように進化してきたのだろうか。歩行は,足底が地面から受ける反力を適切にコントロールして,身体を空間のある位置から別の位置に移動させる力学現象である。したがって,二足歩行の成否は端的に言えば足底に床面から作用する反力(床反力)をいかに適切に作用させるかにかかっている。このため古くから,ヒトの二足歩行中の床反力を分析し,その運動原理を探る研究が,工学,医学,生物学などの分野で行われ,数多くの知見が蓄積されてきた。しかし二足歩行研究の長い歴史の中で,なぜか今までほとんど無視されてきたのが「足底に作用するモーメント」である。我々が歩くとき,足底は地面と面で接触するため,床反力は足底全体に分布して作用し,その水平方向成分によって足底には鉛直軸周りのモーメント(回転を生じさせる力)が作用する(図a)。しかし,ヒトの二足歩行においてこのモーメントは十分小さく無視できる,となぜか広く信じられており,それが二足歩行の力学・制御に与える影響を明らかにしようとする試みは全く行われてこなかった。
このモーメントは,二足歩行中の足底に水平方向の床反力が分布して作用することにより発生する。したがって,このモーメントが作用しないようにするためには,歩行中の足底が床面と点接触すれば良い。そこで我々のグループでは,運動靴の靴底に金属球面を接着させた「点接触靴」を製作し,通常の二足歩行と比較した(図b)。その結果,通常の二足歩行では胸郭と骨盤は体の鉛直軸まわりにそれぞれ反対向きに回旋するが,点接触靴では,同じ向きに回旋し,またその振幅が大きくなることが明らかとなった。胸郭と骨盤の逆相の回旋は,体幹節間の角運動量を打ち消すことで,歩行効率の向上に寄与する。また胸郭と骨盤が大きく回旋することは,歩行が相対的に不安定,であることを示している。したがって,足底に作用するモーメントは,安定かつ効率的な二足歩行を生成する上で,実は重要な役割を担っていることが明らかとなった。ただし,点接触靴による歩行でも,腕振りを行えば,体幹の回旋が逆相で振幅の小さい通常と同様な歩行が可能であった。すなわち,モーメントの作用は,腕振りを体幹の回旋運動の制御に使えない,上肢による物などの運搬を伴う二足歩行の安定化・効率化に特に寄与していることが明らかとなった。
***

(コメント)
ポールウオーキング中では、腕の動作による体幹の回旋逆相が強まっていると考えられます。逆相の体幹回旋は、全身の角運動量を抑制するように働きます。論文要約中の「これは、VFMが安定的で効率的な二足歩行に大きく寄与していることを示しています。しかし、このような胴体運動の変化は、腕振りが制限された場合にのみ起こりました。これは、腕振りが制約された場合にのみVFMが重要であることを示唆しています。」から、ポールウオーキング中では、VFMによる胴体運動の変化はなく、体幹の逆相回転によるWBAMの抑制効果が発現している、と考えられます。

2-2)論文②
Takuo Negishi & Naomichi Ogihara、「Regulation of whole-body angular momentum during human walking 」Scientific Reports volume 13, Article number: 8000 (2023)

Abstract
In human walking, whole-body angular momentum (WBAM) about the body centre-of-mass is reportedly maintained in a small range throughout a gait cycle by the intersegmental cancellation of angular momentum. However, the WBAM is certainly not zero, which indicates that external moments applied from the ground due to ground reaction forces (GRFs) and vertical free moments (VFMs) counteract the WBAM. This study provides a complete dataset of the WBAM, each segmental angular momentum, and the external moments due to GRFs and VFMs during human walking. This is done to test whether (1) the three components of the WBAM are cancelled by coordinated intersegmental movements, and whether (2) the external moments due to GRFs and VFMs contribute only minimally to WBAM regulation throughout a gait cycle. This study demonstrates that WBAM is regulated in a small range not only by the segment-to-segment cancellation, but also largely through contributions by the GRFs. The magnitude of VFM is significantly smaller than the peak vertical moment generated by the GRFs; however, in the single-support phase during walking, the VFM is possibly critical for coping with the change in the vertical WBAM due to force perturbations and arm or trunk movements.

要約
人間の歩行では、全身角運動量(WBAM)は、セグメント間の角運動量の相殺によって歩行周期の全体にわたって小さな範囲に保たれていると報告されています。しかし、WBAMは確かにゼロではありません。これは、地面反力(GRFs)や垂直自由モーメント(VFMs)によって地面から加わる外部モーメントがWBAMに対抗していることを示しています。本研究では、人間の歩行中のWBAM、各セグメントの角運動量、およびGRFsとVFMsによる外部モーメントの完全なデータセットを提供します。これは、(1) WBAMの三つの成分がセグメント間の協調的な運動によって相殺されているかどうか、および(2) GRFsとVFMsによる外部モーメントが歩行周期の全体にわたってWBAMの制御に最小限しか寄与していないかどうかを検証するためです。本研究では、WBAMはセグメント間の相殺だけでなく、GRFsの寄与によっても大きく制御されていることを示しました。VFMの大きさはGRFsによって発生する垂直モーメントのピーク値よりも有意に小さいですが、歩行中の単脚支持期では、VFMは力摂動や腕や胴体の運動によって変化する垂直WBAMに対処するために重要である可能性があります。
(a) Experimental setup and (b) placement of reflective markers and segment-fixed coordinate systems. A total of 29 markers are attached to: (1) the top head, (2) front head, (3) rear head, (4) 1st thoracic vertebra, (5) xiphoid process, (6) manubrium of the sternum, (7) sacrum, (8, 9) anterior superior iliac spine, (10,20) greater trochanter, (11,21) lateral knee, (12,22) medial knee, (13, 23) lateral ankle, (14, 24) medial ankle, (15, 25) heel, (16, 26) toe, (17, 27) acromion, (18, 28) elbow, and (19, 29) wrist. Markers on the toes and heels are placed on the corresponding surface positions of the shoes. The hand segment is defined as the point mass in this study; hence, a segment-fixed coordinate system is not defined for the hand segment.

( a ) 実験セットアップ、および ( b ) 反射マーカーとセグメント固定座標系の配置。合計 29 個のマーカーが (1) 頭頂部、(2) 前頭、(3) 後頭、(4) 第 1 胸椎、(5) 剣状突起、(6) 胸骨骨、( 7) 仙骨、(8、9) 上前腸骨棘、(10、20) 大転子、(11、21) 外側膝、(12、22) 内側膝、(13、23) 外側足首、(14、24) )足首内側、(15、25)かかと、(16、26)つま先、(17、27)肩峰、(18、28)肘、(19、29)手首。つま先とかかとのマーカーは、靴の対応する表面位置に配置されます。この研究では、手のセグメントは点質量として定義されます。したがって、セグメント固定座標系は手のセグメントには定義されません。

(コメント)
論文要旨に「本研究では、人間の歩行中のWBAM、各セグメントの角運動量、およびGRFsとVFMsによる外部モーメントの完全なデータセットを提供します。」とあるので、同様な装置・測定によって『ポールウオーキング中のWBAM、各セグメントの角運動量、およびGRFsとVFMsによる外部モーメントのデータセット』を得ることができれば、比較検討することができます。

①ポールウオーキングに取り組む以前の歩行中のデータ、②取り組んだ直後のポールウオーキング中のデータと歩行中のデータ、③しばらくポールウオーキングに取り組んだ後(例えば3ヵ月後)の歩行中のデータとポールウオーキング中のデータ、④ポールウオーキングを止めた後(例えば、止めてから半年後)の歩行中のデータとポールウオーキングをした時のデータ、⑤同時期までポールウオーキングを止めないで継続している人の両データ等を得ることができれば、角運動量からみたポールウオーキングの経時的な効果・変化を解析することができ、加茂野有徳、荻原直道、「杖を用いた歩行の特性~脳卒中片麻痺者杖歩行の三次元逆動力学解析」で行われているように、床反力等を接地した足とポールとに分離して測定することもできれば、ポールウオーキングの歩行特性やポールの作用等をより詳しく明らかにすることができるのではないかと考えています。

関連記事:
・スタンダード技術 3.ポールウオーキング時の重心の軌跡

 

3.『2023年7月のニュース』への追記
・TRIM11~ついに発見されたアルツハイマー病等の病因蛋白タウの凝集を抑制するタンパク質
以下は、岐阜大学の下畑教授が7月31日にフェイスブックに、同題名で投稿された記事の転載です。
Science誌にアルツハイマー病(AD)研究史において恐らくepoch makingとなる重要な発見が報告されています.

ADをはじめとするタウオパチーと総称される20以上もの疾患では,微小管関連タンパク質であるタウが異常リン酸化し,線維化した神経原線維変化(NFT)によって病理学的に定義されます.しかしタウがどのようにして可溶性のモノマーから不溶性の凝集体に変換されるのかはまったく不明でした.まさにこの点が,タウオパチーの病態機序に基づいた根本治療の開発を妨げていました.

米国ペンシルベニア大学の研究者らは,タウオパチーにおけるタウ凝集は年齢に依存して起こることから,タウ凝集を抑制する防御機構が年齢とともに減弱する可能性を考えました.近年,tripartite motif (TRIM)タンパク質が,タンパク質の品質管理(PQC)システムに多面的に関与している可能性が示唆されています.このTRIMはヒトでは77種類存在すると言われていますが,研究チームはこのなかからタウ凝集を減少させる可能性のある3種類を同定しました(TRIM10,TRIM55,TRIM11).実際にAD 23人と対照14人の死後脳を比較すると,AD脳ではTRIM11タンパクレベルのみ大幅に減少していました.またTRIM11遺伝子のレアバリアントがAD発症リスクとなることも報告されていました.

研究チームは,TRIM11が通常のタンパク質品質管理因子とは異なる3つのメカニズムで,タウを可溶状態に維持することを示しています. ①変異型タウや異常リン酸化タウに結合し,SUMO化を促進し,プロテアソーム分解に導く. ②(単に分解するだけでなく)タウの分子シャペロンとして機能し,ミスフォールディングと凝集を回避する. ③TRIM11はタウの脱凝集酵素(disaggregase)であり,タウ凝集体を溶解する.初代培養神経細胞を用いた検討では,内因性TRIM11の発現抑制は神経細胞の生存率を低下させ,発現増加は生存率とシナプス前・後の点状突起(puncta)の形成を促進することから,TRIM11は重要な神経保護因子とも考えられます. 最後に複数のタウオパチーモデルマウス(タウ変異P301Lを発現するPS19マウスや,アミロイド前駆体タンパクとプレセニリン1を発現する3×Tg-ADマウスなど)を用いて,TRIM11をアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターにより海馬に局所的,あるいは脳脊髄液を通して脳全体に投与したところ,いずれのモデルにおいてもタウ病態と神経炎症は抑制され,認知能力と運動能力も改善しました.つまりタウ変異のみでなく,変異アミロイドβを導入するモデルでも,その下流で生じるTau病理を抑制したことになります.

以上よりTRIM11がタウオパチーに対する重要な保護因子であること,その発現抑制がその病態に関与する可能性があることが示唆されました.よってTRIM11の発現を回復させることが有効な治療戦略になると考えられます.ADのみならず,進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症,ピック病などのタウオパチーを一網打尽にできるかもしれません.具体的な治療法として,TRIM11の発現を増加させる遺伝子治療,もしくは小分子が有望と考えられます. Zhang ZY, et al. TRIM11 protects against tauopathies and is down-regulated in Alzheimer’s disease. Science. 2023 Jul 28;381(6656):eadd6696.(doi.org/10.1126/science.add6696)

関連記事:
2023年7月のニュース 2.米FDAに正式承認されたエーザイ認知症薬『レカネマブ』について

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
ニュース ポールウオーキング 直立2足歩行

2023年3月のニュース

春です! コロナ禍も出口へ、新たな段階を迎えました。ポールウオーキングの活動も活発化しています。

1.日本ポールウオーキング協会(NPWA)BCマニュアルが5年ぶりに改訂されました。

2018年版の支持基底面や運動強度設定についての説明不足を補い、全体もより見やすくより分かりやすくなっています。2月中にはMCプロの皆さんへの講習会も終了し、3月より新しいマニュアルに沿ったBCセミナーやスキルアップ講習会がスタートしています。

MCプロの皆さん、気力、ますます充実しているようです(関連フェースブック記事)。
遠藤恵子MCプロ:「久しぶりのBC指導者セミナー!」
田村芙美子MCプロほか:「スキルアップ講習会に参加して~改訂版記念?」

2.春だ! 活動再開!

暖かさが増し、各地でウオーキング活動も再開です(以下、フェースブック記事より)。
中村理さん:「佐久ポールウオーキング協会より」
遠藤恵子MCプロ:「地島椿祭ゲンキdeポールウオーク」
杉浦伸郎さん:「130人と一緒にポールdeウオーク」

佐藤ヒロ子MCプロ:「シニアポールウオーキング」
佐藤ヒロ子MCプロ:「URさいわいポールウオーキング」
田村芙美子MCプロ:「江の島PWグループ」

中嶋佳奈恵MCプロ:「ポールウオーキング体験会」
鈴木ゆみ江さん:「さくら愛でおしゃべりウオーキング」
田村芙美子MCプロ:「今週は連日、鎌倉ポール歩き会」

平岡裕美子MCプロ:「新たな展開へ」

3月25日(土)には、コロナ禍でしばらく中止になっていた「志木市いろはウオークフェスタ(第7回ノルディックウオーキング・ポールウオーキング全国大会)」が3年ぶりに行われました。当日は生憎の雨天でしたが、参加された皆さん、満開の桜を楽しまれたようです。
水間孝之さん:「志木市いろはウオークフェスタ!!」
校條諭さん:「満開の桜を楽しみながらの快適なポール歩きでした」

柳沢光宏さん:「雨なので、防水のゴルフシューズで参加しました」
山下和彦先生:「大会実行委員長です」

3.腕振り運動の科学~腕振りと体幹のひねりによる歩行補助~

ポールウオーキングではパンチ&プルという独特の腕振り動作が、体幹の回旋を通じて、歩幅の増加や歩行の安定性を増すものと考えています。

大阪工業大学の田熊隆史教授は、下図のような単純なモデル(上半身を、バネ要素を持つ柔軟体幹と前後に質点を移動させる腕パーツで近似)を作り、腕振りと体幹捻りによって床反力中心(COP)がどのように動くかを明らかにすることで、「腕振り」「体幹捻り」という無意識な運動の中に潜むダイナミクスが歩行の補助になり得る、ことを証明しています。


出典:田熊隆史:「腕振り運動の科学」大阪工業大学研究シーズ集より

関連記事
「パンチ&プル」動作について
スタンダード技術とは?

(作成者)峯岸瑛(みねぎし あきら)