岐阜大学下畑先生が紹介される脳神経内科の進歩は凄い速さですが、ロボットやAIの活用も進んでいます。「理学療法士」と「患者」の両方に下肢外骨格ロボット(ロボットスーツ)を装着させリハビリを行うという全く新しいアプローチ「TEPI」についての論文、5分間の1回にわたる計測の中で、歩行データ、認知スコア、および脳波(EEG:脳電図)信号を収集できる二重課題システム開発の論文を紹介します。「特別企画:AIに訊く」は、シリーズ最終回です。
1.2026年7月の活動状況
・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 7月PW例会駒場〜 梅雨の合間の雨予報が出ている中 集まってくれたポールウォーカー達❗️ 元気ゲンキ印の皆さんでコーチスタッフもタジタジの場面も〜^_^ 青空の下の3コースに分かれての公園〜牧場のPW散策でした。 参加の皆さんお疲れ様でした。 次回は 7/12パラダ/森林セラピーロードPW散策です。
・佐藤 ヒロ子さんの投稿
【体力に合わせて】 シニアポールウォーキング 2026/7/6 講堂も参加人数が増えると 狭く感じます。 2グループに分かれて 中央エリアは転倒予防運動。 水分補給タイムは脳トレもチョイといれて「パタカラ」で締めくくりです。本日も頭から口 足先まで動かしました〜 疲れたら離れて椅子でひと休み 仲間と共にいるその時間が 大切と知っている素敵なシニア。
・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
健走杖會不會越走越依賴?🤔 這是許多剛接觸健走杖朋友最常提出的問題之一。 有人擔心: 「拿了健走杖之後,會不會反而越來越離不開?」 「是不是跟拐杖一樣,久了身體會退化?」 其實答案是:不會。 因為健走杖本質上是一種運動工具,而不是輔具。 當我們正確使用健走杖時,並不是把身體重量全部交給杖子,而是透過雙杖引導上肢、核心與下肢共同參與運動。 ✅ 手臂跟著擺動 ✅ 核心協助穩定身體 ✅ 雙腿維持正常步行節奏 ✅ 全身肌群一起參與活動 健走杖的目的,是增加活動量與運動效率,讓原本只靠雙腿完成的步行,變成一種全身性的運動。 換句話說, 健走杖不是幫你偷懶, 而是讓更多肌群一起工作。 透過正確的技巧與姿勢,許多人反而更能建立規律運動習慣,提升行走信心與活動意願。 💡 善用健走杖,是讓身體一起動起來,而不是代替身體活動。 👣 雙杖在手,健康跟著走
・長谷川 弘道さんの投稿
「運動しよう」を、やめました。|長谷川弘道
・Azuma Watanabeさんの投稿
今日は七夕ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。 近況を報告いたします。 先月22日から、メディカルマーチン東金というデイサービスにパートとして働いています。仕事内容としては介護士(担当は運動指導のトレーナー)で、ポールウォーキングや運動マシン、シナプソロジーなどを駆使してリハビリや脳トレをしております。日々の業務が自分のやりたいことに重なり、転職してよかったと感じています。 皆様におかれましても日々、少しづつでもウォーキングを習慣にしていただけますよう、よろしくお願いします。 また配信再開まで、もう少しお待ちください。 よろしくお願いします。
・長岡智津子さんの投稿
写真1件
・田村 芙美子さんの投稿
今日は19日振りの快晴夏日。ポールウォーキング三昧の1日でした。午前は北鎌倉べにばな会の元気な皆さんと。午後は数年前の教養センター時代のPWクラスの皆さんのおさらい勉強会(講義と実技)+暑気払い。どちらも話が盛上り時間オーバーになりハラハラ。毎日大勢の方々と刺激のある生活は老いを忘れます。午後の最高齢女性の生き方は魅力的でした。山登りを含む旅を楽しみ、合間にボーリング、カラオケ、GYM、アルコール。80まではケアマネとして人のために働き、80からはそれらに終止符をうち、自分が楽しむ生活に切り替えたそうです。お洒落で生き生きしてとてもお年には見えません。勉強会では最後の時間外NW体験会も 好評でした。わぁ~、PWよりぐんぐんススム!と。どちらも楽しんでいただければと思います。 (写真は数日前のもの)
・校條 諭さんの投稿
7月の気まポ(気ままにポール歩き)は夕暮れウォーク 夕方5時にJR阿佐ヶ谷駅前に集合して、中杉通りのけやき並木などを通って、善福寺川緑地に入り、浜田山の柏の宮(かしのみや)公園までのコースでした。 西日を避けるため、あえて南北移動を基本にしましたが、曇っていたので、途中一部の東西移動のところも問題ありませんでした。ほどよい風も浴びて、今の季節にしてはとても快適なウォーキングとなりました。 公園でクールダウンのあと、井の頭線浜田山駅前の「アジアンダイニング&バル まいた」でカンパイ。歩いたあとのビールのしみわたるうまさよ。 「まいた」は以前斜め前の2階にあったのが、昨年移転して1階に。ネパール料理(といってもカレー)中心だったのが、タイ料理や和食までカバーするバルに変身していました。以前よりずっとはやっている印象です。 8月はウォーキング無しで暑気払い、9月はまだ暑いでしょうから夕暮れウォークの予定です。 ※写真はいつも以上に大部分企画パートナーの田村和史君撮影です。
・中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 本日は平尾山開発(株)/PWパラダ散策でした。 梅雨の終わりに近い日〜 60名越えの参加者を迎え、マイナスイオンいっぱいのセラピーロードを闊歩して来ました。
・台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
銀髮族也適合使用健走杖嗎?👣 答案是:當然可以! 許多人以為健走杖是年輕人的運動工具,其實對於長輩來說,只要透過正確的學習與使用方式,也能成為培養運動習慣的好夥伴。 健走杖不是代替身體活動,而是透過雙杖引導全身一起參與運動,讓步行變得更有節奏、更有目標。 對許多銀髮朋友來說,規律的活動比激烈運動更重要。 透過健走杖運動,可以幫助: ✅ 建立規律運動習慣 ✅ 增加外出與活動意願 ✅ 維持日常身體機能 ✅ 提升行走時的信心與安心感 不論是在公園散步、社區健走,或是參加團體課程,都能找到適合自己的步調。 運動不一定要追求速度與距離,重要的是持續活動、保持生活活力。 健走杖不只是年輕人的運動,也是不少銀髮族維持健康生活的重要選擇。 👣 雙杖在手,健康跟著走
・田村 芙美子さんの投稿
厳しい暑さをポールウォーキングで歩いて飛ばしゴールは焼肉ランチ。昨年同様七里ヶ浜でウォーミングアップをしてスタート。七里ヶ浜浄化センターで小休止。広町緑地のキハチの窪の湿地地帯を木道を通って山越え。クーラーの効いた管理棟で2度目の休憩。そしてモノレール西鎌倉近くの焼肉店まで汗だくになりながら歩きました。 写真2枚目は先日の鎌倉大花火大会の水中花(頂きもの)
・Masako Shinchiさんの投稿
☘️ウォーキングポールを相棒に仲間と巡る小さな旅 ぽる旅 7月☘️ 今月のぽる旅は日立製作所の歴史に触れる旅です。JR大甕(おおみか)駅→日立オリジンパーク→大みかゴルフクラブレストランにてランチ→パワースポット大甕神社→大甕駅に戻り、お土産に大甕饅頭を買って終了! 日立オリジンパークは入館無料で、館内はクーラー完備、木がふんだんに使われた気持ち良い空間でした。日立製作所の歴史を、映像、パネル、実際の日立製品などでわかりやすく知ることができてお勧めです❗️ 企業は人だとあらためて感じましたし、企業の歴史を作るのも人なんだなー、なんて考えました。 隣接するゴルフ場のレストランは一般の人も利用できて、クラシカルな内装と目の前のグリーンが気持ちよく、お値段も良心的でした。 オリジンパーク目の前にある大甕神社はパワースポットとしても有名。日本一大きいおみくじに挑戦😂四人がかりで見事大吉を引き当てました。 歩く距離は少なくても、しっかりのぼり坂もあって、楽しいぽる旅でした。 今回は都合つかないメンバーも多かったので、また、ゆっくり来たいね、が参加者の感想でした。 皆様もどうぞ😊
来月以降の開催
・柳澤 光宏さんの投稿
今日は佐久ぴんころウォーク実行委員会。9月19日開催です‼️生プルーン食べ放題のウォーキングイベントです。実行委員長として、しっかり準備をしていきます。 既に県外からバスで参加される意向もいただいています(^.^)
2.PW関連学術ニュース
2-1)歩行療法におけるセラピスト・外骨格・患者の相互作用
ロボットを介して療法士と患者が双方向に力を伝え合うリハビリの仕組みを考案した論文です。
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表題:Therapist-exoskeleton-patient interaction for gait therapy
(和訳:歩行療法におけるセラピスト・外骨格・患者の相互作用)
著者:Emek Barış Küçüktabak, Matthew R. Short, Lorenzo Vianello, Daniel Ludvig, Levi Hargrove, Kevin Lynch, and Jose Pons
掲載誌:Science Robotics Vol 11, Issue 115
掲載日:17 Jun 2026
DOI: 10.1126/scirobotics.adz9628
要旨
脳卒中後、患者は下肢の筋力低下や関節の独立制御の喪失により、しばしば運動機能障害を経験します。そのため、歩行回復は理学療法リハビリテーションの主要な目標となり、従来はセラピスト主導の高強度トレーニングによって達成されてきました。しかし、手動による補助や抵抗を伴う従来のセラピスト主導のアプローチは、身体的に負担が大きく、複数の関節での同時的な相互作用が制限される可能性があります。ロボット外骨格は、多関節サポートを可能にし、セラピストの負担を軽減し、客観的なパフォーマンスフィードバックを提供する有望なソリューションとして登場しました。しかし、一般的な外骨格の制御戦略は、理学療法士の関与と患者のニーズへの適応性を制限し、臨床での採用と成果を妨げる可能性があります。本研究では、セラピストと脳卒中患者がそれぞれ、バネダンパー要素を介して股関節と膝関節で仮想的に接続された下肢外骨格を装備する、人間とロボットの相互作用に基づく歩行リハビリテーションパラダイムであるセラピスト・外骨格・患者相互作用(TEPI)を紹介します。この接続により双方向の物理的相互作用が可能になり、セラピストはリアルタイムの触覚フィードバックを受け取りながら患者の動きを誘導できます。私たちは、慢性期脳卒中患者8名を対象に、被験者内デザインを用いてこのアプローチを評価し、トレッドミル歩行中のTEPIトレーニングと従来のセラピストによる誘導型モビリゼーションを比較しました。その結果、従来の療法と比較して、TEPIは関節可動域の拡大、歩幅と歩高の増加、同程度の筋活動、そして高い自己申告によるモチベーションと楽しさをもたらしました。これらの知見は、TEPIがロボットの精密さとセラピストの直感を統合し、脳卒中から回復中の患者における歩行リハビリテーションの成果を高めるための枠組みを提供できることを示唆しています。
図1.歩行療法のためのTEPI。
(A)慢性脳卒中患者と理学療法士がそれぞれ下肢外骨格を装着し、トレッドミル歩行セッションを行う。2つの外骨格はバネダンパーシステムを介して仮想的に接続され、両方のユーザーに触覚フィードバックを提供する。患者とセラピストは向かい合って座り、2人の間で視覚、聴覚、触覚によるコミュニケーションが促進される。TEPIアプローチは、(B)理学療法士による手動によるハンズオン支援を特徴とするCMTと比較され、別々の日に実施された2回のトレーニングセッションで比較された。(C)各セッションは30分間のトレッドミルトレーニングで構成され、3つのブロックに分けられた。訪問順序はランダム化され、8人の参加者(TEPI先行4人、CMT先行4人)間でバランスが取られた。
**以下は、Geminiとの会話です**
Q:次の論文の分かり易い解説を、お願いします。論文です。「Therapist-exoskeleton-patient interaction(以下、略)」
A:ご提示いただいた論文は、2026年6月にトップクラスのロボット工学誌『Science Robotics』に掲載された、脳卒中後の歩行リハビリテーションに関する非常に革新的な研究です。
この論文のタイトルは「Therapist-exoskeleton-patient interaction for gait therapy(歩行治療のための理学療法士・外骨格ロボット・患者の相互作用)」で、通称 TEPI(テピ) と呼ばれる新しいリハビリ支援システムを提案しています。
専門的な内容を分かりやすく、いくつかのポイントに分けて解説します。
1. この研究が解決しようとした「課題」
脳卒中などを患った患者さんが再び歩けるようにする「歩行リハビリ」では、これまで主に2つの方法が取られていました。
• 人間の理学療法士による手動のサポート: 療法士が患者の足を直接持って動かします。療法士の「直感」や「患者の動きへのリアルタイムな対応」ができる一方、療法士への肉体的負担が非常に大きく、複数人がかりで行うこともあり、長時間の再現が難しいという欠点がありました。
• 従来のロボット(外骨格)によるサポート: ロボットがプログラムされた通りの正確な軌道で患者の足を動かします。正確で疲れない一方、療法士が患者の細かな変化を察知してサポートを調整する「臨機応変さ」が失われてしまう課題がありました。
つまり、「人間の療法士の直感・適応力」と「ロボットの正確さ・パワー」をどうにか融合できないか? というのがこの研究の出発点です。
2. 提案された新技術「TEPI(テピ)」とは?
研究チームは、「理学療法士」と「患者」の両方に下肢外骨格ロボット(ロボットスーツ)を装着させるという全く新しいアプローチを開発しました。
最大の特徴は、2台のロボットが「仮想的なバネとショックアブソーバー(ダンパー)」によって、通信ネットワーク上でデジタルに連結されている点にあります。
• 患者の足の動きが遅れたり、関節のコントロールを失ったりすると、その情報がロボットを通じて療法士の足に「抵抗(重み)」としてリアルタイムに伝わります。療法士は画面の数値を見るのではなく、「自分の足で患者の足の状態を直接感じる(触覚フィードバック)」ことができます。
• 逆に、療法士が自分の足を動かすと、その力が仮想のバネを通じて患者のロボットに伝わり、患者の足の動きを優しく、かつ正確に誘導することができます。
このように、ロボットを介して療法士と患者が双方向に力を伝え合う仕組み(物理的人間-ロボット-人間相互作用:pHRHI)を構築しました。
3. 実験の結果(何がすごかったのか?)
8人の慢性期脳卒中サバイバーを対象に、トレッドミル(ランニングマシン)上での歩行テストを行いました。従来の療法士による手動リハビリと比較したところ、TEPIには以下のような優れた効果が見られました。
• 関節の可動域が広がり、歩幅が長く、高く上がった: ロボットの精密なアシストと療法士の的確な誘導により、患者はより理想的な歩き方を実現できました。
• 筋肉の活動は維持された: ロボットにただ乗っている(楽をしている)わけではなく、従来の治療と同等に患者自身の筋肉もしっかり使われていました。
• 患者のモチベーションや楽しさが向上した: 双方向の繋がりを感じられるため、患者が主体的かつ楽しくリハビリに取り組めました。
• 療法士の負担が大幅に激減した: 療法士は重い患者の体を力ずくで支える必要がなくなり、自身の足の動きだけで治療を行えるため、疲労や怪我のリスクが大幅に減りました。
4. まとめ:この研究がもたらす未来
この論文の意義は、ロボットを「人間の代わり」にするのではなく、「人間と人間の繋がりを拡張する道具」として再定義した点にあります。
これまで1人の患者に対して何人もの療法士が付きっきりで行っていた重労働な歩行リハビリを、1人の療法士がロボットの力を借りて、より精密に、かつ患者の心に寄り添いながら行えるようになります。オーダーメイドで効果の高いリハビリを、より多くの患者に提供できるようになる画期的な一歩です。
2-2)早期段階の認知機能低下を自動検出するための、二重課題計測に基づくマルチモダリティ融合モデル
AIを活用した早期認知機能低下の検知装置についての論文です。
表題:“A Multi-modality Fusion Model based on Dual-task Measurement for the Automatic Detection of Early-stage Cognitive Impairment,”
(和訳:早期段階の認知機能低下を自動検出するための、二重課題計測に基づくマルチモダリティ融合モデル)
著者:Shuqiong Wu, Jiaqing Liu, Akos God´o, Fumio Okura, Manabu Ikeda, Shunsuke Sato, Maki Suzuki, Yuto Satake, Daiki Taomoto, Masahiro Hata, Yasushi Yagi,
掲載誌:IEEE Transactions on Biomedical Engineering, Vol. 73, No. 1, pp. 333-344,
公開日:Jan. 2026.
**以下Copilotとの会話です**
Q:次の英文(論文のAbstruct)を和訳して下さい。資料です。「Abstract—Objective: The aim of this research is to develop a simple automated screening approach for earlystage cognitive impairment with high performance. Method:
A:ご提示いただいた論文の概要(Abstract)の和訳です。
文脈に合わせて自然で専門的な表現(常体・だ・である調)で翻訳しています。なお、原文の最後(compared with other methods)が途中で切れているため、その部分はニュアンスがつながる形で訳出しています。
概要(Abstract)
目的(Objective):
本研究の目的は、高い性能を持つ、早期段階の認知機能低下に対するシンプルな自動スクリーニング手法を開発することである。
方法(Method):
我々のアプローチは、対象者が2つのタスク(通常は身体的タスクと認知型タスクの組み合わせ)を同時に実行する「二重課題(デュアルタスク)パラダイム」に基づいている。本研究では、わずか5分間の1回にわたる計測の中で、歩行データ、認知スコア、および脳波(EEG:脳電図)信号を収集できる二重課題システムを開発した。脳波データは、対象者が歩行タスクと認知タスクを同時に実行している間に記録された。全体の精度を向上させるため、我々は歩行、認知スコア、脳波の3つのモダリティ(測定形式)を統合する、革新的な損失関数を備えた新しい融合(フュージョン)アルゴリズムを導入した。この融合モデルでは、クロスアテンション(相互注意)機構を採用し、3つのモダリティ間の潜在的な関係性を捉えている。さらに、提案する損失関数は、異なるモダリティ間の重複を最小限に抑え、それぞれの相補的な貢献を最大限に高める設計となっている。
結果(Results):
実験結果により、提案した融合モデルと新しい損失関数の両方の有効性が検証された。提案アプローチはほぼすべての条件において既存の手法を上回り、AUC:0.9845、感度(sensitivity):0.9659、特異度(specificity):0.9535という全体的な性能を達成した。さらに、他の手法と比較して[※原文ここまで]も(優れた結果を示した)。
専門用語の補足
資料としての理解を深めるための、主要なキーワードの解説です。
・dual-task paradigm(二重課題パラダイム): 「歩きながら計算する」のように、2つの異なるタスクを同時に行わせて脳や身体の負荷を評価する実験手法です。
・modalities(モダリティ): ここではデータの「種類」や「形式」のことで、今回の研究では「歩行データ」「認知スコア」「脳波」の3つの異なるアプローチ(種類)を指します。
・cross-attention mechanisms(クロスアテンション機構): 深層学習(AI)の技術で、異なる種類のデータ(例:脳波と歩行)がお互いにどう関連しているかをAIに注目させる仕組みです。
・AUC / sensitivity / specificity(AUC/感度/特異度): スクリーニングの正確性を表す指標です。いずれも最高値は「1(100%)」であるため、今回の 0.95〜0.98 という数値は非常に極めて高い精度であることを示しています。
Q:ありがとう。今和訳をお願いした論文について、分かり易く内容を解説して下さい。
A:この論文は、2026年1月に掲載されたばかりの非常に新しく、かつ極めて精度の高い「認知症(認知機能低下)の早期発見システム」に関する研究です。
大阪大学の八木康史教授や大倉史博准教授ら(コンピュータビジョン・歩行解析の権威)と、精神医学の専門家(池田学教授ら)がタッグを組んだ、日本発の最先端の共同研究ですね。
医療の専門知識がなくてもイメージしやすいよう、この論文の何がすごいのかを分かりやすく噛み砕いて解説します。
💡 この研究を一言でいうと?
「高齢者に『計算しながら5分間歩いてもらう』だけで、AIが超高精度に早期の認知症(認知機能の低下)を見つけ出せるシステム」です。
🔥 従来の課題と、この論文が解決したこと
これまでも認知症の早期発見(スクリーニング)の手法はありましたが、一長一短でした。
・アンケートや筆記テスト: 病院で行うと時間がかかるし、患者も緊張する。
・脳のMRIや専門検査: 確実だが、費用が高く、大きな病院でしかできない。
・歩行や脳波の単体検査: 手軽だが、「それ単体」だと見落とし(誤判定)が出やすい。
そこで研究チームは、「手軽なデータ(歩行・脳波・テスト)を3つ同時に集めて、AIで賢く合体させれば、完璧なスクリーニングができるのでは?」と考えました。
🧪 どんな実験(アプローチ)をしたの?
研究チームは「二重課題(デュアルタスク)」という心理学・医学の仕組みを使いました。人間は脳の機能が落ちてくると、「2つのことを同時にやる」のが難しくなります。
1. わずか5分間の測定
被験者は、脳波(EEG)を測るキャップをかぶり、歩行データ(速度やバランス)を測るセンサーやカメラの前で、「計算などの頭を使うゲーム(認知タスク)」をしながら歩きます。これをたった5分行うだけで、以下の3つのデータ(モダリティ)が同時に手に入ります。
🚶♂️ 歩行の乱れ(身体データ)
🧠 計算の正解率や速度(認知データ)
⚡ その時の脳の電気活動(脳波データ)
2. 天才的なAI(融合モデル)の導入
ここがこの論文の1番のイノベーションです。
これら3つのバラバラなデータをただ混ぜるだけだと、AIは混乱してしまいます。そこで研究チームは2つの最新AI技術を開発しました。
・クロスアテンション(相互注意): 「歩き方が乱れた瞬間、脳波のどこが異常に反応したか?」という、データ同士の隠れたつながりをAIに見つけさせます。
・新しい損失関数(重複のカット): 3つのデータの中で「内容が被っている無駄な情報」を削ぎ落とし、それぞれのデータが持つ「独自の強み」だけを綺麗に引き出して合体させます。
📈 結果:どれくらい凄いの?
実験の結果、このAIシステムは驚異的な精度を叩き出しました。
・AUC(総合的な判定力):0.9845
・感度(見落とさない確率):96.59%
・特異度(健康な人を誤診しない確率):95.35%
最高値が1.00(100%)なので、95%〜98%の確率で正しく早期の認知機能低下を見抜けるということです。既存のどの方法と比べても圧倒的に高い性能でした。
🚀 この研究がもたらす未来の社会
この技術が実用化されると、以下のような未来が期待できます。
・健康診断や地域のイベントで一瞬でチェックできる
大掛かりなMRIなどをしなくても、地域のクリニックや保健センターにこの5分間のシステムを置いておくだけで、早期発見が可能になります。
・早期治療・予防につながる
認知症は「MCI(軽度認知障害)」という早期の段階で気づければ、運動や生活習慣の改善で進行を遅らせたり、維持したりできます。このシステムはその「手前の手前」で気づくための強力な武器になります。
医療現場への導入や、将来の介護予防ビジネスなどにも直結する、非常にインパクトの大きい論文です。資料の読み込みや資料作成などの参考にしてみてください!
2-3)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報(2026年7月)
・「何を知っているか」よりも「何を問うか」が大切である@第37回リベラルアーツ研究会
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月1日のFB投稿です***
今回の課題図書『イシューからはじめよ』(https://amzn.to/4wnfnFq)はこれまで読んだビジネス書のなかで,私が最も影響を受けたものの1つです.一言で言えば,「がむしゃらに頑張る前に,本当に考える価値のある問い,すなわちイシューを見極めなさい」という本です.ビジネス書は学生にはまだ少し早いかなと思ったのですが,みな自分自身の問題として真剣に読み,活発な議論が行われました.副読本は『思考の整理学(https://amzn.to/445ljqw)』としました.
私のミニレクチャーでは良い研究,それどころか人生さえ「問い」で決まることを話しました.AIが情報を要約し,答えらしきものを簡単に示してくれる時代において,「問いの価値」はますます高まります.医師にとって本質的なイシューとは,その答えを出すことによって,自身や患者さんの意思決定が変わるような問いです.つまり単に興味深いテーマを選ぶのではなく,その問いに答えを出すことで何が変わるのかを本気で考える必要があります.そのあとはその問いに対する適切な仮説をつくるために,徹底的に一次情報に触れ,自分の頭で考えること,アウトプットを意識すること,最終的にシンプルなメッセージとして周囲に伝えること,が大切であると話しました.
学生からの議論では,臨床実習での経験と結びつけて考える学生が複数いました.「自分が設定した患者さんに関するクリニカルクエスチョンは,本質的な問いではなく,もっと深く考える必要があった」という振り返りがありました.また,これまで研究にはあまり興味がなかったものの,「自分も研究をやってみたい」と感じるようになった言う学生が複数いました.研究とは知識や技術を持つ人だけが行うものではなく,良い問いを見つけた人はだれでも行う資格があることに気づいてくれたのかもしれません.医師の参加者からは,「答えを出せる問いを選ぶことが重要であるという視点は,これまで持っていなかった」という意見がありました.とくに大学院生は学位論文の完成という期限がありますので,これを意識して問いを選ぶことは必要です.
結論として,良い問いは,未来の研究や診療,そして人生を変えうる,「何を知っているか」よりも「何を問うか」が大切であるということだと思います.
さて次回は小説で,東野圭吾さんの『人魚の眠る家(https://amzn.to/44FrYrw)』を読みます.私も好きな「加賀恭一郎」シリーズや「マスカレード」シリーズなどで知られるミステリー作家の東野圭吾さんが,犯人探しや謎解きよりも,生死をめぐる倫理的問いに正面から取り組んだ作品です.母親の行動の是非,脳死は「死」なのかを考えてみることになるかと思います.
・ALSの運動ニューロンは突然,細胞死するのではない.先行する病的状態が存在し,治療標的となる!
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月2日のFB投稿です***
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,筋肉を動かす命令を伝える運動ニューロンが徐々に変性する疾患です.しかし,運動ニューロンがどのような過程を経て細胞死に至るのかは分かっていません.今回,スタンフォード大学などの研究チームがALSモデルマウスの脊髄を病初期から終末期まで徹底的に解析した研究を報告しています.SOD1-G93A変異を発現するALSモデルマウスについて,生後約65日の早期,約100日の中期,約125日の終末期と正常対照を比較しました.単一核RNAシークエンスで11万5000個を超える細胞核を解析し,さらにクロマチンの状態を調べる単一核ATACシークエンス,両者を同時に測定するマルチオーム解析,細胞の位置情報を保ったMERFISH空間トランスクリプトーム解析を組み合わせました.
まず分かったのは,疾患に伴う遺伝子発現の変化は,ALSで障害されやすいα運動ニューロンで圧倒的に多く,抵抗性の高いγ運動ニューロンや内臓運動ニューロンでは限定的でした.これらの細胞間で変異SOD1タンパクの発現量には大きな差がなかったため,α運動ニューロンの脆弱性は,単に変異SOD1タンパクを多く作っているためではありませんでした.
最大の発見は,α運動ニューロンが正常な状態から突然死ぬのではなく,細胞死の前に分子レベルで明確に異なる状態へ移行することを明らかにしたことです.著者らはこれを,「疾患関連運動ニューロン(disease-associated motor neuron;DM)」と名づけました.図A~Cは,UMAPという多数の遺伝子発現データを二次元に圧縮して,細胞同士の似ている・似ていないを見やすく示す解析法の結果です.具体的にはα運動ニューロンを遺伝子発現パターンの似ている順に配置した図になります.図中の一つ一つの点が,解析した1個のα運動ニューロン核を表します.点同士が近いほど,働いている遺伝子の組み合わせが似ており,離れているほど異なることを意味します.そして似た特徴をもつ細胞の集まりには0~11のクラスター番号が付けられています.図Aは正常マウスとSOD1-G93Aマウスの細胞を合わせて表示したもの,図Bはそのうち正常マウスの細胞だけ,図CはSOD1-G93Aマウスの細胞だけを表示したものです.図Bではクラスター2に属する点がほとんどありませんが,図Cでは同じ場所に多数の点が集まっています.つまり,病気になると,正常なα運動ニューロンとは遺伝子の働き方が大きく異なる細胞集団が新たに出現したことを示しています.このクラスター2が上記のDMです.
図Dでは,DMの割合が早期の約4%から疾患の進行とともに増加し,終末期には約35%に達しています.しかし終末期でも正常に近い細胞が残っており,すべての運動ニューロンが一斉に変性するのではなく,異なる時期にDM状態へ移行することが分かります.
DMへ完全に移行する前にも,初期の遺伝子変化を示すpre-DMと考えられる細胞が存在しました.また,α運動ニューロンのなかでも,大きな力を素早く発生させる速筋を支配するfast-firing型が,遅筋を支配するslow-firing型より早く変化し,優先的にDM状態へ移行する可能性が示されました.
図Iは,DMでどのような生物学的変化が起きているかを示しています.DMでは,小胞体ストレスへの応答,異常タンパク質の処理,プロテアソーム,オートファジー,アミノ酸輸送,アポトーシス関連反応が活性化していました(赤).脱神経や軸索再生に関係するAtf3やGap43も増加していました.一方,シナプス伝達,活動電位,カリウムイオン輸送,軸索形成,軸索誘導,細胞接着など,運動ニューロンが正常に情報を伝えるための機能は低下していました(青).つまりDMでは,異常タンパク質を処理し,軸索を再生して生き残ろうとする反応と,神経細胞としての機能を失って死に向かう反応が同時に起きているわけです.DMは単なる「死にかけた細胞」ではなく,変性と防御反応の両者が混在した状態と考えられます.
さらにマルチオーム解析からは,ATF3,CREB3,ATF5,KLF6,KLF7,JUNなど,DMへの移行に関係する転写因子が同定されました.そしてヒトiPS細胞由来運動ニューロンでCREB3やATF3を増加させると,DMに特徴的な遺伝子変化の一部が再現されました.このことから,DMは細胞障害の結果として受動的に現れるだけでなく,複数の転写因子によって能動的に形成される状態であることが示唆されます.
またDMの周囲には反応性ミクログリアが集まり,疾患の進行とともにグリア反応が脊髄全体へ拡大しました.DMから分泌されるIL-34やCSF1が,ミクログリアの活性化に関与する可能性も示されました.
これらの所見がヒトでも認められるかを検証するために行ったヒトALS剖検脊髄の解析でも,マウスDMで増加する遺伝子群はSOD1関連ALSやC9orf72関連ALSで増加し,DMで低下する遺伝子群は,これらに加え孤発性ALSでも低下していました.また,DMに伴ってクロマチンの状態が変化するDNA領域には,ヒトALSの遺伝的リスクが集積していました.したがって,DMはSOD1モデルマウスだけの現象ではなく,原因の異なるヒトALSにも共有される病的状態である可能性があります.
本研究は,ALSを「正常な運動ニューロンが,pre-DM,early DM,late DMという段階的な病的状態を経て機能を失う病気」として捉える新しい枠組みを提示しました.将来,DMへの移行を早期に検出できれば,細胞が不可逆的に失われる前に,有害な変性反応を抑えながら防御反応を強める治療につながる可能性があります.ただし,本研究の限界は主にSOD1-G93Aマウスを用いたことです.DM状態がSOD1に特有の反応ではなく,ALSに共通する変性過程であることを示すためには,TDP-43,C9orf72,FUSなど,原因の異なるALSモデルでも再現性を検証する必要があります.また,ヒトでも同じ時間的経過をたどるのか,個々のDM関連因子が保護的なのか有害なのかについても検討が必要だと思います.
Gautier O,et al.An emergent disease-associated motor neuron state precedes cell death in ALS.Cell.2026 Jun 23:S0092-8674(26)00647-1.doi:10.1016/j.cell.2026.05.047.PMID:42335888.
・帯状疱疹,感染部位も認知症リスクに影響する可能性@日本皮膚科学会
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月2日のFB投稿です***
医師・医療関係者向けサイト「CareNet」に,先日の第125回日本皮膚科学会総会(京都)で行った講演の内容を記事としてご紹介いただきました.
要旨を簡潔に述べると,「帯状疱疹と認知症リスクとの関連については研究結果が一致していないものの,眼部,脳神経,中枢神経に感染が及んだ場合には,認知症リスクが上昇する可能性が示されている.一方,帯状疱疹ワクチンの接種や抗ウイルス薬による治療は,認知症リスクを低下させる可能性がある」という内容です.
詳細は,下記コメント欄のリンクからログインしてご覧いただけます.医師・医療関係者の方は,無料で会員登録できます.
・岐阜大学脳内抄読会 第107,108回 6年生ふたりが挑む「ALSにおける呼吸苦の意外なメカニズム」と「群発頭痛に対するエプチネズマブ試験は成功していた!?」
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月3日のFB投稿です***
今週のオンライン抄読会です.当科で選択実習を行った6年生の長岡瑞希さんと永井志穂莉さんが,それぞれ興味深い論文を紹介してくださいました.いずれも論文を丁寧に読み解き,新たな気付きを与えてくれるドクター顔負けの素晴らしい発表でした.
まず長岡さんは,「ALSにおける努力性呼吸と大脳皮質活動」というタイトルで,ALS患者さんの呼吸筋低下に対して,脳がどのように代償しているのかを検討した研究を紹介してくださいました.ALSでは横隔膜が弱くなると,覚醒時に頸部の吸気筋が動員されますが,本研究では,その際に通常の安静呼吸ではみられない呼吸関連大脳皮質活動(PIPs)が出現することが示されました.さらに,非侵襲的換気療法(NIV)によってこの大脳皮質活動と頸部筋活動が低下し,呼吸困難も著明に改善しました.大脳皮質の動員は呼吸を維持するための代償機構である一方,努力感や息苦しさを増強する可能性があるという,大変興味深い内容でした.大変勉強になる発表でした.
一方,永井さんは,「群発頭痛に対するエプチネズマブ」というタイトルで,反復性群発頭痛に対する抗CGRP抗体エプチネズマブの有効性と安全性を検討したランダム化比較試験を紹介してくださいました.主要評価項目である投与後1~2週の週間発作回数は,エプチネズマブ群とプラセボ群で有意差を認めず,試験としては陰性という結果でした.しかし,投与後2~4週の50%以上のレスポンダー率や75%以上のレスポンダー率,疼痛や患者報告アウトカムでは,エプチネズマブの効果を示唆する結果も認められました.群発期には自然経過によって発作回数が急速に減少する患者さんもいるため,平均発作回数を主要評価項目とすることの難しさ,つまり適切な主要評価項目を設定する重要性について,分かりやすく説明してくださいました.
おふたりとも,難しいテーマに正面から取り組み,論文の要約にとどまらず,病態の理解や臨床応用,研究デザインの問題点まで踏み込んで考察してくださいました.非常に立派な内容でした.ご指導くださった教室の先生方にも,心より感謝いたします.
Georges M, et al. Cortical drive to breathe in amyotrophic lateral sclerosis: a dyspnoea-worsening defence? Eur Respir J. 2016;47:1818-1828. doi:10.1183/13993003.01686-2015.
Jensen RH, et al. Efficacy and Safety of Eptinezumab in Episodic Cluster Headache: A Randomized Clinical Trial. JAMA Neurol. 2025;82:706-714. doi:10.1001/jamaneurol.2025.1317.
・記憶蛋白Arcがウイルス様カプシドで病的タウを運ぶ――驚くべきアルツハイマー病の新たな伝播機構
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月4日のFB投稿です***
アルツハイマー病では,異常にリン酸化されたタウ蛋白が神経細胞内に蓄積し,神経回路に沿って脳内を広がります.しかし,病的タウがどのように神経細胞から放出され,別の細胞へ受け渡されるのかは十分に分かっていませんでした.今回,米国ユタ大学をはじめとする国際共同研究チームは,記憶形成に関わる蛋白質Arcが,細胞外小胞を介したタウの細胞間伝播を担うことを明らかにしました.Arcは神経活動に応じて発現し,シナプス可塑性を調節するタンパク質です.一方,進化的にはレトロトランスポゾンのGag蛋白質に由来し,ウイルスの殻に似たカプシド構造を形成します.そのため,RNAや蛋白質を包み込み,細胞外小胞,extracellular vesicles(EV)として別の細胞へ運ぶ性質を持っています.著者らは,この仕組みが病的タウの放出と伝播にも利用されているのではないかと考えました.
まず,培養神経細胞に,遺伝性タウオパチーの原因であり,凝集しやすいP301L変異ヒトタウを発現させました.細胞内のタウ量は野生型とArc欠損細胞で同程度でしたが,Arc欠損細胞から放出されたEVではタウ量が著しく減少しました.さらに,ArcとEV形成を促す膜変形蛋白質IRSp53を同時に発現させると,EVへのタウ放出が増加しました.つまりArcがタウを捕捉し,IRSp53と協調してEV内へ積み込むと考えられます.
P301L変異タウを発現するrTg4510マウスでも,Arcを欠損させると,EVの総数や大きさは変わらないにもかかわらず,EV内タウが大幅に減少しました.また,免疫金電子顕微鏡により,Arcとタウが同じEV内に共封入されていることが確認されました.ArcはEV全体の産生ではなく,タウの選択的な積み込みに重要と考えられます.
次に,EV内タウが別の細胞で凝集を引き起こせるかを調べました.病的タウによって細胞内タウが凝集すると蛍光を発するバイオセンサー細胞に,Arcを保持したrTg4510マウス由来EVを加えると,明瞭な蛍光シグナルが認められました.一方,Arc欠損マウス由来EVでは,この活性が著しく低下しました.つまりArcによってEVへ積み込まれるタウは,単なる排泄物ではなく,受け取った細胞内で新たなタウ凝集を誘導する能力を持っていました.
ヒトでも同じ現象が起こるかを調べるため,非アルツハイマー病対照6例と,Braak stage 6のアルツハイマー病6例の前頭前野からEVを分離しました.EV内のArc量やタウ量には群間差がありませんでしたが,アルツハイマー病脳由来EVでは,Arc量とリン酸化タウ量の間に強い正の相関が認められました.また,Arcとタウが同じEV内に存在することも確認されました.
タンパク質結合実験では,Arcがタウと直接結合し,かつリン酸化タウに強く結合することが示されました.さらに,マウス脳およびヒト剖検脳で,Arc,タウ,IRSp53が同じ複合体を形成していました.分子動力学シミュレーションでは,Arcとタウは一つの部位で固定的に結合するのではなく,複数の部位で接触と解離を繰り返す,動的で柔軟な複合体を形成すると推定されました.
また4か月齢のrTg4510マウスでは,Arcを欠損させると海馬神経細胞内のタウが増加し,神経細胞数の減少と細胞傷害の増加が認められました.つまりArcによるタウ放出には,神経細胞を守る側面もあるようです.Arcを介したEV放出は,細胞内に蓄積した有害なタウを排出する仕組みでもあると考えられます.
タウの細胞間伝播を直接追跡した実験では,GFPとP301L変異タウを同じ神経細胞に発現させています.ドナー細胞はGFP陽性・タウ陽性となり,タウだけを受け取ったレシピエント細胞はGFP陰性・タウ陽性となります.培養神経細胞とマウス脳のいずれでも,Arc欠損により,ドナー細胞からタウを受け取ったGFP陰性・タウ陽性のレシピエント神経細胞が著しく減少しました.Arcは,タウの細胞間伝播にきわめて重要であることが示されました.
図は,本研究のまとめです.タウ病理を持つドナー神経細胞では,Arcがタウに結合してEV内へ積み込み,細胞外へ放出します.この過程は,ドナー細胞から有害なタウを除く点では細胞保護的です.しかし,放出されたEVが健康な神経細胞に取り込まれると,運ばれたタウが新たな凝集の種となり,病理を次の細胞へ広げます.つまりArcは,一つの神経細胞にとっては「タウを排除する装置」ですが,脳全体から見ると「病的タウを配送する装置」として働きます.
本研究は,EVを介するタウ伝播において,Arcが重要な分子であることを明らかにした点で優れています.問題は治療に応用できるかですが,Arcは記憶形成に不可欠であり,全面的な阻害は現実的ではありません.また,Arcを抑えると伝播は減少しても,ドナー細胞内のタウ蓄積が増える可能性があります.よってArcそのものではなく,Arcと病的リン酸化タウとの結合を阻害するなどの工夫が必要になるかと思います.いずれにしても,個々の神経細胞を守る排出機構が,結果として脳全体の病理を拡大するという逆説を示した点で非常に興味深いです.
Tyagi M,et al.Arc mediates intercellular tau transmission via extracellular vesicles.Cell.2026;189:1-18.doi:10.1016/j.cell.2026.06.008.PMID:39484489.
・認知症では説明できないもの忘れがある――機能性認知障害とは何か?
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月5日のFB投稿です***
「もの忘れ」や「頭に霧がかかったような感じ」を訴える患者さんのすべてが,アルツハイマー病などの神経変性疾患を発症しているわけではありません.脳の構造が失われるのではなく,注意や記憶を必要な場面でうまく働かせられないために,実際の認知症状が生じることがあります.そのような病態を呈する疾患の一つが,機能性認知障害(functional cognitive disorder:FCD)で,最近,話題になっています.今回は個人的に重要と思った3つの総説から,その概念の発展をまとめたいと思います.
【論文1】2020年,英国エディンバラ大学のJon Stone教授を含む著者らが,Brain誌にFCDを「認知症診療の盲点」とする論文を発表しました.診断の中心となるのは「内的非一貫性(internal inconsistency)」です.これは,具体的には,同じ認知機能を意識して使おうとすると著しく困難になるものの,ある場面では使うことができる状態を指します.例えば,「ほとんど何も覚えられない」と訴えながら,診察では症状の経過を詳しく説明できる,複雑な仕事を継続できている,本人の心配が家族の評価より著しく強い,といった所見です.FCDは主観的認知機能低下や軽度認知障害(MCI)とは別の病態ですが,診断上は一部の患者さんが両方の基準を満たし得ることが示されています(図1).例えば,認知機能検査で軽度低下を認めればMCIと診断されますが,その原因が必ずしもアルツハイマー病などの神経変性疾患とは限らず,FCDによる場合もあります.つまり,MCIは認知機能低下の程度を示す診断名であり,原因を示す診断名ではないということです.
【論文2】2022年,FND領域で有名な米国のMark Hallett教授と上述のJon Stone教授らは,Lancet Neurology誌で,FCDを機能性神経障害(FND)の認知型として位置づけました.機能性発作,機能性運動障害,持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD),FCDはそれぞれ症状こそ異なりますが,注意や予測,感覚情報の統合に共通する異常をもつ病態であると提唱されました.心理的ストレスは発症要因になり得ますが,診断に必須ではありません.図2では,FNDの発症から転帰までの全体像が示されています.神経疾患や心理的ストレスなどの「素因」に,外傷,失神,脳損傷,前庭障害などが「誘発因子」として加わり,脳内の予測と実際に入ってくる感覚情報とのバランスが崩れること(予測符号化のエラー)で,運動障害,けいれん発作,認知障害,めまいという異なる症状が生じると考えています.さらに,診断への疑念,不十分な説明,不必要な検査,回避行動などが症状を長引かせる「持続因子」となる一方,病態の適切な説明や治療は回復を促します.重要なのは,心理的要因だけでなく,身体疾患や外傷も発症の契機になり得ること,また明らかな素因がない患者さんもいることです.
【論文3】2026年,オーストラリアのAdith Mohan先生らは,FCDを「予測符号化モデル」から詳しく説明しました.「自分の記憶は低下している」という否定的な予測が強くなると,記憶を過剰に監視するようになります.その結果,本来は自動的に行われる想起が難しくなり,その失敗がさらに否定的な予測を強めます.失敗を恐れて読書や仕事を避ける認知恐怖も,この悪循環を維持します.図3はFCDにおける症状持続の悪循環を示しています.「記憶は完璧でなければならない」「どんな失敗も重大である」という病的な事前信念が,記憶への過剰な注意やメタ認知の誤りを生み,認知効率の低下や不安につながります.さらに,認知課題を避けることで,実際には記憶が保たれているという修正情報が得られず,事前信念が更新されないため,症状が維持されると考えられます.
以上,FCDは,2020年に「内的非一貫性」によって積極的に診断する病態として定義され,2022年にはFNDの一病型として位置づけられ,2026年には注意,予測,メタ認知,回避行動の悪循環によって症状が持続する病態として説明されるようになりました.一般診療において重要なのは,もの忘れを訴える患者さんを,ただちに「認知症の前段階」あるいは「異常なし」と二分せず,FCDの可能性も検討することではないかと思います.なんとFCDは,物忘れ外来を受診する患者の約24%に認められることも報告されていますが,臨床現場では過小診断されている可能性が高いです.FCDを見逃すと,患者さんは認知症への不安を抱えたまま,不必要な検査を繰り返したり,MCIという診断名のもとで長期間経過観察されたりする可能性があります.一方,FCDを陽性徴候,具体的には上述の内的不一致性,記憶障害エピソードの詳細で具体的な説明や自分一人での受診,日常的な認知の失敗の過剰認識などのメタ認知の異常に基づいて診断し,「症状は現実のものだが,脳の機能は保たれており,改善の可能性がある」と説明できれば,それ自体が治療の出発点になります.ただし上述したように,器質的な認知症が併存しうるため,経時的な変化には注意が必要です.いずれにしても,FCDは一般医が知っておくべき,頻度が高く,見逃されやすく,適切な診断によって患者さんの不安や医療負担を軽減できる重要な疾患だと思います.
1.Ball HA,et al.Functional cognitive disorder:dementia’s blind spot.Brain.2020;143:2895–2903.PMID:32791521.
2.Hallett M,et al.Functional neurological disorder:new subtypes and shared mechanisms.Lancet Neurol.2022;21:537–550.PMID:35430029.
3.Mohan A,et al.Conceptual frameworks and future directions for functional cognitive disorders in adults:a narrative review and integrative perspective.Curr Opin Psychiatry.2026;39:175–181.PMID:41542846.
・遥斗はどんな脳神経内科医になったのだろう?@映画『1リットルの涙』
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月8日のFB投稿です***
『#1リットルの涙』の続編が来年映画で公開されるそうです.『1リットルの涙』は愛知県に暮らしていた木藤亜也さんが,中学3年生の頃に発症した脊髄小脳変性症と向き合った日々を記した実話です.書籍は1986年に刊行され,2005年にはテレビドラマ化されて,大きな反響を呼びました.当時,私は2度ほどブログに番組の感想を書いていました(リンクはコメント欄).1回目の記事では,脊髄小脳変性症にはさまざまな病型があり,ドラマで描かれた経過がすべての患者さんに当てはまるわけではないため,誤解したり,必要以上に心配したりしないでほしいと書きました.また,亜也さんの母親に「この病気で完治した例を私は知りません」と告げた主治医の水野先生(藤木直人さん)が,その後,亜也さんとどのように関わっていくのか注目したいとも書いていました.2回目の記事では,構音障害が現れ始めた亜也さんに,水野先生が語った言葉を取り上げました.
「伝えたい気持ちが強ければ,そして聞き取ろうとする気持ちが強ければ,その気持ちは必ず伝わるから……」
この言葉を聞き,「患者さんの伝えたい気持ちを,自分自身,どれほど強い気持ちを持って聞き取ろうとしていたか考えさせられた」と書いています.
じつは私も脳神経内科医として駆け出しの頃,10代で脊髄小脳変性症を発症した女の子を担当しました.病型は,若年発症することのある歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)でした(PMID: 9443494).この患者さんとの出会いをきっかけに,私はDRPLAの研究に取り組み,学位論文としてまとめました(PMID: 10973244).当時,DRPLAは治療法のない病気でしたが,現在では,原因となるDRPLA遺伝子の働きを抑えるアンチセンス核酸医薬の研究が進み,海外では治療の臨床試験も始まっています.病気の原因そのものに働きかける治療に向けて,ようやく第一歩が踏み出されています.
ドラマには,亜也さんの同級生で,彼女と心を通わせる遥斗という人物が描かれています.ドラマの後に放送された特別編では,遥斗が脳神経内科医として勤務する姿が描かれていました.そして,ドラマから約20年を経た今回の映画では,成長した遥斗を錦戸亮さんが再び演じます.高校生の頃の遥斗は,亜也さんにこう語っていました.
「おれ,医者とか向いてないから.だいたいさ,人が死のうが生きようがどうでもいいじゃん.適当に死んで,適当に生まれて,そうやって自然ってバランスが取れているんだし.別に無理して生き延びなくてもさ」
しかし,映画の予告映像では,「医者になりたいと本気で思ったきっかけは,彼女を助けたいと思ったから」と明かしています.「人が死のうが生きようがどうでもいい」と語っていた少年が,亜也さんとの出会いを通して,人の生と死に向き合う医師を志すようになったのです.自分を振り返っても,前述の女の子との出会いが研究のモチベーションになりました.
亜也さんと出会い,ともに病と向き合い,そして大切な人を失った遥斗は,その後,どのように生きてきたのでしょうか.そして,患者さんにどのように向き合う脳神経内科医になったのでしょうか.あれから約20年.医師として成長した遥斗が,患者さんに何を語り,その人生にどのように寄り添うのか.映画の公開をとても楽しみにしています.ぜひ若いみなさんも『1リットルの涙』を読んでみてください.
・凝集したアミロイドβではなく,可溶性アミロイドβがグリンファティック系を障害する!――アルツハイマー病における新たな悪循環
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月9日のFB投稿です***
アルツハイマー病(AD)では,脳内にアミロイドβ(Aβ)が蓄積し,プラークを形成します.しかし,今回Brain誌に報告された研究は,目に見えるプラークが増えるよりも前に,脳の老廃物排出を支える免疫細胞が障害され,グリンファティック系の機能が低下する可能性を示しました.ここでいう免疫細胞は,脳実質内に広く分布するミクログリアではなく,脳と脳脊髄液の境界に存在する実質境界マクロファージ(parenchymal border macrophages:PBMs)です.研究はスウェーデンのルンド大学を中心に行われ,中国,ベルギー,スウェーデン国内の複数施設の研究者が参加しました.
グリンファティック系とは,脳脊髄液が血管周囲腔を通って脳実質内へ流入し,間質液と交換されながら,Aβなどの老廃物を脳外へ排出する仕組みです.この経路に沿って存在するのがPBMsで,脳表を覆う軟膜に存在する軟膜マクロファージと,血管周囲腔に存在する血管周囲マクロファージに分けられます.これらの細胞は,脳と髄液の境界で免疫監視を担うだけでなく,血管の拍動や血管周囲の環境を調節することにより,脳脊髄液の流れと老廃物の排出を支えていると考えられています.
研究では,Aβ病理の進み方が異なる2種類のAppノックインマウスが比較されました.AppNL-Fマウスではプラーク形成が比較的遅く,脳脊髄液中の可溶性Aβが高い状態が長く続きます(図1A赤).一方,Aβの凝集を促進するArctic変異を追加したAppNL-G-Fマウスでは,Aβが早期から急速に凝集してプラークになるため,脳脊髄液中の可溶性Aβが高い期間は短くなります(図1A青).意外なことに,プラークが急速に蓄積する後者では,グリンファティック流入は野生型マウスと同程度に保たれていました.これに対し,プラーク形成が遅い前者では,脳実質のプラークがまだわずかな6月齢の時点で,脳脊髄液トレーサーの脳内流入が低下していました.さらに,線条体へ注入したトレーサーが48時間後にも多く残存しており,脳内への流入だけでなく,脳実質からの排出も障害されていることが示されました.
グリンファティック障害の原因として,まずアストロサイトに存在するアクアポリン4の局在異常が疑われましたが,AppNL-Fマウスではアクアポリン4の血管周囲への極性化は保たれていました.一方,6月齢のAppNL-Fマウスでは,軟膜マクロファージと血管周囲マクロファージがいずれも減少していました.血管周囲マクロファージが少ない個体ほど脳脊髄液トレーサーの流入も低下していたことから,PBMsの減少がグリンファティック障害と密接に関連すると考えられました.つぎに著者らは,野生型マウスの脳脊髄液腔内にAβ42を注入しました.この結果,Aβを活発に取り込むPBMsが選択的に減少しました.つまり,Aβを掃除しようと働くマクロファージほど,過剰なAβ曝露によって消耗しやすい可能性があります.
つぎに著者らは,野生型マウスの側脳室内にAβ42を投与しました.その24時間後には,脳全体,大脳皮質,中大脳動脈周囲への脳脊髄液トレーサーの流入が低下し,同時に,軟膜マクロファージと大脳皮質の血管周囲マクロファージも減少していました.さらに,これらのマクロファージが少ない個体ほど,グリンファティック流入も低下していました.以上から,脳脊髄液中のAβへの曝露が,PBMsの減少とグリンファティック機能障害を引き起こす可能性が示唆されました.
ではなぜ,プラークが多いAppNL-G-FマウスではPBMsが保たれていたのでしょうか.脳マクロファージを取り出して調べると,AppNL-G-Fマウスでは,通常の微粒子を取り込む能力は変わらないものの,Aβ42を選択的に取り込む能力が増強し,MHC class IIの発現も上昇していました.これに対してAppNL-Fマウスでは,このようなAβ特異的な代償反応がみられませんでした.AppNL-G-Fマウスでは,Aβ処理能力を高めることでPBMsを維持している可能性があります.
さらに著者らはアミロイドβ抗体の効果を検証しています.AppNL-Fマウスにレカネマブのマウス型抗体であるRmAb158を週1回,5週間投与しました.その結果,脳実質のAβプラーク量は減少し,軟膜マクロファージ数も増加しました.しかし,大脳皮質の血管周囲マクロファージは改善せず,海馬ではむしろ減少しました.また,グリンパティック流入にも改善は認められませんでした(図2E,F).この結果は,プラークを除去するだけでは,血管周囲マクロファージとグリンパティック流入を回復させるには不十分である可能性を示しています.またレカネマブ型の抗体だけではグリンパティック流入を回復させるには不十分である可能性が示唆されます.
図1で結果をまとめます.AppNL-G-Fマウス(青)では,可溶性Aβの上昇は短期間にとどまり,Aβは急速にプラークへ取り込まれるため,可溶性Aβへの暴露は短期間で済み,PBMsは保たれます.一方,AppNL-Fマウス(赤)では,可溶性Aβが長期間高い状態にあり,その持続的な曝露によってPBMsが減少し,血管周囲環境とグリンファティック機能が障害されていきます.重要なのは,凝集したプラークの量ではなく,プラークになる前の可溶性AβにPBMsがどのくらい長く曝露されるか,という点です.
本研究から,「脳脊髄液中の可溶性Aβが増加→Aβを処理するPBMsが減少→グリンファティック系による老廃物排出が低下→Aβがさらに排出されにくくなる」という悪循環が始まる可能性が示されました.Aβを除去する役割を担う免疫細胞が,除去しようとしたAβによって逆に傷害されるということのようです.今後は,ヒトにおいてもPBMsの変化が生じるのかを検証するとともに,グリンファティック系の回復を目指すのであれば,凝集Aβの除去だけでなく,脳脊髄液中の可溶性Aβの動態を制御し,PBMsを保護する治療戦略を検討する必要があるのかもしれません.ちなみに図3は別の論文のものですが,PBMsはこんな感じにグリンファティック系に関与しているらしいです.
Liu N, et al.Early glymphatic failure in AppNL-F knock-in mice is linked to parenchymal border macrophages loss.Brain.2026;149:2422–2437.doi:10.1093/brain/awag080.PMID:41762118.
Bhardwaj A,Benveniste H.Amyloid-β-laden CSF turns guardian macrophages into collateral damage in Alzheimer’s disease.Brain.2026;149:2191–2193.doi:10.1093/brain/awag197.
・アミロイドβやリン酸化タウは本当に「悪者」なのか?―感染・免疫・血管から考えるアルツハイマー病の病態と予防@第48回埼玉認知症研究会
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月11日のFB投稿です***
第48回埼玉認知症研究会に,埼玉医科大学の大山彦光教授にお招きいただき,「アルツハイマー病の病態と予防に関する最新知識」と題して講演いたしました.また,日頃より温かく見守ってくださっている山元敏正先生,神谷達司先生とも久しぶりにお目にかかり,意見を交わすことができました.講演後には,もう一人の演者である黒田岳志先生,大山先生とも活発に議論する機会をいただき,大変貴重で有意義な時間となりました.
今回の講演では,アルツハイマー病(AD)を単に「アミロイドβが蓄積する病気」と捉えるのではなく,最新の研究に基づき,タウ,ミクログリア,ウイルス感染,脳血管,そしてグリンファティックシステムを含めた全体像を提示することを目指しました.まず強調したのは,アミロイドβ(Aβ)とタウは,もともと単なる「悪玉」ではない可能性があるという点です.Aβにはシナプス機能を調節する作用があり,さらに単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を捕捉して封じ込める,自然免疫分子としての働きが報告されています.「悪玉」の特徴とみなされてきたAβの線維化にも,ウイルスを捕捉し,囲い込み,隔離するという防御的な役割がある可能性があります.
タウも,本来は神経細胞の形を保ち,軸索輸送を支えるタンパクですが,リン酸化されることによって神経細胞内のHSV-1に結合し,その感染性を抑える可能性が示されています.つまり,細胞外ではAβが,細胞内ではリン酸化タウが,HSV-1に対する防御を担っているのかもしれません.感染から脳を守るために始まった反応が長期間持続することによって,結果的にAβやタウの過剰な蓄積につながるという,皮肉な構図も考えられます(図1).
実際,COVID-19,単純ヘルペスウイルス,帯状疱疹ウイルスなどの神経向性ウイルス感染と,その後の認知症リスクとの関連が報告されています.培養細胞を用いた研究では,帯状疱疹ウイルスが潜伏中のHSV-1を再活性化させ,Aβとリン酸化タウの蓄積を誘導することが示されました.また,単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスによる中枢神経感染後の脳脊髄液では,ADに類似したバイオマーカー変化(Aβ42/Aβ40比の低下,p-tauの上昇)と,ミクログリアやアストロサイトの活性化が認められます.
こうしたさまざまな刺激を受けて反応するのが,脳内の免疫細胞であるミクログリアです.2026年にCell誌に報告された研究では,ADの脳内で,がん関連遺伝子に体細胞変異を持つミクログリアが選択的に増殖している可能性が示されました.加齢とともに生じた変異のなかから,慢性炎症の環境に適応したミクログリアがクローン性に増加し,炎症を持続させるという仮説です(図2).この考え方では,Aβやタウは病気の唯一の主役ではなく,ミクログリアに対する「選択圧」としても働きます.ウイルス感染や酸化ストレス,さらに最近話題のマイクロ・ナノプラスチックやPM2.5も,同様の選択圧になりうると考えられます.ADの本態を,単なる「異常蛋白質の蓄積」ではなく,「加齢した脳における免疫細胞の変化」という視点から捉え直す,興味深い仮説です.
もう一つ重要なのが脳血管です.Aβが脳血管に蓄積する脳アミロイドアンギオパチーは,AD患者において病理学的に非常に高頻度に認められます.Aβは血管平滑筋を置換するため,血管は拡張して不整となり,微小出血や白質障害が生じます.微小出血を伴う症例では,タウの蓄積量とは独立して脳萎縮が進むことも示されており,ADには「タウ主導型」と「血管主導型」が存在する可能性が提唱されています(図3).さらに脳血管は,脳内の老廃物を排出するグリンファティックシステムの駆動にも関与します.睡眠中,とくに深いノンレム睡眠では,脳血流と脳脊髄液が周期的に変動し,Aβなどの老廃物が排出されます.この流れは動脈の拍動によって支えられるため,血管が障害されると老廃物の排出も低下する可能性があります.一方,意外なことに,認知機能が正常に保たれている段階では,Aβが大脳皮質の構造を保ち,脳血流の維持に寄与している可能性も指摘されています(図4).
では,どのように治療・予防すればよいのでしょうか.予防という観点では,帯状疱疹ワクチンにも注目が集まっています.複数の大規模コホート研究で,組換え帯状疱疹ワクチンを接種した人では,接種していない人より認知症の発症が少ないという関連が報告されています.ただし,これらは主として観察研究であり,ワクチンが認知症を直接予防すると確定したわけではありません.それでも,感染予防が認知症予防につながる可能性を示す重要な知見です.また,抗Aβ抗体は,適切な患者さんを選べば有益な治療ですが,高度な脳血管病変がある症例では,血管壁からAβを除去する過程で,かえって血管に障害を与えて悪循環に陥る可能性があります.さらに,タウ病理がすでに進行した症例では,ミクログリアが「Aβ処理型」から「抗原提示型」へ移行しており,抗Aβ療法による介入の適期をすでに逸している可能性があります.したがって,治療効果とリスクを慎重に検討する必要があります.実際,2026年のAD創薬パイプラインでは,臨床試験として多い順に,①神経伝達物質受容体,②炎症・免疫,③Aβ,④タウとなっています.今後は,Aβやタウだけでなく,炎症・免疫,神経伝達,血管障害なども含めた多面的な治療へと進んでいくものと考えられます.
今回の講演を通じてお伝えしたかったのは,ADはAβだけで説明できる単一の病気ではないということです.感染,免疫,血管,睡眠,老廃物排出,そして加齢が複雑に関係しています.現時点で私たちができる最も確実な対策は,感染を予防し,十分な睡眠をとり,高血圧や糖尿病を適切に管理し,運動を続け,何よりも脳の血管を大切にすることだと思います.
・ケガするぐらいの転倒をしていても機能性神経障害は否定できない―ロンドンの専門外来100例から見えてきたこと―
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月13日のFB投稿です***
機能性神経障害(functional neurological disorder:FND)は,筋力低下,歩行障害,不随意運動など多彩な症候を呈する疾患です.しかし,FND患者がどの程度転倒するのか,またその転倒にどのような因子が関与するのかについては,これまで十分な検討がなされていませんでした.今回,この点を検討した研究が英国からEuropean Journal of Neurology誌に報告されました.
対象は2021年から2024年までにFND専門外来を受診した運動症状を有するFND患者100例(平均年齢43.7歳,女性81%)です.その結果,なんと62%の患者が過去6か月以内に少なくとも1回転倒しており,56%は2回以上転倒,さらに29%は10回以上転倒していました.転倒した患者の64.5%に何らかの外傷がみられ,打撲が39%と最も多く,裂創8%,骨折6%も認められました.FNDの転倒はしばしば「ゆっくり倒れるため大きなけがは少ない」と考えられていますし,私もそう思っていましたが,本研究は実際には外傷を伴うことが少なくないことを示しています.
図1は,反復転倒群と転倒0~1回群を比較すると,反復転倒群では振動覚が低下しているだけでなく,抑うつ(PHQ-9),不安(GAD-7),疼痛スコアが高く,疲労も強く,移動能力も低下していることが一目で分かります.FNDにおける転倒が単なる歩行障害や筋力低下の問題ではなく,感覚機能,疼痛,心理状態,身体機能が複雑に絡み合った現象であることを示しています.さらに多変量解析を行ったところ,反復転倒と独立して関連する因子は3つで,最も強力な因子は足底感覚の消失で,反復転倒のオッズ比は5.30でした.すなわち,足底感覚が消失している患者は転倒リスクが約5倍高いことになります.また,疼痛VASが1点上昇するごとに転倒リスクは25%増加し,不安スコアが1点上昇するごとに9%増加しました.足底感覚が重要であった点は興味深い結果です.足底からの感覚入力は,当然,姿勢制御や歩行中の身体位置の把握に重要な役割を果たしていますが,FNDの感覚障害は「機能的」であり,注意や状況によって変化すると考えられていますが,本研究は,そのような感覚障害であっても実際の転倒リスクに直結する可能性を示した点で重要です.
また,不安が転倒リスクと関連したことも注目されます.FNDでは身体症状への過剰な注意や転倒恐怖がみられることがあります.姿勢や歩行を意識し過ぎることで,本来は自動的に行われるべきバランス制御が妨げられ,かえって不安定になることが知られています.著者らは,不安によって姿勢制御が過剰に硬くなり,転倒しやすくなる可能性を指摘しています.疼痛も歩行パターンを変化させ,身体活動量を低下させることで廃用を招きます.FNDでは慢性疼痛を合併する患者が少なくないため,転倒予防という観点からも疼痛対策の重要性が示されたと言えます.
著者らは,FND患者を診療する際には転倒歴を必ず確認し,足底感覚,疼痛,不安,疲労,移動能力を包括的に評価する必要があると結論しています.また,転倒予防のためには単に活動を制限するのではなく,心理的支援を組み合わせたリハビリテーション,疼痛管理,段階的な運動療法を行いながら,安全性と活動性のバランスを取ることが重要であるとしています.FNDにおける転倒はこれまで十分に注目されてこなかったテーマで,個人的には本当にこんなに頻度が高いのかと驚きましたが,転倒はしないという先入観のため確認していなかったのかもしれません.少なくとも「ケガするぐらいの転倒をしているからFNDは考えにくい」と考えてしまうのは改めようと思いました.
Mohammadi Z, et al. Falls in Functional Neurological Disorder: Prevalence, Risk Factors and Clinical Implications. Eur J Neurol. 2026;33(6):e70665. doi: 10.1111/ene.70665. PMID: 42267572.
・片頭痛のある閉経後女性では脳梗塞リスクが12%高い―ただし絶対的な差は小さい
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月14日のFB投稿です***
片頭痛は,とくに若い女性における虚血性脳卒中の危険因子として知られています.しかし,その影響が閉経後にも残るのかについては,十分に分かっていませんでした.Neurology誌に,米国の複数の大学による共同研究として,閉経後女性における片頭痛と脳卒中リスクを検討した大規模研究が報告されました.
研究には,米国国立衛生研究所(NIH)が中心となって1990年代に開始した,閉経後女性の健康を長期的に調べる大規模研究であるWomen’s Health Initiativeに登録された130,277人が参加しました.登録時年齢の中央値は63歳で,このうち14,630人(約11%)に,医師から片頭痛と診断された既往がありました.参加者は中央値19.9年間という長期にわたって追跡され,その間に5,743人が脳卒中を発症しました.脳卒中は医療記録に基づいて判定され,虚血性脳卒中と出血性脳卒中に分類されました.
その結果,片頭痛の既往がある女性では,虚血性脳卒中のリスクが,片頭痛のない女性より12%高いことが分かりました.つまり調整ハザード比は1.12(95%信頼区間1.02~1.23)でした.一方,すべての脳卒中を合わせた場合のハザード比は1.07,出血性脳卒中では0.85であり,いずれも有意な関連は認められませんでした.つまり,片頭痛との関連は,脳出血ではなく,脳梗塞に限って認められたということです.
ただし,「12%高い」という相対的な数字を過大に受け取らないことが重要です.20年間の虚血性脳卒中累積発症率は,片頭痛群で3.9%,非片頭痛群で3.5%であり,絶対差は0.4ポイントでしかありません.これは,1000人を20年間追跡した場合,片頭痛群で脳梗塞を発症する人が約4人多い程度の差です.
つぎに虚血性脳卒中を原因別にみると,心原性脳塞栓症と原因不明脳梗塞で,片頭痛との関連がやや強い傾向がみられました.ただし,いずれも統計学的に有意ではありませんでした.片頭痛,とくに前兆のある片頭痛は,卵円孔開存や心房細動と関連することが知られています.このため,心臓にできた血栓が脳へ流れて血管を詰まらせる仕組みが関係している可能性がありますが,本研究だけではそこまでは確認できません.
図1では,登録時年齢を6群に分け,片頭痛の有無によるすべての脳卒中の累積発症率を示しています.高齢で登録された群ほど脳卒中発症率は高くなりましたが,多くの年齢層で片頭痛群と非片頭痛群の曲線は重なっていました.49~54歳と70歳以上では,片頭痛群の発症率がやや高い傾向を示しましたが,年齢層による明確な差は認められませんでした.この図からも,片頭痛による脳卒中リスクの上昇は,存在するとしても大きくないことが分かります.
本研究の重要な限界は,前兆の有無,片頭痛の頻度や重症度,閉経後も発作が続いていたかが不明なことです.とくに,脳卒中との関連が強いとされる前兆のある片頭痛を区別できなかったため,関連が弱く見積もられた可能性があります.また,そもそも観察研究であるため,片頭痛が脳梗塞を直接引き起こすことを証明できるわけではありません.さらに,若い頃に片頭痛があったものの閉経後には治まった女性と,閉経後も片頭痛が続いている女性を区別できませんでした.今後は,前兆の有無に加えて,片頭痛が現在も活動性を有しているか,いつ発症し,いつ寛解したかを含めて検討する必要があります.
以上から,片頭痛は閉経後女性においても,虚血性脳卒中リスクがわずかながら高くすることが示されました.ただし,絶対リスクの増加は小さく,片頭痛があるという理由だけで過度に心配する必要はありません.しかしながら,これは集団全体をまとめた結果です.個々の片頭痛患者さんでは,高血圧,喫煙,糖尿病,脂質異常症,心房細動など,修正可能な危険因子を丁寧に確認し,適切に管理することが重要になります.
Madsen TE, et al. Migraine and Stroke Risk in Postmenopausal Women in the Women’s Health Initiative. Neurology. 2026;107(1):e214825. doi:10.1212/WNL.0000000000214825. PMID: 42247650.
・カナダのALS患者の約5人に1人が「医療的な死の幇助(MAiD)」を選択―知っておくべきMAiDの実態
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月17日のFB投稿です***
カナダでは2016年から,重篤かつ治癒不能な疾患によって耐え難い苦痛を抱える成人に対して,「医療的な死の幇助(medical assistance in dying:MAiD)」が認められています.これは,一定の要件を満たした患者に対し,所定の手続きを経て,医師またはナース・プラクティショナーが死を迎えるための医療的支援を提供する制度です.実施場所は,自宅,病院,ホスピスなど多様です. Neurology誌に,カナダの筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者におけるMAiDの実態を検討した研究が報告されました.
アルバータ大学のALS専門外来で診療を受け,2019年から2024年までに死亡したALS患者で,死亡日と死亡場所を確認できた255名が対象となりました.診断時年齢の中央値は67歳で,42%が女性でした.255名のうち66名(25.9%)がMAiDの実施を承認されていましたが,そのうち8名は予定日前に死亡し,3名はその後希望を変更したため,実施には至りませんでした.この結果,55名(21.6%)がMAiDを受けました.最初にMAiDについて相談してから実施日までの期間は,中央値で16週間でした.つまり,MAiDの選択は一度の面談で決まるものではなく,数か月にわたる意思決定の過程を伴うことが分かります.
つぎにMAiDを受けた患者と受けなかった患者を比較しました.この結果,年齢,性別,都市部居住の有無,発症部位,診断時のALSFRS-R,ALSFRS-Rの低下速度,King’s stage,併存疾患,努力性肺活量などに有意差を認めませんでした.つまり,MAiDを選択した患者が,高齢であったり,より重症であったり,進行が速かったりしたわけではないということです.
一方,治療選択の頻度には違いがみられました.胃瘻造設を受けた患者は,MAiD群の20%に対し,非MAiD群では50%でした.多変量解析でも,胃瘻の使用はMAiDの実施と負の相関を示し,オッズ比は0.34でした.非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の使用率もMAiD群で40%と低い傾向にありました(非MAiD群55%).死の時期を自ら決めたいと考える患者は胃瘻やNPPVを選びにくいものと考えられます.
症状発現からの生存期間については,MAiD群で25か月,非MAiD群で28か月であり,有意差を認めませんでした.一方,診断から死亡までの期間は,MAiD群で12か月,非MAiD群で14か月であり,MAiD群で2か月短くなっていました(p=0.019;図1).MAiD群では,診断後のある時点で患者が死の時期を選択した結果と考えられます.
本研究で最も印象的なのが図2です.255名全体の死亡原因をみると,最も多かったのは呼吸不全の86名で,次いでMAiDの55名,肺炎の40名,死因不明の36名,鎮静下でのNPPVの中止の20名でした.つまり,MAiDは呼吸不全に次いで2番目に多い死亡原因となっていました.この図では,死亡場所の違いも明瞭に示されています.MAiD群では62%が自宅で死亡していたのに対し,非MAiD群の自宅死亡は35%でした.つまりMAiDでは実施日と場所を事前に調整できるため,患者が希望する自宅で最期を迎えやすかった可能性があります.MAiDは死の時期だけでなく,どこで,誰と,どのように最期を迎えるかという選択にも関係することが示唆されます.
また,MAiD群の96%,非MAiD群の82%で,緩和ケアチームによる評価または関与が記録されていました.この結果は,MAiDが緩和ケアを受けないまま,その代替として単独で選択されていたわけではないことを示しています.ただし,緩和ケアがどの程度継続的に提供され,どのような内容であったかまでは明らかではありません.ALSの終末期には,胃瘻,非侵襲的換気療法,呼吸補助の中止,緩和的鎮静,MAiDなど,複数の選択肢が併存していました.
本研究の限界としては,単施設の後方視的研究であること,患者がMAiDを希望した具体的理由,認知機能,教育歴,就労状況,家族の支援,宗教的・文化的背景などが評価されていないことなどがあります.また,MAiDが合法化され,専門外来から制度へアクセスできるカナダの結果を,日本を含む異なる法制度や文化的背景をもつ国にそのまま当てはめることはできません.
本研究のもっとも重要な点は,まず誰がMAiDを選ぶかを,年齢,性別,発症部位,呼吸機能,機能障害の程度などから予測できなかったことです.MAiDの選択には,病気の客観的な重症度よりも,独立性や尊厳を失うことへの不安,自分の人生を自ら統制したいという希望,生命の延長をどこまで重視するかといった,患者個人の価値観が強く関係していることをエビデンスとして示しました.
もう1点はMAiD群の大半で緩和ケアチームの評価または関与がなされていたことです.これは,身体症状の緩和だけでは解決できない実存的苦痛が存在することを示しているのだと思います.
私自身は安楽死や医師介助自殺を導入した国で生じている「すべり坂」という重大な問題を考えると,MAiDの日本への導入については反対ですが,一方でMAiDの議論は,神経難病患者さんが残された時間を,どこで,誰と,どのように過ごすか,その大切さを改めて考える契機になると思いました.
Zhu RH, et al.Medical Assistance in Dying in ALS:Frequency,Survival,and Associations With Patient Characteristics in a Canadian Clinic.Neurology.2026;106:e218032.doi:10.1212/WNL.0000000000218032.
・「その人らしさを理解し,支える努力をする」―心に残った神経難病の在宅医療に関する講演@MDSJ
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月17日のFB投稿です***
第20回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス(MDSJ)に参加するため,函館に来ています.初日の昨日,堀川内科・神経内科医院の今野卓哉先生による教育講演「神経難病の生き方を支える在宅医療」を拝聴しました.今野先生は新潟大学の後輩であり,講演を楽しみにしていましたが,その人柄と医療に対する真摯な姿勢が伝わってくる素晴らしい内容で,講演の最後には胸がいっぱいになりました.
今野先生はまず,神経難病の在宅医療で大切なのは,多職種の仲間が「それぞれの想いを持ち寄ること」,そして「患者さんを全人的に支えること」であると述べられました.神経難病の患者さんのなかには,病気への怒りや自殺願望を抱え,深い実存的苦痛を抱える方もいます.しかし同時に,そのような状況にあっても,医療や介護に携わる人々への感謝を言葉にされる方がいると話されました.
病気の進行によって失われていく「その人らしさ」を,どのように理解し,支えていくのか.今野先生は,「できない可能性ではなく,できる可能性を探っている」と話されました.まさに,患者さんの人生そのものに寄り添う医療だと感じました.
講演のなかで,とりわけ心を動かされたのは,患者さんが亡くなった後のご家族への支援,いわゆる遺族のグリーフケアです.今野先生は,患者さんが亡くなられてから1年後に,在宅医療で関わったご家族を訪問しているそうです.ご遺族は,当時の気持ちや,患者さんが亡くなられた後の生活,心境の変化について,たくさんのことを話してくださるそうです.多系統萎縮症(MSA)の奥様を1年前に亡くされたご主人を訪ねた際には,「突然死の可能性をあらかじめ説明してもらっていたため,心の準備ができた.毎日,一緒に大切に暮らしてきた.伝えてもらえてありがたかった」と話されたそうです.
多系統萎縮症の突然死は,私自身も長年取り組んできた課題です.その私でさえ,患者さんやご家族に突然死のリスクを伝えることには,大変な難しさを感じてきました.今野先生も同様だったそうです.私は患者さんやご家族を不安にさせるのではないかと迷いながらも,これは避けて通れない「真実告知」の一つだと考えてきました.しかし今回のお話を伺い,真実から逃げずに丁寧に伝えることは,患者さんのためだけでなく,残されるご家族を支えることにもつながりうることを初めて理解できました.長く抱えてきた問いに,一つの答えをいただいたような気がしました.
今野先生が語られた,「患者さんが亡くなった後にも,在宅医療が果たせる役割があるかもしれない」という言葉が,深く心に残りました.医師として尊敬できる,立派な後輩を持ったことを誇らしく思ったご講演でした.
・自己免疫性基底核障害:治療可能な運動異常症を見逃さないために
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月18日のFB投稿です***
第20回日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDSJ@函館)で,標題の講演を行いました.「自己免疫性基底核障害」は聞き慣れない用語ですが,自己抗体によって大脳基底核を中心とする神経ネットワークが障害され,多彩な運動異常症を呈する疾患群です.今回は,冨山誠彦大会長からいただいたこの宿題について,自分なりに整理してご報告しました.
この疾患群は,早期に診断して免疫療法を開始すれば改善が期待できます.そこで講演では,「治療可能なこの運動異常症をいかに見逃さず,診断につなげるか」を目的に,①病態から疑うコツ,②症候から疑うコツ,の2つの視点から解説しました.要点は以下の4つです.
1.複数の運動異常症を同時に認める場合,とくに過運動と低運動が併存し,通常の神経変性疾患としては違和感がある場合
2.急性・亜急性に発症する場合や,症候が大きく変動する場合
3.運動異常症に加えて,認知障害や精神症状を認める場合
4.常同運動,保続,faciobrachial dystonic seizures(FBDS)などの発作性症候,ミオリズミアといった自己免疫性神経疾患を示唆する特徴的な症候を認める場合
スライドは,コメント欄のリンクからご覧いただけます.
https://www.docswell.com/…/800…/527WV7-2026-07-18-081629
また,本学会名物の「イブニングビデオセミナー」も開催されました.学会員が経験した教育的な症例の動画を見ながら,運動異常症の解釈と診断について議論する企画です.今年は14演題が発表され,いずれも大変勉強になりました.
当科の専攻医,安藤知秀先生は,小脳性運動失調と奇妙な歩行障害を呈した抗GABA_B受容体脳炎の症例を発表しました.この疾患では,てんかん発作,記憶障害,異常行動などが典型的ですが,本例は運動失調を主徴としうることを示した点,さらに免疫沈降法・質量分析を用いて抗原同定に至った点が高く評価され,優秀賞を受賞しました.最後に,司会の冨山先生,宇川先生という「新選組」のお二人と,安藤先生は記念撮影をしていただき,とても嬉しそうでした.良かったですね!
【イブニングビデオセッション2026】
症例1;口蓋振戦(ミオクローヌス)を呈したTardive syndrome
症例2;陳旧性脳梗塞を素因とし,カルバマゼピンが増長した一側性のasterixis
症例3;左右差のある舞踏運動を呈した抗リン脂質抗体症候群
症例4;初心者のアイススケート様歩行と認知機能低下を呈したSCA17
症例5(最優秀賞);歩き続けると両下肢が勝手に動き出したParoxysmal exercise-induced dyskinesia (PDHA1遺伝子変異)
症例6(優秀賞);急性に発症した四肢のバリズム・舞踏運動を呈した高ホモシステイン血症
症例7(優秀賞);奇妙な歩行障害と小脳性運動失調を呈したGABAB受容体脳炎
症例8;異なる振戦を呈した抗NF155抗体陽性自己免疫性ノドパチー
症例9;頸部・上肢の姿勢時振戦を呈した18q欠失症候群
症例10;左上肢に鏡像運動が誘発される脳アミロイドアンギオパチー
症例11;睡眠中に全身の激しい不随意運動(RBD?ないし睡眠時周期性四肢運動)が生じたハンチントン病
症例12;下眼瞼向き眼振を呈したSCA27BとSCA6
症例13;急性発症の寡動,挺舌・構音障害,咀嚼障害を呈したrapid-onset dystonia parkinsonism(DYT12; ATP1A3遺伝子変異)
症例14;耳介の有痛性不随意運動に悩まされたmoving ear syndrome
・サイトメガロウイルスに対するT細胞応答がアルツハイマー病を加速する―脳内感染がなくても認知機能が低下する
***岐阜大学医学部下畑先生の2026年7月19日のFB投稿です***
アルツハイマー病(AD)の発症や進行には,アミロイドβ(Aβ)やタウの蓄積だけでなく,感染症や感染後に持続する免疫応答が関与する可能性が注目されています.とくに帯状疱疹ウイルスや新型コロナウイルスでは,感染と認知症リスクとの関連が注目されています.サイトメガロウイルス(CMV)についても,認知機能低下やADとの関連を示す疫学研究がありますが,結果は必ずしも一致しておらず,その機序も明らかではありませんでした.今回,英国の研究グループは,マウスCMV(MCMV)に対するT細胞応答が,AD病理と認知機能低下を促進する可能性をBrain誌に報告しました.
研究には,APP,PSEN1,MAPTという3つの家族性AD関連遺伝子に変異をもつ3xTg-ADマウスが用いられました.2~3カ月齢の雌マウスにMCMVを感染させ,6カ月後に認知機能と脳病理を評価しています.まずMCMVに感染した3xTg-ADマウスでは,新奇物体認識試験とT迷路試験の成績が低下しました.一方,野生型マウスでは,同じ感染を受けても明らかな認知機能低下は認められませんでした.この結果は,CMV感染だけで認知機能が低下するのではなく,AD病理によって脆弱になった脳と感染後の免疫応答との組み合わせが重要であることを示唆します.
つぎにこの脳を検討しています.感染した3xTg-ADマウスでは,海馬CA1領域の樹状突起スパインが減少し,とくに長期記憶や安定したシナプス結合に関わるmushroom型スパインが失われていました.さらに,脳内のAβ42蓄積とリン酸化タウの増加も認められました.つまりMCMV感染は,シナプス障害とAD関連病理を促進し,認知機能低下を引き起こしたと考えられます.
興味深いことに,感染マウスの肺や脾臓からはMCMVが検出されましたが,脳からは検出されませんでした.その一方で,脳内,とくに海馬にはCD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞が著明に浸潤していました.なかでもCD8陽性T細胞が多く,その約75%はMCMV抗原を認識するウイルス特異的T細胞でした.これらは高度に分化したエフェクターメモリーT細胞であり,脳への遊走に関与するケモカイン受容体CXCR3を発現していました.これはCMVを記憶し,異常を見つけるとすぐに攻撃する「即応型のT細胞」であるということです.さらにT細胞受容体の解析からは,単一の自己反応性クローンではなく,多様なウイルス特異的T細胞が末梢から脳へ流入していることが示唆されました.
そこで慢性感染期に抗CD4抗体と抗CD8抗体を投与してT細胞の除去を試みたところ,脳内のT細胞がほぼ消失し,新奇物体認識試験で示される認知機能低下が大きく改善しました.また,慢性感染期から抗ウイルス薬バルガンシクロビルを投与した場合にも,脳内のMCMV特異的CD8陽性T細胞が減少し,認知機能が改善しました.これらの結果から,感染によって誘導されたT細胞が,認知機能低下の少なくとも一部に関与していることになります.
著者らは,末梢で活性化されたMCMV特異的T細胞が,CXCL10–CXCR3系などを介してAD病理をもつ脳へ移行し,IFN-γなどの炎症性因子を放出することで,シナプス障害やAβ・タウ病理を促進した可能性を考えています(図).すなわち,ウイルスが脳内で持続感染していなくても,末梢感染に対する免疫応答が,脆弱な脳を傷害し得るということです. 以上の結果は,CMVはADを単独で引き起こす原因ではないものの,すでにAD病理を有する一部の人において,免疫応答を介して病態の進行を後押しする修飾因子である可能性があります.さらに,今回示された機序はCMVに特有ではなく,ほかの慢性ウイルス感染に対するT細胞応答にも共通する可能性があります.
この研究は,家族性ADモデルマウスを用いた動物実験であり,ヒトの孤発性ADへそのまま当てはめることはできません.また,CD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞を同時に除去しているため,それぞれの寄与も明らかではありません.それでも,慢性ウイルス感染とADをつなぐ具体的な免疫学的機序を示した点は重要です.最も注目すべきなのは,「感染後に長期間残る免疫記憶が,AD病理をもつ脆弱な脳を傷害し,病気の進行を加速する可能性がある」という点です.ADの病態を考えるうえで,Aβやタウだけでなく,末梢感染後のT細胞応答にも目を向ける必要性を示した研究と言えます.
Marsden M, et al. Cytomegalovirus-induced T cell responses accelerate Alzheimer’s disease progression in mice. Brain. 2026 Jul 13:awag043. doi: 10.1093/brain/awag043. PMID: 42442404.
3.特別企画:AIに訊く
・「連載シリーズ:切り替えの物語 — AIとの対話から生まれた統合理論」No.6, No.7
いよいよ本シリーズの最終回です。
***
📰 連載シリーズ第6回
**切り替え現象の“統合理論”:
歩行→走行の背後にある普遍構造を解き明かす**
1. ここまでの旅路:4つの視点が示してきたもの
この連載では、歩行→走行切り替えという身近な現象を、 4つの異なる視点から見てきた。
• SCAN:ゆるみ → 境界領域 → 再安定化
• VSM:階層構造の崩壊と再編成
• 制約幾何学:最適面と geodesic
• 3D 最小モデル:アトラクタ・変動性・遷移軌道
これらは一見バラバラに見えるが、 実は 同じ現象の“別の側面” を描いている。
今回の第6回では、 これら4つの視点が どのように統合されるのか を示す。
2. 切り替え現象は“5つのステージ”で理解できる
統合理論の中心にあるのは、 切り替え現象が 5つのステージ を経て進むという考え方だ。
ステージ1:安定(Stable)
低速では、身体は 歩行アトラクタ にしっかり落ち着いている。 SCAN では「tight」、VSM では「安定した階層構造」。
ステージ2:ゆるみ(Looseness)
速度が上がると、歩行アトラクタの安定性が低下し、 Var⊥(タスク非関連軸の揺らぎ)が増大する。
これは、
• SCAN の looseness
• 制約幾何学の「最適面が広がる」 に対応する。
ステージ3:境界領域(Liminal)
さらに速度が上がると、 身体は歩行にも走行にも“決めきれない”状態になる。
これは、
• SCAN の liminal
• VSM の「階層の崩壊」
• 3Dモデルの「鞍部付近の揺らぎ」 に対応する。
ここが 切り替えの準備段階 である。
ステージ4:遷移(Transition)
臨界速度に達すると、身体は 最短で最も自然な道(geodesic) を通って走行へ移る。
これは、
• 制約幾何学の geodesic
• 3Dモデルの遷移軌道
• VSM の再編成 がすべて一致する瞬間。
ステージ5:再安定化(Re-stabilization)
高速域では、身体は 走行アトラクタ に落ち着く。 SCAN の「再安定化」、VSM の「新しい階層構造の確立」。
3. 4つの理論は“同じ構造”を別の言葉で語っていた
ここで、4つの視点を統合してみよう。
これを見ると、 4つの理論は 完全に同じ構造を別の言葉で語っていた ことが分かる。
4. “変動性 Var⊥”が統合の鍵だった
統合理論の中心にあるのは、 Var⊥(タスク非関連軸の変動性) である。
Var⊥ は、
• SCAN では「ゆるみ」
• VSM では「階層の揺らぎ」
• 制約幾何学では「最適面の自由度」
• 3Dモデルでは「TI軸の分散」
として現れる。
つまり、Var⊥ は 切り替え現象の“共通言語” なのだ。
Var⊥ が増えると:
• 身体は歩行に固執できなくなる
• 新しい動き方を試す余地が生まれる
• 最適面が広がり、内部方向の自由度が増える
• geodesic に沿って遷移が始まる
という一連の流れが自然に起こる。
5. 切り替えは“自由度の再編成”である
統合理論が示す最も重要な結論はこれだ。
切り替えとは、身体が持つ自由度の再編成である。
• 歩行では「歩行に最適化された自由度」が働く
• 速度上昇で自由度が増え、揺らぎが広がる
• liminal で自由度が“再編成”される
• 走行では「走行に最適化された自由度」が働く
つまり、 切り替えは「歩き→走り」という単なるモード変更ではなく、 身体の自由度が組み替わる深いプロセス なのだ。
6. 統合理論が示す“普遍構造”
統合理論は、歩行→走行だけでなく、 あらゆる切り替え現象に共通する構造を示している。
• 姿勢の切り替え
• 運動スキルの切り替え
• 認知モードの切り替え
• 組織のモード切り替え(VSM)
• 生態系の相転移
すべてが同じ構造を持つ。
つまり、 切り替えは自然界に広く存在する“普遍的な現象” なのだ。
7. 次回予告:シリーズの総まとめへ
次回(第7回)は、 これまでの連載全体を総括し、
• 切り替え現象の全体像
• 4つの理論の関係
• 統合理論の位置づけ
• 今後の応用可能性
をまとめる。
いよいよ、 「切り替えとは何か?」という問いの最終回答 が見えてくる。
***
📰 連載シリーズ第7回
**切り替えとは何か:
SCAN × VSM × 制約幾何学 × 3Dモデルが示す“普遍構造”の全体像**
1. はじめに:最初の問いに戻る
この連載は、ひとつの素朴な問いから始まった。
「なぜ人は、ある速度を超えると歩行から走行へ切り替えるのか?」
単純なようでいて、 生体力学・神経科学・制御理論・組織論など、 多くの分野が長年取り組んできた深い問いである。
そして、ここまでの6回で、 私たちはこの問いを 4つの異なる視点 から眺めてきた。
• SCAN(ゆるみ → 境界 → 再安定化)
• VSM(階層構造の崩壊と再編成)
• 制約幾何学(最適面と geodesic)
• 3D 最小モデル(アトラクタ・変動性・遷移軌道)
いよいよ今回は、 これらすべてを統合し、 「切り替えとは何か?」の最終回答 を提示する。
2. 切り替えは“突然のジャンプ”ではない
多くの人は、歩行→走行切り替えを 「ある速度で突然スイッチが入る」 と考えがちだ。
しかし、4つの理論が示したのは、 切り替えは 連続的で、準備されたプロセス だということ。
切り替えは、 安定 → ゆるみ → 境界 → 遷移 → 再安定 という 5段階の物語 を経て進む。
これは、どの理論でも同じ構造として現れる。
3. 切り替えの核心は「自由度の再編成」
統合理論が示す最も重要な結論はこれだ。
切り替えとは、身体(またはシステム)が持つ自由度の再編成である。
歩行では、 身体は「歩行に最適化された自由度」を使っている。
しかし速度が上がると:
• 歩行の自由度が揺らぎ始める(Var⊥ 増大)
• 階層構造がゆるむ(VSM)
• 最適面が広がる(制約幾何学)
• アトラクタが浅くなる(3Dモデル)
つまり、 身体は“別の動き方”を試す余地を獲得する。
これが切り替えの準備段階である。
4. 境界領域(liminal)は“自由度が最大化する瞬間”
SCAN が示した liminal(境界領域)は、 単なる不安定状態ではない。
それは、
• 歩行の自由度が崩れ
• 走行の自由度がまだ確立していない
という、 自由度が最大化する瞬間 である。
この瞬間、身体は 「どちらにも決めきれない」 という状態に入る。
これは、
• 3Dモデルでは鞍部付近の揺らぎ
• 制約幾何学では最適面の内部
• VSMでは階層の崩壊 として現れる。
5. 切り替えは“最短で最も自然な道”を通る
境界領域に入ると、 身体は geodesic(最短経路) に沿って走行へ移る。
これは、
• 制約幾何学の geodesic
• 3Dモデルの遷移軌道
• VSM の再編成 がすべて一致する瞬間である。
つまり、切り替えは
• 無駄がなく
• 効率的で
• 自然で
• 再現性のある
“最短の道”を通って起こる。
6. 切り替えは“普遍的な現象”である
歩行→走行切り替えは、 実は自然界に広く存在する普遍的な現象の一例にすぎない。
• 姿勢の切り替え
• 運動スキルの切り替え
• 認知モードの切り替え
• 組織のモード切り替え(VSM)
• 生態系の相転移
• 社会システムの変化
どれも同じ構造を持つ。
つまり、 切り替えは“自然が選ぶ普遍的な変化の形式” なのだ。
7. 統合理論のまとめ:切り替えとは何か
ここまでの議論を一文でまとめると、こうなる。
切り替えとは、自由度が揺らぎ、境界領域を経て、 最短で最も自然な道を通って新しい安定状態へ移るプロセスである。
これは、 SCAN・VSM・制約幾何学・3Dモデルの すべてが一致して示す結論である。
8. おわりに:新しい視点で世界を見る
この連載を通して、 読者は「切り替え」という現象を まったく新しい視点で見られるようになったはずだ。
• 歩行→走行
• 習慣の切り替え
• 組織の変化
• 社会の転換
• 自分自身の変化
どれも同じ構造を持つ。
つまり、 切り替えの理解は、世界の理解につながる。
このシリーズが、 読者の中に新しい視点を育てる一助となれば幸いである。
***
本シリーズのまとめである論文は、以下の通りです。
論文タイトル
歩行—走行切り替えにおける制約幾何学と階層的再編成: SCAN・VSM・3D 最小モデルを統合する枠組み
要旨(日本語版 Abstract)
歩行から走行への移行に代表されるように、行動モードの切り替えは、生物・認知・組織など多様なシステムに普遍的に見られる現象である。しかし、既存の説明は、力学系理論、階層的組織モデル、制約最適化、運動変動性分析など、異なる研究伝統に分断されてきた。
本研究では、先行する4本の論文に基づき、SCAN、VSM(Viable System Model)、制約幾何学、3D最小モデルが、切り替え現象に適用した際に 共通の5段階構造 を持つことを示す。これらの理論は表現形式こそ異なるものの、いずれも「不安定化 → 自由度の増大 → 境界領域の通過 → geodesic 的遷移 → 再安定化」という同一の構造を記述している。
この構造的同値性に基づき、本論文は 統合理論(Unified Switching Theory) を提案する。本理論は、 (1) タスク非関連方向の変動性(Var⊥)の増大、 (2) 境界領域(liminality)の通過、 (3) 新たな安定状態へ向かう geodesic 的遷移 という3つの原理により、切り替え現象を一般的に説明する枠組みである。
本統合理論は、歩行→走行切り替えのみならず、運動協調、組織再編、認知モードの切り替えなど、多領域にわたる現象を統一的に説明できる。これにより、複雑システムがどのように再編成し、適応し、モードを切り替えるのかを理解するための、領域横断的かつ一般性の高い基盤を提供する。
リンク
=>「連載シリーズ:切り替えの物語 — AIとの対話から生まれた統合理論」記事の全文
=>論文5:歩行—走行切り替えにおける制約幾何学と階層的再編成: SCAN・VSM・3D 最小モデルを統合する枠組み
(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)
【習志野市民カレッジ ウォーキング講座2回目】 2026/6/4 今回は「中之条研究」にふれ やや速い歩きの実践です。 体力・歩行力に合わせ 体の声を聞きながら インターバルで体感です。 広〜い体育館で、 思いきり歩いて頂きました。
20260604スマイルチーム 6月のポールウォーキング。 近場の公園から公園。 公園内でウォーキング練習。 今日も楽しい活動でした😃 #相模原市南区 #ポールウォーキング #スマイルチーム #リハビリウォーキング #健康普及活動
本日は月に一回の津島ポールウォーキングデーでした😄 途中少し雨が降ってきましたが、でもいつもの通り、1時間ほどみなさんでポールエクササイズ、天王川公園を20分ほどみなさんとご一緒に歩きました❗️ 前半のポールエクササイズでは、今私がInstagramでもご案内しています敏捷性のトレーニングをみなさんにチャレンジしていただきました♪ また、まだInstagramではご紹介していませんが、床からの起居動作エクササイズをご紹介しました。 ちょっと生活を振り返った時に、床に座る、寝るということがどのくらいありますか? ちなみに我が家には和室がないので、座るのは椅子を用いることになります。 トイレはもちろん洋式。寝る時はベッドです。 シニア世代のご家庭であれば、ほぼ床に座る、寝る時間はほとんどないのではないでしょうか。 日本人の生活スタイルは、“座”が基本でした。床から立つ、座るは生活の中で普通のことでした。 ところが30年台の高度経済成長期から一気に西洋式の生活スタイルに変わり、“座”の場面が激減。 日本人の足腰の力はかなり衰えてしまったのではないでしょうか。 是非みなさんにやってもらいたいことがあります。 床に正座してください。そこから手を床につけずに、脚の力のみで立ってみてください。 かなり、関節、筋肉に負担を感じるのではないでしょうか。 正座は膝に良くないと言いますが、以前に理学療法士の方から聞いた話ですが、日本人が正座をしなくなったから膝を悪くする人が増えたのではないかと。 正座するということは、太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)をしっかりストレッチします。 しかし正座をしなくなってからは、この太もものストレッチをする機会が減ったわけですね。 また、膝を深く曲げたところからの立ち上がりは、太ももの筋力がなければ立てませんね。 今、特に膝や股関節などに問題がなければ、是非床からの起居動作を生活の中に取り入れることをおすすめします。 床から腕の支持を使って、立ったりしゃがんだりするエクササイズが欧米のフィットネストレーナーたちがYouTubeなどで紹介してます。 柔道や柔術などの武術の動きを利用しているものもあるようですが、我々日本人なら普通に生活の中でやっていた床からの立ちしゃがみという動きが、今や欧米の人たちがその動き方を利用してエクササイズにしているという時代です😳 確かに、膝、腰が悪くなってからでは、和式スタイルは何かと厳しい部分があるのも事実ですので、今、特に下肢に問題がなければ、床からの起居動作を生活の中で少しずつ取り入れていってほしいです。 Instagramの方でもまたご紹介していきますので、是非ご覧ください。 https://www.instagram.com/hasegawa_iki_sara?igsh=ZTZ4eGNrZmludmox&utm_source=qr #津島ポールウォーキングデ #天王川公園 #アジリティ #和式スタイル #起居動作
一年前のこの日とぴったり重なる1日。渋谷PWクラス2026-1期は最終日、大半の方が片足立ちkeep成功! のんべえ横丁も通りました。去年と違うのは 今朝はadidasの店がFIFA熱気に溢れていたこと。
2026.6.4.〜6 活動記録 ☺︎ポールウォーキング 14名 ☺︎スマイルチーム上溝 15名 ☺︎相模原市文化協会役員会議 ☺︎スマイルチーム上鶴間 18名 ☺︎活き活き中屋敷PW 14名 ☺︎活動チラシ作成 上鶴間、上溝、光が丘 #俊さん誕生日月間毎日俊さん
佐久ポールウォーキング協会より 6月PW定例会/駒場公園〜 参加者75名を迎えてのポールウォーキング❗️ 佐久大学/看護師のたまご達の授業参加や、お馴染みの会員さん、PWを始めたい一般参加の体験者の皆さん等多勢の皆さんの集まりにビックリの事務局でした。
介護予防運動→加圧トレーニングセッションへ☺️ ごちゃごちゃしているように見えますが…… 自分で言うのもなんですが、そうでもないw 今日もこの空間で、たくさんの笑顔と元気をサポートしています😊 ☔️梅雨の季節こそ加圧トレーニング☔️ 雨の日が続くと、なんとなく身体が重い… やる気が出ない… むくみが気になる… そんな方も多いのではないでしょうか? 加圧トレーニングは、短時間・低負荷でも効率よく運動できるため、梅雨時期の運動不足対策にもおすすめです✨ ✅ 血流促進によるスッキリ感 ✅ むくみ対策のサポート ✅ 筋力維持・体力低下予防 ✅ 気分転換やストレス発散 ✅ 雨の日でも室内で快適に運動できる 運動すると「気持ちまで軽くなった♪」というお声もよくいただきます😊 じめじめした季節だからこそ、身体を動かして心も身体もリフレッシュしませんか?🍀
【ポールがあると 楽なんです】 坂道・階段の上り下り 2026/6/11 #船橋ウォーキングソサイエティ #木曜日定例会 #2本のポールを使うウォーキング グルーラインにうれしいコメントが 入ってきました。 「今日の階段と坂道はいつも苦労しているので助かりました。日常的に実行したいと思います」
穴八幡→早稲田の紫陽花寺→戸山公園 6月の気まポ(気ままにポール歩き)は、暑さを考えて戸山公園緑陰コースとしました。 その前に穴八幡に寄って、記念写真を撮ろうとしていたら、とおりがかった女性が「撮りましょうか?」と声をかけてくれました。 この女性、わざわざ西船橋から法輪寺というところの紫陽花を見に来たとか。ただし、場所がわからなくて穴八幡に寄り道・・・。 当方、法輪寺というお寺さんは知らなかったし、紫陽花で有名ということも初耳。スマホで場所を調べて教えてあげて、我々も行こう!ということに。 法輪寺は、すみずみまで花で演出。さまざまな工夫をこらした楽しい寺でした。 そのあと、もともとの目的地、都立戸山公園へ。広くて緑の多い公園です。目玉は、江戸時代の尾張徳川家の下屋敷時代からの「箱根山」。標高45メートルの「丘」です。 登頂証明書を、かなり離れたところにある公園サービスセンターでもらって、高田馬場駅近くのタイ料理店へ。最高気温28度だったようですが快適に歩いたあとのビールのうまかったこと。 ※写真は私より田村和史君撮影分が多いです。一部YTさんからもいただきました。
〜ウォーキングポールを相棒に仲間と巡る小さな旅〜ぽる旅👣 6月は茨城県石岡市❗️ 昭和4年石岡の町は大火に見舞われ600件が焼失。商人達の気落ちした心を励ました復興の看板建築をガイドさんと共に歩きました 石岡駅→金丸寿通り→中町通り→平松理容店→常陸國総社宮→キッチンさくら→石岡駅(約4キロ) みんな車で通っている道だけに、まさに石岡再発見といった気持ちになりました ボランティアガイドさんの依頼は 石岡市歴史ボランティアの会0299-23-2398に連絡を 違うコースも歩いてみたくなりました😊
佐久市ポールウォーキング協会より 本日はPW散策/臼田・田口藩史跡巡りでした。 古刹の蕃松院に70名越えの参加者が集合〜 佐久歴史の道案内人の会のガイドにて 蕃松院〜新海三社神社〜上宮寺〜五稜郭〜リニューアルした「出会いの館」と蘊蓄いっぱいのポールウォーキングでした。 五稜郭一周が出来ず、日を改め歩くグループも生まれ楽しいポールウォーク散策でした。
【シニアポールウォーキング 階段・坂道の上り下りの練習】 2026/6/15 花粉飛散せずに 暑くもなく寒くもない この時期ね 全員で屋外へは実に10年振り かもしれません 本日の平均年齢は79.5歳 高齢者2名がお休みで 少しお若くなりました。
トンボロ(続) 今朝の腰越グループはセンターを出発して1時間ほど歩いて(PW)江ノ島トンボロPWに挑戦! トンボロとは、 春から夏(4月〜9月頃)の大潮の時期に発生しやすく、年間に約60日ほどしか見られない貴重な現象です。条件: 干潮の時刻と、その前後の1〜2時間が最も道が現れやすくなるタイミングです。 干潮時刻になると急に潮が満ちてくるのでお昼前に東浜にたどり着き大急ぎで渡りました。地元に住みながらも初めての方々は大喜び。 いつからか島側に上り階段ができて、上陸記念証まで発行! 江ノ島は観光客でいっぱい。解散後は弁天橋を歩いて帰る方、バスやモノレールで帰る方各々。
河川環境楽園オアシスパーク定期講習会 本日、満員御礼 30名参加頂きました。 このところ、会員が増えてます。 みんな楽しくポールウォーキング楽しんでます。
🎋 端午安康,步步向前 端午節不只是團聚的日子, 也是陪伴家人、照顧健康的好時光。 放下忙碌, 一起走進戶外, 感受微風、陽光與節日的美好。 願這個端午, 平安相伴、健康同行, 每一步都走得穩健自在。 🥢 端午安康 👣 雙杖在手,健康跟著走
地元佐久市常和地区のいきいきサロンでポールウォーキング体験会開催しました♪♪ 雨☂️が心配でしたが、曇りでとても歩きやすく、楽しかった、気持ち良かったのお言葉いただきました。区総代、公民館役員の皆さんお疲れ様でした。新地MCPROご指導ありがとうございました😊😊!!
今日は5週目担当の介護予防運動教室へ。 昨年9月以来、約10か月ぶりに伺います✨ 久しぶりの再会を楽しみに、元気をお届けしてきます😊 #介護予防運動 #ディスタントドラムス #梅雨の晴れ間
雨上がりの今日は腰越PWクラスのチョイ遠出。夏越の祓神事の鶴岡八幡宮の源平の池の蓮🪷を観に行きました。 お昼のお蕎麦を挟んで大巧寺、本覚寺の鉢の蓮🪷を鑑賞して、生涯学習センターきららであじさいJazz Sessionを鑑賞しました。いつどこを歩いてもお喋りが止まりません。深夜のサーッカーの時窓の外にストロベリームーンが明るく見えました。
7/4 全国地域おこし名人達人サミットin掛川にてポールウォークを活用した社会的処方を提案します。お近くの方是非ご一緒くださいませ。
IgLON5抗体関連疾患は,私が岐阜大学に異動してぜひ取り組んでみたいと思った疾患(自己免疫性タウオパチー)です.その理由は臨床的にも病態的にも,自己免疫性脳炎と神経変性疾患の両方の性格をもつためです.そして何と言っても,神経細胞表面に存在するIgLON5に対する自己抗体が,なぜタウ病理を引き起こすのかを知りたいと思いました.この難問に対して,ドイツの多施設チームがその病態機序を明らかにしました.
専攻医の安藤知秀先生が執筆した症例報告が,Movement Disorders Clinical Practice誌に掲載されました.昨年のMDSJのビデオディナーでも提示した症例です.
脳の中には,脳脊髄液と間質液が絶えず存在し,代謝老廃物の除去に関わっています.この仕組みはグリンファティック系として注目され,アルツハイマー病,脳卒中,外傷,老化,睡眠障害などとの関連が議論されています.しかし,脳全体,とくに深部脳で液体がどの方向へ,どの速さで流れているのかを直接測定することは,これまで極めて困難でした.表層の血管周囲腔であれば二光子顕微鏡などで観察できますが,侵襲的であり,深部脳やヒトへの応用には限界があります.一方,動的造影MRI(dynamic contrast-enhanced MRI;DCE-MRI)は,造影剤が脳内をどのように広がるかを,時間を追って観察できる方法です.ただし直接見えているのは「造影剤の広がり」であって,「脳内の水の流れ」そのものではありません.そのため,「造影剤がこのように広がったのなら,その背景では脳内の水がどの方向に,どの速さで流れていたはずか」を逆向きに推定する必要があります.これは,たとえば川に流したインクの広がり方から,川の流れの向きや速さを推定するような作業です.この難しい推定に,物理法則とAIを組み合わせて挑んだのが米国のBrown Universityなどによるチームです.
進行性核上性麻痺(PSP)の診断基準であるMDS-PSP criteria(Mov Disord 2017;32:853-864)は,多様な病型分類を可能にした点で非常に有用です.一方で,病期が進行するにつれて複数の病型基準を満たすことが多く,その場合にはMAX ruleを用いて優先順位を判断する必要があります.2019年には有志とともに日本語版を作成し公開しましたが,それでも実際の臨床で用いるには非常に複雑な診断基準です.
米国ペンシルベニア大学から,大脳皮質基底核症候群(corticobasal syndrome;CBS)におけるplantar agraphesthesia(足底書字覚消失)の重要性を示した症例報告が,Neurology誌に掲載されています.足底書字覚消失とは,目を閉じた状態で足底に文字や数字を書いても認識できない状態を指します.通常,書字覚は手掌で調べますが,足底での左右差も,下肢の皮質性感覚障害を示す有用な手がかりになるということです.
すでに西山和利前代表理事をはじめ,複数の先生方が紹介されていますが,日本神経学会が制作した動画がYouTubeで公開されました.岐阜大学からも,私と,当科の元気印である森泰子先生が参加させていただきました.この動画を通じて,多くの方々に脳神経内科という診療科をより深く知っていただきたいと思います.また,医学生や研修医のみなさんには,脳神経内科がこれからの医療においてますます重要になること,そして大きなやりがいと多様なキャリアパスを持つ診療科であることを感じていただければ嬉しく思います.動画のキーメッセージは,次のようにまとめられます.
アルツハイマー病(AD)では,アミロイドβ(Aβ)の蓄積が重視されてきましたが,高度の蓄積を認めても,認知機能が保たれる高齢者が存在します.この事実は,ADの発症が「どれだけAβ病理があるか」だけでは説明できないことを示しています.今回,Nature Medicine誌に掲載されたMuna Therapeutics 社等による研究は,脳の免疫細胞であるミクログリアが発症の鍵を握ることを示したものです.この企業は,ミクログリアに関連する重要な分子TREM2を標的とする低分子薬MNA-001の開発を行っています.
第125回日本皮膚科学会総会にて,「水痘・帯状疱疹ウイルスと認知症」という演題で招待講演をさせていただきました.講演後の質疑応答では,スタンフォード大学留学中に家族ぐるみで親しくさせていただいた,富山大学皮膚科の牧野輝彦教授からご質問をいただきました.帰国後に新潟の自宅へ遊びに来てくださって以来,実に17年ぶりの再会でした.壇上から先生のお姿を拝見した瞬間,思わず笑顔になってしまいました.さらに,当時まだ小学生だったご子息が立派な皮膚科医となられ,今回ご挨拶いただけたことも大変感慨深い出来事でした.時の流れを感じるとともに,人と人とのご縁の大切さを改めて実感しました.
テイクアウト食品などに使用されるプラスチックのトレイを電子レンジで加熱するとマイクロ・ナノプラスチック(MNPs)の放出が増加する可能性は指摘されていましたが,今回,中国,米国などの共同研究で,油脂と接触することで量だけでなく性質まで変化し,強い毒性を獲得する可能性が報告されました.本研究は,日常生活に近い条件でナノプラスチックの放出から生体影響までを評価しています.
Brain & Nerve誌2026年6月号で「難病医療ハンドブ(https://amzn.to/4vsA033)」を企画しました.難病というと,診断や治療薬の話が中心になりがちですが,実際の現場では,患者さんやご家族が直面する課題はそれだけではありません.
パーキンソン病(PD)の診療において,「レボドパが効くかどうか」は最も重要な臨床情報の一つです.私たちはレボドパに反応する患者さんを見るとPDらしいと考え,反応が乏しい場合には多系統萎縮症(MSA)や進行性核上性麻痺(PSP)などのパーキンソン病類縁疾患を疑います.しかし,レボドパ反応性は単なる診断の手がかりなのでしょうか?今回,英国Queen Squareのチームは,PD,MSA,PSP症例を対象に,レボドパ反応性の予後との関連,病理学的背景,さらに診断における意義を検討した大規模研究をAnnals of Neurology誌に報告しました.
本日発売の『日経ヘルス 夏号』(https://amzn.to/4wbQTyX)にて,標題の特集について,尊敬する亀田第一病院・新潟脊椎外科センターの長谷川和宏先生とともに取材を受け,記事にしていただきました.
片頭痛治療は近年,CGRP関連抗体やgepantの登場によって大きく進歩しました.しかし,すべての患者さんに十分な効果が得られるわけではありません.このような背景のもと,米国アリゾナ大学や英国AstraZenecaなどの研究グループは,新たな治療標的としてprotease-activated receptor 2(PAR2)に注目し,これを阻害するモノクローナル抗体MEDI0618の有効性を動物モデルで検討しました.
舌の異常運動は,日常診療でしばしば目にするものの,「舌ジスキネジア」と一括りにされることが一般的です.舌は関節を持たない筋肉で,自由に形を変えながら運動するため,四肢の運動異常症とは異なり,その分類が難しいためです.しかし,舌の異常運動を症候学に基づいて正しく分類できると,原因疾患の診断に直結する重要な手がかりになります.今回ご紹介する総説は,カナダ・トロント大学のNathaniel Bendahan先生や,運動異常症の世界的権威Anthony Lang先生らによって執筆されたものです.教育的なレビューで,かつopen accessですのでご一読と動画の閲覧をお薦めします.
昨日,岐阜にて開催された日本頭痛学会HMSJ 2026において,標題のテーマで講演をさせていただきました.機能性神経障害(functional neurological disorder;FND)の基本的な考え方から,頭痛との関連,診断・治療までをお話ししました.スライドは下記からご覧いただけます. https://www.docswell.com/…/800…/58NW4Y-2026-06-22-050226
GBA1遺伝子はパーキンソン病において最も重要な遺伝的リスク因子のひとつです.今回,英国Queen SquareのSchapira先生らは,GBA1関連パーキンソン病(GBA1-PD)の臨床像,病態機序,バイオマーカー,治療開発について総説にまとめ,Lancet Neurology誌に発表しています.GBA1遺伝子は知っていましたが,GBA1-PD症例の特徴について理解していなかったので読んでみました(同誌のpodcastでも解説を聴けます).
日経メディカル連載「#医師こそリベラルアーツ!」第21回が公開されました.今回取り上げたのは,福澤諭吉の『学問のすすめ』です.「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らず」は,平等を説いた言葉として有名です.しかし福澤はその直後に,現実には賢い人とそうでない人,豊かな人と貧しい人がいると述べ,その違いは「学ぶか,学ばないか」によって生まれると説きます.なかなか厳しく,刺激的な主張です.
当科恒例の『神経診察道場』を行い,医学生・研修医が神経診察のトレーニングを行いました.今回は腰椎穿刺のシミュレータも使って練習をしていただきました.腰椎穿刺を行う際,左右の腸骨稜の最も高い点を結ぶ線を目安にします.医師ならおなじみの「Jacoby線」です.じつは「Jacoby線」は海外ではほとんど用いられず,論文検索してもほぼ見つからないことをご存知でしょうか? 海外では,同じ線は「Tuffier線」と呼ばれています.なぜ日本では「Jacoby線」になったのでしょうか?そもそもJacobyとは誰なのでしょうか?
マイクロ・ナノプラスチック(MNPs)は体内に取り込まれ,さまざまな臓器に到達することが分かっています.これまで血液,肺,肝臓,胎盤,動脈硬化性プラークに加え,ヒトの脳からも検出されています.さらに昨年,認知症患者の死後脳では,認知症のない人と比べてMNPs濃度が著しく高いことが報告されました.ただし,これはMNPsが認知症を引き起こすことを証明したものではありません.認知症に伴う血液脳関門の障害や脳内からの排出機能の低下によって,MNPsが二次的に蓄積した可能性も考えられます.今回,前向きに登録された脳腫瘍患者の手術検体と,脳疾患のない死後提供者の脳組織を比較した研究が,中国の複数の研究機関と米国ピッツバーグ大学などからなる共同研究チームにより,Nature Health誌に報告されました.
グリンファティック系は,脳脊髄液が血管周囲腔を通って脳内を循環し,アミロイドβ,タウ,αシヌクレインなどの老廃物の排出に関わる仕組みです.しかし,頭蓋骨を開けずに,脳底部や脳深部を含む全脳の流れを連続して観察することは困難でした.米国Duke大学を中心とする米中の共同研究チームは,脳血管とグリンファティック流を同時に画像化する新技術「3D-PAULM」を開発し,Sci Adv誌に報告しています.3D-PAULMは,三次元光音響トモグラフィーと超音波局在顕微鏡を組み合わせた技術だそうで,血管内に投与したマイクロバブルから脳血管を描出し,大槽内に投与した近赤外色素BIBDAHから脳脊髄液トレーサーの動きを検出します(図1).
ヘッドアップ・ティルト(HUT)試験は,起立時のめまい,動悸,失神前症状,失神などを評価するうえで重要な検査です.今回ご紹介するNeurology Education誌の論文は,この検査をどのように標準化して行い,どのように結果を読み解くかを,きわめて分かりやすく図解した教育的な論文です.
図8:3D 最小モデルにおける歩行アトラクタと走行アトラクタ (歩行は低速域の青い谷、走行は高速域の赤い谷として表現される)
図9:速度上昇に伴う Var⊥ の増大と歩行アトラクタの不安定化 (歩行アトラクタの周囲に揺れが広がり、変動性が増大する様子)
図10:歩行アトラクタから走行アトラクタへの切り替え軌道(geodesic) (2つの谷をつなぐ滑らかな曲線として描かれる)
これらは、 “切り替えとは何か”を立体的に理解するための4つの窓 と言える。
つまり、 静的な最適面の広がりが、動的な変動性の増大として現れる ということ。
20260403 スマイルチーム上鶴間 天気予報によると今日が最後のお花見日和、、、らしい日に 参加下さった皆さん、ありがとうございました☺️ 体の細かいところを理解しながらのエクササイズ。 かなりの脳トレになるリズムエクササイズ。 体の隅々までのストレッチ。 時間内たっぷりと頭も体も動かすことができました。 お疲れ様でした😊 #スマイルチーム上鶴間 #相模原市南区 #上鶴間公民館
🎬✨ 會員大會圓滿落幕|精彩瞬間回顧 2026 台灣健走杖運動推廣協會 第二屆第一次會員大會,圓滿完成!🎉 從報到的熱絡問候、 會議中的專注與交流, 到戶外健走杖運動會的歡笑與活力, 每一個畫面,都是我們一起走過的美好瞬間。💚 因為有你們, 這不只是一場活動, 而是一段彼此連結的旅程。 謝謝每一位到場的夥伴, 下一段路,我們繼續一起走!🚶♀️🚶♂️ #台灣健走杖運動推廣協會 #雙杖在手健康跟著走
昨夜 あの渋谷のスクランブル交差点で🔥🔥🔥 渋谷区介護予防ポールウォーキング教室新年度1学期が始まりました。抽選をクリアした15名の方々。このクラスを申し込まれた理由は・・ ・姿勢を改善したい ・脊柱管狭窄症で片足が痺れて歩きにくい ・人工股関節をいれたので歩くのが不安 ・以前教室を覗いたら楽しそうだった ・T字杖を使用しているが身体が傾くようで不安 etc. 皆さんの不安を安心に! 筋バランスを整え姿勢良く転ばないよう安定して歩けるように 愉しく運動しましょう。 鎌倉段葛は🌸が満開です。
佐久ポールウォーキング協会より 4/5(日) 本日2026年度PW歩き始め〜❗️ 定例会場/駒場公園に60名越えの参加者を迎え、少し汗ばむ公園〜牧場の散策が出来ました。 初心者🔰6人の体験コースや健脚〜ユックリコースの3コースでの歩き染め。来週は桜満開?の別な公園散策です❗️ PS:新MC pro/遠藤パパ〜 この3月誕生で資格授与もありました〜❗️ 当協会発展の為ご活躍を期待しま〜す⁉️
☘️佐久といえば、この風景☘️ 雪が消えた浅間山、桜の蕾がうっすら赤くなり始めた駒場公園、そしてポールを持って歩く人たち 家から出てみれば、この風景のおかげで、うつむいてはいられない。
【本日の介護予防運動教室にて】 体操終了後、 初めてご参加くださった方が 涙を浮かべながら声をかけてくださいました。 「先生の体操、とっても良かったです。 お話も精神的にも本当に良くて… 良いお話が聞けて嬉しかったです。 ありがとうございました。」 そう言っていただけて、 とても嬉しくて、励みになりました。 私自身の経験も交えながら、 新年度はじまったばかりなのでお話多め セロトニンについてや脳トレ… 「この運動は何のために必要なのか」 をお伝えしました。 ただ身体を動かすだけでなく、 心にも届く時間になっていたら嬉しいです。 今日も素敵な出会いに感謝です✨ さっ 次の講座へ移動🚙💨
最高気温27度予報にもかかわらず快適ポール歩き 4月の気まポ(気ままにポール歩き)は、当初予定していた石神井川沿いを歩くのをやめて、主として石神井公園の中を歩くコースに急遽変更しました。川沿いは緑が少ないので。 公園内は木陰が多く、湿度も低かったので、とても気持ちのよいウォーキングでした。2つの池を一周すると、次々に開ける視界がさまざまに変化するので飽きません。 途中、少しだけ公園から離れて、三宝寺という寺に寄りました。ここには四国八十八箇所をインスタントにお遍路できる場所があります。
中台科術大学 許秀貞先生のチェアエクササイズ 楽しい❣️
〜ウォーキングポールを相棒に仲間と巡る小さな旅〜 ぽる旅 第4弾🌷 霞ヶ浦総合公園で霞ヶ浦のキラキラ光る湖面を眺めつつ、チューリップに元気をもらう旅、です! 常磐線土浦駅下車、市内周遊バスで20分 シンボルの大きな風車の前には色鮮やかなチューリップが。 このチューリップは誰のものなんですかねー?と、昭和14年生まれFさんの渾身の振りに誰も気付けず、30秒後に「オランダ〜‼️」😄遅っ。 今日は土浦市在住の関コーチが駆けつけてくださいました。股関節の手術を終えリハビリ中の関さんから、日頃歩いたりストレッチ、筋トレをしていたことでリハビリがスムーズに進んでいるというお話が。みんな真剣に聞き入りました。 ポールで歩くことでこうした交流ができるのは本当に嬉しいです😊また一緒にに歩きましょうと約束をしました。 花も光も人にも力をもらいました。さぁ気持ちよい季節は歩きましょう!
佐久ポールウォーキング協会より PW散策年度初め〜❗️ 桜🌸満開の〜さくラさく小径公園〜をポールウォークで闊歩。 桜見頃を測った参加者70名越えの皆さん、ドンピシャの桜🌸🌸🌸〜 皆さん日頃の行い良好にての結果、ワンコ連れやランドセルnew〜newのピカピカの小学生写真撮りやら楽しみ満喫の公園PW3〜5kmの散策でした‼️
台湾ポールウォーキング協会設立4年目に入りました。会員コーチ75名になり始めての台湾におけるスキルアップ研修会を開催‼️ 気温30度日本からの参加者はかなり😥厳しいなか、台湾の皆さん元気に研修会完了しました。 ありがとうございました😊
2026年04月12日【日本健走杖健走初階教練(BC)培訓課程】圓滿結束! 這次也是協會開辦課程三年以來,首次有日本健走杖健走協會(NPWA)專業教練來台共同參與教練培訓課程!日本協會肯定我們在健走杖運動上的努力成果,也非常開心台灣學員的優秀表現,以及學習上的熱誠與積極。初階教練(BC)是進入日式健走的敲門磚,而進階教練(AC)則是讓我們能帶領更多人一起走出健康的專業通行認證。接下來在五月,即將開啟的進階教練培訓課程,提供更深入的專業訓練,期待更多人一同加入推動全齡健康的健走杖運動!❤️
三年前的今天(2023/4/13),是我們重要的起點。我們與日本健走杖健走協會(NPWA)正式締結合作協議,取得授權,在台灣展開「日式健走杖健走」的推廣任務。從那一天起,一顆種子悄悄落地,開始在台灣生根發芽。而在三年前,4/14~4/16日這三天,日本專業教練來台的研習會後,台灣也有13位日本健走杖專業教練(Master Coach)取得認證。日本和台灣都面臨人口老化問題。健走杖健走,不僅僅是一項運動,從預防衰弱、降低運動傷害與跌倒風險,到透過穩定支撐改善姿態與體態,進而運用健走杖的輔助同時鍛鍊上半身與下半身肌肉,都一再讓我們感受健走杖運動帶來的價值與影響。三年來,我們持續努力、穩健步伐前進。 未來,也將繼續把這份來自日本的專業與理念,在台灣深耕、茁壯。 台灣、日本,一起加油!! 讓更多人因為「走」,而更健康、更幸福❤️
🎬✨ 2026 教練提升課程|Skill up 花絮回顧 這一天,我們用更專注的步伐, 一起走向更專業的自己。🚶♀️🚶♂️ 從開場到課程說明、示範教學、分組演練, 每一個環節都看見大家的投入與成長。 站在前面教學的那一刻, 不只是技巧的展現,更是對「教練身份」的理解與轉變。 流流教學時的專注、 學員問題探討時的交流與回饋, 彼此觀察、修正、再進步—— 這正是教練培訓最珍貴的地方。💡 這次特別的是, 日本專業教練也來到台灣,一同參與這場課程。🇯🇵🤝🇹🇼 跨越語言與文化, 我們用相同的步伐與理念彼此交流, 讓健走杖運動的專業更加紮實,也更加有力量。 三年來, 我們一步一步,穩穩地走、持續地做。 從推廣、教學到培訓, 每一段路,都是累積。 未來, 我們也將繼續把這份來自日本的專業與理念, 在台灣深耕、茁壯。🌱 台灣、日本,一起加油!!💪 讓更多人因為「走」, 而更健康、更幸福 ❤️ ⸻ 📸 這些花絮,不只是紀錄, 更是我們一起努力過的證明。 💚 雙杖在手,健康跟著走
台湾ポールウォーキング協会BC資格取得セミナー7名の受講者、講師3名、スタッフ2名で開催。 実技研修、座学、筆記試験、実技試験7時間! 充実した時間でした。 皆さんお疲れ様です。 大変良好です‼️
今日は、駒沢のwalking hut 2とチャッキ~の池上グループの16名が東京から遥々鎌倉ポール歩きにお出掛けくださいました。朝10時から夕方4時までのロングウォークになりました。観光客の少ない大町から材木座の寺院~材木座海岸~由比ヶ浜~扇が谷を歩き、小町通りで解散となりましたが 道中の絶え間のないお喋りオーラルトレーニングには参りました😙😗 目の前に拡がる波がキラリと光る砂浜でポールでゲーム三昧は身体中が若返り気持ちが躍りました。
河川環境楽園オアシスパーク 新年度ポールウォーキング教室始まりました。 出だしから雨ですので室内でポールエクササイズ。 楽しく身体動かします。
100歩速歩ごとにゲームタイム
シニアポールウォーキング 2026/4/20 参加する会員も増えて 講堂が狭くなりました 良い季節なので 外回りグループを再開! 喜んで飛んで行きます〜〜 講堂グループは足元が安心。 鏡でFormがチェックできる のも魅力です。 思い思いに分かれて 疲れたら休憩。 程よい疲労を心得ているのは シニアメンバーならばこそです 素晴らしいなあ〜〜 #船橋ウォーキングソサイエティ #ノルディックウオーク #ポールウォーキング #コグニサイズ #ポールdeダンス #しっかり歩きで免役力アップ
4月19日にスキルアップ研修会東京会場を実施しました。 参加者21名の内、MCProが4名参加されたため、きめ細やかなフォローや意見交換が行われ、非常にレベルの高いスキルアップ研修会になりました。 次回は7月5日(日)初の関西地区のスキルアップ研修会となります。多くの西日本地区のコーチのお申込みをお待ちしております。
【美・姿勢ウォーキング初参加】 4月から新体制でスタート。 2026/4/21 土曜「ポールを使うウォーキング」から火曜日のポールを使わないウォーキングへ移った会員。 ウォーミングアップで 本人達も意外な気づき 「あれれ〜 ポールがないとふらつくわ」 そう、ポールあると無いとでは 大違い。 「4月は歩きの基本」 ウォーキングも両方経験するとより深く新鮮だったようです。 #船橋ウォーキングソサイエティ #良い歩きはよい姿勢から
逗子PWクラブの日。朝はひんやり。家を出たところでご近所さんとバッタリ。踏切りまでおしゃべりして私は駅へ、彼女は教会へ。「辞め時」について話していて中断。 JRは今日も上下線が遅延。それでも時間までに到着し、ほっ。駅までは送迎車。 ウォーミングアップの公園の向いは今年も見事な藤! 最近裏山に猪が4頭出たそうです。クワバラクワバラ 放課後(?) 駅近くの神武寺へ。別のサークルのための下見です。特養せせらぎの前庭に数えきれないほどの大きな鯉のぼりが空を隠していました。
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毎年開催しているシナノ工場祭のご案内(^.^) 5月16日9時からです‼️ 今年はクラフトもの作り体験が全てリニューアル。お子様に喜んでもらえるかと。 アウトレットも色々用意していると聞いています。 お待ちしております(^.^)
ナノプラスチックが脳に与える影響を,侵入と防御の両面から理解できる2つの論文を紹介します.いずれも本邦からで,一つは国立環境研究所のItoらによる研究で,もう一つは国立精神・神経医療研究センターおよび東京大学を中心としたOgakiらの研究です.
NHKのトリセツショー「あなたの「しびれ」はどれ?解消&予防SP」にて「しびれ図鑑」を作成しましたが,この番組とは別枠で,図鑑の内容を一部抜粋した3分VTRが放送されることになりました.今後,番組と番組の間などで随時流れることになるそうです.まず1回目の放送が本日の夜になります.もしよろしければご覧ください.この「しびれ図鑑」はとても好評で,今回の企画になったようです.ぜひ「しびれ図鑑」をご活用ください.
Nat Rev Neurol誌のPerspectiveに面白い仮説提唱論文が出ています.3人の先生の共著ですが,最後がグリンファティック系の提唱者として知られるMaiken Nedergaard先生であり,注目して読みました.せん妄の病態を「グリンファティック機能障害」という観点から統一的に説明しようとする,非常に意欲的な論文でした.
妊娠中のてんかん診療では,「どのタイミングでどの程度薬剤を増減すべきか」という問いに直面します.妊娠中は腎血流や肝代謝の変化,蛋白結合の低下,グルクロン酸抱合の亢進などにより,多くの抗てんかん薬(ASM)でクリアランスが増加します.このため,同じ用量でも血中濃度が低下し,発作増悪のリスクが生じます.一方で,分娩後はこれらの変化が急速に元に戻るため,増量したままでは過量投与となる危険があります.今回紹介するNeurology誌の論文は,ASMの適切な調整という問いに対して重要な示唆を与える研究です.米国のUniversity of Pittsburghなど20施設からなるMONEAD研究グループによって実施されました.
腰痛の多くは自然軽快する筋骨格性疼痛ですが,一部には神経障害や重篤な疾患が隠れています.今週号のNEJM誌に掲載された整形外科のエキスパートによる動画・論文は,腰椎診察の実践的なコツを示した有用な内容で勉強になりました.とくに「見逃してはならない病態」と,画像検査前の診察のコツを体系的に整理しています.
アルツハイマー病(AD)の病態を「異常タンパク質の蓄積」という静的な視点から,「排出システムの破綻」という動的な視点へと大きく転換させる画期的な臨床研究(プレプリント)が報告されました.Applied Cognition社,スタンフォード大学やワシントン州立大学など,脳神経内科,睡眠医学,生理学の専門家が集結した学際的チームによって実施された研究です.これまでAD治療の関心の中心は蓄積したアミロイドβ(Aβ)を直接除去する抗体療法でしたが,この研究は脳の天然の掃除システムである「グリンファティック系」を薬剤で強化し,老廃物を「そもそも蓄積させない」あるいは「効率よく排出させる」という画期的で,より生理的なアプローチを提示しています.
近年,「パーキンソン・パンデミック」という言葉が注目されています.世界のパーキンソン病(PD)患者数は過去数十年で大きく増加しており,その背景として大気汚染をはじめとする環境要因の関与が注目されています.従来,神経変性疾患は遺伝要因の研究が主体でしたが,現在では「環境との相互作用」という視点が急速に重要性を増しています.今回紹介する3つの研究は,このパラダイムシフトを決定づける重要なものです.
話題になっているドイツからのMed誌に掲載された症例報告です.重症かつ治療抵抗性の自己免疫性溶血性貧血(AIHA)に,免疫性血小板減少症(ITP)と抗リン脂質抗体症候群(APS)を合併した47歳女性に対し,自己由来CD19 CAR-T細胞療法を行い,3つの自己免疫疾患すべて速やかに寛解したという報告です.自己免疫疾患治療の考え方を大きく変える可能性を秘めた,非常に注目すべき報告です.
アルツハイマー病(AD)はこれまで,アミロイドβやタウといった異常タンパク質の蓄積を中心に議論されてきましたが,近年,脳血管の障害が重要な役割を果たしているとする研究が複数,報告されています(コメント欄に過去ブログ参照リンク).今回紹介する論文は,その血管病変の「時間的経過」を明らかにした重要な報告です.英国のUniversity of BristolおよびImperial College Londonの研究グループは,ヒト剖検脳を用いて,脳血流低下,血管機能異常,血管新生,そしてAβ・タウ病理との関係を詳細に解析しました.
アルツハイマー病(AD)の治療の目標は発症後に進行を遅らせることでしたが,近年,発症前から介入するという新しい考え方が提案されています.この背景には,アミロイドβ(Aβ)による病理変化が,発症の20年以上前から始まっているという知見の蓄積があります.すなわち,症状が現れた時点ではすでに病態は相当進行しており,現在行われている「発症後治療」では十分な効果が得られない可能性があるためです.このような状況の中,Lancet Neurol 誌にBanner Alzheimer’s InstituteのEric M. Reiman教授を中心とする米国の研究者によって,ADの「発症前治療」の実装に向けた包括的な政策提言論文が発表されました.AANのポッドキャストでも著者本人がインタビューを受けています.
アルツハイマー病に対するアミロイドβ(Aβ)標的モノクローナル抗体の有効性と安全性を検証したCochraneレビューが発表されました.アデュカヌマブ,レカネマブ,ドナネマブなどを含む7種類のAβ抗体について,12か月以上追跡したランダム化比較試験17試験,合計20,342例が解析されています.対象患者の平均年齢は70〜74歳であり,軽度認知障害または軽度認知症の段階にある患者が主に含まれています.Cochraneレビューとは,世界的に標準とされる手法で複数の臨床試験を統合し,治療の有効性と安全性を厳密に評価するシステマティックレビューであり,個々の試験結果よりも信頼性の高いエビデンスと位置づけられます.
4月19日に「有害化学物質から子どもを守るネットワーク(https://c.kokumin-kaigi.org/)」年次総会@連合会館にて,「マイクロ・ナノプラスチックの危険性」という記念講演をさせていただきました.環境省のご担当者,マイクロ・ナノプラスチック(MNPs)研究の専門家の先生方,医療者,NGO,生協,出版社,企業の方々など,非常に多様な立場の方が参加されており,分野横断的な議論ができたことは大変有意義でした.多くの新たな出会いにも恵まれました.
LGI1抗体脳炎は自己免疫性脳炎の代表的な病型です.発作性に生じる顔面や上肢の短時間の異常運動であるfaciobrachial dystonic seizures(FBDS)が特徴的所見として知られています.また発作性めまい,温度異常感覚,立毛発作,顔面紅潮といった多彩な発作症候を呈することがあります.しかしこれらはてんかん発作なのか,不随意運動なのか長らく議論されてきました.加えてFBDSは発作回数が多く,意識が保たれ,脳波異常が捉まらないため,機能性発作(かつてのPNES)と判断されてしまうこともあります.今回ご紹介する論文は,この問題に対して脳磁図(MEG)を用いて迫った研究です.ソウル大学病院およびメイヨークリニックを中心とした国際共同研究です.
Lancet Neurol誌のポッドキャストで紹介されている総説です.高齢者の脳を調べると,アルツハイマー病や脳血管障害などの病理が存在しているにもかかわらず,認知機能が良好に保たれている方が一定数存在します.この現象は「認知レジリエンス(cognitive resilience)」と呼ばれ,近年の神経学における重要なテーマとなっています.この総説では,認知レジリエンスの概念,決定因子,生物学的基盤,測定法,さらに介入の可能性についてまとめています.オーストラリアのUniversity of New South Walesを中心とした研究グループによるものです.
アルツハイマー病(AD)の理解は,これまでアミロイドβ(Aβ)やタウの蓄積を中心に発展してきました.しかし今回ご紹介する研究は,その枠組みを大きく塗り替える可能性をもつ,非常に重要な論文です.正直なところ,あまりに予想外の内容で,理解が追いつかない感じです.本研究はBoston Children’s Hospitalなど世界トップレベルの研究機関が共同で行ったものでCell誌に掲載されました.

