佐藤ヒロ子さん(船橋市)

「シニア向け PW教室の展開」

NPO法人 船橋ウォーキング・ソサイエティ(FWS)代表理事 MCプロ 佐藤ヒロ子(さとう・ひろこ)

2012年5月に「シニア向けポールウォーキング体験会」を計画しました。船橋市市民活動支援金の交付を受けるための企画のひとつでしたが、当時はまだ認知度も低く集客は苦労がつきものでした。そんな折、地域の整骨院の「10周年記念イベント」として共催の話がまとまり、院長の後押しを頂いたところ流れの中で院長から「1回だけではなく運動は継続が大切。続けて欲しい。」との要望がありました。介護経験もなく、当初はその申し入れに躊躇しました。が「自分の暮らす町を元気にしたい。」院長と主宰する団体の願いは共通でした。シニアは運動制限のある方も多いので、今までの保有資格(JNWL)では不安があります。即NPWAアドバンスコーチ資格を取得し、シニアの特性を理解し院長の全面的協力を頂く約束で、継続開催を決断しました。8月を除く月1回の定期開催で今年の5月で7年になりました。開催回数は79回 登録会員22名 参加人数延900名を超えています。その当時からのメンバーがいまも続いています。

継続している要因としては

そこから見えてきたシニアの特性は個性も豊かで目的を持って参加している姿です。
FWSの特長と合わせ安全・楽しいと思って頂ける例会を心がけています。

低体力者が居心地よく感じられる空間づくりを考慮すると、参加メンバーは安心するようです。そのために心がけている事として、

1)参加者は会場に集まるだけでも良い運動=そこを第1に評価する。

2)いつでも自由に休める人数分の椅子の確保。
疲れたら何時でも自由に休んで良い。その時のお約束は「笑顔で堂々と休む事」

3)聴力も弱くなっていますのでマイクを使用する。

4)実技見本は、可動域を大きくせずにゆっくりと丁寧に行う。

5)日常生活のどこに役立つ運動かを話しながら余裕を持って進める。

6)エクササイズで全員を観察。運動能力、身体状態をチェックする。

7)カウントは積極的にしてもらう。呼吸をすると同時に舌も唇も筋肉、使わなければ衰える、と説明しながら促す。

8)チェアエクササイズからスタート(座位⇒立位)し、筋トレの仕上げはスクワット。椅子を壁際につけて安全対策!

9)雨天時には往復路の安全確保対策 ポールは全会員へ無料で貸し出し、参加を促す。

10)体力差をどうするか?
〇事前に保険加入を口実に、一人暮らしの方や配慮の必要な方へお誘いの連絡をいれて、体調や季節、参加者全体の様子を把握しメニューを考える。
〇フレイル参加者がいるときはスタッフを増やす手立てをする。
〇体力がある健康増進組と低体力者は途中からは別メニューで本人が望む方を自由に選択する。屋外しっかり歩きウォーキング組&屋内ウォーキング組(講堂)。

11)その他に、指導するコーチ自身の立場を守るために怠らない事は以下。
保険加入手続きをする。参加者の体には触らない。免責同意書は必ず頂く。
「~はないだろう。」ではなく、常に「万が一、~かもしれない。」と思う事です。ポールを持って階段を下りる練習は、人によって恐怖があります。無理にさせない。安心して頂けるようにポールを持たずに数段下あたりに寄り添うような配慮をしています。

継続している参加者の共通ポイントは、わくわく感を絶えず持ち続け、今が一番若い時、今日のこの時間を楽しむことです。皆様、変わらずいつも若いです。

出典:NPWA会報誌Vol.18(2019年6月25日)

佐藤ヒロ子さんのホームページ

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