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GFAPアストロサイトパチー Ma2抗体関連脳炎 MAID PM2.5 オリゴクローナルバンド ブレインウォッシング(脳洗い)体操 ヘルペス脳炎 レム睡眠行動異常症 多系統萎縮症(MSA) 小脳性運動失調症 慢性硬膜下血腫 新しい認知症観 特発性正常圧水頭症(iNPH) 直立2足歩行

2025年9月のニュース

「認知症克服のカギ」@知的探求フロンティア タモリ,山中伸弥の!?(NHK9月6日)を、ご覧になられたでしょうか?岐阜大学医学部の下畑先生の解説もあり、新しい認知症観を知ることができました。
今月のニュースは、NPWA会員の活動、大阪大学宮坂先生の『ブレインウォッシング(脳洗い)体操』、ヒトの二足歩行に関する話題、下畑先生からの最新医学情報、等です。

1.2025年9月の活動状況
大内 克泰さんの投稿
8月末、梁川中央保育園での運動教室。 園を訪れた際、来月お披露目する為の鼓笛隊の練習で「宇宙戦艦ヤマト」が聴こえました。リズムが苦手な子や人前に立てない内気な子、皆んなと同じ事をするのが苦手な子達が、それぞれその自分の殻を打ち破って練習する姿は感動するし、改めて子ども達から学ぶ大切な機会ですね。 昨今、この保育園に限らず個性や多様化を求めて鼓笛の練習や発表などを反対する保護者が少数ながらいるとか。また、その音がうるさいなどのクレームを入れる近隣住民が居ると耳にします。 音楽は地球上に人類が誕生した当初から生まれた文化であり、リズム感や音感など脳の発育発達には欠かせないツールのひとつ。ましてや奏でる側においては巧緻性運動や表現力を養い、跳び箱などと同様に成功した際の自己効力感と挫折感、集団で目標を達成させるチームワーク、ストレス耐性など多くの心身の成長に繋がる効果が絶大。 その機会を一部の大人の思い込みによる言動で失う事は犯罪に等しい無責任さを感じます。 運動は更に文化と言うよりは「命を保つ為の術」であるので、身体を使う事が出来なければ生命の維持に直結する事です。教育課程で強制されたトラウマを抱えている大人も多いと思いますが、かといってそれを避ける事はそうした事を意味すると思っています。文明の発達に溺れ、進化していない脳に都合の良い理論で言い訳をして生物たる根本を忘れる事は、種族の滅亡に向かう階段を降りている事と実感しています🤔 今回も子ども達は汗をかく事や心肺が苦しくなる事をモノともせず夢中になって遊びました。 9月は鼓笛の発表イベントの為、運動教室はお休みです。 発表を終えた後の少し成長した園児達に会える事を楽しみにしています♪

佐藤珠美さんの投稿
9月3日 第3回春日の畑ウォーキング&ランチ会 畑のオーナーminaさんと一本柳ウォーキングとの共同開催 前半は善郷寺公民館で交流会と佐久平ウォーキング倶楽部の活動報告。 12時から畑でBBQ🔥 先日のジャガイモ堀りの御礼も兼ねて、地球環境高校野球部1.2年生15名も参加です。 地元の食材を持ち寄って、賑やかに美味しく頂戴しました。 参加された方々 ◇社会福祉協議会望月支所 ◇浅科・望月地域包括支線センター ◇長野県長寿社会開発センター ◇佐久市市民活動サポートセンター ◇内山区区長 ◇佐久市民新聞の取材記者 今年の2月、浅科・望月地域包括支援センター主催の「寄っていかね会」で初めてminaさんとお会いしてから半年が経過しました。沢山の方達が春日ウォーキングに関心を示して下さった事に感謝! 暑い暑いと言いながら、炎天下でも平気な生徒達に感動❣️ 手際良く交流会の支度を整えてくれる会員さん達は見事!

スマイルチームさんの投稿
20250905 スマイルチーム上鶴間 みんな元気❗️

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
meet.google.com

長谷川 弘道さんの投稿
本日は月に一回の津島ポールウォーキングデーでした。 台風の影響が心配でしたが、台風一過で気持ちの良い爽やかな朝を迎えることができました😊 ここ数ヶ月は、朝とはいえ大変暑かったので、参加者も少なめでしたが、本日は20名近くの皆んにご参加いただけてよかったです❗️ 今日は、自分の歩きを振り返ってもらうべく、気付きワークをやってみました☺️ 一直線上を目を閉じて10mほど普段の歩き方で歩いてもらう。 パートナーに寄り添ってもらって、安全も確保します。 ほとんどの方が、半分ほど進むと右へ、左へと直線上から外れていきます🫨 決してオーバーではなく、5m近く線から離れてしまう人も。。。😯 自分の歩き方の癖というものは普段なかなか気付きませんね🤥 大概の人が左右のバランスが崩れていて、目を閉じて歩くと左右どちらかに傾いていきます。 もちろん、普段は目を開けて歩きますからまっすぐに歩けるわけですが、視覚情報がなくなると、体はそのアンバランスに合わせて歩くのでまっすぐ歩けなくなる。 となると、左右どちらかに負担がかかっている、という見方もできます。 ですので、なるべく体は左右、前後のバランスが取れていることは大切になります。 歩行についても同じで、バランスが崩れてまっすぐ歩けない原因は色々と考えられます。 その一つとして、歩行中のつま先の向きに注目してみましょう。 運動解剖学、生理学的には、人の骨格上、つま先はやや開き気味(5〜10度ほど)が自然とされています。 しかし、加齢とともに足を左右に広げて、いわゆるガニ股歩きになりやすくなります。その方が安定感が高いからなのですが、膝への負担が高まり、またロスが大きい歩き方になるので疲れやすくなります。 そこで、ポールを用いることで、安全性を確保しつつ、自然な矯正と習慣化を両立させることが可能になります。 もう少し詳しく説明しますね! • つま先方向の自然な矯正  ポールがガイドとなり、足をぶつけない意識が働くことで、無理なく正面方向へ修正しやすい。 • 安定感の確保  2本のポールにより歩行時の支持基盤が広がり、転倒リスクを減らしつつトレーニングできる。 • 正しい歩容の定着  姿勢保持とリズム形成が助けとなり、正しい足運びを繰り返すことで習慣化を促せる。 • 全身運動による補強効果  上肢・体幹も動員され、下肢だけでなく全身の筋肉バランス改善や有酸素効果が期待できる。 • 心理的安心感  ポールがあることで「支えがある」という安心感を持ちやすく、積極的な挑戦を後押しできる。 今日は、まずはいつもの通りで、目を閉じて歩いてもらったら多くの方が左右にずれてしまいました。 その後、このポールウォーキングを10分ほどやってから、再度目を閉じて歩いてみたところ、半分近くの方が直線上から大きく外れず歩けるようになりました😄 ほんの10分足らずでこのように変化する! すごい‼️ でも、すぐ変化することは、またすぐに元に戻る、ということを忘れないでくださいね😅 それじゃあ意味がないのでは⁉️と思われる方もいらっしゃるかもですが、だからこそ、継続的な練習が大切になるわけです❗️ そしてもう一つ大切なことは、いつまでもポールに頼らない!ということです。 ポールは頼った瞬間から杖になりますよ‼️😭 ポールはあくまで補助的な道具。基本は自分の日本の足で質分かり歩く力をつけることです❗️ なので、ポールで歩行を自然矯正しつつ、ポールを持たない通常歩行もとり入れていくことが大切ですね‼️ 私は、健康の定義を「何事からも縛られず、自由であること」と考えます。 ポールがなくては歩けない、では健康とはいえないと思うのです🙂‍↕️ そんなお話もしながら、今日も1時間半ほどの楽しいポールウォーキングをみなさんと楽しむことができました‼️ ご参加いただきました皆様、ありがとうございました😊 #津島ポールウォーキング #体のバランス #継続は力なり #健康の定義

佐藤 ヒロ子さんの投稿
#インターバル速歩 #船橋ウォーキングソサイエティ  2期がスタートしました 講師は信州佐久市から  駆けつけてくれた  #インターバル速歩コーチ   #佐藤珠美氏  熱意ある指導です #日本式ウォーキング 実践しています 2025/9/6

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 9月PW駒場例会でした。 まだまだ熱中症警戒の残る中のPW定例会! 秋の気配を感じる日陰を選んでの公園〜牧場のポールウォーク〜 給水休息を多めにと、コース選びだけでなく熱中症予防をしながらの各コーチのPW案内には頭が下がりっぱなしです。 来週のPWは松本城散策です。バスツアーの為参加者限定ですが、新たな松本市のポールウォーカー達とのコラボも有り楽しみです〜ww

中村 理さんの投稿
本日出社時 会社玄関先に〜秋桜〜が❗️ コスモス街道で有名な佐久/内山郷から届いた様です〜🎶 秋始まりの粋な演出でした。 先日散策時に見つけた 〜七竈/ななかまど〜も色づき始めです❗️

スマイルチームさんの投稿
2025.9.1〜9.8 活動記録 ☺︎スマイルチーム光が丘 12名 ☺︎中屋敷チェアエクササイズ 17名 ☺︎公民館抽選チェック ☺︎健康体操サークル 8名 ☺︎ポールウォーキング 中止 ☺︎スマイルリズムエクササイズ 15名 ☺︎活き活き中屋敷PW 10名 ☺︎ティンカーベル練習 ☺︎ショーワOPダンサー練習 ☺︎ショーワ出演 ☺︎スマイルフレンズ 16名 ☺︎スマイルチーム光が丘 18名

田村 芙美子さんの投稿
鎌倉七口の一 朝夷奈切通  この夏初めてのPW外歩き 三浦ネットのメンバーさんと涼しいところ!ということでここを選びました。金沢寄りの入口近く、横横道路の高架下でウォーミングアップ。真っ直ぐに切り立った岩壁の間を滑らないようにお喋りしながらゆっくり歩きました。相変わらず湧き水が川のように流れほぼ沢歩き状態でした。

佐藤珠美さんの投稿
9月9日一本柳ウォーキング いつものように一本柳公園に集合。 若宮神社→浅間病院前のコンビニでコーヒー休憩、 という当クラブの定番コースです。 7月に会員さんが右肩を脱臼しました。 しゃがんだ状態からバランスを崩し転倒。右肩強打し救急車で浅間病院の整形外科外来に搬送、無麻酔で整復し帰宅。 右肩の靱帯が痛んでいるので安静保持しながらリハビリ開始。 運動許可が降り、9日からウォーキング再開。 数週間の安静を保つ事で、幾つかの合併症が危惧されましたが、何と、以前よりも若返って戻ってきました🤞 体力を落とすわけにはいかないという、ご本人の熱意の賜物です。 整形外科の主治医からは「転び方が上手でしたね。頭や顔は打っていないし、外傷も全く無い。リハビリが順調なのも普段から肩甲骨を動かしているからでしょう。動かし過ぎに注意して下さい」とアドバイスを受けたそうです。 普段私が伝えている「段差に躓いても人生に躓かない」とはこの事です。体調が悪化しても適正なケアをすれば早期に日常生活に戻れる場合があるのです。 この会員さんも「転んで脱臼したのは残念だったけど、色々な方に褒めてもらえました!脚は痛くなかったから次の日からスクワットをしましたよ」と笑顔で話してくれました。 コーチ冥利に尽きます😊

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【素晴らしき   呼吸筋活性化ウォーキング】 2025/9/11  猛暑日ではないけど暑い!    そんな時こそ #呼吸筋活性化ウォーキング   真髄発揮です。   心身が整い   気力が出ます! #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #県立行田公園

校條 諭さんの投稿
天気も気まま
でも、気まポ(気ままにポール歩き)無事終了
夕方5時半に善福寺川緑地に集合したあたりから雨がぽつりポツリ。でもすぐやんで、緑地公園内を歩いて、大宮八幡神社までたどりつきました。
八幡さまではちょうどお祭りでたいへんな人出でした。15分ほど“視察”して、鳥居の外へ。
近くの公園で小休止していたら、雨がまた。たいした降りではないけどやまないので、ポールをしまって傘をさして、浜田山駅をめざしました。
夏バーション「夕暮れウォーク」は今回まで。コースは、夏の疲れを考慮して短めに約4kmでした。
https://www.mapion.co.jp/…/35…/aid=25a5bc/
浜田山駅前のおなじみのネパール料理店(まいた)でカンパイしました。

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 本日9/14は1年振りのバスツアー/PW松本城散策〜 朝方の雨もやみ佐久平駅バス出発時はひょっこり青空も〜 三才山越えも無事に松本路に〜 松本城横の大型バス🅿️に到着と共に雨☔のお出迎え〜! 雨ガッパの総勢40名準備体操後も雨足緩まず、急遽お城一周のPW散策を止め地元PWコーチ/柳沢さんの案内で信毎メディアガーデンまで全員でポールウォーク後フリータイムとし松本を愉しんで貰いました❗️ 天気予報も外れ易い9月です。 週末20 日(土)/ぴんころウォーク佐久のお天気はどうでしょうか〜^_^

杉浦 伸郎さんの投稿
昨日は敬老の日でした。 我が国の要介護者は右肩上がりに増えていますが、その引き金要因として最も多いのが「認知症」。 老化抑制研究の進歩により、人の寿命は120歳までのばすことができ、100歳くらいまで病気になりにくい状態をつくることも現実味を帯びてきました。 認知症と上手く付き合い、少しでも発症を先延ばしにすることで、私たちの生活の質も格段にあがり、いくつになっても「ありがとう!」と感謝される『貢献寿命』を伸ばすことのできる素晴らしい世界が拡がります。 そこで、 「100年もつ身体を手に入れる!」健康長寿攻略法をPWを切り口に担当させていただきました(フロンタウン生田にて)。

佐藤珠美さんの投稿
9月16日一本柳ウォーキングは毎年恒例の コスモスを愛でに、内山(うちやま)に行きました。 先日の春日ウォーキングに参加された方もPW体験にお越し下さいました。 この内山地区を通る国道254号は大型トラックの交通量がとても多いです、トラックからのゴミのポイ捨ても非常に多く内山の方々も苦慮されているそうです。 ポイ捨てゴミの問題は内山に限らず日本各地で起こっています。 私達もせっかくなのでクリーンアップもするつもりでしたが、車道にも歩道にもゴミが無い!拾うものが無い⁈ 内山の方々の熱意か、トラックドライバーの意識改革か?綺麗コスモス街道を私達は歩かせて頂けました。 また伺います! #ペットボトル#捨てなくもいいんじゃない#間に合わないなら#泌尿器科に行こう#犬も歩けばシッコをする#他人事ではない課題
投稿 • ポ―ルウォ―キングに保存されました

株式会社シナノ(sinano)さんの投稿
シナノ技術開発部の小林です! インターンプログラム、第2回目のフィールドテストに佐久市の平尾山へ行ってきました⛰️ 前回テストでの改良点を反映したポールで、実際に使い心地を体感。 また、今回はインターン生が2人増えて賑やかなテストに! 天気にも恵まれ、山頂からは佐久市周辺が一望できる最高のロケーションでした👍 地元の自然の中で、製品のリアルな使い心地を体感でき、良い経験になったと思います。 #シナノ #sinanojapan #sinano #トレッキングポール #インターン #平尾山 #フィールドテスト

校條 諭さんの投稿
神田の屋上農園でカブの種植え ちよだプラットフォームスクウェアが入っている5階建てビルの屋上で行われている「ちよぷらアグリ」のメンバーに入れてもらっています。 校長の吉田さん、教授の西城さんに教わりながら、“新学期”の課題は紅白2色のカブです。 プランターの土を手入れしたあと、2,3センチくらいの深さの溝を2本作って、種をバラバラとまきました。 11月末頃には初収穫ができるそうです。楽しみです。

水間 孝之さんの投稿
台湾ポールウォーキング協会交流スキルアップ研修会開催しました‼️ 皆さん元気☀️元気☀️元気です‼️ 明日はぴんころウォークです。晴れてくれ~!‼️

田村 芙美子さんの投稿
いつもの秋がやって来ました。@大巧寺

中村 理さんの投稿
第13回ぴんころウォーク佐久〜 無事開催されました。 曇り〜小雨〜曇り時々晴れ の怪しげなお天気(気温22℃)の中650名越えの参加者で、 海外含め各地のwalking teamが集い大賑わいのひととき〜ww プルーン生食や甘酒や玄米きび入りオニギリの振る舞いやら信州/佐久いっぱいの〜オモテナシwalk〜でした。

水間 孝之さんの投稿
第13回ぴんころウォーク700名弱のご参加いただきました‼️ 台湾ポールウォーキング協会、NORDIC朝霞、チーム静岡、志木市、チームSINANO各地からのご参加でした‼️ ありがとうございました👌 来年もお待ちいたしております☺️

柳澤 光宏さんの投稿
9月20日ぴんころウォークが無事終了できました。650名前後の皆さんにご参加いただきました。約4割が県外からお越しになっていて、遠いところは台湾から16名参加いただきました。 天気もときどき雨が降るぐらいで、なんとかもちました。これからアンケート集計と会計報告がありますが、実行委員長としてまずはホッとしています(^.^)派手なTシャツは社員が参加するのでお揃いで。 これでSAKUメッセにも乗り込みます。

新地 昌子さんの投稿
ポールウォーキングは台湾でも絶賛拡散中です。明るくて熱意ある台湾ポールウォーキング協会のコーチの皆さんと楽しく交流させていただきました😊 見習う点が多すぎる! 左がレベッカ。右はジェシカ。二人にちなんで?この度、英語名モニカいただきました😆ちなみに私の隣はMr.タカです。

長岡智津子さんの投稿
ALOHA🏝 『台湾ポールウォーキング協会ご一行様来日ツアーin我孫子』 台湾の皆様と日本の方々との楽しい交流に盛り上がりました🥰 ポールウォーキングの歌から始まり、沢山の余興(^^)✨ 長岡智津子先生、台湾からのポールウォーカー様 楽しい来日ツアーの会食 有難うございました❤️

森川 まことさんの投稿
あけぼの山公園 キバナコスモス 久しぶりに歩いて気持ちよかったです。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
通常活動   スイッチオン  土曜日定例会  切り替えもGood   2025/2/20 #2本のボールを使ってウォーキング #海老川上流をウォーキング #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールエクササイズ #インターバル速歩実践

遠藤 恵子さんの投稿
介護予防運動⇒畑⇒サロンワーク/加圧トレーニングセッション 秋らしくなってきましたねっ🎃🍁🍄🌰 食欲の秋!! スポーツの秋!! 加圧トレーニングの秋‼️ さぁ、女性にやさしい加圧トレーニング始めませんか?

佐藤 ヒロ子さんの投稿
#船橋ウォーキングソサイエティ   #シニアポールウォーキング  体験者2名を迎えて  2期がスタートしました 2025/9/22    猛暑日連続で   元気か心配でしたが、  明るく集合!   安心しました。  そして帰る時は   更に増す笑顔です    嬉しいな〜 #転倒予防 #認知症予防 #コグニサイズ #ステップエクササイズ #ポールを使って歩くウォーキング #支持基底面拡大 #社会参加

佐藤珠美さんの投稿
9月24日 一本柳ウォーキング 公園の周辺を簡単に歩いてから、佐久大学へと移動しました。 看護学科の4年生が私達に講義をしてくれました。テーマは「これからの人生もポールと歩こう」でした。(単位授業で今年度は当クラブと臼田の事業所で実施) 一本柳地区から佐久大学は目と鼻の先にあります。一緒に歩きませんか?というラブコールを送ること約5年。やっと学生さんとの交流の場を設けることができました。 佐久シニア大学のコーディネーターさんも参加して下さいました。「PWを通じての健康教育はとても意義あることだと思った。このような話は、うちの学生さん達にも聞かせたい!」と評価して頂きました。 「コメディカルが行う地域での健康教育」大切です😊

講容-講話有內容さんの投稿
日本健走杖交流第四天 這一天應該最像 #觀光客行程,但我們還是走了6公里多的路程,而且像是探索、冒險之旅。 #講話有內容 #野馬容 #日式健走杖 #千葉縣

講容-講話有內容さんの投稿
都已經回國上工了,還是得記錄一下 #日本健走杖交流行程中非常重要的一環。 除了 #佐久市活動式的健走,我們在行程的第五天在 #我孫子市有一個小團健走,認識了這裡最具代表性的 #手賀沼,也沿著沼邊走了3公里,並進入社區巷道、公園,近距離的體驗這裡的陽光與秋風、建築與花草樹木,還幸運的看到了幼稚園小朋友在草地上彩排,夥伴們紛紛拿起手機拍下小小孩團結合作完成任務的一幕。 長岡教練特別在她工作室樓下預定了餐廳,席間還來了當地議員及長岡老師的另一半,且贈送每個人一小瓶的 #大吟釀。阿賢導遊說在日本能有如此的排場,代表我們備受重視。餐廳內有個小小的舞台,大家輪番上場表演,有 #吉他演奏、 #太極拳、 #健走杖操等。長岡老師説~ 「就Rebecca沒上台表演,真可惜!」 我有啊!早上健走出發前我被長岡老師指定帶操,還帶著大家跳 #雙杖舞,這應該也是一種表演。 用餐結束準備回下車處坐車,才發現距離如此近,但我們卻是繞了一大圈,原來長岡老師別有用心,就像去四樓聽簡報時,她請大家走樓梯不要搭電梯。 我孫子市的 #手賀沼全長38公里,這裡曾經舉辦鍋三鐵,冬天可遠眺富士山。由於距東京只有一小時車程,所以很多人上班採通勤方式。 走讀了我孫子市之後,前往表參道逛逛囉! 🩷感謝同行夥伴提供的照片 #講話有內容 #野馬容 #日式健走杖 #台灣健走杖運動推廣協會 #SINANO #日本旅行 #我孫子市 #健走杖運動 #健走 #台日交流 #東京

佐藤 ヒロ子さんの投稿
秋です 動画撮影での 気づきを大事にね〜(^o^)   動画は参加者に喜ばれます✨ 2025/9/25 #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #木曜日行田公園コースター #ポールウォーキング #ノルディックウォーク #ソーシャルフィットネス #コーチング #インターバル速歩 #7秒スクワット #ポールエクササイズ

スマイルチームさんの投稿
スマイルチーム。 星ヶ丘ポールウォーキング。 居宅介護支援事業所での活動。 #ポールウォーキング #ウォーキングポールでエクササイズ #相模原市星ヶ丘 #相模原市陽光台 #居宅介護支援事業所 #ダウン症 #自閉症 #知的障害 #リズムダンス #20250926

佐藤珠美さんの投稿
9月26日 白樺湖健康いきいき講座(旧 ウォーキング講座) 今回は年に数回行われる、白樺湖1周ウォーキングの日。1周約3.8km.早い方は30分でゴール。私は今回はスローペースで歩いたので37分。リピーターのお姉様達は35分でゴール。 ゴールの後は、もちろん筋トレ💪🦵

新地 昌子さんの投稿
秋はいいですね。今日は笠間でポールウォーキング。これから笠間はいよいよ栗🌰の季節。公園には山栗の実やどんぐり、しおからトンボにオニヤンマ。 近くで見ていたご夫婦から、さすが皆さん姿勢が良いね、と褒めていただきました。ポールを上手に使って体に負担なく綺麗に歩くことを大切にしていきます😊

佐藤珠美さんの投稿
9月30日 一本柳ウォーキング やっと外歩き可能な気候になりました。 公園から猿久保へ。 昨年オープンした焼き菓子の店で休憩。 午後からは佐久市主催の講演会に、会員さん達と参加しました。 認知症は治療できる時代になりつつあります。それと同時に非薬物療法が更に重要視されています。 城甲先生のお話。 「手押し車を押しながらでも、人は歩いたほうがいい。認知機能が落ちると筋力も落ちる。体力をつけよう!」 私達の倶楽部の存在意義は、ここにあります。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【ヨガストレッチ   &靴のはきかた】 2025/9/30 猛暑でできなかった振替分を実施   特別プログラムは     「ヨガストレッチ」 今の時期に    とっても気持ちがいいです 自然の中で手足を    伸ばして〜 最幸 その後の靴の履き方復習です  知っていても疎かになりやすい!  もう一度初心に戻りましょう〜   靴も足にピッタリついて  ウォーキングは軽いかる〜い    足どり颯爽     いい感じです #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #ヨガストレッチ #靴の選び方 #靴の履き方 #靴紐の結び方 #速歩

 

来月以降の開催
中嶋  佳奈恵さんの投稿
あそびの日2025ワイルドキャンプ参加者募集! – 石川県レクリエーション協会

長岡智津子さんの投稿
写真1件

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
由日本骨科醫師創立的「日式健走」,手持雙杖輕鬆前行,不僅簡單安全,且有效地讓健走者維持和回復步行能力,更能達到全身運動效果,是越來越受歡迎的一項健康運動。課程中將帶你系統性學習「日式健走」的標準技術,掌握技能後持續練習,可幫助改善步行姿態,增加全身肌肉運動,也有助於增強健康活力!【日本健走杖健走教練 初階培訓課程】 📅課程日期:2025年10月18日(六) 09:00–17:00 📍課程地點:台北市中山區吉林路24號12樓之1   (歐立達股份有限公司)*今年最後一場初階教練培訓課 立即報名,一起加入健走杖運動行列➡️https://forms.gle/dPK4za6tRwioBbzT7 📣補充 通過初階教練培訓者,可指導親友們學習日式健走。 若想要規劃與教導一般民眾學習日式健走,則需要再取得進階教練資格喔~

田村 芙美子さんの投稿
【秋の里山歩きお誘い🍁】 長い猛暑から漸く清々しい秋の気配を感じられるようになりました。  熱中症予防対策で外歩きを控えていましたが、少しずつ表に出て身体を動かしたいと思います。 •広町緑地は七里ヶ浜から腰越にかけて続く、鎌倉市三大緑地※の中で最も規模が大きい緑地です。  ※三大緑地: 台峯緑地、常盤山緑地(鎌ポで歩きましたね。野村證券跡地)

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)認知症予防対策としてのブレインウォッシング(脳洗い)体操
**以下は、大阪大学の宮坂昌之先生の2025年9月4日のFB投稿です**
私が主宰する一般社団法人「信州上田みらい塾」の活動の一環です。
前に作成した動画を作り直して「宮坂昌之が教える認知症予防策としてのブレインウオッシング(脳洗い)体操」という題名にしました。
頭からの老廃物排出をうながして認知症を予防することを目的とした一連のストレッチ体操です。毎朝この体操をすると、目が覚めて、からだ全体がすっきりして、頭が働きやすくなってきます。背筋も首筋も伸びます。腰の筋肉も使うので腰痛防止にもなります。
興味のある方はご自分で試してください。なお、個々の運動の順番や回数は、適宜、自分流に変えていただいても結構です。

関連情報
・フレイル対策の公開講座
**以下、筑波大学YAMADA Lab.ホームページからの転載です**
第四回 日本老年療法学会学術集会 市民公開講座のご案内

このたび、第四回日本老年療法学会学術集会において、市民公開講座を開催いたします。テーマは「フレイル対策で彩るこれからの人生 ―運動、食事、社会参加の大切さ―」。本講座は一般市民の皆さまを対象とした無料の公開講座で、どなたでもご参加いただけます。

開催概要
日時:2025年12月7日(日)14:30~16:00
会場:一橋講堂(東京都・神保町/竹橋駅より徒歩4分)
参加費:無料(申し込み不要)
定員:500名(先着順)

 

2-2)ヒトの直立歩行に係る話題2つ
2-2-1)ヒト科二足歩行の2段階の進化
一つ目の話題は、8月27日のNatureに載った「人類の二足歩行がどのように進化したかを、骨盤を構成する大きな骨の一つである腸骨(ilium)の構造的変化に焦点を当てて解明した」オープンアクセスの以下の論文です。
掲載誌:Nature、27 August 2025
表題:The evolution of hominin bipedalism in two steps
著者:Gayani Senevirathne, Serena C. Fernandopulle, Daniel Richard, Stephanie L. Baumgart, Anika Liv Christensen, Matteo Fabbri, Jakob Höppner, Harald Jüppner, Peishu Li, Vivien Bothe, Nadia Fröbisch, Ian Simcock, Owen J. Arthurs, Alistair Calder, Naomi Freilich, Niamh C. Nowlan, Ian A. Glass, April Craft & Terence D. Capellini
掲載誌:Nature 2025年8月27日
表題:ヒト科二足歩行の2段階の進化
著者:ガヤニ・セネヴィラスネ、セレナ・C・フェルナンドプル、ダニエル・リチャードステファニー・L・バウムガルトアニカ・リヴ・クリステンセンマッテオ・ファッブリヤコブ・ヘップナーハラルド・ユップナー李ペイシュヴィヴィアン・ボーテナディア・フロビッシュイアン・シムコックオーウェン・J・アーサーズアリスター・カルダーナオミ・フライリッチニアム・C・ノーランイアン・A・グラス4月のクラフト&テレンス・D・カペリーニ

論文要旨(Chromeによる和訳)
二足歩行は、人類を定義する特徴である。これは、よく知られているお椀形の骨盤によって可能になった。その短く幅広い腸骨板は体の側面に沿って湾曲しており、歩行を安定させ、内臓や大きな脳と広い肩幅の赤ちゃんを支えている。現生霊長類と比較した腸骨の変化は、進化上の目新しいものである。しかし、この進化がどのように起こったのかは、依然として不明である。本研究では、多面的な組織学的、比較ゲノム的、機能ゲノム的アプローチを用いて、二足歩行を可能にしたヒト骨盤の形態形成シフトの発生基盤を特定した。まず、ヒトの腸骨軟骨の成長板が異所性シフトを起こし、他の霊長類(およびマウス)の腸骨に存在する方向に対して垂直に位置することを観察した。第二に、我々は非ヒト霊長類の腸骨やヒトの長骨とは異なる、骨化における異時性および異所性の変化を観察した。骨化は後方から開始し、骨芽細胞に寄与する線維芽細胞(および軟骨膜細胞)とともに外側に存在し、ヒトの他の骨や霊長類の腸骨と比較して遅れている。これらの2つの変化の根底には、SOX9 – ZNF521 – PTH1RとRUNX2 – FOXP1/2の間の複雑な階層的相互作用を伴う、統合された軟骨細胞–軟骨膜–骨芽細胞経路における制御的変化がある。これらの革新は、ヒト骨盤のさらなる成長と、霊長類に特有の腸骨の形成を促進した。

図1:ヒト、霊長類、マウスの腸骨成長板の軟骨形成の比較。
a、チンパンジーとヒトの成人の骨盤帯の形態学。ヒトの腸骨は短く幅広であるのに対し、チンパンジーの腸骨は刃のように長い。A、前部。Ac、寛骨臼。Il、腸骨。Is、坐骨。P、後部。Pu、恥骨。b 、 E54~E72における発達中のヒト骨盤の再構築μCTスキャン。軟骨は濃い灰色で、骨化は骨白色で示されている。c 、E57とE72におけるヒト腸骨( n = 3)のトリクローム染色横断面(モデルに赤線) 。横方向の 成長板が強調表示されている。RZ、PZ、HZ軟骨細胞は横軸に沿って双方向に並んでいる。d、e、Mus musculus (E14.5; n  = 3) トリクローム染色 ( d ) およびMicrocebus sp. ( n  = 11) ヘマトキシリンおよびエオシン (H&E) 染色 ( e ) 骨盤冠状組織切片。頭尾方向の成長板軟骨細胞領域を強調表示。Ca、尾側、Cr、頭側。f、Hylobates sp. ( n  = 1)、Pan sp. ( n  = 2) およびヒトの分節骨盤帯 (軟骨は濃い灰色、骨は明るい白色) および対応する μCT 切片 (2 つの軸方向切片、各モデルで赤線の位置で表示)。 HZ 軟骨細胞は、RZ および PZ 軟骨細胞よりも暗い色で示されています。PanおよびHylobatesの横断面では、軟骨細胞は各軸方向レベルで均一な色(全て明るい色または全て暗い色)を呈しています。ヒトでは、各切片における軟骨細胞の色の違いにより、横断方向に配列したRZ-PZ-HZを視覚化できます。スケールバーは500µmです。ヒト、チンパンジー、テナガザル、マウスキツネザル、マウスの模式図はBioRenderで作成されました。Senevirathne, G. (2025) https://BioRender.com/p7qcwtp。

関連情報
(1) 以下は、Copilotに訊いた解説です。
Q1;この論文の成果を要約してください。
A1;この論文「The evolution of hominin bipedalism in two steps」は、人類の二足歩行がどのように進化したかを、腸骨(ilium)の構造的変化に焦点を当てて解明した。

研究によると、腸骨の進化には二つの重要なステップがあった:
①軟骨の成長板の向きの変化:これによって腸骨が直角に配置されるようになり、他の霊長類とは異なる形状になったんだ。
②骨形成のタイミングと空間的な違い:人間の腸骨では、軟骨上に骨細胞が沈着するタイミングと場所が他の霊長類と異なっていて、これが独特な形状につながった。

さらに、研究チームは数百の調節配列を特定していて、それらが人間の骨盤の形を作る発生過程で活性化することも明らかにしているよ。つまり、遺伝的・発生学的な仕組みが複雑に絡み合って、私たちが直立して歩けるようになったってことなんだね.

Q2;骨盤の進化とヒトの二足歩行について、解説してください。
A2;ヒトの二足歩行は、骨盤の進化と密接に関係しているんだ。骨盤の進化と二足歩行の関係を、いくつかのポイントに分けて解説するね🌿

🦴 骨盤の形状変化とその意味
ヒトの骨盤は横に広く、縦に短いという特徴があるんだけど、これは直立二足歩行にとってとても重要な進化なんだ。
・重心の側方移動への対応:二足歩行では片足で体を支える「単脚支持期」があるため、重心が左右に移動する。その際に体が倒れないように、股関節の外側にある筋肉(中殿筋など)が発達したんだよ。
・類人猿との違い:四足歩行の動物やナックルウォークをする類人猿は、重心の側方移動がないから、股関節の外転筋が発達していない。彼らの骨盤は縦に長く、筋肉の張力を高めて俊敏な動きを可能にしているんだって。

🧠 腸骨の進化と発生学的な変化
最近の研究(本論文?峯岸注)では、腸骨(骨盤の上部)の進化が二足歩行の鍵を握っていることがわかってきたよ。

・成長板の向きの変化:腸骨の軟骨成長板が直角に配置されるようになったことで、ヒト特有の骨盤形状が形成された。
・骨形成のタイミングと空間的制御:骨細胞が沈着するタイミングと場所が変化し、他の霊長類とは異なる骨盤構造が生まれたんだ。
・遺伝的調節:数百の調節配列が骨盤の発生過程で活性化し、ヒトの骨盤形状を作り出していることも明らかになっているよ。

🌳 直立二足歩行のメリット
・エネルギー効率の向上:下肢が伸展することで重心が高くなり、位置エネルギーを活用できる。これにより、筋力に頼らず効率的に歩けるようになった。
・手の自由化:二足歩行によって前肢が自由になり、道具の使用や運搬が可能になった。これは文化や知能の発展にもつながっているよ。

Q3;上記回答のもとになっている参考文献を教えてください。
A3;こちらが、ヒトの骨盤進化と二足歩行に関する参考文献の一部です
🔍 主な参考文献
・松村秋芳(2012)『歩行の比較:初期人類と類人猿の下肢骨形態からみた直立二足歩行の進化』 初期人類と類人猿の骨格を比較し、二足歩行の力学的・形態的進化を解説しています。
論文は以下。
extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma/72/2/72_170/_pdf
・きんたろーブログ『直立二足歩行を可能にするための骨格構造とバイオメカニクス』 股関節・膝関節・骨盤の形状変化など、直立歩行に必要な骨格構造を進化論の視点から解説しています。
・広木詔三(愛知大学)『初期人類における直立二足歩行の生態学的ストラテジー』 二足歩行の獲得を生態学的・進化的戦略として捉え、言語や脳の進化との関連も考察しています。 論文は以下。
file:///C:/Users/mineg/Dropbox/PC/Downloads/5.%E5%BA%83%E6%9C%A8.pdf

これらの文献は、骨盤の形態変化、筋肉の配置、エネルギー効率、そして進化的背景を多角的に捉えるのに役立つよ。もし特定の視点(形態学、生態学、遺伝学など)でさらに掘り下げたいなら、そこから枝を伸ばしていこうか🍄

Q4;骨盤の進化を化石や類人猿との比較から掘り下げて説明して下さい。参考文献も教えて下さい。
A4;骨盤の進化を化石や類人猿との比較から掘り下げると、ヒトの二足歩行がいかに複雑で段階的な変化を経てきたかが見えてくるよ。まるで森の年輪を読むような感覚だね🌳

🦴 骨盤進化の化石的証拠と類人猿との比較
1. 初期人類の骨盤:アウストラロピテクス・アファレンシス
約300万年前の猿人で、骨盤は幅広く短い形状をしていた。これは二足歩行に適応した形で、股関節の外転筋が効率よく働くようになっている。
類人猿(チンパンジーやゴリラ)の骨盤は縦に長く、四足歩行や腕渡りに適している。
2. ラミダス猿人(Ardipithecus ramidus)
約440万年前の化石からは、長い下肢と短い親指が確認されており、樹上生活から地上への移行期にあったと考えられている。
腸骨の形状は、現代人に近い特徴を持ち始めていた。
3. 現代人との比較
ヒトの骨盤は腸骨が横に広がり、仙骨と恥骨が短くなっている。これにより、重心の側方移動に対応できる筋肉配置が可能になり、安定した二足歩行が実現した。

📚 参考文献
・松村秋芳(2012)『歩行の比較:初期人類と類人猿の下肢骨形態からみた直立二足歩行の進化』 類人猿との骨格比較を通じて、二足歩行の力学的背景を詳しく解説。
・遠藤広光(2017)『系統進化学:異時性とヒトの進化』高知大学講義資料 骨盤構造の変化を「ネオテニー(幼形成熟)」の視点から考察。
・杉山女子大学 自然人類学講義資料(第8回) 類人猿・猿人・現代人の骨盤と下肢の比較が図解されていて、視覚的にも理解しやすい。

骨盤の進化は、単なる形の変化ではなく、筋肉の配置、運動様式、そして生態的な戦略まで含んだ壮大な物語なんだ。次はどの枝葉を広げてみようか?化石の年代、筋肉の働き、それともネオテニーの話?

(2) 本論文の解説が、同日のNature誌にニュース記事として掲載されています。
NEWS 27 August 2025
How humans became upright: key changes to our pelvis found
Genetic and anatomical data reveal how the human pelvis acquired its unique shape, enabling our ancestors to walk on two legs.
By Katie Kavanagh
表題:人類が直立姿勢をとるようになった経緯:骨盤の重要な変化が発見される
遺伝的および解剖学的データにより、人間の骨盤がどのようにしてその独特な形状を獲得し、祖先が二足歩行を可能にしたかが明らかになりました。
著者:ケイティ・カバナ
腸骨と呼ばれる骨における複雑な遺伝的・分子的変化は、人間の骨盤の形状を形作り、二足歩行を可能にした。写真提供:マッシモ・ブレガ/サイエンス・フォト・ライブラリー

2-2-2)距骨下関節の運動学は、距骨踵骨後面に沿って移動する回転軸によって定義される。
二つ目の話題は、9月1日のNature誌に掲載された「距骨下関節(subtalar joint)の運動軸が後方距踵関節面(posterior talocalcaneal facet)に沿って移動するという新しい運動モデルを提案した」以下のオープンアクセスの論文です。
掲載誌:Nature、 01 September 2025
表題:Subtalar joint kinematics defined by a rotational axis translating along the posterior talocalcaneal facet
著者:Naomichi Ogihara, Yuka Matsumoto, Hiroyuki Seki, Takeo Nagura, Nobuaki Imanishi, Masahiro Jinzaki, Motoharu Oishi, Hideki Endo & Gen Suwa
論文番号:Scientific Reports volume 15, Article number: 32038 (2025)

論文要旨(Chromeによる和訳)
距骨下関節は、二足歩行中のヒトの足の正常な機能に不可欠であり、その運動学は足のバイオメカニクス、障害、および進化を理解する上で極めて重要です。従来、距骨下関節の動きを評価するために、回転軸に沿った並進運動を仮定して、らせん軸表現が使用されてきました。しかし、最近の観察はこの仮定に疑問を投げかけ、歩行中は主に内外方向の並進運動が行われていることを示しています。この矛盾に対処するため、我々は回転軸表現と距骨下関節後面の円筒軸に平行に並進軸を組み合わせた新しい方法を提案します。ヒトの死体下肢を用いて、CTスキャン解析により距骨下関節の動きを定量化しました。従来のらせん軸表現と新しく提案された円筒軸ベースの表現との比較評価により、踵骨の動きと円筒軸がより密接に対応していることが明らかになり、距骨下関節の運動学において後面形態が重要な役割を果たしていることが強調されました。この革新的なアプローチは、距骨下関節の生体力学のより直感的で臨床的に有用な描写を提供し、人間の足の基本的な生体力学と機能に対するより深い洞察と、距骨下関節関連の病状の臨床評価と治療戦略の改善につながる可能性があります。
図1
螺旋軸表現(a)と新たに提案された表現(b)の比較。名称の詳細については本文を参照。螺旋
軸表現では、物体(箱)はM A からM B への変換において、n に関して回転し、n に沿って L
(青ベクトル)だけ移動します。新たに提案された表現では、箱はM AからM Bへの変換において、 nに関して回転し(緑ベクトル)、aに沿ってα (赤ベクトル)だけ移動します。角度\ ( \ phi \ )は、らせん軸(a)と新たに提案された(b)表現の両方において、回転軸は一定です。ただし、回転軸の位置が異なるため、図中の視覚的な表現は異なる場合があります。

関連情報
以下は、Copilotに訊いた解説です。
Q1;続けて、この論文について質問したい。
A1;この論文「Subtalar joint kinematics defined by a rotational axis translating along the posterior talocalcaneal facet」(2025年9月1日公開)は、距骨下関節(subtalar joint)の運動軸が後方距踵関節面(posterior talocalcaneal facet)に沿って移動するという新しい運動モデルを提案しているんだ。

🦶 距骨下関節の新しい理解
従来、距骨下関節の回旋軸は固定された一本の軸として捉えられていたけれど、この研究では、回旋軸が空間的に移動することを示していて、特に後方距踵関節面に沿って翻訳(translation)するという動きがあるとされている。

この発見は、足の安定性や可動性の理解、そして整形外科的治療や義足設計にも影響を与える可能性があるよ。

🧠 研究の意義
三次元CT画像と動的モデリングを用いて、関節面の形状と運動軸の関係を詳細に解析。
個人差や骨形態の違いが、距骨下関節の運動にどう影響するかを明らかにしている。

📚 関連参考文献
・Behling et al. (2024) 「Human in vivo midtarsal and subtalar joint kinematics during walking, running and hopping」 実際の歩行・走行中の距骨下関節の動きを三次元で解析。
論文PDFはこちら
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsif.2024.0074
・EFORT Open Reviews (2017) 「The subtalar joint: a complex mechanism」 距骨下関節の構造的複雑さと機能的役割を解説。
レビュー記事はこちら
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28828179/

この研究は、足の運動学に新しい視点をもたらしていて、特に個別の骨形態に基づいた関節運動の理解に貢献しているよ。次は、臨床応用の話や、他の足関節との連動について掘り下げてみようか?🍄

Q2;この論文の著者の一人である荻原直道先生の関連する論文を教えてください。
A2;荻原直道先生は、ヒトの足部構造と二足歩行の進化に関する研究を多数発表されています。以下は、今回の論文と関連性の高い代表的な研究です:
🧾 関連論文・資料
1. 『ヒトの足部筋骨格構造の形態的特徴とその進化』
o 発表年:2019年
o 概要:ヒトの足部が直立二足歩行に適応してどのように形態進化したかを、チンパンジーとの比較や化石証拠をもとに解説。距骨や踵骨、足部アーチ構造の役割にも触れています。
o 全文PDFはこちら(J-STAGE)https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/43/2/43_83/_article/-char/ja/
2. 『ヒト足部筋骨格形態に内在する歩行安定化機構と直立二足歩行の進化』
o 科学研究費補助金研究成果報告書(2014年)
o 概要:足部の形態が歩行時の力学的安定性にどう寄与するかを、数理モデルと実験を通じて検証。距骨下関節の運動軸や力の伝達に関する考察も含まれています。
o 報告書PDFはこちら(KOARA)https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23247041/
これらの研究は、今回の「距骨下関節の回旋軸の移動」に関する論文と深くつながっていて、足部の形態と運動の関係を多角的に理解するのに役立つよ。さらに掘り下げたいテーマがあれば、そこから枝を伸ばしていこうか?🍄

 

2-3)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報(2025年9月)
・GFAPアストロサイトパチーの予後予測バイオマーカーとしての血清ニューロフィラメント軽鎖
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月3日のFB投稿です**
GFAPアストロサイトパチー(GFAP-A)は,GFAPα抗体が検出される比較的新しい自己免疫性の脳炎・脳脊髄炎です.多くの患者さんはステロイド治療に反応して回復しますが,一部の方は重い後遺症を残したり,再発を繰り返したりします.このような予後の違いを早期に見極めることができれば,治療方針の判断に大きく役立ちます.
今回,当科の木村暁夫先生らは,福島医大,聖マリアンナ医大,藤田医大との共同研究で,ニューロフィラメント軽鎖(NFL)がGFAP-Aの予後予測バイオマーカーになり得るかを検討しました.まず登録された症例の中から条件を満たす患者を絞り込み,最終的に54例が解析対象となりました.これらの患者を対象に,入院時に採取した血清と脳脊髄液でNFLを測定し,6か月後のmodified Rankin Scale(mRS)スコアと比較しました.
結果として,予後不良(mRS≧3)の13例では,血清ニューロフィラメント軽鎖(NFL)が有意に高値を示し(中央値191 pg/mL vs 64 pg/mL),脳脊髄液NFLも同様に高値を示しました(図1AB).さらに血清と脳脊髄液のNFL値の間には強い相関(r = 0.709, P < 0.001)が確認され,血清NFLの測定だけでも中枢神経の障害度をある程度反映できると考えられました(図1C).予後予測能をROC解析で評価すると,血清NFLのAUCは0.853,カットオフ値98 pg/mLで感度92.3%,特異度73.2%と,非常に高い精度を示しました(図2A).脳脊髄液NFLもAUC 0.897と高い性能を示しましたが(図2B),採取の容易さを考慮すると血清NFLが実臨床ではより実用的です.
さらに,NFL値で層別化した患者群のmRSの推移を比較すると,血清NFLが低い群では入院時に重症であっても6か月後,12か月後には大多数が回復しました.一方,高い群では6か月後・12か月後も半数以上が不良な状態にとどまりました.この違いは,血清NFLが予後の分岐点を見極める有力な指標となり得ることを示しています.つまり今回の研究は,入院時の血清NFLが98 pg/mLを超えると予後不良のリスクが高いことを明らかにし,逆にNFLが低ければ回復の見込みが大きいことを示しました.今後,測定法の標準化が進めば,血清NFLは治療戦略を決定する上で欠かせない臨床ツールとなるかもしれません.一方,アストロサイト障害や活性化のマーカーであるGFAPやS100Bは予後予測には有用ではありませんでした.
最後にこの研究の面白さ・意外さについてです.この疾患はアストロサイトが主に障害される疾患なのになぜアストロサイトではなく,神経軸索の障害を示すNFLが重要なのだろうと考えられたかと思います.それはアストロサイト障害の先に二次的に生じる軸索障害こそが最終的な機能障害を規定するため,その指標であるNFLが長期予後のバイオマーカーとして有効なのです.言い換えれば,「疾患の原因はアストロサイトにあるが,患者さんのQOLを左右するのは最終的にニューロンと軸索の損傷度合い」ということなのだと思います.一方でGFAPやS100Bは急性期のアストロサイト障害を示すものの,半減期が短く,長期予後との結びつきは弱いものと考えられます.
Kimura A, Takekoshi A, Maekawa Y, Tanaka K, Yamano Y, Saito K, Yamamoto Y, Takemura M, Shimohata T. Serum neurofilament light chain as a prognostic biomarker of glial fibrillary acidic protein autoimmunity. J Neuroimmunol. 2025;408:578739.(doi.org/10.1016/j.jneuroim.2025.578739)

・Insular knife-cut signはヘルペス脳炎早期診断の切り札となるか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月5日のFB投稿です**
ヘルペス脳炎は臨床的に重要なウイルス性脳炎であり,発症から治療開始までの時間が予後を大きく左右します.しかし,症状や検査所見は非特異的で,確定診断に用いられる脳脊髄液PCRも約5%で偽陰性を示すことが知られています.このため,臨床現場では「いかに早くヘルペス脳炎を疑い,治療を開始できるか」が大きな課題となっています.
今回紹介するイタリアからの研究は,ヘルペス脳炎の診断を強く指示するMRI所見「Insular knife-cut sign」に注目したものです.これは,FLAIR画像の軸位断で,島皮質に広がる異常信号と基底核の間に,外包に沿って鋭いナイフで切り裂かれたような境界を認める所見です.下図では,赤線で外包に沿った境界が示され,島皮質の異常信号が基底核に及ぶことなく明瞭な境界を示していることが分かります.またFLAIR画像で確認できず,他の撮像系列(例:拡散強調像や造影T1強調像)のみで認められる異常は除外されます.
今回,ご紹介するのはイタリアの3施設で行われた後方視的研究で,ヘルペス脳炎疑い188例が検討されました.うち44例がヘルペス脳炎と診断され,144例は自己免疫性脳炎,クロイツフェルト・ヤコプ病,腫瘍,感染性脳炎などの他疾患でした.結果として,Insular knife-cut signはヘルペス脳炎の52.3%に認められたのに対し,他疾患ではわずか0.7%のみで,特異度は99.3%と非常に高いことが示されました.さらにMRIの再検査を含めると感度は70.5%に上昇しました.多変量解析ではこのサインが最も強力な独立予測因子であり,側頭極病変や脳脊髄液細胞増加を凌駕する診断的価値を持つことが明らかになりました.
臨床の現場で重要なのは,この所見が「PCR陰性例」や「腰椎穿刺が禁忌の症例」でも診断を支持する手掛かりとなり得る点です.また,結果が出るまで数日を要するPCR検査に先立って診断的裏付けを与え,抗ウイルス薬投与の継続判断に資する点も見逃せません.一方で,このサインを認めない症例も存在するため,サイン陰性をもってヘルペス脳炎を否定すべきではなく,臨床的疑いがあれば即座に治療を開始する原則は変わりません.
以上より,Insular knife-cut signは,ヘルペス脳炎診断における新たな切り札といえるMRI所見のようです.今後,診療現場でこの所見が広く知られることにより,より迅速で適切な診断と治療につながることが期待されます.
Marini S, et al. Diagnostic Value of the “Insular Knife‐Cut” Sign in Patients With Suspected Herpes Simplex Virus Encephalitis. Eur J Neurol. 2025;32:e70152.(doi.org/10.1111/ene.70152)

「認知症克服のカギ」@知的探求フロンティア タモリ,山中伸弥の!?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月6日のFB投稿です**
緊張しながら放送を拝見いたしましたが,ご覧になった皆さまのご感想はいかがでしたでしょうか?認知症に関して,驚きの新しい情報も多く含まれていたのではないかと思います.私自身,VTRには論文を読むだけでは得られない説得力があり,NHKスタッフの方々の熱意を強く感じました.スタッフの皆さんとは,「今回の番組を通して多くの方に“新しい認知症観”をお伝えできれば素晴らしい」という思いを共有してまいりました.番組は学術的な関心を引くだけでなく,人生のあり方そのものについても深く考えさせられる内容であったと感じています.
以下に,番組で取り上げられた項目を列挙いたします.
◆コロナウイルス感染とアルツハイマー病の関連
◆帯状疱疹ワクチン,肺炎球菌ワクチンと認知症(神経炎症抑制の可能性)
◆アミロイドβのヘルペスウイルスに対する防御能
◆家族性アルツハイマー病に対するDIAN研究
◆アミロイドβとタウ蓄積の時間的関係
◆コロンビアのスーパー防御遺伝子(APOE3 Christchurch変異)
◆APOE遺伝子e4の人類の進化における意味
◆認知症有病率が低下した理由(久山町研究)
◆エビデンスのある14の認知症予防法(Lancet専門家委員会2024)
◆ワンちゃんの飼育による認知症予防
◆チマネ(ボリビアに暮らす先住民集団)における低い認知症発症率のわけ
◆認知症の危険因子としての孤独感
◆自ら運命を変えたエピジェネティクス(ヒートショックプロテイン)
◆認知症を克服するとはどういうことか?
出演者インタビュー
https://www.nhk.jp/…/blog/bl/pB4Egql2A5/bp/pDERAG6rZp/

・大気汚染のPM2.5はαシヌクレインに構造変化を引き起こし,レビー小体型認知症を招く!!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月9日のFB投稿です**
Science誌に驚きの論文が発表されました.神経変性疾患において環境因子の存在は昔から指摘されていましたが,「このように関わっていたのか!」と衝撃を受けました.
まず背景ですが,NHKの番組でもご紹介したLancet専門家委員会が提唱する「認知症の14の予防因子」のひとつに,「高齢期における大気汚染」があります.具体的にはPM2.5,二酸化窒素,一酸化炭素などが含まれます.PM2.5(微小粒子状物質)は直径2.5µm以下のきわめて小さな粒子で,大気中に浮遊しやすく,体内に取り込まれると炎症や酸化ストレスを引き起こします.アルツハイマー病では,PM2.5曝露がアミロイドβの蓄積を促進する可能性が指摘されています.
一方,レビー小体型認知症(Lewy body dementia; LBD)は,パーキンソン病認知症(PDD)と認知症を伴うレビー小体病(DLB)を含む神経変性疾患で,アルツハイマー病に次いで多い認知症です.その病理学的特徴は,αシヌクレイン(αSyn)の異常な凝集と脳内伝播にあります.今回,Johns Hopkins大学やColumbia大学を中心とする研究グループは,PM2.5がLBDの病態形成に直接関与することを,疫学・動物実験・分子レベルの多角的アプローチで示しました.
チームは米国のMedicare受給者5,650万人超を対象とした大規模コホート研究を行い,長期的なPM2.5曝露とαシヌクレイノパチーによる入院リスクの関連を解析しました.図1Aでは米国全土のPM2.5濃度分布が示され,東部で濃度が高く,西部は低い一方で,カリフォルニアの一部に高濃度地域が認められます.Bではパーキンソン病(PD),PDD,DLBによる入院率の分布が描かれ,PM2.5濃度とよく似た地理的パターンが示されています.CではPM2.5曝露と疾患ごとの入院リスクがハザード比で示され,年間平均濃度が4.14 µg/m³上昇するとPD全体で10%,認知症を伴わないPDで7%のリスク増加に対し,PDDで17%,DLBで12%と,認知症を伴う群での上昇が大きいことが示されました.Dでは曝露評価の方法を変えても一貫して正の関連が確認され,とくに直近数年の平均曝露量との関連が強い傾向が明らかになっています.
つぎに動物実験を行い,実際に野生型マウスに慢性的にPM2.5を曝露しています.この結果,脳萎縮や認知障害,さらにはリン酸化αSynの広範な沈着とリン酸化タウの異常蓄積が広範に出現しました.一方,αSyn欠損マウスでは,こうした変化はほとんど認められず,PM2.5による神経変性がαSyn依存性であることが分かりました.さらに,米国,中国,欧州において採取したPM2.5はいずれもαSynに構造変化を引き起こし,PM2.5-induced preformed fibril(PM-PFF,PM2.5誘導プレフォームドフィブリル)と名付けたフィブリルを形成しました.このPM-PFFは通常のαSyn線維よりも凝集が速く,分解されにくく,強い神経毒性を示し,ヒトLBD由来のαSyn株と非常に類似していました.ヒト化αSynマウスにこのPM-PFFを接種すると,運動障害よりも認知障害が目立ち,遺伝子発現の変化もLBD患者に近いパターンを示しました.
まとめると,本研究は以下の3点を示したことになります.
1)PM2.5曝露は,PDそのものよりも,認知症を伴うタイプ(PDDやDLB)で強い影響を及ぼす.
2)PM2.5がαSynの構造を変化させ,通常とは異なるフィブリル(PM-PFF)を生み出し,これがLBD特有の認知障害を促進する.
3)環境因子がαSynの株(strain)の「多様性」を決定づける可能性がある.
つまり本研究は,大気汚染が環境要因として神経変性疾患に及ぼす影響を強く認識させるとともに,環境因子に対する介入の必要性や,新たな治療標的探索の方向性を示唆しています.また,日本におけるPM2.5とPD有病率の地域分布の関係や,PDや多系統萎縮症を引き起こすαSyn株を誘導する環境因子(農薬,金属・化学物質・マイクロナノプラスチックの曝露など)が存在するのかも気になるところです.
Zhang X, Liu H, Wu X, Jia L, et al. Lewy body dementia promotion by air pollutants. Science. 2025;389(6716):eadu4132.(doi.org/10.1126/science.adu4132)

・REM睡眠が7割を占めた過眠症;Ma2抗体関連脳炎と気づけるか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月10日のFB投稿です**
Ma2抗体関連脳炎は稀な自己免疫性の傍腫瘍性神経症候群であり,視床下部が障害されると続発性ナルコレプシーを呈することがあります.今回紹介するスペインからの症例報告は,ポリソムノグラフィー(PSG)が診断の決め手となった一例です.患者は72歳男性で,進行性の過眠と繰り返す転倒を主訴に受診しました.当初は閉塞性睡眠時無呼吸症候群や心原性失神が疑われましたが,症状は悪化を続けました.入院時に施行したPSGでは,これまで報告のないきわめて特徴的な睡眠パターンが明らかになりました.睡眠潜時は30秒ときわめて短く,その直後に睡眠開始REM期(SOREMP)が出現(図1B),さらに夜間覚醒後も同様にSOREMPが繰り返され,REM睡眠は全体の7割を超えていました(図1A).一方,NREM睡眠は通常のステージに分化できず,睡眠紡錘波や徐波が欠如した非分化型NREM(UNREM)としてしか記録されませんでした.REM優位とUNREMの組み合わせはきわめて特異であり,続発性ナルコレプシーを疑わせる重要な手掛かりとなりました.
頭部MRIでは前頭底部,両側内側側頭葉,視床,下丘,中脳,小脳に広範なT2高信号が確認されました(図2).特に視床下部病変は過眠や自律神経症状と関連しており,転倒の原因は続発性ナルコレプシーに伴う過眠発作と,視床下部障害による自律神経性失神(洞停止,起立性低血圧)で説明可能でした.情動とは関係がなかったため,典型的なカタプレキシーではありませんでした.
脳脊髄液検査ではMa2抗体が陽性で,オレキシン-1値の低下も確認され,Ma2抗体関連脳炎に伴う二次性ナルコレプシーと診断されました.免疫療法(ステロイド,IVIG,リツキシマブ)により失神は改善しましたが,認知・運動症状や過眠は十分には改善せず,最終的に肺炎で亡くなりました.
この報告は,Ma2抗体関連脳炎においてREM睡眠が異常に優位となり,SOREMPが頻回に出現し,通常のNREMが消失するという特異なPSGパターンを初めて示したものです.「日中の過眠」を呈する患者が「原因不明の転倒・失神」を訴え,しかも急速に進行する場合や,自律神経症状(起立性低血圧,徐脈,不安定な血圧変動,体温調節異常など)が併発している場合,さらにPSGで非典型的な所見が得られた場合には,背景に自己免疫性脳炎が隠れている可能性を念頭に置くべきです.こうしたケースでは,早期に脳神経内科へご紹介いただければと思います.
Nuñez-Manjarres G, et al. Unique Polysomnography Pattern Leading to the Diagnosis of Anti-Ma2 Encephalitis. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2025;12:e200465. doi.org/10.1212/NXI.0000000000200465

・アミロイドβ抗体薬レカネマブの効果を再評価する ―オープンラベル延長試験データから見たTime Savedモデルの問題点―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月12日のFB投稿です**
アルツハイマー病の臨床試験において,治療効果を「何か月分進行を遅らせたか」という形で表現する“Time Saved”モデルがしばしば用いられてきました.一見直感的で分かりやすい概念ですが,私はこの解釈は本当に正しいのかと学会等で疑問を呈してきました.最近,36ヶ月までのオープンラベル延長試験データが公表されましたが,このモデルの妥当性について,シンシナティ大学のAlberto Espay教授がLinkedIn記事「The ‘Time Saved’ Alzheimer’s Illusion: Models Versus Reality」において問題点を指摘しています.非常にご高名な先生ですが,この記事は未査読ですので,各自,信憑性を判断する必要はあると思います.しかし個人的には納得のいくものでした.以下,その内容を解説します.
【図が多く理解しにくいかもしれません.ブログのほうが分かりやすいかもしれません→ https://pkcdelta.hatenablog.com/entry/2025/09/12/054237】
まずTime Savedモデルについてですが,臨床試験で得られた治療群とプラセボ群の差を直線的に外挿し,その差を「進行が遅れた時間」に換算する方法です.たとえば,18か月間の試験で5.3か月の進行遅延が確認されていますので,そのまま緑の点線のように直線を延長し,25.5か月時点で7.5か月分の『節約(time saving)』になる予想されました(図1).私はCDR-SBの経時変化は直線ではないのでこんな単純にはいかないと述べていました.
事実,発表されたオープンラベル延長試験のデータを当てはめると,この予測は違っていました.図2に示されるように,期待された7.5ヶ月の「節約」とはならず,実際には3.3ヶ月でした.つまり,線形モデルによる予測データは現実と異なっていたわけです.
そこで,アルツハイマー病が非線形に進行することを考慮したシミュレーションが行われました(図3).具体的にはアルツハイマー病の進行は,軽度(CDR 0.5〜1),中等度(CDR 2),重度(CDR 3)といった臨床重症度ステージごとに速度が異なり,軽度や重度では比較的緩やかである一方,中等度では最も速く悪化します.よって全体としてはシグモイド型の曲線を描きます.2024年に報告されたADNIコホートに基づく非線形シミュレーションでは,治療群(赤)がプラセボ群(青)に比べて25%進行を抑制すると予想されました.
しかし,オープンラベル延長試験の実データを重ねると,この予想とは異なっていました(図4).最初の18か月ではシミュレーションを上回る37.5%の抑制となったものの,次の18か月では効果が急減してわずか10%にとどまりました.つまり進行抑制効果は18ヶ月以降減弱し,むしろシミュレーションと比べ進行速度が早まっているようにも見えます.
実際に計算してみると,シミュレーションの進行速度が(1.5−0.6)÷18=0.05 ポイント(図3)であったのに対し,実際のデータの進行速度が(1.8−0.5)÷18=0.07 ポイントで(図4),(0.07 − 0.05) ÷ 0.05 = 0.4 = 40%早まったということになります.
それでも効果を大きく見せる方法は存在します.図5は,プラセボ群データを外部の歴史的コホート(ADNIなど)から新たに抽出し,より急な傾きに設定し,さらに縦軸のスケールを調整したものです(紫の点線).こうすることで,相対的にレカネマブ群の曲線(オレンジの点線)がゆるやかに見え,「進行を抑えている」かのような印象が生まれます.しかしレカネマブ群単独の実測値から進行速度を算出すると,設定を変えても40%速く悪化している点は変わらず,見かけ上の改善は「比較設定のマジック」に過ぎないことが分かります.
以上がEspay教授の解説です.つまりTime Savedという換算は臨床的妥当性を欠いた幻想であり,線形か非線形モデルかということも関係なく,結論として重要なのは「治療を延長すると,予測よりも実測データは悪かった」という現実だということです.実際のデータに基づいて,治療の導入について協働意思決定する必要があります.
Espay AJ. The “Time Saved” Alzheimer’s Illusion: Models Versus Reality. LinkedIn. September 7, 2025.(https://www.linkedin.com/…/time-saved-alzheimers…/)

・多系統萎縮症患者に見られるFGF14リピート伸長の意義―進行が早いものの自己抗体を認めない症例の原因はこれか!?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月14日のFB投稿です**
多系統萎縮症(MSA)は,パーキンソニズム,小脳性運動失調,自律神経障害の多彩な組み合わせを呈する神経変性疾患です.以前はあまり診断が難しいとは思いませんでしたが,近年,MSAとしては進行が速かったり,非典型的な症候(ミオリズミア,水平方向眼球運動制限,線維束性収縮,筋痙攣)を合併する症例がいて,じつは治療可能なIgLON5抗体関連疾患であったり(当科が報告した文献1),それ以外にもMSAに類似する臨床・画像所見を呈する自己免疫性小脳炎が存在したり診断は容易ではなくなっています.
このためカンファレンスで主治医の先生に,「ちょっと進行速度が早い気がする.tissue-based assayで自己抗体は見ておきましょう」と言って,でも調べたら陰性だったという症例がいることにも気づき始めました.そのたび私は「おかしいな.何か違和感があるんだけど・・・」と言って主治医を困らせています.もしかしたらその原因はこれか!?という論文が報告されました.
ご紹介するBrain誌の論文は,MSAにおけるFGF14遺伝子イントロンに存在するGAAリピート伸長の頻度を明らかにし,かつMSAの進行や予後にどのような影響を与えるかを検討したものです.FGF14のGAAリピート伸長はSCA27Bの原因遺伝子変異として報告されています.GAAリピートが概ね300以上(GAA≥300)で明確な病的伸長とされる一方,250–299リピートは不完全浸透の中間域と考えられています.発症は50〜70歳代で,発作性の小脳性運動失調や下向き眼振などが特徴的ですが,パーキンソニズムや自律神経障害も変動して出現することが知られています.MSAとの表現型の重なりが報告されるようになり,両者の鑑別や関連が注目されていました.
対象は臨床診断例(Gilman分類Probable)193例,病理確定例464例の計657例の複数の国が参加した大規模コホートです.対照は健常者1003例でした.病理確定例は剖検脳から,臨床診断例は血液からDNAを抽出しました.FGF14リピート長はロングレンジPCRで測定し,200リピート以上のアレルに対しては両方向リピートプライムドPCR(RP-PCR)で確認しています.必要に応じてOxford Nanopore Technologiesを用いたロングリードシーケンスも行っています.
さて結果ですが,なんとMSA全体の2.89%(19/657)がGAA≥250リピートを保有し,対照群(1.40%)より有意に高頻度でした.病的域(GAA≥300)は7例(1.07%),中間域(GAA250–299)は12例(1.83%)であり,GAA≥300のうち5例は病理診断例でした.657例のMSA患者のFGF14リピート数分布は図Aに示されています.図Dでは,リピート長と生存期間との間に有意な負の相関(r=−0.67,P=0.02)があり,リピートが長いほど生存が短いことが分かります.
伸長アリルを有する患者は,MSA-C,MSA-Pのいずれにも認められ,発症時の初発症状は失調性歩行,自律神経障害,パーキンソニズムがそれぞれ約3分の1ずつを占めました.臨床的には小脳性運動失調,自律神経障害,パーキンソニズムを併せ持つ典型的MSA像でしたが,進行が速く,発症から転倒までの中央値が0.5年(非伸長例では2.7年),車椅子使用までの中央値が5年(非伸長例では7年)と有意に短縮していました.また嚥下障害はより多く認められ,発症年齢との関連は認められませんでした.
画像所見では,FGF14伸長を持つ症例も典型的なMSA所見を呈していました(上段がMSA-P,353リピート,下段がMSA-P+C,326リピート;矢印は被殻の低信号とhot cross bun sign).さらに剖検所見でも,αシヌクレイン陽性グリア細胞質封入体を伴う典型的MSA病理像が確認され,SCA27Bに特徴的とされる小脳皮質の高度な異常や変性像は認めませんでした.
つまりMSAにおけるFGF14リピート伸長は,病理学的には典型的なMSA像(αシヌクレイン陽性GCI)を保っており,SCA27B特有の小脳皮質異常は来さないものの,臨床像(小脳性運動失調や進行の速さ)を修飾するということがポイントのようです.予後を予測するという意味では,本邦の多数例でも検証する必要があるかもしれません.
Ono Y, et al. Anti-IgLON5 disease as a differential diagnosis of multiple system atrophy. Parkinsonism Relat Disord. 2024 Jul;124:106992.(doi.org/10.1016/j.parkreldis.2024.106992)
Viorica Chelban et al. Intronic FGF14 GAA repeat expansions impact progression and survival in multiple system atrophy. Brain. 2025;148:3252–3265. https://doi.org/10.1093/brain/awaf134

・神経恐怖症から神経不安へ:医学生・医療者に広がる「不安」を教育でいかに克服するか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月15日のFB投稿です**
「neurophobia(神経恐怖症)」という言葉があります.1994年にJozefowiczが提唱した有名な言葉で(文献1),医学生が「神経学を複雑で難しい」と感じ,恐怖・不安・嫌悪・無関心を抱く現象を指します.約半数の医学生が経験し,基礎課程では神経科学への恐怖や退屈感,臨床実習では冷笑的・諦め的な態度をとるようになります.主な原因は基礎科学と臨床神経学の統合不足にあると言われています.対策としては,基礎・臨床統合型カリキュラムの導入が最も重要とされ,少人数ケースベース学習,脳神経内科レジデントやフェローによる指導,臨床実習中の基礎科学の再学習,基礎科学者の臨床カンファレンス参加などが推奨されています.こうした統合により基礎知識の臨床的意味づけが明確になり,神経学への興味・動機付けが高まって「neurophobia」を「neurophilia(神経学好き)」へ変える可能性があります.
今回,紹介するシンガポール総合病院脳神経内科のTanらの論文は,神経恐怖症というより,実は「neuroanxiety(神経不安)」が重要だと述べるものです(文献2).つまり恐怖は目の前にある明確な危険や刺激に対して瞬間的に起きる強い感情ですが,不安はまだ起きていないことや漠然とした状況に対して持続的に生じる緊張・心配であり,じわじわと行動に影響しやすいという特徴があります.
著者らは1994〜2024年に発表された119件の文献を調べ,最近の研究では「恐怖」よりも「不安」や「嫌悪」などの表現が増えていることを明らかにしました.さらにシンガポール総合病院で医師・看護師・学生103名を対象に調査したところ,回答者の81%が「神経恐怖症」にもっとも関連する感情は「不安」であると答え,「恐怖」と答えたのは42%にとどまりました.そして,不安が主な感情だと答えた人たちの中では,70%が「患者の症状や所見を正しく拾い上げ,整理し,重症度や緊急度を判断する見診断の力が弱いと感じている」,69%が「診療能力自体が低いと感じている」,63%が「神経症例を避けるようになると感じている」と申告していました.こうした否定的感情は医学生や研修医の段階だけでなく,プライマリケア医や非神経系の医師になってからも持続していることが示唆されました.
著者らはこのような結果を踏まえ,「neuroanxiety」を「神経科学に関わる臨床・非臨床の場面に対して,あらかじめ抱く否定的な感情のスペクトラムであり,その結果として患者さんを評価・診断する力や診療の質が損なわれ,神経科領域の症例や業務を避ける行動につながる可能性があるもの」と定義しました.そして「恐怖ではなく不安」というより広い視点から神経学教育を見直すとは,単にその場の恐怖体験を減らすだけの教育から,学生や若手医師が脳神経内科に対して抱く不安や緊張感そのものを軽減・予防する教育設計にシフトすることを意味します.その具体策として,実習の前に基礎知識を動画や資料で予習できるようにする,複雑な症例はまず簡単なケースから始める,学生が安心して質問できる環境を整える,先輩がついてフィードバックをするなどの工夫が挙げられます(表).また,基礎と臨床を統合する教育プログラムを重ねることで,基礎知識に臨床的意味づけが加わり,動機づけを高めて「ニューロフォビア」を「ニューロフィリア」に変えることが期待されます.
岐阜大学では当科に入局するかは別として(笑),「将来,神経学を専門医したい」という学生が徐々に増えています.教室メンバーが朗らかで真面目,教室の雰囲気が良いと学生に言われますが,それに加え,上述の「学生が安心して質問できる環境を整える,若手やベテラン医師がフィードバックをする」といった工夫をしてきた成果なのかもしれません.というかそもそも今後大きく発展する神経学自体が魅力的なのだと思います.ただし,学生が学ぶ内容(=国試レベル)と実際の臨床には大きなギャップがあって着いてこれない学生もいるので,もう少し最新知識を教えたり,実臨床を解説する必要性を感じます.基礎医学との統合は難しい印象ですが,「難しい神経解剖学は臨床医には必ずしも必要ない.その代わり臨床に必要な解剖はしっかり覚える」と強調してから,臨床に役立つ神経解剖学のおさらい講義をしています.先生方の工夫など教えていただけると嬉しいです.
Jozefowicz RF. Neurophobia: the fear of neurology among medical students. Arch Neurol. 1994 Apr;51(4):328-9. doi.org/10.1001/archneur.1994.00540160018003
Tan YJ, Lin SZZ, Tan Z. From Neurophobia to Neuroanxiety: An Opportune Review of Its Definition and Impact on Neurology Educators and Learners. Neurology® Education. 2025;4:e200247. doi.org/10.1212/NE9.0000000000200247

・ついに実現した特発性正常圧水頭症に対するシャント手術の大規模ランダム化比較試験:PENS試験
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月19日のFB投稿です**
特発性正常圧水頭症(iNPH)は,「歩行障害」「物忘れ」「排尿障害」を三徴とする疾患です.脳脊髄液シャント手術によって症状の改善が期待できる“治療可能な認知症”として知られていますが,その有効性をランダム化比較試験(RCT)で厳密に検証した研究はこれまでありませんでした.RCTが実施できなかった理由として,①診断や手術適応の基準が施設ごとにばらつき,均一な症例選択が難しかったこと,②「治る可能性がある病気」に対しプラセボ弁を使うことへの倫理的抵抗が強かったこと,③弁の種類や圧設定など術後管理が複雑でブラインド化が困難だったこと,が挙げられます.
今回,どのような患者に脳脊髄液シャント手術を勧めるべきかを検証した世界初の大規模RCTがNEJM誌に発表されました.国際共同研究グループが実施したPENS試験(Placebo-Controlled Efficacy in iNPH Shunting)です.この試験では,上述の②③に関して全例に同じシャントシステムを植え込み,外見や手術侵襲を同一にすることでブラインド化を達成しました.さらに弁の開放圧設定だけを無線式プログラマーで外部から非侵襲的に切り替えられるようにし,プラセボ群は非常に高い開放圧(>400mmH₂O)に設定して脳脊髄液がほとんど流れない状態とし,開放群は低い開放圧(110mmH₂O)に設定して脳脊髄液を排出するという工夫を行い,倫理的ハードルを乗り越えました.さらに国際ガイドラインに基づく明確な選択基準,米国・カナダ・スウェーデンの多施設ネットワークという基盤を整備することで,世界初の本格的RCTが実現されました.
対象は脳脊髄液排出試験(タップテスト)で歩行速度が改善した99症例であり,開放シャント群とプラセボ群に1:1で割り付けられました.主要評価項目である3か月後の歩行速度は,開放シャント群で平均0.23m/秒増加,プラセボ群では0.03m/秒増加にとどまり,両群差は0.21m/秒と有意な改善を示しました.図に示される「歩行速度の変化の分布」では,開放シャント群(上図)では0.1m/秒以上(破線)改善した患者が80%であったのに対し,プラセボ群は24%にとどまりました.さらにTinettiスコア(歩行・バランス)も有意に改善しましたが,MoCA(認知機能)や過活動膀胱質問票(排尿症状)には差はありませんでした.画像解析では,側脳室容積が開放シャント群でより減少しており,シャント機能の反映と考えられました.安全性については,プラセボ群で転倒が多い一方,開放シャント群では硬膜下血腫(12%)や低髄圧性頭痛(59%)が多く報告されました.ただし多くはシャント弁設定の調整により対応可能であり,合併症率は従来報告と同程度でした.
以上の結果は,国際ガイドラインに基づく選択基準(タップテストに反応する症例)を満たした患者において,シャント手術が歩行速度およびバランスを改善することを示すものです.歩行速度は高齢者の健康指標や転倒リスクに直結するため,臨床的意義は大きいと考えられます.しかし認知機能や排尿症状の改善は短期的には明確でないことが明らかになりました.
結論として,歩行障害を主訴とするiNPHでタップテストにより明らかな改善がみられる患者に対しては,シャント術を積極的に勧める根拠が強化されました.一方,重症で歩行不能な症例や抗凝固療法中の症例など,出血リスクが高い場合には慎重な対応が求められます.以下,まとめです.
【手術を勧めやすいケース】
・認知・排尿障害を認めても,タップテストで歩行が明確に改善する.
・日常生活で転倒リスクが高い/移動能力の改善がQOLに直結する.
【見送り・再検討を考えるケース】
・タップテストで歩行が改善しない.
・重度の認知症や他の疾患で歩行評価が困難である.
・抗凝固療法など出血リスクが高い.
Luciano MG, et al. A Randomized Trial of Shunting for Idiopathic Normal-Pressure Hydrocephalus. N Engl J Med. 2025 Sep 16. doi.org/10.1056/NEJMoa2503109.

・ALS患者が選ぶMAIDの実態と動機―カリフォルニアから見える課題
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月20日のFB投稿です**
Medical Aid in Dying(MAID)という,知っていただきたいキーワードがあります.米国では「Medical Aid in Dying」と表記されることが多く,カナダでは連邦法の正式名称として「Medical Assistance in Dying(医療的臨死介助)」が用いられており,いずれも頭文字がMAIDになりますが,国や制度ごとに範囲や定義に違いがあります.カナダでは2016年に連邦法として導入され,安楽死と医師補助自殺(Physician-Assisted Suicide;PAS)を「Medical Assistance in Dying(医療的臨死介助)」という文言で一括して合法化しました.「安楽死もPASも死ぬときに医療の助けを得ることであり,緩和ケアと変わらない」という立場をとり,日常的な終末期医療のひとつの選択肢として位置づけられています.また,医師だけでなく上級看護師にも安楽死の実施を認めたことが規則緩和による「すべり坂(時間の経過とともに適用範囲や基準が段階的に緩和され,最初に想定していた枠を超えて広がってしまう危険性)」の議論を呼び,さらに安楽死と緩和ケアが混同され,医療者が患者の苦しみに向き合わないという批判もあります.米国でもオレゴン州のDeath with Dignity Act(1997年施行)以来,現在10州とワシントンDCで類似の法律があり,カリフォルニア州では2016年からEnd of Life Option Act(EOLOA)として施行されています.米国では州により名称は異なりますが,学術的には包括的に「MAID」という用語が使われることが増えています.カリフォルニア州の制度では,患者が18歳以上,余命6か月未満,意思決定能力を保持し,自ら服薬できることなどが条件となり,二人の医師による確認と複数回の申請が必要です.
このような背景のもと,カリフォルニア大学(UCSF)の緩和ケアおよびALSクリニックで行われたRennelsらの研究は,MAID制度に基づき致死薬処方を受けたALS患者37例を後方視的に解析したものです.研究対象となった患者は中央値年齢64歳,女性51.4%,白人83.8%で,全員が英語を話しケアパートナーを有していました.70.3%が四肢発症ALSで,初回MAID相談時のALSFRS-Rスコア中央値は28.5/48,予測肺活量は41.5%でした.多くの患者(70.3%)は緩和ケア初診時にMAIDを相談しており,初回相談から処方までの中央値は76日でした.処方を受けた患者の73%が実際に服薬して亡くなっていました.
著者らは,医師が死亡後に記入する標準化フォームと,チャプレン(臨床宗教師)を含む多職種の診療記録の質的解析という二つの情報源を組み合わせることで,動機を捉えました.標準化フォームに基づく表では,「自律性の喪失」と「生活を楽しむ活動の減少」が全例(100%)で最も多く,次いで「身体機能のコントロール喪失」(88%),「尊厳の喪失」(71%)が続き,「持続的かつ制御不能な痛み・苦痛」は35%と少ないことが示されています.質的解析でも,現在または将来の苦痛への懸念(痛みに限らず精神的・実存的苦痛も含む),活動性や自立性の喪失,死にゆく過程を自らコントロールしたいという希望,家族への負担回避,尊厳保持,「十分に生きた」という感覚など,多面的な動機が明らかになりました.中には「服薬能力が失われる前に」MAIDを行いたいという切迫感を表明する例もありました.
この研究の新規性は,①標準化フォームと多職種記録を併用した質的解析,②相談・処方・服薬までのタイムラインの提示,③白人・英語話者に偏ったアクセス格差への問題提起という点です.同時に,本研究は制度の限界や「すべり坂」に関する重要な示唆も与えています.脆弱な人々が制度に押しやられているのではなく,逆に非英語話者やマイノリティー層,Medicaid利用者がほとんどいないことから,制度へのアクセス格差が存在する可能性があります.また動機の多くは身体的疼痛ではなく自律性や尊厳の喪失への不安であり,緩和ケアや心理・社会的支援はこの点を意識する必要性を感じます.米国のMAID制度は厳格な基準(余命6か月未満,自ら服薬できること,複数回の申請と医師の確認)を維持しており,カナダやオランダのように「すべり坂」は現状ほとんど進んでいませんが,申請間隔短縮など一部プロセスが緩和されているため,公平性と慎重な運用が今後も求められます.
日本にとっての教訓としては,第1に,身体的苦痛の緩和だけではなく,自律性・尊厳・将来の苦痛への不安にどう対応するかという視点です.第2に,選択肢があること自体が安心感や自己決定感(主体性の実感)をもたらすメリットを持ち,必ずしもすぐ服薬するわけではないという事実です(初回MAID相談から処方まで:76日,処方から実際に服薬まで:39.5日です).第3に,「すべり坂」防止のための厳格な適格基準と多職種支援をどう組み込むかです.そして最後に,制度設計や倫理議論の前提として,ALSなどの難病の当事者や介護者の声を質的に把握する研究の重要性です.これらの視点は,日本で今後議論を行う際に,単なる是非論を超えて実証的・多面的な制度設計を進める上で有用な示唆を与えるように思います.いずれにせよ,議論を行う前に,海外の現状を正しく理解することが必要だと思います.
Rennels CF, et al. Characteristics and motivations of people with amyotrophic lateral sclerosis who pursue medical aid in dying in California. Neurol Clin Pract. 2025;15(3):e200478. doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200478

・複雑化した小脳性運動失調症を体系的に診断するアプローチ
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月23日のFB投稿です**
近年の研究の進歩を反映して小脳性運動失調症の診断は非常に複雑化しています.家族歴のない40歳以降発症の進行性失調症をsporadic late-onset cerebellar ataxias (SLOCA)と呼ぶようになっていますが,そのなかには,FGF14遺伝子のGAAリピート伸長(SCA27B)やRFC1遺伝子両アレル伸長(CANVAS)がSLOCAの代表的分子原因として確立されつつありますし,自己免疫性小脳失調症として40を超える自己抗体が明らかになっています.最近,とてもよくまとまった2つの総説が発表されましたので,これらを基に,小脳性運動失調症の診断戦略を整理しました.
一つ目はCerebellum誌に掲載された “Neuroimaging in Cerebellar Ataxias: A Diagnostic Approach”で,MRI所見に基づいた体系的な診断法を提案しています.著者らは小脳性運動失調を「①小脳萎縮がない失調症」「②純粋小脳萎縮(橋小脳萎縮)」「③特異的画像所見を伴う失調症」という三つのカテゴリーに分けて診断を進めることを推奨しています.さらに年齢,家族歴で分類します.図1は,この分類に基づいた鑑別フローチャートを示しており,非常に有用です.たとえば,Friedreich失調症(FA)やビタミンE欠乏性失調症(AVED)のように脊髄萎縮が主体で小脳萎縮が後期まで目立たない病態,あるいは多系統萎縮症(MSA-C)のように早期から橋小脳萎縮を示す病態など,横軸の画像パターンで分けて,つぎに縦軸の年齢(小児・若年発症と成人発症)と遺伝性.非遺伝性で絞っていくことになります.
二つ目はNature Reviews Neurology誌に掲載された “Progress and challenges in sporadic late-onset cerebellar ataxias (SLOCA)”で,SLOCAの最新知見をまとめています.非遺伝性要因として多系統萎縮症(MSA-C),自己免疫性小脳失調(GAD65,Ri,CASPR2,KELCH11,IgLON5など),感染後小脳炎,薬剤・毒性による失調症などを紹介し,遺伝性ではSCA27BやCANVASが代表例になるとしています.図2は,SLOCAに合併する臨床症候(網膜色素変性症,視神経障害,複視,下眼瞼向き眼振,オプソクローヌス,SWJ,RBD,感音性難聴,前庭反射消失,慢性咳嗽,喉頭喘鳴,ミオクローヌス・振戦,末梢神経障害,痙性,泌尿生殖器障害など)をまとめたチャートで,診断の着眼点を整理するうえで大変参考になります.
2つの論文を合わせることで,小脳性運動失調症を診る際に「まずMRIパターン・年齢・遺伝形式で大枠を整理し(図1),次に随伴症候(図2)で絞り込んで,最後に抗体・遺伝子診断という実践的なアプローチが見えてきます.
Meira AT, et al. Neuroimaging in Cerebellar Ataxias: A Diagnostic Approach. The Cerebellum. 2025;24:154. https://doi.org/10.1007/s12311-025-01908-w
Wirth T, et al. Progress and challenges in sporadic late-onset cerebellar ataxias. Nat Rev Neurol. 2025. https://doi.org/10.1038/s41582-025-01136-0

・ウェアラブル機器でレム睡眠行動異常症に気づくことができた初めての症例報告
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月24日のFB投稿です**
近年,スマートウォッチやスマートリングなどで睡眠状態を評価できるようになりました.私自身もスマートリングを使用していますが,実際の睡眠時間がベッドにいる時間よりも短いことや,自分の熟睡感が必ずしも当てにならないことに気づきました.そのような中,米国Mount Sinai医科大学から一般向けウェアラブル機器を用いて自らレム睡眠行動異常症(REM sleep behavior disorder;RBD)を疑い,最終的に診断に至った症例報告が発表されました.
症例は54歳男性で,睡眠改善のために市販の睡眠トラッカーを使用していました.当初は妻が睡眠中の寝言や軽い動きに気づく程度でしたが,次第に夢の内容に一致した身振りや発声が顕著となり,ある夜には腕を突き出しながら叫び家族を守る夢を見ていました.彼はインターネットで症状を調べ,ウェアラブル機器のアプリに表示されたその時間(4時36分頃)の睡眠データを見ると,本来筋肉が弛緩しているはずのREM睡眠の時間帯にそのエピソードが生じ,動き(図1のmovement)が記録されていたため,自分はRBDではないかと疑いました.図2では5時30分頃にREM睡眠が終了し,夢の中でロックコンサートを撮影する夢を見ていた彼が目覚めたとき右手を撮影の姿勢のまま挙げており,この症例では夢の行動化エピソード(dream-enacting behavior)がちょうどREM睡眠の終末から覚醒への移行に重なっていた様子が可視化されていました.
他院で行った初回のポリソムノグラフィーでは診断に至りませんでしたが,症状が持続したためMount Sinai医科大学で再検査を行ったところ,総睡眠時間312分のうち62.5分がREM睡眠であり,そのREM睡眠の40%以上で下顎(オトガイ下筋)や上肢の筋肉に,通常のREM睡眠ではほぼ消失しているはずの筋活動が短く断続的に繰り返し現れていました.この筋活動は呼吸イベントとは無関係に出現しており「相動性筋活動(phasic EMG activity)」と呼ばれます.本来REM睡眠中には全身の筋肉は弛緩してほとんど動かないため,こうした頻発する短い筋活動は異常所見であり,実際には夢の内容に合わせて手足を振る・起き上がる・声を出すといった行動化(dream-enactment)として現れ,RBDに特徴的な「REM睡眠時の筋緊張消失の喪失(REM without atonia)」を反映しています.数か月後の皮膚生検ではリン酸化αシヌクレインの沈着が認められ,基礎にシヌクレイノパチーが存在する可能性が示されました.
RBDはパーキンソン病,レビー小体型認知症,多系統萎縮症などαシヌクレイノパチーの早期兆候であることが多く,早期診断は安全対策や症状の治療,臨床試験への参加に役に立ちます.しかし現状では一晩のみのポリソムノグラフィー検査や専門医不足などが診断の遅れや見逃しを生んでおり,患者が夢の行動化に気づかない場合や独居の場合には評価が遅れます.ウェアラブル機器の信頼性が確立されれば,睡眠医療に大きな変革をもたらし,RBDの早期発見・介入に役立つことが期待されます.加えてナルコレプシーなどの他の睡眠疾患の診断にも有用かもしれないと思いました.
Marwaha S,Schenck CH,During EH.Self-Diagnosed REM Sleep Behavior Disorder Using a Consumer Device.JAMA Neurology.Published online September 22,2025.doi.org/10.1001/jamaneurol.2025.3400

・治せる認知症様症状―慢性硬膜下血腫の最新情報
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月26日のFB投稿です**
慢性硬膜下血腫(cSDH)に関する最新の総説がNeurol Clin Pract誌に掲載されました.cSDHは,高齢化や抗血栓薬使用の増加により今後症例数はさらに増加すると予測され,2030年には成人で最も頻度の高い頭蓋内外科的疾患になると報告されています.臨床像は無症状から昏睡まで多彩で,歩行障害,痙攣発作,頭痛,局所神経症状に加えて認知障害・精神症状を呈することもあり,認知症や精神疾患と見間違われることがあります.基礎疾患として腎疾患や肝疾患,がんなどの凝固異常,抗血栓薬内服がしばしば背景にあり,軽微な外傷や急性硬膜下血腫の遷延から新たに形成されることが多いとされています.
病態生理は以下の3相で説明されています.
①初期相:軽微な外傷などで硬膜境界細胞層が損傷され,脳脊髄液・血液が滲出し始める段階.
②潜在相:局所炎症・線維芽細胞浸潤・新生血管形成・線溶亢進などが進行し,血腫がじわじわと成長していく段階(positive feedback loop).
③臨床相:血腫がある程度たまってmass effectを生じ,神経症状が顕在化する段階.
明確な診断基準はなく,CTで脳灰白質に対して等〜低吸収を示す液体貯留を確認するのが一般的です.内部構造の分類としてNakaguchi分類が広く使われ,図2のA均一型,B分離型,C層状型,D梁状型の4つのサブタイプに分けられます.均一型・層状型は比較的若い血腫で再発率が低め,分離型は慢性で再発リスクが高く,梁状型は吸収過程にあると考えられ再発リスクが低いとされます.こうした内部構造は外科的排血や硬膜中動脈塞栓術(MMAE)後の吸収速度や再発率にも影響する可能性があり,画像バイオマーカーとして注目されています.
治療の第一選択は外科的排血であり,穿頭洗浄・ドレナージ,ツイストドリル方式,大開頭術がありますが,死亡率や合併症率,再発率はいずれも高く,患者背景によっては侵襲が大きく適応が難しいことがあります.保存的治療として凝固異常の是正,抗線溶薬トラネキサム酸,抗炎症薬デキサメタゾン,HMG-CoA還元酵素阻害薬アトルバスタチンなどが試みられていますが,現時点で有効性は限定的です.
近年注目される硬膜中動脈塞栓術(MMAE)は,硬膜および新生血管への血流を遮断することで滲出と再発を抑制しうると考えられています.手術との併用や単独療法として用いられ,複数の大規模ランダム化比較試験(EMBOLISE,MAGIC-MT,STEMなど)で治療失敗率の有意な減少が示されています(STEM試験では治療失敗率39.2%が15.2%に減少;治療失敗=再発・残存・再手術・重度の脳卒中/心筋梗塞・神経死).ただし急速な血腫減少は得られないため,重度の神経症状を呈する症例では外科的排血が第一選択となります.
本総説は,cSDHが炎症・血管新生に基づく進行性疾患であり,従来の外科治療には高い再発率と周術期リスクが伴うこと,そしてMMAEが再発抑制と血腫吸収促進の両面で有望な新規治療法であることを強調しています.認知症様症状を呈することがある点を踏まえると,今後症例増加が予測されるこの疾患を認知症の鑑別診断に積極的に挙げておくことの重要性が示唆されます.
Chen H, et al. Chronic subdural hematoma: a review of current knowledge, treatment modalities, and clinical trials of middle meningeal artery embolization. Neurol Clin Pract. 2025;15(4):e200501. doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200501

・脳脊髄液オリゴクローナルバンドの意義―バンドの本数をどう解釈するか?―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月27日のFB投稿です**
オリゴクローナルバンド(oligoclonal bands:OCB)は,脳脊髄液にのみ存在する複数のIgGバンドのことで,髄腔内免疫グロブリン産生を示す指標です(図1上).多発性硬化症(MS)の診断において重要なバイオマーカーであり,「脳脊髄液に特異的なバンドが2本以上」で陽性とされることが多いです.
今週のカンファレンスで,大学院生の森泰子先生と,MSを除く自己免疫性神経疾患におけるOCBの意義,特にバンドの本数が多いことの意味について議論しました.ちょうどこのテーマに関する研究が最近のNeurology CP誌に掲載されていました.米国コロラド大学からの研究で,MSとMS以外の自己免疫性神経疾患におけるOCBの診断的価値とその限界を検討しています.
2018年から2020年にかけてOCB検査を受けた926例を対象とした後方視的解析では,MS患者の92%がOCB陽性であり,感度92%,特異度89%,陽性的中率(PPV)69%,陰性的中率(NPV)99%と,診断における高い感度と特異度が確認されました.一方,MSを除く自己免疫性中枢神経疾患では感度28%,特異度93%,PPV45%,NPV86%で,感度が著しく低いことが示されました(図1下).すなわち,OCB陰性であっても非MS自己免疫性神経疾患を除外できず,また陽性であっても半数以上は別の疾患であり,診断の決め手にはならないことが分かります.
さらにこの研究では,バンドの本数の意義を「interval likelihood ratio(ILR;区間尤度比)」という指標を用いて評価しています.区間尤度比とは,検査結果が出たときにその疾患の可能性がどれくらい変化するかを示す数字です.具体的には,OCBが5本以上検出された場合,自己免疫性神経疾患をもつ確率はMSを含めると約14.5倍に,MSを除くと約6.8倍に高まると算出されました.しかし,OCBが0本であっても疾患の存在が否定されるわけではなく,実際にMSを除く自己免疫性中枢神経疾患の62%がこの中に含まれており,ILRも0.71と高めでした.つまり,OCBが陰性だからといって自己免疫性神経疾患を否定できず,「0本なら安心」という判断はできないことになります.
OCB陽性は「中枢神経系で免疫反応が生じている可能性がある」ことを示唆し,免疫学的異常の存在を疑う手掛かりにはなります.しかし,これだけを根拠に「自己免疫疾患を強く疑う」ことはできません.なぜなら,OCBは自己免疫性神経疾患に特異的ではなく,HIV感染,神経梅毒,ボレリア感染(ライム病),中枢神経リンパ腫などの感染症や腫瘍でも陽性になることが知られているためです.図2はOCBの本数ごとの診断能をROC曲線で示したものです.バンド本数ごとのポイント(赤数字)は区間尤度比の変化を示し,MSではAUC0.93と高性能ですが,MSを除く自己免疫性疾患ではAUC0.63と低下していることが分かります.
以上を整理すると次のようになります.
• OCB 2本以上:MS診断の陽性基準として意義があるが,他の疾患では非特異的.
• OCB 5本以上:自己免疫性神経疾患の可能性は上がるが,それだけでは診断確定にはならない.
• OCB 0本:自己免疫疾患を除外できない.
結論として,OCBはMSの診断には欠かせない検査ですが,非MS自己免疫性神経疾患に対しては感度・特異度ともに不十分です.自己免疫性神経疾患のスクリーニングの一助にはなるものの,確定的証拠とはならないことを理解しておく必要があります.あくまで補助的な情報として位置づけ,臨床症候や抗体検査など他のデータと組み合わせて判断することが重要です.
Leech J, et al. Diagnostic accuracy of oligoclonal bands for CNS autoimmune disorders in acutely ill adults. Neurol Clin Pract. 2025;15:e200510. doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200510

・PM2.5曝露はアルツハイマー病の進行を悪化させる:剖検602例の検討
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月30日のFB投稿です**
先日,PM2.5とレビー小体型認知症の報告をご紹介しましたが(https://tinyurl.com/2b687mhg),今度はアルツハイマー病(AD)との関連です.米国ペンシルベニア大学の研究チームはJAMA Neurology誌に,大気汚染の主要成分であるPM2.5の曝露がADの病理変化および重症度に与える影響を剖検コホートで検討した結果を発表しました.
対象は1999年から2022年にかけて脳バンクに登録された剖検例602例(死亡時年齢78歳)で,このうち287例は臨床記録(CDR-SB)が利用可能でした.曝露濃度は死亡前1年間の居住地ごとのPM2.5濃度を衛星データと地域の大気質モニターで推定し,中央値は約9.8μg/㎥(四分位範囲7.1〜12.4μg/㎥)でした.
解析の結果,PM2.5曝露が1㎥あたり1μg増加するごとにAD神経病理変化(アミロイド斑・タウ神経原線維変化)のオッズ比は1.19(95%CI 1.11–1.28)と上昇し,臨床的にもCDR-SBスコアが平均0.48ポイント悪化していました.
図1のフォレストプロットでは,PM2.5曝露と各種神経病理指標との関連が示されています.ADの典型的な病理マーカーであるThal amyloid phase,Braak stage,CERAD score,ADNC levelでPM2.5曝露との有意な関連(OR 1.17〜1.20,P<.001)が認められた一方, LBD stage(αシヌクレイン),LATE-NC(TDP43),CAA(脳アミロイド血管症),細動脈硬化では有意差がなく,大梗塞のみOR 1.16(P=.04)と有意でした.つまり,PM2.5曝露の影響が主にAD病理に集中していることが示唆されます.
図2の媒介分析では,左に「PM2.5曝露」,中央に「アルツハイマー病神経病理変化(ADNC)」,右に「CDR-SBスコア(認知症重症度)」が並び,矢印で結ばれています.矢印のそばに書かれたβ値が各経路の効果を示しており,左→中央→右の間接効果β=0.30と総効果β=0.48の比率が約63%になるため,「PM2.5曝露とCDR-SBスコアの関連の63%がADNCを介して媒介されていることになります.つまりPM2.5曝露はAD病理を進行させ,その結果として認知症の重症度に影響していることが統計的に裏付けられたといえます.
研究責任者のEdward Lee医師は,自身のX(@TNRLab)で「遺伝要因だけでは説明できない認知症発症率の低下報告を受け,環境因子に注目した」「検証済みの空間時間モデルで過去20年にわたる600件超の剖検症例のPM2.5曝露量を推定し,曝露が高いほどアミロイド・タウ蓄積が多く,CDR-SBの分かる症例では認知・機能障害が大きく早く進行していた」「曝露期間を最大7年に延長し,社会経済的地位で調整し,PM2.5値の不確実性もモデル化しても結果は有意だった」と説明しています.そして「PM2.5曝露が健康に有害であることは十分に証拠があり,大気の質の改善は公衆衛生への投資と考えるべき.認知症ケア自体が高コストであることを踏まえると,その意義は大きい」と結んでいます.ナノプラスチックもPM2.5も認知症に大きく影響することを政治家を初め,多くの人に知って頂く必要があります.
Kim B, et al. Ambient Air Pollution and the Severity of Alzheimer Disease Neuropathology. JAMA Neurol. 2025 Sep 8:e253316. doi.org/10.1001/jamaneurol.2025.3316.

関連情報
アミロイドβ抗体薬の死亡リスク増加の危険性、難病医療における安楽死・医師介助自殺の倫理については、2024年11月のニュースに、下畑先生のFB投稿を掲載しています。

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
ALD COVID-19 GFAPアストロサイトパチー Long COVID マイクロプラスチック 免疫チェックポイント阻害剤 多系統萎縮症(MSA) 自己免疫疾患 運動学習記憶

2025年2月のニュース

寒中にあってもNPWA会員は活発な活動を展開しています。
学術ニュースは、東京都健康長寿医療センター研究所からの「運動学習記憶が成立した後、その保持や減衰の経過を定量的に解析する実験系の確立」のニュースと、岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報です。

1.2025年2月の活動状況
長谷川 弘道さんの投稿
今朝も寒かったですね❗️ そんな中、私は朝の7時過ぎからは愛知県は津島市の天王川公園で月一回のポールウォーキングクラブに参加してまいりました♪ 10名以上の皆さんに参加いただきました。みなさん、ありがとうございました。 いつもの準備体操と、今日は歩きながらの骨盤底筋群のトレーニング方法を伝授しました❗️ これでみなさんの歩き方はきっと美しくなりますよ❣️そして同時に骨盤底筋も鍛えていきます‼️ 一石二鳥どころではない効果を得ることができますからね❣️ さて、その体操をした後、いつもの通り公園のコースを歩き始めましたところ、なんと、2/10の国府宮の裸祭りで奉納する竹を切り出しているところに遭遇‼️ なんと運の良いこと❣️ 参加者の皆さんとしばらく見学しておりました☺️ 早起きは三文の徳と申しますが、そのことを実感した今日の津島ポールウォーキングクラブでした❣️ この機会をいただけたことに感謝です。 ありがとうございました。 #津島 #ポールウォーキング #国府宮神社 #裸祭り

佐藤 恵さんの投稿
本日、一関体育協会主催フィットネスまつりにて、ヨガ40分を担当。その後、ピラティス40分、エアロビクス40分と続き、種目や順番や時間配分などがちょうど良く、心地良いイベントでした! ピラティスの安藤舞先生、エアロビクスの千葉隆子先生、共に指導スキルが高くて素晴らしかったです!若手インストラクターの活躍を見るのは、嬉しいです😊

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【ポールdeエクササイズ】 ポールを支えに  大地を踏む ポールを遠くに   身体を開く  ポールの力をかりて  伸びて   伸ばして〜 #船橋ウォーキングソサイエティ #土曜海老川コース  皆 ご機嫌の笑顔になりました #ポールExercise #ノルディックウォーキング #ポールウォーキング #ノルディックウオーク

校條 諭さんの投稿
2月の気まポ(気ままにポール歩き)は、三鷹探訪の巻 JR三鷹駅に集合、玉川上水沿いの御殿山通り・山本有三記念館・井の頭公園(小鳥の森)・牟礼の里公園・禅林寺というコースでした。 ただし、私は山本有三記念館まで行ったところでリタイア、喫茶店で過ごしてランチに合流しました。 というのは、数日前から不覚にも「鵞足炎(がそくえん)」というのになって足が痛くてまともに歩けないんです。整形外科の医師には、買い物程度なら歩いてよいと言われたので、2本杖のようにポールを使ってコースの序の口程度歩いたというわけです。 写真の大半は、田村和史君(運営のパートナー、高校同級生)によるものです。

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
#2025健走杖快閃~第一閃 #繞「園」圈紀錄影片 #台中半平厝公園 #雙杖在手 健康跟著走

長谷川 弘道さんの投稿
英語で皆様に一言ご挨拶申し上げます!! ここのところ、Heygen(AI)と遊んでおります!! ご興味のある方は、加納敏彦さんの著書↓を是非お読みください! https://amzn.asia/d/0T5hR5r 追伸 このボディーは言うまでもなく、今の私ではありませんので、あしからずご了承ください😭 #加納敏彦 #仕事で使えるAI活用時点 #Heygen

田村 芙美子さんの投稿
2/04 鎌倉山から西鎌倉へ向かう道、雪が更に深くなった感じの富士山が垣間見えました。負傷の身体で恐る恐る運転し、途中でメンバーさん拾って広町緑地へ。寒波の予報でしたが風もなく日向は暖かく気持ちのよいPW日和でした。無事終えて安堵。案ずるより産むが易し。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【#コーディネーショントレーニング       四苦八苦】       2025/2/4 #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング おやおや    初めてではないのに… 厚着のせいかな〜?   頭と身体がバラバラ  笑い転げたレッスン     になりました〜 たまたま今日が    お誕生日の会員さん   皆でハッピーバスデイの歌で   祝福です

田村 芙美子さんの投稿
2/07 (男性) ポールウォーキング教室だと言うのできてみましたが、歩きにきたのに体操するんですか?!腰が痛いのでできません。NW教えてくれませんか。→→→(Tam)ウォーミングアップと筋トレははずせません。PWはリハビリ運動です。

杉浦 伸郎さんの投稿
昨年、埼玉県の桶川.北本町おこしサミットに呼んで頂いたご縁で、議員や世話役の皆様が北鎌倉を訪ねてくださいました。ポール歩き後は、北鎌倉町内会ゆかりの「ベニバナ」繋がりもあり、会長にも加わって頂き、街づくりや地域交流について貴重な意見交換の場を持つことができました。 物事はすべて繋がって成り立っているんだなぁと不思議な感覚を覚えました。このご縁を大切にしたいと思います。

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 2024年度最終イベント〜 「室内ポールウォーク」 大寒波襲来下集まってくれたポールウォーカー〜ww ヨガイントラ/田玉BコーチによるUPと新地MCのポール無し運動etc❗️ 終わりは依田MCによるPW三昧で体育館内を闊歩? クールダウンは高見澤ACでした。 3月は遅れた冬眠でお休みです。各自での自分のメンテをお願いし4/6の再会約束を‼️

新地 昌子さんの投稿
2本の専用ポールを持って歩くポールウォーキングに出会って10年、コーチ資格をとって8年、ただの主婦だった私が今は人前でポールウォーキングを語っている。これも縁でしょうか。 たくさんの方と一緒に歩いて今強く思うことは、「遅くとも50代のうちに運動習慣をつけておきましょう!」ということ。私だって他人のことは言えません。バレーボールで貯めていた貯筋をそろそろ使い果たした感があります。今年還暦を迎える同級生に、「何でもいいから何か運動する習慣を。何していいかわからないなら、とりあえず一緒に歩かない?」と言いたい。

田辺 俊樹さんの投稿
2/9(日)ポールウォーキングな一日「後半」 秋葉区文化会館で行われた健康フォーラムで講師を務められた松井浩先生。 先生が講演の合間に開催されたポールウォーキング体験講座のアシスタントをつとめてきました。 先生が講演で不在のときは、僭越ながら私が講師のまねごとをさせていただきました! 手前味噌ですが、ご参加の皆さんが5分で見違えるようになってびっくり!😲 確かな自信につながりました!松井先生、ご参加の皆様、ありがとうございました😊

田村 芙美子さんの投稿
2/11 第二火曜日は三浦PWグループ定例会。衣張山の予定でしたが打撲の傷に響かない平らな道walkingに自分の都合で変更しました。鎌倉検定2級合格のメンバーさんの詳しい解説付きで充実した歴史散歩になりました。

田村 芙美子さんの投稿
これ迄バイクで往復していた女性が最近右折禁止違反で捕まり、認知症もあり とうとう介護1認定に。この際🏍️をやめることになりました。が、15分も歩くと腰が痛くて休まなければ辛い!と嘆いていたと思ったら、今日歩行器(4輪手押し車)をレンタルして、背中を丸くしながら PW教室に通ってきたのを見てびっくり。みんなからポールで歩きなさい!と袋叩きの刑。教室では身体は柔らかいのですが。「アキマヘン」(この台詞が曲者)だそうです。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【風にもマケズ集まったけど…】 2025/2/13 行田公園の砂ぼこりが風に 追い立てられ中央広場を 走っています   たまりませ〜ん 😳 風と枯れ枝落下避けて イベント広場の窪地に下りました 本日のお楽しみメニュー ピンキラの 忘れられないの~〜♬ 「恋の季節」に合わせてエクササイズ なかなか筋がよろしいようです 歩くには厳し過ぎる風! 「歩きたいですか〜?」 「今日はもういいで~す」  ならばポールdeゲームね  ゲーム大好きメンバー  こんな強風なのに大盛り上がり   凄いな〜 #船橋ウォーキングソサイエティ #ノルディックウォーキング #ポールウォーキング #ノルディックウオーク #県立行田公園

田村 芙美子さんの投稿
大田区ポールウォーク推進協議会の3回目の出前講師、今日は洗足池楽校にお邪魔しました。 勝海舟の別荘があったと言う洗足池は我らが源頼朝とも縁のある池月の像がありました。駅前なのにスワンボートで優雅に休日を過ごしている人たちを横目で私たちはポールエクササイズ。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【コグニサイズ+インターバル】    しりとりしながら       追抜き   「自分の番がくると    どきどきで  色んな汗が吹き出します〜」   感想に実感がこもります  2025/2/15 #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク

NPO法人船橋ウォーキング・ソサイエティさんの投稿
2025.2.17 シニアポールウォーキング | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

田村 芙美子さんの投稿
2/18 [みんな椿] 寒波再来の寒さにもかかわらず皆さん元気に広町緑地里山公園に集合。ウォーミングアップの私たちの輪の外にどこかの団体さんが一緒にストレッチして二重の輪🤸 この後は 3グループに分かれTopグループは富士見坂から室ケ谷へ、ソロソロ組は平らな道を、私たちは初めて挑戦の御所ケ丘住宅への近道を歩きました

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【痛し 痒し】 2025/2/19 「2006年パワーウォーキング体験会」から形態は変化しつつ19年継続しているポールを使わない「美姿勢ウォーキング」。 諸事情で休会した会員が旧い仲間との繋がりを大切に復帰してきます。そんな中、ウォーキング姿勢に難ありの人がたった1回の「ポールウォーキング体験会」でガラッと姿勢の変化改善する例を、参加者全員が目の当たりにしました。 曜日により構成メンバー とメニューが微妙に違う「船橋ウォーキングソサイエティ」では、どの曜日に属するかは危険のない限り本人の選択に任せています。ですが、 〇仲間との繋がり 〇その人にあったウォーキング法など、 時間の流れでミスマッチも生まれて来ました…

杉浦 伸郎さんの投稿
海路にて千葉鋸南町へ 振り返れば 2009年から毎年 早咲きの頼朝桜が満開となる この時季に町民の皆様と ご一緒させて頂いてきました。 イベント講座を企画推進くださる 保健師の皆様に 感謝してもしきれません。 16年間という 本当に長きに渡り 献身的サポートを頂き 本当にありがとうございました!

田村 芙美子さんの投稿
2/23  春の陽射しの日曜日 逗子の桜のきれいな椿公園から街中をぐるりとPW 。 その前に、poleを持ってバレリーナのようにしなやかに美しく公園を往復してみました。指先を空まで伸ばしたり地面に届くまで下ろしたり、脚を高~く上げたり・・・男子のみなさんもとっても素敵でした。次回は染井吉野を楽しめそうです🌸🌸🌸

新地 昌子さんの投稿
この週末はエゴスキュー という姿勢を整えるメソッドの講習会に参加してきました。10年くらい前に知って、私の場合は何をやっても治らなかった右肩の不調をこのメソッドで解消できました。 今活動しているポールウォーキングとの共通点は、誰かに治してもらうのではなく、自分で自分の体を変化させられるということ。そこが大きな魅力だと、今日他の参加者と話していて再確認できました。 エゴスキュー でもポールウォーキングでも、コーチとして誰かに伝える時、やり方ばかりを教えるのではなく、本当に伝えたいのはマインドだと気づくことができました。 やっぱりエゴスキュー は楽しいなぁ、と思えたので、ポールウォーキング同様、必要な人に届けられる仕組みを作っていきます。 エゴスキュー の欠点は、これを勉強してしまうと、道ですれ違う人たちの姿勢がやたらと目につくこと。あ、骨盤が後傾してる、首が前に出てる、肩の高さが違ってる、ついつい見てしまいます。でも、そしてわかるのが歪みの無い人なんてほぼいないということ。歪みはある意味、頑張って生きてる証拠です😊と、私は思います。

田村 芙美子さんの投稿
2/26 北鎌倉  ようやく春本番の暖かさがやってきました。すれ違う人たちが皆笑顔に見えます。今日はBOSSの留守をお喋り(認知症予防の要)とポールやバンド体操、コアヌードルで筋バランスを整えました。週間測定で筋量増えたかたおめでとうございます( ^-^)ノ∠※。.:*:・’°☆ 🌸開花予想(東京) 3月22日

NPO法人船橋ウォーキング・ソサイエティさんの投稿
2025.2.27 2本のポールを使うウォーキング 木曜日 | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

鈴木 ゆみ江さんの投稿
[桜が続きます(о´∀`о)]  林試の森公園、芝生の広場に11本の河津桜が有るんです。 日当たりの良い6本が咲き始め、その下で楽しげなランチパーティー?(*^ω^*) 青い空とピンクの桜…癒されます🩷 咲き具合を見るとまだまだ楽しませてもらえそうです。 そしてシャガも咲き始めました。 さて1つの決断。 認知症予防計画力育成講座の中で担当していたウォーキング。 自分を知ろうと、自分チェック。 歩いてみようと、正しい姿勢で正しい歩き方。 歩く前の軽い準備体操。 歩く習慣をつけるためのアイデア。 歩けない日に軽い貯筋体操。 此処で知り合いすっかり仲良くなった6人は、街歩きの計画を相談の結果、深大寺に行って来ました。これからも時々一緒に街歩きをするそうです。 年3回の講座はこうして何組ものグループが出来ています。 3年此処で活動させてもらいました。 他の動きを考えた時、続けるには無理があると今回で最後とします。 終了時70〜80歳4人のご婦人に囲まれ、「教わった事を心がけていますよ。」て。嬉しかったです。

田村 芙美子さんの投稿
2/27 早くも明日は2月最終日。草木がいよいよ「弥」生い茂る弥生を迎えます。ひな祭り🎎卒業式👨‍🎓👩‍🎓お花見🌸🍶✨など嬉し寂しい行事の多い月ですね。 貯筋クラスには毎回新しい方が参加され嬉しい限りですが、今日は包括からの案内で94歳の女性が見学参加。立派な T字杖をお使いでしたが 2本ポールに持ち替え最初は戸惑いながら、でもすぐに姿勢よく なんば歩きにもならず とても安定します!と喜んで参加されていました。スクワットも椅子を使ってバッチリ!無理せず 疲れたら椅子に座るようお話したら、少しハードなステップのあと、他にも座ってる人が1人 2人!あれっ!?

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
2025會員大會健走活動

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 当協会2024年度イベントは2月で全て終了し、3月いっぱいは冬眠お休みで寄り道放題〜ww あるイベント会場を覗いたら、佐久市フォトコンテスト展示中で、当協会のPW散策風景だったり 恒例の散策場所が沢山撮られ出展されていました。 中になんと協会員/深町氏の写真が〜準優秀賞〜で展示中でした。おめでとうございます❗️ 継続はチカラですね‼️

 

来月以降の開催
長岡智津子さんの投稿
写真1件

みんなの元気学校さんの投稿
志木いろはウォークフェスタ 第9回ノルディックウォーキング・ポールウォーキング全国大会を開催します!(ボランティアスタッフも募集中!) – ずっと住み続けたいまち 志木
リンク • ポ―ルウォ―キングに保存されました

田村 芙美子さんの投稿
5月4日、行きますとも!

 

2.関連学術ニュース
2-1)歳を取ると新しいことが覚えにくくなる?-学習の速さと強さの解析系の確立
東京都健康長寿医療センターからの1月29日付のプレスリリースです。

発表内容の概要
東京都健康長寿医療センター研究所老化脳神経研究チームの柿澤 昌 研究部長は、運動学習記憶が成立した後、その保持や減衰の経過を定量的に解析する実験系を確立しました。さらに、この解析系を用いて、加齢が進んだ個体では、学習記憶を保持する能力の低下に先立ち、新しい学習を行う速度が低下することを明らかにしました。この研究成果は、令和6年12月28日付で国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。(論文タイトル:Assessment of retention and attenuation of motor-learning memory by repeated rotor-rod analyses)

研究目的
運動学習記憶は日常生活の動作や危機回避行動を支える重要な能力です。しかし、運動学習記憶の保持や減衰に関する詳細なメカニズムは十分に解明されていません。そこで、運動学習記憶の保持や減衰の時間経過を解明し、これらに影響を与える要因やその作用機構を調べる解析系の確立を目指しました。さらに、学習記憶の保持・減衰に影響を与える因子を調べる一環として、加齢の影響について調べました。

研究成果の概要
運動学習記憶の保持・減衰の解析のため、回転棒試験(回転棒上にマウスを乗せ、落下するまでの時間を計測)を用いました。約3ヶ月齢の若いマウスでは、1セット10回のテストで運動学習が成立した1日後に2セット目のテストを行うと、運動学習記憶がほぼ100%保持されていました。しかし、7日後、14日後と運動学習記憶が徐々に減衰することが示されました。約11ヶ月齢の加齢マウスでも、1セット目のテストで運動学習は成立しましたが、学習が向上する速度は若いマウスと比べて低下していました。一方、その後の学習記憶の保持では、若いマウスとの間に統計的に有意な差は見られませんでした。これらの結果は、加齢により新しい学習の速度は低下する一方、過去に習得した学習記憶は比較的良好に保持されることを示します。

研究の意義
この新しい解析系により、運動記憶保持や減衰の定量的な解析を通じて、学習記憶の保持や減衰に影響を与える因子の探索が可能になりました。また、このシステムを用いて、加齢により、過去に習得した学習記憶を保持する能力が低下するよりも先に、新しい学習を行う速度が低下することが示されました。この結果は「歳を取ると新しいことが覚えにくくなるが、昔のことはよく覚えている」という日常的な経験を科学的に裏付けるものとなる可能性があります。本成果は、脳の老化や記憶メカニズムに対する理解を深めると同時に、認知症の予防や高齢者の学習支援策の開発を通じて、高齢社会における健康長寿への貢献が期待されます。

(問い合わせ先)
東京都健康長寿医療センター研究所
老化脳神経科学研究チーム 記憶神経科学
研究部長 柿澤 昌
電話 03-3964-1141内線4350
Email: kakizawa@tmig.or.jp

**以下は、「Scientific Reports」に掲載された論文の表題と要約です**
Sho Kakizawa ,「Assessment of retention and attenuation of motor-learning memory by repeated rotor-rod analyses」Scientific Reports volume 14, Article number: 31003 (2024)、Published: 28 December 2024

Abstract
Retention of acquired learning memory is essential for reasonable behavior and crisis avoidance of individuals. Therefore, establishment of a system suitable for analysis of the retention/attenuation of acquired memory is desired. In the present study, mice were conducted on the repeated rotor-rod test, consisting of two series of experiments (Series 1 and 2) of 10 trials each. When rotating speed was 9 rpm, retention time on the rod was gradually increased and reached the maximum value within 10 trials in Series 1. When Series 2 was performed 1 or 3 days after Series 1, retention time of trials 1–3 in Series 2 was not significantly different from that of trials 8–10 in Series 1. On the other hand, retention time of trials 1–3 in Series 2 was significantly declined from that of trials 8–10 in Series 1 when Series 2 was conducted day 7, and returned to the initial level, the same level with trials 1–3 in Series 1, when Series 2 was conducted on days 14 or 30. These results indicate that acquired motor-learning memory is retained for 3 days at least, began to decline by day 7 and returned to the initial level by day 14. In older mice of 10–11 months old, there was a delay in the acquisition of motor learning in Day 0, whereas the retention was not impaired in Day 7. The repeated rotor-rod analyses may useful for research on factors affecting retention/attenuation and acquisition of motor-learning memory and proceed our understanding of motor-learning memory.

***Chromeによる翻訳です***
柿澤 昌、「反復ローターロッド分析による運動学習記憶の保持と減衰の評価」

要約
獲得した学習記憶の保持は、個体の合理的な行動や危機回避に必須である。そのため、獲得した記憶の保持・減衰を解析するのに適したシステムの確立が望まれている。本研究では、マウスに対して、それぞれ10回の試行からなる2つのシリーズ(シリーズ1および2)の実験からなる反復ローターロッドテストを実施した。回転速度が 9 rpm の場合、ロッド上の保持時間は徐々に増加し、シリーズ 1 では 10 試行以内に最大値に達しました。シリーズ 2 をシリーズ 1 の 1 日後または 3 日後に実行した場合、シリーズ 2 の試行 1~3 の保持時間は、シリーズ 1 の試行 8~10 の保持時間と有意に異ならなかった。一方、シリーズ 2 を 7 日目に実行した場合、シリーズ 2 の試行 1~3 の保持時間は、シリーズ 1 の試行 8~10 よりも有意に低下し、シリーズ 2 を 14 日目または 30 日目に実行した場合、シリーズ 1 の試行 1~3 と同じ初期レベルに戻りました。これらの結果は、獲得された運動学習記憶は少なくとも 3 日間保持され、7 日目までに低下し始め、14 日目までに初期レベルに戻ることを示しています。10~11 か月齢の高齢マウスでは、0 日目には運動学習の獲得に遅れが見られましたが、 7 日目。繰り返し行われるローターロッド分析は、運動学習記憶の保持/減衰および獲得に影響を与える要因の研究に役立ち、運動学習記憶の理解を深めるのに役立ちます。

関連記事
なお、プレスリリースには、
<研究トピックス>悪玉因子、活性酸素は記憶学習に必要である―抗酸化物質の過剰摂取に警鐘― 2024.6.4
が関連記事として紹介されていますので、ご参照下さい。

 

2-2)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報(2025年2月)
1)なぜIgG4抗体が主役となる自己免疫疾患でIVIgが効きにくいか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年1月30日のFB投稿です**
自己免疫性ノドパチーなど,IgG4抗体が関与する自己免疫疾患に関する総説がNeurol Neuroimmunol Neuroinflamm誌に公開されています.IgG4抗体による自己免疫疾患の病態機序,そしてその病態に合わせた免疫療法として何が最適かを解説しています.結論を言うと,IgG4抗体は,他のIgG抗体サブクラス(IgG1~IgG3)と異なり,炎症を介さず,主にタンパク質間相互作用を妨害するため,IVIgの主要な作用メカニズムが働かず,効きにくいということになります.
この論文のポイントは図1です.(A)は IgGの解説です.2本のH鎖と2本のL鎖で構成されます.そしてFc断片に自然免疫細胞のFc受容体が結合することで,貪食作用を可能にします.またIgGは特定の抗原に結合する2つの抗原結合断片(Fab)を持ちます.つぎに(B)のIgG1~IgG3抗体は,2つの同一の抗原結合部位(青色)を持ち,それらが同じ抗原(赤)に結合します.つまり同一抗原に2つのFab armで結合します.この状態を二価性(bivalent)+単一特異性(monospecific)を持つと呼びます.そして(C)の IgG4抗体では,2本のH鎖とL鎖が非共有結合によって結合しています.このためIgG4抗体は,一方のFabアームが他のIgG4分子と交換されるという「Fabアーム交換」を継続的に行います.この結果,IgG1~IgG3のように同一の抗原と強く結合することができません(図の1つは黄,もう1つは黒で書かれています).この状態を一価性(monovalent),二重特異性(bispecific)を持つと呼びます.
IgG4抗体は2つの特徴を持ちます.第1は,炎症を引き起こす能力が極めて低いということです.IgG4はC1q補体に結合できないため,補体を介した細胞傷害を起こしません.またマクロファージや他の免疫細胞に存在するFc受容体に対する結合が弱いため,抗体依存性細胞傷害(ADCC)やファゴサイトーシス(貪食作用)を誘導しにくい特徴があります.第2はIgG4抗体はタンパク質間の相互作用を直接阻害するということです.このため,例えばランヴィエ絞輪に存在する接着分子(例:Contactin-1,Neurofascin-155,Caspr1)の結合を妨げ,神経伝導障害を引き起こします.これが自己免疫性ノドパチーです(図2).同様の病態としては,MuSK抗体陽性重症筋無力症,LGI1抗体関連脳炎,Caspr2抗体関連脳炎,IgLON5抗体関連脳炎,DPPX抗体関連脳炎があります.これらの疾患では,MuSK,LGI1,Caspr2,IgLON5,DPPXといった神経伝導やシナプス伝達に関与する分子がIgG4抗体の標的とされ,機能不全が引き起こされます.
治療に関して,なぜIVIgが効果を示しにくいかについても論じられています.それは上述した通り,IgG4抗体は補体を活性化せず,Fc受容体を介した免疫応答も誘導しないため,IVIgの主要な作用メカニズムが働かないためです.しかしIgG4抗体は短命のB細胞や形質細胞によって産生されるため,リツキシマブなどのB細胞除去療法が効果的であり,長期的な疾患の安定化が期待されます.自己抗体のIgG抗体サブクラスを理解することの大切さを示す論文ですが,自己抗体が病原性を有する細胞表面抗原抗体においてとくに重要と言えるかと思います.
Querol L, Dalakas MC. The Discovery of Autoimmune Nodopathies and the Impact of IgG4 Antibodies in Autoimmune Neurology. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2025 Jan;12(1):e200365. doi.org/10.1212/NXI.0000000000200365. Epub 2024 Dec 13. PMID: 39671536; PMCID: PMC11649181.

2)COVID-19はアルツハイマー病バイオマーカーAβ42/Aβ40比を約2%低下させる(4年分の加齢に相当する)
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月1日のFB投稿です**
COVID-19感染が,アルツハイマー病(AD)のリスクを高めることが複数の疫学研究で示されていますが,そのメカニズムは十分,分かっていません.Nature Medicine誌の最新号に報告された研究で,COVID-19がADのバイオマーカーであるAβ42/Aβ40比に影響を及ぼすことが示されました.イギリスのImperial College Londonを中心とする研究チームによる研究で,UK Biobankの大規模なデータを用いて解析したものです.
著者らはSARS-CoV-2感染前後で血漿中のAD関連バイオマーカー(Aβ42,Aβ40,pTau-181,NfL,GFAP)の変化を調べました.対象は1252名(感染者626名,対照626名)です.これらの参加者は,感染前に血液検査とMRI検査を受けており,この研究には感染前後の比較が可能という強力な強みがありました(図上).
さて結果ですが,Aβ42/Aβ40比が感染者で有意に低下(約2%の減少)しました(図下).これはADの初期段階に認める変化と一致します.この2%の減少は約4年分の加齢に相当する変化で,またはAPOEε4遺伝子を1コピー持つことによる影響の約60%に相当するものです.とくに入院を要した重症COVID-19患者では,その減少は5.5%と高度でした.また高血圧の既往がある人でもより大きく低下していました.認知機能については,感染者では非感染者よりも認知スコアが約2%低下し,これは約2年分の加齢による認知機能の低下に相当しました.
一方,Aβ42の絶対値の低下やpTau-181の増加は傾向は認めたものの,有意差は認めませんでした.これは,SARS-CoV-2感染がAβ42やpTau-181の直接的な変化を引き起こすのではなく,Aβ42とAβ40バランスを変化させることで,ADリスクに影響を与えている可能性を示唆しています.
さらに,MRIデータを解析したところ,SARS-CoV-2感染者では,ADに関連する脳領域(海馬,側頭葉内側,後部帯状皮質)の灰白質体積が減少していました.そしてAβ42/Aβ40比が低いほど,これらの脳領域の萎縮が顕著であり,特に70歳以上の高齢者で強い関連がみられました.
なぜCOVID-19がこれらの変化を引き起こすかについては,①全身の炎症および神経炎症の持続,②血液脳関門の破壊,③急性期の低酸素状態の影響,④IFITM3(interferon-induced transmembrane 3;免疫関連タンパク)の増加によるAβ産生の促進が議論されています.
以上より,SARS-CoV-2感染は,血漿Aβ42/Aβ40比の低下を起こすことで,ADリスクを高める可能性が示唆されました.特に高齢者や高血圧の既往がある人でその影響が大きいことも示されました.今後,COVID-19に特有の現象なのか,インフルエンザなど他のウイルスでも同様の変化が生じうるのか検証が必要です.さらに本研究ではワクチン接種の影響についての分析が行われていないため,ワクチン接種がこのリスクを低減できるかどうかが今後の重要な課題となると思われます.
Duff, E. P. et al. Plasma proteomic evidence for increased β-amyloid pathology after SARS-CoV-2 infection. Nature Medicine. https://doi.org/10.1038/s41591-024-03426-4

3)マイクロプラスチックは脳に高濃度で蓄積し,とくに認知症患者でその濃度が著しく高い!!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月5日のFB投稿です**
近年,環境中のマイクロナノプラスチック(MNPs)が健康に及ぼす影響について注目が集まっています.2023年3月,New Engl J Med誌に掲載されたイタリアの前方視的研究では,頸動脈の動脈硬化病変(プラーク)を切除する頸動脈内膜切除術を受けた312人のうち,検討を行った257人中150人(58%)でポリエチレン(PE)が検出され,電子顕微鏡検査ではギザギザしたMNPsが示されました.MNPsが検出された患者では,心筋梗塞+脳卒中等による死亡リスクが,ハザード比4.53(!)とMNPsが検出されない患者と比較して顕著に高いことが示され驚きました(ブログ解説参照:https://tinyurl.com/2bvtcd53).私はこの報告以来,大量にMNPsを含むことが報告されたペットボトル飲料(doi.org/10.1073/pnas.2300582121)はあまり飲まなくなりました.
また,2024年のScienceのレビュー(doi.org/10.1126/science.adl2746)では,MNPsが人体のあらゆる臓器に蓄積することが示されましたが,脳については明確な記述がありませんでした.しかし,今回のNature Medicineの論文で,なんと脳が他の臓器より濃度が高く,そしてとくに認知症患者でその濃度が著しく高いことが示されました!
この研究はアメリカ・ニューメキシコ大学などによって行われたもので,ヒトの肝臓,腎臓,脳におけるMNPsの濃度を解析しています.2016年および2024年に死亡したヒトの検体を用い,ガスクロマトグラフィー質量分析(Py-GC/MS),赤外分光法(FTIR),電子顕微鏡(SEM,TEM)などを駆使してMNPsを測定しています.この結果,脳内のMNPs濃度は,肝臓や腎臓の7~30倍に達していました(図1a)(縦軸を見ると対数グラフですので,見た目以上に差があることに注意!).またポリエチレン(PE)が蓄積するMNPsの主要成分であり,とくに脳には他の臓器よりも多くのPEを含んでいました(図1b:オレンジ).また,2016年と2024年の検体を比較すると,肝臓と脳で有意に増加し,脳のMNPs濃度は8年間で約50%増加していました.
また図1dは横軸が年代で,縦軸が認知症患者(紫)と健常者の脳のMNPs濃度になります.略号は,NCがノースカロライナ,MAがハーバード,MDがメリーランド,NMがニューメキシコと地域を示しています(地域によってMNPs曝露が異なる可能性を考慮しています).一見して分かるように,MNPs濃度は認知症患者で明らかに高く,健常者の2〜10倍高い濃度を示しました.認知症患者のMNPs濃度の中央値は26076μg/g,健常者は4917μg/gでした.前者は上述した動脈硬化性プラークでの濃度とほぼ一致しています.認知症患者では血液脳関門の機能低下,老廃物のクリアランス機構の低下のためMNPs濃度が上昇した可能性が推測されます.
そして電子顕微鏡を用いた分析では,脳内に蓄積したMNPsのサイズは100~200 nmの破片状・フレーク状で存在していることが確認され,脳ではかなり小さいナノプラスチックとして存在することが分かりました.そして認知症患者でとくにこの蓄積が目立ち,免疫細胞を伴う領域や血管壁に沈着していました(図2eと2f).免疫細胞を伴う領域にMNPsが沈着していたのは,MNPsが神経炎症を引き起こした可能性があります.血管壁への沈着は血液脳関門の機能低下と関連があるかもしれません.
以上より,ヒトの脳がMNPsの主要な蓄積部位であることが初めて明確に示されました.また本研究はMNPsと認知症の因果関係を直接証明したものではありませんが,図1dを見ると明らかに疑わしく,認知症の新たなリスク因子として検討・対策をしたほうが良いと思いました.まず社会として環境中のMNPs削減に向けた対策が必要です.例えばEUは使い捨てプラスチック製品の販売禁止や,化粧品やパーソナルケア製品へのマイクロプラスチックの使用を段階的に禁止するなどしています.そして個人レベルでも,多量のMNPsが含まれることが報告されているペットボトル飲料やプラスチック製のティーバッグなどの消費を減らすこと(ペットボトル1LのMNPsは約24万個,大半がナノプラスチック),食品・飲料のプラスチック包装を減らすこと,電子レンジでプラスチック容器を加熱しないこと,合成繊維製品の使用を控えることなどが考えられます.私はもうかなり暴露してしまったような気もしますが,まだ認知症で認める血液脳関門の機能低下,老廃物のクリアランス機構の低下はさほど起きていないと考えられるので,今からでも気をつければ効果はあるようにも思いました.
Nihart AJ et al. Bioaccumulation of microplastics in decedent human brains. Nature Medicine. https://doi.org/10.1038/s41591-024-03453-1
★最後の対策の部分は最近出版された下記書籍を参考にしました.
「プラスチックの逆襲: とけだす有害物質が少子化の原因に!?(水野玲子著.高文研 2025)」https://amzn.to/4aL0MK9

4)未知の脳炎「GFAP-IgG様抗アストロサイト抗体陽性自己免疫性脳炎」の特徴 from 岐阜大学
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月8日のFB投稿です**
自己免疫性GFAPアストロサイトパチーは,2016年にMayo clinicのグループが,アストロサイトに豊富に発現する中間径フィラメントの1つであるGlial fibrillary acidic protein (GFAP)に対する自己抗体(GFAP抗体)を有する髄膜脳炎・髄膜脳脊髄炎として報告したことにはじまります.本邦では2019年に私どものグループが,国内で初めて14名の患者さんを発見し報告しました(doi.org/10.1016/j.jneuroim.2019.04.004).この疾患では患者脳脊髄液中に,ラット脳組織を用いた免疫染色(tissue-based assay;TBA),およびGFAPαをHEK293細胞に発現させて行うcell-based assay(CBA)の両者でGFAPα抗体を確認することにより診断します.ところが,TBAで抗体陽性でありながらCBAでGFAPα抗体陰性という症例が存在することが分かりました.そのような症例を,当科の木村暁夫先生,竹腰顕先生が丁寧に検討した研究が,Journal of Neuroimmunology誌に掲載されました.
対象は2019年から2022年にかけて岐阜大学に集積された445例の中枢神経系の炎症性疾患患者で,その脳脊髄液を検討しました.このうち28例がTBAで陽性,CBAでGFAPα抗体陰性であることが分かりました.このアストロサイトを認識する抗体を(単一の抗体とは限りませんが)ここでは「GFAP-IgG様抗アストロサイト抗体」と命名しました.1症例のTBAを下図に示しますが,髄膜下領域,脳室周囲,小脳,海馬などのアストロサイトに対し抗体が強く反応している様子が分かります.
これらの症例の症状は多様で,初発症状としては発熱>頭痛>疲労,食欲低下を認め,神経所見としては意識障害>髄膜刺激徴候>腱反射亢進>排尿障害などを認めました.頭部MRI所見では,脳室周囲の白質や基底核,視床,小脳などにおけるT2/FLAIR高信号病変を認め,一部の患者では,自己免疫性GFAPアストロサイトパチーにおいて知られる血管周囲放射状ガドリニウム増強が認められました.脊髄MRIでは,長大病変が約60%の症例で確認され,これは視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)や自己免疫性GFAPアストロサイトパチーと類似する所見でした.免疫療法は高い有効性を示し,87%の患者が免疫療法を受け,そのうち93%が改善しました.
今後,GFAP-IgG様抗アストロサイト抗体の標的抗原を特定し,診断法の確立と治療戦略の最適化を目指すことになります.今後,新たな自己免疫性脳炎が分離されるものと思います.自己免疫性脳炎患者は明らかに増加していますし,がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の使用で今後さらに増加すると思います.自己抗体のみならず細胞性免疫の関与等,分からないことが非常に多く,課題が山積していると思います.当科では自己免疫性脳炎を研究したい大学院生を全国から募集しておりますので,よろしければ見学にお越しください.
Kimura A, Takekoshi A, Shimohata T. Clinical and neuroimaging findings of patients with glial fibrillary acidic protein-immunoglobulin G-like anti-astrocytic antibodies in cerebrospinal fluid. J Neuroimmun. 2025;400:578545.(https://authors.elsevier.com/c/1kZWKbfPjQob0)全文をご覧いただけます.

5)免疫チェックポイント阻害剤による筋障害の機序
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月11日のFB投稿です**
免疫チェックポイント阻害剤(Immune Checkpoint Inhibitors;ICI)は,悪性黒色腫や非小細胞肺がんなど多くのがんで顕著な治療効果を示し,がん治療に画期的な進歩をもたらしました.しかし免疫系の「ブレーキ」を解除することによって,自己免疫関連副作用(immune-related adverse events;irAEs)が発生するリスクも伴います.その中で,脳神経内科領域の副作用として頻度が高いのがICI関連筋症(ICI-myopathy)です.私どもの施設は大学病院ということもありますが,最近非常に増加している印象があります.Neurology誌に掲載された総説論文では,ICI関連筋症の発症メカニズムについて詳しく解説しており,勉強になりました.
免疫チェックポイントは,CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)やPD-1(プログラム細胞死1),PD-L1(プログラム細胞死リガンド1),LAG-3(リンパ球活性化遺伝子3)を介してT細胞の過剰な活性化を抑える「ブレーキ」として機能しています.しかし,がん細胞はこの免疫抑制機構を利用して免疫系からの攻撃を回避します.ICIはこのブレーキを解除し,T細胞が再びがん細胞を攻撃できるようにする治療法です.しかしICIによってT細胞が活性化されると,がん細胞だけでなく,正常な筋細胞も誤って標的とされることがあります.
図1は,ICI関連筋症のメカニズムを示しています.がん細胞(黒色腫)が死滅すると抗原提示細胞(APC)ががん抗原を取り込み,局所リンパ節でT細胞に抗原を提示します.この過程でCTLA-4,PD-1,PD-L1,LAG-3の働きがICIで阻害されると,T細胞は過剰に活性化され,がん細胞への免疫応答が強化されます.しかし正常組織も攻撃対象となります.特にCD8+ T細胞が活性化しますが,IL-6経路の活性化に伴い,さらに病原性の高いTh17細胞やTc17細胞へと分化させ,これらが自己の筋細胞への攻撃をもたらします(ともに炎症反応や自己免疫疾患の病態において重要な役割を果たすT細胞のサブセット).こうした炎症反応の結果として,筋線維の壊死と再生が繰り返され,臨床的には筋力低下,嚥下障害,呼吸不全等が生じます.
なぜ筋組織が標的となるのかはよく分かっていないようです.仮説としては,がん抗原と筋細胞の抗原が類似しているため,「分子模倣(molecular mimicry)」現象が生じ,誤って筋細胞が攻撃されるというものがあります.例えば,心筋炎を合併するICI関連筋症の患者では,心筋と骨格筋の両方に共通するα-ミオシンなどに対する免疫反応が確認されています.また筋線維自体が抗原提示分子(MHCクラスI)を発現する能力を持つことが関連しているとも言われています.通常,筋細胞は免疫系の標的となりにくい組織ですが,炎症環境ではMHCクラスIの発現が増加し,自己免疫攻撃を受けやすくなる可能性があるようです.
以下,論文の病態機序以外のメモです.
◆頻度:ICI治療を受ける患者の0.4%〜0.8%で発症する.
◆発症様式: 急性または亜急性の眼筋,球麻痺,近位筋の筋力低下が特徴.1/3の患者で心筋炎を合併し,その場合,死亡率は50%と上昇する.
◆誤診のリスク: 眼筋症状は重症筋無力症と誤診されやすいが,疲労性の筋力低下は見られない.また神経筋接合部障害の電気生理学的所見も認められないことが多い.AChR抗体は最大40%で陽性.
◆画像検査:MRI T2WIで筋の浮腫性変化や造影増強効果あり.FDG-PETで筋組織の代謝亢進を確認可能.
◆筋生検:壊死および再生筋線維の多発性クラスターが特徴.CD4+およびCD8+リンパ球,マクロファージの浸潤.MHC-Iの過剰発現,IL-6経路の活性化.
◆遺伝子解析: インターフェロン経路やIL-6経路の活性化が示唆される.
◆治療としては,従来の高用量ステロイド療法に加えて,IL-6阻害薬(トシリズマブ)やJAK阻害薬の可能性が議論されている.
◆CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)グレードが報告されている.グレードごとに症状の重症度が定義されており,それに応じた治療戦略が推奨されている(図2).
Beecher G, et al. Immune Checkpoint Inhibitor Myopathy: The Double-Edged Sword of Cancer Immunotherapy. Neurology. 2024;103:e210031. (doi.org/10.1212/WNL.0000000000210031)

6)東京iCDC・コロナ後遺症オンライン研修会の動画公開のお知らせ
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月12日のFB投稿です**
東京都の要請で,2024年12月15日に行った東京iCDC(東京感染症対策センター)・コロナ後遺症オンライン研修会の動画(座長:賀来満夫先生)が「新型コロナ後遺症ポータル(https://tinyurl.com/27bnbzk2)」に公開されました.タイトルは「コロナ後遺症としての神経症状,認知機能への影響と対応」になります.よろしければご覧いただければと存じます.
講演 https://youtu.be/oglCSqfD49A
質疑応答 https://youtu.be/lF1Lb6Pg7cs

7)多系統萎縮症では毒性の高いα-シヌクレインが神経細胞の核内へ侵入し,細胞を破壊する
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月15日のFB投稿です**
多系統萎縮症(MSA)の病理学的特徴は,オリゴデンドログリアにおけるグリア細胞質内封入体(glial cytoplasmic inclusion;GCI)であり,これはα-シヌクレイン(α-Syn)の蓄積です.しかしMSAの症状発現や進行に重要なのは,黒質線条体系やオリーブ橋小脳系における神経細胞死であり,MSAが単にオリゴデンドログリアにおけるα-Syn蓄積だけでは説明できないことを意味します.オーストラリアから,従来のオリゴデンドログリアを中心とする考え方を再評価する必要があると指摘する論文がBrain誌に報告されています.
論文はMSAにおける神経細胞とオリゴデンドログリアのα-Syn封入体の違いを検討しています.スーパー解像度顕微鏡とα-Syn病理を詳細に検討できるN末端α-Syn抗体を用いることで,α-Synがどのように神経細胞やオリゴデンドログリアに蓄積し,細胞にどのような影響を及ぼすのかを解析しています,この結果,MSAの病態において,オリゴデンドログリアのGCIより,神経細胞の細胞内封入体(NCI)や核内封入体(NNI)が,より重要な役割を果たしていることが明らかになりました.具体的には,神経細胞ではα-Synフィブリルが核内に侵入し,核膜の破壊(ラミンの消失)と神経細胞死を引き起こすことが示されています.
注目すべきは図1で,プロテイナーゼK(PK)処理を用いたα-Synの分解実験によって,GCIとNCI/NNIのα-Syn封入体の耐性の違いを示しています.つまり45分間のPK処理後,α-Syn抗体で免疫染色を行ったところ,GCIは約78.5%が分解されるのに対し,NCI/NNIはわずか約5%しか分解されませんでした(p < 0.0001).つまりGCI内のα-Synが可溶性であるのに対し,NCI/NNIは不溶性であることを意味します.またオリゴデンドログリアのα-Syn病理は細胞死に直結するものではないのに対し,神経細胞のα-Syn病理は細胞死に直結していました.
図2は研究のサマリーで,α-Syn封入体の成熟過程を視覚的に示しています.p25α/TPPP(茶色)はオリゴデンドログリアに特異的な微小管関連タンパク質です.オリゴデンドログリアではまずその異常な再配置が生じます.そしてα-Synが細胞質や核内に蓄積しても細胞死には至らないのに対し,神経細胞ではα-Synの核内侵入が早期に起こり,核膜の破壊,核の障害,そして細胞死へ進行することが示されています.以上より,MSAの病態の本質は,神経細胞内でのα-Synの不溶性と毒性,核内侵入による核構造の破壊であるとこの論文は推測しています.
Wiseman JA, et al. Neuronal α-synuclein toxicity is the key driver of neurodegeneration in multiple system atrophy. Brain. 2025.(doi.org/10.1093/brain/awaf030)

8)X連鎖性副腎白質ジストロフィー(ALD)は男性だけでなく女性にも深刻な影響を及ぼす
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月18日のFB投稿です**
X連鎖性副腎白質ジストロフィー(ALD)は,ABCD1遺伝子の変異によって発症する神経変性疾患です.これまで男性に発症する疾患と考えられてきましたが,近年,女性でも進行性の神経症状が出現することが明らかになってきました.しかしこれまで女性は「キャリア」として扱われることが多かったため,診断や治療が遅れるケースが少なくなかったと指摘されています.今回,米国マサチューセッツ総合病院より,ALD女性患者の疾患負担に関する包括的な調査研究がNeuology誌に報告されました.
方法は後方視的解析とインタビュー調査で,対象はALD女性患者127名,対照群はALD男性患者82名です.女性患者の91%が何らかの神経症状を訴え,特に排尿障害(74%),歩行障害(66%),痙縮(65%),しびれ感(65%)が頻度の高い症状でした.年代ごとの症状の出現頻度が図1です.また,精神的な負担も大きく,64%の患者がうつ・不安を呈していました.女性患者のミエロパチーによる神経症状出現の中央値は37歳であり,男性患者の28歳よりも有意に遅れていました(図2).歩行障害は40歳代以降に急速に進行し,50歳を超えると杖や歩行器を必要とする患者の割合が顕著に増加していました.また,転倒リスクも高く,女性患者の55%が転倒歴を持ち,48%が転倒による外傷を経験,43%が骨折を経験していました.さらに,31%の女性患者は骨粗鬆症または骨減少症と診断されており,転倒による骨折リスクがより高まる要因となっていました.
臨床的な問題が2つあり,1つは診断の遅れで,診断時年齢の中央値は女性が37歳,男性が23.9歳でした.男性は症状の出現により診断されるのに対し,女性は家族内のスクリーニングにより発見されることが多い事がわかりました.2つ目は誤診で,46名の女性が診断前にケアを求めて受診しましたが,うち22名(約48%)が多発性硬化症や家族性痙性対麻痺などと誤診されていました.また,医療アクセスの問題も深刻であり,インタビュー調査を受けた57名のうち51名(89.5%)が適切な医療を受けることが困難であったと回答しました.その主な理由として,ALDに関する医療者の知識不足(70.2%),「女性はALDの症状を発症しない」という誤解(56.1%),専門医の不足(56.1%)が挙げられました.さらに,26.3%の患者が診療費や通院負担の大きさを問題視していました.またQOLにも大きな影響があり,インタビュー調査を受けた49名のうち,26名(46%)が高度の,12名(21%)が中等度の,11名(19%)が軽度のQOL低下を示していました.
本研究は,ALD女性患者の疾患負担が予想以上に大きいことを示しており,私も大変驚きました.認識を改める必要性を感じました.また本研究は診断の遅れ,誤診,医療アクセスの課題がQOLの低下を引き起こしていることを明らかにしました.ALD女性患者のQOLを向上させるためには,早期診断を促進するための診療ガイドラインの作成,疾患理解の向上,専門医の育成,適切な治療戦略の策定が必要と考えられます.
Grant NR, et al. Disease Burden in Female Patients With X-Linked Adrenoleukodystrophy. Neurology. 2025 Mar 11;104(5):e213370.(doi.org/10.1212/WNL.0000000000213370)

9)もうひとつのARIA! ―抗体療法に伴う医原性脳萎縮という解釈と開示が求められるデータ―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月22日のFB投稿です**
アルツハイマー病に対するアミロイドβ抗体薬(レカネマブ,ドナネマブ)の臨床試験では,実薬群で脳体積の減少が速く進むという「矛盾した」結果が報告されています.これに対し,昨年10月のLancet Neurol 誌の「Personal View」欄で,「アミロイド除去に伴う偽萎縮(amyloid-removal-related pseudo-atrophy)」という新たな解釈が提唱されました(文献1).これは,脳体積の減少は,アミロイドβ除去による生理的な変化で,病的なものではないというものです.私もブログでご紹介しましたが,感想として「現時点で脳萎縮は安全と結論づけるにはデータが不十分で,長期試験や個々の患者レベルのデータ解析が必要だ」と書きました(https://tinyurl.com/28yfo5u9).
最新号のLancet Neurol 誌のCorrespondenceに「偽萎縮」に対する反論が掲載されています(文献2).オーストラリア,英国,米国の3人の研究者によるものです.タイトルは「Amyloid-related iatrogenic atrophy of the brain: data transparency is an urgent safety priority」で,「偽萎縮」とはまったく反対の立場で,アミロイド除去に伴う医原性脳萎縮(amyloid-related iatrogenic atrophy;ARIA!)という新たな解釈を提唱しています!(表は2つのARIAの違いです)
3人はやはり,上述したように,脳体積の減少と認知機能の関連について,個々の患者レベルのデータが公開されていないことを指摘し,治療効果を適切に評価するためには,脳体積の変化が認知機能や臨床転帰にどのように影響するのかが分からないまま議論するという,透明性が確保されない状況では,有害な副作用を過小評価するリスクがあると警鐘を鳴らしています.
つぎにアミロイド除去による脳体積減少の正確な機序はいまだ不明であるのに,「偽萎縮」という用語を使って神経変性や炎症の影響を過小評価すべきではないと指摘しています.その根拠として,①抗体療法を受けた患者の剖検で,アミロイド斑の減少と同時に神経細胞の喪失やミクログリアの活性化が報告されていること(例としてアミロイドβワクチンAN1792を提示).②ドナネマブ(TRAILBLAZER-ALZ試験)では,アミロイドβがほとんど存在しない白質においても有意な脳体積の減少が観察されており,アミロイド除去による「偽萎縮」では説明がつかないこと.③βセクレターゼ(BACE)阻害薬を用いた研究では,アミロイド斑の除去がほとんど起こらないにもかかわらず脳体積の変化がみられること,を挙げています. この3人の反論に対するreplyも掲載され,ミクログリアはアミロイド除去の過程で一時的に活性化されるが,長期的にはその活性は低下するなどとさらに反論しています.しかし個々の患者データに公開による透明性の確保には同意しています.
ヒポクラテスは「Primum non nocere(まず,害を与えないこと)」と言っています.一部の患者さんに治療が害を与えているということがないかを十分に検証することが重要です.この治験の関係者は,脳萎縮をきたした患者の認知機能の変化,加えてARIA(アミロイド関連画像異常)をきたした患者の認知機能の変化といった個々人のデータを開示すべきと思います.
(文献)
1. Belder CRS, et al. Brain volume change following anti-amyloid β immunotherapy for Alzheimer’s disease: amyloid-removal-related pseudo-atrophy. Lancet Neurol. 2024 Oct;23(10):1025-1034.
2. Ayton S, et al. Amyloid-related iatrogenic atrophy of the brain: data transparency is an urgent safety priority. Lancet Neurol. 2025;24(3):189-190.

10)神経変性疾患共通の免疫標的 —ミクログリアとTreg細胞
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年2月24日のFB投稿です**
神経変性疾患における免疫系の役割が近年注目されています.Nat Rev Neurol誌に米国ハーバード大学のHoward L. Weiner教授による勉強になる総説が掲載されています.多発性硬化症(MS)ではもちろん免疫系が疾患の主因ですが,アルツハイマー病(AD),筋萎縮性側索硬化症(ALS),パーキンソン病(PD)でも免疫系が疾患の進行を増幅させることが紹介され,その機序と治療戦略をまとめています.神経変性疾患には共通する免疫機構があり,ミクログリア,単球,T細胞,腸内細菌叢を標的とした治療戦略が重要と述べられています.特にTreg細胞(制御性T細胞)を増強することで,神経炎症を抑制し,疾患の進行を遅らせる可能性を議論しています.
【神経変性疾患に共通する免疫標的】
MS,AD,ALS,PDにおいて,CD4+ Th1/Th17細胞,CD8+ T細胞,Treg細胞,単球/マクロファージ,ミクログリアが,どのように関与しているかが表1に示されています.ちなみにTh1細胞はマクロファージを活性化し,IFN-γを介して炎症を促進し,Th17細胞はIL-17を分泌し,血液脳関門を破壊し,炎症を増幅します.
【単球・マクロファージとミクログリアの役割】
図1 では,単球由来のマクロファージとミクログリアが神経変性疾患の治療標的になり得ること を示しています.炎症性単球を特徴づけるマーカーであるLy-6C+CCR2+の単球(灰色)が炎症環境下で,中枢神経に浸潤し,神経炎症を増幅させる一方,抗炎症マクロファージへと分化することで炎症を抑制し,損傷した脳組織の修復を促す可能性があります(黄色).また,アルツハイマー病では,Aβ沈着部位に単球が集積し,それがマクロファージへ分化してAβを貪食することが示されています(青).治療のアプローチとしては,単球の抗炎症マクロファージへの分化を促進することによって,Aβの蓄積を抑える可能性があることが示されています(赤).
【Treg細胞の役割と治療戦略】
図2 では,Treg細胞の神経変性疾患において果たす役割と治療戦略が示されています.Treg細胞は,炎症を抑制するCD4+T細胞の一種であり,IL-10,IL-4,TGF-βといった免疫抑制性サイトカインを分泌することで,炎症性T細胞(Th1,Th17)(オレンジ)や単球(黄)の過剰な活性を抑えます.Treg細胞を増加させることで,MS,AD,ALS,PDにおける炎症を抑制し,疾患の進行を遅らせる可能性があり,Treg細胞の補充,誘導を目的とした治療法として,養子Treg細胞療法,低用量IL-2療法,経鼻抗CD3抗体療法,CAR-Treg療法が紹介されています.特に,抗CD3抗体療法がTreg細胞を増加させ,神経炎症を抑制する可能性がPET画像により確認されました.
【まとめ】
神経変性疾患の進行に,Treg細胞の機能低下が共通して関与していることから,Treg細胞を標的とする治療が新たな治療戦略として期待されることが述べられています.今後,神経変性疾患における免疫学的病態に関する研究が一層,発展することが考えられます.
Weiner HL. Immune mechanisms and shared immune targets in neurodegenerative diseases. Nat Rev Neurol. 2025 Feb;21(2):67-85.(doi.org/10.1038/s41582-024-01046-7)

関連情報
岐阜大学医学部下畑先生は最新の医学情報を活発に発信されています。前月中のFB投稿については『2025年1月のニュース』をご覧下さい。

(作成者)峯岸 瑛(ミネギシ アキラ)