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GFAPアストロサイトパチー Ma2抗体関連脳炎 MAID PM2.5 オリゴクローナルバンド ブレインウォッシング(脳洗い)体操 ヘルペス脳炎 レム睡眠行動異常症 多系統萎縮症(MSA) 小脳性運動失調症 慢性硬膜下血腫 新しい認知症観 特発性正常圧水頭症(iNPH) 直立2足歩行

2025年9月のニュース

「認知症克服のカギ」@知的探求フロンティア タモリ,山中伸弥の!?(NHK9月6日)を、ご覧になられたでしょうか?岐阜大学医学部の下畑先生の解説もあり、新しい認知症観を知ることができました。
今月のニュースは、NPWA会員の活動、大阪大学宮坂先生の『ブレインウォッシング(脳洗い)体操』、ヒトの二足歩行に関する話題、下畑先生からの最新医学情報、等です。

1.2025年9月の活動状況
大内 克泰さんの投稿
8月末、梁川中央保育園での運動教室。 園を訪れた際、来月お披露目する為の鼓笛隊の練習で「宇宙戦艦ヤマト」が聴こえました。リズムが苦手な子や人前に立てない内気な子、皆んなと同じ事をするのが苦手な子達が、それぞれその自分の殻を打ち破って練習する姿は感動するし、改めて子ども達から学ぶ大切な機会ですね。 昨今、この保育園に限らず個性や多様化を求めて鼓笛の練習や発表などを反対する保護者が少数ながらいるとか。また、その音がうるさいなどのクレームを入れる近隣住民が居ると耳にします。 音楽は地球上に人類が誕生した当初から生まれた文化であり、リズム感や音感など脳の発育発達には欠かせないツールのひとつ。ましてや奏でる側においては巧緻性運動や表現力を養い、跳び箱などと同様に成功した際の自己効力感と挫折感、集団で目標を達成させるチームワーク、ストレス耐性など多くの心身の成長に繋がる効果が絶大。 その機会を一部の大人の思い込みによる言動で失う事は犯罪に等しい無責任さを感じます。 運動は更に文化と言うよりは「命を保つ為の術」であるので、身体を使う事が出来なければ生命の維持に直結する事です。教育課程で強制されたトラウマを抱えている大人も多いと思いますが、かといってそれを避ける事はそうした事を意味すると思っています。文明の発達に溺れ、進化していない脳に都合の良い理論で言い訳をして生物たる根本を忘れる事は、種族の滅亡に向かう階段を降りている事と実感しています🤔 今回も子ども達は汗をかく事や心肺が苦しくなる事をモノともせず夢中になって遊びました。 9月は鼓笛の発表イベントの為、運動教室はお休みです。 発表を終えた後の少し成長した園児達に会える事を楽しみにしています♪

佐藤珠美さんの投稿
9月3日 第3回春日の畑ウォーキング&ランチ会 畑のオーナーminaさんと一本柳ウォーキングとの共同開催 前半は善郷寺公民館で交流会と佐久平ウォーキング倶楽部の活動報告。 12時から畑でBBQ🔥 先日のジャガイモ堀りの御礼も兼ねて、地球環境高校野球部1.2年生15名も参加です。 地元の食材を持ち寄って、賑やかに美味しく頂戴しました。 参加された方々 ◇社会福祉協議会望月支所 ◇浅科・望月地域包括支線センター ◇長野県長寿社会開発センター ◇佐久市市民活動サポートセンター ◇内山区区長 ◇佐久市民新聞の取材記者 今年の2月、浅科・望月地域包括支援センター主催の「寄っていかね会」で初めてminaさんとお会いしてから半年が経過しました。沢山の方達が春日ウォーキングに関心を示して下さった事に感謝! 暑い暑いと言いながら、炎天下でも平気な生徒達に感動❣️ 手際良く交流会の支度を整えてくれる会員さん達は見事!

スマイルチームさんの投稿
20250905 スマイルチーム上鶴間 みんな元気❗️

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
meet.google.com

長谷川 弘道さんの投稿
本日は月に一回の津島ポールウォーキングデーでした。 台風の影響が心配でしたが、台風一過で気持ちの良い爽やかな朝を迎えることができました😊 ここ数ヶ月は、朝とはいえ大変暑かったので、参加者も少なめでしたが、本日は20名近くの皆んにご参加いただけてよかったです❗️ 今日は、自分の歩きを振り返ってもらうべく、気付きワークをやってみました☺️ 一直線上を目を閉じて10mほど普段の歩き方で歩いてもらう。 パートナーに寄り添ってもらって、安全も確保します。 ほとんどの方が、半分ほど進むと右へ、左へと直線上から外れていきます🫨 決してオーバーではなく、5m近く線から離れてしまう人も。。。😯 自分の歩き方の癖というものは普段なかなか気付きませんね🤥 大概の人が左右のバランスが崩れていて、目を閉じて歩くと左右どちらかに傾いていきます。 もちろん、普段は目を開けて歩きますからまっすぐに歩けるわけですが、視覚情報がなくなると、体はそのアンバランスに合わせて歩くのでまっすぐ歩けなくなる。 となると、左右どちらかに負担がかかっている、という見方もできます。 ですので、なるべく体は左右、前後のバランスが取れていることは大切になります。 歩行についても同じで、バランスが崩れてまっすぐ歩けない原因は色々と考えられます。 その一つとして、歩行中のつま先の向きに注目してみましょう。 運動解剖学、生理学的には、人の骨格上、つま先はやや開き気味(5〜10度ほど)が自然とされています。 しかし、加齢とともに足を左右に広げて、いわゆるガニ股歩きになりやすくなります。その方が安定感が高いからなのですが、膝への負担が高まり、またロスが大きい歩き方になるので疲れやすくなります。 そこで、ポールを用いることで、安全性を確保しつつ、自然な矯正と習慣化を両立させることが可能になります。 もう少し詳しく説明しますね! • つま先方向の自然な矯正  ポールがガイドとなり、足をぶつけない意識が働くことで、無理なく正面方向へ修正しやすい。 • 安定感の確保  2本のポールにより歩行時の支持基盤が広がり、転倒リスクを減らしつつトレーニングできる。 • 正しい歩容の定着  姿勢保持とリズム形成が助けとなり、正しい足運びを繰り返すことで習慣化を促せる。 • 全身運動による補強効果  上肢・体幹も動員され、下肢だけでなく全身の筋肉バランス改善や有酸素効果が期待できる。 • 心理的安心感  ポールがあることで「支えがある」という安心感を持ちやすく、積極的な挑戦を後押しできる。 今日は、まずはいつもの通りで、目を閉じて歩いてもらったら多くの方が左右にずれてしまいました。 その後、このポールウォーキングを10分ほどやってから、再度目を閉じて歩いてみたところ、半分近くの方が直線上から大きく外れず歩けるようになりました😄 ほんの10分足らずでこのように変化する! すごい‼️ でも、すぐ変化することは、またすぐに元に戻る、ということを忘れないでくださいね😅 それじゃあ意味がないのでは⁉️と思われる方もいらっしゃるかもですが、だからこそ、継続的な練習が大切になるわけです❗️ そしてもう一つ大切なことは、いつまでもポールに頼らない!ということです。 ポールは頼った瞬間から杖になりますよ‼️😭 ポールはあくまで補助的な道具。基本は自分の日本の足で質分かり歩く力をつけることです❗️ なので、ポールで歩行を自然矯正しつつ、ポールを持たない通常歩行もとり入れていくことが大切ですね‼️ 私は、健康の定義を「何事からも縛られず、自由であること」と考えます。 ポールがなくては歩けない、では健康とはいえないと思うのです🙂‍↕️ そんなお話もしながら、今日も1時間半ほどの楽しいポールウォーキングをみなさんと楽しむことができました‼️ ご参加いただきました皆様、ありがとうございました😊 #津島ポールウォーキング #体のバランス #継続は力なり #健康の定義

佐藤 ヒロ子さんの投稿
#インターバル速歩 #船橋ウォーキングソサイエティ  2期がスタートしました 講師は信州佐久市から  駆けつけてくれた  #インターバル速歩コーチ   #佐藤珠美氏  熱意ある指導です #日本式ウォーキング 実践しています 2025/9/6

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 9月PW駒場例会でした。 まだまだ熱中症警戒の残る中のPW定例会! 秋の気配を感じる日陰を選んでの公園〜牧場のポールウォーク〜 給水休息を多めにと、コース選びだけでなく熱中症予防をしながらの各コーチのPW案内には頭が下がりっぱなしです。 来週のPWは松本城散策です。バスツアーの為参加者限定ですが、新たな松本市のポールウォーカー達とのコラボも有り楽しみです〜ww

中村 理さんの投稿
本日出社時 会社玄関先に〜秋桜〜が❗️ コスモス街道で有名な佐久/内山郷から届いた様です〜🎶 秋始まりの粋な演出でした。 先日散策時に見つけた 〜七竈/ななかまど〜も色づき始めです❗️

スマイルチームさんの投稿
2025.9.1〜9.8 活動記録 ☺︎スマイルチーム光が丘 12名 ☺︎中屋敷チェアエクササイズ 17名 ☺︎公民館抽選チェック ☺︎健康体操サークル 8名 ☺︎ポールウォーキング 中止 ☺︎スマイルリズムエクササイズ 15名 ☺︎活き活き中屋敷PW 10名 ☺︎ティンカーベル練習 ☺︎ショーワOPダンサー練習 ☺︎ショーワ出演 ☺︎スマイルフレンズ 16名 ☺︎スマイルチーム光が丘 18名

田村 芙美子さんの投稿
鎌倉七口の一 朝夷奈切通  この夏初めてのPW外歩き 三浦ネットのメンバーさんと涼しいところ!ということでここを選びました。金沢寄りの入口近く、横横道路の高架下でウォーミングアップ。真っ直ぐに切り立った岩壁の間を滑らないようにお喋りしながらゆっくり歩きました。相変わらず湧き水が川のように流れほぼ沢歩き状態でした。

佐藤珠美さんの投稿
9月9日一本柳ウォーキング いつものように一本柳公園に集合。 若宮神社→浅間病院前のコンビニでコーヒー休憩、 という当クラブの定番コースです。 7月に会員さんが右肩を脱臼しました。 しゃがんだ状態からバランスを崩し転倒。右肩強打し救急車で浅間病院の整形外科外来に搬送、無麻酔で整復し帰宅。 右肩の靱帯が痛んでいるので安静保持しながらリハビリ開始。 運動許可が降り、9日からウォーキング再開。 数週間の安静を保つ事で、幾つかの合併症が危惧されましたが、何と、以前よりも若返って戻ってきました🤞 体力を落とすわけにはいかないという、ご本人の熱意の賜物です。 整形外科の主治医からは「転び方が上手でしたね。頭や顔は打っていないし、外傷も全く無い。リハビリが順調なのも普段から肩甲骨を動かしているからでしょう。動かし過ぎに注意して下さい」とアドバイスを受けたそうです。 普段私が伝えている「段差に躓いても人生に躓かない」とはこの事です。体調が悪化しても適正なケアをすれば早期に日常生活に戻れる場合があるのです。 この会員さんも「転んで脱臼したのは残念だったけど、色々な方に褒めてもらえました!脚は痛くなかったから次の日からスクワットをしましたよ」と笑顔で話してくれました。 コーチ冥利に尽きます😊

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【素晴らしき   呼吸筋活性化ウォーキング】 2025/9/11  猛暑日ではないけど暑い!    そんな時こそ #呼吸筋活性化ウォーキング   真髄発揮です。   心身が整い   気力が出ます! #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #県立行田公園

校條 諭さんの投稿
天気も気まま
でも、気まポ(気ままにポール歩き)無事終了
夕方5時半に善福寺川緑地に集合したあたりから雨がぽつりポツリ。でもすぐやんで、緑地公園内を歩いて、大宮八幡神社までたどりつきました。
八幡さまではちょうどお祭りでたいへんな人出でした。15分ほど“視察”して、鳥居の外へ。
近くの公園で小休止していたら、雨がまた。たいした降りではないけどやまないので、ポールをしまって傘をさして、浜田山駅をめざしました。
夏バーション「夕暮れウォーク」は今回まで。コースは、夏の疲れを考慮して短めに約4kmでした。
https://www.mapion.co.jp/…/35…/aid=25a5bc/
浜田山駅前のおなじみのネパール料理店(まいた)でカンパイしました。

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 本日9/14は1年振りのバスツアー/PW松本城散策〜 朝方の雨もやみ佐久平駅バス出発時はひょっこり青空も〜 三才山越えも無事に松本路に〜 松本城横の大型バス🅿️に到着と共に雨☔のお出迎え〜! 雨ガッパの総勢40名準備体操後も雨足緩まず、急遽お城一周のPW散策を止め地元PWコーチ/柳沢さんの案内で信毎メディアガーデンまで全員でポールウォーク後フリータイムとし松本を愉しんで貰いました❗️ 天気予報も外れ易い9月です。 週末20 日(土)/ぴんころウォーク佐久のお天気はどうでしょうか〜^_^

杉浦 伸郎さんの投稿
昨日は敬老の日でした。 我が国の要介護者は右肩上がりに増えていますが、その引き金要因として最も多いのが「認知症」。 老化抑制研究の進歩により、人の寿命は120歳までのばすことができ、100歳くらいまで病気になりにくい状態をつくることも現実味を帯びてきました。 認知症と上手く付き合い、少しでも発症を先延ばしにすることで、私たちの生活の質も格段にあがり、いくつになっても「ありがとう!」と感謝される『貢献寿命』を伸ばすことのできる素晴らしい世界が拡がります。 そこで、 「100年もつ身体を手に入れる!」健康長寿攻略法をPWを切り口に担当させていただきました(フロンタウン生田にて)。

佐藤珠美さんの投稿
9月16日一本柳ウォーキングは毎年恒例の コスモスを愛でに、内山(うちやま)に行きました。 先日の春日ウォーキングに参加された方もPW体験にお越し下さいました。 この内山地区を通る国道254号は大型トラックの交通量がとても多いです、トラックからのゴミのポイ捨ても非常に多く内山の方々も苦慮されているそうです。 ポイ捨てゴミの問題は内山に限らず日本各地で起こっています。 私達もせっかくなのでクリーンアップもするつもりでしたが、車道にも歩道にもゴミが無い!拾うものが無い⁈ 内山の方々の熱意か、トラックドライバーの意識改革か?綺麗コスモス街道を私達は歩かせて頂けました。 また伺います! #ペットボトル#捨てなくもいいんじゃない#間に合わないなら#泌尿器科に行こう#犬も歩けばシッコをする#他人事ではない課題
投稿 • ポ―ルウォ―キングに保存されました

株式会社シナノ(sinano)さんの投稿
シナノ技術開発部の小林です! インターンプログラム、第2回目のフィールドテストに佐久市の平尾山へ行ってきました⛰️ 前回テストでの改良点を反映したポールで、実際に使い心地を体感。 また、今回はインターン生が2人増えて賑やかなテストに! 天気にも恵まれ、山頂からは佐久市周辺が一望できる最高のロケーションでした👍 地元の自然の中で、製品のリアルな使い心地を体感でき、良い経験になったと思います。 #シナノ #sinanojapan #sinano #トレッキングポール #インターン #平尾山 #フィールドテスト

校條 諭さんの投稿
神田の屋上農園でカブの種植え ちよだプラットフォームスクウェアが入っている5階建てビルの屋上で行われている「ちよぷらアグリ」のメンバーに入れてもらっています。 校長の吉田さん、教授の西城さんに教わりながら、“新学期”の課題は紅白2色のカブです。 プランターの土を手入れしたあと、2,3センチくらいの深さの溝を2本作って、種をバラバラとまきました。 11月末頃には初収穫ができるそうです。楽しみです。

水間 孝之さんの投稿
台湾ポールウォーキング協会交流スキルアップ研修会開催しました‼️ 皆さん元気☀️元気☀️元気です‼️ 明日はぴんころウォークです。晴れてくれ~!‼️

田村 芙美子さんの投稿
いつもの秋がやって来ました。@大巧寺

中村 理さんの投稿
第13回ぴんころウォーク佐久〜 無事開催されました。 曇り〜小雨〜曇り時々晴れ の怪しげなお天気(気温22℃)の中650名越えの参加者で、 海外含め各地のwalking teamが集い大賑わいのひととき〜ww プルーン生食や甘酒や玄米きび入りオニギリの振る舞いやら信州/佐久いっぱいの〜オモテナシwalk〜でした。

水間 孝之さんの投稿
第13回ぴんころウォーク700名弱のご参加いただきました‼️ 台湾ポールウォーキング協会、NORDIC朝霞、チーム静岡、志木市、チームSINANO各地からのご参加でした‼️ ありがとうございました👌 来年もお待ちいたしております☺️

柳澤 光宏さんの投稿
9月20日ぴんころウォークが無事終了できました。650名前後の皆さんにご参加いただきました。約4割が県外からお越しになっていて、遠いところは台湾から16名参加いただきました。 天気もときどき雨が降るぐらいで、なんとかもちました。これからアンケート集計と会計報告がありますが、実行委員長としてまずはホッとしています(^.^)派手なTシャツは社員が参加するのでお揃いで。 これでSAKUメッセにも乗り込みます。

新地 昌子さんの投稿
ポールウォーキングは台湾でも絶賛拡散中です。明るくて熱意ある台湾ポールウォーキング協会のコーチの皆さんと楽しく交流させていただきました😊 見習う点が多すぎる! 左がレベッカ。右はジェシカ。二人にちなんで?この度、英語名モニカいただきました😆ちなみに私の隣はMr.タカです。

長岡智津子さんの投稿
ALOHA🏝 『台湾ポールウォーキング協会ご一行様来日ツアーin我孫子』 台湾の皆様と日本の方々との楽しい交流に盛り上がりました🥰 ポールウォーキングの歌から始まり、沢山の余興(^^)✨ 長岡智津子先生、台湾からのポールウォーカー様 楽しい来日ツアーの会食 有難うございました❤️

森川 まことさんの投稿
あけぼの山公園 キバナコスモス 久しぶりに歩いて気持ちよかったです。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
通常活動   スイッチオン  土曜日定例会  切り替えもGood   2025/2/20 #2本のボールを使ってウォーキング #海老川上流をウォーキング #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールエクササイズ #インターバル速歩実践

遠藤 恵子さんの投稿
介護予防運動⇒畑⇒サロンワーク/加圧トレーニングセッション 秋らしくなってきましたねっ🎃🍁🍄🌰 食欲の秋!! スポーツの秋!! 加圧トレーニングの秋‼️ さぁ、女性にやさしい加圧トレーニング始めませんか?

佐藤 ヒロ子さんの投稿
#船橋ウォーキングソサイエティ   #シニアポールウォーキング  体験者2名を迎えて  2期がスタートしました 2025/9/22    猛暑日連続で   元気か心配でしたが、  明るく集合!   安心しました。  そして帰る時は   更に増す笑顔です    嬉しいな〜 #転倒予防 #認知症予防 #コグニサイズ #ステップエクササイズ #ポールを使って歩くウォーキング #支持基底面拡大 #社会参加

佐藤珠美さんの投稿
9月24日 一本柳ウォーキング 公園の周辺を簡単に歩いてから、佐久大学へと移動しました。 看護学科の4年生が私達に講義をしてくれました。テーマは「これからの人生もポールと歩こう」でした。(単位授業で今年度は当クラブと臼田の事業所で実施) 一本柳地区から佐久大学は目と鼻の先にあります。一緒に歩きませんか?というラブコールを送ること約5年。やっと学生さんとの交流の場を設けることができました。 佐久シニア大学のコーディネーターさんも参加して下さいました。「PWを通じての健康教育はとても意義あることだと思った。このような話は、うちの学生さん達にも聞かせたい!」と評価して頂きました。 「コメディカルが行う地域での健康教育」大切です😊

講容-講話有內容さんの投稿
日本健走杖交流第四天 這一天應該最像 #觀光客行程,但我們還是走了6公里多的路程,而且像是探索、冒險之旅。 #講話有內容 #野馬容 #日式健走杖 #千葉縣

講容-講話有內容さんの投稿
都已經回國上工了,還是得記錄一下 #日本健走杖交流行程中非常重要的一環。 除了 #佐久市活動式的健走,我們在行程的第五天在 #我孫子市有一個小團健走,認識了這裡最具代表性的 #手賀沼,也沿著沼邊走了3公里,並進入社區巷道、公園,近距離的體驗這裡的陽光與秋風、建築與花草樹木,還幸運的看到了幼稚園小朋友在草地上彩排,夥伴們紛紛拿起手機拍下小小孩團結合作完成任務的一幕。 長岡教練特別在她工作室樓下預定了餐廳,席間還來了當地議員及長岡老師的另一半,且贈送每個人一小瓶的 #大吟釀。阿賢導遊說在日本能有如此的排場,代表我們備受重視。餐廳內有個小小的舞台,大家輪番上場表演,有 #吉他演奏、 #太極拳、 #健走杖操等。長岡老師説~ 「就Rebecca沒上台表演,真可惜!」 我有啊!早上健走出發前我被長岡老師指定帶操,還帶著大家跳 #雙杖舞,這應該也是一種表演。 用餐結束準備回下車處坐車,才發現距離如此近,但我們卻是繞了一大圈,原來長岡老師別有用心,就像去四樓聽簡報時,她請大家走樓梯不要搭電梯。 我孫子市的 #手賀沼全長38公里,這裡曾經舉辦鍋三鐵,冬天可遠眺富士山。由於距東京只有一小時車程,所以很多人上班採通勤方式。 走讀了我孫子市之後,前往表參道逛逛囉! 🩷感謝同行夥伴提供的照片 #講話有內容 #野馬容 #日式健走杖 #台灣健走杖運動推廣協會 #SINANO #日本旅行 #我孫子市 #健走杖運動 #健走 #台日交流 #東京

佐藤 ヒロ子さんの投稿
秋です 動画撮影での 気づきを大事にね〜(^o^)   動画は参加者に喜ばれます✨ 2025/9/25 #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #木曜日行田公園コースター #ポールウォーキング #ノルディックウォーク #ソーシャルフィットネス #コーチング #インターバル速歩 #7秒スクワット #ポールエクササイズ

スマイルチームさんの投稿
スマイルチーム。 星ヶ丘ポールウォーキング。 居宅介護支援事業所での活動。 #ポールウォーキング #ウォーキングポールでエクササイズ #相模原市星ヶ丘 #相模原市陽光台 #居宅介護支援事業所 #ダウン症 #自閉症 #知的障害 #リズムダンス #20250926

佐藤珠美さんの投稿
9月26日 白樺湖健康いきいき講座(旧 ウォーキング講座) 今回は年に数回行われる、白樺湖1周ウォーキングの日。1周約3.8km.早い方は30分でゴール。私は今回はスローペースで歩いたので37分。リピーターのお姉様達は35分でゴール。 ゴールの後は、もちろん筋トレ💪🦵

新地 昌子さんの投稿
秋はいいですね。今日は笠間でポールウォーキング。これから笠間はいよいよ栗🌰の季節。公園には山栗の実やどんぐり、しおからトンボにオニヤンマ。 近くで見ていたご夫婦から、さすが皆さん姿勢が良いね、と褒めていただきました。ポールを上手に使って体に負担なく綺麗に歩くことを大切にしていきます😊

佐藤珠美さんの投稿
9月30日 一本柳ウォーキング やっと外歩き可能な気候になりました。 公園から猿久保へ。 昨年オープンした焼き菓子の店で休憩。 午後からは佐久市主催の講演会に、会員さん達と参加しました。 認知症は治療できる時代になりつつあります。それと同時に非薬物療法が更に重要視されています。 城甲先生のお話。 「手押し車を押しながらでも、人は歩いたほうがいい。認知機能が落ちると筋力も落ちる。体力をつけよう!」 私達の倶楽部の存在意義は、ここにあります。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【ヨガストレッチ   &靴のはきかた】 2025/9/30 猛暑でできなかった振替分を実施   特別プログラムは     「ヨガストレッチ」 今の時期に    とっても気持ちがいいです 自然の中で手足を    伸ばして〜 最幸 その後の靴の履き方復習です  知っていても疎かになりやすい!  もう一度初心に戻りましょう〜   靴も足にピッタリついて  ウォーキングは軽いかる〜い    足どり颯爽     いい感じです #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #ヨガストレッチ #靴の選び方 #靴の履き方 #靴紐の結び方 #速歩

 

来月以降の開催
中嶋  佳奈恵さんの投稿
あそびの日2025ワイルドキャンプ参加者募集! – 石川県レクリエーション協会

長岡智津子さんの投稿
写真1件

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
由日本骨科醫師創立的「日式健走」,手持雙杖輕鬆前行,不僅簡單安全,且有效地讓健走者維持和回復步行能力,更能達到全身運動效果,是越來越受歡迎的一項健康運動。課程中將帶你系統性學習「日式健走」的標準技術,掌握技能後持續練習,可幫助改善步行姿態,增加全身肌肉運動,也有助於增強健康活力!【日本健走杖健走教練 初階培訓課程】 📅課程日期:2025年10月18日(六) 09:00–17:00 📍課程地點:台北市中山區吉林路24號12樓之1   (歐立達股份有限公司)*今年最後一場初階教練培訓課 立即報名,一起加入健走杖運動行列➡️https://forms.gle/dPK4za6tRwioBbzT7 📣補充 通過初階教練培訓者,可指導親友們學習日式健走。 若想要規劃與教導一般民眾學習日式健走,則需要再取得進階教練資格喔~

田村 芙美子さんの投稿
【秋の里山歩きお誘い🍁】 長い猛暑から漸く清々しい秋の気配を感じられるようになりました。  熱中症予防対策で外歩きを控えていましたが、少しずつ表に出て身体を動かしたいと思います。 •広町緑地は七里ヶ浜から腰越にかけて続く、鎌倉市三大緑地※の中で最も規模が大きい緑地です。  ※三大緑地: 台峯緑地、常盤山緑地(鎌ポで歩きましたね。野村證券跡地)

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)認知症予防対策としてのブレインウォッシング(脳洗い)体操
**以下は、大阪大学の宮坂昌之先生の2025年9月4日のFB投稿です**
私が主宰する一般社団法人「信州上田みらい塾」の活動の一環です。
前に作成した動画を作り直して「宮坂昌之が教える認知症予防策としてのブレインウオッシング(脳洗い)体操」という題名にしました。
頭からの老廃物排出をうながして認知症を予防することを目的とした一連のストレッチ体操です。毎朝この体操をすると、目が覚めて、からだ全体がすっきりして、頭が働きやすくなってきます。背筋も首筋も伸びます。腰の筋肉も使うので腰痛防止にもなります。
興味のある方はご自分で試してください。なお、個々の運動の順番や回数は、適宜、自分流に変えていただいても結構です。

関連情報
・フレイル対策の公開講座
**以下、筑波大学YAMADA Lab.ホームページからの転載です**
第四回 日本老年療法学会学術集会 市民公開講座のご案内

このたび、第四回日本老年療法学会学術集会において、市民公開講座を開催いたします。テーマは「フレイル対策で彩るこれからの人生 ―運動、食事、社会参加の大切さ―」。本講座は一般市民の皆さまを対象とした無料の公開講座で、どなたでもご参加いただけます。

開催概要
日時:2025年12月7日(日)14:30~16:00
会場:一橋講堂(東京都・神保町/竹橋駅より徒歩4分)
参加費:無料(申し込み不要)
定員:500名(先着順)

 

2-2)ヒトの直立歩行に係る話題2つ
2-2-1)ヒト科二足歩行の2段階の進化
一つ目の話題は、8月27日のNatureに載った「人類の二足歩行がどのように進化したかを、骨盤を構成する大きな骨の一つである腸骨(ilium)の構造的変化に焦点を当てて解明した」オープンアクセスの以下の論文です。
掲載誌:Nature、27 August 2025
表題:The evolution of hominin bipedalism in two steps
著者:Gayani Senevirathne, Serena C. Fernandopulle, Daniel Richard, Stephanie L. Baumgart, Anika Liv Christensen, Matteo Fabbri, Jakob Höppner, Harald Jüppner, Peishu Li, Vivien Bothe, Nadia Fröbisch, Ian Simcock, Owen J. Arthurs, Alistair Calder, Naomi Freilich, Niamh C. Nowlan, Ian A. Glass, April Craft & Terence D. Capellini
掲載誌:Nature 2025年8月27日
表題:ヒト科二足歩行の2段階の進化
著者:ガヤニ・セネヴィラスネ、セレナ・C・フェルナンドプル、ダニエル・リチャードステファニー・L・バウムガルトアニカ・リヴ・クリステンセンマッテオ・ファッブリヤコブ・ヘップナーハラルド・ユップナー李ペイシュヴィヴィアン・ボーテナディア・フロビッシュイアン・シムコックオーウェン・J・アーサーズアリスター・カルダーナオミ・フライリッチニアム・C・ノーランイアン・A・グラス4月のクラフト&テレンス・D・カペリーニ

論文要旨(Chromeによる和訳)
二足歩行は、人類を定義する特徴である。これは、よく知られているお椀形の骨盤によって可能になった。その短く幅広い腸骨板は体の側面に沿って湾曲しており、歩行を安定させ、内臓や大きな脳と広い肩幅の赤ちゃんを支えている。現生霊長類と比較した腸骨の変化は、進化上の目新しいものである。しかし、この進化がどのように起こったのかは、依然として不明である。本研究では、多面的な組織学的、比較ゲノム的、機能ゲノム的アプローチを用いて、二足歩行を可能にしたヒト骨盤の形態形成シフトの発生基盤を特定した。まず、ヒトの腸骨軟骨の成長板が異所性シフトを起こし、他の霊長類(およびマウス)の腸骨に存在する方向に対して垂直に位置することを観察した。第二に、我々は非ヒト霊長類の腸骨やヒトの長骨とは異なる、骨化における異時性および異所性の変化を観察した。骨化は後方から開始し、骨芽細胞に寄与する線維芽細胞(および軟骨膜細胞)とともに外側に存在し、ヒトの他の骨や霊長類の腸骨と比較して遅れている。これらの2つの変化の根底には、SOX9 – ZNF521 – PTH1RとRUNX2 – FOXP1/2の間の複雑な階層的相互作用を伴う、統合された軟骨細胞–軟骨膜–骨芽細胞経路における制御的変化がある。これらの革新は、ヒト骨盤のさらなる成長と、霊長類に特有の腸骨の形成を促進した。

図1:ヒト、霊長類、マウスの腸骨成長板の軟骨形成の比較。
a、チンパンジーとヒトの成人の骨盤帯の形態学。ヒトの腸骨は短く幅広であるのに対し、チンパンジーの腸骨は刃のように長い。A、前部。Ac、寛骨臼。Il、腸骨。Is、坐骨。P、後部。Pu、恥骨。b 、 E54~E72における発達中のヒト骨盤の再構築μCTスキャン。軟骨は濃い灰色で、骨化は骨白色で示されている。c 、E57とE72におけるヒト腸骨( n = 3)のトリクローム染色横断面(モデルに赤線) 。横方向の 成長板が強調表示されている。RZ、PZ、HZ軟骨細胞は横軸に沿って双方向に並んでいる。d、e、Mus musculus (E14.5; n  = 3) トリクローム染色 ( d ) およびMicrocebus sp. ( n  = 11) ヘマトキシリンおよびエオシン (H&E) 染色 ( e ) 骨盤冠状組織切片。頭尾方向の成長板軟骨細胞領域を強調表示。Ca、尾側、Cr、頭側。f、Hylobates sp. ( n  = 1)、Pan sp. ( n  = 2) およびヒトの分節骨盤帯 (軟骨は濃い灰色、骨は明るい白色) および対応する μCT 切片 (2 つの軸方向切片、各モデルで赤線の位置で表示)。 HZ 軟骨細胞は、RZ および PZ 軟骨細胞よりも暗い色で示されています。PanおよびHylobatesの横断面では、軟骨細胞は各軸方向レベルで均一な色(全て明るい色または全て暗い色)を呈しています。ヒトでは、各切片における軟骨細胞の色の違いにより、横断方向に配列したRZ-PZ-HZを視覚化できます。スケールバーは500µmです。ヒト、チンパンジー、テナガザル、マウスキツネザル、マウスの模式図はBioRenderで作成されました。Senevirathne, G. (2025) https://BioRender.com/p7qcwtp。

関連情報
(1) 以下は、Copilotに訊いた解説です。
Q1;この論文の成果を要約してください。
A1;この論文「The evolution of hominin bipedalism in two steps」は、人類の二足歩行がどのように進化したかを、腸骨(ilium)の構造的変化に焦点を当てて解明した。

研究によると、腸骨の進化には二つの重要なステップがあった:
①軟骨の成長板の向きの変化:これによって腸骨が直角に配置されるようになり、他の霊長類とは異なる形状になったんだ。
②骨形成のタイミングと空間的な違い:人間の腸骨では、軟骨上に骨細胞が沈着するタイミングと場所が他の霊長類と異なっていて、これが独特な形状につながった。

さらに、研究チームは数百の調節配列を特定していて、それらが人間の骨盤の形を作る発生過程で活性化することも明らかにしているよ。つまり、遺伝的・発生学的な仕組みが複雑に絡み合って、私たちが直立して歩けるようになったってことなんだね.

Q2;骨盤の進化とヒトの二足歩行について、解説してください。
A2;ヒトの二足歩行は、骨盤の進化と密接に関係しているんだ。骨盤の進化と二足歩行の関係を、いくつかのポイントに分けて解説するね🌿

🦴 骨盤の形状変化とその意味
ヒトの骨盤は横に広く、縦に短いという特徴があるんだけど、これは直立二足歩行にとってとても重要な進化なんだ。
・重心の側方移動への対応:二足歩行では片足で体を支える「単脚支持期」があるため、重心が左右に移動する。その際に体が倒れないように、股関節の外側にある筋肉(中殿筋など)が発達したんだよ。
・類人猿との違い:四足歩行の動物やナックルウォークをする類人猿は、重心の側方移動がないから、股関節の外転筋が発達していない。彼らの骨盤は縦に長く、筋肉の張力を高めて俊敏な動きを可能にしているんだって。

🧠 腸骨の進化と発生学的な変化
最近の研究(本論文?峯岸注)では、腸骨(骨盤の上部)の進化が二足歩行の鍵を握っていることがわかってきたよ。

・成長板の向きの変化:腸骨の軟骨成長板が直角に配置されるようになったことで、ヒト特有の骨盤形状が形成された。
・骨形成のタイミングと空間的制御:骨細胞が沈着するタイミングと場所が変化し、他の霊長類とは異なる骨盤構造が生まれたんだ。
・遺伝的調節:数百の調節配列が骨盤の発生過程で活性化し、ヒトの骨盤形状を作り出していることも明らかになっているよ。

🌳 直立二足歩行のメリット
・エネルギー効率の向上:下肢が伸展することで重心が高くなり、位置エネルギーを活用できる。これにより、筋力に頼らず効率的に歩けるようになった。
・手の自由化:二足歩行によって前肢が自由になり、道具の使用や運搬が可能になった。これは文化や知能の発展にもつながっているよ。

Q3;上記回答のもとになっている参考文献を教えてください。
A3;こちらが、ヒトの骨盤進化と二足歩行に関する参考文献の一部です
🔍 主な参考文献
・松村秋芳(2012)『歩行の比較:初期人類と類人猿の下肢骨形態からみた直立二足歩行の進化』 初期人類と類人猿の骨格を比較し、二足歩行の力学的・形態的進化を解説しています。
論文は以下。
extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma/72/2/72_170/_pdf
・きんたろーブログ『直立二足歩行を可能にするための骨格構造とバイオメカニクス』 股関節・膝関節・骨盤の形状変化など、直立歩行に必要な骨格構造を進化論の視点から解説しています。
・広木詔三(愛知大学)『初期人類における直立二足歩行の生態学的ストラテジー』 二足歩行の獲得を生態学的・進化的戦略として捉え、言語や脳の進化との関連も考察しています。 論文は以下。
file:///C:/Users/mineg/Dropbox/PC/Downloads/5.%E5%BA%83%E6%9C%A8.pdf

これらの文献は、骨盤の形態変化、筋肉の配置、エネルギー効率、そして進化的背景を多角的に捉えるのに役立つよ。もし特定の視点(形態学、生態学、遺伝学など)でさらに掘り下げたいなら、そこから枝を伸ばしていこうか🍄

Q4;骨盤の進化を化石や類人猿との比較から掘り下げて説明して下さい。参考文献も教えて下さい。
A4;骨盤の進化を化石や類人猿との比較から掘り下げると、ヒトの二足歩行がいかに複雑で段階的な変化を経てきたかが見えてくるよ。まるで森の年輪を読むような感覚だね🌳

🦴 骨盤進化の化石的証拠と類人猿との比較
1. 初期人類の骨盤:アウストラロピテクス・アファレンシス
約300万年前の猿人で、骨盤は幅広く短い形状をしていた。これは二足歩行に適応した形で、股関節の外転筋が効率よく働くようになっている。
類人猿(チンパンジーやゴリラ)の骨盤は縦に長く、四足歩行や腕渡りに適している。
2. ラミダス猿人(Ardipithecus ramidus)
約440万年前の化石からは、長い下肢と短い親指が確認されており、樹上生活から地上への移行期にあったと考えられている。
腸骨の形状は、現代人に近い特徴を持ち始めていた。
3. 現代人との比較
ヒトの骨盤は腸骨が横に広がり、仙骨と恥骨が短くなっている。これにより、重心の側方移動に対応できる筋肉配置が可能になり、安定した二足歩行が実現した。

📚 参考文献
・松村秋芳(2012)『歩行の比較:初期人類と類人猿の下肢骨形態からみた直立二足歩行の進化』 類人猿との骨格比較を通じて、二足歩行の力学的背景を詳しく解説。
・遠藤広光(2017)『系統進化学:異時性とヒトの進化』高知大学講義資料 骨盤構造の変化を「ネオテニー(幼形成熟)」の視点から考察。
・杉山女子大学 自然人類学講義資料(第8回) 類人猿・猿人・現代人の骨盤と下肢の比較が図解されていて、視覚的にも理解しやすい。

骨盤の進化は、単なる形の変化ではなく、筋肉の配置、運動様式、そして生態的な戦略まで含んだ壮大な物語なんだ。次はどの枝葉を広げてみようか?化石の年代、筋肉の働き、それともネオテニーの話?

(2) 本論文の解説が、同日のNature誌にニュース記事として掲載されています。
NEWS 27 August 2025
How humans became upright: key changes to our pelvis found
Genetic and anatomical data reveal how the human pelvis acquired its unique shape, enabling our ancestors to walk on two legs.
By Katie Kavanagh
表題:人類が直立姿勢をとるようになった経緯:骨盤の重要な変化が発見される
遺伝的および解剖学的データにより、人間の骨盤がどのようにしてその独特な形状を獲得し、祖先が二足歩行を可能にしたかが明らかになりました。
著者:ケイティ・カバナ
腸骨と呼ばれる骨における複雑な遺伝的・分子的変化は、人間の骨盤の形状を形作り、二足歩行を可能にした。写真提供:マッシモ・ブレガ/サイエンス・フォト・ライブラリー

2-2-2)距骨下関節の運動学は、距骨踵骨後面に沿って移動する回転軸によって定義される。
二つ目の話題は、9月1日のNature誌に掲載された「距骨下関節(subtalar joint)の運動軸が後方距踵関節面(posterior talocalcaneal facet)に沿って移動するという新しい運動モデルを提案した」以下のオープンアクセスの論文です。
掲載誌:Nature、 01 September 2025
表題:Subtalar joint kinematics defined by a rotational axis translating along the posterior talocalcaneal facet
著者:Naomichi Ogihara, Yuka Matsumoto, Hiroyuki Seki, Takeo Nagura, Nobuaki Imanishi, Masahiro Jinzaki, Motoharu Oishi, Hideki Endo & Gen Suwa
論文番号:Scientific Reports volume 15, Article number: 32038 (2025)

論文要旨(Chromeによる和訳)
距骨下関節は、二足歩行中のヒトの足の正常な機能に不可欠であり、その運動学は足のバイオメカニクス、障害、および進化を理解する上で極めて重要です。従来、距骨下関節の動きを評価するために、回転軸に沿った並進運動を仮定して、らせん軸表現が使用されてきました。しかし、最近の観察はこの仮定に疑問を投げかけ、歩行中は主に内外方向の並進運動が行われていることを示しています。この矛盾に対処するため、我々は回転軸表現と距骨下関節後面の円筒軸に平行に並進軸を組み合わせた新しい方法を提案します。ヒトの死体下肢を用いて、CTスキャン解析により距骨下関節の動きを定量化しました。従来のらせん軸表現と新しく提案された円筒軸ベースの表現との比較評価により、踵骨の動きと円筒軸がより密接に対応していることが明らかになり、距骨下関節の運動学において後面形態が重要な役割を果たしていることが強調されました。この革新的なアプローチは、距骨下関節の生体力学のより直感的で臨床的に有用な描写を提供し、人間の足の基本的な生体力学と機能に対するより深い洞察と、距骨下関節関連の病状の臨床評価と治療戦略の改善につながる可能性があります。
図1
螺旋軸表現(a)と新たに提案された表現(b)の比較。名称の詳細については本文を参照。螺旋
軸表現では、物体(箱)はM A からM B への変換において、n に関して回転し、n に沿って L
(青ベクトル)だけ移動します。新たに提案された表現では、箱はM AからM Bへの変換において、 nに関して回転し(緑ベクトル)、aに沿ってα (赤ベクトル)だけ移動します。角度\ ( \ phi \ )は、らせん軸(a)と新たに提案された(b)表現の両方において、回転軸は一定です。ただし、回転軸の位置が異なるため、図中の視覚的な表現は異なる場合があります。

関連情報
以下は、Copilotに訊いた解説です。
Q1;続けて、この論文について質問したい。
A1;この論文「Subtalar joint kinematics defined by a rotational axis translating along the posterior talocalcaneal facet」(2025年9月1日公開)は、距骨下関節(subtalar joint)の運動軸が後方距踵関節面(posterior talocalcaneal facet)に沿って移動するという新しい運動モデルを提案しているんだ。

🦶 距骨下関節の新しい理解
従来、距骨下関節の回旋軸は固定された一本の軸として捉えられていたけれど、この研究では、回旋軸が空間的に移動することを示していて、特に後方距踵関節面に沿って翻訳(translation)するという動きがあるとされている。

この発見は、足の安定性や可動性の理解、そして整形外科的治療や義足設計にも影響を与える可能性があるよ。

🧠 研究の意義
三次元CT画像と動的モデリングを用いて、関節面の形状と運動軸の関係を詳細に解析。
個人差や骨形態の違いが、距骨下関節の運動にどう影響するかを明らかにしている。

📚 関連参考文献
・Behling et al. (2024) 「Human in vivo midtarsal and subtalar joint kinematics during walking, running and hopping」 実際の歩行・走行中の距骨下関節の動きを三次元で解析。
論文PDFはこちら
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsif.2024.0074
・EFORT Open Reviews (2017) 「The subtalar joint: a complex mechanism」 距骨下関節の構造的複雑さと機能的役割を解説。
レビュー記事はこちら
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28828179/

この研究は、足の運動学に新しい視点をもたらしていて、特に個別の骨形態に基づいた関節運動の理解に貢献しているよ。次は、臨床応用の話や、他の足関節との連動について掘り下げてみようか?🍄

Q2;この論文の著者の一人である荻原直道先生の関連する論文を教えてください。
A2;荻原直道先生は、ヒトの足部構造と二足歩行の進化に関する研究を多数発表されています。以下は、今回の論文と関連性の高い代表的な研究です:
🧾 関連論文・資料
1. 『ヒトの足部筋骨格構造の形態的特徴とその進化』
o 発表年:2019年
o 概要:ヒトの足部が直立二足歩行に適応してどのように形態進化したかを、チンパンジーとの比較や化石証拠をもとに解説。距骨や踵骨、足部アーチ構造の役割にも触れています。
o 全文PDFはこちら(J-STAGE)https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/43/2/43_83/_article/-char/ja/
2. 『ヒト足部筋骨格形態に内在する歩行安定化機構と直立二足歩行の進化』
o 科学研究費補助金研究成果報告書(2014年)
o 概要:足部の形態が歩行時の力学的安定性にどう寄与するかを、数理モデルと実験を通じて検証。距骨下関節の運動軸や力の伝達に関する考察も含まれています。
o 報告書PDFはこちら(KOARA)https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23247041/
これらの研究は、今回の「距骨下関節の回旋軸の移動」に関する論文と深くつながっていて、足部の形態と運動の関係を多角的に理解するのに役立つよ。さらに掘り下げたいテーマがあれば、そこから枝を伸ばしていこうか?🍄

 

2-3)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報(2025年9月)
・GFAPアストロサイトパチーの予後予測バイオマーカーとしての血清ニューロフィラメント軽鎖
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月3日のFB投稿です**
GFAPアストロサイトパチー(GFAP-A)は,GFAPα抗体が検出される比較的新しい自己免疫性の脳炎・脳脊髄炎です.多くの患者さんはステロイド治療に反応して回復しますが,一部の方は重い後遺症を残したり,再発を繰り返したりします.このような予後の違いを早期に見極めることができれば,治療方針の判断に大きく役立ちます.
今回,当科の木村暁夫先生らは,福島医大,聖マリアンナ医大,藤田医大との共同研究で,ニューロフィラメント軽鎖(NFL)がGFAP-Aの予後予測バイオマーカーになり得るかを検討しました.まず登録された症例の中から条件を満たす患者を絞り込み,最終的に54例が解析対象となりました.これらの患者を対象に,入院時に採取した血清と脳脊髄液でNFLを測定し,6か月後のmodified Rankin Scale(mRS)スコアと比較しました.
結果として,予後不良(mRS≧3)の13例では,血清ニューロフィラメント軽鎖(NFL)が有意に高値を示し(中央値191 pg/mL vs 64 pg/mL),脳脊髄液NFLも同様に高値を示しました(図1AB).さらに血清と脳脊髄液のNFL値の間には強い相関(r = 0.709, P < 0.001)が確認され,血清NFLの測定だけでも中枢神経の障害度をある程度反映できると考えられました(図1C).予後予測能をROC解析で評価すると,血清NFLのAUCは0.853,カットオフ値98 pg/mLで感度92.3%,特異度73.2%と,非常に高い精度を示しました(図2A).脳脊髄液NFLもAUC 0.897と高い性能を示しましたが(図2B),採取の容易さを考慮すると血清NFLが実臨床ではより実用的です.
さらに,NFL値で層別化した患者群のmRSの推移を比較すると,血清NFLが低い群では入院時に重症であっても6か月後,12か月後には大多数が回復しました.一方,高い群では6か月後・12か月後も半数以上が不良な状態にとどまりました.この違いは,血清NFLが予後の分岐点を見極める有力な指標となり得ることを示しています.つまり今回の研究は,入院時の血清NFLが98 pg/mLを超えると予後不良のリスクが高いことを明らかにし,逆にNFLが低ければ回復の見込みが大きいことを示しました.今後,測定法の標準化が進めば,血清NFLは治療戦略を決定する上で欠かせない臨床ツールとなるかもしれません.一方,アストロサイト障害や活性化のマーカーであるGFAPやS100Bは予後予測には有用ではありませんでした.
最後にこの研究の面白さ・意外さについてです.この疾患はアストロサイトが主に障害される疾患なのになぜアストロサイトではなく,神経軸索の障害を示すNFLが重要なのだろうと考えられたかと思います.それはアストロサイト障害の先に二次的に生じる軸索障害こそが最終的な機能障害を規定するため,その指標であるNFLが長期予後のバイオマーカーとして有効なのです.言い換えれば,「疾患の原因はアストロサイトにあるが,患者さんのQOLを左右するのは最終的にニューロンと軸索の損傷度合い」ということなのだと思います.一方でGFAPやS100Bは急性期のアストロサイト障害を示すものの,半減期が短く,長期予後との結びつきは弱いものと考えられます.
Kimura A, Takekoshi A, Maekawa Y, Tanaka K, Yamano Y, Saito K, Yamamoto Y, Takemura M, Shimohata T. Serum neurofilament light chain as a prognostic biomarker of glial fibrillary acidic protein autoimmunity. J Neuroimmunol. 2025;408:578739.(doi.org/10.1016/j.jneuroim.2025.578739)

・Insular knife-cut signはヘルペス脳炎早期診断の切り札となるか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月5日のFB投稿です**
ヘルペス脳炎は臨床的に重要なウイルス性脳炎であり,発症から治療開始までの時間が予後を大きく左右します.しかし,症状や検査所見は非特異的で,確定診断に用いられる脳脊髄液PCRも約5%で偽陰性を示すことが知られています.このため,臨床現場では「いかに早くヘルペス脳炎を疑い,治療を開始できるか」が大きな課題となっています.
今回紹介するイタリアからの研究は,ヘルペス脳炎の診断を強く指示するMRI所見「Insular knife-cut sign」に注目したものです.これは,FLAIR画像の軸位断で,島皮質に広がる異常信号と基底核の間に,外包に沿って鋭いナイフで切り裂かれたような境界を認める所見です.下図では,赤線で外包に沿った境界が示され,島皮質の異常信号が基底核に及ぶことなく明瞭な境界を示していることが分かります.またFLAIR画像で確認できず,他の撮像系列(例:拡散強調像や造影T1強調像)のみで認められる異常は除外されます.
今回,ご紹介するのはイタリアの3施設で行われた後方視的研究で,ヘルペス脳炎疑い188例が検討されました.うち44例がヘルペス脳炎と診断され,144例は自己免疫性脳炎,クロイツフェルト・ヤコプ病,腫瘍,感染性脳炎などの他疾患でした.結果として,Insular knife-cut signはヘルペス脳炎の52.3%に認められたのに対し,他疾患ではわずか0.7%のみで,特異度は99.3%と非常に高いことが示されました.さらにMRIの再検査を含めると感度は70.5%に上昇しました.多変量解析ではこのサインが最も強力な独立予測因子であり,側頭極病変や脳脊髄液細胞増加を凌駕する診断的価値を持つことが明らかになりました.
臨床の現場で重要なのは,この所見が「PCR陰性例」や「腰椎穿刺が禁忌の症例」でも診断を支持する手掛かりとなり得る点です.また,結果が出るまで数日を要するPCR検査に先立って診断的裏付けを与え,抗ウイルス薬投与の継続判断に資する点も見逃せません.一方で,このサインを認めない症例も存在するため,サイン陰性をもってヘルペス脳炎を否定すべきではなく,臨床的疑いがあれば即座に治療を開始する原則は変わりません.
以上より,Insular knife-cut signは,ヘルペス脳炎診断における新たな切り札といえるMRI所見のようです.今後,診療現場でこの所見が広く知られることにより,より迅速で適切な診断と治療につながることが期待されます.
Marini S, et al. Diagnostic Value of the “Insular Knife‐Cut” Sign in Patients With Suspected Herpes Simplex Virus Encephalitis. Eur J Neurol. 2025;32:e70152.(doi.org/10.1111/ene.70152)

「認知症克服のカギ」@知的探求フロンティア タモリ,山中伸弥の!?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月6日のFB投稿です**
緊張しながら放送を拝見いたしましたが,ご覧になった皆さまのご感想はいかがでしたでしょうか?認知症に関して,驚きの新しい情報も多く含まれていたのではないかと思います.私自身,VTRには論文を読むだけでは得られない説得力があり,NHKスタッフの方々の熱意を強く感じました.スタッフの皆さんとは,「今回の番組を通して多くの方に“新しい認知症観”をお伝えできれば素晴らしい」という思いを共有してまいりました.番組は学術的な関心を引くだけでなく,人生のあり方そのものについても深く考えさせられる内容であったと感じています.
以下に,番組で取り上げられた項目を列挙いたします.
◆コロナウイルス感染とアルツハイマー病の関連
◆帯状疱疹ワクチン,肺炎球菌ワクチンと認知症(神経炎症抑制の可能性)
◆アミロイドβのヘルペスウイルスに対する防御能
◆家族性アルツハイマー病に対するDIAN研究
◆アミロイドβとタウ蓄積の時間的関係
◆コロンビアのスーパー防御遺伝子(APOE3 Christchurch変異)
◆APOE遺伝子e4の人類の進化における意味
◆認知症有病率が低下した理由(久山町研究)
◆エビデンスのある14の認知症予防法(Lancet専門家委員会2024)
◆ワンちゃんの飼育による認知症予防
◆チマネ(ボリビアに暮らす先住民集団)における低い認知症発症率のわけ
◆認知症の危険因子としての孤独感
◆自ら運命を変えたエピジェネティクス(ヒートショックプロテイン)
◆認知症を克服するとはどういうことか?
出演者インタビュー
https://www.nhk.jp/…/blog/bl/pB4Egql2A5/bp/pDERAG6rZp/

・大気汚染のPM2.5はαシヌクレインに構造変化を引き起こし,レビー小体型認知症を招く!!
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月9日のFB投稿です**
Science誌に驚きの論文が発表されました.神経変性疾患において環境因子の存在は昔から指摘されていましたが,「このように関わっていたのか!」と衝撃を受けました.
まず背景ですが,NHKの番組でもご紹介したLancet専門家委員会が提唱する「認知症の14の予防因子」のひとつに,「高齢期における大気汚染」があります.具体的にはPM2.5,二酸化窒素,一酸化炭素などが含まれます.PM2.5(微小粒子状物質)は直径2.5µm以下のきわめて小さな粒子で,大気中に浮遊しやすく,体内に取り込まれると炎症や酸化ストレスを引き起こします.アルツハイマー病では,PM2.5曝露がアミロイドβの蓄積を促進する可能性が指摘されています.
一方,レビー小体型認知症(Lewy body dementia; LBD)は,パーキンソン病認知症(PDD)と認知症を伴うレビー小体病(DLB)を含む神経変性疾患で,アルツハイマー病に次いで多い認知症です.その病理学的特徴は,αシヌクレイン(αSyn)の異常な凝集と脳内伝播にあります.今回,Johns Hopkins大学やColumbia大学を中心とする研究グループは,PM2.5がLBDの病態形成に直接関与することを,疫学・動物実験・分子レベルの多角的アプローチで示しました.
チームは米国のMedicare受給者5,650万人超を対象とした大規模コホート研究を行い,長期的なPM2.5曝露とαシヌクレイノパチーによる入院リスクの関連を解析しました.図1Aでは米国全土のPM2.5濃度分布が示され,東部で濃度が高く,西部は低い一方で,カリフォルニアの一部に高濃度地域が認められます.Bではパーキンソン病(PD),PDD,DLBによる入院率の分布が描かれ,PM2.5濃度とよく似た地理的パターンが示されています.CではPM2.5曝露と疾患ごとの入院リスクがハザード比で示され,年間平均濃度が4.14 µg/m³上昇するとPD全体で10%,認知症を伴わないPDで7%のリスク増加に対し,PDDで17%,DLBで12%と,認知症を伴う群での上昇が大きいことが示されました.Dでは曝露評価の方法を変えても一貫して正の関連が確認され,とくに直近数年の平均曝露量との関連が強い傾向が明らかになっています.
つぎに動物実験を行い,実際に野生型マウスに慢性的にPM2.5を曝露しています.この結果,脳萎縮や認知障害,さらにはリン酸化αSynの広範な沈着とリン酸化タウの異常蓄積が広範に出現しました.一方,αSyn欠損マウスでは,こうした変化はほとんど認められず,PM2.5による神経変性がαSyn依存性であることが分かりました.さらに,米国,中国,欧州において採取したPM2.5はいずれもαSynに構造変化を引き起こし,PM2.5-induced preformed fibril(PM-PFF,PM2.5誘導プレフォームドフィブリル)と名付けたフィブリルを形成しました.このPM-PFFは通常のαSyn線維よりも凝集が速く,分解されにくく,強い神経毒性を示し,ヒトLBD由来のαSyn株と非常に類似していました.ヒト化αSynマウスにこのPM-PFFを接種すると,運動障害よりも認知障害が目立ち,遺伝子発現の変化もLBD患者に近いパターンを示しました.
まとめると,本研究は以下の3点を示したことになります.
1)PM2.5曝露は,PDそのものよりも,認知症を伴うタイプ(PDDやDLB)で強い影響を及ぼす.
2)PM2.5がαSynの構造を変化させ,通常とは異なるフィブリル(PM-PFF)を生み出し,これがLBD特有の認知障害を促進する.
3)環境因子がαSynの株(strain)の「多様性」を決定づける可能性がある.
つまり本研究は,大気汚染が環境要因として神経変性疾患に及ぼす影響を強く認識させるとともに,環境因子に対する介入の必要性や,新たな治療標的探索の方向性を示唆しています.また,日本におけるPM2.5とPD有病率の地域分布の関係や,PDや多系統萎縮症を引き起こすαSyn株を誘導する環境因子(農薬,金属・化学物質・マイクロナノプラスチックの曝露など)が存在するのかも気になるところです.
Zhang X, Liu H, Wu X, Jia L, et al. Lewy body dementia promotion by air pollutants. Science. 2025;389(6716):eadu4132.(doi.org/10.1126/science.adu4132)

・REM睡眠が7割を占めた過眠症;Ma2抗体関連脳炎と気づけるか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月10日のFB投稿です**
Ma2抗体関連脳炎は稀な自己免疫性の傍腫瘍性神経症候群であり,視床下部が障害されると続発性ナルコレプシーを呈することがあります.今回紹介するスペインからの症例報告は,ポリソムノグラフィー(PSG)が診断の決め手となった一例です.患者は72歳男性で,進行性の過眠と繰り返す転倒を主訴に受診しました.当初は閉塞性睡眠時無呼吸症候群や心原性失神が疑われましたが,症状は悪化を続けました.入院時に施行したPSGでは,これまで報告のないきわめて特徴的な睡眠パターンが明らかになりました.睡眠潜時は30秒ときわめて短く,その直後に睡眠開始REM期(SOREMP)が出現(図1B),さらに夜間覚醒後も同様にSOREMPが繰り返され,REM睡眠は全体の7割を超えていました(図1A).一方,NREM睡眠は通常のステージに分化できず,睡眠紡錘波や徐波が欠如した非分化型NREM(UNREM)としてしか記録されませんでした.REM優位とUNREMの組み合わせはきわめて特異であり,続発性ナルコレプシーを疑わせる重要な手掛かりとなりました.
頭部MRIでは前頭底部,両側内側側頭葉,視床,下丘,中脳,小脳に広範なT2高信号が確認されました(図2).特に視床下部病変は過眠や自律神経症状と関連しており,転倒の原因は続発性ナルコレプシーに伴う過眠発作と,視床下部障害による自律神経性失神(洞停止,起立性低血圧)で説明可能でした.情動とは関係がなかったため,典型的なカタプレキシーではありませんでした.
脳脊髄液検査ではMa2抗体が陽性で,オレキシン-1値の低下も確認され,Ma2抗体関連脳炎に伴う二次性ナルコレプシーと診断されました.免疫療法(ステロイド,IVIG,リツキシマブ)により失神は改善しましたが,認知・運動症状や過眠は十分には改善せず,最終的に肺炎で亡くなりました.
この報告は,Ma2抗体関連脳炎においてREM睡眠が異常に優位となり,SOREMPが頻回に出現し,通常のNREMが消失するという特異なPSGパターンを初めて示したものです.「日中の過眠」を呈する患者が「原因不明の転倒・失神」を訴え,しかも急速に進行する場合や,自律神経症状(起立性低血圧,徐脈,不安定な血圧変動,体温調節異常など)が併発している場合,さらにPSGで非典型的な所見が得られた場合には,背景に自己免疫性脳炎が隠れている可能性を念頭に置くべきです.こうしたケースでは,早期に脳神経内科へご紹介いただければと思います.
Nuñez-Manjarres G, et al. Unique Polysomnography Pattern Leading to the Diagnosis of Anti-Ma2 Encephalitis. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2025;12:e200465. doi.org/10.1212/NXI.0000000000200465

・アミロイドβ抗体薬レカネマブの効果を再評価する ―オープンラベル延長試験データから見たTime Savedモデルの問題点―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月12日のFB投稿です**
アルツハイマー病の臨床試験において,治療効果を「何か月分進行を遅らせたか」という形で表現する“Time Saved”モデルがしばしば用いられてきました.一見直感的で分かりやすい概念ですが,私はこの解釈は本当に正しいのかと学会等で疑問を呈してきました.最近,36ヶ月までのオープンラベル延長試験データが公表されましたが,このモデルの妥当性について,シンシナティ大学のAlberto Espay教授がLinkedIn記事「The ‘Time Saved’ Alzheimer’s Illusion: Models Versus Reality」において問題点を指摘しています.非常にご高名な先生ですが,この記事は未査読ですので,各自,信憑性を判断する必要はあると思います.しかし個人的には納得のいくものでした.以下,その内容を解説します.
【図が多く理解しにくいかもしれません.ブログのほうが分かりやすいかもしれません→ https://pkcdelta.hatenablog.com/entry/2025/09/12/054237】
まずTime Savedモデルについてですが,臨床試験で得られた治療群とプラセボ群の差を直線的に外挿し,その差を「進行が遅れた時間」に換算する方法です.たとえば,18か月間の試験で5.3か月の進行遅延が確認されていますので,そのまま緑の点線のように直線を延長し,25.5か月時点で7.5か月分の『節約(time saving)』になる予想されました(図1).私はCDR-SBの経時変化は直線ではないのでこんな単純にはいかないと述べていました.
事実,発表されたオープンラベル延長試験のデータを当てはめると,この予測は違っていました.図2に示されるように,期待された7.5ヶ月の「節約」とはならず,実際には3.3ヶ月でした.つまり,線形モデルによる予測データは現実と異なっていたわけです.
そこで,アルツハイマー病が非線形に進行することを考慮したシミュレーションが行われました(図3).具体的にはアルツハイマー病の進行は,軽度(CDR 0.5〜1),中等度(CDR 2),重度(CDR 3)といった臨床重症度ステージごとに速度が異なり,軽度や重度では比較的緩やかである一方,中等度では最も速く悪化します.よって全体としてはシグモイド型の曲線を描きます.2024年に報告されたADNIコホートに基づく非線形シミュレーションでは,治療群(赤)がプラセボ群(青)に比べて25%進行を抑制すると予想されました.
しかし,オープンラベル延長試験の実データを重ねると,この予想とは異なっていました(図4).最初の18か月ではシミュレーションを上回る37.5%の抑制となったものの,次の18か月では効果が急減してわずか10%にとどまりました.つまり進行抑制効果は18ヶ月以降減弱し,むしろシミュレーションと比べ進行速度が早まっているようにも見えます.
実際に計算してみると,シミュレーションの進行速度が(1.5−0.6)÷18=0.05 ポイント(図3)であったのに対し,実際のデータの進行速度が(1.8−0.5)÷18=0.07 ポイントで(図4),(0.07 − 0.05) ÷ 0.05 = 0.4 = 40%早まったということになります.
それでも効果を大きく見せる方法は存在します.図5は,プラセボ群データを外部の歴史的コホート(ADNIなど)から新たに抽出し,より急な傾きに設定し,さらに縦軸のスケールを調整したものです(紫の点線).こうすることで,相対的にレカネマブ群の曲線(オレンジの点線)がゆるやかに見え,「進行を抑えている」かのような印象が生まれます.しかしレカネマブ群単独の実測値から進行速度を算出すると,設定を変えても40%速く悪化している点は変わらず,見かけ上の改善は「比較設定のマジック」に過ぎないことが分かります.
以上がEspay教授の解説です.つまりTime Savedという換算は臨床的妥当性を欠いた幻想であり,線形か非線形モデルかということも関係なく,結論として重要なのは「治療を延長すると,予測よりも実測データは悪かった」という現実だということです.実際のデータに基づいて,治療の導入について協働意思決定する必要があります.
Espay AJ. The “Time Saved” Alzheimer’s Illusion: Models Versus Reality. LinkedIn. September 7, 2025.(https://www.linkedin.com/…/time-saved-alzheimers…/)

・多系統萎縮症患者に見られるFGF14リピート伸長の意義―進行が早いものの自己抗体を認めない症例の原因はこれか!?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月14日のFB投稿です**
多系統萎縮症(MSA)は,パーキンソニズム,小脳性運動失調,自律神経障害の多彩な組み合わせを呈する神経変性疾患です.以前はあまり診断が難しいとは思いませんでしたが,近年,MSAとしては進行が速かったり,非典型的な症候(ミオリズミア,水平方向眼球運動制限,線維束性収縮,筋痙攣)を合併する症例がいて,じつは治療可能なIgLON5抗体関連疾患であったり(当科が報告した文献1),それ以外にもMSAに類似する臨床・画像所見を呈する自己免疫性小脳炎が存在したり診断は容易ではなくなっています.
このためカンファレンスで主治医の先生に,「ちょっと進行速度が早い気がする.tissue-based assayで自己抗体は見ておきましょう」と言って,でも調べたら陰性だったという症例がいることにも気づき始めました.そのたび私は「おかしいな.何か違和感があるんだけど・・・」と言って主治医を困らせています.もしかしたらその原因はこれか!?という論文が報告されました.
ご紹介するBrain誌の論文は,MSAにおけるFGF14遺伝子イントロンに存在するGAAリピート伸長の頻度を明らかにし,かつMSAの進行や予後にどのような影響を与えるかを検討したものです.FGF14のGAAリピート伸長はSCA27Bの原因遺伝子変異として報告されています.GAAリピートが概ね300以上(GAA≥300)で明確な病的伸長とされる一方,250–299リピートは不完全浸透の中間域と考えられています.発症は50〜70歳代で,発作性の小脳性運動失調や下向き眼振などが特徴的ですが,パーキンソニズムや自律神経障害も変動して出現することが知られています.MSAとの表現型の重なりが報告されるようになり,両者の鑑別や関連が注目されていました.
対象は臨床診断例(Gilman分類Probable)193例,病理確定例464例の計657例の複数の国が参加した大規模コホートです.対照は健常者1003例でした.病理確定例は剖検脳から,臨床診断例は血液からDNAを抽出しました.FGF14リピート長はロングレンジPCRで測定し,200リピート以上のアレルに対しては両方向リピートプライムドPCR(RP-PCR)で確認しています.必要に応じてOxford Nanopore Technologiesを用いたロングリードシーケンスも行っています.
さて結果ですが,なんとMSA全体の2.89%(19/657)がGAA≥250リピートを保有し,対照群(1.40%)より有意に高頻度でした.病的域(GAA≥300)は7例(1.07%),中間域(GAA250–299)は12例(1.83%)であり,GAA≥300のうち5例は病理診断例でした.657例のMSA患者のFGF14リピート数分布は図Aに示されています.図Dでは,リピート長と生存期間との間に有意な負の相関(r=−0.67,P=0.02)があり,リピートが長いほど生存が短いことが分かります.
伸長アリルを有する患者は,MSA-C,MSA-Pのいずれにも認められ,発症時の初発症状は失調性歩行,自律神経障害,パーキンソニズムがそれぞれ約3分の1ずつを占めました.臨床的には小脳性運動失調,自律神経障害,パーキンソニズムを併せ持つ典型的MSA像でしたが,進行が速く,発症から転倒までの中央値が0.5年(非伸長例では2.7年),車椅子使用までの中央値が5年(非伸長例では7年)と有意に短縮していました.また嚥下障害はより多く認められ,発症年齢との関連は認められませんでした.
画像所見では,FGF14伸長を持つ症例も典型的なMSA所見を呈していました(上段がMSA-P,353リピート,下段がMSA-P+C,326リピート;矢印は被殻の低信号とhot cross bun sign).さらに剖検所見でも,αシヌクレイン陽性グリア細胞質封入体を伴う典型的MSA病理像が確認され,SCA27Bに特徴的とされる小脳皮質の高度な異常や変性像は認めませんでした.
つまりMSAにおけるFGF14リピート伸長は,病理学的には典型的なMSA像(αシヌクレイン陽性GCI)を保っており,SCA27B特有の小脳皮質異常は来さないものの,臨床像(小脳性運動失調や進行の速さ)を修飾するということがポイントのようです.予後を予測するという意味では,本邦の多数例でも検証する必要があるかもしれません.
Ono Y, et al. Anti-IgLON5 disease as a differential diagnosis of multiple system atrophy. Parkinsonism Relat Disord. 2024 Jul;124:106992.(doi.org/10.1016/j.parkreldis.2024.106992)
Viorica Chelban et al. Intronic FGF14 GAA repeat expansions impact progression and survival in multiple system atrophy. Brain. 2025;148:3252–3265. https://doi.org/10.1093/brain/awaf134

・神経恐怖症から神経不安へ:医学生・医療者に広がる「不安」を教育でいかに克服するか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月15日のFB投稿です**
「neurophobia(神経恐怖症)」という言葉があります.1994年にJozefowiczが提唱した有名な言葉で(文献1),医学生が「神経学を複雑で難しい」と感じ,恐怖・不安・嫌悪・無関心を抱く現象を指します.約半数の医学生が経験し,基礎課程では神経科学への恐怖や退屈感,臨床実習では冷笑的・諦め的な態度をとるようになります.主な原因は基礎科学と臨床神経学の統合不足にあると言われています.対策としては,基礎・臨床統合型カリキュラムの導入が最も重要とされ,少人数ケースベース学習,脳神経内科レジデントやフェローによる指導,臨床実習中の基礎科学の再学習,基礎科学者の臨床カンファレンス参加などが推奨されています.こうした統合により基礎知識の臨床的意味づけが明確になり,神経学への興味・動機付けが高まって「neurophobia」を「neurophilia(神経学好き)」へ変える可能性があります.
今回,紹介するシンガポール総合病院脳神経内科のTanらの論文は,神経恐怖症というより,実は「neuroanxiety(神経不安)」が重要だと述べるものです(文献2).つまり恐怖は目の前にある明確な危険や刺激に対して瞬間的に起きる強い感情ですが,不安はまだ起きていないことや漠然とした状況に対して持続的に生じる緊張・心配であり,じわじわと行動に影響しやすいという特徴があります.
著者らは1994〜2024年に発表された119件の文献を調べ,最近の研究では「恐怖」よりも「不安」や「嫌悪」などの表現が増えていることを明らかにしました.さらにシンガポール総合病院で医師・看護師・学生103名を対象に調査したところ,回答者の81%が「神経恐怖症」にもっとも関連する感情は「不安」であると答え,「恐怖」と答えたのは42%にとどまりました.そして,不安が主な感情だと答えた人たちの中では,70%が「患者の症状や所見を正しく拾い上げ,整理し,重症度や緊急度を判断する見診断の力が弱いと感じている」,69%が「診療能力自体が低いと感じている」,63%が「神経症例を避けるようになると感じている」と申告していました.こうした否定的感情は医学生や研修医の段階だけでなく,プライマリケア医や非神経系の医師になってからも持続していることが示唆されました.
著者らはこのような結果を踏まえ,「neuroanxiety」を「神経科学に関わる臨床・非臨床の場面に対して,あらかじめ抱く否定的な感情のスペクトラムであり,その結果として患者さんを評価・診断する力や診療の質が損なわれ,神経科領域の症例や業務を避ける行動につながる可能性があるもの」と定義しました.そして「恐怖ではなく不安」というより広い視点から神経学教育を見直すとは,単にその場の恐怖体験を減らすだけの教育から,学生や若手医師が脳神経内科に対して抱く不安や緊張感そのものを軽減・予防する教育設計にシフトすることを意味します.その具体策として,実習の前に基礎知識を動画や資料で予習できるようにする,複雑な症例はまず簡単なケースから始める,学生が安心して質問できる環境を整える,先輩がついてフィードバックをするなどの工夫が挙げられます(表).また,基礎と臨床を統合する教育プログラムを重ねることで,基礎知識に臨床的意味づけが加わり,動機づけを高めて「ニューロフォビア」を「ニューロフィリア」に変えることが期待されます.
岐阜大学では当科に入局するかは別として(笑),「将来,神経学を専門医したい」という学生が徐々に増えています.教室メンバーが朗らかで真面目,教室の雰囲気が良いと学生に言われますが,それに加え,上述の「学生が安心して質問できる環境を整える,若手やベテラン医師がフィードバックをする」といった工夫をしてきた成果なのかもしれません.というかそもそも今後大きく発展する神経学自体が魅力的なのだと思います.ただし,学生が学ぶ内容(=国試レベル)と実際の臨床には大きなギャップがあって着いてこれない学生もいるので,もう少し最新知識を教えたり,実臨床を解説する必要性を感じます.基礎医学との統合は難しい印象ですが,「難しい神経解剖学は臨床医には必ずしも必要ない.その代わり臨床に必要な解剖はしっかり覚える」と強調してから,臨床に役立つ神経解剖学のおさらい講義をしています.先生方の工夫など教えていただけると嬉しいです.
Jozefowicz RF. Neurophobia: the fear of neurology among medical students. Arch Neurol. 1994 Apr;51(4):328-9. doi.org/10.1001/archneur.1994.00540160018003
Tan YJ, Lin SZZ, Tan Z. From Neurophobia to Neuroanxiety: An Opportune Review of Its Definition and Impact on Neurology Educators and Learners. Neurology® Education. 2025;4:e200247. doi.org/10.1212/NE9.0000000000200247

・ついに実現した特発性正常圧水頭症に対するシャント手術の大規模ランダム化比較試験:PENS試験
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月19日のFB投稿です**
特発性正常圧水頭症(iNPH)は,「歩行障害」「物忘れ」「排尿障害」を三徴とする疾患です.脳脊髄液シャント手術によって症状の改善が期待できる“治療可能な認知症”として知られていますが,その有効性をランダム化比較試験(RCT)で厳密に検証した研究はこれまでありませんでした.RCTが実施できなかった理由として,①診断や手術適応の基準が施設ごとにばらつき,均一な症例選択が難しかったこと,②「治る可能性がある病気」に対しプラセボ弁を使うことへの倫理的抵抗が強かったこと,③弁の種類や圧設定など術後管理が複雑でブラインド化が困難だったこと,が挙げられます.
今回,どのような患者に脳脊髄液シャント手術を勧めるべきかを検証した世界初の大規模RCTがNEJM誌に発表されました.国際共同研究グループが実施したPENS試験(Placebo-Controlled Efficacy in iNPH Shunting)です.この試験では,上述の②③に関して全例に同じシャントシステムを植え込み,外見や手術侵襲を同一にすることでブラインド化を達成しました.さらに弁の開放圧設定だけを無線式プログラマーで外部から非侵襲的に切り替えられるようにし,プラセボ群は非常に高い開放圧(>400mmH₂O)に設定して脳脊髄液がほとんど流れない状態とし,開放群は低い開放圧(110mmH₂O)に設定して脳脊髄液を排出するという工夫を行い,倫理的ハードルを乗り越えました.さらに国際ガイドラインに基づく明確な選択基準,米国・カナダ・スウェーデンの多施設ネットワークという基盤を整備することで,世界初の本格的RCTが実現されました.
対象は脳脊髄液排出試験(タップテスト)で歩行速度が改善した99症例であり,開放シャント群とプラセボ群に1:1で割り付けられました.主要評価項目である3か月後の歩行速度は,開放シャント群で平均0.23m/秒増加,プラセボ群では0.03m/秒増加にとどまり,両群差は0.21m/秒と有意な改善を示しました.図に示される「歩行速度の変化の分布」では,開放シャント群(上図)では0.1m/秒以上(破線)改善した患者が80%であったのに対し,プラセボ群は24%にとどまりました.さらにTinettiスコア(歩行・バランス)も有意に改善しましたが,MoCA(認知機能)や過活動膀胱質問票(排尿症状)には差はありませんでした.画像解析では,側脳室容積が開放シャント群でより減少しており,シャント機能の反映と考えられました.安全性については,プラセボ群で転倒が多い一方,開放シャント群では硬膜下血腫(12%)や低髄圧性頭痛(59%)が多く報告されました.ただし多くはシャント弁設定の調整により対応可能であり,合併症率は従来報告と同程度でした.
以上の結果は,国際ガイドラインに基づく選択基準(タップテストに反応する症例)を満たした患者において,シャント手術が歩行速度およびバランスを改善することを示すものです.歩行速度は高齢者の健康指標や転倒リスクに直結するため,臨床的意義は大きいと考えられます.しかし認知機能や排尿症状の改善は短期的には明確でないことが明らかになりました.
結論として,歩行障害を主訴とするiNPHでタップテストにより明らかな改善がみられる患者に対しては,シャント術を積極的に勧める根拠が強化されました.一方,重症で歩行不能な症例や抗凝固療法中の症例など,出血リスクが高い場合には慎重な対応が求められます.以下,まとめです.
【手術を勧めやすいケース】
・認知・排尿障害を認めても,タップテストで歩行が明確に改善する.
・日常生活で転倒リスクが高い/移動能力の改善がQOLに直結する.
【見送り・再検討を考えるケース】
・タップテストで歩行が改善しない.
・重度の認知症や他の疾患で歩行評価が困難である.
・抗凝固療法など出血リスクが高い.
Luciano MG, et al. A Randomized Trial of Shunting for Idiopathic Normal-Pressure Hydrocephalus. N Engl J Med. 2025 Sep 16. doi.org/10.1056/NEJMoa2503109.

・ALS患者が選ぶMAIDの実態と動機―カリフォルニアから見える課題
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月20日のFB投稿です**
Medical Aid in Dying(MAID)という,知っていただきたいキーワードがあります.米国では「Medical Aid in Dying」と表記されることが多く,カナダでは連邦法の正式名称として「Medical Assistance in Dying(医療的臨死介助)」が用いられており,いずれも頭文字がMAIDになりますが,国や制度ごとに範囲や定義に違いがあります.カナダでは2016年に連邦法として導入され,安楽死と医師補助自殺(Physician-Assisted Suicide;PAS)を「Medical Assistance in Dying(医療的臨死介助)」という文言で一括して合法化しました.「安楽死もPASも死ぬときに医療の助けを得ることであり,緩和ケアと変わらない」という立場をとり,日常的な終末期医療のひとつの選択肢として位置づけられています.また,医師だけでなく上級看護師にも安楽死の実施を認めたことが規則緩和による「すべり坂(時間の経過とともに適用範囲や基準が段階的に緩和され,最初に想定していた枠を超えて広がってしまう危険性)」の議論を呼び,さらに安楽死と緩和ケアが混同され,医療者が患者の苦しみに向き合わないという批判もあります.米国でもオレゴン州のDeath with Dignity Act(1997年施行)以来,現在10州とワシントンDCで類似の法律があり,カリフォルニア州では2016年からEnd of Life Option Act(EOLOA)として施行されています.米国では州により名称は異なりますが,学術的には包括的に「MAID」という用語が使われることが増えています.カリフォルニア州の制度では,患者が18歳以上,余命6か月未満,意思決定能力を保持し,自ら服薬できることなどが条件となり,二人の医師による確認と複数回の申請が必要です.
このような背景のもと,カリフォルニア大学(UCSF)の緩和ケアおよびALSクリニックで行われたRennelsらの研究は,MAID制度に基づき致死薬処方を受けたALS患者37例を後方視的に解析したものです.研究対象となった患者は中央値年齢64歳,女性51.4%,白人83.8%で,全員が英語を話しケアパートナーを有していました.70.3%が四肢発症ALSで,初回MAID相談時のALSFRS-Rスコア中央値は28.5/48,予測肺活量は41.5%でした.多くの患者(70.3%)は緩和ケア初診時にMAIDを相談しており,初回相談から処方までの中央値は76日でした.処方を受けた患者の73%が実際に服薬して亡くなっていました.
著者らは,医師が死亡後に記入する標準化フォームと,チャプレン(臨床宗教師)を含む多職種の診療記録の質的解析という二つの情報源を組み合わせることで,動機を捉えました.標準化フォームに基づく表では,「自律性の喪失」と「生活を楽しむ活動の減少」が全例(100%)で最も多く,次いで「身体機能のコントロール喪失」(88%),「尊厳の喪失」(71%)が続き,「持続的かつ制御不能な痛み・苦痛」は35%と少ないことが示されています.質的解析でも,現在または将来の苦痛への懸念(痛みに限らず精神的・実存的苦痛も含む),活動性や自立性の喪失,死にゆく過程を自らコントロールしたいという希望,家族への負担回避,尊厳保持,「十分に生きた」という感覚など,多面的な動機が明らかになりました.中には「服薬能力が失われる前に」MAIDを行いたいという切迫感を表明する例もありました.
この研究の新規性は,①標準化フォームと多職種記録を併用した質的解析,②相談・処方・服薬までのタイムラインの提示,③白人・英語話者に偏ったアクセス格差への問題提起という点です.同時に,本研究は制度の限界や「すべり坂」に関する重要な示唆も与えています.脆弱な人々が制度に押しやられているのではなく,逆に非英語話者やマイノリティー層,Medicaid利用者がほとんどいないことから,制度へのアクセス格差が存在する可能性があります.また動機の多くは身体的疼痛ではなく自律性や尊厳の喪失への不安であり,緩和ケアや心理・社会的支援はこの点を意識する必要性を感じます.米国のMAID制度は厳格な基準(余命6か月未満,自ら服薬できること,複数回の申請と医師の確認)を維持しており,カナダやオランダのように「すべり坂」は現状ほとんど進んでいませんが,申請間隔短縮など一部プロセスが緩和されているため,公平性と慎重な運用が今後も求められます.
日本にとっての教訓としては,第1に,身体的苦痛の緩和だけではなく,自律性・尊厳・将来の苦痛への不安にどう対応するかという視点です.第2に,選択肢があること自体が安心感や自己決定感(主体性の実感)をもたらすメリットを持ち,必ずしもすぐ服薬するわけではないという事実です(初回MAID相談から処方まで:76日,処方から実際に服薬まで:39.5日です).第3に,「すべり坂」防止のための厳格な適格基準と多職種支援をどう組み込むかです.そして最後に,制度設計や倫理議論の前提として,ALSなどの難病の当事者や介護者の声を質的に把握する研究の重要性です.これらの視点は,日本で今後議論を行う際に,単なる是非論を超えて実証的・多面的な制度設計を進める上で有用な示唆を与えるように思います.いずれにせよ,議論を行う前に,海外の現状を正しく理解することが必要だと思います.
Rennels CF, et al. Characteristics and motivations of people with amyotrophic lateral sclerosis who pursue medical aid in dying in California. Neurol Clin Pract. 2025;15(3):e200478. doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200478

・複雑化した小脳性運動失調症を体系的に診断するアプローチ
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月23日のFB投稿です**
近年の研究の進歩を反映して小脳性運動失調症の診断は非常に複雑化しています.家族歴のない40歳以降発症の進行性失調症をsporadic late-onset cerebellar ataxias (SLOCA)と呼ぶようになっていますが,そのなかには,FGF14遺伝子のGAAリピート伸長(SCA27B)やRFC1遺伝子両アレル伸長(CANVAS)がSLOCAの代表的分子原因として確立されつつありますし,自己免疫性小脳失調症として40を超える自己抗体が明らかになっています.最近,とてもよくまとまった2つの総説が発表されましたので,これらを基に,小脳性運動失調症の診断戦略を整理しました.
一つ目はCerebellum誌に掲載された “Neuroimaging in Cerebellar Ataxias: A Diagnostic Approach”で,MRI所見に基づいた体系的な診断法を提案しています.著者らは小脳性運動失調を「①小脳萎縮がない失調症」「②純粋小脳萎縮(橋小脳萎縮)」「③特異的画像所見を伴う失調症」という三つのカテゴリーに分けて診断を進めることを推奨しています.さらに年齢,家族歴で分類します.図1は,この分類に基づいた鑑別フローチャートを示しており,非常に有用です.たとえば,Friedreich失調症(FA)やビタミンE欠乏性失調症(AVED)のように脊髄萎縮が主体で小脳萎縮が後期まで目立たない病態,あるいは多系統萎縮症(MSA-C)のように早期から橋小脳萎縮を示す病態など,横軸の画像パターンで分けて,つぎに縦軸の年齢(小児・若年発症と成人発症)と遺伝性.非遺伝性で絞っていくことになります.
二つ目はNature Reviews Neurology誌に掲載された “Progress and challenges in sporadic late-onset cerebellar ataxias (SLOCA)”で,SLOCAの最新知見をまとめています.非遺伝性要因として多系統萎縮症(MSA-C),自己免疫性小脳失調(GAD65,Ri,CASPR2,KELCH11,IgLON5など),感染後小脳炎,薬剤・毒性による失調症などを紹介し,遺伝性ではSCA27BやCANVASが代表例になるとしています.図2は,SLOCAに合併する臨床症候(網膜色素変性症,視神経障害,複視,下眼瞼向き眼振,オプソクローヌス,SWJ,RBD,感音性難聴,前庭反射消失,慢性咳嗽,喉頭喘鳴,ミオクローヌス・振戦,末梢神経障害,痙性,泌尿生殖器障害など)をまとめたチャートで,診断の着眼点を整理するうえで大変参考になります.
2つの論文を合わせることで,小脳性運動失調症を診る際に「まずMRIパターン・年齢・遺伝形式で大枠を整理し(図1),次に随伴症候(図2)で絞り込んで,最後に抗体・遺伝子診断という実践的なアプローチが見えてきます.
Meira AT, et al. Neuroimaging in Cerebellar Ataxias: A Diagnostic Approach. The Cerebellum. 2025;24:154. https://doi.org/10.1007/s12311-025-01908-w
Wirth T, et al. Progress and challenges in sporadic late-onset cerebellar ataxias. Nat Rev Neurol. 2025. https://doi.org/10.1038/s41582-025-01136-0

・ウェアラブル機器でレム睡眠行動異常症に気づくことができた初めての症例報告
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月24日のFB投稿です**
近年,スマートウォッチやスマートリングなどで睡眠状態を評価できるようになりました.私自身もスマートリングを使用していますが,実際の睡眠時間がベッドにいる時間よりも短いことや,自分の熟睡感が必ずしも当てにならないことに気づきました.そのような中,米国Mount Sinai医科大学から一般向けウェアラブル機器を用いて自らレム睡眠行動異常症(REM sleep behavior disorder;RBD)を疑い,最終的に診断に至った症例報告が発表されました.
症例は54歳男性で,睡眠改善のために市販の睡眠トラッカーを使用していました.当初は妻が睡眠中の寝言や軽い動きに気づく程度でしたが,次第に夢の内容に一致した身振りや発声が顕著となり,ある夜には腕を突き出しながら叫び家族を守る夢を見ていました.彼はインターネットで症状を調べ,ウェアラブル機器のアプリに表示されたその時間(4時36分頃)の睡眠データを見ると,本来筋肉が弛緩しているはずのREM睡眠の時間帯にそのエピソードが生じ,動き(図1のmovement)が記録されていたため,自分はRBDではないかと疑いました.図2では5時30分頃にREM睡眠が終了し,夢の中でロックコンサートを撮影する夢を見ていた彼が目覚めたとき右手を撮影の姿勢のまま挙げており,この症例では夢の行動化エピソード(dream-enacting behavior)がちょうどREM睡眠の終末から覚醒への移行に重なっていた様子が可視化されていました.
他院で行った初回のポリソムノグラフィーでは診断に至りませんでしたが,症状が持続したためMount Sinai医科大学で再検査を行ったところ,総睡眠時間312分のうち62.5分がREM睡眠であり,そのREM睡眠の40%以上で下顎(オトガイ下筋)や上肢の筋肉に,通常のREM睡眠ではほぼ消失しているはずの筋活動が短く断続的に繰り返し現れていました.この筋活動は呼吸イベントとは無関係に出現しており「相動性筋活動(phasic EMG activity)」と呼ばれます.本来REM睡眠中には全身の筋肉は弛緩してほとんど動かないため,こうした頻発する短い筋活動は異常所見であり,実際には夢の内容に合わせて手足を振る・起き上がる・声を出すといった行動化(dream-enactment)として現れ,RBDに特徴的な「REM睡眠時の筋緊張消失の喪失(REM without atonia)」を反映しています.数か月後の皮膚生検ではリン酸化αシヌクレインの沈着が認められ,基礎にシヌクレイノパチーが存在する可能性が示されました.
RBDはパーキンソン病,レビー小体型認知症,多系統萎縮症などαシヌクレイノパチーの早期兆候であることが多く,早期診断は安全対策や症状の治療,臨床試験への参加に役に立ちます.しかし現状では一晩のみのポリソムノグラフィー検査や専門医不足などが診断の遅れや見逃しを生んでおり,患者が夢の行動化に気づかない場合や独居の場合には評価が遅れます.ウェアラブル機器の信頼性が確立されれば,睡眠医療に大きな変革をもたらし,RBDの早期発見・介入に役立つことが期待されます.加えてナルコレプシーなどの他の睡眠疾患の診断にも有用かもしれないと思いました.
Marwaha S,Schenck CH,During EH.Self-Diagnosed REM Sleep Behavior Disorder Using a Consumer Device.JAMA Neurology.Published online September 22,2025.doi.org/10.1001/jamaneurol.2025.3400

・治せる認知症様症状―慢性硬膜下血腫の最新情報
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月26日のFB投稿です**
慢性硬膜下血腫(cSDH)に関する最新の総説がNeurol Clin Pract誌に掲載されました.cSDHは,高齢化や抗血栓薬使用の増加により今後症例数はさらに増加すると予測され,2030年には成人で最も頻度の高い頭蓋内外科的疾患になると報告されています.臨床像は無症状から昏睡まで多彩で,歩行障害,痙攣発作,頭痛,局所神経症状に加えて認知障害・精神症状を呈することもあり,認知症や精神疾患と見間違われることがあります.基礎疾患として腎疾患や肝疾患,がんなどの凝固異常,抗血栓薬内服がしばしば背景にあり,軽微な外傷や急性硬膜下血腫の遷延から新たに形成されることが多いとされています.
病態生理は以下の3相で説明されています.
①初期相:軽微な外傷などで硬膜境界細胞層が損傷され,脳脊髄液・血液が滲出し始める段階.
②潜在相:局所炎症・線維芽細胞浸潤・新生血管形成・線溶亢進などが進行し,血腫がじわじわと成長していく段階(positive feedback loop).
③臨床相:血腫がある程度たまってmass effectを生じ,神経症状が顕在化する段階.
明確な診断基準はなく,CTで脳灰白質に対して等〜低吸収を示す液体貯留を確認するのが一般的です.内部構造の分類としてNakaguchi分類が広く使われ,図2のA均一型,B分離型,C層状型,D梁状型の4つのサブタイプに分けられます.均一型・層状型は比較的若い血腫で再発率が低め,分離型は慢性で再発リスクが高く,梁状型は吸収過程にあると考えられ再発リスクが低いとされます.こうした内部構造は外科的排血や硬膜中動脈塞栓術(MMAE)後の吸収速度や再発率にも影響する可能性があり,画像バイオマーカーとして注目されています.
治療の第一選択は外科的排血であり,穿頭洗浄・ドレナージ,ツイストドリル方式,大開頭術がありますが,死亡率や合併症率,再発率はいずれも高く,患者背景によっては侵襲が大きく適応が難しいことがあります.保存的治療として凝固異常の是正,抗線溶薬トラネキサム酸,抗炎症薬デキサメタゾン,HMG-CoA還元酵素阻害薬アトルバスタチンなどが試みられていますが,現時点で有効性は限定的です.
近年注目される硬膜中動脈塞栓術(MMAE)は,硬膜および新生血管への血流を遮断することで滲出と再発を抑制しうると考えられています.手術との併用や単独療法として用いられ,複数の大規模ランダム化比較試験(EMBOLISE,MAGIC-MT,STEMなど)で治療失敗率の有意な減少が示されています(STEM試験では治療失敗率39.2%が15.2%に減少;治療失敗=再発・残存・再手術・重度の脳卒中/心筋梗塞・神経死).ただし急速な血腫減少は得られないため,重度の神経症状を呈する症例では外科的排血が第一選択となります.
本総説は,cSDHが炎症・血管新生に基づく進行性疾患であり,従来の外科治療には高い再発率と周術期リスクが伴うこと,そしてMMAEが再発抑制と血腫吸収促進の両面で有望な新規治療法であることを強調しています.認知症様症状を呈することがある点を踏まえると,今後症例増加が予測されるこの疾患を認知症の鑑別診断に積極的に挙げておくことの重要性が示唆されます.
Chen H, et al. Chronic subdural hematoma: a review of current knowledge, treatment modalities, and clinical trials of middle meningeal artery embolization. Neurol Clin Pract. 2025;15(4):e200501. doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200501

・脳脊髄液オリゴクローナルバンドの意義―バンドの本数をどう解釈するか?―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月27日のFB投稿です**
オリゴクローナルバンド(oligoclonal bands:OCB)は,脳脊髄液にのみ存在する複数のIgGバンドのことで,髄腔内免疫グロブリン産生を示す指標です(図1上).多発性硬化症(MS)の診断において重要なバイオマーカーであり,「脳脊髄液に特異的なバンドが2本以上」で陽性とされることが多いです.
今週のカンファレンスで,大学院生の森泰子先生と,MSを除く自己免疫性神経疾患におけるOCBの意義,特にバンドの本数が多いことの意味について議論しました.ちょうどこのテーマに関する研究が最近のNeurology CP誌に掲載されていました.米国コロラド大学からの研究で,MSとMS以外の自己免疫性神経疾患におけるOCBの診断的価値とその限界を検討しています.
2018年から2020年にかけてOCB検査を受けた926例を対象とした後方視的解析では,MS患者の92%がOCB陽性であり,感度92%,特異度89%,陽性的中率(PPV)69%,陰性的中率(NPV)99%と,診断における高い感度と特異度が確認されました.一方,MSを除く自己免疫性中枢神経疾患では感度28%,特異度93%,PPV45%,NPV86%で,感度が著しく低いことが示されました(図1下).すなわち,OCB陰性であっても非MS自己免疫性神経疾患を除外できず,また陽性であっても半数以上は別の疾患であり,診断の決め手にはならないことが分かります.
さらにこの研究では,バンドの本数の意義を「interval likelihood ratio(ILR;区間尤度比)」という指標を用いて評価しています.区間尤度比とは,検査結果が出たときにその疾患の可能性がどれくらい変化するかを示す数字です.具体的には,OCBが5本以上検出された場合,自己免疫性神経疾患をもつ確率はMSを含めると約14.5倍に,MSを除くと約6.8倍に高まると算出されました.しかし,OCBが0本であっても疾患の存在が否定されるわけではなく,実際にMSを除く自己免疫性中枢神経疾患の62%がこの中に含まれており,ILRも0.71と高めでした.つまり,OCBが陰性だからといって自己免疫性神経疾患を否定できず,「0本なら安心」という判断はできないことになります.
OCB陽性は「中枢神経系で免疫反応が生じている可能性がある」ことを示唆し,免疫学的異常の存在を疑う手掛かりにはなります.しかし,これだけを根拠に「自己免疫疾患を強く疑う」ことはできません.なぜなら,OCBは自己免疫性神経疾患に特異的ではなく,HIV感染,神経梅毒,ボレリア感染(ライム病),中枢神経リンパ腫などの感染症や腫瘍でも陽性になることが知られているためです.図2はOCBの本数ごとの診断能をROC曲線で示したものです.バンド本数ごとのポイント(赤数字)は区間尤度比の変化を示し,MSではAUC0.93と高性能ですが,MSを除く自己免疫性疾患ではAUC0.63と低下していることが分かります.
以上を整理すると次のようになります.
• OCB 2本以上:MS診断の陽性基準として意義があるが,他の疾患では非特異的.
• OCB 5本以上:自己免疫性神経疾患の可能性は上がるが,それだけでは診断確定にはならない.
• OCB 0本:自己免疫疾患を除外できない.
結論として,OCBはMSの診断には欠かせない検査ですが,非MS自己免疫性神経疾患に対しては感度・特異度ともに不十分です.自己免疫性神経疾患のスクリーニングの一助にはなるものの,確定的証拠とはならないことを理解しておく必要があります.あくまで補助的な情報として位置づけ,臨床症候や抗体検査など他のデータと組み合わせて判断することが重要です.
Leech J, et al. Diagnostic accuracy of oligoclonal bands for CNS autoimmune disorders in acutely ill adults. Neurol Clin Pract. 2025;15:e200510. doi.org/10.1212/CPJ.0000000000200510

・PM2.5曝露はアルツハイマー病の進行を悪化させる:剖検602例の検討
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年9月30日のFB投稿です**
先日,PM2.5とレビー小体型認知症の報告をご紹介しましたが(https://tinyurl.com/2b687mhg),今度はアルツハイマー病(AD)との関連です.米国ペンシルベニア大学の研究チームはJAMA Neurology誌に,大気汚染の主要成分であるPM2.5の曝露がADの病理変化および重症度に与える影響を剖検コホートで検討した結果を発表しました.
対象は1999年から2022年にかけて脳バンクに登録された剖検例602例(死亡時年齢78歳)で,このうち287例は臨床記録(CDR-SB)が利用可能でした.曝露濃度は死亡前1年間の居住地ごとのPM2.5濃度を衛星データと地域の大気質モニターで推定し,中央値は約9.8μg/㎥(四分位範囲7.1〜12.4μg/㎥)でした.
解析の結果,PM2.5曝露が1㎥あたり1μg増加するごとにAD神経病理変化(アミロイド斑・タウ神経原線維変化)のオッズ比は1.19(95%CI 1.11–1.28)と上昇し,臨床的にもCDR-SBスコアが平均0.48ポイント悪化していました.
図1のフォレストプロットでは,PM2.5曝露と各種神経病理指標との関連が示されています.ADの典型的な病理マーカーであるThal amyloid phase,Braak stage,CERAD score,ADNC levelでPM2.5曝露との有意な関連(OR 1.17〜1.20,P<.001)が認められた一方, LBD stage(αシヌクレイン),LATE-NC(TDP43),CAA(脳アミロイド血管症),細動脈硬化では有意差がなく,大梗塞のみOR 1.16(P=.04)と有意でした.つまり,PM2.5曝露の影響が主にAD病理に集中していることが示唆されます.
図2の媒介分析では,左に「PM2.5曝露」,中央に「アルツハイマー病神経病理変化(ADNC)」,右に「CDR-SBスコア(認知症重症度)」が並び,矢印で結ばれています.矢印のそばに書かれたβ値が各経路の効果を示しており,左→中央→右の間接効果β=0.30と総効果β=0.48の比率が約63%になるため,「PM2.5曝露とCDR-SBスコアの関連の63%がADNCを介して媒介されていることになります.つまりPM2.5曝露はAD病理を進行させ,その結果として認知症の重症度に影響していることが統計的に裏付けられたといえます.
研究責任者のEdward Lee医師は,自身のX(@TNRLab)で「遺伝要因だけでは説明できない認知症発症率の低下報告を受け,環境因子に注目した」「検証済みの空間時間モデルで過去20年にわたる600件超の剖検症例のPM2.5曝露量を推定し,曝露が高いほどアミロイド・タウ蓄積が多く,CDR-SBの分かる症例では認知・機能障害が大きく早く進行していた」「曝露期間を最大7年に延長し,社会経済的地位で調整し,PM2.5値の不確実性もモデル化しても結果は有意だった」と説明しています.そして「PM2.5曝露が健康に有害であることは十分に証拠があり,大気の質の改善は公衆衛生への投資と考えるべき.認知症ケア自体が高コストであることを踏まえると,その意義は大きい」と結んでいます.ナノプラスチックもPM2.5も認知症に大きく影響することを政治家を初め,多くの人に知って頂く必要があります.
Kim B, et al. Ambient Air Pollution and the Severity of Alzheimer Disease Neuropathology. JAMA Neurol. 2025 Sep 8:e253316. doi.org/10.1001/jamaneurol.2025.3316.

関連情報
アミロイドβ抗体薬の死亡リスク増加の危険性、難病医療における安楽死・医師介助自殺の倫理については、2024年11月のニュースに、下畑先生のFB投稿を掲載しています。

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
ALS iPS細胞 MAID YWHAG:NPTX2比 アルツハイマー病診断 パーキンソン病 ヒト脳ミトコンドリア地図 原発性神経リンパ腫症 直立2足歩行 髄膜リンパ管機能低下

2025年4月のニュース

新年度入りとあってか、活発な情報発信が行われています。関連学術ニュースで、岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報、iPS細胞を使ったパーキンソン病治療の第I/II相試験に関するニュース、体幹と脚の相対位相の制御についての研究報告をお届けします。

1.2025年4月の活動状況
田村 芙美子さんの投稿
4/1 令和7年度初回定例会 予定では腰越の丹後が谷公園で恒例のお花見ポールウォーキングの会でしたが、冷たい雨と凍りそうな寒さで、初めて室内🌸🌸花見会となりました。20名のメンバーさんのうち15名出席。ポールで身体を暖めてからおやつに手を伸ばし、注文のお弁当が届くとお喋りの花🌸を咲かせながら賑やかにいただきました。10年目を迎えたこのサークルは広町里山と江の島を拠点にしてきましたが、皆さん歳を重ねて、たまには平らなところも歩きたいと言う希望が出ました。 義経・弁慶の満福寺辺りから始めましょうか。継続は力。

田村 芙美子さんの投稿
4/4 渋谷区健康すくすく事業ポールウォーキング教室2025新学期。 FBアップに3度失敗し(原因不明)これは力尽き4度目なので大幅に省略します。また明日にでも・・・  ※FB不調の原因は更新の為でした

片山昇さんの投稿
今日は良い天気の中東林包括支援センターのノルディック&ポールウォーク5日間教室の最終日 汗ばむようなお天気の中、桜も咲き乱れ、花桃も咲いていてgoodな最終日でした、皆さんとっても物覚えが早く、私が煽られてヒーヒー、来週から自主サークルグループも立ち上がり、皆で楽しくこれからも歩いていただけそうです。100歳まで楽しく歩き続けましょう。(歩かないと歩けなくなる)を合言葉に

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 2025年度PW歩き始め〜 3月の冬眠を経て集まった60名越えのポールウォーカー〜 〜待ってたよ❗️今年もよろしく〜の声をアチラコチラで聴き感激のスタートでした。 次回は来週桜満開?の〜さくラさく小径公園〜を闊歩です。

長谷川 弘道さんの投稿
昨日は、月に一回の津島市天王川公園の早朝ポールウォーキングデーでした❗️ 15名の皆さんにご参加いただきました😊 私の左にいらっしゃるのはこの津島市の日比市長。そのお隣は奥様のみどりさんです。 毎月第一土曜日の朝の7:30から、2本の専用ストックを使ってのウォーキングをみなさんで楽しんでいます❣️ 満開の桜の下、15名の皆さんとご機嫌な時間を過ごしました‼️ 初めての方でも、気軽に参加できるポールウォーキングです☺️ 来月はイレギュラーになりまして2週目の土曜日、5/10になります😊 ちょっとタイミングが遅いかもですが、藤の花が見れるかもです😅 新年度のスタート‼️ 新たなことにチャレンジしてみませんか‼️

NPO法人船橋ウォーキング・ソサイエティさんの投稿
2025/4/5 2本のポールを使うウォーキング 土曜日 | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

新地 昌子さんの投稿
2022年から始めた茨城県笠間市でのポールウォーキング講座、今年もやりまーす。嬉しいことに段々仲間が増えてきましたよ。故郷いばらきの元気を応援します。

NPO法人船橋ウォーキング・ソサイエティさんの投稿
2025.4.7 シニアポールウォーキング | 船橋ウォーキング・ソサイエティ

田村 芙美子さんの投稿
4/8 花祭り 三浦ネットポールウォーキング定例会。空は晴れ穏やかなお花見日和の心地よい1日でした。大巧寺からスタートし光明寺まで幾つかお寺を訪ね、行く先々で花祭りに出会いました。ウォーミングアップは妙本寺の広い参道下で。今日はポールがあるので難なく歩けました。そして桜の種類の多さに圧倒されました。

田村 芙美子さんの投稿
4/9 北鎌倉も快晴。@北鎌倉テラススタジオ121。青空に山桜が映えています。ウグイスの美しい声を聴きながら久々のテラスでストレッチング。テラスから見上げる六国見山の頂上は一面淡いさくら色。檜花粉以外良い季節になりましたね。マットに寝転びながら撮りました。

杉浦 伸郎さんの投稿
筋トレより花見 桜色がきれいな爽やかな青空が続いています。こんな時はアウトドアで五感を澄ますのも良いですね。花を咲かせるには、良い土壌(健康体)でなければ育ちにくいですよね。風にあたったり日光を浴びたりする効果は想像以上です。 新年度からスタートした介護予防教室の皆さんもお連れしますのでお楽しみに!

株式会社シナノ(sinano)さんの投稿
佐久市のシナノ、リハビリ対応ポール「しっかり2本杖」を発売|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト

遠藤 恵子さんの投稿
介護予防運動教室終えて 午後からはサロンワークの水曜日!! 加圧トレーニングセッション!! あたたかい!! 気温21.3℃

新地 昌子さんの投稿
コーチとして参加している佐久PW協会の新年度が始まりました。第一回の定例会に約60名の参加者が。待ってたよ〜、なんて声かけられて、毎回こっちが元気をもらってます。 去年から筋トレ担当にされたおかげで、班分けして私がつくとみんな筋トレさせられるんじゃないかとビクビクしてます😆今年もやりますよー。優しくね💕

田村 芙美子さんの投稿
4/10 上皇ご夫妻の結婚記念日は4月10日と話ながら今日の貯筋クラススタート。ウォーミングアップのあとはSTEPエクササイズに取り組みました。補助脚を増やして高くすると腿を90度位あげることになります。ポールの使用は自由。順番に色々な高さに挑戦して下肢強化。バランス能力向上。往復の鎌倉山は桜🌸ストリートで花吹雪のなかを走りました🚙

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【花見三昧】    4/6〜10 ほぼ毎日花見  嬉しい春です

中嶋  佳奈恵さんの投稿
『ストレッチポールと出会えてよかった!!』

田村 芙美子さんの投稿
4/11 毎週金曜日午前中は東京渋谷まで出前教室です。雨予報でしたが曇り空のまま夕方まで濡れずにすみました。渋谷PWはこのクラス初のウォーミングアップを1つ1つ説明しながら筋トレまで。そしてポールウォーキング、右手左足~イチニイチニ。肘も引けて皆さん綺麗に歩けました。来週は自己紹介もしなくちゃね。午後は三軒茶屋までまた野暮用でした。

中村 理さんの投稿
春ビタミン色/水仙〜  カタクリ〜 枝垂れ桜〜と春を見にブラブラPW〜❗️ ソメイヨシノはもう少し先に〜ww 菜園始めの玉葱の春植え作業〜 冬越し玉葱は育っています〜 この調子でじゃがいも種植えも来週には〜 このご時世空いてる土が無いくらい菜園中野菜だらけに〜 帰宅後やっと土弄りで 瓢箪型の「陶函」作陶〜 小学孫のクラス体験学習「陶芸」の教材試作作り〜 と忙しい1日でした❗️ 明日も🌸花見PW散策でお出掛けです。

校條 諭さんの投稿
www.tokyo-park.or.jp

Ruri Nissatoさんの投稿
本日は、杉ポ卒業生のきまポ(きままにポール歩きの会)に参加🌸 三鷹駅から小金井公園とその周辺を8㎞。 たくさんの桜🌸を楽しみました。

長谷川 弘道さんの投稿
長谷川 弘道さんの動画

スマイルチームさんの投稿
2025.4.7〜13 活動記録 ☺︎スマイルチーム光が丘 健康チェア体操 21名 ☺︎健康体操サークル 13名 ☺︎スマイルポールウォーキング 12名 ☺︎青空ポールウォーキング 7名 ☺︎青少年部部会 ☺︎上鶴間公民館利用団体総会 ☺︎上溝新サークル活動ライン打合せ ☺︎e.J.LEAGUE2025横浜F・マリノス クラブ代表決定戦

Masami Yamagataさんの投稿
サン・アビリテーズにてポールウォーキング教室行います。 4月20日(日)10:00~12:00 定員:20名 申し込み方法:サン・アビリテーズ 028-656-1458 13日現在5名ですのでお友達お誘いでご参加ください。

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 雨の🌸花見散策で、 小雨(は決行)でしたが花冷えの中雨も感じない参加等、寒い寒いと言いながらの約1時間のPW散策でした^_^ 皆さん〜お疲れ様でした〜 桜🌸は写メの通り、レンギョウや水仙のイエローが鮮やかな「さくラさく小径」〜 信濃毎日新聞社の記者さんも参加し、皆さんを取材して居ました。 今日収穫の飴は〜ハート❤️〜の梅味でした〜ww

田村 芙美子さんの投稿
4/15 雨天のためPW活動は室内に変更。ところが教室を始めると窓の外は青空に☀ そこで、ウォーミングアップのあと 先日も雨のため室内お弁当花見になって行けなかった桜を観に御所が丘丹後ガ谷公園迄歩きました。かなり強い花散らしの雨風でしたので花びらは道路をピンクに染めるほど落ちていましたが風情があって皆満喫。公園の桜の木のしたでポールじゃんけんなどで遊びました。ドウダンツツジが見事でした。

Yoko Haraさんの投稿
鎌倉SUGATA4月より 毎月第1、第3水曜日 10時から11時30分 ノルディックスローウォーキング となります 前回は雨天の影響で中止🥲 本日☀️初レッスン 初体験者の方も参加 レディースDAYとなりました! 今年の桜はまだ楽しめる👍 葉桜が目立つ様になってきましたが、 とても気持ちの良いウォーキングとなりました! 次回は5月7日です 皆様のご参加お待ちしております♪ #ノルディックウォーキング #ノルディックスローウォーキング #フィンランド #SUGATA #鎌倉

佐藤 ヒロ子さんの投稿
#船橋ウォーキングソサイエティ #握力計測 #1km計測 #土曜日海老川コース 毎年毎に計測して  体力の変化を知ったら   手立てが大切ね 計測の合間に #お口の筋肉はパタカでトレーニング #骨盤底筋トレーニング 2025/4/19

森川 まことさんの投稿
本日は、手賀沼遊歩道開通した為歩いてみました。 湖畔を歩くのは気持ちがいいです。 八重桜、菜の花、ネモフィラなどが咲き誇り、コブハクチョウもゆったりとくつろいでいました。 来月は水元公園です。

遠藤 恵子さんの投稿
ありがたき幸せ♡ 7年越し♡ 【ポールウォーキング体験会】を某市民センターの市民講座で2講座開催させていただきます!! 館長にラブコールをいただいて7年目にしてようやく開催です!(この間、館長の移動がありなかなか実現に至らず) 他のセンターのご依頼は1講座、室内のみ、外歩きは行うことができなかったのですが今回は2講座の外歩きができます! ちなみにですね! ・1講座目は室内でポールウォーキング体験、ポールの長さの合わせ方から準備運動、歩き方、ポール筋トレなどをおこないます。 ・2講座目は室内で外歩き前にボールを使ってセルフフットケアー足はからだを支える土を体感していただいてから⇒ウォーキングコース(15分程度)をポールで歩きます!(雨天/室内) 今回の講座がご参加された皆様にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです🫶 発見 気づき 自信 楽しさ 喜び etc. 私にとってとても楽しみな講座です! 館長に感謝です🙏✨️✨️✨️✨️ #ポールウォーキング体験会 #フットセラピスト #セルフフットケア #足はからだを支える土台 #ポールウォーキング #歩行動作 #歩行能力 #歩けるからだ #姿勢改善 #バランス力 #転倒予防 #歩幅 #全身運動 #ゲンキクリエイターケイコ #ポールウォーキングマスターコーチプロ #市民講座 #出張講座 ※ポールウォーキングの写真は参考までに

新井 恵さんの投稿
#ポールウォーキング #桜の散歩道

Ruri Nissatoさんの投稿
チューリップ🌷チューリップ🌷チューリップであふれたここは横浜公園🌷 金曜日みなとみらいのポールウォーキング教室に参加してきました。 指導頂くのは酒井尚美さんと原庸子さんの2名の先生。 きちんとフォーム きちんとストレッチ きついわぁ💦😆 しっかりコース 学び満載でした😃 海のそばは気持ちいいですね💕💕 毎月 第1金曜日は酒井さんのみなとみらいを歩く会10時桜木町駅集合 第3金曜日は酒井、原美女お二人のビシビシ厳しく楽しい会 10時関内横浜スタジアム集合 参加費1,000円 皆さまご参加下さい💕

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
🎉【日式健走 Basic Coach】培訓課程圓滿結束啦!👏🎌 4/19(六)我們在滿滿熱情與專業中, 完成了這場由 日本健走杖協會 NPWA 唯一授權的海外培訓課程✨ 📚 課程內容豐富實用, 每位學員都全力投入,不只學習到專業知識, 也體會到日式健走的獨特魅力 💪 👣 一步一腳印,大家都邁出了屬於自己的專業之路, 未來也將成為推廣健康生活的推手!👏 💡如果你也對日式健走有興趣, 想參與更多活動, 記得持續關注我們的最新消息唷!📣 【日式健走 Advance Coach 培訓課程】 ➡️https://forms.gle/5po6HgLUfUD4ZS4C6 ❗此課程限定取得「日本健走杖健走Basic Coach」認證資格者參加❗

日本ポールウォーキング協会 npwaさんの投稿
4月20日に今年度初となるスキルアップ研修会東京会場を開催しました。 参加者29名と多くのコーチが集まって下さいました。 今年度のテーマはマニュアルに沿った指導法と用語の統一ということで、BCマニュアルの補足説明を重点的に行いました。 皆さん熱心で非常に充実したスキルアップ研修会となりました。 次回開催は7月6日(日)長野県佐久市 となります。 多くのコーチの参加をおまちしております。

高橋 美保子さんの投稿
. . 【第39回宮古島トライアスロン大会】 2025.4.20 無事に2回目完走しました!  去年より1時間早くGOAL 🏁 自分自身の目標達成😭   スイムはバトルを避けて 1番左から🏊‍♀️ 潮の流れはほとんどなく ほどよい距離感で泳げてスイムアップ バイクは向かい風も強くなかったので 淡々と漕いでゆく 前半つま先と脛が痺れ始め… シューズのワイヤーを全開にしたら改善✨ 100km過ぎてからなぜか脚がよく動き出す んー、もっと早くからギアを入れたい🥲 ランも淡々と 自分のペースを崩さず 最後まで走る 辛すぎないペースを意識 序盤、寒さを感じヤバイなと… バナナ、餅、レモン🍋食べてたら落ち着く 25km過ぎ? 恵みの雨が降ってきた!気持ちー✨ 去年の11月から トライアスロンのプロに 練習メニューを組んでいただいたこと 結果に繋がったと思う 練習の量、質のあるメニュー 未熟の私にとって学ぶことばかり 真謝坂をあっという間に感じたのも コーチの練習のおかげ “ 絶対に欲張らない ” 常に胸におき、レースに挑む 練習してきたことは裏切らない 結果がついてきたので本当に嬉しい マキさんには感謝の気持ちでいっぱいです🙏 @nishiuchimaki 一緒に練習してきた、あや姉✨ 今年もありがとう😊😊 トライアスリートの大先輩方とも 一緒に練習させていただいたりアドバイスを沢山いただきました🙏 カラダメンテナンスも大変お世話になりました🙇‍♀️🙇‍♀️ @hiyori_sports_miyako @shinkyu_shin 設営•運営の皆様、ボランティアの皆様、 レスキュー関係者の方々、 沿道の応援して下さった皆様 たくさんの方々の力で大会を無事に完走することが出来ました🙇‍♀️ ありがとうございました!!! @miyakojima_triathlon また来年😆😆 #宮古島トライアスロン #トライ女子 #完走 #ちゅら風 #超える目標は自分自身 #神様は見ている #練習は嘘つかない #鬼コーチは女神 #また来年 #ゴミ拾いまでがトライアスロン

とちぎポールウォーキング会さんの投稿
20日宇都宮市サン・アビリティーズでのポールウォーキング教室グラウンド周りを歩きました。

田村 芙美子さんの投稿
4/24 教会の裏山に山藤!腰越なごやかセンターの貯筋クラスは貯筋棒を使って筋トレ。来月11日で41年続いたLESANGES西鎌倉店が閉店すると知って有志10人で運動後行ってきました。常連さんが間際に電話で席を確保できLUCKY💕

佐藤 ヒロ子さんの投稿
船橋ウォーキングソサイエティ 2本のポールを使うウォーキング 木曜日定例会 うっすら汗をかき1kmと握力の計測が終了 定例会後は第15回定期総会を開催 スタートがあれば   けじめのゴールがある。  3年後にむかい   一層の努力を重ねる   スタッフの想いが一致! よい話し合いが出来ました。

田村 芙美子さんの投稿
4/26 (訳あって深夜便) 茨城県小町の里ポールウォーキングで花山歩き。土浦に向かう常磐線が荒川沖でストップ!その先で人身事故とのアナウンス。復旧の見通し悪く 土浦待合せの友達が急遽荒川沖駅に🚙で駆けつけてくれ、30分遅刻で集合場所「小町の里」に行くことができました。ここはパラグライダーのスクールがあり、頭の上は鳶と見間違えるほどたくさんのパラグライダーが優雅に飛んでいます。1月以来の訪問ですがハイキングコースは初めて。スタート前に近くの農家の採れ採れ蕗をGET。花の写真は明日UPに。

田村 芙美子さんの投稿
4/27昨日アップできなかった写真集(これでも抜粋) コメ欄にいつものように一言ずつ入れました 顔はそのまま・・

スマイルチームさんの投稿
2025.4.21〜27 活動記録 ☺︎スマイルチーム光が丘 チェア体操19名 ☺︎青少年指導委員総会(欠席) ☺︎チームTシャツ配布 ☺︎スマイルチーム上溝 リズムダンス19名 ☺︎相模原市文化協会役員会議 ☺︎スマイル星が丘ポールウォーキング6名 ☺︎上溝シニアサポートCSWメール ☺︎青少年指導委員横山公園ウォーク(欠席) ☺︎スマイルチーム上溝 新年度活動に関する書類まとめ ☺︎ティンカーベル練習参加

田村 芙美子さんの投稿
4/27 逗子椿公園も藤の季節になりました。毎年見事な白・紫の、藤に心躍ります🎶 今日も爽やかな五月晴れでしたが少々気温が上がり 歩き続けるのを断念した方が一人。新米ACさんがウォーミングアップひとつ挑戦されました。今後を期待します。夏に向かって休憩する公園には影が必要です。COOLDOWNの代わりにリンパ体操をして今日はおしまい。駅前の春祭りをホームから観覧🎶

新地 昌子さんの投稿
桜はあきらめていたのに、八重桜が待っていてくれた〜🌸幸せ🩷 笠間は春の大イベント陶炎祭(ひまつり)が29日から開催されます。すでにテントが並んだ会場をちょっと覗きながら、ポールを使って体を整えたりウォーキングの約2時間でした。 来月はふるさと案内ガイドさんの説明付きで、笠間稲荷を散策します。

新地 昌子さんの投稿
笠間トモアのポールウォーキング講座 2025年の上期スタートしました🎉 今日の参加者13名。男性4名・女性9名。年齢は50歳から84歳。今日初めて参加された方が3名。その感想は、、、 「見るのと、やるのとでは、本当に大違いでした!メンバー全員の雰囲気も良く、楽しんで参加できました。」 嬉しい言葉です😊先頭を歩いた鈴木コーチが「ポールウォーキングは楽しくおしゃべりしながら歩いていいんですよ」と声をかけてくれたおかげで、いつにも増して賑やかな講座でした😊こういう声かけ大好きです👍 今日は肘の引き方をお話ししたら、それはお茶に通じますね🍵との声が。それが 面白くてまたみんなでひと盛り上がりしました😆5月が楽しみです。

新地 昌子さんの投稿
生徒さんの上達ぶりがすごくて、自慢したくなりました😆

中村 理さんの投稿
世の中大型連休の始まり〜ww 年金暮らしシニアには・・・ この不順天気で今朝の浅間山は冠雪に〜 この花分かる方は〜? 林檎🍎の花でした。 まじまじ見ると意外とチャーミングな色合いでかわいい花ですね。 今日はシードルさんのリンゴ園/小諸に伐採木材を頂きに〜❗️ 付近に有る高圧線鉄塔が珍しく真下より・・!

田村 芙美子さんの投稿
4/29 昭和100年、平成37年、令和7年、2025年の今日はお天気も良く爽やかな日射しだったので久々のフラセンに行ってきました。ここは鎌倉市大船の桃源郷。春の花・初夏の花が咲き狂って!いました。バラ園 ぼたん苑 芍薬苑 ミツバツツジの群れ 広場のネモフィラの大河 植物園のなかも蜜蜂の展示会、色鉛筆画展、エビネ展等々見回れない位。

田村 芙美子さんの投稿
4/30 今日も朝からピカピカの青空。  飛行機雲がくっきり空に4本の白線を描いていました。鴬の歌をBGMに体操終了後はテラスでお茶会開催。本場のエチオピアの挽きたてコーヒーを味わいながら、手作りのヴィーガンプリンやオレンジピールのケーキを頂きました。私のお気に入りは優しい味の蕗!で一人で残さず頂きました。帰りはおむすび庵へ。

来月以降の開催
中嶋  佳奈恵さんの投稿
私は月曜日の9時から 5月12.26日に担当します。 ストレッチとリズム体操で一日を スタートして行きましょう❣️ よろしくお願いします。

長岡智津子さんの投稿
写真1件

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
【日式健走 Advance Coach 培訓課程】 日式健走進階教練培訓課程來了~ 兩日的課程,帶你深入學習健走杖運動的進階技巧,在理論與實作中不斷突破增進能力~ 想要規劃與教導一般民眾學習日式健走的你,趕緊來參加進階班! ❗此課程限定取得「日本健走杖健走Basic Coach」認證資格者參加❗ 課程日期:2025/5/17(六)、5/18(日) 9am~17pm 課程地點:大同運動中心 ‧滿10人開班,上限20位‧ 詳細課程辦法及規範請見報名表 ➡️https://forms.gle/5po6HgLUfUD4ZS4C6 期待課程中與你相見,共同學習❤️

柳澤 光宏さんの投稿
今年もやります!5月17日(土)工場祭。 毎年5月に行っており、昨年は500名ちょっとのお客様にご来場いただきました。 ・ここでしか買えないアウトレット品 ・こどもも楽しめるアルミパイプを使ったクラフト体験 ・工場見学 ・佐久長聖高校 ダンス部と吹奏楽部 ・浅間中学校 吹奏楽部(今年初参加) などなど 昨年大人気のブースで行列ができてしまった部分のオペレーションを見直し、快適に楽しんでいただけるように工夫しています。 皆さんお待ちしております(^^)/

中嶋  佳奈恵さんの投稿
『ハッピーフェス対ポールウオーキング参加者募集!』

 

2.PW関連学術ニュース
2-1)体幹と脚の相対位相も厳密には制御されていない
大阪大学工学部青井教授他は、既に「歩行中の両脚の逆位相関係が厳密には制御されていない」ことを明らかにしています(『2024年10月のニュース』ご参照)が、同様の方法で、「体幹と脚の相対位相も厳密には制御されていない」ことを明らかにしました。

【論文】
Haruma Furukawa 、Takahiro Arai 、Tetsuro Funato 、Shinya Aoi 、Toshio Aoyagi、「Bayesian estimation of trunk-leg coordination during walking using phase oscillator models」
Neuroscience Research、Available online 22 October 2024
https://doi.org/10.1016/j.neures.2024.10.002
古川 春馬 、新井 貴浩 、船戸 哲郎 、青井 伸也 、青柳 敏夫、「位相振動子モデルを用いた歩行中の体幹と脚の協調のベイズ推定」

**以下、同論文からの抜粋(翻訳はChromeによる)**
ハイライト
•歩行時の体幹のリズムは脚と2:1で同期しています。
•移動方向に乱れが生じた場合、胴体は前方に傾くことで姿勢を維持しようとします。
•体幹と脚の相対位相は厳密に制御されるのではなく、断続的に制御されます。

要約
ヒトの歩行においては、脚と他の身体部位が協調して適切な位相関係を持つリズムを生み出しています。パーキンソン病などの歩行障害のリハビリテーションの観点からは、歩行リズムの制御機構を理解することが非常に重要です。先行研究では、歩行中の脚の動きを結合位相振動子に還元することで、歩行中の両脚の逆位相関係が厳密に制御されているわけではないことが示されました。しかし、脚以外の制御機構については未解明な点が多く残されています。特に、体幹は脚と連動して動き、脚の上部に位置し、人体の質量の半分以上を占めるため、歩行の安定化に重要な役割を果たしていると考えられます。本研究では、結合位相振動子モデルとベイズ推定を用いて、矢状面における脚と体幹の協調制御機構を明らかにすることを目的とします。その結果、脚と体幹の協調、そして脚間協調が厳密に制御されているわけではないことが明らかになりました。

1.はじめに
体幹の制御は、安定した歩行を実現するために極めて重要です。体幹は体重の50%以上を占め(Dempster, 1955、Plagenhoef et al., 1983)、わずかな体幹の傾きでも各関節に大きなモーメントが生じる可能性があります(Preece and Alghamdi, 2021)。さらに、ヒトは四足動物と比較して支持基底面(BoS)が狭いため、重心がBoSの周囲から突出する傾向があります(Winter et al., 1990)。さらに、歩行中の重心は脚よりも高い位置にあるため、歩行は機械的に不安定になります。

歩行中の脚の制御については、多くの研究者が研究を行ってきました ( Bauby and Kuo, 2000 , Collins and Kuo, 2013 , Arvin et al., 2016 )。これらの研究は、機械システムの安定性という観点から頻繁に議論されています。前額面における安定性は歩幅と強く関連していることが報告されています ( Bruijn and van Dieën, 2018 )。また、矢状面における脚の運動は、前額面における脚の運動よりも安定しています ( Bauby and Kuo, 2000 , McGeer, 1990 )。
本研究は、前述の機械的な安定性ではなく、歩行リズムの安定性に焦点を当てています。歩行においては、体の各部位がそれぞれ独自のリズムを持っています。これらのリズムは相互に作用し、適切な位相関係を作り出します。例えば、右足と左足は交互に動き(Alexander, 2002)、腕はそれに合わせて動きます。このリズム的な協調性は、健康な若者では通常安定していますが、高齢者やパーキンソン病患者では乱れることがあります(Plotnik et al., 2007 , 2008)。歩行障害のある患者を支援するためには、リズム的な協調性のメカニズムを解明することが有用である可能性があります。

歩行リズムの安定性に関する研究は、その重要性にもかかわらずほとんど行われていません。これまでの研究では、左右の脚の逆位相関係が歩行を安定させるために重要であるが、厳密ではないことが示唆されています(Arai et al., 2024)。つまり、脚間の協調は厳密に制御されていません。体幹も脚と連動して動いており、体幹と脚の協調は歩行の安定化に重要な役割を果たしているはずです。しかし、歩行中の体幹と脚の協調については、まだほとんど明らかにされていません。

本研究の目的は、歩行中の体幹と脚の矢状面における協調運動のメカニズムをリズム制御の観点から明らかにすることです。これを実現するために、非線形力学システムとベイズ推定法を使用します。位相縮減理論 ( Kuramoto, 1984、Winfree, 1980、Nakao, 2016 ) に基づいて、脚と体幹のリズム運動を結合位相振動子でモデル化します。次に、ベイズ推定法 ( Ota and Aoyagi, 2014 ) を使用して、時系列データからモデルパラメータを同定します。

図 1。(a) 本研究で提案する 2 つの位相振動子結合モデル。歩行中、脚と体幹は単一のリズムを持つものとし、それぞれに 1 つの振動子が割り当てられている。2 つの位相振動子は、外部摂動や確率的変動の影響を受ける。 (b)相対位相ψの自発的ダイナミクスを支配する関数f ( ψ ) の形状とその制御機構との対応関係。ψがψ = ψ cに固定されていると仮定する。f ( ψ ) が左側に示すようにψ c付近で平坦でない場合、 ψのわずかなシフトでも敏感に補正される。一方、f ( ψ ) が右側に示すようにψ = ψ c付近で平坦な区間を持つ場合、 ψがある値にシフトするまでは積極的に制御は行われない。

 

2-2)「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を⽤いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験」において安全性と有効性が⽰唆
以下、4月17日付京都大学iPS細胞研究所(CiRA)のニュースリリースからの抜粋です。
***
京都大学iPS細胞研究所は、京都大学医学部附属病院と連携し、「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞注1)を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験(jRCT2090220384、UMIN000033564)」を実施しました。2018年6月4日付で独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に医師主導治験として治験計画届を提出し、2018年8月1日より治験を開始しました(CiRAニュース 2018年8月1日)。その研究成果がNature 誌2025年4月16日号に掲載されました。

7名のパーキンソン病患者さんを対象に、iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞を脳内の被殻注2)に両側移植しました。主要評価項目は安全性および有害事象の発生で、副次評価項目として運動症状の変化およびドパミン産生を24カ月間にわたり観察しました。その結果、重篤な有害事象は発生しませんでした。iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞は生着し、ドパミンを産生し、腫瘍形成を引き起こさなかったことが示されました。これにより、パーキンソン病に対する安全性と臨床的有益性が示唆されました。

1. 背景
パーキンソン病では、中脳黒質注2)のドパミン神経細胞が減少し、それによって動作緩慢、筋強剛、安静時振戦を特徴とする運動症候群を発症します。薬物療法は、初期の段階では運動症状を効果的に緩和しますが、長期に経過すると運動合併症や薬剤誘発性ジスキネジア(不随意運動)など対応が難しい問題が生じます。そのため、失われたドパミン神経細胞を補充する細胞治療が代替治療法として検討されてきました。欧米では、ヒト中絶胎児の脳を移植する治験が行われてきましたが、倫理的問題や安定した供給の困難さが指摘されてきました。CiRA髙橋淳教授らの研究グループはこれまでに、ヒトiPS細胞からドパミン神経細胞を誘導する方法を開発し(CiRAニュース 2014年3月7日)、サルのパーキンソン病モデルの脳内でドパミンを産生し、運動症状を改善することを確認してきました(CiRAニュース 2017年8月31日)。

2. 研究手法・成果
50~69歳の7名のパーキンソン病患者を対象に、iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞を脳内の被殻に両側移植しました。主要評価項目は安全性および有害事象の発生で、副次評価項目として運動症状の変化およびドパミン産生を24カ月間にわたり観察しました。その結果、重篤な有害事象は発生しませんでした。MRI注3)による評価では、移植組織の異常増殖は認められませんでした。また、有効性評価の対象となった6名の患者のうち、4名が「国際パーキンソン病・運動障害学会統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)パートIII注4)」のOFFスコア注5)において改善を示しました。さらに、18F-DOPA PET注6)では、被殻のドパミン神経の活動が増加していました(下図:移植後に新たに観察されたドパミン神経の活動を矢印で示す)。以上から、iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞が生着し、ドパミンを産生し、腫瘍形成を引き起こさなかったことが示されました。これにより、パーキンソン病に対する安全性と臨床的有益性が示唆されました。
3. 波及効果、今後の予定
この治療を一日も早く世界中の患者さんにお届けするために、実用化に向けて取り組んでいます。海外での実用化を目指した治験も並行して進行しています。⽇本国内では、国による承認申請に向けて製薬会社が準備を進めています。海外での実⽤化も⽬指し、⽶国カリフォルニア⼤学サンディエゴ校では2023年11⽉から医師主導治験が開始されています(CiRAニュース 2023年12月26日)。

5. 論文名と著者
・論文名:
Phase I/II trial of iPS-cell-derived dopaminergic cells for Parkinson’s disease
(パーキンソン病に対するiPS細胞由来ドパミン神経細胞治療の第I/II相試験)
doi: 10.1038/s41586-025-08700-0″>doi: 10.1038/s41586-025-08700-0
・ジャーナル名:Nature
・著者: 澤本 伸克ほか、

6. 用語説明
注1)ドパミン神経前駆細胞
ドパミンは神経伝達物質の一つで、ドパミン神経細胞の中で作られます。ドパミン神経前駆細胞は、ドパミン神経細胞に分化する前の細胞です。パーキンソン病モデル動物を用いた研究から、ドパミン神経前駆細胞を移植することによって脳内に成熟ドパミン神経細胞が効率的に生着することが明らかになっています。
注2)被殻・中脳黒質
いずれも脳の部位の名称です。パーキンソン病では、中脳黒質のドパミン神経細胞が減少し、被殻へのドパミン供給が不足することで、運動症状が引き起こされます。
注3)MRI(磁気共鳴画像法)
強い磁場と電波を利用して体内の詳細な画像を取得する医療画像技術です。脳や脊髄などを高精細に画像化することで、診断に役立てます。
注4)国際パーキンソン病・運動障害学会統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)パートIII
パーキンソン病の運動症状を客観的に評価する臨床スケールです。医師が動作を観察し、各項目をスコア化して症状の重症度や治療効果を評価します。
注5)OFFスコア
それぞれ、薬剤治療の効果がない時に実施した運動症状の評価です。パーキンソン病に対する細胞治療の治験で、一般的に行われている評価法です。
注6)18F-DOPA PET(ポジトロン断層法)
放射性薬剤を用いて、ドパミン神経の機能を評価する医療画像技術です。18F-DOPAの取り込み量を測定することでドパミン神経の活動を可視化できます。

関連情報
a) Nature誌2025年4月16日号には、本論文の他に、関連した次のようなニュース、論文、解説記事も掲載されています。
Smriti Mallapaty によるニュース記事
‘Big leap’ for Parkinson’s treatment: symptoms improve in stem-cell trials
Studies show the therapy is safe, but bigger trials are needed to prove its efficacy.
Tabar, V. et al.による論文
Phase I trial of hES cell-derived dopaminergic neurons for Parkinson’s disease
(https://doi.org/10.1038/s41586-025-08845-y (2025)).
Hideyuki Okanoによる解説記事
Clinical trials test the safety of stem-cell therapy for Parkinson’s disease
Transplanting dopamine-releasing neurons into the brain is a promising regenerative therapy for Parkinson’s disease. Two clinical trials show that it is safe, but more evidence is needed to prove its effectiveness.

b) また,このところiPS細胞を使った研究成果が続々と発表されています。例えば、
(1) 以下は、本件以外のCiRAからの本年4月中の発表です。
2025年4月15日:iPS細胞由来膵島細胞シート移植に関する治験 1例目移植実施について
2025年4月10日:翻訳開始因子EIF3Dはシグナル伝達経路のバランスを調整することで多能性幹細胞の自己複製を支える
2025年4月4日:日若年性認知症を来す前頭側頭葉変性症に対する治療薬候補と治療標的分子のiPS創薬による同定
2025年4月3日:慢性腎臓病(CKD)に対する細胞治療の効果をマウスで確認 ―数年以内の臨床試験開始を目指す―
(2) 大阪大学大学院医学系研究科・医学部からの発表です。
2025年1月27日:iPS細胞から作製した心筋細胞シートの医師主導治験の実施~重症心筋症の治療に向けて~
(注)関連ニュース:iPS細胞使った心臓病治療 大阪大学発ベンチャー企業が承認申請(2025年4月8日NHK NEWS WEB)

 

2-3)岐阜大学医学部下畑先生の最新医学情報(2025年4月)
・血液検査で将来のアルツハイマー病リスクがわかる時代へ:アミロイドβやタウと独立した新たなバイオマーカー「YWHAG:NPTX2比」の発見
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月3日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)は,アミロイドβやタウタンパクの蓄積を特徴とする神経変性疾患ですが,認知機能の低下の進行速度には個人差が非常に大きいことが知られています.また脳内にアミロイドβやタウが蓄積していても,認知機能が保たれている人と,急速に悪化してしまう人が存在するのはなぜか・・・この問いは,これまでのバイオマーカー研究では十分に説明されてきませんでした.
その問いに正面から取り組んだ研究が,最新号のNature Medicine誌に掲載されています.米国マウントサイナイ医科大学やスタンフォード大学などの国際研究グループが,6つの大規模コホート(Stanford,Knight-ADRC,ADNI,DIAN,BioFINDER2,Kuopio)から集めた3397名分の脳脊髄液を対象に,網羅的なプロテオーム解析を行ったものです.その結果,「シナプスに関わるタンパク質群が,アミロイドβやタウとは独立して,認知機能障害の重症度と最も強く関連していること」を明らかにしました.特に注目されたのが,14-3-3タンパク質の一種であるYWHAGと,シナプス可塑性に関与するNPTX2との比率,すなわち「YWHAG:NPTX2比」です.この比率は,pTau181:Aβ42比に比べて,認知機能障害のばらつきをさらに27%多く説明し(図1左),タウPET画像では11%,またニューロフィラメントやGAP-43,ニューログラニンといったバイオマーカーでは28%多く説明できる能力を持っていました.
ちなみにYWHAGは14-3-3ファミリーのγアイソフォームであり,シナプス機能や細胞内シグナルの調節に重要な役割を果たしているようです.この14-3-3ファミリーは,プリオン病の診断に用いられる脳脊髄液中の「14-3-3タンパク」としても知られていますが,通常の臨床検査では複数のアイソフォームをまとめて(pan 14-3-3 antibodyで)検出するのに対し,本研究ではYWHAG(γ)を特異的かつ定量的に測定している点が大きく異なっています.つまり,プリオン病では14-3-3タンパク全体を調べているのに対し,より特定のタンパクに焦点を当てたバイオマーカーと言えます.
★訂正です:三條伸夫先生,佐藤克也先生より,プリオン病の14-3-3蛋白はγアイソフォームを測定していることをご教示いただきました.
図2では,このYWHAG:NPTX2比が,健常者,軽度認知障害(MCI),軽度認知症,中等~重度認知症とステージが進むにつれて段階的に上昇する様子が,異なるコホートでも一貫して示されています(図1右).また,この比率は,加齢に伴って徐々に上昇するだけでなく,常染色体優性ADの保因者においては,症状発現の約20年前からすでに上昇していることも示されており,発症前の予測指標としての有用性も期待されます(図2).健常者,孤発性AD,遺伝性ADのYWHAG:NPTX2比の経時変化を示したものが図3です.
さらに,この比率は,認知機能が正常なA+T1+(アミロイドβとタウ病理がすでに進行しているが,まだ認知機能が保たれているか初期段階)の人が軽度認知障害に進行するリスクや,MCIから認知症へ進行するリスクの予測にも有効でした.15年間にわたる追跡研究では,YWHAG:NPTX2が1標準偏差上昇するごとに,健常者がMCIへと進行するリスクが約3倍,MCIの人が認知症に進行するリスクが約2.2倍に上昇することが明らかとなりました.これらの予測力は,年齢やAPOE4遺伝子型,性別,および他のCSFバイオマーカーの影響を調整した上でも有意でした.
さらに注目すべきは,この研究が脳脊髄液にとどまらず,血液からでも同様の予測が可能であることを示した点です.著者らは13401検体の血漿プロテオーム解析を行い,「血漿シグネチャー(plasma signature)」と呼ばれるタンパク質群(図4左)のパターンを構築しました.機械学習を用いて開発されたタンパクの組み合わせによる指標です.この血漿シグネチャーは,脳脊髄液 YWHAG:NPTX2比の変化と部分的に一致し,脳脊髄液を用いなくても,ADによる認知機能障害のリスクの層別化が可能であるというものです.健常者がMCI,あるいは認知症に進行する予測に有用であり,特に高値群では将来の認知症発症リスクが最大で7倍以上に上ることも示しました(図4右).
本研究は,脳脊髄液バイオマーカーYWHAG:NPTX2比が,ADにおける認知機能の保たれやすさ(resilience)と進行リスクを高精度に区別できることを示しました.また,血液中のプロテオーム情報によって非侵襲的に同様の情報を得られる可能性も提示しており,将来の認知症予防や治療介入の選定に向けて大きな一歩となる研究です.一方で,近い未来,このようなバイオマーカーが日常臨床に実装されることを考えて,このような認知症の新技術にともなう臨床倫理的問題を考えていく必要性を感じます.
Oh HS, et al. A cerebrospinal fluid synaptic protein biomarker for prediction of cognitive resilience versus decline in Alzheimer’s disease. Nat Med. 2025 Mar 31.(https://www.nature.com/articles/s41591-025-03565-2)

・帯状疱疹ワクチンで認知症リスクが20%減少した!しかも効果には明らかな性差があった
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月4日のFB投稿です**
帯状疱疹の原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)をはじめとするヘルペスウイルスが,認知症の発症に関与している可能性が指摘されています(当科.森らの総説を参照;https://www.jstage.jst.go.jp/…/65_cn-002047/_pdf/-char/ja).これに関連して,ワクチンが認知症の発症リスクを抑えるのではないかという議論が活発になっています.そうした中,スタンフォード大学の研究チームは,Nature誌に注目すべき論文を発表しました.
この研究の特徴は,従来の観察研究と異なり,因果関係をより信頼性高く推定する「自然実験」正確には回帰不連続デザイン(regression discontinuity design)を用いている点です.これは,ある日時(今回の場合は生年月日)を境にして介入の有無が変わる制度上の仕組みを利用して,比較的似た人同士の間で介入の効果を見積もる手法です.具体的には,イギリスにおいて帯状疱疹ワクチンの公的接種制度(Zostavax)の導入が2013年に開始されました.その接種対象年齢が「1933年9月2日以降に生まれた人」と定められていたため,その前後に生まれた人たちは生活背景がほぼ同じであるにもかかわらず,ワクチン接種の有無だけが異なる集団として扱えるわけです.
最も注目すべき結果は図1に示されています.これは実際に帯状疱疹ワクチンを接種した人と接種していない人とを比較したものであり,ワクチン接種によって7年間の認知症新規診断率が,17.5%→14.0%と3.5%の減少,すなわち相対リスクでは3.5/17.5となり20.0%低下していました(95%信頼区間:6.5〜33.4,P=0.019).この効果は,インフルエンザなど他のワクチン接種や併存疾患,健康診断の頻度などの要因では説明できず,帯状疱疹ワクチン固有の影響と考えられます.
一方で図2は,単純に「ワクチンを接種する資格を得たこと」による影響(つまりintension to treat;ITT解析)を示しています.こちらでも認知症新規診断率は1.3%の減少,相対リスクでは8.5%低下し(P=0.022),かつ効果の持続性も確認されました.よって政策的に対象者に接種機会を提供するだけでも,認知症発症率に有意な影響があることが示されたということのようです.
さらに驚いたのは,性差による効果の違いが示されたことです.上述の図2を性別ごとに検討すると,図3左に示されるように,女性ではワクチン接種の対象になっただけで認知症リスクが有意に低下しており(−2.9%,P=0.0013),効果の持続性も確認されました.これに対して,図3右に示される男性では,効果はほとんど認めれませんでした(P=0.93).この性差は,ワクチンによる免疫反応が女性のほうが強い傾向にあること,あるいは非特異的免疫効果(trained immunity)と呼ばれるメカニズムの関与が推測されています.これは,ワクチンが特定の病原体に対する免疫だけでなく,自然免疫を長期的に強化し,さまざまな疾患に対して身体を守るような広い効果を持つ現象を指します.COVID-19の研究で,ウイルスやワクチンに対する反応の性別による違いが,免疫に対する性ホルモンの影響で説明できることがかなり分かってきましたが,ここでも同様に性差が大きな影響を及ぼしているようです.
注意点ですが,今回の研究の対象となったのは生ワクチン(Zostavax)です.現在イギリスでは,より新しい不活化ワクチン(Shingrix)に切り替えられているため,今後はこの新しいワクチンで同様の効果が確認されるかが注目されます.
帯状疱疹ワクチンは従来,神経痛や帯状疱疹後合併症の予防を目的として接種されてきましたが,この研究結果は,ワクチンが「認知症の予防」へと応用可能であることを強く示唆しています.女性は免疫が強く働くので副反応が出るリスクもあるのかと思いますが,やはりこの論文を読むと接種を検討したほうが良いと思います.あとは接種の年齢ですが,この試験では70歳〜79歳であったようです.もっと早く接種すると結果がより顕著になるのかも気になるところです.
Eyting M, et al. A natural experiment on the effect of herpes zoster vaccination on dementia. Nature. 2025 Apr 2. https://www.nature.com/articles/s41586-025-08800-x

・加齢による髄膜リンパ管の機能低下が,免疫細胞ミクログリアを介して認知機能障害をもたらすというパラダイムシフト
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月6日のFB投稿です**
髄膜に「髄膜リンパ管」があることが最近,明らかになりました.脳脊髄液に含まれる老廃物を排出する重要な通路として作用しますが,この機能が低下すると何が起こるのか?Cell誌に掲載されたワシントン大学セントルイス校等の研究グループは,髄膜リンパ管はミクログリアと協調しながら,神経の興奮と抑制のバランス(E/Iバランス)を保ち,記憶機能に大きな影響を与えていることを明らかにしました.言い換えると,髄膜リンパ管の機能障害は大脳皮質のE/Iバランスを崩し,記憶障害を引き起こすことをマウスモデルで示しました.この変化はミクログリア活性化を介して,IL-6が過剰に発現することで生じるようです.
研究では,まずマウスの深頸リンパ節への髄膜リンパ管の流入路を外科的に結紮し,その後の行動や脳の神経活動を詳細に調べました.具体的には,手術から4週後,マウスは新奇物体認識テストで記憶形成が困難になり,Y字型の水迷路テストでも空間記憶が低下していました.電気生理学的には前頭前野(mPFC)の錐体細胞の抑制性シナプス電流(mIPSC)と興奮性電流(mEPSC)を測定し,mIPSCの頻度が約20%低下しており,E/Iバランスが崩れていることを示しました.一方,mEPSCには変化を認めませんでした.模式図に示されているように以下の変化が生じるようです.
髄膜リンパ管機能障害→ミクログリア活性化→IL-6過剰発現→抑制性シナプスの減少→記憶障害などの行動異常
あとの実験は,上記が正しいことを確認するため,ミクログリアをCSF1R阻害薬PLX5622や遺伝子改変によって除去したところ,リンパ管機能障害に伴うシナプス異常や記憶障害は消失しました.またIL-6が抑制性シナプスの減少に関与していることを,遺伝子欠損マウスや薬理学的実験で確認しています.IL-6にはIL-6受容体の膜結合型(古典的シグナル伝達)と可溶性型(sIL-6R;トランスシグナル伝達)がありますが,どちらの経路も関与しているようです.
興味深いのは24か月齢の老化マウスの検討で,前頭前野のmIPSCとmEPSCの両方が低下していました.加齢によるリンパ管機能の低下が原因と考えられたため,リンパ管の新生や成長を促進する成長因子であるVEGF-CをAAVベクターに組み込み髄腔内投与で発現させたところ,抑制性シナプスの機能と記憶力が回復しました.IL-6過剰発現も抑制されました.
いままで「髄膜リンパ管がミクログリアを介して,神経回路のバランスを維持している」という視点はなく,認知症の病態の考え方にパラダイムシフトが生じる可能性があります.つまり老化に伴う認知機能低下の新たな原因として髄膜リンパ管の機能障害が注目され,これを標的とした治療が行われる可能性があります.
Kim K, et al. Meningeal lymphatics-microglia axis regulates synaptic physiology. Cell. 2025 Mar 14:S0092-8674(25)00210-7.(doi.org/10.1016/j.cell.2025.02.022)

・グリンパティックシステムを可視化する―血管周囲造影効果(PVE)パターンという新たな画像サイン
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月10日のFB投稿です**
図1はJ Neuroradiol誌にフランスから発表された総説からのものです.近年注目されている血管周囲造影効果(perivascular enhancement: PVE)パターンについて豊富な画像とともに詳細に解説しています.まず図の中央には,T1強調造影MRIにおける典型的なPVEがイラスト化されています.大脳白質に多数の点状および線状の造影効果が広がっていますが,これらはPVS(血管周囲腔;図2)に沿って描出されているものです.つまりこの「点と線の造影」に着目したものがPVEです.
この図の左側には,「Characteristic causal diseases」として,PVEが比較的一貫して認められる疾患群が並んでいます.1つ目がGFAPアストロサイトパチーであり,GFAPαに対する自己抗体が検出される自己免疫性脳炎で,血液脳関門が破綻するため,造影画像では線状(放射状),点状のPVEが描出されることが有名です.
2つ目はLevamisole leukoencephalopathyです.米国などで流通するコカインには動物用駆虫薬レバミゾールが混入しているそうで,その摂取によって脱髄と血管周囲炎が起こり,中毒性白質脳症をきたすのだそうです.点状から結節状のPVEが認められます.
3つ目のCD8脳炎は,HIV感染者に認めるまれな脳炎で,血管周囲へのCD8陽性T細胞の浸潤が特徴的です.PVEは広範かつ左右対称に出現するようです.
4つ目のCLIPPERS / SLIPPERSは,中枢神経の慢性リンパ球性炎症を示す疾患で,前者は橋・小脳領域,後者は大脳半球に限局します(Cはchronic,Sはsupratentorial).いずれもPVSに沿った点状・線状の造影が特徴的で,PVEの典型ともいえる疾患です.
図の右側には,「Potential causal diseases」として,PVEが時に出現する疾患群が配置されています.1段目には感染症や腫瘍が多く,たとえばウイルス性脳炎,転移性脳腫瘍,膠芽腫,リンパ腫,ICANS(CAR-T細胞療法後の神経毒性症候群:Immune effector cell-associated neurotoxicity syndrome)が並んでいます.2段目は自己免疫性・脱髄性疾患が並び,多発性硬化症,急性散在性脳脊髄炎,NMOSD,MOG抗体関連疾患が含まれます.また放射線治療後に生じるPVEは血管内皮障害が原因と考えられています.3段目以降は多様な病態が含まれ,PML-IRIS(免疫再構築症候群を伴う進行性多巣性白質脳症)や神経サルコイドーシス,神経ベーチェット病,脳血管炎などで,これらはいずれもPVSへの炎症性細胞浸潤が関与します.FUS(Focused Ultrasound)治療後やPRES(可逆性後部白質脳症)では,局所的な血液脳関門の破綻により,造影剤がPVSに漏出して PVEが観察されます.そのほか,脳脂肪塞栓症(CFE),Erdheim-Chester病(ECD),Susac症候群,SLEでもPVEが出現することが報告されています.最後に図3は画像所見のパターンと原因疾患のまとめです.
今後,神経放射線診断においてPVEを見逃さないことが重要だと述べています.この図は臨床現場においてとても役に立つものと考えられます.また今後,グリンパティックシステムが解明されるにつれて,これら疾患ごとの画像所見が意味することがより明らかになるのではないかと思います.とても楽しみです.論文はオープンアクセスですのでぜひご一読ください.
Babin M, et al. Perivascular enhancement pattern: Identification, diagnostic spectrum and practical approach – A pictorial review. Journal of Neuroradiology. 2025;52:101242. (doi.org/10.1016/j.neurad.2025.101242)

・驚愕の方法による「ヒト脳ミトコンドリア地図」の完成!―進化的に新しい領域はミトコンドリアが高性能―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月11日のFB投稿です**
私たちの脳は膨大なエネルギーを消費しながら活動しています.このエネルギーは主にミトコンドリアによる酸化的リン酸化(OXPHOS)によって供給されています.このためミトコンドリアの機能は神経活動や神経疾患にも深く関わっています.今回,コロンビア大学などの国際共同研究グループから,ヒト脳のミトコンドリア機能の分布を初めて可視化した研究がNature誌に報告されました.
著者らは,死後8時間以内に摘出された54歳男性の右大脳半球の約2cm厚の冠状断スライスを−80℃で保存し,これをコンピュータ制御の加工機械で3mm立方体のボクセル,計703個の脳領域に切り分けました!(図上).この方法で,人の手では不可能な均一・高精度・再現性のある切り出しが可能になったそうです.またこの空間分解能はMRIのボクセルサイズと一致しており,解剖学的構造とミトコンドリア機能を対応づけることが可能です.そして各ボクセルの試料から,クエン酸シンターゼ活性やミトコンドリアDNA量,およびOXPHOS酵素(複合体I,II,IV)活性が測定され,それらの結果から組織全体としての呼吸能力(TRC;Tissue Respiratory Capacity),ミトコンドリア密度(MitoD;Mitochondrial Density),ミトコンドリア1個あたりの効率(MRC;Mitochondrial Respiratory Capacity)を算出しました.最終的にMRI空間にマッピングして,脳全体の「ミトコンドリア地図」を完成させました.本当に力仕事です.
この結果,脳の部位によってミトコンドリアの密度と性能に顕著な違いがあることが示されました.まず,灰白質は白質よりも50%以上もミトコンドリア密度が高く(図下.MitoD),呼吸能力も高いことが分かりました(図下.TRC).さらに,TRCをMitoDで割ったMRCを算出すると,ミトコンドリア1個当たりの「性能」も評価できますが,灰白質の中でも前頭葉や側頭葉といった進化的に新しい領域では,とくに「性能」が高いことが分かりました.後頭葉は進化的にやや古い皮質領域であるためか,前頭葉皮質ほど高性能ではありませんでしたが,それでも比較的高い領域でした(MitoDやTRCは高いことが分かりました).一方,白質はミトコンドリア密度が低く,1個あたりの効率も低いことから,エネルギー代謝の面ではあまり活発ではないことが分かりました.被殻はMitoD,TRC,MRCとも高いのに対し,淡蒼球では低い(非代謝的)ことも分かりました.
また単一核のRNAシーケンス(snRNA-seq)を用いた解析では,ミトコンドリア関連遺伝子の発現が細胞種ごとに異なっており,血管内皮細胞ではOXPHOS遺伝子の発現が最も高く,抑制性ニューロンでは最も低いことが示されました.
上記の結果は,臨床的にも示唆に富んでいます.血管構造とは独立したこのエネルギー分布の特徴は,神経疾患で観察される脆弱性パターンと一致する可能性があります.たとえばミトコンドリア脳筋症は,後頭葉・頭頂葉・側頭葉などの皮質の脳卒中様エピソードを呈しますが(MELAS),これらの部位はミトコンドリア密度や性能が高く,その「代謝的脆弱性」がMELASの病変好発部位を説明しうると考えられます.今回の研究によって得られた「ミトコンドリア地図」は,このような疾患特異的病変の背景を理解するうえでも重要な基盤となるものと考えられます.
Mosharov EV, et al. A human brain map of mitochondrial respiratory capacity and diversity. Nature. 2025. https://doi.org/10.1038/s41586-025-08740-6

・医師介助自殺に対するイタリア神経学会の見解 ―我が国が参考にすべきこと―
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月13日のFB投稿です**
Neurological Sciences誌に,神経疾患患者における医師介助(幇助)自殺(Physician-Assisted Suicide;PAS)について,イタリア神経学会が包括的に論じたポジションペーパーが発表されました.非常に重要な論文だと思いました.
まず背景ですが,イタリアでは2019年に以下の4条件を満たした場合,医師がPASによる刑罰を免れる(法的例外となる)という憲法裁判所判決がなされました.
1.患者は回復不能な疾患に苦しんでいること
2.身体的または精神的に耐え難い苦痛があること
3.生命維持治療によって生存していること
4.自律的かつ明確な意思決定能力を有すること
つまり対象は「回復不能な疾患に苦しみ,生命維持治療に依存して延命している,明確な意思決定能力を有する18歳以上の患者」に限定されます.ところが,この制度の運用は全国で一貫しておらず,倫理委員会や医師による判断に強く依存しているのだそうです.とくに神経疾患は4の自己決定能力の低下を呈しうるため判断が難しいわけです.
この状況下においてイタリア神経学会は以下の6項目の提言を行いました.日本でも将来PASを検討する場合,非常に参考になる内容が含まれています.
1.神経疾患患者に対する緩和ケアの提供を最優先課題とすること.
2.脳神経内科医に対し,緩和ケアおよび終末期ケアのトレーニングを推奨すること.
3.緩和ケアが適切に行われたにもかかわらず,なおPASを希望する患者に対しては,その意思を尊重し,適切な制度的対応を検討すべきであること.
4.PASが制度化された場合には濫用を防ぐために,明確な実施基準とモニタリング体制を整備すること.
5.神経疾患患者においては,認知機能障害や精神症状により意思決定能力が揺らぐ可能性があるため,標準化された能力評価ツールの開発と活用が必要であること.
6.将来的な法制度の議論においては,「すべり坂(slippery slope)*」の懸念に留意しつつも,過度な萎縮を避け,倫理的に妥当な運用を目指すべきであること.
つまりイタリア神経学会は,PASを単独で制度化するのではなく,緩和ケアが十分に提供されたうえで,なおかつ厳密な条件のもとでのみ,限定的に合法化されるべきだとする立場を示しています.さらに緩和ケアの普及と並行して,神経疾患患者さんが抱える「トータルペイン」に対して共感的に対応しつつ,医師個人の信念や社会的価値観も尊重する形で制度化を目指すべきだと述べています.非常に納得できる内容で,将来,日本でPASを議論する場合,議論の土台になりうる論文だと思います.今後,日本で求められることを以下の4点ではないかと思います.
① 神経疾患に対する緩和ケアの全国的な整備
② 神経疾患の緩和ケアや倫理に関する教育の充実
③ 認知機能の低下前の段階で,協働意思決定を開始する文化の醸成
④ 法的枠組みの整備と,市民を含めた社会全体での議論
とくに④は,日本ではPAS,尊厳死,安楽死,治療のwithdraw/withholdといった概念が混在しており,多くの人がそれぞれの定義を理解できていない状況だと思います.市民が共に議論できる環境を整えることが求められます.
Pucci E, et al. Neurology and physician-assisted suicide: position of the Italian society of neurology. Neurol Sci. 2025. https://doi.org/10.1007/s10072-025-08038-5
用語の解説:*「すべり坂」とはある行為を一度認めてしまうと,想定していた範囲を超えて,徐々により広い・極端なケースにまで拡大してしまうという懸念を示す倫理・法的な概念です.PASの場合は「特定の条件を満たす患者に限って認める」と制度化しても,やがて条件が緩和され,認知症・神経難病・精神疾患・高齢者などのケースにも拡大されるという懸念を指します.事実,オランダでは「すべり坂は起きた」と言われています.
図はこの問題を勉強するうえで有用な3冊です.
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・なぜALSで眼球運動は保たれるのか?変性にレジリエンスをもつ神経細胞に学ぶ治療のヒント
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月15日のFB投稿です**
ALSにおけるCharcotの陰性4徴候のひとつに,眼球運動障害が生じにくいという点があります.これは多くの医学生も知っている基本的な知識であり,私もALSでは,病状がかなり進行するまで眼球運動が保たれると教えています.しかし,なぜこのような現象が生じるのかと問われると説明ができませんでした.ところが最近,Brain誌のオピニオン欄にミラノ大学等から報告された一本の論文に,その謎を考える大きな示唆を与えられ,思わずハッとさせられました.
それは神経ごとに「抵抗性(内因性レジリエンス)」があるという仮説です.まず図1では,運動ニューロンの抵抗性が,細胞体の大きさ,軸索の長さ,分岐の多さ,活動頻度などの構造的・機能的特徴と関連している可能性を示しています.急速易疲労性運動ニューロン(ジャンプや短距離走など短時間・高出力の動作に関与する)は,太くて長い軸索を持ち,広範な筋肉群に分岐しており,エネルギー需要が高く,小胞体(ER)ストレスへの感受性も高いため,ALSにおいて最も早期に変性します.これに対し緩徐運動ニューロン(姿勢保持や長距離走など持続的運動に関与する)や動眼神経は,軸索が細く短く,分岐も少ないため,エネルギー負荷が低く,より高いレジリエンスを示します.つまり,神経ごとの構造的・機能的な違いが選択的な神経変性に反映されるという仮説です.
図2Aでは3種類の運動ニューロンについて,各種分子の発現レベルとERストレスの程度が示されており,ALSに対して強いか弱いかが一目でわかります.それ以降は過去の論文報告のまとめで,図2Bでは,動眼神経で高発現しているSYT13(Synaptotagmin 13)遺伝子を急速易疲労性運動ニューロンに導入することで,神経細胞の変性を防げることがマウスモデルで示されたことを表しています.図2Cは抵抗性のある動眼神経ニューロンにMMP(matrix metalloprotease)を加えてもなお抵抗性を示すことを表しています.また図2Dでは,培養運動ニューロンに対する興奮性毒性に対し,CYPIN(別名GDA)を培地に添加することで部分的に保護できることを示しています.さらに,図2Eでは培養運動ニューロンにおいてSYT13が片方のコピーしかないと,タンパク凝集やシナプス消失などALSに類似した表現型が再現されることを表しています.
ALSの病態にはグリア細胞や免疫細胞など複数の細胞種が関与しますが,そうは言っても神経細胞固有の性質が変性に大きく影響するという考えです.今後,単一細胞レベルや空間トランスクリプトーム解析などの技術を駆使して,各タイプごとの髄運動ニューロンの分子特性がさらに解明することが期待されます.そしてレジリエンスを持つ神経細胞の分子特性が解明されれば,その特徴をレジリエンスの弱い神経細胞に導入するという新しい治療につながると考えられます.
Corti S, Hedlund E. Intrinsic neuronal resilience as a tool for therapeutic discovery. Brain. 2025;148(4):1058–1061. https://doi.org/10.1093/brain/awaf010

・血液からタウ病理を正確に捉えるアルツハイマー病診断の新時代の到来 ― 準備はできているか?
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月16日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)の診断や治療方針の決定に,脳内におけるアミロイドβおよびタウ蛋白の蓄積の評価が有用です.しかしその評価にはこれまでPET検査や脳脊髄液検査が必要であるため,日常診療への応用には限界がありました.しかしNature Medicine誌に相次いで掲載された2本の国際共同研究は,血液検査によりタウ蛋白の蓄積を高精度に評価できるというもので,今後の診療に大きなインパクトを及ぼすと予想されます.
第一の研究は,米国ワシントン大学のグループによるものです.この研究では,脳内の不溶性タウ凝集体に特異的な血漿バイオマーカーとして,eMTBR-tau243(endogenously cleaved microtubule-binding region tau243)を開発しました.これはタウ蛋白の微小管結合領域のうち,243〜256番残基に相当する断片であり,神経原線維変化(神経細胞に蓄積するタウ)から遊離したフラグメントと考えられるそうです.検討はスウェーデンとアメリカのコホート(739名および55名)を含む複数の独立した集団で実施されました.この結果,eMTBR-tau243は,アミロイドβ陽性の軽度認知障害(MCI+)およびアルツハイマー型認知症(AD+)において有意に上昇し,非AD性タウオパチー(PSP,CBS,FTDなど)では上昇しないという高い特異性を示しました(図1).またeMTBR-tau243はMCI+およびAD+において顕著に上昇しているのに対し,アミロイド陽性ながら認知機能が正常なCU+(Cognitively Unimpaired / Aβ陽性)では上昇していないことが明確に示されています.さらにこのバイオマーカーは,タウPETと非常に強い線形相関を示し(最大r²=0.56),特にBraak III〜VIといった中〜後期のタウ蓄積との関連が際立っていました.また,eMTBR-tau243は脳萎縮や認知機能検査(MMSE,mPACC)との関連も強く,進行期病理の指標としての有用性が高いことが示されました.よってeMTBR-tau243は,認知機能障害が出現した段階での「タウ病理の有無を確実に判定する」ための血液バイオマーカーとして非常に価値が高いです.将来的には,PETに代わる「臨床で使える確定診断ツール」となる可能性を持っています.逆にCU+(アミロイド陽性かつ認知機能正常)段階では上昇しないため,「発症前の予測」や「スクリーニング」には不向きです.
もう一つの研究は,スウェーデン・ルンド大学からの報告です.この研究ではLumipulseプラットフォーム(完全自動化された臨床検査用の分析システム)により血漿中のp-tau217を測定し,ADの診断精度を一次医療(かかりつけ医)および二次医療(専門施設)で評価しました.対象は1767名の認知症が疑われる患者であり,このバイオマーカーの診断精度は,二次医療施設ではAUC 0.93〜0.96,一次医療でもAUC 0.87と非常に高いことが確認されました.特筆すべきは,図2に示されているように,単一カットオフ(0.27 pg/mL)でも高精度ながら,二重カットオフ(0.22 pg/mL未満を陰性,0.34 pg/mL超を陽性)を導入することで判定不能域を除外し,診断精度(Accuracy)が最大94%という高い値を達成した点です.さらに,中間域の症例にはp-tau217/Aβ42比を用いることで,不確実な判定を10%未満に抑えています.また年齢や腎機能といったバイアスの影響も最小限であり,ルーチン検査への導入可能性が高いことも確認されました.つまりp-tau217は早期診断,スクリーニングに使用できます.
この2つのバイオマーカーの違いを表にまとめました.eMTBR-tau243は,脳内のタウ病理の進行を直接反映するマーカーとして,臨床試験や病期分類において有用です.一方で,p-tau217は,診断の初期スクリーニングや一次医療における活用に最適です.近い将来,血液検査項目のなかに,ADスクリーニング(p-tau217)とAD確定・病期判定(eMTBR-tau243)という2つが並ぶことになりそうです.ADの個別化医療や新規治療法の評価がさらに前進することが期待されます.
まさに驚くべきスピードで研究が進んでいきます.しかし,新しい技術には新しい社会的・経済的・倫理的問題が伴いますので,その準備が必要です.これらの議論を急ぎ進める必要性を強く感じます.
Horie K, et al. Plasma MTBR-tau243 biomarker identifies tau tangle pathology in Alzheimer’s disease. Nature Medicine. 2025; https://doi.org/10.1038/s41591-025-03617-7
Salvadó G, et al. Plasma phospho-tau217 for Alzheimer’s disease diagnosis in primary and secondary care using a fully automated platform. Nature Medicine. 2025; https://doi.org/10.1038/s41591-025-03622-w

・脳卒中における半側空間無視の頻度はじつは高く,脳幹・小脳病変でも生じうる
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月20日のFB投稿です**
脳卒中後に生じる半側空間無視(hemispatial neglect もしくはvisuospatial neglect)は,日常生活への支障や予後不良と関連する重要な症候です.スイスの研究グループから,Stroke誌に半側空間無視の真の発生率を検討した前向きコホート研究が報告されました.この研究の特徴は,従来の紙ベースの検査(ベルテスト,線分二等分検査)に加え,より感度の高い評価法である自由視覚探索中のビデオ眼球運動計測(Free Visual Exploration with video oculography;FVE)というものを導入して,急性期脳卒中患者における半側空間無視の発生頻度を調べたことです.
対象は,2022年から1年間に脳卒中センターに入院した初発脳卒中患者626名のうち,条件を満たした221名に上述の3つの検査を行いました.この結果,全体で38.0%の患者に半側空間無視を認めました.この頻度は,これまで報告されていたものを上回っており,従来の評価では過小評価されていたものと考えられます.
特筆すべき点は脳卒中の部位ごとの無視の発生率を明確に示したことです.図のように右大脳半球に病変がある患者では約61%,右中大脳動脈(MCA)領域では64.2%,右後大脳動脈(PCA)領域は52.4%でした.一方,左大脳半球病変では22.2%で,MCA領域で20.6%,PCA領域で25%と,やや低めながら無視を認めています.さらに興味深いのは,橋や延髄,小脳でも14〜20%(!)で観察された点です.そして半側空間無視を呈した患者は認めない患者に比べて高齢で,年齢が1歳上がるごとに無視のオッズが4.1%増加しました.また,無視を認めた患者はNIHSSスコアが高く,血栓回収術を受けた割合が高く,心房細動の合併も多いという特徴がみられました.これらの所見は,半側空間無視がより重篤な脳卒中と関連しやすいことを示しています.
またFVEも有用性についても検討しています.96.5%の患者に実施可能であり,紙ベースのテストより実施率が高く,かつ検出感度も有意に高ことが示されました.今後,このような高感度・高実施率の手法を臨床に取り入れることで,半側空間無視の早期発見とリハビリ介入が可能となり,予後の改善にもつながると期待されます.
以上,①右半球病変に限らず,左半球・小脳・脳幹病変においても半側空間無視は一定の頻度で出現すると認識を改めること,②紙ベースの検査では見逃される可能性が高いため,FVEのような感度の高い方法を可能な限り導入すべきこと,が大切だと思いました.
Cazzoli D, et al. Incidence of Visuospatial Neglect in Acute Stroke: Assessment and Stroke Characteristics in an Unselected 1-Year Cohort. Stroke. 2025;56:00–00. (doi.org/10.1161/STROKEAHA.124.048907)

・『研修医の指導 ―問診,診察,EBMから倫理まで―』@滋賀医大 第6回地域医療支援講演
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月22日のFB投稿です**
滋賀医科大学 総合内科学講座の杉本俊郎教授より貴重な機会を賜り,「研修医の指導」に関する講演をさせていただきました.医学教育の専門家という立場ではありませんが,現場で日々感じていることを踏まえ,これまで先輩の先生方から学んだことや,日々の診療の中で私自身が心がけていることを中心に,自分なりの視点でお話しさせていただきました.講演後には多くのご質問を頂戴し,大変刺激的で学びの多い時間となりました.改めまして,このような貴重な機会をいただきました杉本教授に,心より感謝申し上げます.
以下に講演の概要を記載いたします.スライドは下記リンクよりご覧いただけます.
https://www.docswell.com/…/800…/K1R8MV-2025-04-22-042001″>https://www.docswell.com/…/800…/K1R8MV-2025-04-22-042001
【講演の概要】
1. はじめに
2.問診:本当の主訴を理解するために
2.1 問診のコツ
2.2 時系列に基づく病歴聴取
2.3 オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョン
2.4 家系図の活用と遺伝形式の理解
2.5 本当の主訴を捉える意義
2.6 オスラーの三原則と患者さんの理解
2.7 患者さんとの人間関係構築の技法
3.診察:Hyposkilliaに陥らないために
3.1 診察の基本原則と紹介状への対応
3.2 所見の記載の工夫と記録の意義
3.3 安易な検査依存の危険とその克服
3.4 教育的アプローチと視覚教材の活用
4.カルテの記載と臨床思考:正しくEBMを実践するために
4.1 Problem listの作成法
4.2 SOAPの意味とPOSの実践
4.3 CQ(Clinical Question)の立案
4.4 診断基準・ガイドラインとの向き合い方
4.5 文献検索とEBMの5ステップ
4.6 「不安」の記載と対応
5.臨床倫理と意思決定支援:治療の自己決定を協働して行うために
5.1 倫理的問題の多職種での対応
5.2 倫理4原則とJonsenの4分割表
5.3 患者の自己決定能力の評価
5.4 リバタリアンパターナリズム
5.4 Shared Decision Making(SDM)の実践
6.症例報告の指導と実践:研修医と指導医を指導するために
6.1 症例報告の意義と学術的価値
6.2 初めて書く人への具体的アドバイス
6.3 指導医の役目と責任
7.まとめ

・飲酒は小血管病変を引き起こすことで認知機能を低下させる・・・大規模な剖検例の検討
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月28日のFB投稿です**
愛酒家の私にとって見て見ぬふりをすればよい論文でしたが,飲酒による認知機能低下の機序が示され,衝撃的でしたのでじっくり読みました.ブラジルのサンパウロ大学からの,飲酒に伴う脳の病理学的変化を検討した研究で,Neurology誌に掲載されました.この研究はバイオバンクに登録された1,781名の剖検データを用いて行っています.対象の平均年齢は74.9歳,平均教育歴は4.8年,女性は49.6%,白人は64.1%でした.
対象を,飲酒歴に応じて,飲酒なし,適度な飲酒,大量飲酒,過去の大量飲酒に分類しました.ここで,適度な飲酒とは1週間に7ドーズ(98gのアルコール)以内,大量飲酒とは週に8ドーズ(112g以上)のアルコール摂取と定義されています.1ドーズはビール約350mL,ワイン約150mL,蒸留酒約45mLに相当しますので,適度な飲酒は1日缶ビール1本です.また病理学的検討では,アルツハイマー病関連病理(アミロイドβ沈着,神経原線維変化),レビー小体病理,TDP-43病理,ラクナ梗塞,硝子様小動脈硬化,脳アミロイドアンギオパチーについて評価しています.生前の認知機能はClinical Dementia Rating Scale Sum of Boxes(CDR-SB)で評価されました.
結果として,適度な飲酒,大量飲酒,過去の大量飲酒はいずれも「硝子様小動脈硬化」と有意に関連していました!(図上).これは硝子様(ガラスのように均質で透き通った)物質が血管壁に沈着して,動脈硬化が生じる変化で,硝子様物質には血漿タンパクやコラーゲンなどの基底膜成分が,血管内皮の障害を介して血管壁に染み出して沈着したものと考えられています.この硝子様小動脈硬化のリスクが,適度な飲酒ではオッズ比1.60,大量飲酒では2.33,過去の大量飲酒では1.89と,飲酒歴なし群に比べて明らかに上昇していました.また,大量飲酒と過去の大量飲酒では神経原線維変化(=タウ蛋白の凝集)との関連も認められ,大量飲酒ではオッズ比1.41,過去の大量飲酒では1.31となっていました.一方,アミロイドβ沈着,レビー小体病理,TDP-43病理については,飲酒との明確な関連は認めませんでした.さらに,過去の大量飲酒は脳重量比(体格補正するために,脳重を身長で割った値)の低下,すなわち脳萎縮(β=−4.45)および認知機能の悪化(CDR-SBスコア上昇,β=1.31)と相関していました.ちなみにβは回帰分析における回帰係数です.
図下では,飲酒が認知機能低下に及ぼす影響について,直接効果(direct effect)と間接効果(indirect effect)を分けて解析しています.この結果,飲酒と認知機能低下との間には直接的な影響は認められず,硝子様小動脈硬化を介した間接的な影響であることを示しています(間接効果:β 0.13,p = 0.012).
批判的に読むと横断研究であり,飲酒期間に関する情報が欠けているため,因果関係を断定することには慎重であるべきですが,それでも飲酒が脳の血管病変を通して認知機能に悪影響を与えることが強く示唆されました.注目すべき点は,適度な飲酒でも硝子様小動脈硬化のリスクが上昇することです.さらに日本人を含む東アジア系の人々では,アルコール代謝に関わるALDH2遺伝子の活性低下型を保有する割合が高く,アルコール摂取後にアセトアルデヒドが体内に蓄積しやすいことが知られています.アセトアルデヒドは血管内皮障害や神経細胞障害を引き起こす毒性を有しており,小動脈硬化をさらに促進する可能性があります.したがって,日本人では,飲酒による脳への影響がより高まる可能性があると考えられます.こうしてデータを前にすると,「適度な飲酒」という言葉の響きも,どこか心許なく感じられてきます.効果のほどはさておき,昨晩はノンアルコール・ビールで晩酌を済ませました.
Nogueira BV, et al. Association of Alcohol Consumption With Neuropathology in a Population-Based Study. Neurology. Published online 2024.(https://www.neurology.org/doi/10.1212/WNL.0000000000213555)

・非定型パーキンソン症候群の認知・精神症状プロファイルを理解する
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月29日のFB投稿です**
進行性核上性麻痺(PSP),大脳皮質基底核症候群(CBS),多系統萎縮症(MSA),パーキンソン病(PD)における認知機能と精神症状の違いを,英国の研究グループが詳細に解析し,Brain誌に報告しました.この研究では,2つの大規模コホートの計1138名のデータを統合し,各疾患を比較しています.診断は臨床診断に基づいて行い,診断基準としては,PSPはNINDS-SPSP→MDS PSP criteria,CBSはArmstrong基準,MSAはGilman改訂基準,PDはQueen Square Brain Bank基準を使用しています.
認知機能の違いについては,左側のレーダーチャートに示されています.パーキンソン病では全体的に認知機能は保たれており,記憶(Mem),注意(Attn),言語(Lang),流暢性(Flu),視空間認知(Vis-spat)いずれの領域でも比較的良好な成績を示しました.一方,PSPでは,特に流暢性の低下が目立ち,前頭葉性の遂行機能障害が主体であることがわかります.CBSでは,視空間認知の著しい低下がみられ,注意や記憶にも広範な障害が及んでいました.MSAは比較的軽度で,PDと近いパターンを示しましたが,若干の遂行機能障害が認められました.
その他,精神症状等に関しては(右側のレーダーチャート),PDでは睡眠障害が最も目立ち,他の項目では大きな異常は認められませんでした.これに対し,PSPでは無気力が際立っており,さらに抑うつや不安も高いレベルで存在していました.CBSでは不安が特に強く,抑うつや無気力も目立ちました.MSAは精神症状全体としては比較的軽度でしたが,無気力傾向が一定程度認められました.
著者らは,これらの認知・精神症状プロファイルを用いて,疾患を鑑別するロジスティック回帰モデルを開発し,PSPとPDを76%の精度で区別できることを示しました.また,認知機能低下は運動障害とは独立してADLを悪化させる重要な因子であること,さらにPSPでは血中NFL濃度が認知機能と関連することも示しています.この研究は,非定型パーキンソン症候群において,単なる運動症状だけでなく,認知・精神症状の詳細な評価が診断精度向上に不可欠であることを示唆しています. 最後に各疾患ごとの特徴をまとめておきます.
【疾患別特徴まとめ】
• PSP
認知機能では言語流暢性の低下が著明
無気力が目立ち,衝動性も高頻度
抑うつや不安もみられるが,幻覚・妄想は少ない
血中NFL濃度が認知機能低下と関連
• CBS
視空間認知障害が顕著
注意・記憶・言語も広範囲に障害
不安が強く,無気力や抑うつも目立つ
認知機能低下が急速に進行
• MSA
認知機能障害は軽度で,PDと近い
無気力は一定の頻度でみられるが,衝動性は少ない
認知機能と運動機能の進行が独立している
睡眠障害が比較的多い
• PD
初期には認知機能は比較的良好
睡眠障害が最も多く,抑うつ・不安は軽度
認知機能低下と運動機能低下が連動する
認知機能の低下もADLに独立して影響する
Hu MT, et al. Cognitive and neuropsychiatric profiles distinguish atypical parkinsonian syndromes. Brain. 2025. (doi.org/10.1093/brain/awaf132)

・原発性神経リンパ腫症を理解する:301例のシステマティックレビュー
**岐阜大学医学部下畑先生の2025年4月30日のFB投稿です**
原発性神経リンパ腫症(primary neurolymphomatosis;PNL)は血液悪性腫瘍,主にB細胞リンパ腫が末梢神経系に直接浸潤する稀な疾患です.診断時には神経症状のみを呈することが多く,かつ他の神経疾患との鑑別が非常に難しい疾患です.これまでsystematic reviewは存在しませんでしたが,Eur Journal of Neurol誌の最新号に,フランスから自験例2例を含めた301例の検討が報告されています.結果は以下のとおりです.
・年齢の中央値は60歳,男性が61%.
・B細胞リンパ腫が73%と最も多く,次いでT細胞リンパ腫9%,NK/T細胞リンパ腫3%,その他11%.
・慢性経過44%,亜急性38%,急性17%.
・神経所見は非対称性が79%で,感覚障害が75%,運動障害が64%に認められ,下肢優位は59%にみられた.痛みを伴わない症例が56%.
・神経所見の分布はでは,ニューロパチーが36%と最多で,多発単神経炎24%,神経根症15%,腕神経叢障害11%,馬尾症候群10%,脳神経障麻痺11%(図1).
・診断までに要した期間は中央値8か月,最初の検査で確定診断に至ったのはわずか28%.
・誤診としては,脊椎変性疾患(19%),CIDP(18%),炎症性ニューロパチーや血管炎(15%)などが多い.
・脳脊髄液検査は72%に異常が認められた.神経伝導検査は97%,MRIは94%,PETは82%で異常を認めた.
・神経生検は171例で施行され,うち57%でリンパ腫細胞の浸潤を認めた.
・治療は82%で施行され,うち90%が全身化学療法を受けた.41%はリツキシマブ併用療法を受けた.
・治療効果は45%が症状の安定または改善を示し,55%は進行した.
・再発率は24%,再発までの中央値は5か月.
・1年後の生存率は73%,全生存期間の中央値は28か月(図2).
・生存率に影響を及ぼした因子はB細胞リンパ腫であることのみで,リツキシマブ併用の有無は関連しなかった(図3).
以上より,PNLはやはり診断困難な疾患であり,非典型的な末梢神経障害を呈する症例に対しては,画像検査と神経生検を積極的に行う必要があることを改めて認識しました.治療後も再発率が高く,長期生存率も2-3年であることから,今後,さらなる診断・治療への取り組みが求められる疾患と言えます.
Chakroun S, et al. Primary Neurolymphomatosis: A Literature Review. European Journal of Neurology. 2025;32:e70173.(doi.org/10.1111/ene.70173)

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)